JP2006265491A - ドープの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶液製膜に用いられるドープの評価を定量化する。
【解決手段】 溶媒とTACと添加剤とを混合して混合物を得る。攪拌機を回転させて混合物の溶質を溶媒に溶解させる。攪拌機のトルクが略一定になった後に0分,5分〜35分それぞれ攪拌を行う。それら各ドープを80℃のスタティックミキサを有する加熱機内を通過させることで加熱溶解を行う。温調機によりドープを室温とする。得られるドープを濾過装置に送液して1時間あたりの濾圧上昇を測定する。トルク一定後の攪拌時間と濾圧上昇とをグラフ化することにより、最適な攪拌時間を知ることができると共に攪拌時間によりドープ中の不溶解物の存在の有無を評価することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明はドープの評価方法に関し、より詳しくは溶液製膜方法に好適なドープの評価方法に関するものである。
セルロースアシレート、特に57.5%〜62.5%の平均酢化度を有するセルローストリアセテート(以下、TACとも称する)から形成されるTACフィルムは、その強靭性と難燃性とから写真感光材料のフィルム用支持体として利用されている。また、TACフィルムは光学等方性に優れていることから、近年市場の拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フィルム,光学補償フィルム(例えば、視野角拡大フィルムなど)などに用いられている。TACフィルムは、通常溶液製膜方法により製造されている。溶液製膜方法は、ポリマーなどをジクロロメタンや酢酸メチルを主溶媒とする混合溶媒に溶解した高分子溶液(以下、ドープと称する)を調製する。そのドープを流延ダイより支持体上に流延して流延膜を形成する。その流延膜が支持体上で自己支持性を有するものとなった後に、支持体から膜(以下、この膜を湿潤フィルムと称する)として剥ぎ取り、乾燥させた後にフィルムとして巻き取る(例えば、非特許文献1参照。)。
発明協会公開技報公技番号2001−1745号
ところで、綿を原材料として合成されているTACの有機溶媒への溶解は、攪拌による溶解(以下、攪拌溶解法と称する)と高温による溶解(以下、高温溶解法と称する)によって行われている。場合によっては有機溶媒などを冷却してTACを溶解させることもある(以下、冷却溶解法と称する)。
これら各溶解法による実験条件、例えば、攪拌時間、加熱温度及び加熱時間、冷却温度及び冷却時間の選択は、経験的な値で行われている。そのため、TACの迅速な溶解条件が明確になっておらず、ドープ調製時間の効率化の点から問題が生じている。また、異物、特に綿由来の不溶解物を少なくするドープの調製条件が明確になっていないため、ドープ中に残存している異物を濾過工程で除去する際に濾過装置への負荷が過大となる問題も生じている。さらに、TACの溶解性は、作業者が目視で確認しているため、作業者の判断が難しいものとなっている。さらに、複数の作業者がTACの溶解性を判定していると、各個人間での判断の差異が生じる問題もある。
本発明は、定量化されたドープの評価方法を提供することを目的とする。
本発明のドープの評価方法は、セルロースアシレートを溶媒に溶解させて製造されるドープの評価方法において、攪拌翼を有する攪拌機により前記セルロースアシレートと前記溶液とを攪拌し、前記攪拌翼のトルク値が略一定となってから所定時間後に前記攪拌を終了する攪拌工程と、前記溶液を濾過装置で濾過し、且つ濾過圧力を測定する濾過工程と、を有し、前記所定時間は、前記濾過圧力が略一定となるまでの時間である。前記所定時間が15分以上25分以下であることが好ましい。
前記攪拌工程と前記濾過工程との間に前記セルロースアシレートと前記溶媒とを加熱して、前記セルロースアシレートの溶解を促進させる加熱工程を有することが好ましい。前記加熱の温度が、70℃以上110℃以下であることが好ましい。前記セルロースアシレートがセルロースアセテートであって、前記セルロースアセテートの酢化度が55%以上65%以下であることが好ましい。前記溶媒が混合溶媒であって、主溶媒がジクロロメタンであり、その組成比が70重量%以上95重量%以下であることが好ましい。前記溶媒が混合溶媒であって、主溶媒が酢酸メチルであり、その組成比が70重量%以上90重量%以下であることが好ましい。前記ドープが、溶液製膜方法に用いられることが好ましい。
本発明のドープの評価方法によれば、セルロースアシレートを溶媒に溶解させて製造されるドープの評価方法において、攪拌翼を有する攪拌機により前記セルロースアシレートと前記溶液とを攪拌し、前記攪拌翼のトルク値が略一定となってから所定時間後に前記攪拌を終了する攪拌工程と、前記溶液を濾過装置で濾過し、且つ濾過圧力を測定する濾過工程と、を有し、前記所定時間は、前記濾過圧力が略一定となるまでの時間であるから、ドープの評価を定量化できる。この評価方法で評価されるドープは、溶液製膜方法に好ましく用いられる。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
[原料]
本実施形態においては、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いているが、本発明はセルロースアシレートに限定されるものではない。セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACを用いる場合には、その90重量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1である)を意味する。
全アシル置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは
0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位及び6位の水酸基による置換度の総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBはその20%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位の置換度が0.75以上であり、さらには0.80以上であり特には0.85以上であるセルロースアシレートも挙げることができる。これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(ドープ)が作製できる。特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。さらに粘度が低く、ろ過性の良い溶液の作製が可能となる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター綿,パルプ綿のどちらから得られたものでも良いが、リンター綿から得られたものが好ましい。
本発明のドープの評価方法に用いられるTACの酢化度は、55%以上65%以下であることが好ましく、57%以上63%以下であることがより好ましく、最も好ましくは59%以上62%以下である。
本発明のセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル、ブタノイルである。
ドープの溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明において、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液,分散液を意味している。
上記溶媒の中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度及び光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2重量%〜25重量%が好ましく、5重量%〜20重量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
本発明のドープの評価方法で用いられる有機溶媒はジクロロメタンを主成分とする混合溶媒であることが好ましく、その組成比は80重量%以上95重量%以下であることが好ましく、より好ましくは82重量%以上95重量%以下である。
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の溶媒組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。これらを適宜混合して用いることがある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。
