JP2006259004A - 定着温度制御方式、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着温度制御方式、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のままの機械構成で、厚紙においても、記録材を定着装置にて加熱・加圧した際に定着装置の温度変化を監視および記録して、次回動作時には記録した温度変化から求めた補正温度設定を反映させることで、記録材の熱吸収による定着装置の温度低下を未然に防止して、画像品質を落とすことなく、効率よく安定した定着画像を得る。
【解決手段】 ヒータ制御部60、サーミスタ61で検知した温度を一定の間隔で計測する計測制御部59、計測した温度測定値と目標制御温度との差分から定着時の補正温度を算出する補正温度算出部58、および求めた補正温度設定値を記憶するための補正温度記憶部57等を有し、定着制御部54が、補正温度設定値を目標制御温度に加えることにより補正温度目標値を求め、定着ローラ30の表面温度を前記補正温度目標値となるように制御して記録用紙P上の未定着トナー画像を定着させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着温度制御方式、それを実施する定着装置およびそれを装備する画像形成装置に関し、さらに詳しくは、未定着の白黒画像またはカラー画像を担持した記録材(用紙、シート、OHPシート、転写材、転写紙等の概念を含む。以下同じ)を通して熱定着を行う定着装置の定着温度制御方式、レーザビームプリンタ等のプリンタ、複写機、ファクシミリ、プロッタあるいはこれらの少なくとも1つを含む複合機等の画像形成装置における定着装置の定着温度制御に関する。
定着装置が装備された複写機等の画像形成装置において、定着装置の温度制御を行う技術が知られている(例えば、特許文献1ないし4参照)。これらの技術では、記録材としての厚紙への画像形成・定着時において普通紙同等の画像品質が得られないため、普通紙のコピーモードとは別に厚紙モードなどを設定可能にしているケースが多い。
特開2002−148999号公報 特開2002−365968号公報 特開2003−345171号公報 特開2000−259045号公報
前記の厚紙モードは厚紙時の定着性を確保するため、普通紙モードに比べて、定着設定温度を5℃から10℃高く設定し、普通紙モードに比べて転写紙の給紙間隔を長くする(画像形成効率であるCPM(コピー枚数/1分間)を落とす)ことで、定着ローラや加圧ローラの温度低下を防止させる、といった手段が採用されているが、コピー生産性が低下するという問題点があった。
また、前述のように特別に対応されている厚紙モードも通常はある一定の厚紙条件で制御されるため、市場にて実際に利用されている多くの紙種や紙厚には対応できず、定着性が十分に得られないという問題点や、転写紙への熱供給が過多となりホットオフセットなどの異常画像が発生するといった問題点は改善されない。さらに厚紙モードの設定や選択はユーザの明示的な動作指定が必要になる場合が多く、これらの場合、ユーザによる厚紙モードの指定忘れがあると定着不良が発生するといった問題点もある。
また、特開2002−148999号公報(特許文献1)記載の技術では、定着手段の表面温度が目標温度に到達した時点からの経過時間で制御温度を増大させることで定着手段の表面温度の安定状態を保つ手段が提案されているが、この技術では市場に存在する温度特性が異なる多様な記録用紙に対応することができず、画像不良の発生を招くという問題点がある。
また、特開2003−345171号公報(特許文献3)記載の技術では、定着温度の立ち上がり緩急を計測して、2種類のヒータ制御テーブルにより最適な温度立ち上げを行う方式が提案されているが、補正テーブルが固定である以上、前記特開2002−148999号公報記載の技術と同様に市場に存在する多様な記録用紙に対応するには不十分であり、定着不良などを発生させてしまう問題点がある。
そこで、本発明は、従来のままの機械構成で、厚紙においても、記録材を定着装置にて加熱・加圧した際に定着装置の温度変化を監視および記録して、次回動作時には記録した温度変化から求めた補正温度設定を反映させることで、記録材の熱吸収による定着装置の温度低下を未然に防止して、画像(コピー)品質を落とすことなく、効率よく安定した定着画像を得ることのできる定着温度制御方式、定着装置および画像形成装置を提供することを主な目的としている。その他、後述の利点や効果を得ることも目的としている。
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、各請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、記録材上に形成された未定着画像を、加熱手段と加圧手段との圧接によって形成されたニップ部に搬送して接触加熱し、記録材表面に熱処理を施す定着装置の定着温度制御方式において、前記加熱手段を加温するためのヒータと、該ヒータの点灯を制御するヒータ制御手段と、前記ニップ部の記録材搬送方向上流側で前記加熱手段および前記加圧手段の少なくとも一方の表面温度を検知可能な温度検知手段と、該温度検知手段で検知した温度を一定の間隔で計測する計測制御手段と、該計測制御手段で計測した温度測定値と目標制御温度との差分から定着時の補正温度を算出する補正温度算出手段と、該補正温度算出手段にて求めた補正温度設定値を記憶するための補正温度記憶手段とを有し、前記補正温度設定値を前記目標制御温度に加えることにより補正温度目標値とし、前記加熱手段の表面温度が前記補正温度目標値となるように前記前記ヒータ制御手段を制御して記録材上の未定着画像を定着させることを特徴とする。
ここで、「ヒータ」は、後述の実施形態では説明の簡明化のために単一のもので説明しているが、例えば特開2002−148999号公報(特許文献1)の図2に示されているような複数のものでもよい。
