JP2006258919A - 光学ユニット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外観品質の向上された光学ユニット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】光学部材14aと、光学部材14aが半田接合されている接合部材18aと、を具備する光学ユニット。接合部材18aは、その外表面へのメッキ処理により形成され、半田濡れ性を向上し、光学部材14aと半田接合される金属メッキ部50を有し、金属メッキ部50は、半田接合される前にベーキング処理されている。
【選択図】図3
【解決手段】光学部材14aと、光学部材14aが半田接合されている接合部材18aと、を具備する光学ユニット。接合部材18aは、その外表面へのメッキ処理により形成され、半田濡れ性を向上し、光学部材14aと半田接合される金属メッキ部50を有し、金属メッキ部50は、半田接合される前にベーキング処理されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば内視鏡に用いられる光学ユニット及びその製造方法に関する。
医療分野や工学分野で用いられる光学機器は、過酷な環境に曝される場合があり、外部環境から内部を保護するために、シール性に優れたものが開発されている。例えば、医療分野で用いられる内視鏡は、体腔内に挿入して観察を行う光学機器であり、患者間での感染症等を防止するために使用後に消毒滅菌する必要がある。この消毒滅菌として、例えば高温高圧水蒸気によるオートクレーブ滅菌が用いられ、このオートクレーブ滅菌において内部に水蒸気が侵入しないように、シール性を高めた内視鏡が開発されている。
例えば、特許文献1の内視鏡では、レンズ枠内で観察光学系の光学レンズをレンズ枠に半田接合することにより、光学レンズとレンズ枠との間をシールしている。即ち、円筒状のレンズ枠の一端側には、他端側より内径が増大されている凹部が形成されており、この凹部の内径は光学レンズの外径よりも僅かに大きくなっている。そして、光学レンズの外周面と凹部の内周面とには、半田濡れ性を向上させるための金属部が形成されている。なお、レンズ枠の凹部の内周面の金属部は、半田濡れ性の良い金属をレンズ枠にメッキ処理することにより形成されている。
光学レンズをレンズ枠に接合する際には、レンズ枠をその一端側が上を向くように立置し、レンズ枠の凹部へと光学レンズを挿入し、凹部の環状底面に光学レンズを載置する。この際、凹部の内周面と光学レンズの外周面との間に、周方向の全体にわたって隙間が形成されるようにする。この隙間の上部環状開口を覆うように、半田材料によって形成されている円環状の接合リングをレンズ枠又は光学レンズに載置する。
レンズ枠、光学レンズ、接合リングをかかる状態に保持したまま、加熱炉内に投入する。この結果、接合リングが溶融され、溶融された半田材料は金属部に沿って隙間内に侵入して、レンズ枠と光学レンズとの間を満たす。この後、半田材料を冷却固化して半田接合部を形成することにより、レンズ枠と光学レンズとが半田接合される。
特開2004−94043号公報
半田濡れ性を増大させるためのレンズ枠の金属メッキには、水素、水蒸気等の吸蔵ガスや、メッキ光沢材が含まれている。接合リングを加熱溶融する際には同時に金属メッキも加熱されるため、金属メッキから、吸蔵ガス、メッキ光沢材の気化物等のアウトガスが放出される。この結果、半田接合部内に半田巣、ボイド等が形成され、半田接合部表面の平滑さが低下し、外観品質が劣化してしまう。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、外観品質の向上された光学ユニット及びその製造方法を提供することである。
請求項1の発明は、光学部材と、前記光学部材が半田接合されている接合部材と、を具備し、前記接合部材は、その外表面へのメッキ処理により形成され、半田濡れ性を向上し、前記光学部材と半田接合される金属メッキ部を有し、前記金属メッキ部は、半田接合される前にベーキング処理されている、ことを特徴とする光学ユニットである。
請求項2の発明は、前記金属メッキ部は、ニッケルメッキと金メッキとを積層することにより形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニットである。
請求項3の発明は、前記ベーキング処理は、無酸化雰囲気下で行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニットである。
請求項4の発明は、光学部材を準備する工程と、前記光学部材に半田接合される接合部材を準備する工程と、前記接合部材の外表面へのメッキ処理によって、半田濡れ性を向上する金属メッキ部を形成する工程と、前記金属メッキ部をベーキング処理する工程と、前記光学部材を前記金属メッキ部に半田接合する工程と、を具備することを特徴とする光学ユニットの製造方法である。
