JP2006263472A - パルスオキシメトリにおける被検体の臨床ストレスの決定 - Google Patents

パルスオキシメトリにおける被検体の臨床ストレスの決定 Download PDF

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Abstract

【課題】パルスオキシメータの機能拡張により患者の臨床ストレスを決定するための新規メカニズムを提供する。
【解決手段】本発明は、被検体の臨床ストレスの決定に関する。被検体のストレス状態を監視するための複雑でなくかつコスト対効果のよい方法を提供するために、被検体からプレチスモグラフ信号データを収集すると共に、該信号データ内に存在する呼吸変調の所定の特徴を示す第1の計測信号を導出する。次いで、この第1の計測信号に基づいて指標信号を形成させると共に、この指標信号を被検体の臨床ストレスを示す指標として利用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、全体として、パルスオキシメトリと連携した被検体の臨床ストレスの決定に関する。
痛みは、実際のまたは潜在的な組織損傷性刺激に関連するような不快な知覚すなわち情緒的体験である。これはまた常に、個別的かつ主観的な知覚であり、侵害性刺激により誘発される急性(侵害受容性)のものであることや、組織統合性(integrity)を保全するための有用性をすでに失っている慢性的な痛みのことがある。痛みの知覚は、主に皮質で発生しており、また鎮静薬や麻酔薬の全身的(包括的)な抑制効果による深い鎮静状態や麻酔状態で抑制することができる。さらに、痛み信号経路が皮質下レベル(多くの場合、脳幹や脊髄の領域)で十分に抑制されている場合も、侵害性刺激に対する反応を抑制することができる。最近の外科麻酔や集中看護における痛みの管理では、皮質性と皮質下性の両方のメカニズムを働かせている。
ストレスとは、血圧上昇、ホルモンの分泌、呼吸回数の増大、筋肉の収縮、発汗、及び心臓活動の上昇などの症状を生じさせるような、それに従って生じる要求に対する身体の非特異的な反応であると定義される。ストレスは必ずしもネガティブとは限らない。ある種のストレスはわれわれの意欲を保ち注意力を維持してくれており、ストレスが低すぎると問題を生じることもある。しかし、ストレスが大きすぎると(特にその時間が長くなった場合に)精神的及び身体的な健全性に対する問題を引き起こす可能性がある。
本発明は、本明細書において原因となる疾患や治療により誘導されるストレスを意味する臨床ストレス(clinical stress)の決定に関する。
鎮静状態(sedation)とは、口頭による指令または触覚による刺激に対して患者が正常に反応できると共に興奮状態や不安状態にないような患者の薬剤誘導状態(軽い鎮静状態)、あるいは音声による指令または触覚による刺激に対してのみ患者が反応するような患者の薬剤誘導状態(中等度または意識的鎮静状態)、あるいは患者が無意識状態にあり容易に覚醒可能でないが、反復する刺激や痛みを生ずる刺激に対してのみ反応するような患者の薬剤誘導状態(深いまたは無意識的鎮静状態)である。一方、麻酔状態(Anesthesia)とは、痛みのある刺激によっても患者が覚醒不可能であるような鎮静状態のうち最も深い薬剤誘導状態である。
興奮状態(Agitation)とは多くの場合、不安を伴った運動性不穏状態(motor restlessness)と定義される。軽いまたは中等度の鎮静状態は興奮を取り除き最適な患者管理を保証するために誘導される。鎮静状態の最適レベルは、患者に影響を及ぼしている刺激によって異なると共に、換気を受けている患者では多くの場合に、十分な痛覚欠如を伴った最も深い鎮静状態で達成される。
痛覚欠如(analgesia)とは、通常であれば痛みを感ずるような刺激に対しても、無意識的でなしに痛みがないこと、あるいは痛みに対する感受性が喪失していることを意味している。
侵害受容性神経繊維(侵害受容器)のあるしきい値刺激レベルを超えた侵害性刺激(ピンで刺すことや炎症)は侵害受容(すなわち誘導された痛みや損傷を示すニューロン信号または知覚)を生じさせる。侵害受容(nociception)は中枢神経系(CNS)内で幾つかの異なる上行経路を通って伝達され、皮質性の痛み反応や皮質下のストレス反応となる可能性があるような反応を生じさせる。NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)は損傷を受けた組織部位で痛みを効果的に緩和し、また一方オピオイド(opioid)は脊髄や脳幹の領域にある痛み経路に選択的に影響を及ぼす。例えば硬膜外痛覚欠如で使用される麻酔薬などの局所または部分麻酔薬は、痛みと知覚経路(例えば、脊髄領域)の両方をブロックする。
抗侵害受容(antinociception)は通常、痛み経路の侵害受容を皮質下レベルでブロックすなわち抑制することを意味する。このことは、皮質における痛みの知覚の防止と区別して皮質下痛覚欠如と記載することがある。
自律神経系(ANS)は、心臓機能、血液循環及び内分泌などわれわれの基本的な身体機能のほとんどすべてを制御及び調節している「無意識的な」神経系である。ANSの主要な部分は、副交感神経枝と交感神経枝である。交感神経系は通常、身体機能を加速させることによってわれわれを高ストレス状況に備えさせる。正常なANS調節という条件下では、副交感神経系が、心拍速度を下げることによって血液循環を正常な状態に回復させる。痛み、不快及び臨床ストレスは、ANSのうちの交感神経枝を起動させて血圧、心拍速度及びアドレナリン分泌を高めることがある。
心電計(ECG)は、心臓で発生した生体電位信号を記録し解析することによって心臓機能を評価するための定評のある方法である。電極はより末梢の基準点と共に胸部の皮膚面に取り付けられる。ECGは、心臓機能、様々な心臓及び循環器疾患、並びに不整脈の診断においてよく使用される。多くの場合ECG波形から導出される心拍速度(heart rate:HR)は、患者の状態を特徴付けする最も重要なパラメータのうちの1つである。
呼吸速度(respiration rate)は、基本的な患者看護においても監視されることが多い別の生命徴候である。換気を受けている患者の麻酔及び鎮静状態に関する呼吸の監視は、吸息及び呼息の酸素、二酸化炭素及び麻酔ガスの監視を含むガス交換の監視と組み合わせることが多い。最近の気体モニタでは、換気の安全性及び質を向上させるために気道内圧(AWP)及びガスフローも計測される。
血圧(血液循環の維持)は、患者から得られるさらに別の生命徴候である。血圧は、非侵襲的(NIBP)に監視されることや、動脈または静脈内に挿入したカテーテルを用いて侵襲的(InvBP)に監視されることがある。後者の技法は連続的であると共に、心臓循環機能や肺機能の調節に対する詳細な監視を可能にする。
パルスオキシメトリ(pulse oximetry)は、動脈血内の酸素飽和(SpO2)を計測するための定評のある技法の1つである。SpO2は今日において第4の生命徴候と呼ばれることが多い重要なパラメータであり、末梢の組織及び臓器に対する酸素供給の的確性に関連する。パルスオキシメータは動脈の酸素負荷(oxygenation)のインビボ瞬時計測値を提供し、これにより例えば動脈低酸素血症に対する初期兆候を提供できる。パルスオキシメータはさらに、指または耳であるのが典型的である計測部位における組織血液量及び血流量(すなわち、血液循環)に関連させることができる光プレチスモグラフ(photoplethysmographic:PPG)パルス波形を表示させる。PPG波形の振幅は、患者の不快や痛みに対する高感度のインジケータとなるが、この振幅は非侵害性の刺激に対しても反応する。
パルスオキシメータで得られた光プレチスモグラフ信号は、患者の呼吸機能に関する情報も含んでいる。米国特許第6,709,402号はパルスオキシメータを用いて患者の呼吸を監視するための方法を開示している。この開示では、プレチスモグラフ信号を処理し、患者の心臓の拍動と無関係の非拍動性DC信号成分の情報を得ている。このDC信号成分並びにその時間の経過に従った増加及び減少を用いて呼吸頻度が決定される。