前記請求項1の構成から、前記課題を解決するための手段としては、請求項1の定着温度制御方式を方法のカテゴリーで記載することも可能であり、前記定着装置を用いた定着温度制御方法としても表現できる。すなわち、「記録材上に形成された未定着画像を、加熱手段と加圧手段との圧接によって形成されたニップ部に搬送して接触加熱し、記録材表面に熱処理を施す定着装置を用いた定着温度制御方法において、前記加熱手段を加温するためのヒータと、該ヒータの点灯を制御するヒータ制御手段と、前記ニップ部の記録材搬送方向上流側で前記加熱手段および前記加圧手段の少なくとも一方の表面温度を検知可能な温度検知手段と、該温度検知手段で検知した温度を一定の間隔で計測する計測制御手段と、該計測制御手段で計測した温度測定値と目標制御温度との差分から定着時の補正温度を算出する補正温度算出手段と、該補正温度算出手段にて求めた補正温度設定値を記憶するための補正温度記憶手段とを使用して、前記補正温度設定値を前記目標制御温度に加えることにより補正温度目標値とし、該補正温度目標値となるように前記加熱手段の表面温度を制御して記録材上の未定着画像を定着させる定着温度制御方法。」とも表現できるものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の定着温度制御方式において、前記定着装置内に進入した記録材の通紙枚数をカウントする計数手段を有し、前記補正温度記憶手段により記憶される前記補正温度設定値が、前記計数手段により計数される通紙枚数に対応して複数設定されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の定着温度制御方式を用いたことを特徴とする定着装置である。
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の定着温度制御方式を用いた定着装置と、記録材を給紙可能に積載収容する複数の記録材収容手段とを有する画像形成装置において、前記補正温度記憶手段を前記複数の記録材収容手段に対応して複数持つことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、前記各記録材収容手段ごとに保持される前記補正温度目標値は、前記各記録材収容手段上の記録材の終了により初期化されることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の画像形成装置において、前記各記録材収容手段は、装置本体に対して着脱自在に構成されており、前記各記録材収容手段ごとに保持される前記補正温度目標値は、前記各記録材収容手段の前記装置本体からの着脱動作により初期化されることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項4ないし6の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記各記録材収容手段ごとに保持される前記補正温度目標値は、制御不能状態からの復帰により初期化されることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項4ないし7の何れか一つに記載の画像形成装置において、ハードキーおよびソフトキーの少なくとも一方のキーを備えた外部入力手段を有し、前記少なくとも一方のキーにて前記補正温度目標値を反映した動作のオン/オフ切り替えが可能であることを特徴とする。
本発明によれば、各請求項記載の構成により、前記課題を解決して新規な定着温度制御方式、定着装置および画像形成装置を提供することができる。各請求項ごとの効果を挙げれば、以下のとおりである。
本発明によれば、実際に使用している記録材を使って定着動作を実行する際に検出した定着部の温度から、記録材ごとに必要な補正温度を求めることができ、さらにその補正温度を記録できることで、次回からの定着条件に最適な温度設定を実施することが可能となり、例えば画像形成装置側で予め固定で用意している記録材種類(紙種)ごとの定着温度設定による制御などに比べても、より繊細で常に安定した定着品質を得ることができる(請求項1、3)。
本発明によれば、通紙する枚数ごとに異なる補正温度設定値(例えば温度補正テーブル)を持つことにより、例えば1枚画像形成(コピー)時、2枚から10枚連続コピー時、11枚以上コピー時と異なる温度変化条件に適切に対応することが可能となり、記録材種類(紙種)/記録材の厚み(紙厚)だけに依存しないさらに繊細な定着品質を得ることができる(請求項2、3)。
本発明によれば、画像形成装置に搭載される記録材収容手段が複数ある場合に、それに合わせた補正温度記憶手段を持つことで、画像形成装置内部で選択される記録材収容手段を切り替えながら画像形成(コピー)動作を実行する場合においても、常に適正な定着条件を設定できることで、安定した画像品質を得ることができる(請求項4)。
本発明によれば、画像形成(コピー)動作により記録材収容手段内の記録材が終了した場合に、補正温度情報(補正温度目標値)を初期化(例えばリセット)することで、次に補給された記録材の状態に合わせた補正温度目標値を再構築させることが可能となり、以降のコピー動作における定着画像品質を維持することができる(請求項5)。
本発明によれば、ユーザによる記録材の補給や交換の際における装置本体に対する記録材収容手段の着脱あるいは開閉などの動作により、前回記録した該当する記録材収容手段に対応する補正温度情報(補正温度目標値)を初期化(例えばリセット)することで、記録材収容手段が再セットされた後の記録材の状態に合わせた補正温度情報を再構築させることが可能となり、以降の画像形成(コピー)動作における定着画像品質を維持することができる(請求項6)。
本発明によれば、画像形成装置の待機状態が長時間にわたって継続した場合の制御不能状態(例えば電源断状態、具体的には省エネモード等のシステムダウン等)への移行の際に、前回までに記録した全ての記録材収容手段に対応する補正温度情報(補正温度目標値)を初期化(例えばリセット)することで、制御不能状態から復帰した後の記録材収容手段内の記録材の状態に合わせた補正温度情報を再構築させることが可能となり、制御不能状態からの復帰以降の画像形成(コピー)動作における定着画像品質を維持することができる(請求項7)。