本発明のドープの評価方法で用いられる有機溶媒は酢酸メチルを主成分とする混合溶媒を用いることもできる。この場合に酢酸メチルの組成比は70重量%以上90重量%以下であることが好ましく、より好ましくは72重量%以上90重量%以下であり、最も好ましくは75重量%以上90重量%以下である。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特願2004−264464号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶媒及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特願2004−264464号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
[ドープの製造方法]
上記原料を用いて、まずドープを製造する。図1は本発明に用いられるドープを製造するためのドープ製造ライン10の概略図である。ドープ製造ライン10には、溶媒を貯留するための溶媒タンク11と、溶媒とTACなどとを混合するための溶解タンク12と、TACを供給するためのホッパ13と、添加剤を貯留するための添加剤タンク14とが備えられている。さらに、後述する膨潤液を加熱するための加熱装置15と、調製されたドープの温度を調整する温調機16と、濾過装置17とを備えている。さらに、調製されたドープを濃縮するフラッシュ装置30,濾過装置31なども備えられている。また、溶媒を回収するための回収装置と、回収された溶媒を再生するための再生装置とが備えられている。そして、このドープ製造ライン10は、ストックタンク41を介してフィルム製造ライン40と接続されている。
上記ドープ製造ライン10を用いて以下の方法でドープが製造される。まず始めに、バルブ18を開き、溶媒が溶媒タンク11から溶解タンク12に送られる。次にホッパ13に入れられているTACが溶解タンク12に送り込まれる。このとき、TACは、連続的に計量と送出とを行う送出手段により溶解タンク12に連続的に送りこまれてもよいし、計量して所定量を送出するような送出手段により溶解タンク12に断続的に送り込まれてもよい。また、添加剤溶液は、バルブ19の開閉操作により必要量が添加剤タンク14から溶解タンク12に送り込まれる。
添加剤は、溶液として送り込む方法に限定されない。例えば、添加剤が常温で液体の場合には、その液体の状態で溶解タンク12に送り込むことが可能である。また、添加剤が固体の場合には、ホッパ等により固体のままで溶解タンク12に送り込む方法も可能である。添加剤を複数種類添加する場合には、添加剤タンク14の中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を入れておきこの溶液を溶解タンク12に送る方法や、各添加剤が個別に溶解された溶液を、それぞれ異なる添加剤タンクに入れて、それぞれ独立した配管により溶解タンク12に送り込む方法がある。
前述した説明においては、溶解タンク12に入れる順番を、溶媒(混合溶媒の場合も含めた意味で用いる)、TAC、添加剤の順としているが、本発明はこの順番に限定されるものではない。例えば、TACの後に溶媒を溶解タンク12に送ることもできる。また、添加剤は、必ずしも溶解タンク12に予め入れておく必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物に直接これを添加して混合させることもできる。
[攪拌溶解工程]
溶解タンク12には、図1に示すようにその外面を包み込むジャケット20と、モータ21により回転する第1攪拌機22とが備えられている。さらに、図1に示すように溶解タンク12には、モータ23により回転する第2攪拌機24が取り付けられていることが好ましい。なお、第1攪拌機22は、アンカー翼が備えられたものであることが好ましく、第2攪拌機24は、ディゾルバータイプの偏芯型撹拌機であることが好ましい。
第1攪拌機22の攪拌時間(回転時間)は、5分以上60分以下であることが好ましく、より好ましくは10分以上40分以下であり、最も好ましくは15分以上25分以下である。
そして、溶解タンク12には、ジャケット20の内部に伝熱媒体を流すことにより温度調整されており、その好ましい温度範囲は−10℃〜55℃の範囲である。第1攪拌機22,第2攪拌機24のタイプを適宜選択して使用することにより、TACが溶媒に溶解しているドープ25を得る。
攪拌を行っている際に、攪拌機22にかかるトルクを測定する。例えば、TAC濃度が15重量%以上25重量%以下で、主溶媒がジクロロメタンのドープ25を調製する際に、攪拌機22にかかるトルクが略一定となった後に更に攪拌を行う。なお、ドープのTAC濃度は、5重量%以上40重量%であることが好ましく、より好ましくは15重量%以上30重量%以下であり、最も好ましくは17重量%以上25重量%以下の範囲とすることである。
トルクが略一定となった後の攪拌時間は15分以上25分以下であることが好ましい。所定のトルクに達してからの攪拌時間が15分未満であるとTACが有機溶媒(主成分をジクロロメタンとする混合溶媒)に十分に溶解していないおそれがある。また、25分を超えて攪拌を行っても、攪拌溶解の進行が生じにくく、ドープ25の生産性悪化の原因となるおそれがある。
次に、ドープ25は、ポンプ26によりストックタンク27に送られる。なお、本発明において、このストックタンク27の配置は省略することもできる。このようにしてドープ25は回分式(バッチ式)で製造される。
[加熱溶解法]
ストックタンク27中のドープ25はポンプ28により加熱装置15に送られる。ポンプ28による送液流量は10L/min以上200L/min以下の範囲とすることが好ましく、より好ましくは20L/min以上180L/min以下であり、最も好ましくは25L/min以上150L/min以下である。加熱装置15は、スタティックミキサ15aにジャケット15bを設けたものであることが好ましいがそれに限定されるものではなく、スパイラル式熱交換器などを用いることもできる。さらに、ドープ25を加圧することができる構成のものを用いることもできる。このような加熱装置15を用いることにより、加熱条件下または加圧加熱条件下でドープ25中の溶質であるTACなど(攪拌溶解で溶解しなかったもの)の溶解を進行させることができる。
ドープ25の温度は、70℃以上110℃以下であることが好ましい。ドープ25の温度が70℃未満であると、溶質であるTACなどの溶解が進行しないおそれがある。また、ドープ25の温度が110℃を超えると、TACの変性を招いたり、耐熱性に優れる加熱装置15を用意したりする必要が生じる場合がある。これらはドープ25を調製する際のコスト高の原因となる。
ドープ25を−100℃〜−30℃の温度に冷却する冷却溶解法を行うこともできる。加熱溶解法及び冷却溶解法を適宜選択して行うことでTACを溶媒に充分溶解させることが可能となる。ドープ25を温調機16により略室温とする。温調機16もスタティックミキサ16aにジャケット16bが設けられていることが好ましい。
[濾過工程]
ドープ25は、濾過装置17に送られ、濾過される。濾過装置17に使用される濾過フィルタは、その平均孔径が2μm以上40μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以上20μm以下であり、最も好ましくは5μm以上10μm以下である。また、濾過流量は、10L/hr以上200L/hr以下であることが好ましく、より好ましくは20L/hr以上180L/hr以下であり、最も好ましくは25L/hr以上150L/hr以下である。濾過後ドープ(以下、単にドープとも称する)35は、バルブ28を介してフィルム製造ライン40中のストックタンク41に送られここに貯留される。
ドープ25を濾過装置17で濾過する際には、濾過圧力(濾圧とも称する)を圧力計17aで測定する。具体的には、初期圧力は20Pa以上400Pa以下の範囲であることが好ましく、30Pa以上300Pa以下の範囲であることがより好ましく、最も好ましくは50Pa以上200Pa以下の範囲である。また、濾過装置17の濾過圧力が所定の値を超えると、製造されているドープ25のTACなどの溶質の溶解性が進行していないと判断することができる。
[ドープの評価方法]
前記攪拌工程において、攪拌機のトルクが略一定となる時間を測定してドープ25を得る。そしてドープ25に必要であれば所望の溶解法を行った後に濾過工程で濾過装置17の濾過圧力(濾圧)の上昇を測定する。その一例を図3に示す。トルク略一定後の攪拌時間と、そのドープ25の濾圧上昇との関係は、図3に示されているように一定時間(図3では20分)経過後では濾圧上昇が一定となる。そこで、予めトルク略一定後に行った攪拌時間と、得られるドープ25の濾圧上昇との関係を図示しておくことで、攪拌時間の最適化を行うことができる。このような濾圧上昇が略一定となるドープ25には不溶解物の含有が減少しているため、溶液製膜により得られるフィルムの光学特性は優れたものとなる。
[濃縮工程]
また、目的とする濃度よりも低濃度のドープを調製し、その後に目的の濃度とするための濃縮工程を行うこともできる。このような濃縮工程を行う際には、濾過装置17で濾過されたドープ35を3方バルブ29を介してフラッシュ装置30に送る。フラッシュ装置30内でドープ35中の溶媒の一部を蒸発させる。蒸発により発生した溶媒ガスは、凝縮器により凝縮されて液体となり回収装置により回収される。回収された溶媒は再生装置によりドープ調製用の溶媒として再生されて再利用される。この再利用はコストの点で効果がある。