請求項5の発明は、前記金属メッキ部を形成する工程は、ニッケルメッキと金メッキとを積層させることにより前記金属メッキ部を形成する工程を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法である。
請求項6の発明は、前記ベーキング処理する工程は、無酸化雰囲気下でベーキング処理する工程を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法である。
本発明の光学ユニットによれば、半田接合前に金属メッキ部をベーキング処理して金属メッキ部からアウトガスを放出させることにより、半田接合時に金属メッキ部からアウトガスが放出されるのが防止され、光学ユニットの外観品質が向上されている。また、本発明の光学ユニットの製造方法では、半田接合前に金属メッキ部がベーキング処理されて金属メッキ部からアウトガスが放出され、半田接合時に金属メッキ部からアウトガスが放出されるのが防止されるため、外観品質の向上された光学ユニットを製造することが可能となっている。
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本実施形態の光学ユニット10の全体の概略構成を示す。この光学ユニット10は、内視鏡において、体腔内に挿入される細長い挿入部の先端部を構成する先端硬質部に組み付けられて観察光学系を形成する。
この光学ユニット10は、観察対象に対面する先端側の対物レンズユニット12aを有する。この対物レンズユニット12aは先端側の先端側ユニット13aを有し、先端側ユニット13aは最先端に配設されている短円柱状の第1の光学レンズ14aを有する。本実施形態では、第1の光学レンズ14aは、サファイアによって形成されている。この第1の光学レンズ14aの後端側には、円環状の第1の絞り部材16aが共軸に並設されている。
これら第1の光学レンズ14aと第1の絞り部材16aとは、接合部材としての円筒状の第1のレンズ枠18aの先端側に内嵌されている。なお、本実施形態では、第1のレンズ枠18aはステンレススチールによって形成されている。
詳細に説明すると、第1のレンズ枠18aの先端側には、後端側よりも内径の増大されている凹部20が形成されており、凹部20の環状底面に第1の絞り部材16aを介して第1の光学レンズ14aが押圧されている。そして、第1の光学レンズ14a及び第1の絞り部材16aと、第1のレンズ枠18aとは半田接合されており、第1の光学レンズ14a及び第1の絞り部材16aと第1のレンズ枠18aとの間に半田接合部22が形成されている。この半田接合部22により、第1の光学レンズ14a及び第1の絞り部材16aと第1のレンズ枠18aとの間をシールしている。
対物レンズユニット12aは後端側の後端側ユニット13bを有し、先端側ユニット13aの後端部は後端側ユニット13bの先端部に連結されている。即ち、先端側ユニット13aの第1のレンズ枠18aの後端側は、後端側ユニット13bの円筒状の第2のレンズ枠18bの先端部に外嵌されている。本実施形態では、第2のレンズ枠18bは、ステンレススチールによって形成されている。そして、第1のレンズ枠18aと第2のレンズ枠18bとは、第1のレンズ枠18aの後端部と第2のレンズ枠18bの外周面との間に配置されている第1の接着部24aを介して接着固定されている。なお、第1のレンズ枠18aと第2のレンズ枠18bとの間をシールするために、第1の接着部24aは厚く形成されている。
第2のレンズ枠18bの内腔の先端部には、第2の光学レンズ14bが内嵌され接着固定されている。この第2の光学レンズ14bの後端側には、スペーサとして機能する円環状の第1の間隔環26aを介して第3の光学レンズ14cが共軸に並設されている。以下同様に、第2のレンズ枠18bの内腔において、第3の光学レンズ14c、第2の間隔環26b、第2の絞り部材16b、第4の光学レンズ14d、第3の間隔環26c,第3の絞り部材16c、第5の光学レンズ14eが後端側へと順次並設されている。これら第3乃至第5の光学レンズ14c,…,14e、第2及び第3の絞り部材16b,16c、第1乃至第3の間隔環26a,…,26cは第2のレンズ枠18bに接着固定されている。
上述した先端側ユニット13aと後端側ユニット13bとからなる対物レンズユニット12aの後端部は、観察画像を撮像するための素子ユニット12bの先端部に連結されている。即ち、後端側ユニット13bの第2のレンズ枠18bの後端部は、素子ユニット12bの円筒状の素子枠18cの先端部に内嵌されている。本実施形態では、素子枠18cは、ステンレススチールによって形成されている。そして、対物レンズユニット12aの第1のレンズ枠18a及び第2のレンズ枠18bと、素子ユニット12bの素子枠18cとは、第2のレンズ枠18bの外周面上において第1のレンズ枠18aの後端部と素子枠18cの先端部との間に配置されている第2の接着部24bによって接着固定されている。この第2の接着部24bは、第2のレンズ枠18bと素子枠18cとの間をシールするために厚く形成されている。