本発明によれば、ユーザが操作する外部入力手段(例えば操作パネル)上に配置された操作可能なキーにより定着温度補正動作の有効/無効を切り替え可能にすることで、定着品質の確保に伴う生産性の低下を完全に無効化することをユーザの意志により選択可能にすることが可能となる(請求項8)。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態および実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
図1を参照して、本発明の一実施形態を示す画像形成装置としてのデジタル複写機の全体構成を説明する。
同図に示すように、この複写機は、原稿読み取りのためのスキャナ部1、このスキャナ部1から送出されるデジタル出力信号を電気的に処理する画像処理手段としての画像処理部2、この画像処理部2からの画像記録情報に基づいて画像を記録材(シート状記録媒体の一例)としての記録用紙に形成する画像形成手段としてのプリンタ部3とからなる。
スキャナ部1は、例えばコンタクトガラスからなる原稿搭載台4の原稿を走査照明するランプ5(例えばハロゲンランプ)を有し、このランプ5で照明された際の原稿(図示せず)からの反射光は、ミラー6、7、8を経て結像レンズ9に入射し、結像レンズ9により、画像光は画像情報読取手段としての画像情報読み取り部に配置されたCCD(電荷結合素子)等からなる画像センサ10(以下、「CCD10」と略記する)に結像され、ここで光電変換されデジタル信号に変換されて出力される。
スキャナ部1から出力されたデジタル信号は画像処理部2に送られ、この画像処理部2において現像画素データに変換される。この現像画素データはプリンタ部3に入力され、レーザ射出装置を備えたレーザ走査部11(露光部)に送られる。
プリンタ部3の画像形成部は、像担持体としての感光体12と、感光体12の図中矢印回転方向の周りにこの順に配置された、帯電手段としての帯電装置13と、露光手段としてのレーザ走査部11と、現像手段としての現像装置14と、転写手段としての転写装置16と、クリーニング手段としてのクリーニング装置18とから構成される。現像装置14における感光体12の回転方向下流側近傍には、現像された感光体12上の像濃度を検知するための濃度センサ15が配置されている。図示のデジタル複写機では、マイクロコンピュータ等を具備して構成された手段により、濃度センサ15からの濃度信号により、現像装置14内へのトナー補給、現像条件の変更が行われ、画像濃度を適正に保つように制御されている。
感光体12は、図中矢印方向に回転しつつその表面感光層が帯電装置13によって一様に帯電される。次いで、この帯電面に原稿からの現像画素データに変調されたレーザビームがポリゴンミラー21により主走査方向に走査されつつ投射されて、静電潜像が形成される。感光体12の回転に伴って、この潜像が現像装置14が配置されている現像部位に達すると、感光体12上の静電潜像に現像装置14の現像スリーブ14aを介してトナーが付与されることにより、現像されてトナー像が形成される。
本実施形態では、多段給紙装置とも呼ばれるバンク給紙装置22を有している。バンク給紙装置22は、用紙種類や用紙サイズの異なる記録用紙Pを積載収容可能とするために複数の記録材収容手段(本実施形態では説明の簡明化のため2つとする)としての第1トレイ35および第2トレイ36が、用紙収納部22−1,22−2内に配設されている。各用紙収納部22−1,22−2内には、第1トレイ35に揺動可能に支持された給紙底板35a、第2トレイ36に揺動可能に支持された給紙底板36aが配設されており、給紙底板35a、給紙底板36a上にそれぞれ積載収容された記録用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して送り出す用紙送り出しローラ37等が配設されている。ここでは、例えば上段の第1トレイ35にはA4サイズの普通紙が、下段の第2トレイ36にはA3サイズの厚紙が積載収容されている状態を示す。
第1トレイ35、第2トレイ36は、バンク給紙装置22の装置本体に対して、図示しない案内レール等の案内手段を介して図1の紙面の手前側および奥側に着脱自在に構成されていて、着脱ないしは開閉操作性の良好なフロントローディングタイプのものである。
第1トレイ35および第2トレイ36のうちの選択された何れか1つから用紙送り出しローラ37によって送り出された記録用紙Pは、レジストローラ対24で一旦停止され、姿勢ずれを矯正された後、感光体12の回転に同期するタイミングで、すなわち、感光体12上の現像されトナー像が感光体12の下方に配置されている転写装置16に至るタイミングに合わせて転写部位に供給されて、感光体12側のトナー像が記録用紙Pに転写・転移される。
その後、記録用紙Pは感光体12から分離装置17によって分離されて、定着装置20に搬送されて記録用紙P上のトナー像が定着されつつ挟持搬送され、さらに排紙ローラ対25により搬送されて排紙台としての排紙トレイ26上に排紙される。
転写時に転写に寄与せず感光体12上に残ったトナーは、クリーニング装置18に配設されているクリーニングブレード19によって掻き落とされる。
その後、感光体12上の残留電位が図示しない除電手段により除去され、次の作像工程に備えられる。
ここで、定着装置20について補足説明する。
定着装置としては、主として熱ローラ方式とフィルム方式とが知られており、本実施形態の定着装置20では、効率の良い熱ローラ方式を採用している。熱ローラ方式としては、定着ローラの内部に加熱手段としてのハロゲンヒータ等を有する内部加熱方式と、定着ローラの外部に加熱手段を有する外部加熱方式とが知られているが、以下主として内部加熱方式に適用するものについて説明する。
内部加熱方式の定着装置20は、内部に設けられた例えばハロゲンヒータからなる加熱ヒータ62により加温される加熱手段としての定着ローラ30と、この定着ローラ30との間で定着ニップ部33を形成する加圧ローラ31とを有しており、未定着トナー画像を担持した記録用紙Pを定着ニップ部33に通すことにより、定着ローラ30の熱によってトナーが溶融され、圧力により定着されるものである。