また、濃縮されたドープ35は、ポンプ34によりフラッシュ装置30から抜き出される。さらに、ドープ35に発生した気泡を抜くために泡抜き処理が行われることが好ましい。この泡抜き方法としては、公知の種々の方法が適用され、例えば超音波照射法が挙げられる。ドープ35は続いて濾過装置31に送られて、異物が除去される。なお、濾過の際のドープ35の温度は、0℃〜200℃であることが好ましい。そしてドープ35はストックタンク41に送られ、貯蔵される。
また、添加剤(主には可塑剤である)の濃度は、ドープ中の固形分全体を100重量%とした場合に1重量%以上20重量%以下の範囲とすることが好ましい。なお、TACフィルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、ろ過方法、脱泡などのドープの製造方法については、特願2004−264464号の[0517]段落から[0616]段落が詳しい。これらの記載も本発明に適用できる。
[溶液製膜方法]
本発明のドープの評価方法により得られるドープ35が用いられる一例として溶液製膜方法によるフィルムの製造が挙げられる。図2に示されているフィルム製造ライン40には、ストックタンク41、濾過装置42、流延ダイ43、回転ローラ44,45に掛け渡された流延バンド46及びテンタ式乾燥機47などが備えられている。さらに耳切装置50、乾燥室51、冷却室52及び巻取室53などが配されている。
ストックタンク41には、モータ60で回転する攪拌機61が取り付けられている。そして、ストックタンク41は、ポンプ62及び濾過装置42を介して流延ダイ43と接続している。
流延ダイ43の材質としては、析出硬化型のステンレス鋼が好ましく、その熱膨張率が2×10-5(℃-1)以下であることが好ましい。そして、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と略同等の耐腐食性を有するものも、この流延ダイ43の材質として用いることができ、さらに、ジクロロメタン、メタノール、水の混合液に3ヵ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有するものを用いられる。さらに、鋳造後1ヶ月以上経過したものを研削加工して流延ダイ43を作製することが好ましい。これにより流延ダイ43内をドープ35が一様に流れ、後述する流延膜にスジなどが生じることが防止される。流延ダイ43の接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であることが好ましい。流延ダイ43のスリットのクリアランスは、自動調整により0.5mm〜3.5mmの範囲で調整可能とされている。流延ダイ43のリップ先端の接液部の角部分について、そのRは全巾にわたり50μm以下とされている。また、流延ダイ43内部における剪断速度が1(1/sec)〜5000(1/sec)となるように調整されていることが好ましい。
流延ダイ43の幅は、特に限定されるものではないが、最終製品となるフィルムの幅の1.1倍〜2.0倍であることが好ましい。また、製膜中の温度が所定温度に保持されるように、この流延ダイ43に温調機を取り付けることが好ましい。また、流延ダイ43にはコートハンガー型のものを用いることが好ましい。さらに、厚み調整ボルト(ヒートボルト)を流延ダイ43の幅方向において所定の間隔で設け、ヒートボルトによる自動厚み調整機構が流延ダイ43に備えられていることがより好ましい。ヒートボルトは予め設定されるプログラムによりポンプ(高精度ギアポンプが好ましい)62の送液量に応じてプロファイルを設定し製膜を行うことが好ましい。また、フィルム製造ライン40中に図示しない厚み計(例えば、赤外線厚み計)のプロファイルに基づく調整プログラムによってフィードバック制御を行っても良い。流延エッジ部を除いて製品フィルムの幅方向の任意の2点の厚み差は1μm以内に調整し、幅方向厚みの最小値と最大値との差が3μm以下となるように調整することが好ましく、2μm以下に調整することがより好ましい。また、厚み精度は±1.5μm以下に調整されているものを用いることが好ましい。
流延ダイ43のリップ先端には、硬化膜が形成されていることがより好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、セラミックスコーティング、ハードクロムメッキ、窒化処理方法などが挙げられる。硬化膜としてセラミックスを用いる場合には、研削でき気孔率が低く脆くなく耐腐食性が良く、かつ流延ダイ43と密着性が良く、ドープとの密着性がないものが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC),Al23 ,TiN,Cr23などが挙げられるが、なかでも特に好ましくはWCである。WCコーティングは、溶射法で行うことができる。
流延ダイ43のスリット端に流出するドープが、局所的に乾燥固化することを防止するために溶媒供給装置(図示しない)をスリット端に取り付けることが好ましい。この場合には、ドープを可溶化する溶媒(例えば、ジクロロメタン86.5質量部,アセトン13質量部,n−ブタノール0.5質量部の混合溶媒)を流延ビードの両端部、ダイスリット端部及び外気が形成する三相接触線の周辺部付近に供給することが好ましい。端部の片側それぞれに0.1mL/min〜1.0mL/minで供給することが、流延膜中への異物混合を防止するために好ましい。なお、この液を供給するポンプとしては、脈動率が5%以下のものを用いることが好ましい。
流延ダイ43の下方には、回転ローラ44,45に掛け渡された流延バンド46が設けられている。回転ローラ44,45は図示しない駆動装置により回転し、この回転に伴い流延バンド46は無端で走行する。流延バンド46は、その移動速度、すなわち流延速度が10m/分〜200m/分で移動できるものであることが好ましい。また、流延バンド46の表面温度を所定の値にするために、回転ローラ44,45に伝熱媒体循環装置63が取り付けられていることが好ましい。流延バンド46は、その表面温度が−20℃〜40℃に調整可能なものであることが好ましい。本実施形態において用いられている回転ローラ44,45内には伝熱媒体流路(図示しない)が形成されており、その中を所定の温度に保持されている伝熱媒体が通過することにより、回転ローラ44,45の温度を所定の値に保持されるものとなっている。
流延バンド46の幅は特に限定されるものではないが、ドープ35の流延幅の1.1倍〜2.0倍の範囲のものを用いることが好ましい。また、長さは20m〜200m、厚みは0.5mm〜2.5mmであり、表面粗さは0.05μm以下となるように研磨されていることが好ましい。流延バンド46は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることがより好ましい。また、流延バンド46の全体の厚みムラは0.5%以下のものを用いることが好ましい。
なお、回転ローラ44,45を直接支持体として用いることも可能である。この場合には、回転ムラが0.2mm以下となるように高精度で回転できるものであることが好ましい。この場合には、回転ローラ44,45の表面の平均粗さを0.01μm以下とすることが好ましい。そこで、回転ローラの表面にクロムメッキ処理などを行い、十分な硬度と耐久性を持たせる。なお、支持体(流延バンド46や回転ローラ44,45)の表面欠陥は最小限に抑制する必要がある。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m2以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m2以下であることが好ましい。
流延ダイ43、流延バンド46などは流延室64に収められている。流延室64には、その内部温度を所定の値に保つための温調設備65と、揮発している有機溶媒を凝縮回収するための凝縮器(コンデンサ)66とが設けられている。そして、凝縮液化した有機溶媒を回収するための回収装置67が流延室64の外部に設けられている。また、流延ダイ43から流延バンド46にかけて形成される流延ビードの背面部を圧力制御するための減圧チャンバ68が配されていることが好ましく、本実施形態においてもこれを使用している。
流延膜69中の溶媒を蒸発させるため送風口70,71,72が流延バンド46の周面近くに設けられている。また、流延直後の流延膜69に乾燥風が吹き付けられることによる流延膜69の面状変動を抑制するため流延ダイ43近傍の送風口70には遮風板73が設けられていることが好ましい。
渡り部80には、送風機81が備えられ、テンタ式乾燥機47の下流の耳切装置50には、切り取られたフィルム82の側端部(耳と称される)の屑を細かく切断処理するためのクラッシャ90が接続されている。