素子枠18cの内腔の後端部には、第6の光学レンズ14fが内嵌され接着固定されている。この第6の光学レンズ14fの先端側には第4の絞り部材16dが並設され、後端側には光学ガラス14gが並設されている。この光学ガラス14gの後端側には、観察画像を撮像するための固体撮像素子28が並設されている。これら光学ガラス14gと固体撮像素子28とは、第3の接着部24cによって素子枠18cに一体的に接着固定されている。固体撮像素子28は、電子部品30が搭載されている基板32と信号線34を介して電気的に接続されている。
ここで、半田接合部22により第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの間がシールされ、第1の接着部24aにより第1のレンズ枠18aと第2のレンズ枠18bとの間がシールされ、第2の接着部24bにより第2のレンズ枠18bと素子枠18cとの間がシールされているため、先端の第1の光学レンズ14aと後端の光学ガラス14gとの間の光学系は密閉状態に保持される。
図2は、本実施形態の光学ユニット10(図1参照)を製造するための加熱炉36の全体の概略構成を示す。本実施形態では、加熱炉36として連続式水素炉を用いる。この加熱炉36は、水素が充満される細長いマッフル38を有する。このマッフル38の中央部に、マッフル38内に水素を供給する水素供給路40が接続されている。そして、マッフル38の一端部には炉入口42が配設され、他端部には炉出口44が配設されている。マッフル38の炉入口42側は加熱領域39aとなっており、炉出口44側は冷却領域39bとなっている。さらに、加熱炉36は、炉入口42からマッフル38内を通り炉出口44に達するベルトコンベア46を有する。
次に、本実施形態の光学ユニット10の製造方法について説明する。特に、第1の光学レンズ14aを第1のレンズ枠18aに半田接合する工程について以下説明する。
図3を参照し、第1の光学レンズ14aの外周面に、半田濡れ性を向上させるための金属膜部48を形成する。この金属膜部48は、ニッケル、金等の半田濡れ性の良好な金属を真空蒸着、スパッタリング等によって第1の光学レンズ14aの外周面に被膜することにより形成される。
また、第1のレンズ枠18aの先端面及び凹部20の内周面に、半田濡れ性を向上させるための金属メッキ部50を形成する。金属メッキ部50は、第1のレンズ枠18aの先端面及び凹部20の内周面に、ニッケル、金等の半田濡れ性の良好な金属をメッキ処理することによって形成される。表1に、金属メッキ部50の第1乃至第3の実施例を示す。
第1乃至第3の実施例のように層厚を設定することにより、好適な半田濡れ性が得られる。なお、第1のレンズ枠18aの、金属メッキ部50が形成されていない部分、例えば第1のレンズ枠18aの外周面では、ステンレススチールが露出されており、半田濡れ性が悪くなっている。
また、第1の絞り部材16aの外表面に、ブラッククロム等の半田濡れ性の悪い金属をメッキ処理し、第1の絞り部材16aの外表面の半田濡れ性を悪くする。
次に、第1のレンズ枠18aをベーキング処理する。第1のレンズ枠18aの金属メッキ部50は、メッキ処理によって形成されているため、水素、水蒸気等の吸蔵ガス、メッキ光沢材等を含んでいる。金属メッキ部50にベーキング処理を施すことにより、吸蔵ガス、メッキ光沢材の気化物等のアウトガスを放出する脱ガスを行う。ベーキング処理は、無酸化雰囲気下あるいは真空化で、所定の処理温度で所定の処理時間行われる。表2に、ベーキング処理の実施例を示す。
この実施例のようにベーキング条件を設定することにより、充分な脱ガスが行われる。
次に、図3及び図4を参照し、枠用治具52に、第1のレンズ枠18aを立置する。即ち、枠用治具52は、円板状の基端部52aに円柱状の柱状部52bを突設することにより形成されている。この柱状部52bに、第1のレンズ枠18aの後端側を外嵌して、枠用治具52に第1のレンズ枠18aを立置する。ここで、柱状部52bの外径は、第1のレンズ枠18aの後端側の内径に略等しい。
続いて、第1のレンズ枠18aの先端側の凹部20に第1の絞り部材16aを落とし込んで、凹部20の環状底面に第1の絞り部材16aを載置する。ここで、第1の絞り部材16aの外径は凹部20の内径よりも僅かに小さく、第1の絞り部材16aは、第1の絞り部材16aの外周面と凹部20の内周面との間に周方向の全体にわたって幅の等しい隙間が形成されるように、第1のレンズ枠18aに対して位置決めされる。
そして、凹部20に第1の光学レンズ14aを落とし込んで、第1の絞り部材16aの環状上面に第1の光学レンズ14aを載置する。ここで、第1の光学レンズ14aの外径は凹部20の内径よりも僅かに小さく、第1の光学レンズ14aは、第1の絞り部材16aと同様に、第1の光学レンズ14aの外周面と凹部20の内周面との間に周方向の全体にわたって幅の等しい隙間が形成されるように、第1のレンズ枠18aに対して位置決めされる。この状態で、第1の光学レンズ14aの先端部は、第1のレンズ枠18aの先端部から所定量突出している。
