JP2007180149A - 磁場中成形装置及び金型 - Google Patents

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    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/008Applying a magnetic field to the material

Abstract


【課題】中棒と下パンチとのかじり、中棒の外周部又は下パンチの内周部に偏磨耗を防止することのできる磁場中成形装置を提供する。
【解決手段】成形すべき楕円状断面を有するリング状成形体の外形形状に応じた孔71を有した臼型40と、臼型40の内方に設けられ、孔71の中心軸に沿って位置する中棒80と、臼型40と中棒80の間に位置し、臼型40および中棒80の少なくとも一方に対し孔71の中心軸方向に沿って相対移動可能とされた下パンチ50と、臼型40の孔71に上側から挿入可能とされ、孔71内で下パンチ50と対向するよう昇降可能に設けられた上パンチ60と、臼型40の外周部に設けられ、臼型40、中棒80、下パンチ50および上パンチ60に囲まれたキャビティ100に磁界を印加するコイルと、中棒80の中心軸周りの回転を規制する回転規制機構と、を備えることを特徴とする磁場中成形装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、磁場中成形装置及び磁場中成形装置に使用する金型に関し、特にリング状の成形体を成形する磁場中成形装置及び金型に関するものである。
フェライト磁石やサマリウムコバルト系磁石、ネオジウム−鉄−硼素系磁石等の焼結磁石において、リング状、筒状(以下、リングと総称する)の形状を有したものがある。このようなリング永久磁石は、モータ等をはじめとする各種電気部品に用いられている。
通常、リング永久磁石を形成する場合、臼(ダイ)、中棒(コア)、上・下パンチから構成された金型のキャビティ空間内に磁石粉末をフィーダから充填し、上・下パンチにより加圧し、成形する。磁石粉末を均一に充填する場合、特に長尺のリング永久磁石の場合には磁石粉末が充填され易いように中棒を昇降させているものもある。
一般的に、リング永久磁石の断面は真円を有しているが、成形体の断面を真円ではなく楕円状とする場合がある。例えば、特許文献1では、ネオジウム−鉄−硼素系の2極異方性磁石を製造する場合に、異方性方向に長い楕円状の成形空間を用いて成形体を作製する技術が記載されている。これは、焼結、その後の熱処理における収縮が、異方性方向に大きいためである。また、特許文献2は、一対の対向部分が所要角度範囲内においてラジアル異方性を有し、残部が直角異方性及び/又は等方性の異方性リング永久磁石を製造するために、楕円状の成形体を作製した後に、焼結する技術が開示されている。特許文献1、2では、焼結、その後の熱処理後には、真円状のリング永久磁石を製造することを前提としているが、楕円状のリング永久磁石を製造することもある。
特開昭62−29116号公報 特開平6−260328号公報
楕円状の成形体を作製する場合、断面が楕円状の臼、中棒、上・下パンチを用いることになる。本発明者等がこのような金型を用いて成形体を作製する過程で、中棒と上パンチとの間にかじりが生じて成形作業を中断しなければならないことがあった。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、楕円状のリング成形体を磁場中成形中で成形する際の中棒と上パンチとのかじりを防止することのできる磁場中成形装置を提供することを目的とする。また、本発明はそのような磁場中成形装置に用いる金型を提供することを目的とする。
本発明者等は、中棒と上パンチにかじりが生じる原因について検討したところ、圧縮工程中に中棒が軸回転を起こして上パンチとの間に不必要な空隙が形成され、この空隙に被成形物である磁石粉末が入り込んでかじりが生ずることが確認された。特に、近時では磁気特性向上のために、微細化された磁石粉末を用いるために、この傾向が大きい。そこで、中棒の軸回転を防止することにより、中棒と下パンチとのかじりを防止する磁場中成形装置が提供される。この磁場中成形装置は、成形すべき楕円状断面を有するリング状成形体の外形形状に応じた孔を有した臼型と、臼型の内方に設けられ、孔の中心軸に沿って位置する中棒と、臼型と中棒の間に位置し、臼型および中棒の少なくとも一方に対し孔の中心軸方向に沿って相対移動可能とされた下パンチと、臼型の孔に上側から挿入可能とされ、孔内で下パンチと対向するよう昇降可能に設けられた上パンチと、臼型の外周部に設けられ、臼型、中棒、下パンチおよび上パンチに囲まれたキャビティに磁界を印加するコイルと、中棒の中心軸周りの回転を規制する回転規制機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の磁場中成形装置において、回転規制機構は、中棒の周囲に形成された多角形フランジと、多角形フランジに対応した形状の保持孔を有する保持部とから構成することができる。
また、本発明の磁場中成形装置において、回転規制機構は、中棒の周囲に形成された突条と、突条に対応した形状の保持溝を有する保持部とから構成することができる。
以上の回転規制機構において、フランジ又は突条を中棒の基端部に形成することができる。
また、以上の回転規制機構において、保持部は、下パンチに形成することができる。