乾燥室51には、多数のローラ91が備えられており、蒸発して発生した溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置92が取り付けられている。そして、図2においては、乾燥室51の下流に冷却室52が設けられているが、乾燥室51と冷却室52との間に調湿室(図示しない)を設けても良い。冷却室52の下流には、フィルム82の帯電圧を所定の範囲(例えば、−3kV〜+3kV)となるように調整するための強制除電装置(除電バー)93が設けられている。図2においては、強制除電装置93は、冷却室52の下流側とされている例を図示しているが、この設置位置に限定されるものではない。さらに、本実施形態においては、フィルム82の両縁にエンボス加工でナーリングを付与するためのナーリング付与ローラ94が強制除電装置93の下流に適宜設けられる。また、巻取室53の内部には、フィルム82を巻き取るための巻取ローラ95と、その巻き取り時のテンションを制御するためのプレスローラ96とが備えられている。
次に、以上のようなフィルム製造ライン40を使用してフィルム82を製造する方法の一例を以下に説明する。ドープ35は、攪拌機61の回転により常に均一化されている。ドープ35には、この攪拌の際にも可塑剤,紫外線吸収剤などの添加剤を混合させることもできる。
ドープ35は、ポンプ62によりろ過装置42に送られてここでろ過された後に、流延ダイ43から流延バンド46上に流延される。回転ローラ44,45の駆動は、流延バンド46に生じるテンションが104N/m〜105N/mとなるように調整されることが好ましい。また、流延バンド46と回転ローラ44,45との相対速度差は、0.01m/min以下となるように調整する。流延バンド46の速度変動を0.5%以下とし、流延バンド46が一回転する際に生じる幅方向の蛇行は1.5mm以下とすることが好ましい。この蛇行を制御するために流延バンド46の両端の位置を検出する検出器(図示しない)を設け、その測定値に基づき流延バンド46の位置制御機(図示しない)にフィードバック制御を行い、流延バンド46の位置の調整を行うことがより好ましい。さらに、流延ダイ43直下における流延バンド46について、回転ローラ45の回転に伴う上下方向の位置変動が200μm以下となるように調整することが好ましい。また、流延室64の温度は、温調設備65により−10℃〜57℃とされていることが好ましい。なお、流延室64の内部で蒸発した溶媒は回収装置67により回収された後に、再生させてドープ調製用溶媒として再利用される。
流延ダイ43から流延バンド46にかけては流延ビードが形成され、流延バンド46上には流延膜69が形成される。流延時のドープ35の温度は、−10℃〜57℃であることが好ましい。また、流延ビードを安定させるために、この流延ビードの背面が減圧チャンバ68により所望の圧力値に制御されることが好ましい。ビード背面は、前面よりも−2000Pa〜−10Paの範囲で減圧することが好ましい。さらに、減圧チャンバ68にはジャケット(図示しない)を取り付けて、内部温度が所定の温度を保つように温度制御されることが好ましい。減圧チャンバ68の温度は特に限定されるものではないが、用いられている有機溶媒の凝縮点以上にすることが好ましい。また、流延ビードの形状を所望のものに保つために流延ダイ43のエッジ部に吸引装置(図示しない)を取り付けることが好ましい。このエッジ吸引風量は、1L/min〜100L/minの範囲であることが好ましい。
流延膜69は、流延バンド46の走行とともに移動し、このときに送風口70,71,72により流延膜69に乾燥風があてられて溶媒の蒸発が促進される。そして、この乾燥風の吹き付けにより流延膜69の面状が変動することがあるが、遮風板73がこの変動を抑制している。なお、流延バンド46の表面温度は、−20℃〜40℃であることが好ましい。
流延膜69は、自己支持性を有するものとなった後に、湿潤フィルム74として剥取ローラ75で支持されながら流延バンド46から剥ぎ取られる。剥ぎ取り時の残留溶媒量は、固形分基準で20重量%〜250重量%であることが好ましい。その後に多数のローラが設けられている渡り部80を搬送させて、テンタ式乾燥機47に湿潤フィルム74を送り込む。渡り部80では、送風機81から所望の温度の乾燥風を送風することで湿潤フィルム74の乾燥を進行させる。このとき乾燥風の温度が、20℃〜250℃であることが好ましい。なお、渡り部80では下流側のローラの回転速度を上流側のローラの回転速度より速くすることにより湿潤フィルム74にドローテンションを付与させることも可能である。
テンタ式乾燥機47に送られている湿潤フィルム74は、その両端部がクリップで把持されて搬送されながら乾燥される。また、テンタ式乾燥機47の内部を温度ゾーンに区画分割して、その区画毎に乾燥条件を適宜調整することが好ましい。テンタ式乾燥機47を用いて湿潤フィルム74を幅方向に延伸させることも可能である。このように、渡り部80及び/またはテンタ式乾燥機47で湿潤フィルム74の流延方向と幅方向との少なくとも1方向を0.5%〜300%延伸することが好ましい。
湿潤フィルム74は、テンタ式乾燥機47で所定の残留溶媒量まで乾燥された後、フィルム82として下流側に送り出される。フィルム82の両側端部は、耳切装置50によりその両縁が切断される。切断された側端部は、図示しないカッターブロワによりクラッシャ90に送られる。クラッシャ90により、フィルム側端部は粉砕されてチップとなる。このチップはドープ調製用に再利用されるので、この方法はコストの点において有効である。なお、このフィルム両側端部の切断工程については省略することもできるが、前記流延工程から前記フィルムを巻き取る工程までのいずれかで行うことが好ましい。
両側端部を切断除去されたフィルム82は、乾燥室51に送られ、さらに乾燥される。乾燥室51内の温度は、特に限定されるものではないが、50℃〜160℃の範囲であることが好ましい。乾燥室51においては、フィルム82は、ローラ91に巻き掛けられながら搬送されており、ここで蒸発して発生した溶媒ガスは、吸着回収装置92により吸着回収される。溶媒成分が除去された空気は、乾燥室51の内部に乾燥風として再度送風される。なお、乾燥室51は、乾燥温度を変えるために複数の区画に分割されていることがより好ましい。また、耳切装置50と乾燥室51との間に予備乾燥室(図示しない)を設けてフィルム82を予備乾燥すると、乾燥室51においてフィルム温度が急激に上昇することが防止されるので、これによりフィルム82の形状変化をより抑制することができる。
フィルム82は、冷却室52で略室温まで冷却される。なお、乾燥室51と冷却室52との間に調湿室(図示しない)を設けても良く、この調湿室でフィルム82に対して、所望の湿度及び温度に調整された空気を吹き付けられることが好ましい。これにより、フィルム82のカールの発生や巻き取る際の巻き取り不良の発生を抑制することができる。
また、強制除電装置(除電バー)93により、フィルム82が搬送されている間の帯電圧が所定の範囲(例えば、−3kV〜+3kV)とされる。図2では冷却室52の下流側に設けられている例を図示しているがその位置に限定されるものではない。さらに、ナーリング付与ローラ94を設けて、フィルム82の両縁にエンボス加工でナーリングを付与することが好ましい。なお、ナーリングされた箇所の凹凸が、1μm〜200μmであることが好ましい。
最後に、フィルム82を巻取室53内の巻取ローラ95で巻き取る。この際には、プレスローラ96で所望のテンションを付与しつつ巻き取ることが好ましい。なお、テンションは巻取開始時から終了時まで徐々に変化させることがより好ましい。巻き取られるフィルム82は、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、フィルム82の幅が600mm以上であることが好ましく、1400mm以上1800mm以下であることがより好ましい。また、本発明は、1800mmより大きい場合にも効果がある。フィルム82の厚みが15μm以上100μm以下の薄いフィルムを製造する際にも本発明は適用される。
本発明により得られるドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時積層共流延又は逐次積層共流延させることもできる。さらに両共流延を組み合わせても良い。同時積層共流延を行う際には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いても良いし、マルチマニホールド型流延ダイを用いても良い。共流延により多層からなるフィルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フィルム全体の厚みの0.5%〜30%であることが好ましい。さらに、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれることが好ましい。また、同時積層共流延を行なう場合には、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フィルム回収方法まで、特願2004−264464号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフィルムの性能及びそれらの測定法は、特願2004−264464号の[0112]段落から[0139]段落に記載されている。これらも本発明にも適用できる。
