JP2006257726A - 表面均し装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熟練技能者に頼ることなく、コンクリート面を比較的短時間で均一に均すことが可能であり、作業者の肉体的負担も軽減することのできる表面均し装置を提供する。
【解決手段】表面均し装置1は、硬化前のコンクリート面C1上に底面を接触させた状態で滑動可能な平面視形状が矩形状をした均し板2と、均し板2に振動を与えるために均し板2の長辺方向Lの中央部に搭載された振動発生機3と、振動発生機3を挟んで均し板2の長辺方向Lの対称位置に設けられた複数の係止部4を介して均し板2に固定されたコ字形状の操作ハンドル5とを備えている。振動発生機3は、原動機8と、その回転軸6の先端に固定された偏心回転体7とで構成され、回転軸6の2箇所を回転可能に軸支する複数の軸受け部材9a,9bが均し板2の上面に設けられている。そして、平面均し装置1の均し板2がコンクリート面C1に与える荷重を約22kg/m2程度としている。
【選択図】 図1
【解決手段】表面均し装置1は、硬化前のコンクリート面C1上に底面を接触させた状態で滑動可能な平面視形状が矩形状をした均し板2と、均し板2に振動を与えるために均し板2の長辺方向Lの中央部に搭載された振動発生機3と、振動発生機3を挟んで均し板2の長辺方向Lの対称位置に設けられた複数の係止部4を介して均し板2に固定されたコ字形状の操作ハンドル5とを備えている。振動発生機3は、原動機8と、その回転軸6の先端に固定された偏心回転体7とで構成され、回転軸6の2箇所を回転可能に軸支する複数の軸受け部材9a,9bが均し板2の上面に設けられている。そして、平面均し装置1の均し板2がコンクリート面C1に与える荷重を約22kg/m2程度としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鉄筋コンクリート建造物などの建設工事現場において、床面などの水平部分に打設されたコンクリート面を平滑に均すために使用される表面均し装置に関する。
鉄筋コンクリート建造物の建設工事現場において、床面に打設されたコンクリートの表面を平滑に均す作業は、従来、以下のような工程で行われている。まず、コンクリートを打ち込んだ後、長さ1.2m程度のかき棒で荒均しを行った後、レーザーレベル器を用いて、水平の基準点を約2m間隔で設け、この後、鏝を用いて当たり出しを行い、当たりに合わせ、長さ2.5m程度のアルミ定木を用いてコンクリート面を水平に均す。そして、コンクリート面に露出している小石などを沈めるため、柄を備えた長板などを用いて、コンクリート面を均すように押さえ込めば、仕上げが完了する。
コンクリート金鏝仕上げの場合は、均し工程と仕上げ工程とに分かれるが、均し工程の段階でコンクリート面の高低差を如何に±0に近づけるかによって、最終的な床面の仕上げ精度が決まる。このような表面均し工程は、従来、職人(熟練技能者)が、かき棒、定木などの専用器具を用いて手作業で行っている。
このような状況を改善するため、仕上げ板と、この仕上げ板に振動を与える振動機構と、仕上げ板を操作するための操作軸などを備えたコンクリート面仕上げ装置が提案されている。(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1,2に記載された表面仕上げ装置の場合、比較的狭く、振動も弱い仕上げ板をコンクリート面に沿って移動させながら仕上げ作業を行わなければならないので、従来の左官作業と同様、熟練した技術が必要である。また、振動機構が操作軸に取り付けられているため、その重量および振動が操作軸を経由して作業者の手に伝わり、肉体的な負担が大である。さらに、コンクリート面との接触面積が狭い仕上げ板に振動が集中して加わるので、均し作用が不十分であり、コンクリート面の不陸を無くすことができず、作業効率も悪い。
特許文献3に記載の表面仕上げ装置は、コンクリート面に超音波振動を与えることができるため、これを用いてコンクリート面の仕上げ作業を行えば、コンクリート表層に水分が浮き出て、表面が柔らかくなるなどの作用は得られる。しかしながら、鉄筋コンクリート建造物の床面など、比較的固いコンクリートを打設して形成される、凹凸の多いコンクリート面を均すことはできない。
本発明が解決しようとする課題は、熟練技能者に頼ることなく、コンクリート面を比較的短時間で均一に均すことが可能であり、作業者の肉体的負担も軽減することのできる表面均し装置を提供することにある。