本発明は、磁場中成形装置に適用することのできる金型として捉えることができる。この金型は、キャビティに磁性粉末を充填し、キャビティに磁場を印加しつつ加圧することで楕円状断面を有するリング状の成形体を得る磁場中成形装置に用いられる金型であって、成形体の外形形状に応じた孔を有した臼型と、臼型の内方に設けられ、孔の中心軸に沿って位置するとともに中心軸周りの回転が規制された中棒と、臼型と中棒の間に位置し、臼型および中棒の少なくとも一方に対し孔の中心軸方向に沿って相対移動可能とされた下パンチと、臼型の孔に上側から挿入可能とされ、孔内で下パンチと対向するよう昇降可能に設けられた上パンチと、を備えることを特徴とする。
以上の金型の具体的な形態として、中棒の基端部に、多角形フランジが形成され、臼型に固定されるホルダープレートと、中棒の多角形フランジに対応した形状の保持孔を有した押さえ部材とを備え、ホルダープレートと、押さえ部材の保持孔とで多角形フランジを挟み込むことで、中棒の中心軸周りの回転を規制することができる。
また他の形態として、中棒の所定位置に、多角形フランジが形成され、下パンチの下端部に、中棒の多角形フランジに対応した形状の保持孔が形成され、保持孔に多角形フランジを挿入することで、中棒の中心軸周りの回転を規制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、断面が楕円状の成形体を製造する際に、中棒と上パンチとのかじりの発生を防止することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施の形態における磁場中成形装置1の構成を説明するための図である。
磁場中成形装置1は、リング状の磁石を形成するためのもので、金型2によって形成されるキャビティ100内に合金粉末(磁性粉末)を充填し、磁場を印加しつつキャビティ100内の合金粉末を加圧することで磁場中成形を行い、成形体を形成するものである。この成形体は断面が楕円状をなしており、本実施の形態における磁場中成形装置1は断面が楕円状のリング成形体を作製するものである。
この磁場中成形装置1は、後述する臼型ユニット3及び磁場印加ユニット4を支持する支持プレート7と、下パンチ5を支持する下パンチベース8と、上パンチ6を支持する上パンチベース9とを備える。
支持プレート7に支持された磁場印加ユニット4は、コイル4a、4b及びヨーク4c、4dとから構成されている。このコイル4a、4bにより、臼型ユニット3が設けられる領域には、図1における水平方向の磁界が発生するようになっている。この方向は、磁場中成形装置1における加圧方向と直交する方向である。支持プレート7は、磁場中成形装置1のベース(図示無し)に対し油圧シリンダやボールねじ、カム等の駆動機構によって昇降駆動可能とされた下ラム10に、支柱11を介して支持され、これによって昇降可能となっている。
下パンチベース8は、磁場中成形装置1のベース(図示無し)に、支柱14を介して固定支持されている。
上パンチベース9は、下パンチベース8の上方に対向するよう設けられ、磁場中成形装置1のベース(図示無し)に、油圧シリンダやボールねじ、カム等の駆動機構により昇降駆動可能とされている。
金型2は、臼型ユニット3、下パンチ5、上パンチ6によって構成され、上記磁場中成形装置1の支持プレート7、下パンチベース8、上パンチベース9に対し、ボルト等の取付部材によって着脱可能に取り付けられるようになっている。
臼型ユニット3は、臼型本体(臼型)3aを備える。この臼型本体3aは、その中心が、コイル4a、4bによって発生される磁場の中心に合致するよう設けられる。
臼型本体3aには、成形すべき成形体の形状に対応した形状の孔3bが形成されている。本実施の形態は楕円状の成形体を作製するため、孔3bは開口形が楕円状をなしている。
臼型本体3aの孔3b内には中棒12が配設されている。この中棒12は、断面が楕円状をなしている。一方で、支持プレート7の下部には中棒ホルダ13が配設されている。中棒ホルダ13は、略円形の底板13aと、底板13aから上方に延び、支持プレート7の下面に取り付け固定される一対の支持部13bとから形成される。
そして、中棒ホルダ13の底板13a上には、臼型本体3aの孔3bに対応する位置に、中棒12が設けられている。この中棒12は、中棒ホルダ13の底板13aにボルト等で固定される中棒クランパ(押さえ部材)13cにより、下端部(拡径部)12aが保持・固定されるようになっている。中棒12の下端部12aは、フランジ状に拡径しており、中棒クランパ13cには、中棒12に対応した位置に、中棒12の下端部12aに対応した形状の保持孔13dが形成されており、この保持孔13dによって、中棒12の下端部12aを保持・固定するのである。
このとき、中棒クランパ13cに形成された保持孔13dの精度により、中棒12の位置精度を確保し、中棒12の位置決め・固定を行う。このため、例えば、拡径した下端部12aおよび保持孔13dを、例えばテーパ状にかみ合う構造として、中棒クランパ13cで中棒12を中棒ホルダ13に取り付けるのみで、その位置決めを行える構成とすること等が有効である。
下端部12a近傍の横断面を図2に示すが、中棒12の下端部12aは矩形断面を有している。また、中棒クランパ13cに形成された保持孔13dは、断面が矩形をなしている下端部12aに対応する矩形の空隙を形成している。このように、下端部12aが保持孔13dに挿入されていると、中棒12は軸周りの回転が規制される。つまり、中棒12の下端部12aと中棒クランパ13cに形成された保持孔13dとによって、中棒12の回転規制機構が構成されている。