[表面処理]
前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。
さらに前記セルロースアシレートフィルムをベースフィルムとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
前記機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1mg/m2〜1000mg/m2含有することが好ましい。また、前記機能性層が、少なくとも一種の滑り剤を0.1mg/m2 〜1000mg/m2含有することが好ましい。さらに、前記機能性層が、少なくとも一種のマット剤を0.1mg/m2〜1000mg/m2含有することが好ましい。さらには、前記機能性層が、少なくとも一種の帯電防止剤を1mg/m2〜1000mg/m2含有することが好ましい。セルロースアシレートフィルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、上記以外にも、特願2004−264464号の[0890]段落から[1087]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらも本発明に適用できる。
(用途)
前記セルロースアシレートフィルムは、特に偏光板保護フィルムとして有用である。セルロースアシレートフィルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特願2004−264464号には、液晶表示装置として、TN型,STN型,VA型,OCB型,反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフィルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフィルムについての記載もある。更には適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフィルムとして光学補償フィルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フィルムと兼用して使用することもできる。これらの記載は、本発明にも適用できる。特願2004−264464号の[1088]段落から[1265]段落に詳細が記載されている。
また、本発明の製造方法により光学特性に優れるセルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)を得ることができる。前記TACフィルムは、偏光板保護フィルムや写真感光材料のベースフィルムとして用いることができる。さらにテレビ用途などの液晶表示装置の視野角依存性を改良するための光学補償フィルムとしても使用可能である。特に偏光板の保護膜を兼ねる用途に効果的である。そのため、従来のTNモードだけでなくIPSモード、OCBモード、VAモードなどにも用いられる。また、前記偏光板保護膜用フィルムを用いて偏光板を構成しても良い。
次に、本発明の実施例1を説明する。以下に本発明のドープの評価方法を行うためにドープの調製に用いた原料の組成を示す。
[実験1]
[組成]
セルローストリアセテート(置換度2.84、 粘度平均重合度306、含水率0.2重量%、ジクロロメタン溶液中6重量%の粘度 315mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 100質量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 320質量部
メタノール(第2溶媒) 83質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.6質量部
可塑剤B(ジフェニルフォスフェート) 3.8質量部
UV剤a:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール 0.7質量部
UV剤b:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−
クロルベンゾトリアゾール 0.3質量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチ
ルエステル混合物) 0.006質量部
微粒子(二酸化ケイ素(平均粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05質量部
[セルローストリアセテート]
なお、ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1重量%以下であり、Ca含有率が58ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また6位水酸基の水素に対するアセチル基の置換度は0.91であった。また、全アセチル基中の32.5%が6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8重量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。また、得られたTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、Tg(ガラス転移温度;DSCにより測定)は160℃、結晶化発熱量は6.4J/gであった。このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
図1に示すドープ製造ライン10を用いてドープ35を調製した。攪拌羽根を有する4000Lのステンレス製溶解タンク12で前記複数の溶媒を混合してよく攪拌し、混合溶媒とした。なお、溶媒の各原料としては、すべてその含水率が0.5重量%以下のものを使用した。次に、TACのフレーク状粉体をホッパ13から徐々に添加した。TAC粉末は、溶解タンク12に投入されて、最初は5m/secの周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌機(第2攪拌機)24及び中心軸にアンカー翼を有する第1攪拌機22を周速1m/secで攪拌する条件下で30分間分散した。分散開始時の温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。そして1時間攪拌した後に略一定になった。さらに、予め調製された添加剤溶液を添加剤タンク14からバルブ19で送液量を調整して、全体が2000kgとなるようにした。添加剤溶液の分散を終了した後に、高速攪拌は停止した。これによりドープ25を得た。ドープ25の製造終了までは窒素ガスにより溶解タンク12内を0.12MPaになるように加圧した。この際の溶解タンク12の内部は、酸素濃度が2vol%未満であり防爆上で問題のない状態を保った。またドープ25中の水分量は0.3重量%であった。なお、溶解タンク12によるドープ25の調製は、回分式(バッチ式)で行った。
ドープ25を溶解タンク12からポンプ26を用いてストックタンク27に送液した。その後にポンプ28を用いて流量を10mL/minとして加熱機15に送液した。加熱機15のスタティックミキサ15aには、エレメント数が120枚のものを用いた。加熱機15でドープ25を50℃まで加熱して、更に2MPaの加圧下で90℃まで加熱し、完全溶解した。このときの加熱時間は15分であった。次に溶解された液を温調機16で36℃まで温度を下げた。温調機16はスタティックミキサ16aにジャケット16bを設けたものを用いた。このスタティックミキサ16aには、エレメント数が120枚のものを用いた。そして、公称孔径8μmの濾材を有する濾過装置17を通過させドープ(以下、濃縮前ドープと称する)を得た。この際、濾過装置17の1次側濾過圧力(図1の圧力計17bを用いた。以下の測定は全て1次濾過圧力である。)を測定したところ、1kg/cm2であった。高温にさらされるフィルタ、ハウジング及び配管はハステロイ(商品名)合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の伝熱媒体を流通させるジャケットを備えたものを使用した。そして、濾過を1時間行った後の1次側濾過圧力を測定したところ1.175kg/cm2であり、0.175kg/cm2濾過圧力が上昇していた。
このようにして得られた濃縮前ドープを80℃で常圧とされたフラッシュ装置30内でフラッシュ蒸発させて、蒸発した溶媒を凝縮器で回収した。フラッシュ後のドープ35の固形分濃度は、21.8重量%となった。なお、凝縮された溶媒はドープ調製用溶媒として再利用すべく回収装置で回収した。その後に再生装置で再生した後に溶媒タンク11に送液した。回収装置及び再生装置では、蒸留や脱水を行った。フラッシュ装置30のフラッシュタンクには攪拌軸にアンカー翼を備えた攪拌機(図示しない)を設け、その攪拌機により周速0.5m/secでフラッシュされたドープを攪拌して脱泡を行った。このフラッシュタンク内のドープの温度は25℃であり、タンク内におけるドープの平均滞留時間は50分であった。このドープ35を採取して25℃で測定した剪断粘度は、剪断速度10(sec-1)で450Pa・sであった。