プレチスモグラフ信号から呼吸速度を抽出するための別の方法が米国特許第6,702,752号に開示されている。この方法は先ず、プレチスモグラフ・データの拍動性AC成分から心拍動間の間隔情報を抽出する。次いで、時間の経過に従ったこの心拍速度データのばらつき(呼吸性洞不整脈(Respiratory Sinus Arrhythmia:RSA)と呼ばれる現象)を利用して患者の呼吸速度を得ている。
機械換気を受けている患者の全身麻酔では、換気器によって患者の呼吸リズムが決定されると共に、換気器の設定値に従うことによって呼吸速度が容易に監視される。しかし、麻酔後看護室(PACU)では、患者は自発的に呼吸していることが多い。鎮痛薬は呼吸を抑圧することがあるため、患者の侵害受容性状態と呼吸機能の両方に影響を及ぼす。十分な疼痛緩和と平静な呼吸の間で最適な平衡を見いだすには、患者の呼吸とストレス状態の両者の監視が重要となる。回復の初期では特に、患者は手術中に与えられた鎮痛薬に影響されており、鎮痛薬の実効濃度は時間の経過に伴って変動することがある。手術中に患者に投与される筋弛緩剤も麻酔後看護において呼吸を抑圧することがある。
心拍速度変動性(HRV)を用いた解析方法は、心臓筋肉への酸素供給の欠乏などの心臓疾患を診断するため並びに心臓機能及び患者の全体的状態を特徴付けるための新規開発の技法である。心拍速度の高速の変化は、迷走脳神経内を伝達される副交感神経性のANS制御によって生じるのが通常である。迷走神経制御は心臓拍動を遅くさせる。心拍速度の低速の変動(<0.15Hz)は主に、心臓拍動を上昇させる交感神経活動と関連付けされる。HRVの低速成分に対するHRVの高速成分の比のことを交感神経/迷走神経平衡と呼ぶことが多く、緊急状況や強いストレス下において交感神経優位となる。
鎮静状態の的確性の高信頼性の監視に対する要求は、患者看護の質、並びに経済性関連の側面に基づくものである。平衡した鎮静状態はストレスを軽減させると共に、的確な鎮静状態によって術後罹患が低下するという確たる証拠が存在する。ストレスが長引くと中枢痛経路を増感させ、これがストレスホルモンの分泌を増加させる。これにより手術からの回復段階で無用な副作用に曝されることになり得る。鎮静状態が軽すぎることは、患者に対しても麻酔スタッフに対してもトラウマ体験を生じさせる。経済性の観点からは、鎮静状態が深すぎると、薬剤及び時間が余分にかかるためにコストの増加を生じさせると共に、看護に要する時間を長くさせる可能性がある。鎮静状態が深すぎるとさらに、合併症を生じさせたり、集中看護施設などの高価な施設の利用時間を長くさせる可能性がある。
EP特許第0553162号は、呼吸性洞不整脈(RSA)を脳の状態の尺度として使用することによって麻酔の深さを評価するための方法及び装置を提唱している。この文書は、心臓拍動パターンの集団化(clustering)を示すパラメータが各呼吸サイクルの開始を基準としたECG波形から決定されるような方法を記述している。次いでこのパラメータは、ランダム性に対するテストを用いて計算した基準値と比較される。次いで、このパラメータを基準値と比較して麻酔の深さの計測値が導出される。特に自発呼吸のある麻酔下の患者の場合、この集団化はRSAに比例しており、麻酔が深くなるに連れて小さくなる。この集団化に影響を及ぼす心拍速度変化は主に、ANSの副交感神経枝によって制御されており、またしたがって、麻酔の深さは副交感神経性の活動に関連する。これはしかし、交感神経性の作用(すなわち、痛み及び侵害受容)とは相関が乏しく、またしたがって痛覚欠如の的確性とも相関が乏しい。さらに、心拍速度は常に呼吸サイクルの低圧力期間中に増大し高圧力フェーズの間に低下するため、この集団化は過圧力人工換気の場合や自発呼吸のある患者の場合で発生が異なる。低圧力期間は自発呼吸のある患者の場合は吸息時に、また人工換気の場合では呼息時に生じる。提唱されたこの方法は、小児など有するRSAも大きい自発呼吸患者では妥当に良好に機能するが、人工換気を受けている老年の患者に関しては不首尾であることが多い。痛みはRSA振幅を低減させる、また麻酔の深さも同様に作用する。その結果、集団化の値が低いことは、麻酔が深すぎて催眠レベルの低下につながることを示唆することがある。しかしこのことは、患者が結果として覚醒することにもなり得るようなより悪い状況(特に、外科的刺激が強い場合)を生じさせることがある。
欧州特許出願第EP1273265号は、RRI及び血圧(BP)の時系列を解析するためのより簡単な方法について記載している。さらに、この方法は交感神経性と副交感神経性との心臓血管反応の間を明瞭に識別することを試みている。外科的ストレスと相関する交感神経性の反応は心拍速度及び血圧を上昇させる。心拍速度の上昇指標及び血圧上昇の指標は、RRIまたはBPの値の傾斜の増加は検出するが値の減少は無視するようなフィルタ(ある種のエッジフィルタ)を使用することによって計算される。この文書は、これらの指標を痛覚欠如の的確性の尺度として使用できることを示唆している。しかしこの方法は、侵害性刺激に対する特異性を欠いており、侵害性刺激を伴わない正常な交感神経活動に由来する呼吸その他の傾斜の増加に起因する変動も検出することになる。例えば、患者が軽い麻酔状態にあるときは、ANSの交感神経枝と副交感神経枝の両方が活性でありこれらの指標は不十分な痛覚欠如を示唆するように異常に高い値を示すことになる。
したがって、上述した従来技術によるテクノロジーは、麻酔の深さに関して一面的な(unidimensional)考え方を用いて麻酔の的確性を記述することを目指している。痛覚欠如の的確性を計測すると主張する従来技術のテクノロジーはすべて、催眠レベルに対する大きな依存を示し、このため侵害性刺激の全くない軽い麻酔においても、不満足な痛覚欠如に関連するのが通常であるような値を示すことになる。従来技術のテクノロジーのまた別の欠点は、患者間で計測値がかなりのばらつきを示すことである。これによってその解釈(すなわち、麻酔の的確性の解釈)が困難となる。
さらに従来技術のテクノロジーは、手術中における麻酔の的確性の記録に焦点を当てており、手術後に自発呼吸のある患者に対しては適用できない。
国際特許出願第WO2004/034897号は、麻酔及び鎮静状態における侵害受容に対するプレチスモグラフベースの検出のための方法及び装置を開示している。この方法では、所定のパルス波パラメータが検出され、先行するある時間ウィンドウにわたる同じパラメータの計測によって以前に得られた基準値との比較がなされる。少なくとも1つのパルス波パラメータ(好ましくは、波形振幅)についてかなりの変化が検出された場合、別のパルス波パラメータ(好ましくは、重複切痕(dicrotic notch)の位置)の変化が決定される。この2つの変化が大きければ、この2つの変化は表示または記録されると共に、侵害受容性イベントを示すものと解釈される。したがって、この方法によって侵害性刺激の存在に関する指示を提供することができる。この方法は侵害性イベントの検出(すなわち、信号の短期間の変化)に基づくため、抗侵害受容の基本レベルに関する指示は提供することができない。
米国特許出願第2005/0010116号は、麻酔または鎮静状態下にある患者の状態を監視するための方法及び装置を開示している。この方法では、患者が快適である確率の数学的指標が計算される。この確率指標は、あらかじめ患者から計測しておいたプレチスモグラフ波形、ECG波形及び/または筋電図(EMG)のパワーから抽出した生理学的パラメータを組み合わせたものとして取得される。この場合も上で言及した出願第WO2004/034897号の場合と同様に、確率指標のパラメータは、ある時間ウィンドウにわたって、あるいはある基準イベントの時点で決定されるある基準値を意味している。この指標は侵害受容の確率のみを示すため、侵害受容レベルや該レベルの変化に関する定量的な情報は提供することができない。