下パンチ5は、中棒12と同様、下パンチベース8にボルト等で固定される下パンチクランパ5bにより、その下端部5aが保持・固定されるようになっている。下パンチ5の下端部5aは、フランジ状に拡径しており、下パンチクランパ5bには、下パンチ5に対応した位置に、下パンチ5の下端部5aに対応した形状の保持孔5cが形成されており、この保持孔5cによって、下パンチ5の下端部5aを保持・固定するのである。
この場合も、下パンチクランパ5bに形成された保持孔5cの精度により、下パンチ5の位置決め・固定を行う。このため、例えば、拡径した下端部5aおよび保持孔5cを、例えばテーパ状にかみ合う構造として、下パンチクランパ5bで下パンチ5を下パンチベース8に取り付けるのみで、その位置決めを行える構成とするのも好ましい。
下パンチベース8に保持された下パンチ5は、その上端部が臼型本体3aの孔3b内に挿入されるようになっている。また、下パンチ5には、その中心部に上下に連続する貫通孔5dが形成されており、中棒12は、この貫通孔5dに挿入されて、その上端部が下パンチ5よりも上方に突出するように設けられる。中棒12が貫通孔5dに挿入された部分の横断面を図3に示す。図3に示すように、中棒12は断面が楕円をなしており、下パンチ5の内外周も楕円をなしている。
図1に示したように、上パンチ6は、上パンチクランパ6bにより、磁場中成形装置1の上パンチベース9に取り付けられるようになっている。上パンチクランパ6bには、臼型本体3aの孔3bに対応する位置に保持孔6cが形成されている。上パンチ6の上端部(拡径部)6aはフランジ状に拡径しており、上パンチクランパ6bの保持孔6cは、上パンチ6の上端部6aに対応した形状とされており、この保持孔6cによって、上パンチ6の上端部6aを保持・固定するのである。なお、上パンチ6は、楕円状の断面を有している。
この場合も、上パンチクランパ6bに形成された保持孔6cの精度により、上パンチ6の位置決め・固定を行う。このため、例えば、拡径した上端部6aおよび保持孔6cを、例えばテーパ状にかみ合う構造として、上パンチクランパ6bで上パンチ6を上パンチベース9に取り付けるのみで、その位置決めを行える構成とするのも好ましい。
このようにして、金型2は、臼型ユニット3を構成する臼型本体3aおよび中棒12が支持プレート7によって昇降可能に支持され、下パンチ5が下パンチベース8に支持され、上パンチ6が上パンチベース9に昇降可能に支持された構成となる。
そして、臼型本体3aに形成された孔3b内には、下パンチ5および中棒12が配置され、その上方に上パンチ6が位置した状態となっており、これによって筒状のキャビティ100が形成されている。
このような磁場中成形装置1は、さらに、キャビティ100に合金粉末を供給する原料供給機構を備える。原料供給機構では、キャビティ100に、所定量の合金粉末を供給する。その供給量管理には、供給する合金粉末の重量を用いることもできるが、キャビティ100への合金粉末の供給高さ(レベル)を用いるのが好ましい。そして、合金粉末をキャビティ100に供給し、原料供給機構に備えたすり切り機構により、供給した合金粉末を臼型本体3aの上面レベルですり切るようにするのが好ましい。
<第2実施形態>
図4は、本実施の形態における磁場中成形装置20の構成を説明するための図である。なお、第1実施形態が、一度の成形動作で1つの成形体を成形し、かつ磁場の印加方向と加圧方向が略直交する磁場中成形装置に関するものであるのに対して、第2実施形態は一度の成形動作で複数の成形体を成形し、かつ磁場の印加方向と加圧方向が略平行な磁場中成形装置に関するものである。
磁場中成形装置20は、リング状の磁石を形成するためのもので、金型30によって形成されるキャビティ100内に合金粉末(磁性粉末)を充填し、磁場を印加しつつキャビティ100内の合金粉末を加圧することで磁場中成形を行い、成形体を形成するものである。この成形体は断面が楕円状をなしており、本実施の形態における磁場中成形装置20は断面が楕円状のリング成形体を作製するものである。
この磁場中成形装置20は、後述する臼型ユニット40を支持する支持プレート21と、下パンチ50を支持する下パンチベース22と、上パンチ60を支持する上パンチベース23とを備える。
支持プレート21は、磁場中成形装置20のベース(図示無し)に対し油圧シリンダやボールねじ、カム等の駆動機構によって昇降駆動可能とされた下ラム24に、支柱25を介して支持され、これによって昇降可能となっている。そして、支持プレート21上の外周部に、コイル27が設けられている。このコイル27により、金型30が設けられる領域には、図4における縦方向の磁界が発生するようになっている。なお、コイル27以外に、磁場強度分布改善等のために他のコイルやヨークを設けても良い。
下パンチベース22は、磁場中成形装置20のベース(図示無し)に、支柱26を介して固定支持されている。
上パンチベース23は、下パンチベース22の上方に対向するよう設けられ、磁場中成形装置20のベース(図示無し)に、油圧シリンダやボールねじ、カム等の駆動機構により昇降駆動可能とされている。
図5に示すように、金型30は、以下のような臼型ユニット40、下パンチ50、上パンチ60によって構成され、上記磁場中成形装置20の支持プレート21、下パンチベース22、上パンチベース23に対し、ボルト等の取付部材によって着脱可能に取り付けられるようになっている。