また、定着装置20は、加熱ヒータ62に電力を供給するための図示しない電源供給装置と、定着ローラ30の長手方向の略中央部であって、定着ニップ部33の記録用紙搬送方向上流側において定着ローラ30の略中央部外表面の温度を検知・計測する温度検知手段としてのサーミスタ61と、定着装置20内への記録用紙Pの進入を検知するための記録材先端検知手段としての記録用紙先端検知センサ29とを有している。記録用紙先端検知センサ29は、例えば反射型のフォトセンサからなる。
図2を参照して、本実施形態に係る制御システム構成を説明する。
本実施形態に係る制御システム構成は、加熱ヒータ62の点灯を制御する、換言すれば加熱ヒータ62への前記電源供給装置からの電力の供給(通電)をオン/オフ制御するヒータ制御手段としてのヒータ制御部60と、前記したサーミスタ61と、サーミスタ61で検知した温度を一定の間隔で計測する計測制御手段としての計測制御部59と、この計測制御部59で計測した温度測定値と目標制御温度との差分から定着時の補正温度を算出する補正温度算出手段としての補正温度算出部58と、この補正温度算出部58で求めた補正温度設定値を記憶するための補正温度記憶手段としての補正温度記憶部57と、定着装置20内に進入した記録用紙Pの通紙枚数をカウントする計数手段としての通紙枚数カウンタを備えた枚数カウンタ部63とを有している。
前記通紙枚数カウンタは、記録用紙先端検知センサ29からの記録用紙Pの通過信号(記録用紙Pの先端および後端を検知した際に生成される信号)に基づいて、枚数カウンタ部63が記録用紙Pの通紙枚数をカウントする周知の構成を有する。
メイン制御部51は、定着装置20の制御温度となる目標制御温度設定値56を設定し、これを定着制御部54およびメモリ制御部55に送信する。定着制御部54は、与えられた目標制御温度設定値56を実現するように定着装置20の温度制御を行う。その他、メイン制御部51は、外部入力手段としての図2のみに示す操作パネル52に配設された図示しない各種ハードキーからの信号に基づいて、上述したスキャナ部1、画像処理部2、プリンタ部3、レーザ走査部11等における各駆動系の駆動系制御部53(各駆動系制御部の総称)を制御する機能も有する。操作パネル52は、図1に示したスキャナ部1近傍の紙面手前側に配置されている。
操作パネル52には、各種ハードキーとして、それぞれ図示しないコピースタートキー、倍率設定キー、テンキー等が配設されている他、図示しないソフトキーも配設されている。ソフトキーとしては、例えば操作パネル52に設けたディスプレイ画面(図示せず)上に配置・デザインされたボタンとそれを覆うタッチパネルとから構成されるタッチキーが挙げられる。
計測制御部59は、サーミスタ61の入力を検出して温度情報に変換し、定着装置20の現在温度を定着制御部54に通知する。定着制御部54は、目標制御温度設定値56と計測制御部59から通知される現在温度とを比較して目標制御温度設定値56>現在温度の条件になった場合にはヒータ制御部60を制御して、加熱ヒータ62を点灯・オンさせることで定着装置20の加熱制御を行う定着制御手段としての機能を有する。
さらに補正温度算出部58は、コピー動作中の定着ローラ30外表面(以下、「定着部」というときがある)の温度(以下、「定着部温度」というときがある)を計測制御部59を介して監視し、計測制御部59で計測されたコピー動作中の定着部温度と目標制御温度設定値56との差分から定着時の補正温度である補正値、すなわち補正温度設定値を算出し、その補正温度設定値データを補正温度記憶部57に格納・記録する。
本実施形態の大きな特徴は、定着制御部54が、コピー動作中において、補正温度設定値を目標制御温度設定値に加えることにより新たな補正温度目標値とし、定着ローラ30の表面温度を前記補正温度目標値となるように加熱ヒータ62をオン/オフ制御して記録用紙P上の未定着トナー画像を定着させることにある。
メイン制御部51および定着制御部54は、図示を省略した、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)およびタイマ等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備して構成されている。ヒータ制御部9は、主として前記電源供給装置の電源回路を制御する制御回路で構成されている。メイン制御部51および定着制御部54内の前記各ROMには、後述する定着動作に関連する一連の動作プログラムを行うためのプログラムデータや関係データ、各種データテーブル等が予め記憶されている。定着制御部54内の前記タイマは、後述の経過時間や温度記録用の時間等を計測・計時する機能を有する。
メモリ制御部55は、メイン制御部51からの命令により目標制御温度設定値56と補正温度記憶部57内に保持されている設定情報とを変更または初期化する機能を有する。補正温度記憶部57は、例えばRAM等の揮発性メモリからなり、これを複数の記録材収容手段である第1トレイ35、第2トレイ36に対応してそれぞれ持っている。
メイン制御部51、定着制御部54、ヒータ制御部60、計測制御部59、補正温度算出部、補正温度記憶部、枚数カウンタ部63は、図1の適宜の部位に配置された制御基板などに設けられている。
図3を参照して、図2に示した補正温度記憶部57の内部構造となる補正温度テーブル構成を説明する。
一般的なコピー動作では一度に実行されるコピー枚数が異なるため、予めある程度の範囲で補正テーブルを分離する。実際に、温度補正テーブル70は、コピー枚数が1枚の場合(T1−1)、2枚から10枚の場合(T1−2)、11枚以上の場合(T1−3)の3通りのように構成する。
通常、画像形成装置には、1つ以上の用紙収納部22を持つ。用紙収納部22には異なる種類の記録用紙Pが格納される場合もあるため、前記補正テーブル70は用紙収納部22に対応したテーブル構成を持たせる。
図4を参照して、一般的なコピー動作中の定着部の温度変化の様子として、1枚コピー実行時の温度プロファイルを説明する。
コピー開始直前は、定着装置20の定着部温度が例えば185℃に保たれており、コピー動作中も目標制御温度設定値56は185℃のままである。コピーを開始すると定着部に記録用紙Pが進入し、定着部の熱は低下する。定着部が定着ローラ30で構成されている場合、定着ローラ30が1回転すると記録用紙Pにより熱を吸収されたローラ表面が再び記録用紙Pに接触するため、熱吸収量と加熱ヒータ62による加熱量が熱吸収量>加熱量の関係になると定着部温度は徐々に下降する。