さらに、半田材料によって形成されている円環状の接合リング54を、第1の光学レンズ14aの突出部分に外嵌し、第1のレンズ枠18aの先端面に載置する。ここで、接合リング54の内径は第1の光学レンズ14aの外径に略等しく、接合リング54は第1の光学レンズ14aと凹部20との間の隙間の上部環状開口を覆っている。また、接合リング54の厚さは第1の光学レンズ14aの突出量に等しく、接合リング54の上面は第1の光学レンズ14aの先端面と略同一面となっている。接合リング54の外径は、接合リング54の体積が、後述するように、第1の光学レンズ14aと凹部20との間の隙間の全体を半田材料によって満たすのに充分な体積となるように、設定されている。
次に、第1のレンズ枠18a等が装着された枠用治具52を加熱炉配置用治具56内に配置する。加熱炉配置用治具56の上壁には、第1の光学レンズ14aに対面する位置に開口部60が形成されている。この開口部60から押圧用治具58を加熱炉配置用治具56内に挿入し、押圧用治具58の挿入端部を第1の光学レンズ14aの先端面に載置する。押圧用治具58は開口部60において加熱炉配置用治具56に対して鉛直方向に摺動自在であり、押圧用治具58の自重によって第1の光学レンズ14aと第1の絞り部材16aとが凹部20の環状底面へと押圧される。この結果、第1の絞り部材16aの環状後端面は凹部20の環状底面に密着され、第1の光学レンズ14aの後端面は第1の絞り部材16aの環状先端面に密着される。
次に、押圧用治具58等が装着された加熱炉配置用治具56を加熱炉36に投入する。即ち、加熱炉36の炉入口42のベルトコンベア46上に加熱炉配置用治具56を載置し、ベルトコンベア46により加熱炉配置用治具56をマッフル38内で進行させる。加熱炉配置用治具56は、マッフル38の加熱領域39aを進行中、水素雰囲気下で加熱される。
この際、接合リング54は、加熱されて溶融状態の半田に変化する。第1のレンズ枠18aの外周面では、半田濡れ性の悪いステンレススチールが露出されているため、溶融状態の半田は第1のレンズ枠18aの外周面へと流れることはほとんどない。溶融状態の半田は、半田濡れ性の良好な第1の光学レンズ14aの金属膜部48と第1のレンズ枠18aの金属メッキ部50とに囲まれた、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの間の隙間に流れ込んでいく。
隙間に流れ込んだ溶融状態の半田は、凹部20の環状底面へと流れていくが、第1の絞り部材16aの外表面は半田濡れ性が悪いため、凹部20の環状底面付近では凹部20の内周面側へと流れる傾向を有することとなる。加えて、第1の絞り部材16aの環状後端面と凹部20の環状底面とは押圧用治具58によって密着されているため、溶融状態の半田が第1の絞り部材16aの環状後端面と凹部20の環状底面との間を介して第1のレンズ枠18aの内腔へと流れ込むのが防止される。
このようにして、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの間の隙間が溶融状態の半田によって充填される。ここで、第1のレンズ枠18aの金属メッキ部50がベーキング処理されていない場合には、半田充填中、加熱された金属メッキ部50からアウトガスが放出されて半田内に取り込まれ、半田巣、ボイド等の原因となる。本実施形態では、金属メッキ部50に予めベーキング処理が施されているため、半田充填中に金属メッキ部50からアウトガスが放出されて半田内に取り込まれるのが防止される。
そして、加熱炉配置用治具56は、マッフル38の冷却領域39bを進行中、水素雰囲気下で冷却される。この際、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの間の隙間に充填された半田が冷却固化される。このようにして、図5に示されるように、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとが半田接合される。
なお、ステンレススチール製の第1のレンズ枠18aの熱膨張率及び熱伝導率は、第1の光学レンズ14aの熱膨張率及び熱伝導率よりも充分に大きい。このため、溶融状態の半田を冷却する冷却工程において、第1のレンズ枠18aが第1の光学レンズ14aよりも急速に冷却されて、第1のレンズ枠18aの収縮よりも大きく収縮すると、第1のレンズ枠18aから第1の光学レンズ14aに応力が負荷されて、第1の光学レンズ14aが割れてしまうことがある。ここで、冷却工程において、第1のレンズ枠18aと第1の光学レンズ14aとに生じ得る温度差は、最大でも加熱温度である接合リング54の溶融温度と冷却終了時の温度との差である。このため、接合リング54の溶融温度を比較的低く設定することにより、冷却工程において生じる第1のレンズ枠18aと第1の光学レンズ14aとの温度差即ち収縮量の差を小さくして、第1の光学レンズ14aの割れを防止することができる。具体的には、接合リング54の溶融温度は、400℃以下に設定することが好ましい。