約言すれば、自動患者監視は麻酔やストレス性治療の様々なフェーズにおいて最適な疼痛緩和を実現するために重要である。しかし、従来技術の技法は監視のために要するパラメータが多いため複雑である。したがって監視に計測装置が必要となるが、これは臨床施設において常に利用可能とは限らない。
米国特許第6,709,402号 米国特許第6,702,752号 欧州特許第0553162号 欧州特許出願第EP1273265号 国際特許出願第WO2004/034897号 米国特許出願第2005/0010116号 米国特許第6,650,917号
本発明は、目下のところ動脈酸素飽和の連続的監視のための看護標準でありしたがって臨床施設において広範に利用可能であるパルスオキシメータの機能を拡張することによって、上述の欠点を排除させること、並びに患者の臨床ストレスを決定するための新規メカニズムを開発することを目標としている。
本発明は、臨床施設において広範に利用可能であるパルスオキシメータと連携させて患者の臨床ストレスを決定するための新規メカニズムを提供することを目標としている。本発明はさらに、麻酔後看護エリア内やストレス性治療中に患者の状態を監視するためのコスト対効果のよいメカニズムを提供することを目標としている。
本発明では先ず、被検体から取得したプレチスモグラフ信号データ内に存在する呼吸変調に関する所定の特徴を示す計測信号が生成される。この計測信号は、被検体の呼吸速度を示すのが典型的であるが、例えば呼吸振幅を示すこともあり得る。次いで、該計測信号に基づいて被検体の臨床ストレスを示す指標信号が決定される。ストレス変化はプレチスモグラフ信号データの幾つかの特徴に反映されるため、こうした特徴の1つまたは幾つかを用いて指標信号を決定することができる。特徴を1つだけ利用する実施形態では、測定した値をある種のスケールまたは基準レベルに対して比較できるようにするために基準尺度が決定される。プレチスモグラフ信号データの複数の特徴に基づいて臨床ストレス指標が決定されるケースでは、その指標は該特徴を表す信号の加重平均を計算することによって生成することができる。この重みは各患者グループごとに最適化されることがあり、また信号のうちの少なくとも幾つかに対しては平均を計算する過程に供給する前に規格化変換を適用することがある。
したがって本発明の一態様は、被検体の臨床ストレスを決定するための方法を提供する。本方法は、被検体からプレチスモグラフ信号データを収集する工程と、このプレチスモグラフ信号データ内に存在する呼吸変調の所定の特徴を示す第1の計測信号を導出する工程と、を含む。本方法はさらに、第1の計測信号に基づいて指標信号を形成する工程と、この指標信号を被検体の臨床ストレスを示す指標として利用する工程と、を含む。
本発明の別の態様は、被検体の臨床ストレスを決定するための装置を提供するものである。本装置は、少なくとも1つの波長で放射を放出するための放出体手段と、少なくとも1つの波長で該放射を受け取り少なくとも1つの電気出力信号を発生させるための検出器手段と、この少なくとも1つの電気出力信号を処理して少なくとも1つのプレチスモグラフ信号を取得するための第1の信号処理手段と、を含む。本装置はさらに、この少なくとも1つのプレチスモグラフ信号のうちの少なくとも1つに存在する呼吸変調の所定の特徴を示す第1の計測信号を導出するための第2の信号処理手段と、この第1の計測信号に基づいて指標信号を形成するための第3の信号処理手段と、この指標信号を被検体の臨床ストレスのインジケータとして指示させるためのインジケータ手段と、を含む。
本方法はプレチスモグラフ信号データから導出可能なパラメータのみを利用しているため、必要となる機器はパルスオキシメータだけである。さらに、臨床ストレス指標を決定するために必要なデータは、従来のパルスオキシメータの1つのチャンネルだけからの信号データですむ。
本発明によれば患者のストレス状態を評価するための計測によって従来のパルスオキシメータの機能を拡張することができるため、コスト対効果のよい方式でストレス状態の自動評価を臨床施設に導入することができる。このことは、十分な疼痛緩和と平静な呼吸との間の最適な平衡を見いだすためだけではなく、自らのストレス状態を正しく説明できない患者や自らの状態の説明の信頼性が高くないような患者を監視するためにも有用である。したがって本発明は、麻酔後看護エリア及びストレス性治療に関する信頼度の向上を提供することができる。この計測は従来のSpO2計測に基づくため、実施が容易でありかつ追加的な計測やセンサは必要がない。
本発明のさらに別の態様は、被検体の臨床ストレスの監視を可能にするように従来のパルスオキシメータをアップグレードできるコンピュータ・プログラム成果物を提供するものである。本コンピュータ・プログラム成果物は、プレチスモグラフ信号データを受け取るように構成された第1のプログラムコード部分と、このプレチスモグラフ信号データからプレチスモグラフ信号データ内に存在する呼吸変調の所定の特徴を示す第1の計測信号を導出するように構成された第2のプログラムコード部分と、この第1の計測信号に基づいて被検体の臨床ストレスを示す指標信号を形成するように構成された第3のプログラムコード部分と、を含む。
本発明に関するその他の特徴及び利点については、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによって明らかとなろう。
以下では、本発明並びにその好ましい実施形態について添付図面の図1〜13に示した例を参照しながらより詳細に説明することにする。
パルスオキシメータは、コンピュータ式計測ユニットと、患者に対して(典型的には、指または耳たぶに対して)取り付けられるプローブと、を備える。このプローブは、組織を通過する光学信号を送出する光源と、組織を通過したまたは組織から反射された信号を受け取るための光検出器と、を含む。この通過し受け取られた信号に基づいて、組織による光の吸収を決定することができる。各心拍サイクル中において、組織による光の吸収は周期的に変動する。心拡張期の間はその吸収は静脈血、組織、骨及び色素に起因しており、また心収縮期の間では吸収の増加が生じる、このことは動脈血が組織に流入することに起因する。パルスオキシメータは、心収縮期のピーク吸収と心拡張期の定常吸収との差を決定することにより、この動脈血部分に対する計測に焦点を置いている。したがって、パルスオキシメトリは吸収のうちの拍動性成分が動脈血のみに由来するという仮定に基づいている。
ヘモグロビン、オキシヘモグロビン(HbO)及びデオキシヘモグロビン(RHb)のうちの2つの種類を識別するためには、2つの異なる波長で吸収を計測する必要がある、すなわちそのプローブには2つの異なる発光ダイオード(LED)が含まれる。広く使用されている波長の値は、660nm(赤色)と940nm(赤外線)である、これは該2種のヘモグロビンがこれらの波長において大きく異なる吸収値を有するためである。一方、各LEDは数百Hzが典型的であるような頻度で照射される。
図1は、本発明によるパルスオキシメータの一実施形態のブロック図である。LEDを含む光源10から送出された光は指11など患者の組織内を通過する。組織を通過した光または組織から反射された伝播光は、光検出器12によって受け取られ、またこの光検出器は受け取った光学信号を電気信号に変換しこれを入力増幅器13に供給する。次いで、増幅された信号は制御/処理ユニット14に供給され、この信号はディジタル形式に変換される。次いでこのディジタル化された信号データは、血中酸素飽和度を決定するためのSpO2アルゴリズムによって利用される。制御/処理ユニットは、このアルゴリズムを実行し、表示画面上にその結果を提示させるようにディスプレイ17を駆動する。SpO2アルゴリズムは制御/処理ユニットのメモリ16内に保存されることがある。
制御/処理ユニットはさらに、LEDを交互に起動させるように光源駆動器15を制御する。上で言及したように、各LEDは毎秒数百回の照射をするのが典型的である。ディジタル化されたPPG信号データもSpO2アルゴリズムに提供される前に該メモリ内に保存されることがある。