この状態は特に大サイズや厚紙を用いたコピー動作で転写紙後端で顕著に現れる。定着部温度が徐々に下降し、165℃などの低温に至ると、定着性が低下し低温オフセット等の異常画像が発生する。
コピー枚数が1枚の場合では、通常、サーミスタ61による温度検出後の加温制御が間に合わず低温状態のままコピー動作が完了する。しかし低温状態から復帰させるための加温制御が働き、通紙完了後に温度は185℃に回復する。
図5を参照して、一般的なコピー動作中の定着部の温度変化の様子として、多数枚コピー実行時の温度プロファイルを説明する。
1枚コピー実行時と同様に、コピーを開始時点で185℃に保たれていた定着部温度は、コピー動作開始とともに徐々に下降する。
この状態は特に大サイズや厚紙を使用した際に顕著に現れ、定着部温度が例えば165℃などの低温に至ると定着性不良や低温オフセット等の異常画像が発生する。定着装置20に記録用紙Pが連続して進入する多数枚コピー動作の場合は、1枚コピー時に比べて、定着部温度が低下する状態が長く続く。しかし、サーミスタ61で検知する現在温度がメイン制御部51によって与えられている目標制御温度設定値56を下回るため、定着制御部54はヒータ制御部60に対して加熱ヒータ62の点灯・オンを連続して要求するため、やがて定着部温度は上昇し始め目標制御温度設定値56まで回復する。
ここで、本発明の補正温度算出部58は、コピー動作中の記録用紙Pの搬送タイミングに合わせて定着部の温度を検知する計測制御部59から温度情報を取得し、500ミリ秒等の一定間隔で温度変化を記録する。
図6を参照して、1枚コピー実行中の定着部の温度変化の記録モデルを示す。
定着部の温度はコピー開始前に185℃に維持される。
コピー開始直後は185℃であった定着部温度も、記録用紙Pが進入してから定着ローラ30一周分以上の回転時間が経つと徐々に低下し始め、記録用紙Pが定着装置20内に存在する間温度が下降し続け、定着部温度は1.5秒後に182℃まで低下する。記録用紙Pの進入による温度低下を復帰させるため、加熱ヒータ62による加温が行われることにより、通紙完了後に一時的に定着部温度は188℃まで上昇し、その後185℃に安定する。
図7を参照して、多数枚コピー実行中の定着部の温度変化の記録モデルを説明する。
定着部の温度はコピー開始前に185℃に維持される。
コピー開始直後は185℃であった定着部温度も、記録用紙Pが進入してから定着ローラ30一周分以上の回転時間が経つと徐々に低下し始め、記録用紙Pが連続して進入する一定の期間定着部温度が下降し続け、定着部への記録用紙Pの進入開始から3.5秒後には180℃まで低下する。その後は目標温度に復帰するための加温制御が加えられ、通紙中に定着部温度が上昇し、やがて185℃に回復する。
このような温度変化を示す記録用紙Pの定着温度補正テーブルは以下のように求める。
1枚コピー動作の場合は通紙期間中の最大低下温度Temp1[℃]と温度低下継続時間Time1[秒]とを記録し、補正温度=Temp1/2[℃]、補正温度シフト時間Ts=Time1/2[秒]とする。
多数枚連続コピー動作の場合は以下のように求める。コピー開始後でかつ記録用紙Pが定着部に進入してからコピー動作が終了もしくは定着部の温度が再び目標温度まで復帰する時間を温度復帰時間Time2[秒]とすると、図7の記録モデルではTime2=7.5秒となる。またコピー動作中の目標温度からの最大低下温度をTemp2[℃]とすると、図4の記録モデルではTemp2=5℃となる。補正温度テーブルはコピー開始時点の目標制御温度設定値56の値に最大低下温度Temp2を加えたものを開始温度とし、定着開始から補正温度を更新するまでの時間である補正温度シフト時間は、Ts=Time2/Temp2=7.5/5=1.5秒となる。
補正温度算出部58により決定された補正温度テーブルはコピー機が持つ用紙収納部22−1,22−2ごとに補正温度記憶部57に記録される。記録された補正温度テーブルは、用紙収納部22−1,22−2の各トレイ35,36がユーザにより装置本体に対して着脱・開閉されたり、コピー動作中の用紙切れや、コピー機自体の主電源オフや、省エネモードなどの用紙収納部22−1,22−2の状態監視が不可能な状態になるまで補正温度記憶部57に保持される。
図8を参照して、図7の記録モデルから求めた補正温度テーブルを反映したコピー動作中の目標制御温度設定値56の変化と、定着部の実温度の変化の様子とを記録したグラフについて説明する。
コピー開始により、操作パネル52のキー操作によって選択された用紙収納部22−1,22−2のうちの何れか一方の記録用紙Pの種類に合わせて登録されている補正温度テーブルを補正温度記憶部57より読み出し、最大低下温度Temp2を取得する。コピー開始時点の目標制御温度設定値56に最大低下温度Temp2を加えて定着部の温度を上昇させる。その後、定着部への記録用紙Pの進入タイミングに合わせて温度補正シフト時間Tsごとに目標制御温度設定値56を1℃ずつ低下させ、最終的にはコピー開始時点の目標温度と一致するまで温度補正を行う。これら動作の選択はユーザが選択できるように操作パネル52から切り替え可能である。
さらに多少の定着品質を落としても、生産性を優先させる場合に対応するため、操作パネル52からは定着部の補正温度算出動作を無効にできる切り替え機能も提供する。
図9および図10のフローチャートを参照して、今回の実施形態例のコピー動作を一例とした全体動作について説明する。
先ずステップS1において、デジタル複写機である画像形成装置のシステム制御ルーチン(メインルーチン)がスタートし、画像形成装置(以下、「機器」というときがある)全体の状態を監視し、必要な動作を全て実行する。ユーザによる操作が一定期間行われない場合、省エネモード等によりシステム電力を抑制する(ステップS2)。この場合の電力制御レベルによっては特定の機能レベルが電源断状態になる場合があるためその間のユーザ操作は検知できない。このような状態になる省エネモードに切り替わる時点で用紙収納部22−1,22−2ごとに設定された補正温度テーブルは全て初期化、つまりリセットされる(ステップS3)。