従って、本実施形態の光学ユニット10は次の効果を奏する。本実施形態では、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとを半田接合しており、第1のレンズ枠18aの半田接合される部分には、半田濡れ性を向上させるために金属メッキ部50を形成している。金属メッキ部50は、吸蔵ガス、メッキ光沢部材等を含むが、半田接合前に金属メッキ部50をベーキング処理することにより、金属メッキ部50からアウトガスを放出させる脱ガスを行っている。このため、半田接合時に金属メッキ部50からアウトガスが放出されるのが防止され、半田接合部22に半田巣、ボイド等が形成されることが回避されている。従って、光学ユニット10の外観品質が向上されている。
また、半田接合部22に半田巣、ボイド等が形成されると、光学ユニット10が洗浄しにくくなる。しかしながら、本実施形態では、半田接合部22に半田巣、ボイド等が形成されることが回避されているため、光学ユニット10を容易に洗浄することが可能となっている。
さらに、第1の光学レンズ14a及び第1のレンズ枠18aに、夫々、半田濡れ性の良好な金属膜部48及び金属メッキ部50を形成している。そして、枠用治具52に、第1の光学レンズ14a及び第1のレンズ枠18aと、半田接合部22を形成するための接合リング54とを、半田接合に適切な配置で装着し、枠用治具52を加熱炉配置用治具56に装着すると共に押圧用治具58を加熱炉配置用治具56に装着して第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとを半田接合に適切なように押圧している。この状態で、加熱炉配置用治具56を加熱炉36に投入して水素雰囲気下で接合リング54を溶融、固化することにより、金属膜部48と金属メッキ部50とを半田接合している。このような工程を経ることにより、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとを確実かつ安定的に接合することが可能となっている。
加えて、接合リング54の体積は、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの間の隙間の全体を半田材料によって満たすのに充分な体積となるように設定されている。このため、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの間の隙間の全体に半田接合部22が形成されている。従って、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの接合が一層確実なものになると共に、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの間が充分にシールされている。
そしてまた、第1の光学レンズ14aと第1のレンズ枠18aとの間が半田接合部22によりシールされ、第1のレンズ枠18aと第2のレンズ枠18bとの間が第1の接着部24aによりシールされ、第2のレンズ枠18bと素子枠18cとの間が第2の接着部24bによりシールされている。このため、先端の第1の光学レンズ14aと後端の光学ガラス14gとの間の光学系は密閉状態に保持されている。従って、光学ユニット10が配設されている内視鏡に対して、例えば、繰り返しオートクレーブ滅菌を行ったとしても、光学系内部に水蒸気が侵入することが確実に防止される。
さらにまた、半田接合部22を形成するに際して、第1の絞り部材16aの外表面は半田濡れ性が悪いため、溶融状態の半田は凹部20の環状底面付近では凹部20の内周面側へと流れる傾向を有し、また、第1の絞り部材16aの環状後端面と凹部20の環状底面とは、押圧用治具58によって互いに密着されている。このため、溶融状態の半田が第1の絞り部材16aの環状後端面と凹部20の環状底面との間を介して第1のレンズ枠18aの内腔へと流れ込むのが防止されている。従って、第1の光学レンズ14aの後端側において、第1のレンズ枠18aの内腔に半田が流れ出て視界不良を招来することが防止されている。
なお、本実施形態においては、加熱炉として連続式水素炉を用いているが、段階的に処理を行うバッチ式の加熱炉を用いることが可能であり、また、不活性気体である窒素等の雰囲気下や真空下で処理を行う加熱炉を用いることも可能である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1−1)少なくとも内周面に半田濡れ性を向上させる金属部を設けた枠部材と、外周面に半田濡れ性を向上させる金属部を設けた光学部材と、この光学部材の外周面と前記枠部材の内周面とを接合材料で一体的に接合固定する接合材料とを具備する光学ユニットにおいて、半田付けメッキ処理を行った金属部に対してベーキング処理した後にレンズを半田接合する事を特徴とする内視鏡光学ユニット。