次に、このドープ35に弱い超音波を照射することにより泡抜きを実施した。その後、ポンプ34を用いて1.5MPaに加圧した状態で、濾過装置31を通過させた。濾過装置31では、最初公称孔径10μmの焼結繊維金属フィルタを通過させ、ついで同じく10μmの焼結繊維フィルタを通過させた。それぞれの1次側圧力は1.5MPa,1.2MPaであり、2次側圧力は1.0MPa,0.8MPaであった。濾過後のドープ温度を36℃に調整して2000Lのステンレス製ストックタンク41内にドープ35を送液して貯蔵した。ストックタンク41は中心軸にアンカー翼を備えた攪拌機61を有しており、周速0.3m/secで常時攪拌を行った。なお、濃縮前ドープからドープを調製する際に、ドープ接液部には、腐食などの問題は全く生じなかった。
[実験2ないし実験8]
実験2ないし実験8では、実験1と同じ条件の箇所の説明は省略する。実験2では、第1攪拌機22のトルクが略一定となった後に5分間同じ条件で攪拌を行い、その後に加熱機15で加熱溶解を行い、温調機16で温度調整を行った。このドープを濾過装置17で1時間濾過したところ2.32kg/cm2の上昇が見られた。実験3では、トルクが略一定となった後に10分間攪拌を続けたところ、濾過圧力の上昇は2.10kg/cm2であった。実験3ないし実験8では、トルクが略一定となった後にそれぞれ15分,20分,25分,30分,35分攪拌を続けたところ、1.98kg/cm2,1.93kg/cm2,1.93kg/cm2,1.91kg/cm2,1.91kg/cm2であった。
[攪拌時間と濾圧上昇との相関]
そして、トルク一定後の攪拌時間と1時間あたりの濾圧(濾過圧力)上昇との関係をグラフとし、それを図3に示す。図3からトルク略一定後から20分間攪拌を続けることで攪拌溶解法における攪拌の進行は十分であることが分かる。
[フィルムの製造]
次に、実験5(トルク略一定後20分間攪拌)で得られたドープ35を用いてフィルム82を製造した(図2参照)。また、ジクロロメタンが86.5質量部、アセトンが13質量部、1−ブタノールが0.5質量部の混合溶媒Aを作製した。ストックタンク41内のドープ35を高精度のギアポンプ62で濾過装置42へ送った。このギアポンプ62は、ポンプ62の1次側を増圧する機能を有しており、1次側の圧力が0.8MPaになるようにインバーターモータによりギアポンプ62の上流側に対するフィードバック制御を行い送液した。ギアポンプ62は容積効率99.2%、吐出量の変動率0.5%以下の性能であるものを用いた。また、吐出圧力は1.5MPaであった。そして、濾過装置42を通ったドープ35を流延ダイ43に送液した。
流延ダイ43は、幅が1.8mであり乾燥されたフィルムの膜厚が80μmとなるように、流延ダイ43の吐出口のドープ35の流量を調整して流延を行った。また流延ダイ43の吐出口からのドープ35の流延幅を1700mmとした。なお、流延速度は、30m/minとした。ドープ35の温度を36℃に調整するために、流延ダイ43にジャケット(図示しない)を設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とした。
流延ダイ43と配管とはすべて、製膜中には36℃に保温した。流延ダイ43は、コートハンガータイプのダイを用いた。流延ダイ43には、厚み調整ボルトが20mmピッチに設けられており、ヒートボルトによる自動厚み調整機構を具備しているものを使用した。このヒートボルトは、予め設定したプログラムによりギアポンプ62の送液量に応じたプロファイルを設定することもでき、フィルム製造ライン40に設置した赤外線厚み計(図示しない)のプロファイルに基づいた調整プログラムによってフィードバック制御も可能な性能を有するものを用いた。端部20mmを除いたフィルムにおいては、50mm離れた任意の2点の厚み差は1μm以内であり、幅方向における厚みのばらつきが3μm/m以下となるように調整した。また、全体厚みは±1.5%以下に調整した。
また、流延ダイ43の1次側には、この部分を減圧するための減圧チャンバ68を設置した。この減圧チャンバ68の減圧度は、流延ビードの前後で1Pa〜5000Paの圧力差が生じるように調整され、この調整は流延速度に応じてなされる。その際に、流延ビードの長さが20mm〜50mmとなるように流延ビードの両面側の圧力差を設定した。また、減圧チャンバ68は、流延部周囲のガスの凝縮温度よりも高い温度に設定できる機構を具備したものを用いた。ダイ吐出口におけるビードの前面部、背面部にはラビリンスパッキン(図示しない)を設けた。また、流延ダイのダイ吐出口の両端には開口部を設けた。さらに、流延ダイ43には、流延ビードの両縁の乱れを調整するためのエッジ吸引装置(図示しない)を取り付けた。
流延ダイ43の材質は、熱膨張率が2×10-5(℃-1)以下の析出硬化型のステンレス鋼を用いた。これは、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316製と略同等の耐腐食性を有するものであった。また、ジクロロメタン,メタノール,水の混合液に3ヶ月浸漬
しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有していた。流延ダイ43の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であり、スリットのクリアランスは1.5mmに調整した。流延ダイ43のリップ先端の接液部の角部分については、Rはスリット全巾に亘り50μm以下になるように加工されているものを用いた。流延ダイ43内部でのドープ35の剪断速度は1(1/sec)〜5000(1/sec)の範囲であった。また、流延ダイ43のリップ先端には、溶射法によりWC(タングステンカーバイト)コーティングをおこない硬化膜を設けた。
さらに流延ダイ43の吐出口には、流出するドープ35が局所的に乾燥固化することを防止するために、ドープ35を可溶化するための混合溶媒Aを流延ビードの両側端部と吐出口との界面部に対し、それぞれ0.5ml/minずつ供給した。混合溶媒を供給するポンプの脈動率は5%以下であった。また、減圧チャンバ68により流延ビード背面側の圧力を前面部よりも150Pa低くした。減圧チャンバ68の内部温度を所定の温度で一定にするためにジャケット(図示しない)を取り付けた。そのジャケット内には35℃に調整された伝熱媒体を供給した。前記エッジ吸引装置は、1L/min〜100L/minの範囲となるようにエッジ吸引風量を調整することができるものであり、本実施例ではこれを30L/min〜40L/minの範囲となるように適宜調整した。
支持体として幅2.1mで長さが70mのステンレス製のエンドレスバンドを流延バンド46として利用した。流延バンド46は、厚みが1.5mm、表面粗さが0.05μm以下になるように研磨した。その材質はSUS316製であり、十分な耐腐食性と強度を有するものを用いた。流延バンド46の全体の厚みムラは0.5%以下であった。流延バンド46は、2個の回転ローラ44,45により駆動させた。その際の流延バンド46の搬送方向における張力は1.5×105 N/m2 となるように調整した。また、流延バンド46と回転ローラ44,45との相対速度差が0.01m/min以下になるように調整した。このときに、流延バンド46の速度変動を0.5%以下とした。また1回転の幅方向の蛇行が、1.5mm以下に制限されるように流延バンド46の両端位置を検出して制御した。流延ダイ43の直下におけるダイリップ先端と流延バンド46との上下方向の位置変動は200μm以下にした。流延バンド46は、風圧変動抑制手段(図示しない)を有した流延室64内に設置した。この流延バンド46上に流延ダイ43からドープ35を流延した。
回転ローラ44,45は、流延バンド46の温度調整を行うことができるように、内部に伝熱媒体を送液できるものを用いた。流延ダイ43側の回転ローラ45には5℃の伝熱媒体を流し、他方の回転ローラ44には乾燥のために40℃の伝熱媒体を流した。流延直前の流延バンド46中央部の表面温度は15℃であり、その両側端の温度差は6℃以下であった。なお、流延バンド46には、表面欠陥がないものが好ましく、30μm以上のピンホールは皆無であり、10μm〜30μmのピンホールは1個/m2以下、10μm未満のピンホールは2個/m2以下であるものを用いた。