臼型ユニット40は、臼型本体(臼型)70を備える。この臼型本体70は、その中心が、コイル27によって発生される磁場の中心に合致するよう設けられる。
臼型本体70には、成形すべき成形体の形状に対応した形状の孔71が、所定数形成されている。本実施の形態は楕円状の成形体を作製するため、孔71は開口形が楕円状をなしている。また、これらの孔71は、図6に示すように、臼型本体70の中心に対し、半径r1、r2となる同心円C1、C2上に配置されている。同心円C1、C2のそれぞれにおいては、孔71が周方向に等間隔となるように配置するのが好ましい。また、第一の孔群として内周側の同心円C1上に位置した孔71に対し、第二の孔群として外周側の同心円C2上に位置した孔71は、臼型本体70の中心に対し一直線上に並ばないよう、周方向に角度をずらしてオフセットさせ、千鳥状に配置するのが好ましい。
なお、ここでは、半径r1、r2となる同心円C1、C2のみの内外2段階に孔71を形成するようにしたが、もちろん径方向3段階以上に孔71を形成するようにしても良い。
臼型本体70の下面には、中棒ホルダ41が一体に取り付けられている。中棒ホルダ41は、略円形の底板41aと、底板41aから上方に延び、臼型本体70の下面に取り付け固定される一対の支持部41bとから形成される。
そして、中棒ホルダ41の底板41a上には、臼型本体70のそれぞれの孔71に対応する位置に、中棒80が設けられている。これらの中棒80は、中棒ホルダ41の底板41aにボルト等で固定される中棒クランパ(押さえ部材)42により、下端部(拡径部)80aが保持・固定されるようになっている。各中棒80の下端部80aは、フランジ状に拡径しており、中棒クランパ42には、それぞれの中棒80に対応した位置に、中棒80の下端部80aに対応した形状の保持孔42aが形成されており、この保持孔42aによって、中棒80の下端部80aを保持・固定するのである。
このとき、中棒クランパ42に形成された保持孔42aの精度により、中棒80の位置精度を確保し、中棒80の位置決め・固定を行う。このため、例えば、拡径した下端部80aおよび保持孔42aを、例えばテーパ状にかみ合う構造として、中棒クランパ42で中棒80を中棒ホルダ41に取り付けるのみで、その位置決めを行える構成とすること等が有効である。
下端部80a近傍の横断面を図7に示すが、中棒80の下端部80aは矩形断面を有している。また、中棒クランパ42に形成された保持孔42aは、断面が矩形をなしている下端部80aに対応する矩形の空隙を形成している。このように、下端部80aが保持孔42aに挿入されていると、中棒80は軸周りの回転が規制される。つまり、中棒80の下端部80aと中棒クランパ42に形成された保持孔42aとによって、中棒80の回転規制機構が構成されている。
このようにして、臼型ユニット40を構成する臼型本体70と中棒80は、中棒ホルダ41によって一体化されている。
そして、臼型本体70を支持プレート21に取り付けることで、臼型ユニット40が磁場中成形装置20にセットされるようになっている。
下パンチ50は、下パンチホルダ51により、磁場中成形装置20の下パンチベース22に取り付けられるようになっている。下パンチホルダ51は、その上端部に取付プレート52が設けられており、この取付プレート52の上面に、所定数の下パンチ50が、臼型本体70のそれぞれの孔71に対応する位置に配置されている。これらの下パンチ50は、中棒80と同様、取付プレート52にボルト等で固定されるクランパ53により、その下端部50aが保持・固定されるようになっている。各下パンチ50の下端部50aは、フランジ状に拡径しており、クランパ53には、それぞれの下パンチ50に対応した位置に、下パンチ50の下端部50aに対応した形状の保持孔53aが形成されており、この保持孔53aによって、下パンチ50の下端部50aを保持・固定するのである。
この場合も、クランパ53に形成された保持孔53aの精度により、下パンチ50の位置決め・固定を行う。このため、例えば、拡径した下端部50aおよび保持孔53aを、例えばテーパ状にかみ合う構造として、クランパ53で下パンチ50を下パンチホルダ51に取り付けるのみで、その位置決めを行える構成とするのも好ましい。
下パンチホルダ51に保持された下パンチ50は、その上端部が臼型本体70の孔71内に挿入されるようになっている。また、各下パンチ50には、その中心部に上下に連続する貫通孔55が形成されており、中棒80は、この貫通孔55に挿入されて、その上端部が下パンチ50よりも上方に突出するように設けられる。中棒80が貫通孔55に挿入された部分の横断面を図8に示す。図8に示すように、中棒80は断面が楕円をなしており、下パンチ50の内外周も楕円をなしている。
さて、図9に示すように、下パンチホルダ51の上部には、上下方向に連続する一対のスリット溝54が形成されている。一方、前記の中棒ホルダ41の前記支持部41bは、下パンチホルダ51のスリット溝54に対応するよう、中棒ホルダ41の底板41aに対し、外周側に突出するように形成されている。これにより、下パンチホルダ51と中棒ホルダ41は、スリット溝54と支持部41bが係合してガイドとして機能し、スリット溝54が連続する方向、つまり上下方向に相対移動可能となっている。
図5に示したように、上パンチ60は、所定数がクランパ61により、磁場中成形装置20の上パンチベース23に取り付けられるようになっている。クランパ61には、臼型本体70のそれぞれの孔71に対応する位置に保持孔61aが形成されている。上パンチ60の上端部(拡径部)60aはフランジ状に拡径しており、クランパ61の保持孔61aは、上パンチ60の上端部60aに対応した形状とされており、この保持孔61aによって、上パンチ60の上端部60aを保持・固定するのである。なお、上パンチ60は、楕円状の断面を有している。