各LEDを患者のパルス速度と比較して大きな頻度で照射させると、制御/処理ユニットは各波長において患者の各心拍サイクルに関して多数のサンプルが得られる。これらのサンプルの値(すなわち、受け取った信号の振幅)は、患者の心拍サイクルに応じて異なっており、この変動は上で言及したように動脈血に起因している。
LEDの輝度、検出器の感度、指の厚みなどの外因性ファクタの変動が計測に影響を与えないようにするため、受け取った各信号は、患者の心臓リズムで振動するAC成分を抽出した後、このAC成分を光の透過または反射のDC成分により割り算することによって規格化される。こうして得られた信号は上述の外因性ファクタと無関係となる。
患者の動きは、光プレチスモグラフ信号やSpO2監視における最も重要なノイズ及びアーチファクト発生源の1つである。最近のSpO2アルゴリズムは、動きを許容できるように設計されると共に、患者の動きを比較的よく検出することができる。こうしたアルゴリズムの一例が米国特許第6,650,917号に開示されている。鎮静状態の患者では、動きは、痛みの増大に関する1つのインジケータであり、また鎮痛薬投与が少なすぎることに関するインジケータとすることも可能である。
本発明では、上述のタイプの従来式のパルスオキシメータを、患者の臨床ストレス状態を示す尺度を決定するためのメカニズムを備えるようにアップグレードしている。このコンテキストにおいて、前記の尺度のことを臨床ストレス指標(CSI)と呼んでいる。したがって、ディジタル化されたプレチスモグラフ信号データはさらに患者の臨床ストレス指標を決定するための指標計算過程に対して供給される、あるいは取り出される。供給されるデータは1つのチャンネルだけからのデータ(すなわち、R(赤)チャンネルあるいはIR(赤外線)チャンネルの信号データ)を含むだけで十分である。しかし該過程では、2つのチャンネルを組み合わせることによって形成したPPG信号データを使用することもできる。さらに、利用されるプレチスモグラフ信号データは、DC成分を含むという意味で未処理信号であるようなプレチスモグラフ信号のデータに対応することが好ましい。すなわち、DC成分は呼吸情報を含んでおり、したがって臨床ストレス指標を計算する前にPPG信号からDC成分が除去されると有用な情報が失われることがある。
図2a及び2bはプレチスモグラフ信号を表している。図2aは5分間分の信号を表しており、また図2bは該5分の期間内部のある30秒の期間を表している。患者の呼吸に起因する変調は、プレチスモグラフ信号の3つの異なる特徴において認識することができる。その第1は、心拍速度で拍動する成分の振幅が呼吸に応じて変動することである。このことは、図2bの信号の上側包絡曲線21と下側包絡曲線22の差の変調として認識することができる。その第2は、パルス対パルスの間隔(すなわち、連続する心臓拍動間の間隔)が呼吸に応じて変動することであり、この間隔は呼息フェーズ中と比べて吸息フェーズ中でより短くなる。その第3は、DC基線信号(すなわち、プレチスモグラフ信号の上側包絡線または下側包絡線)が呼吸に応じて緩やかに変動することである。呼吸がDC成分を変動させる要因となる生理学的特徴については、上述の米国特許第6,709,402号においてより詳細に検討されている。
図3は、第1グループの実施形態に属する本発明の一実施形態を表している。パルスオキシメータの少なくとも1つのチャンネルのPPG信号波形データが指標計算過程30に供給される。該信号データは、SpO2アルゴリズムに供給されるのと同時に該過程に供給されることや、該データはメモリ16から取り出されることがある。
記録された波形データは先ず、前処理工程31において最適化されており、この前処理工程31では、例えばPPG信号データの品質を向上させるために信号中の幾つかの周波数成分がフィルタ除去されることがある。この工程は必須ではないが、信号データの品質を向上させるために実施されることがあり得る。
次に、この信号データから工程32において呼吸信号が抽出され、これにより呼吸変調をその中で認識できる1つの時系列が得られる。上述したように、この呼吸変調はPPG信号データの時系列に関する少なくとも3つの異なる特徴(すなわち、心拍速度で拍動する信号成分の振幅、PPG信号データのパルス対パルス間隔、並びにプレチスモグラフ信号のDC成分(基線))において認識することができる。したがって、工程32で得られた呼吸信号は上述の特徴のうちの1つまたは該特徴の組み合わせを示す1つの時系列である。
次いで、この呼吸信号に基づいて患者の呼吸速度が決定される(工程33)。上で言及したように、PPG信号データからの呼吸速度の抽出も同様にして周知である。したがって、上述の米国特許第6,702,752号及び第6,709,402号に開示された技法のいずれかを用いると工程32及び33において呼吸速度が得られる。
次いで、この呼吸速度に基づいて、工程34において速度尺度が決定される。この速度尺度は、その患者に関する呼吸頻度の正常レベルと比較した現状レベルの呼吸頻度を示すような任意の尺度である。したがって、この速度尺度は例えば、同じ患者に関して以前に計測された正常呼吸速度と比較した呼吸速度の変化を示すことがある。したがって工程34によって、呼吸速度の相対的レベルを見いだすために、計測した呼吸速度をある種のスケールまたは基準レベルと比較することが可能となる。以下で検討するように、工程34はさらに規格化変換を含むことがある。
次いで、工程34から得られた時系列が患者の臨床ストレスを示す指標信号として利用される。この指標は、図1のディスプレイ17などの表示画面上に提示されることがある。さらに、この指標値に基づいて少なくとも1つの鎮痛剤または鎮静剤の患者に対する投与を管理することによって患者のストレスが緩和される。この目的のために、制御/処理ユニット14は薬剤送達ユニット18(図1)を制御することができる。
図3の実施形態では、PPG信号データから決定した呼吸速度だけを利用して臨床ストレス指標を規定している。しかし、PPG信号データから抽出した幾つかの別の特徴にさらに基づいた指標を生成することによって、この指標の特異性を改善することができる。このことについて以下で検討することにする。
第2グループの実施形態では、PPG信号データ内の呼吸変調の2つの特徴に基づいて合成ストレス指示が形成される。その特徴が呼吸速度及び該呼吸速度の変動性であるような実施形態を図4に図示している。この実施形態ではしたがって、工程43から得られた時系列に基づいて呼吸速度の変動性を表す時系列を先ず作成し(工程44)、次いで工程43から得られた速度信号及び工程44から得られた速度変動性信号に基づいて合成指示を生成することによってこの呼吸速度の変動性が検討される。この合成指示は、2つの時系列から得られた各データ点対ごとに2つの信号の加重平均を計算することによって作成されることがある。したがって、工程45から得られる合成インジケータは患者の臨床ストレス指標の役割をする。このコンテキストでは、加重平均の計算に使用するためのパラメータをPPGパラメータと呼ぶ。痛み及び/またはストレスが増大すると呼吸速度の変動性が上昇するという事実によって、呼吸速度の変動性をPPGパラメータとして使用することが後押しされる。
ここで、対象となる患者グループごとに重み付け値を最適化することによってストレス状態の高信頼の尺度を得ることができるため、複数のPPGパラメータに基づいて合成指示を形成する場合は、速度尺度の決定(工程34)が省略されることがあることに留意すべきである。しかし本発明の一実施形態では、図の破線のボックスで示したように工程45の後に任意選択の定量化工程46を追加することがある。この任意選択工程は、決定した平均値の大きさを記述した値を作成し、これによりある種のスケールに合わせて計算平均値が設定されるという意味において図3の工程34に対応する。上述のように、工程46は、平均値がその正常値と比較してどのように変化したかを示す任意の値の計算を含むことがある。以下では図示していないが、図4〜8の実施形態のいずれかの加重平均の計算の後にこの任意選択の定量化工程が追加されることがある。しかし以下で検討するように、加重平均の計算の前に各PPGパラメータに規格化を適用することによってストレス指標の品質を改善することができる。このため、工程34は規格化変換も含むことがある、すなわちその速度尺度を呼吸速度の規格化済みの値とすることがある。以下で検討するように、規格化はそれぞれのパラメータを個々に定量化しており、したがって工程46の代わりに規格化を使用することが好ましい。