流延室64の温度は、温調設備65を用いて35℃に保った。流延バンド46上に流延されたドープ35から形成された流延膜69には、最初に流延膜69に対して平行に流れる乾燥風を送り、流延膜69を乾燥した。この乾燥風からの流延膜69への総括伝熱係数は24kcal/(m2・hr・℃)であった。乾燥風の温度は、流延バンド46上部の上流側の送風口70からは135℃の乾燥風を送風した。また下流側の送風口71からは140℃の乾燥風を送風し、流延バンド46下部の送風口72からは65℃の乾燥風を送風した。それぞれの乾燥風の飽和温度は、いずれも−8℃付近であった。流延バンド46上での乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、この酸素濃度を5vol%に保持するために空気を窒素ガスで置換した。また、流延室64内の溶媒を凝縮回収するために、凝縮器(コンデンサ)66を設け、その出口温度を−10℃に設定した。
流延後5秒間は乾燥風が、直接に流延ビード及び流延膜69に当たらないように遮風板73を設置して、流延ダイ43近傍の静圧変動を±1Pa以下に抑制した。流延膜69中の溶媒比率が乾量基準で50重量%になった時点で流延バンド46から剥取ローラ75で支持しながらフィルム(以下、湿潤フィルムと称する)74として剥ぎ取った。なお、この乾量基準による溶媒含有率は、サンプリング時におけるフィルム重量をx、そのサンプリングフィルムを乾燥した後の重量をyとするとき{(x−y)/y}×100で算出される値である。また剥取テンションは1×102N/m2テ゛あり、剥取不良を抑制するために流延バンド46の速度に対して剥取速度(剥取ローラドロー)は100.1%〜110%の範囲で適切に調整した。剥ぎ取った湿潤フィルム74の表面温度は15℃であった。流延バンド46上での乾燥速度は、乾量基準で60重量%/minであった。乾燥により発生した溶媒ガスは−10℃の凝縮器66で凝縮液化して回収装置67で回収した。回収された溶媒は、水分量が0.5%以下となるように調整した。また、溶媒が除去された乾燥風は、再度加熱して乾燥風として再利用した。湿潤フィルム74を渡り部80のローラを介して搬送し、テンタ式乾燥機47に送った。この渡り部80では送風機81から40℃の乾燥風を湿潤フィルム74に送風した。なお、渡り部80のローラで搬送している際に、湿潤フィルム74に約30Nのテンションを付与した。
テンタ式乾燥機47に送られた湿潤フィルム74は、クリップでその両端を固定されながらテンタ式乾燥機47の乾燥ゾーン内を搬送され、この間に乾燥風により乾燥された。クリップは、20℃の伝熱媒体の供給により冷却した。クリップの搬送は、チェーンで行い、そのスプロケットの速度変動は0.5%以下であった。また、テンタ式乾燥機47内を3ゾーンに分け、それぞれのゾーンの乾燥風温度を上流側から90℃,110℃,120℃とした。乾燥風のガス組成は−10℃における飽和ガス濃度とした。テンタ式乾燥機47内での平均乾燥速度は乾量基準で120重量%/minであった。テンタ式乾燥機47の出口ではフィルム82内の残留溶媒量が7重量%となるように、乾燥ゾーンの条件を調整した。テンタ式乾燥機47内では搬送しつつ幅方向に延伸も行った。なお、この延伸前の湿潤フィルム74の幅を100%としたとき、延伸後の幅が103%となるように延伸した。剥取ローラ75からテンタ式乾燥機47の入口に至るまでの延伸率(テンタ駆動ドロー)は102%とした。
テンタ式乾燥機47内での延伸率は、クリップによる噛み込み開始位置から10mm以上離れた位置の任意の2点における各実質延伸率の差異が10%以下であり、かつ20mm離れた任意の2点の延伸率の差は5%以下であった。また、テンタ式乾燥機47の入口から出口までの長さに対する、クリップ挟持開始位置から挟持解除位置までの長さの割合は90%とした。テンタ式乾燥機47内で蒸発した溶媒は−10℃の温度で凝縮させ液化して回収した。凝縮回収用に凝縮器(コンデンサ)を設け、その出口温度は−8℃に設定した。そして凝縮溶媒は、含まれる水分量が0.5重量%以下に調整されて再使用された。そして、テンタ式乾燥機47からフィルム82として送り出した。
テンタ式乾燥機47の出口から30秒以内にフィルム82の両端の耳切を耳切装置50で行った。NT型カッターにより両側50mmの耳をカットし、カットした耳はカッターブロワ(図示しない)によりクラッシャ90に風送して平均80mm2 程度のチップに粉砕した。このチップは、再度ドープ調製用原料としてTACフレークと共にドープ製造の際の原料として利用した。テンタ式乾燥機47の乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、酸素濃度を5vol%に保持するため空気を窒素ガスで置換した。後述する乾燥室51で高温乾燥させる前に、100℃の乾燥風が供給されている予備乾燥室(図示しない)でフィルム82を予備加熱した。
フィルム82を乾燥室51で高温乾燥した。乾燥室51を4区画に分割して、上流側から120℃,130℃,130℃,130℃の乾燥風を送風機(図示しない)から給気した。フィルム82のローラ91による搬送テンションを100N/mとして、最終的に残留溶媒量が0.3重量%になるまで約10分間乾燥した。ローラ91のラップ角度(フィルムの巻き掛け中心角)は、90度および180度とした。ローラ91の材質はアルミ製もしくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロム鍍金を施した。ローラ91の表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。ローラ91の回転によるフィルム位置の振れは、全て50μm以下であった。また、テンション100N/mでのローラ撓みは0.5mm以下となるように選定した。
乾燥風に含まれる溶媒ガスは、吸着回収装置92を用いて吸着回収除去した。ここに使用した吸着剤は活性炭であり、脱着は乾燥窒素を用いて行った。回収した溶媒は、水分量を0.3重量%以下に調整してドープ調製用溶媒として再利用した。乾燥風には、溶媒ガスの他、可塑剤,UV吸収剤,その他の高沸点物が含まれるので冷却除去する冷却器およびプレアドソーバでこれらを除去して再生循環使用した。そして、最終的に屋外排出ガス中のVOC(揮発性有機化合物)は10ppm以下となるよう、吸脱着条件を設定した。また、全蒸発溶媒のうち、凝縮法で回収する溶媒量は90重量%であり、残りのものの大部分は吸着回収により回収した。
乾燥されたフィルム82を第1調湿室(図示しない)に搬送した。乾燥室51と第1調湿室との間の渡り部には、110℃の乾燥風を給気した。第1調湿室には、温度50℃、露点が20℃の空気を給気した。さらに、フィルム82のカールの発生を抑制する第2調湿室(図示しない)にフィルム82を搬送した。第2調湿室では、フィルム82に直接90℃,湿度70%の空気をあてた。
調湿後のフィルム82は、冷却室52で30℃以下に冷却した後に耳切装置(図示しない)で再度両端の耳切りを行った。搬送中のフィルム82の帯電圧は、常時−3kV〜+3kVの範囲となるように強制除電装置(除電バー)93を設置した。さらにフィルム82の両端にナーリング付与ローラ94でナーリングの付与を行った。ナーリングはフィルム82の片側からエンボス加工を行うことで付与し、ナーリングを付与する幅は10mmであり、凹凸の高さがフィルム82の平均厚みよりも平均12μm高くなるようにナーリング付与ローラによる押し圧を設定した。
そして、フィルム82を巻取室53に搬送した。巻取室53は、室内温度28℃,湿度70%に保持した。巻取室53の内部には、フィルム82の帯電圧が−1.5kV〜+1.5kVとなるようにイオン風除電装置(図示しない)も設置した。このようにして得られたフィルム(厚さ80μm)82の製品幅は、1475mmとなった。巻取ローラ95の径は169mmのものを用いた。巻き始めテンションは300N/mであり、巻き終わりが200N/mになるようなテンションパターンとした。巻き取り全長は3940mであった。巻き取りの際の巻きズレの変動幅(オシレート幅と称することもある)を±5mmとした、巻取ローラ95に対する巻きズレ周期を400mとした。また、巻取ローラ95に対するプレスローラ96の押し圧は、50N/mに設定した。巻き取り時のフィルム82の温度は25℃、含水量は1.4重量%、残留溶媒量は0.3重量%であった。全工程を通しても平均乾燥速度は乾量基準で20重量%/minであった。また巻き緩み、シワもなく、10Gでの衝撃テストにおいても巻きずれが生じなかった。また、ロール外観も良好であった。
フィルム82のフィルムロールを25℃、55%RHの貯蔵ラックに1ヶ月保管して、さらに上記と同様に検査した結果、いずれも有意な変化は認められなかった。さらにロール内においても接着も認められなかった。また、フィルム82を製膜した後に、流延バンド46上にはドープから形成された流延膜69の剥げ残りは全く見られなかった。
ドープ35を採取し、30℃で静置保存したまま観察し以下のA、B、C、Dの4段階に評価したところ、品質が極めて良好なAであった。
A:20日間経時でも透明性と液均一性を示す。
B:10日間経時まで透明性と液均一性を保持しているが、20日で少し白濁が見られる。
C:液作製終了時では透明性と均一な液であるが、1日経時するとゲル化し不均一な液となる。
D:液は膨潤・溶解が見られず不透明で不均一な溶液状態である。