この場合も、クランパ61に形成された保持孔61aの精度により、上パンチ60の位置決め・固定を行う。このため、例えば、拡径した上端部60aおよび保持孔61aを、例えばテーパ状にかみ合う構造として、クランパ61で上パンチ60を上パンチベース23に取り付けるのみで、その位置決めを行える構成とするのも好ましい。
このようにして、金型30は、臼型ユニット40を構成する臼型本体70および中棒80が支持プレート21によって昇降可能に支持され、下パンチ50が下パンチベース22に支持され、上パンチ60が上パンチベース23に昇降可能に支持された構成となる。
そして、臼型本体70に形成されたそれぞれの孔71内には、下パンチ50および中棒80が配置され、その上方に上パンチ60が位置した状態となっており、これによって筒状のキャビティ100が形成されている。
これらのキャビティ100には、コイル27で発生する磁場が印加される。このとき、キャビティ100、すなわち臼型本体70の孔71は、臼型本体70の中心に対し、第一半径、第二半径である半径r1、r2となる同心円C1、C2上に配置されている。同心円C1上のすべてのキャビティ100は、コイル27で発生する磁場中心から等距離(同心円C1の半径r1)にあるため、印加される磁場強度は均等になる。また、同心円C2上のすべてのキャビティ100は、コイル27で発生する磁場中心から等距離(同心円C2の半径r2)にあるため、印加される磁場強度は均等になる。
このとき、同心円C1上に位置するキャビティ100と、同心円C2上に位置するキャビティ100とでは、磁場中心からの距離が異なってしまうため、これを補うため、リング状の磁性体90を近傍に設置するのが好ましい。リング状の磁性体90を設置する好ましい位置としては、同心円C1上のキャビティ100よりも同心円C2上のキャビティ100に近い位置、すなわち同心円C2上のキャビティ100よりもさらに外周側である。例えば、臼型本体70の下面の外周部に磁性体90を設けるのが好ましい。この磁性体90は、鉄板とするのが好ましい。
磁性体90により、同心円C2上のキャビティ100に作用する磁場強度が高まり、同心円C1上のキャビティ100に作用する磁場強度との均等化を図るのである。
このような磁場中成形装置20は、さらに、キャビティ100に合金粉末を供給する原料供給機構を備える。原料供給機構では、キャビティ100に、所定量の合金粉末を供給する。その供給量管理には、供給する合金粉末の重量を用いることもできるが、キャビティ100への合金粉末の供給高さ(レベル)を用いるのが好ましい。そして、合金粉末をキャビティ100に供給し、原料供給機構に備えたすり切り機構により、供給した合金粉末を臼型本体70の上面レベルですり切るようにするのが好ましい。
次に、上記したような構成を有する磁場中成形装置20を用いた、希土類焼結磁石の製造方法について説明する。
ここでまず、本発明の適用対象の磁石について説明する。
本発明はR−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCo)で示されるネオジム系焼結磁石について適用することが望ましい。
R−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜37wt%含有する。ここで、RはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの1種又は2種以上から選択される。Rの量が25wt%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR14B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが37wt%を超えると主相であるR14B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜37wt%とする。望ましいRの量は28〜35wt%である。
また、本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を4.5wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、Coを5.0wt%以下(0を含まず)、望ましくは0.1〜3.0wt%含有することができる。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上などに効果がある。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を7000ppm以下、さらには5000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。
このようなR−T−B系焼結磁石は、以下のような工程を経ることで製造される。
以下、各工程の内容を説明する。なお、以下では希土類焼結磁石としてネオジム系焼結磁石であるR−T−B系焼結磁石を例にして説明するが、本発明はこれ以外のSmCo系の希土類焼結磁石に適用できることは言うまでもない。
<原料合金調整>