課題を解決する手段欄等において記載した「制御不能状態」とは、前記したような省エネモード等のシステムダウンであり、ここでは電源断と同等の状態を意味する。本発明のシステム構成ではメイン制御部51または定着制御部54が電源断状態もしくはそれと同等になったのが具体例となる。通常、省エネモードでは不必要なシステムの電源を切る状態を指す。
機器が省エネモード以外の待機状態である場合では、ユーザによる用紙収納部22−1,22−2の第1トレイ35または第2トレイ36の引き出しが行われる場合があるが(ステップS4)、用紙収納部22−1,22−2に収納される記録用紙Pが変更される場合もあるため、実際に引き出された第1トレイ35または第2トレイ36(ステップS5またはステップS6)に設定された補正温度テーブルは初期化、つまりリセットされる(ステップS7またはステップS8)。
ユーザの操作によるコピー動作が実行された場合(ステップS9)、図10に示すステップS10に進み、まずスキャナ部1によって原稿が読み込まれ、画像処理もしくは原稿サイズ検知機能による原稿サイズ判定の結果、機器内部にセットされた用紙サイズに合わせて第1トレイ35または第2トレイ36が選択される(ステップS11)。ここで、定着温度補正モードの選択状態が判断される(ステップS12)。定着温度補正モードがオフの場合は、目標制御温度設定値56は通常状態の目標温度が設定される(ステップS13)。逆に、定着温度補正モードがオンの場合は、補正温度テーブルの登録状態が判断される(ステップS14)。補正温度テーブルが既に登録済みの場合は、定着温度補正タスク(詳細は図11および図12のサブルーチンプログラム参照)を起動する(ステップS15)。確定した用紙収納部22−1または用紙収納部22−2に対応した補正温度テーブルが未登録の場合は定着温度補正モードがオフの場合と同様に、目標制御温度設定値56には通常の目標温度が設定される(ステップS16)。続けて、ステップS17に進み、補正温度テーブルを登録するための定着温度補正テーブル作成タスク(詳細は図13および図14のサブルーチンプログラム参照)が起動していない場合は、定着温度補正テーブル作成タスクを起動する(ステップS18)。
コピー動作を実行するための定着温度設定が行われると、続けて作像制御が開始され(ステップS19)、続けて紙搬送制御が起動される(ステップS20)。次いで、コピー動作が完了したかどうかを判定し(ステップS21)、原稿や印刷待ちのデータが残っている場合にはコピー動作を継続する。コピーが完了したらシステム制御ルーチンは再び機器の状態を監視し、図9のステップS22において、システムタイマのカウント処理などを実行する。
次に、図11および図12のフローチャートを参照して、図10のステップS12において定着温度補正モードがオンで、図10のステップS14において温度補正テーブルが登録済みの場合に起動される定着温度補正タスクの動作について説明する。
先ずステップS25において、定着温度補正タスクが起動・スタートすると、コピー動作として設定される複写枚数(リピート枚数)を確認し、リピート枚数が1枚の場合(ステップS26)は、補正温度テーブル(T1−1)から補正温度を取得して変数Tpに格納する(ステップS27)。続いて、補正温度テーブル(T1−1)から補正温度シフト時間を取得して変数Tsに格納する(ステップS28)。
その後、コピー開始時点で設定されている目標制御温度設定値56に対して変数Tpの値を加える(ステップS29)。続けて、定着装置20への記録用紙Pの進入を記録用紙先端検知センサ29を介して経過時間等で監視し(ステップS30)、次いで図12のステップS31に進み、定着装置20への記録用紙Pの進入が認められるタイミングで補正温度変更用の経過時間計測タイマTimerを起動・スタートする。経過時間計測タイマは、システム内部で動作する100msec等のインターバルタイマにて加算処理され、時間経過と共に増加する。同時に、経過時間計測タイマTimerが補正温度シフト時間Tsを超えたかどうかを監視し(ステップS32)、Timer>Tsの関係が成り立った場合は目標制御温度設定値56から変数Tpで加えた値を減算し(ステップS33)、変数Tpをクリアする(ステップS34)。
同様に、リピート枚数が2枚以上の複数枚連続コピー指定時は、リピート設定が10枚を超えるかどうかを判定する(ステップS35)。リピート枚数が2枚から10枚までの間なら、補正温度テーブル(T1−2)から最大低下温度に係る補正温度を取得して変数Tpに格納する(ステップS36)。続いて、補正温度テーブル(T1−2)から補正温度シフト時間を取得して変数Tsに格納する(ステップS37)。また、リピート枚数が11枚以上なら、補正温度テーブル(T1−3)から最大低下温度に係る補正温度を取得して変数Tpに格納する(ステップS38)。続いて、補正温度テーブル(T1−3)から補正温度シフト時間を取得して変数Tsに格納する(ステップS39)。
その後、コピー開始時点で設定されている目標制御温度設定値56に対して変数Tpの値を加える(ステップS40)。続けて、定着装置20への記録用紙Pの進入を記録用紙先端検知センサ29を介して経過時間等で監視し(ステップS41)、次いで図12のステップS42に進み、定着装置20への記録用紙Pの進入が認められるタイミングで補正温度変更用の経過時間計測タイマTimerを起動・スタートする。経過時間計測タイマはシステム内部で動作する100msec等のインターバルタイマにて加算処理され、時間経過と共に増加する。同時に、経過時間計測タイマTimerが補正温度シフト時間Tsを超えたかどうかを監視し(ステップS43)、Timer>Tsの関係が成り立った場合は、目標制御温度設定値56を1℃下げる(ステップS44)。同時に、変数Tpの値を1減算し(ステップS45)、経過時間計測タイマTimerをリセットする(ステップS46)。最後に変数Tp値がゼロであるかどうかを確認し(ステップS47)、ゼロでない場合は(ステップS43)から(ステップS47)までを繰り返す。変数Tp値がゼロになった場合は経過時間計測タイマTimerを停止し(ステップS48)、定着温度補正タスクを終了させる。