本発明の表面均し装置は、硬化前のコンクリート面上に底面を接触させた状態で滑動可能な平面視形状が矩形状の均し板と、前記均し板に振動を与えて共振させるため前記均し板の長辺方向の中央部に搭載された振動発生手段と、前記振動発生手段を挟んで前記均し板の長辺方向の対称位置に設けられた複数の係止部を介して前記均し板に固定された操作ハンドルとを備え、前記均し板の底面がコンクリート面に与える荷重が15kg/m2〜30kg/m2であることを特徴とする。
このような構成とすれば、振動発生手段により振動状態(共振状態)に保たれた均し板の底面をコンクリート面に接触させた後、均し板に向かって構えた作業者が操作ハンドルを手で持ってそのまま後退すれば、均し板の振動によりコンクリート面の凹凸が速やかに平準化され、不陸がなくなるため、コンクリート面を比較的短時間で均一に均すことができる。
振動発生手段は均し板の長辺方向の中央部に配置されているため、均し板全体がムラ無く均一に振動(共振)し、また、操作ハンドルは、振動発生手段を挟んで、均し板の長辺方向の対称位置に設けられた複数の係止部を介して均し板に固定されているため、作業者の後退による引張力は均し板全体に均等に伝わる。このため誰が作業を行ってもコンクリート面を均一に均すことが可能となり、熟練技能者に頼る必要がなくなる。
また、均し板の底面がコンクリート面に与える荷重を15kg/m2〜30kg/m2としたことにより、コンクリート面上に表面均し装置を載置したとき、均し板がコンクリート面に沈み込むことがなく、操作ハンドルを持って軽く引っ張るだけで、振動状態にある均し板はコンクリート面をスムーズに滑動する。このため、操作ハンドルを強く引っ張ったり、押圧したりすることなく、コンクリート面を均すことが可能となり、作業業者の肉体的負担も軽減することができる。なお、均し板の底面がコンクリート面に与える荷重が15kg/m2未満である場合は、コンクリート面の凹凸や不陸を均す作用が不十分であり、30kg/m2を超える場合は、均し板がコンクリート面に沈み込んで滑動不能となるため、前述した15kg/m2〜30kg/m2の範囲が好適である。
ここで、前記振動発生手段として、回転軸に偏心回転体を有する原動機を設けることが望ましい。電動モータに比べ原動機は回転数のコントロールが容易であるため、原動機の回転数をコントロールして偏心回転体の回転数を変化させるだけで、振動数を容易に変化させることができる。従って、原動機の回転数を変化させるだけで、均し板が共振状態となる振動数に容易にセットすることが可能となり、作業性が向上する。また、電源のない場所でも容易に作業を行うことが可能となる。さらに、稼働中は、原動機自体も振動を発生するので、均し板に対する振動付与機能および均し板の共振作用が高まり、均し作業の効率化を図ることができる。
この場合、前記回転軸の少なくとも一部を軸支する軸受け部材を均し板に設けることが望ましい。このような構成とすれば、偏心回転体による振動を無駄なく均し板に伝達することが可能となるため、均し板が効率良く共振して表面均し作用がさらに向上する。この場合、原動機の回転軸自体の振れ運動は軸受け部材によって抑制されるため、原動機の負担が軽減され、耐久性が向上する。
一方、前記均し板よりも剛性の高い振動伝達部材を介在させて前記軸受け部材を前記均し板に取り付けことが望ましい。このような構成とすれば、偏心回転体による振動は、軸受け部材および振動伝達部材を介して広範囲に効率良く伝わるようになるため、表面均し作用がさらに向上する。
この場合、前記振動伝達部材を均し板の長辺部分に設けることが望ましい。このような構成とすれば、偏心回転体による振動は、均し板の長辺方向に渡る広い範囲に効率良く伝わるようになるため、表面均し作用のさらなる均等化を図ることができる。
さらに、前記均し板の底面に、当該均し板の短辺方向と交差する方向に配置された突条部を設けることもできる。このような構成とすれば、均し板がその短辺方向に引っ張られる際に、コンクリート面に対して、突条部による均し作用が生じるとともに、均し板の振動が突条部を介してコンクリート面に伝達されるため、打設されたコンクリートのスランプ値が比較的小さく、コンクリート面が固い場合においても、優れた表面均し作用を得ることができる。