R−T−B系焼結磁石の原料合金は、真空又は不活性ガス、望ましくはAr雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、原料金属をArガス雰囲気などの非酸化性雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1〜50μmの均質な組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。なお、溶解後の偏析を防止するため、例えば水冷銅板に傾注して凝固させることができる。また、還元拡散法によって得られた合金を原料合金として用いることもできる。
<粉砕>
原料合金は粉砕工程に供される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行うことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行うことが効果的である。水素放出処理は、希土類焼結磁石として不純物となる水素を減少させることを目的として行われる。水素放出のための加熱保持の温度は、200℃以上、望ましくは350℃以上とする。保持時間は、保持温度との関係、原料合金の厚さ等によって変わるが、少なくとも30分以上、望ましくは1時間以上とする。水素放出処理は、真空中又はArガスフローにて行う。なお、水素吸蔵処理、水素放出処理は必須の処理ではない。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径2.5〜6μm、望ましくは3〜5μmとする。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。微粉砕前の粗紛末に潤滑剤を添加混合しても良く、微粉砕後あるいはその両方で潤滑剤を添加混合しても良い。
<磁場中成形>
以上のようにして得られた微粉砕粉(磁性粉末)を、磁場中成形し、成形体を得る。本実施の形態では、加圧方向と印加する磁界の方向が平行な成形法である平行磁界成形法の例(先の第2実施形態)を用いて説明する。
磁場中成形における成形圧力は30〜300MPa(0.3〜3ton/cm)の範囲とすればよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足して成形体の加工時に問題が生じるので、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、50〜65%が好ましい。
本発明において印加する磁場は、800〜1600kA/m(10〜20kOe)程度とすればよい。印加する磁場は静磁界に限定されず、パルス状の磁界とすることもできる。また、静磁界とパルス状磁界を併用することもできる。パルス状の磁界を用いる場合は、2400kA/m(30kOe)程度の高い磁界を使用することが可能である。
<焼結>
磁場中成形によって得られた成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結し、R−T−B系焼結磁石を得る。焼結温度は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1200℃で1〜10時間程度焼結すればよい。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行う場合には、800℃近傍、600℃近傍での所定時間の保持が有効である。800℃近傍での熱処理を焼結後に行うと、保磁力が増大するため特に有効である。また、600℃近傍の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
<保護膜形成>
以上のようにして得られた希土類焼結磁石、特にR−T−B系焼結磁石は、その表面に電解めっきによる保護膜を形成することができる。保護膜の材質としては、Ni、Ni−P、Cu、Zn、Cr、Sn、Alのいずれかを用いることができるし、他の材質を用いることもできる。また、これらの材質を複層として被覆することもできる。
電解めっきによる保護膜は本発明の典型的な形態であるが、他の手法による保護膜を設けることもできる。他の手法による保護膜としては、無電解めっき、クロメート処理をはじめとする化成処理及び樹脂塗装膜のいずれか又は組み合せが実用的である。特に清浄性の要求から、VCM用磁石は、表面硬度の高いNiめっきが好んで用いられる。
保護膜の厚さは、磁石素体のサイズ、要求される耐食性のレベル等によって変動させる必要があるが、1〜100μmの範囲で適宜設定すればよい。望ましい保護膜の厚さは1〜50μmである。
さて、上記したような工程を経ることで、R−T−B系焼結磁石が製造されるわけであるが、ここで、磁場中成形工程について詳述する。
ここでは、図4に示した磁場中成形装置20を用いて説明する。
まず、図4に示したように、上パンチ60を上昇させて下パンチ50から離した状態で、臼型本体70と下パンチ50とによって形成されるキャビティ100に、図示しない原料供給機構により、微粉砕粉を供給する。このとき、コイル27で所定強度の磁界を発生させながらキャビティ100内に微粉砕粉を磁力により吸引するのが好ましい。
また、キャビティ100の深さが大きいとき、微粉砕粉の供給開始時には、図10(a)に示すように、臼型ユニット40を下降させてキャビティ100の深さを抑えておき、この後、図10(b)に示すように、徐々に臼型ユニット40を上昇させてキャビティ100の深さを大きくするようにしても良い。同様の目的で、中棒80を臼型本体70に対して下降させた状態で微粉砕粉の供給を開始した後に、中棒80を上昇させる方法もある。