さらに、呼吸速度の変動性を唯一のPPGパラメータとして使用することが可能である。このケースでは、図4の工程44が工程33と34の間に導入されるように図3の実施形態が修正されており、また速度尺度の代わりに工程34において変動性尺度を計算し、計測した変動性を同じくあらかじめ計測しておくことができるある基準変動性に対して比較することが可能である。
第3グループの実施形態では、その臨床ストレス指標は3つのPPGパラメータに基づいて決定される。図5に図示したような一実施形態では、そのPPGパラメータは、呼吸速度、呼吸速度の変動性、並びに呼吸速度をそこから決定するための信号(複数のこともある)の呼吸変調の振幅である。換言すると、第3のPPGパラメータはこのケースでは呼吸振幅である。図5に表したようにこのケースでは、呼吸振幅は呼吸信号に基づいて工程54で決定されており、この工程54では、PPG信号データの呼吸変調の振幅を示すパラメータを入力信号に基づいて計算することによって呼吸振幅の時系列または波形を作成している。3つのパラメータのそれぞれに対応する時系列は、3つのパラメータの同時発生値の加重平均が計算される工程56に提供される。ストレス状態の変化と呼吸変調の振幅との間には明瞭な相関が存在するため、呼吸振幅がPPGパラメータとして使用されることがある。全身麻酔中の患者では、ストレス性治療または外科的ストレスで呼吸変調が低下する。しかし、この相関の性質は、PPG信号データから呼吸信号を抽出するために工程42/52で使用される技法に基づくことがある。
ここで、工程52は工程32及び42に対応することがあるが、呼吸速度を得るために様々な技法が利用されることがあるため必ずしもこのようにする必要がないこと、並びに呼吸振幅を示す呼吸信号は必ずしも工程32及び42で利用可能でないことに留意すべきである。また、指標計算過程の異なる実施形態を表している図面で対応する工程を違う参照番号で示したのはこのためである。
さらに、呼吸振幅を唯一のPPGパラメータとして使用することが可能である。このケースでは、図3の工程33が図5の工程54によって置き換えられるように図3の実施形態が修正されており、また速度尺度の代わりに工程34において振幅尺度を計算し、計測した振幅を同じくあらかじめ計測しておくことができるある基準振幅に対して比較することが可能である。
臨床ストレス指標の特異性は、入力PPG信号データの異なる特徴を記述しているパラメータをその加重平均が臨床ストレス指標を形成しているPPGパラメータからなる群に加えることによって改善させることができる。第4グループの実施形態では、加重平均の計算のために4つのPPGパラメータが使用される。図6に示した第4のグループの一実施形態では、PPGパルス振幅を表した時系列が図5の実施形態で利用されるPPGパラメータの群に加えられる。したがってこの実施形態では、呼吸速度、呼吸速度の変動性、呼吸振幅、及びPPGパルス振幅という4つのパラメータに基づいて加重平均が計算される。PPGパルス振幅は、痛み及び/または不安が増大したときにその振幅が低下するようにして痛み及び/または不安と相関する。加重平均は工程66で形成され、次いで臨床ストレス指標が得られる。呼吸信号(複数のこともある)の抽出のために工程62で使用される技法によっては、PPGパルス振幅を表している時系列または波形をこの工程から直接得ることもできる。しかし、この工程でPPGパルス振幅データが導出されない場合は、PPGパルス振幅を表している時系列または波形は、指標計算過程に入力されるPPG信号データに基づいて、あるいは工程31から得られた前処理済みPPG信号データに基づいて別の工程62aで作成することができる。PPGパルス振幅データを得るための別の方法を図の破線の矢印で表している。
第5グループの実施形態では、5つのPPGパラメータが利用される。図7に図示すような一実施形態では、図6の実施形態で利用したパラメータ群にPPGパルス対パルス間隔が加えられることがある、というのはPPGパルス対パルス間隔は痛み及び/または不安に関してPPGパルス振幅と同様の挙動をするためである。したがってこの実施形態では、5つのパラメータ(図6の実施形態で使用したパラメータ)並びにPPGパルス対パルス間隔に基づいて加重平均が計算される。PPGパルス振幅の場合と同様に、PPGパルス対パルス間隔を表す時系列または波形は呼吸信号(複数のこともある)を抽出する工程(図7の工程72)から得ることができる(該データがこの工程で利用可能である場合)。そうでない場合は、PPGパルス対パルス間隔を表す時系列または波形は、PPG信号データまたは工程31から得られた前処理済みのPPG信号データに基づいて別の工程72aで作成されることがある。これらの代替手段は図7のPPGパルス振幅では図示していない。
第6グループの実施形態では、6つのPPGパラメータが利用される。図8に図示したように、PPGパルス振幅の変動性またはPPGパルス対パルス間隔の変動性がPPGパラメータの群に加えられることがある。したがって、このグループの実施形態では、6つのパラメータ(図7の実施形態の上述の5つのパラメータとPPGパルス振幅の変動性またはPPGパルス対パルス間隔の変動性を示すことがある第6のパラメータ)に基づいて加重平均が計算される。図示したように、選択した入力信号が工程86に供給され、この工程86で入力信号の変動性を表す時系列が決定される。計算した変動性パラメータは例えば、高周波数変動性に対する低周波数変動性の比(すなわち、いわゆる交感神経/迷走神経平衡、あるいは交感神経/迷走神経平衡と同様の比)とすることができる。このことは、ストレス及び/または不安が増大すると該低周波数変動性が上昇しかつ該低周波数変動性が低下するということに由来する。
呼吸振幅がPPGパラメータとして使用される上述の実施形態のいずれにおいても、PPGパラメータとして呼吸振幅の変動性を利用することができる。このことを図8において任意選択の工程87を図示することによって表現しており、工程87では呼吸振幅の変動性を示すパラメータを表す時系列または波形が呼吸振幅の時系列または波形に基づいて作成される。
上述の実施形態では、得られた臨床ストレス指標が時系列の各データ点ごとに更新されることや、あるいは所定の時間期間にわたってあるいは得られた所定数の加重平均値にわたって何らかの形式の平均値が計算されることがある。
本発明の別の実施形態では、臨床ストレス指標の決定に使用される1つまたは複数のパラメータが規格化過程で規格化されることがある。図9に示したように、参照番号97で示した規格化過程は、加重平均の計算の前に実施される。ここで図9は、図8の実施形態と連携した規格化工程を表していることに留意すべきである。しかしこの規格化工程は、図4〜8に表した実施形態のいずれに対しても追加することができる。規格化変換はそれぞれの実施形態の1つまたは複数のパラメータに対して適用することができるが、その実施形態で加重平均の計算に使用されるすべてのパラメータを規格化すると有利である。さらに上で言及したように、図3の実施形態の工程34は規格化過程を含むことがある。
ここでいう規格化過程とは、所定の出力値レンジ(0〜100など)となるようにその入力信号値をスケール調整する過程を意味している。
この規格化過程はさらに、患者適合的とすること(すなわち、対象となる患者に対して適合させること)がある。患者に対する適合性を得るために、その規格化変換は同じ患者に関して以前に記録しておいた時系列データに基づいて実施される。例えば、呼吸速度を示すパラメータに適用される規格化変換は、所定の長さの計測期間(5分間など)にわたってあらかじめ計測したデータに基づいて規定される呼吸速度の平均及び分散に依存することがある。