フィルム82を目視で観察したところ、フィルム表面は平滑であった。また、面内レターデーション(Re)の測定を以下の方法で行った。フィルム82を70mm×100mmに切断し、温度25℃,湿度60%RHで2時間調湿し、自動複屈折率計(KOBRA21DH 王子計測(株))にて632.8nmにおける垂直方向から測定したレターデーション値の外挿値より次式に従い算出した。
Re=|nMD−nTD|×d
nMDは、長手方向(流延方向)の屈折率,nTDは流延幅方向の屈折率,dはフィルム
の厚み(膜厚)を意味している。測定結果は3nmであり光学特性に優れているフィルム82が得られたことが分かった。
さらに、フィルムの厚み方向レターデーション(Rth)の測定を以下の方法により行った。フィルム82を30mm×40mmに切断し、温度25℃,湿度60%RHで2時間調湿し、エリプソメータ(M150 日本分光(株)製)で632.8nmにより垂直方向から測定した値と、フィルム面を傾けながら同様に測定したレターデーション値の外挿値とから下記式に従い算出した。
Rth={(nMD+nTD)/2−nTH}×d
nMDは長手方向(流延方向)の屈折率,nTDは流延幅方向の屈折率,nTHはフィル
ム厚み方向の屈折率,dはフィルムの厚み(膜厚)を意味している。測定結果は40nmであり、光学等方性に優れていた。以上のことから実験5で得られたドープを用いて製造されたTACフィルムは面状に優れ、且つ光学等方性に優れていることが分かった。
実施例2では、加熱機15内にドープ25が送液されている時間を変更し、各時間における濾過装置17の1時間後の濾圧(濾過圧力)上昇を測定した。なお、ストックタンク27に入れられているドープ25は、実施例1の実験5の条件で製造されたものを用いた。また、説明は特に明記しない点は実施例1の実験5と同じ条件で行った。
[実験11]
実験11では、加熱機15の温度を70℃に設定し、ドープ25が加熱機17内を通過する時間が5分となるように調整した。その後に温調機16でドープ25を35℃に調整した後に濾過装置17で濾過を行った。初期濾過圧力は1kg/cm2であった。濾過を1時間続けた後の濾圧(濾過圧力)は1.547kg/cm2であり濾圧上昇は0.547kg/cm2であった。
[実験12ないし実験15]
実験12ないし実験15では、ドープ25が加熱機17内を通過する時間を10分,12分,15分,20分となるように調整し、1時間あたりの濾圧(濾過圧力)上昇を測定した。濾圧上昇は、0.482kg/cm2,0.382kg/cm2,0.401kg/cm2,0.395kg/cm2であった。
[実験21ないし実験25]
実験21では、加熱機15の温度を80℃に設定し、ドープ25が加熱機17内を通過する時間が5分となるように調整した。その後に温調機16でドープ25を35℃に調整した後に濾過装置17で濾過を行った。初期濾過圧力は1kg/cm2であった。濾過を1時間続けた後の濾圧(濾過圧力)は1.463kg/cm2であり濾圧上昇は0.463kg/cm2であった。実験22ないし実験25では、ドープ25が加熱機17内を通過する時間を10分,12分,15分,20分となるように調整し、1時間あたりの濾圧(濾過圧力)上昇を測定した。濾圧上昇は、0.411kg/cm2,0.352kg/cm2,0.335kg/cm2,0.333kg/cm2であった。
[送液時間と濾圧上昇との相関]
ドープ25が加熱機15内に送液されている時間(送液時間)と1時間あたりの濾圧(濾過圧力)上昇との関係をグラフとし、それを図4に示す。図4から高温溶解法における溶解の進行は12分を超えても大きく進行が促進されていないことが分かる。これにより、高温溶解法による溶解時間(送液時間)は、12分が最も好ましいことが分かる。
[フィルムの製造]
実験13で得られたドープ35を用いてフィルム82を製造した。なお、製造条件は実施例1の実験5と同じ条件で行った。得られたフィルム82の面状は良好であった。また、面内レターデーション(Re)は3nm,厚み方向レターデーション(Rth)は40nmであり光学等方性に優れるフィルム82であった。
実施例3では、加熱機15内の設定温度を変更し、各設定温度における濾過装置17の1時間後の濾圧(濾過圧力)上昇を測定した。なお、ストックタンク27に入れられているドープ25は、実施例1の実験5の条件で製造されたものを用いた。また、説明は特に明記しない点は実施例1の実験5と同じ条件で行った。
[実験31]
実験31では、加熱機15の温度を60℃に設定し、ドープ25が加熱機17内を通過する時間が12分となるように調整した。その後に温調機16でドープ25を35℃に調整した後に濾過装置17で濾過を行った。初期濾過圧力は1kg/cm2であった。濾過を1時間続けた後の濾圧(濾過圧力)は2.52kg/cm2であり濾圧上昇は1.52kg/cm2であった。また、このときの絶対温度の逆数(1/T)は、1/(273+60)より0.003003であった。
[実験32ないし実験35]
実験32ないし実験35では、加熱機15の設定温度を70℃,80℃,90℃,100℃,110℃となるように調整し、1時間あたりの濾圧(濾過圧力)上昇を測定した。濾圧上昇は、0.382kg/cm2,0.352kg/cm2,0.175kg/cm2,0.137kg/cm2,0.095kg/cm2であった。また、高温溶解法を行わなかったドープの初期濾過圧力は1kg/cm2であり、濾過を1時間続けた後の濾圧(濾過圧力)は、2.93kg/cm2であり、濾圧上昇は1.93kg/cm2であった。
[溶解温度の逆数と濾圧上昇との相関]
加熱機15の設定温度の絶対温度の逆数(1/T)と1時間あたりの濾圧(濾過圧力)上昇との関係をグラフとし、それを図5に示す。図5から絶対温度の逆数が小さくなる、すなわち高温であるほど、濾圧上昇は小さく高温溶解法における溶解の進行が促進されていたことが分かる。
[フィルムの製造]
実験33(加熱機設定温度80℃)で得られたドープ35を用いてフィルム82を製造した。なお、製造条件は実施例1の実験5と同じ条件で行った。得られたフィルム82の面状は良好であった。また、面内レターデーション(Re)は3nm,厚み方向レターデーション(Rth)は40nmであり光学等方性に優れるフィルム82であった。
本発明は、難溶性の溶質を溶媒に溶解させる際に、溶解条件の定量化に適用することが可能である。
本発明に係るドープの製造方法を実施するためのドープ製造ラインの概略図である。 本発明で製造されるドープからフィルムを溶液製膜法により製造するためのフィルム製造ラインの概略図である。 攪拌機のトルク一定後の攪拌時間と濾圧上昇との関係を示すグラフである。 ドープが加熱機内に送液される時間と濾圧上昇との関係を示すグラフである。 高温溶解する際の絶対温度の逆数と濾圧上昇との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 ドープ製造ライン
12 溶解タンク
15 加熱機
15a スタティックミキサ
15b ジャケット
17 濾過装置
17a 圧力計
22 第1攪拌機
35 ドープ

Claims (8)

  1. セルロースアシレートを溶媒に溶解させて製造されるドープの評価方法において、
    攪拌翼を有する攪拌機により前記セルロースアシレートと前記溶液とを攪拌し、前記攪拌翼のトルク値が略一定となってから所定時間後に前記攪拌を終了する攪拌工程と、
    前記溶液を濾過装置で濾過し、且つ濾過圧力を測定する濾過工程と、を有し、
    前記所定時間は、前記濾過圧力が略一定となるまでの時間であることを特徴とするドープの評価方法。
  2. 前記所定時間が15分以上25分以下であることを特徴とする請求項1記載のドープの評価方法。
  3. 前記攪拌工程と前記濾過工程との間に
    前記セルロースアシレートと前記溶媒とを加熱して、前記セルロースアシレートの溶解を促進させる加熱工程を有することを特徴とする請求項1または2記載のドープの評価方法。
  4. 前記加熱の温度が、70℃以上110℃以下であることを特徴とする請求項3記載のドープの評価方法。
  5. 前記セルロースアシレートがセルロースアセテートであって、
    前記セルロースアセテートの酢化度が55%以上65%以下であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載のドープの評価方法。
  6. 前記溶媒が混合溶媒であって、主溶媒がジクロロメタンであり、その組成比が70重量%以上95重量%以下であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載のドープの評価方法。
  7. 前記溶媒が混合溶媒であって、主溶媒が酢酸メチルであり、その組成比が70重量%以上90重量%以下であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載のドープの評価方法。
  8. 前記ドープが、溶液製膜方法に用いられることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1つ記載のドープの評価方法。

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