このようにして微粉砕粉を所定量供給した後、供給を停止する。そして、原料供給機構に備えたすり切り機構により、キャビティ100に供給した微粉砕粉を臼型本体70の上面レベルですり切る。
微粉砕粉の供給後、コイル27で所定強度の磁界を発生し、キャビティ100内の微粉砕粉に対し磁場を印加し、微粉砕粉を所定の方向に配向させながら、上パンチ60を下降させてキャビティ100内の微粉砕粉を下パンチ50との間で挟み込み、所定の加圧力で加圧する。
このようにしてキャビティ100内の微粉砕粉に対し磁場を印加しつつ加圧することで、所定形状、サイズを有した成形体が形成される。
この際、中棒80の下端部80aと中棒クランパ42に形成された保持孔42aとによって、中棒80の軸周りへの回転が規制されているため、中棒80と下パンチ50とのかじりを防止することができる。つまり、上パンチ60を降下させて加圧することで、中棒80にその径方向にも圧力が加わる。この圧力により中棒80はその軸線回りに回転しようとするが、その回転が規制されるのである。したがって、中棒80と上パンチ50との間の間隙は適切に維持され、かじりの原因である微粉砕粉の中棒80と上パンチ50との間への侵入を防止することができる。
加圧の完了後、臼型ユニット40を下降させるとともに、上パンチ60を上昇させて退避させ、成形体を取り出す。
また、上述したようにして、複数の同心円C1、C2上にキャビティ100を配することで、リング状の磁石の複数個取りが可能となる。このとき、同心円C1、C2のそれぞれにおいては、すべてのキャビティ100がコイル27で発生する磁場中心から等距離にあるため、印加される磁場強度を均等にすることができる。
さらに、リング状の磁性体90を、磁場中心に近い同心円C1上のキャビティ100よりも磁場中心から遠い同心円C2上のキャビティ100に近い位置に設けたので、磁場中心からの距離が異なる同心円C1上と同心円C2上とで、キャビティ100に作用する磁場強度との均等化を図ることができる。
これによって、複数個取りした場合においても、キャビティ100間で、印加される磁場強度に差が出るのを抑え、得られる磁石の磁気特性のばらつきを抑え、量産性を高めることができる。また、微粉砕粉のキャビティ100への供給に磁場吸引を用いる場合、キャビティ100に供給される微粉砕粉の量にばらつきが出るのを抑え、磁石の寸法、重量のばらつきを抑えることもできる。
また、複数のキャビティ100のそれぞれに設けられる中棒80は、中棒ホルダ41によって臼型本体70に一体化され、これによって臼型ユニット40が構成されている。このように、複数本の中棒80を臼型本体70に一体化しておくことで、形成する成形体の形状や寸法が変わり、段取り替えを行わなければならないときには、臼型ユニット40をセットしさえすればよく、従来のように個々の中棒80について位置調整および取り付け作業を行う必要がない。下パンチ50、上パンチ60においても、同様に、複数本がユニット化されているので、これらについても位置調整、取り付け作業が不要となる。
したがって、段取り替え作業の作業性を向上して大幅な効率化を図ることができ、生産性についても向上させることが可能となる。
さて、以上の実施形態では、中棒80の回転規制機構を下端部80a自体の形状を矩形とし、かつ下端部80aを収容する中棒クランパ42の保持孔42aの開口形を矩形とすることにより構成したが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、図11に示すように、中棒80の下端部80aの断面を楕円状(真円でも可)とし、この楕円状の下端部80aの周囲に突条80bを設ける。一方で、中棒クランパ42の保持孔42aに、突条80bを収容する保持溝42bを設ける。そうすることにより、突条80bと保持溝42bとが回転規制機構を構成し、中棒80の軸周りの回転を規制することができる。また、図12に示すように、突条80cを中棒80の周囲に設ける一方、中棒クランパ42の保持孔42aに、突条80cを収容する保持溝42cを設けることによって、中棒80の回転を規制する回転規制機構を構成することができる。
以上説明した形態では、下端部80aも含め中棒80と中棒クランパ42との間で中棒80の回転を規制する回転規制機構を構成したが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、中棒80と下パンチ50との間で回転規制機構を構成することができる。図13に基づきその例について説明する。図13は、(a)が下パンチ50に中棒80が挿入された状態の断面図、(b)が中棒80の断面図、(c)が下パンチ50の断面図、図14が図13(a)のB−B断面図である。図13に示すように、中棒80は、長手方向の中心近傍にフランジ80dが設けてある。図14に示すように、このフランジ80dは断面が矩形状をなしている。また、下パンチ50の下端部50a内にフランジ80dを収容する保持孔50bが形成されている。この保持孔50bは、図14に示すように、開口形が矩形状をなしている。このようにして、フランジ80dが保持孔50bに収容されていると、中棒80は軸周りの回転が規制される。このように、中棒80のフランジ80dと下パンチ50に形成された保持孔50bとによって、中棒80の回転規制機構を構成することもできる。
さらに、以上説明した磁場中成形装置1,20は、中棒12(80)は臼型本体3a(70)に対して固定しているが、昇降するタイプの磁場中成形装置に適用することができることはいうまでもない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択し、あるいは他の構成に適宜変更することが可能である。