典型的な規格化変換に特徴的な第3の特徴は、入力信号の緩やかな変化を強調することである。この操作は、入力値レンジのうちの末端領域の値と比べて入力値変化に比較的より敏感な平均値すなわち中心域に対応する出力値を得ることによって実施される。このメカニズムによって、入力値内の微小な変化すなわちトレンドを強調させると共に、入力信号のうちのジャンプ様の大きな反応を減衰させている。したがってこの変換は、抗侵害受容のレベルに関する薬剤影響による変化など、患者状態の相対的に緩やかな変化すなわちトレンドを検出するのに特に適している。
約言すれば、それぞれの入力信号に対して適用される典型的な変換は次の3つの異なる特徴を有する。
・変換が規格化変換であること、すなわち変換によって入力値が所定の出力値レンジに収められること。
・変換が患者適合的であること、すなわち当該患者に合わせて変換を適応させており、また固定のレンジ内のある指標値によってすべての患者に関する同じ量の臨床ストレスを示させていること。
・変換が、臨床状況におけるトレンドの監視を容易にする入力信号の緩やかな変化を強調していること。
上述の基準を満たす変換は、パラメータ化関数変換の利用やいわゆるヒストグラム変換の利用を含め様々な技法によって実現することができる。この2つの技法について以下に記載することにする。
図10は規格化変換の典型的な入出力特性を表している。典型的な関数変換の曲線はシグモイド関数に対応する、すなわちその出力値yは(式1)に従った入力値xに依存する。
Figure 2006263472
(式1)
上式において、A及びBはパラメータである。以下で検討するように、Aは典型的には、指標値のスケールを決定している正の定数であり、またBはゼロからAまでのスケール範囲で出力指標値の分布を決定している患者特異的パラメータとすることができる。
図から分かるように、この変換によってその入力信号は最小値MINと最大値MAXの間の所定の出力値レンジに収められる。(式1)では、MINは0に等しく、またMAXはAに等しい。
患者に対する適合は、1つまたは複数の患者特異的なパラメータを規定しこの少なくとも1つのパラメータに依存した変換を実施することによって実現することができる。例えば、それぞれのパラメータの平均値<x>及び標準偏差σは、所定の長さの計測期間(5分間など)にわたって計測した時系列データに基づいて手術前に決定すべきである。次いで、決定したパラメータに基づいて変換を実施することができる。例えばパラメータBは標準偏差の逆数に等しい値(すなわち、B=1/σ)に設定することができ、また入力値xは現状の入力値xと平均値AVEとの差(すなわち、x=x−AVE)に対応する値に設定することができる。すなわち入力値は、それぞれのパラメータに関する以前の信号データにも依存することになり得る。
(式1)に対する代替的な関数は、(式2)に示すようなガウス(正規)分布関数の累積分布関数とすることができる。
Figure 2006263472
(式2)
上述の第3の特徴、すなわち緩やかな変化の強調は、変換曲線の傾斜が最も一般的な入力値の周り(すなわち、平均値AVEの周り)で最も急峻となるような変換を行うことによって実現することができる。
次いで、この変換の出力値は、臨床ストレス指標をその値が規定している規格化パラメータとして利用される。
上述の方式では、それぞれのPPGパラメータの時系列が、すべての患者に関する所定の値レンジ及び所定の分布特性を有する代用信号に変換される。したがってこの変換は、到来する値に関わりなくその時系列の値をある値レンジに「強制的に収め」ており、ある指標値(60など)によって、すべての患者に関する同じストレス量を示させている。
上で検討したように、患者適合的な規格化変換は、少なくとも1つの患者特異的なパラメータを含むパラメータ化変換を使用することによって実現することができる。患者特異的なパラメータ値(複数のこともある)は、ストレス指標の実際の計測の前に計測される。次いで、患者特異的な値によって前記のパラメータ(複数のこともある)に代えることによって患者特異的な規格化変換を得ている。次いで、この患者特異的な規格化変換を用いて、到来する時系列が規格化PPGパラメータ値を含んだ時系列に変換される。
変換に関する上述の3つの基本的特徴の幾つかまたはすべては、ヒストグラム変換を用いて実現することもできる。ヒストグラム変換では、図11に表したような入力アレイ111及び出力アレイ112が形成される。入力アレイ(バッファ)は、昇順または降順でソートされたi個の入力値をそれぞれ格納しているビンと呼ぶこともあるi個の入力要素を備えており、また出力アレイ(バッファ)は昇順または降順でソートされかつi個の出力要素内に格納された固定の指標値を備えている。図11の例では、その出力バッファの指標値は入力バッファの値の総数に対応して0から100までの範囲にあり、すなわちi=101である。したがって、PPGパラメータの時系列の値は出力バッファの値レンジ内に収められる。この操作は、到来する信号に対して利用される適合が完全適合か、不完全適合か、非適合性かに応じて3つの異なる方法で実現されることがある。ヒストグラム変換に関するこれらの実施形態について以下で簡単に検討することにする。
完全適合では、それぞれのPPGパラメータの時系列の最新の信号値が、該時系列で得られた新たな各データ点の値によって入力アレイ内の最も古い値を置き換えるようにしてその入力アレイ内に格納される。新たにPPGパラメータ値が得られると、入力アレイ内の最も古い値が削除されると共に、残りの値と新規の値をソートして新たな入力アレイが形成される。次いで、この変換の出力値は、入力アレイ内の新値の箇所に対応する指標値として出力アレイによって得られる。この方法では、その信号レベルは変化することがあるが、その出力値は最低と最高の指標の間(すなわちこの例では、0と100の間)に留まることになる。したがって、出力アレイ112から得られた時系列は、その平均値が一定でありかつその振幅の変動性が平均値の周りのあるレンジ及びある分布に限定されるようになる。例えば、この変換から出力された値に対して所望の平均値を有するガウス分布や均一(even)分布を使用することができる。
完全適合は、パラメータ化変換によって実現することもできる。ヒストグラム変換を使用すると、患者特異的なパラメータは全く不要である、というのは以前の信号データのソートによってヒストグラム変換が患者適合的になるためである。パラメータ化変換を使用すると、入力データのソートが不要となる。
ヒストグラム変換において到来する信号に対する適合を使用しないケースでは、その入力アレイは到来する信号値に関わらず同じのままである。入力アレイは、典型的にある患者または施設に対して得られる分布と比べてより広い入力値分布をもたらすようなある種の患者グループから計測した値またはある種の計測施設で計測した値に基づいて形成させることがある。したがって、同じ患者に関する最新のi個の値を格納するのではなく、入力アレイは(大きな)患者グループの中からPPGパラメータの値の分布を表すi個の固定値を格納することがある。PPGパラメータの到来する時系列内で新たな値を取得したときに、上述の方式により、ソート済み入力アレイのこの新値の箇所に対応した指標値としてこの変換の対応する出力値が得られる。ヒストグラム変換のこの実施形態は患者適合的ではないが、依然として小児や成人などの異なる患者グループに対して異なる入力アレイを規定することがあり、またさらに、使用されるセンサの種類や末梢のセンサ部位(耳、指、つま先)など様々な別のパラメータに従って各患者グループごとに異なる入力アレイが規定されることがある。
同様の非適合変換は、パラメータ化変換によって実現させることがある。このケースではその変換は、その値(複数のこともある)が対象となる患者グループ、及び(さらに可能性としては)センサの種類や部位などの別のパラメータに基づくような1つまたは複数のパラメータを含む。