本発明により、熟練技能者に頼ることなく、コンクリート面を比較的短時間で均一に均すことが可能となり、作業者の肉体的負担も軽減することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第一実施形態である表面均し装置の使用状態を示す斜視図、図2は図1に示す表面均し装置の平面図、図3は図1に示す表面均し装置の底面図、図4は図2におけるA−A線断面図、図5は図1に示す表面均し装置の一部拡大図、図6は図1に示す表面均し装置の使用状態を示す側面図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態の表面均し装置1は、硬化前のコンクリート面C1上を滑動可能な平面視形状が矩形状の木製の均し板2と、均し板2に振動を与えて共振させるため均し板2の長辺方向Lの中央部に搭載された振動発生機3と、振動発生機3を挟んで均し板2の長辺方向Lの対称位置に設けられた複数の係止部4を介して均し板2に着脱可能に固定されたコ字形状の操作ハンドル5とを備えている。均し板2は四隅部分を滑らかな曲線状に丸めた矩形をなし、その長辺方向Lの長さL1は約3000mm、短辺方向Sの長さS1は約450mm、厚さTは約50mmであり、平面均し装置1の総重量は約30kgである。従って、平面均し装置1をコンクリート面C1上に載置したとき、均し板2の底面2bがコンクリート面C1に与える荷重は約22kg/m2程度である。
図4,図5に示すように、振動発生機3は、原動機8と、その回転軸6の先端に固定された偏心回転体7とで構成され、回転軸6の2箇所を回転可能に軸支する複数の軸受け部材9a,9bが設けられている。原動機8はガソリンエンジンであり、その回転軸6は、均し板2の短辺方向Sと平行をなすように配置されている。偏心回転体7は、図5に示すように、円板の一部を削除した形状であり、均し板2の前側の長辺部分(後述する振動伝達部材12)よりも前方に突出した位置に配置されている。なお、本実施形態の説明において、「前方」、「後方」あるいは「前縁部分」、「後縁部分」など、「前」、「後」を用いて表現している語句は、図1に示すように、均し板2に向かった姿勢をとった作業者Wを基準にした「前」、「後」をいう。
原動機8および軸受け部材9bは、均し板2の上面の長辺方向Lの中央部に重なり合う状態に配置された防振板11および固定板9を介して均し板2に固定され、軸受け部材9aは固定板9および断面L字状の振動伝達部材12を介して、均し板2の前側の長辺部分に固定されている。軸受け部材9a,9bはボルト・ナット16で着脱可能に固定され、原動機8もボルト・ナット(図示せず)で着脱可能に固定されている。固定板9および振動伝達部材12はいずれも木材より剛性の高い金属材料で形成され、防振板11は弾性材料(ゴム材または弾性合成樹脂材)で形成されている。
操作ハンドル5と係止部4との境界付近には、均し板2の振動が操作ハンドル5の把持部5aに伝わるのを防止するための制振部5bが設けられ、一方の傾斜部5cには、原動機8の回転数を変化させるためのスロットルレバー13が配置されている。また、均し板2上面の左右の短辺付近にはそれぞれ逆U字状のフック14が取り付けられている。
図3,図4に示すように、均し板2の底面2bは平面状であり、均し板2の前縁の上方部分は垂下状の平面であり、その下方部分と底面2bとの境界部分(角部分)には、断面L字状の補強部材2aが底面2bと連続平面を形成するように取り付けられている。補強部材2aは、均し板2の長辺方向Lの長さL1より短く、振動伝達部材12より長い、耐摩耗性の金属材料で形成されている。一方、均し板2の後縁の下方部分には、緩やかな曲率で底面2bに連続する凸曲面部2cが設けられている。
ここで、図1,図6を参照して、表面均し装置1の使い方について説明する。図1に示すように、表面均し作業を行うべきコンクリート面C1上に載置し、原動機8を始動させ、作業者Wは、操作ハンドル5の後方に立って均し板2に向かう姿勢をとり、スロットルレバー13を操作して振動発生機3が適切な振動状態(共振状態)となる回転数にセットする。この場合、スロットルレバー13を操作して原動機8の回転数を徐々に上げていくと均し板2が激しく振動するポイント(共振点)があるので、作業者Wは比較的容易に共振状態を認識することができる。均し板2が共振状態にセットされたら、操作ハンドル5の把持部5aを両手で握り、そのまま矢印R方向に後退すると、均し板2がコンクリート面C1上をスムーズに滑動しながら、表面均し装置1全体が矢印R方向に後退する。このとき、図6に示すように、均し板2は、凸曲面部2cを含む後方部分が、補強部材2aを含む前方部分よりも浮き上がった傾斜姿勢を保ちながら、矢印R方向に後退する。
このように、振動発生機3により振動状態(共振状態)に保たれた均し板2の底面2bをコンクリート面C1に接触させた後、均し板2に向かって構えた作業者Wが操作ハンドル5を両手で持って、そのまま矢印R方向に後退すれば、均し板2の共振振動によりコンクリート面C1の凹凸が速やかに平準化され、不陸がなくなるため、コンクリート面C1を比較的短時間で均一な仕上げ面C2に均すことができる。また、仕上げ面C2に最後まで接触してその仕上がり状態を左右する、均し板2の底面2bの前方部分には補強部材2aが取り付けられているため、仕上げ面C2を均一に仕上げることができる。この補強部材2aは耐摩耗性の金属材料で形成されているため、コンクリート面C1との摩擦による摩耗が少なく、耐久性も優れている。