第1実施形態における磁場中成形装置の概略構成を示す図である。 中棒下端部付近の断面図である。 下パンチ及び中棒の断面図である。 第2実施形態における磁場中成形装置の概略構成を示す図である。 金型の詳細な構造を示す断面図である。 金型へのキャビティの配置の例を示す図である。 中棒下端部付近の断面図である。 下パンチ及び中棒の断面図である。 金型に備えた臼型ユニットの構成を示す図であり、(a)は(b)のA−A断面図、(b)は側面図である。 金型の動作を示す図である。 回転規制機構の他の例を示す断面図である。 回転規制機構の他の例を示す断面図である。 回転規制機構の他の例を示す断面図である。 図13(a)のB−B断面図である。
符号の説明
1…磁場中成形装置、2…金型、3…臼型ユニット、3a…臼型本体(臼型)、3b…孔、4…磁場印加ユニット、4a,4b…コイル、4c,4d…ヨーク、5…下パンチ、5a…下端部、5b…下パンチクランパ、5c…保持孔、5d…貫通孔、6…上パンチ、7…支持プレート、8…下パンチベース、9…上パンチベース、10…下ラム、11…支柱、12…中棒、12a…下端部(拡径部)、13…中棒ホルダ、13a…底板、13b…支持部、13c…中棒クランパ(押さえ部材)、13d…保持孔、14…支柱、20…磁場中成形装置、27…コイル、30…金型、40…臼型ユニット、41…中棒ホルダ、41a…底板、41b…支持部、42…中棒クランパ(押さえ部材)、42a…保持孔、42b,42c…保持溝、50…下パンチ、50a…下端部、50b…保持孔、51…下パンチホルダ、52…取付プレート、53…クランパ、53a…保持孔、54…スリット溝、55…貫通孔、60…上パンチ、60a…上端部(拡径部)、61…クランパ、61a…保持孔、70…臼型本体(臼型)、71…孔、80…中棒、80a…下端部(拡径部)、80b,80c…突条、90…磁性体、100…キャビティ、C1、C2…同心円

Claims (8)

  1. 成形すべき楕円状断面を有するリング状成形体の外形形状に応じた孔を有した臼型と、
    前記臼型の内方に設けられ、前記孔の中心軸に沿って位置する中棒と、
    前記臼型と前記中棒の間に位置し、前記臼型および前記中棒の少なくとも一方に対し前記孔の中心軸方向に沿って相対移動可能とされた下パンチと、
    前記臼型の前記孔に上側から挿入可能とされ、前記孔内で前記下パンチと対向するよう昇降可能に設けられた上パンチと、
    前記臼型の外周部に設けられ、前記臼型、前記中棒、前記下パンチおよび前記上パンチに囲まれたキャビティに磁界を印加するコイルと、
    前記中棒の前記中心軸周りの回転を規制する回転規制機構と、
    を備えることを特徴とする磁場中成形装置。
  2. 前記回転規制機構は、
    前記中棒の周囲に形成された多角形フランジと、
    前記多角形フランジに対応した形状の保持孔を有する保持部とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁場中成形装置。
  3. 前記回転規制機構は、
    前記中棒の周囲に形成された突条と、
    前記突条に対応した形状の保持溝を有する保持部とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁場中成形装置。
  4. 前記多角形フランジ又は前記突条が前記中棒の基端部に形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の磁場中成形装置。
  5. 前記保持部は、前記下パンチに形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の磁場中成形装置。
  6. キャビティに磁性粉末を充填し、前記キャビティに磁場を印加しつつ加圧することで楕円状断面を有するリング状の成形体を得る磁場中成形装置に用いられる金型であって、
    前記成形体の外形形状に応じた孔を有した臼型と、
    前記臼型の内方に設けられ、前記孔の中心軸に沿って位置するとともに前記中心軸周りの回転が規制された中棒と、
    前記臼型と前記中棒の間に位置し、前記臼型および前記中棒の少なくとも一方に対し前記孔の中心軸方向に沿って相対移動可能とされた下パンチと、
    前記臼型の前記孔に上側から挿入可能とされ、前記孔内で前記下パンチと対向するよう昇降可能に設けられた上パンチと、
    を備えることを特徴とする金型。
  7. 前記中棒の基端部に、多角形フランジが形成され、
    前記臼型に固定されるホルダープレートと、前記中棒の前記多角形フランジに対応した形状の保持孔を有した押さえ部材とを備え、前記ホルダープレートと、前記押さえ部材の前記保持孔とで前記多角形フランジを挟み込むことで、前記中棒の前記中心軸周りの回転が規制されることを特徴とする請求項6に記載の金型。
  8. 前記中棒の所定位置に、前記多角形フランジが形成され、
    前記下パンチの下端部に、前記中棒の前記多角形フランジに対応した形状の前記保持孔が形成され、前記保持孔に前記多角形フランジが挿入されることで、前記中棒の前記中心軸周りの回転が規制されることを特徴とする請求項6に記載の金型。
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