到来する信号に対する不完全適合は、上述の2つの方法の組み合わせを意味している。不完全適合の実施形態を図12a〜12dに図示している。図12aは、全身麻酔状態のある種の患者グループを表した多数の患者に関するパラメータ分布曲線121を示したものである。患者グループのサイズは、例えば約1000人の患者を表すように非常に大きくすることがある。パラメータ値のレンジ(本図では、0〜300)は、個別の患者について得られた実際のレンジと比べてかなり広くなるように選択すると有利である。その後、呼吸速度や呼吸速度の変動性などの同じPPGパラメータが計測されると共に、大きな母集団平均の場合と同じパラメータ値ビンを使用してヒストグラム分布が作成される。個別の患者に対するこの分布は、固定数の値(例えば、300個)を含むことがあり、また上述した完全適合方法を用いてこの分布を更新することがある。さらに、個別の患者のパラメータ値の累積分布を収集すること、並びにこうして得られた分布カウントを患者グループ分布に対する総カウントの所定のマッチングに合わせてスケールを下方調整することも可能である。こうしたケースでは、その個別の患者分布は、監視の開始から監視中の目下の時点までのパラメータ値を意味することがある。手術中に得られた規格化済み患者特異的分布曲線122の一例を図12bに提示している。
次いで、規格化済み患者特異的分布が所定の比率で規格化済み患者グループ分布に加えられ、図12cに示すような平均総分布曲線123が形成される。この例では、総分布においてこの2つの規格化済み分布は等しく重み付けされる。不完全適合のヒストグラム変換の入力パラメータ値アレイを計算するためには次いで、図12dに示すような平均総分布の累積和が作成される。例えばヒストグラム変換アレイの要素長が101であれば、ヒストグラム変換の入力ビンに対する新値は、図12dの破線で示すようにY軸の累積和値0、1、2、...、100をパラメータ値軸(X軸)に投写することによって得ることができる。この方法で得られたX軸値によって、ヒストグラム変換の入力アレイの入力値が形成される。次いで、適合なしに実際のヒストグラム変換が実行される。この実施形態ではしたがって、入力アレイの入力値は、グループ分布曲線を患者特異的分布曲線に加えた後、加え合わせた分布曲線の累積分布関数によって入力アレイの入力値を規定することによって取得される。上述の方式による規定の後では、入力アレイの入力値は、典型的には新たな個別パラメータ値の約100個を表すことが可能な所定の更新間隔にわたって固定である。
合成入力における適合値と非適合値の比率は変更することができる。これは、入力または出力アレイに格納された連続する(固定の)値間のステップの大きさに合わせて適用している。例えば、図12a〜12dに関連して提示した例では、入力アレイの連続する各ビンは入力値の1パーセントを包含していた。しかし、これらのステップは値のうちのある別の百分率が各ステップ範囲内(すなわち、各ビン内)に入るようにすることもでき、この場合ではそのステップが入力値のあるレンジの周りではより小さくなり、また入力値の別のレンジの周りでは対応してより大きくなることがある。出力信号の中央値、すなわち出力アレイの中心指標は、所望の出力値(例えば、50など)に合わせて変換することができる。出力値の分布はその用途の要求に応じて指定することができる。
患者に対する適合は規格化変換に好ましい特徴であるため、完全適合または不完全適合の規格化変換はPPGパラメータ(複数のこともある)に適用すべき好ましい変換となる。上で検討したように、不完全適合変換のケースでは、各回に使用すべき規格化変換は、その患者(すなわち、患者が属する患者グループ)によって、使用するセンサによって、及び/またはセンサの箇所(指または耳)によって異なることがある。
したがって、不完全患者適合のヒストグラム変換の一般化した形式は、H(患者適合変換)=A*H1(大きな患者母集団)+B*H2(監視の開始以降の履歴データ)+C*H3(最後のM分間の履歴データ)で示すことができる(ここで、第1の基準ヒストグラムH1は同様の患者(成人、小児、乳児、など)からなる大きな母集団グループ向け、あるいはある特定のタイプのセンサまたは装置(PPG指センサ、PPG耳センサ、など)向けのものであり、第2の基準ヒストグラムH2は監視や麻酔の開始以降記録されたパラメータ値(長期履歴データ)向けのものであり、また第3の基準ヒストグラムH3は5分間など最後のM分間に記録されたパラメータ値(短期履歴データ)向けのものである)。この乗率(A、B及びC、ここでA+B+C=1である)は別々に規格化したヒストグラム分布に対する相対的な重みである。患者母集団ヒストグラムを利用する主たる理由は、これがパラメータ値に関して最も広い分布を包含しており、またこれが入力値に関する許容し得るパラメータレンジを表すためである。監視の開始以降の履歴データは、実質的に各患者を同じ規範に合わせて設定させる。最後のM分に対するヒストグラムによってある患者内のトレンド様のパラメータ変化に対する迅速な適合を可能とし、これによりM分の時間ウィンドウ内でのパラメータの絶対平均値に関わりなく監視の各フェーズを同じ等価的規範に合わせて設定することができる。
不完全適合はパラメータ化変換によって実現することもできる。このケースでは、その変換は、上述のヒストグラム変換と同様の方式で、患者特異的なパラメータとグループ特異的なパラメータの両方を含む。これらのパラメータは様々な方法で規定することができる。例えば、関数変換の平均パラメータは、大きな患者グループのデータ、長期履歴データ、及びM分間の短期履歴データのパラメータの平均値に関する加重平均として決定されることがあり、また関数変換の分散パラメータは、2つのグループの履歴データから得られた分散の重み付け和として決定されることがある。
本発明の一実施形態では、2つの異なる身体部位から(例えば、指及び耳から)同時に2つのPPG波形が記録されることがある。図13は、図9の実施形態で耳センサと指センサの両方からPPG信号データが収集されている場合を表している。典型的には、PPG振幅の呼吸変調及び基線DC信号は指よりも耳において比較的より大きい。さらに、耳から計測したPPG信号では動きのアーチファクトがかなり頻度が低くかつより小さいため、呼吸信号をより劣化なくかつ容易に耳から検出することができる。ときに、いわゆるMayer波すなわち血管運動波が大きすぎかつ呼吸信号と概ね同じ期間を有することによって、呼吸信号の検出がかなり阻害されることがある。Mayer波は異なるセンサ部位では現れ方が異なっており、したがって比較的より小さいMayer波成分を有するセンサ部位において、呼吸信号の検出のじょう乱をより少なくすることができる。耳でのPPG振幅は指よりも小さいため、PPG振幅の検出は指からにおいてより容易である。したがって、呼吸速度及び呼吸振幅を耳信号から決定することがあり、またPPG振幅及びパルス対パルス間隔に関しては指信号を用いることがある。したがって、各PPGパラメータを当該パラメータに対してより良好な信号品質を有する部位から検出するため、より良好な信号品質が達成される。
2つの部位で同時に記録したPPG波形を使用することの別の利点は、異なる部位では生理学的情報が異なることである。例えば、指のPPG波形に対する血管収縮の影響は、耳の波形に対するよりもかなり大きい。血管収縮は交感神経性の活動に起因するため、交感神経性の活動は指信号のPPG振幅に基づいて決定することが好ましい。
異なるセンサ部位から得られたPPG振幅を互いに比較することも可能である。このことは、その信号に同様の影響を及ぼす原因を排除するのに役立つと共に、臨床ストレス指標について最も信頼性が高くかつ/または特異的な決定を提供できる信号の選択を可能とする。交感神経性の活動または血管収縮による別の作用は、実際の心臓拍動と末梢の身体部位の圧力パルスの間の時間間隔であるパルス移行時間(PTT)が、2つの身体部位で変化が異なることである。耳に対するPTTは指に対するPTTと比べてかなり短くかつより一定である。本発明のさらに別の実施形態ではしたがって、指由来のプレチスモグラフ・データ及び耳由来のプレチスモグラフ・データから得られたPTT、PPG振幅及び呼吸変調などの信号及び信号パラメータを比較することがあり、またその差に基づいて臨床ストレス状態に関する追加的な情報及び/または補完的な情報を決定することがある。図13は、耳由来の信号データ及び指由来の信号データに関する対応する振幅ピーク間の時間差を決定することによって工程130においてPTT差を示す尺度が決定されている一例を表している。この尺度は交感神経性の活動を示すため、指標を計算するためのPPGパラメータとして使用することができる。センサの選択も耳信号と指信号に関する上述の比較に基づくことができる。