次に、図13および図14のフローチャートを参照して、図10のステップS12において定着温度補正モードがオンで、図10のステップS14において温度補正テーブルが未登録の場合に起動される定着温度補正テーブル作成タスクの動作について説明する。
先ずステップS50において、定着温度補正テーブル作成タスクが起動・スタートすると、コピー動作中の定着部の温度変化を記録するための温度記録メモリ(テーブル用メモリ)を初期化する(ステップS51)。同時に、温度記録用のタイマカウンタを初期化(ステップS52)し、続いて枚数カウンタ部63の通紙枚数カウンタを初期化(ステップS53)し、ゼロ秒時点の現在温度を変数T_OLDに記録する(ステップS54)。この後、前回の温度記録からの経過時間を監視し(ステップS55)、0.5秒経過するごとに定着部の現在温度を変数T_NOWに記録する(ステップS56)。
現在温度T_NOWと変数T_OLDとの値を比較して、T_OLD>T_NOWの関係が成り立つ場合は(ステップS57)、変数T_OLDの値を変数T_NOWで更新、換言すれば最低温度を更新する(ステップS58)。定着部温度の監視はコピー動作終了まで(ステップS59、もしくは定着部の現在温度がコピー開始時点の目標制御温度と同じになるまで行い(ステップS60)、コピー動作中の最低温度が記録される。コピー動作中の温度変化記録が終了すると、温度記録用のタイマカウンタを停止する(ステップS61)。
続けて、図14に示すステップS62に進み、前記通紙枚数カウンタを調べる。
ステップS62において、前記通紙枚数カウンタによるカウンタ値が1の場合、補正温度テーブル(T1−1)の補正温度として変数T_OLDの1/2の値を格納し(ステップS63)、補正温度シフト時間として温度記録用タイマ値の1/2の値を格納する(ステップS64)。
前記通紙枚数カウンタが1枚以外の場合(ステップS65)、そのカウンタ値が2枚から10枚までの間の場合は、補正温度テーブル(T1−2)の補正温度として変数T_OLDの値を格納し(ステップS66)、補正温度シフト時間として温度記録用タイマ値を補正温度で除算した値を格納する(ステップS67)。同様に、カウンタ値が11枚以上の場合は、補正温度テーブル(T1−3)の補正温度として変数T_OLDの値を格納し(ステップS68)、補正温度シフト時間として温度記録用タイマ値を補正温度で除算した値を格納する(ステップS69)。
補正温度テーブルが確定したら、定着温度補正テーブル作成タスクを終了する。
本実施形態によれば、図1に示す定着装置20において、定着ローラ30を加温するための加熱ヒータ62と、加熱ヒータ62の点灯を制御するヒータ制御部60と、定着ニップ部33の記録材搬送方向上流側で定着ローラ30の表面温度を検知可能なサーミスタ61と、サーミスタ61で検知した温度を一定の間隔で計測する計測制御部59と、計測制御部59で計測した温度測定値とメイン制御部51で設定されメモリ制御部55を介して図示しないメモリに記憶された目標制御温度設定値56との差分から定着時の補正温度を算出する補正温度算出部58と、補正温度算出部58にて求めた補正温度設定値を記憶するための補正温度記憶部57とを有し、定着制御部54が補正温度設定値を目標制御温度設定値56に加えることにより補正温度目標値とし、定着ローラ30の表面温度が補正温度目標値となるようにヒータ制御部60を制御して記録用紙P上の未定着画像を定着させる定着温度制御方式であるので、実際に使用している記録用紙Pを使って定着動作を実行する際に検出した定着部の温度から、記録用紙Pごとに必要な補正温度を求めることができ、さらにその補正温度を記録できることで、次回からの定着条件に最適な温度設定を実施することが可能となり、例えば画像形成装置側で予め固定で用意している記録材種類(紙種)ごとの定着温度設定による制御などに比べても、より繊細で常に安定した定着品質を得ることができる。
本実施形態によれば、定着装置20内に進入した記録用紙Pの通紙枚数をカウントする記録用紙先端検知センサ29を備えた補正温度記憶部57を有し、補正温度記憶部57により記憶される補正温度設定値が、補正温度記憶部57により計数される通紙枚数に対応して複数設定されているので、通紙する枚数ごとに異なる補正温度設定値(例えば温度補正テーブル)を持つことにより、例えば1枚画像形成(コピー)時、2枚から10枚連続コピー時、11枚以上コピー時と異なる温度変化条件に適切に対応することが可能となり、記録材種類(紙種)/記録材の厚み(紙厚)だけに依存しないさらに繊細な定着品質を得ることができる。
本実施形態によれば、前記各定着温度制御方式を用いた定着装置20と、記録用紙Pを給紙可能に積載収容する2つ(複数)の各トレイ35,36とを有し、補正温度記憶手段としての揮発性メモリを各トレイ35,36に対応して2つ(複数)持つので、画像形成装置内部で選択される各トレイ35,36を切り替えながらコピー動作を実行する場合においても、常に適正な定着条件を設定できることで、安定した画像品質を得ることができる。
本実施形態によれば、各トレイ35,36ごとに保持される補正温度情報(補正温度目標値)は、コピー動作に伴う各トレイ35,36上の記録用紙Pの終了(記録用紙P無し状態)によりリセットされるので、次に補給された記録用紙Pの状態に合わせた補正温度目標値を再構築させることが可能となり、以降のコピー動作における定着画像品質を維持することができる。
本実施形態によれば、ユーザによる記録用紙Pの補給や交換の際における装置本体に対する各トレイ35,36の着脱あるいは開閉などの動作により、前回記録した該当する各トレイ35,36に対応する補正温度情報(補正温度目標値)をリセットすることで、各トレイ35,36が再セットされた後の記録用紙Pの状態に合わせた補正温度情報を再構築させることが可能となり、以降のコピー動作における定着画像品質を維持することができる。