記
(付記項1−1)少なくとも内周面に半田濡れ性を向上させる金属部を設けた枠部材と、外周面に半田濡れ性を向上させる金属部を設けた光学部材と、この光学部材の外周面と前記枠部材の内周面とを接合材料で一体的に接合固定する接合材料とを具備する光学ユニットにおいて、半田付けメッキ処理を行った金属部に対してベーキング処理した後にレンズを半田接合する事を特徴とする内視鏡光学ユニット。
(付記項1−2)付記項1−1において、メッキ処理は、Niメッキ上に金メッキをした事を特徴とする内視鏡光学ユニット。
(付記項1−3)付記項1−1において、ベーキング処理はN2 の中で行う事を特徴とする内視鏡光学ユニット。
(付記項2-1)前記金属メッキ部は、ニッケルメッキによって形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
(付記項2−2)前記金属メッキ部は、金メッキによって形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
(付記項2−3)前記ベーキング処理は、真空下で行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
(付記項2−4)前記ベーキング処理は、300乃至400℃の範囲の処理温度で行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
(付記項2−5)前記ベーキング処理は、1乃至120分の範囲の処理時間で行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
(付記項2−6)前記金属メッキ部を形成する工程は、ニッケルメッキにより前記金属メッキ部を形成する工程を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法。
(付記項2−7)前記金属メッキ部を形成する工程は、金メッキにより前記金属メッキ部を形成する工程を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法。
(付記項2−8)前記ベーキング処理する工程は、真空下でベーキング処理する工程を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法。
(付記項2−9)前記ベーキング処理する工程は、300乃至400℃の範囲の処理温度でベーキング処理する工程を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法。
(付記項2−10)前記ベーキング処理する工程は、1乃至120分の範囲の処理時間でベーキング処理する工程を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法。
本発明は、外観品質の向上された、例えば内視鏡に用いられる光学ユニット及びその製造方法を提供する。
10…光学ユニット、14a…光学部材、18a…接合部材、50…金属メッキ部。
Claims (6)
- 光学部材と、
前記光学部材が半田接合されている接合部材と、を具備し、
前記接合部材は、その外表面へのメッキ処理により形成され、半田濡れ性を向上し、前記光学部材と半田接合される金属メッキ部を有し、
前記金属メッキ部は、半田接合される前にベーキング処理されている、
ことを特徴とする光学ユニット。 - 前記金属メッキ部は、ニッケルメッキと金メッキとを積層することにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。 - 前記ベーキング処理は、無酸化雰囲気下で行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。 - 光学部材を準備する工程と、
前記光学部材に半田接合される接合部材を準備する工程と、
前記接合部材の外表面へのメッキ処理によって、半田濡れ性を向上する金属メッキ部を形成する工程と、
前記金属メッキ部をベーキング処理する工程と、
前記光学部材を前記金属メッキ部に半田接合する工程と、
を具備することを特徴とする光学ユニットの製造方法。 - 前記金属メッキ部を形成する工程は、ニッケルメッキと金メッキとを積層させることにより前記金属メッキ部を形成する工程を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法。 - 前記ベーキング処理する工程は、無酸化雰囲気下でベーキング処理する工程を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニットの製造方法。
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