本発明のストレス指標決定の過程で必要となるのは最小で1つのチャンネル(すなわち、R(赤)チャンネルの信号データ、あるいはIR(赤外線)チャンネルの信号データ)であるため、上述の2センサ部位装置は、いずれも同じIR波長を用いて一方のチャンネルを耳プレチスモグラフ用としかつもう一方を指プレチスモグラフ用として1つの2部位プレチスモグラフの役割をするように構成させた標準的なパルスオキシメータとさせることもできる。この構成では、その検出器は、例えば2つの検出器を並列に使用することによって部位間で分割されている。
本発明について添付の図面に表した例を参照しながら上述してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、むしろ当業者であれば本発明の趣旨及び精神を逸脱することなく修正することができることは明らかであろう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
本発明によるパルスオキシメータの一実施形態を表したブロック図である。 プレチスモグラフ信号を表した図である。 プレチスモグラフ信号を表した図である。 ストレス指標を決定するために呼吸速度を利用している本発明の一実施形態の図である。 本発明の別の実施形態を表した図である。 本発明の別の実施形態を表した図である。 本発明の別の実施形態を表した図である。 本発明の別の実施形態を表した図である。 本発明の別の実施形態を表した図である。 本発明の別の実施形態を表した図である。 図3〜9の実施形態で使用することができる規格化変換の典型的な入出力特性を表した図である。 本発明による規格化変換の一実施形態の実現形態を表した図である。 本発明の規格化変換の一実施形態を表した図である。 本発明の規格化変換の一実施形態を表した図である。 本発明の規格化変換の一実施形態を表した図である。 本発明の規格化変換の一実施形態を表した図である。 プレチスモグラフ信号データが患者の2つのセンサ部位から計測されている一実施形態を表した図である。
符号の説明
10 光源
11 指
12 光検出器
13 入力増幅器
14 制御/処理ユニット
15 光源駆動器
16 メモリ
17 ディスプレイ
18 薬剤送達ユニット
21 上側包絡曲線
22 下側包絡曲線
30 指標計算過程
111 入力アレイ
112 出力アレイ

Claims (15)

  1. 被検体の臨床ストレスを決定するための方法であって、
    被検体からプレチスモグラフ信号データを収集する工程と、
    前記プレチスモグラフ信号データ内に存在する呼吸変調の所定の特徴を示す第1の計測信号を導出する工程と、
    前記第1の計測信号に基づいて指標信号を形成する工程と、
    前記指標信号を被検体の臨床ストレスを示す指標として利用する工程と、
    を含む方法。
  2. 被検体の臨床ストレスを決定するための装置であって、
    少なくとも1つの波長で放射を放出するための放出体手段(10)と、
    少なくとも1つの波長の前記放射を受け取り少なくとも1つの電気出力信号を発生させるための検出器手段(12)と、
    前記少なくとも1つの電気出力信号を処理して少なくとも1つのプレチスモグラフ信号を取得するための第1の信号処理手段(14、16)と、
    前記少なくとも1つのプレチスモグラフ信号のうちの少なくとも1つに存在する呼吸変調の所定の特徴を示す第1の計測信号を導出するための第2の信号処理手段(14、16)と、
    前記第1の計測信号に基づいて指標信号を形成するための第3の信号処理手段(16)と、
    前記指標信号を被検体の臨床ストレスのインジケータとして指示させるためのインジケータ手段(17)と、
    を備える装置。
  3. 前記所定の特徴は、呼吸速度、呼吸速度の変動性及び呼吸振幅を含む群からの1つの特徴である、請求項2に記載の装置。
  4. 前記指標信号は前記第1の計測信号の変化を示している、請求項2に記載の装置。
  5. 前記第3の信号処理手段は、前記第1の計測信号に対して以前に収集した第1の履歴データに応じた第1の規格化変換を適用し、所定の値レンジを有する指標信号である第1の規格化計測信号を取得するように構成されている、請求項2に記載の装置。
  6. 前記所定の特徴は呼吸速度であると共に、前記第3の信号処理手段は前記第1の計測信号の変動性を示す第2の計測信号を発生させるように構成されている、請求項3に記載の装置。
  7. 前記第3の信号処理手段は、指標信号である前記第2の計測信号の変化を示す信号を発生させるように構成されている、請求項6に記載の装置。
  8. 前記第3の信号処理手段は、指標信号を形成するように第1の計測信号と第2の計測信号の加重平均を計算するように構成されている、請求項6に記載の装置。
  9. 前記第3の信号処理手段は、前記第1の計測信号に対しては所定の値レンジを有する第1の規格化計測信号が取得されるように以前に収集した第1の履歴データに応じた第1の規格化変換を適用し、かつ前記第2の計測信号に対しては所定の値レンジを有する第2の規格化計測信号が取得されるように以前に収集した第2の履歴データに応じた第2の規格化変換を適用するように構成されている、請求項6に記載の装置。
  10. 前記第3の信号処理手段は、指標信号を形成するように第1規格化計測信号と第2の規格化計測信号の加重平均を計算するように構成されている、請求項9に記載の装置。
  11. 前記プレチスモグラフ信号データから、呼吸振幅を示す第1の信号、呼吸振幅の変動性を示す第2の信号、プレチスモグラフ信号データのパルス振幅を示す第3の信号、プレチスモグラフ信号データのパルス対パルス間隔を示す第4の信号、及び該第2と第3の信号のうちの一方の変動性を示す第5の信号を含む信号の群に属する少なくとも1つの追加的計測信号を発生させるための第4の信号処理手段をさらに備える請求項6または9に記載の装置。
  12. 前記第3の信号処理手段は、所定の値レンジを有する少なくとも1つの追加的規格化計測信号が取得されるように前記少なくとも1つの追加的計測信号のそれぞれに対して専用の規格化変換を適用するように構成されており、該専用の規格化変換のそれぞれは関連する専用の規格化変換に特異的な以前に収集した履歴データに依存する、請求項11に記載の装置。
  13. 前記第3の信号処理手段は、指標信号を形成するように第1の規格化計測信号、第2の規格化計測信号及び少なくとも1つの追加的規格化計測信号の加重平均を計算するように構成されている、請求項12に記載の装置。
  14. 前記第3の信号処理手段に応答して少なくとも1つの薬剤を被検体に投与するための薬剤投与手段(18)をさらに備える請求項2に記載の装置。
  15. パルスオキシメータで被検体の臨床ストレスを決定するためのコンピュータ・プログラム成果物であって、
    プレチスモグラフ信号データを受け取るように構成された第1のプログラムコード部分と、
    前記プレチスモグラフ信号データから、プレチスモグラフ信号データ内に存在する呼吸変調の所定の特徴を示す第1の計測信号を導出するように構成された第2のプログラムコード部分と、
    前記第1の計測信号に基づいて、被検体の臨床ストレスを示す指標信号を形成するように構成された第3のプログラムコード部分と、
    を備えたコンピュータ・プログラム成果物。
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