本実施形態によれば、デジタル複写機(画像形成装置)の待機状態が長時間にわたって継続した場合の省エネモードを含むシステムダウンへの移行の際に、前回までに記録した全ての各トレイ35,36に対応する補正温度情報(補正温度目標値)をリセットすることで、省エネモードを含むシステムダウンから復帰した後の各トレイ35,36内の記録用紙Pの状態に合わせた補正温度情報(補正温度目標値)を再構築させることが可能となり、省エネモードを含むシステムダウンからの復帰以降のコピー動作における定着画像品質を維持することができる。
本実施形態によれば、ユーザが操作する操作パネル52上に配置された操作可能なハードキーおよびソフトキーの少なくとも一方のキーにより、補正温度目標値を反映した定着温度補正動作のオン/オフ切り替えを可能、換言すれば有効/無効を切り替え可能にすることで、定着品質の確保に伴う生産性の低下を完全に無効化することをユーザの意志により選択可能にすることが可能となる。
本発明は、上述した実施形態のように、白黒画像等のモノクロ画像形成を行う画像形成装置における定着装置に限らず、例えば特開平11−65308号公報や特開2002−148999号公報(特許文献1)あるいは特開2003−345171号公報(特許文献3)に記載されているカラー画像形成装置やフルカラー画像形成装置における定着装置にも適用できることはいうまでもない。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、前述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明の一実施形態を示すデジタル複写機の簡略的な全体構成図である。 図1に示すデジタル複写機の要部のシステムブロック図である。 補正温度テーブル構成を示す図である。 1枚コピー動作実行時における定着温度プロファイルを示す説明図である。 多数枚連続コピー動作実行時における定着温度プロファイルを示す説明図である。 1枚コピー動作実行中における定着部の温度変化の記録モデルを示す図表である。 多数枚コピー動作実行中における定着部の温度変化の記録モデルを示す図表である。 定着温度補正動作を説明するグラフである。 定着温度補正コピー動作に関わる全体動作を表すフローチャートである。 図9の続きのフローチャートである。 定着温度補正タスクの動作を表すフローチャートである。 図11の続きのフローチャートである。 定着温度補正テーブル作成タスクの動作を表すフローチャートである。 図13の続きのフローチャートである。
符号の説明
1 スキャナ部
3 プリンタ部
12 感光体(像担持体)
20 定着装置
22 用紙収納部
23 用紙送り出しローラ(給紙手段)
30 定着ローラ(加熱手段)
31 加圧ローラ(加圧手段)
33 定着ニップ部(ニップ部)
35 第1トレイ(記録材収納手段)
36 第2トレイ(記録材収納手段)
51 メイン制御部
52 操作パネル(外部入力手段)
54 定着制御部
55 メモリ制御部
56 目標制御温度設定値
57 補正温度記憶部(補正温度記憶手段)
58 補正温度算出部(補正温度算出手段)
59 計測制御部(計測制御手段)
60 ヒータ制御部(ヒータ制御手段)
61 サーミスタ(温度検知手段)
62 加熱ヒータ(ヒータ)
70 温度補正テーブル

Claims (8)

  1. 記録材上に形成された未定着画像を、加熱手段と加圧手段との圧接によって形成されたニップ部に搬送して接触加熱し、記録材表面に熱処理を施す定着装置の定着温度制御方式において、
    前記加熱手段を加温するためのヒータと、該ヒータの点灯を制御するヒータ制御手段と、前記ニップ部の記録材搬送方向上流側で前記加熱手段および前記加圧手段の少なくとも一方の表面温度を検知可能な温度検知手段と、該温度検知手段で検知した温度を一定の間隔で計測する計測制御手段と、該計測制御手段で計測した温度測定値と目標制御温度との差分から定着時の補正温度を算出する補正温度算出手段と、該補正温度算出手段にて求めた補正温度設定値を記憶するための補正温度記憶手段とを有し、
    前記補正温度設定値を前記目標制御温度に加えることにより補正温度目標値とし、前記加熱手段の表面温度が前記補正温度目標値となるように前記ヒータ制御手段を制御して記録材上の未定着画像を定着させることを特徴とする定着温度制御方式。
  2. 請求項1記載の定着温度制御方式において、
    前記定着装置内に進入した記録材の通紙枚数をカウントする計数手段を有し、
    前記補正温度記憶手段により記憶される前記補正温度設定値が、前記計数手段により計数される通紙枚数に対応して複数設定されることを特徴とする定着制御方式。
  3. 請求項1または2記載の定着温度制御方式を用いたことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1、2または3記載の定着温度制御方式を用いた定着装置と、記録材を給紙可能に積載収容する複数の記録材収容手段とを有する画像形成装置において、
    前記補正温度記憶手段を前記複数の記録材収容手段に対応して複数持つことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記各記録材収容手段ごとに保持される前記補正温度目標値は、前記各記録材収容手段上の記録材の終了により初期化されることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記各記録材収容手段は、装置本体に対して着脱自在に構成されており、
    前記各記録材収容手段ごとに保持される前記補正温度目標値は、前記各記録材収容手段の前記装置本体からの着脱動作により初期化されることを特徴とする請求項4または5記載の画像形成装置。
  7. 前記各記録材収容手段ごとに保持される前記補正温度目標値は、制御不能状態からの復帰により初期化されることを特徴とする請求項4ないし6の何れか一つに記載の画像形成装置。
  8. ハードキーおよびソフトキーの少なくとも一方のキーを備えた外部入力手段を有し、
    前記少なくとも一方のキーにて前記補正温度目標値を反映した動作のオン/オフ切り替えが可能であることを特徴とする請求項4ないし7の何れか一つに記載の画像形成装置。
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