表面均し装置1を使用すれば、コンクリート面C1を均し板2自体の大きな振動で叩打しながら均すことができるため、不陸をなくすことができる。また、コンクリート面C1に均し板2で振動を与えることにより、図6に示すように、コンクリート面C1に露出している小石15や不純物などはコンクリート層内に埋没するとともに、セメント成分が浮いてくるので、仕上げ面C2の強度を高めることができる。また、均し板2の作業幅(長辺方向Lの長さL1)が大きいので、作業効率が大幅に向上する。
また、均し作業中の均し板2は、常にコンクリート面C1上に浮いた状態で滑動するため、仕上げ面C2に均し板2の跡が残ることがなく、作業は容易であり、作業者Wの肉体的負担も小さい。原動機8を作動させながら、操作ハンドル5を矢印Rの方向に軽く引っ張っていくだけで均し作業を行うことができるので、熟練技能者は不要であり、作業自体も極めて容易である。また、作業方向の転換は、操作ハンドル5を掴んだ状態で、均し板2をコンクリート面C1上で任意の支点を中心にして水平旋回させるだけ行うことができるため、極めて簡単である。
さらに、表面均し装置1を現場に搬入したり、搬出したりするとき、あるいは施工現場内で移動させるときは、均し板2の両端付近のフック14を握って、表面均し装置1全体を持ち上げることができるため、作業性が良好で、安全性も高い。また、前述したように、原動機8および操作ハンドル5はそれぞれ均し板2に対して着脱可能であるため、必要に応じて、原動機8や操作ハンドル5を均し板2から取り外せば、搬送作業はさらに容易となり、収納スペースも小さくてすむようになる。
表面均し装置1においては、振動発生機3を均し板2の長辺方向Lの中央部に配置しているため、均し板2全体がムラ無く均一に振動し、操作ハンドル5は振動発生機3を挟んで均し板2の長辺方向Lの対称位置にある複数の係止部4を介して均し板2に固定されているため、作業者Wの後退による引張力は均し板2全体に均等に伝わる。このため誰が作業を行ってもコンクリート面C1を均一に均すことができ、熟練技能者に頼る必要がなくなる。なお、表面均し装置1においては、振動発生機3は、均し板2の長辺方向Lの中央部であって、且つ、均し板2の重心上に配置されているため、均し板2全体をムラ無く均一に振動させることができるだけでなく、作業者Wが操作ハンドル5を握って後退する場合の安定性が良好であり、方向転換時における均し板2全体の水平旋回も容易に行うことができる。
また、本実施形態では、均し板2がコンクリート面C1に与える荷重を22kg/m2程度としているため、コンクリート面C1上に表面均し装置1を載置したとき、均し板2がコンクリート面C1に沈み込むことがなく、作業者Wが手で操作ハンドル5を持って軽く引っ張るだけで、振動状態にある均し板2はコンクリート面C1を極めてスムーズに滑動する。このため、操作ハンドル5を強い力で引っ張ることなく、コンクリート面C1を容易に均すことが可能であり、作業者Wの肉体的負担も軽減することができる。
また、振動発生機3として、回転軸6に偏心回転体7を有する原動機8を設けているため、スロットルレバー13を操作して原動機8の回転数をコントロールすることにより、均し板2を簡単に共振状態にセットすることができ、電源のない場所でも容易に作業を行うことができる。また、稼働中は、原動機8自体も振動を生じるので、均し板2に対する振動付与機能が高く、強い共振状態が得られるため、均し作業の効率化を図ることができる。また、回転軸6の複数箇所を軸支する軸受け部材9a,9bを均し板2に設けているため、偏心回転体7による振動は無駄なく均し板2に伝達され、優れた表面均し作用を発揮する。この場合、原動機8の回転軸6自体の振れ運動は軸受け部材9a,9bによって抑制されるため、原動機8の負担が軽減され、耐久性が向上する。
一方、軸受け部材9aは、均し板2よりも剛性の高い振動伝達部材12を介在させて均し板2に取り付けられているため、偏心回転体7による振動は、軸受け部材9aおよび振動伝達部材を12介して広範囲に効率良く伝わり、表面均し作用が向上する。本実施形態では、振動伝達部材12を均し板2の長辺部分に取り付けているため、偏心回転体7による振動は、均し板2の長辺方向L全体に渡る広い範囲に効率良く伝わり、表面均し作用のさらなる均等化を図ることができる。
また、図3,図4に示すように、振動発生機3は、固定板10および防振板11を介在させて均し板2の表面に固定しているため、均し板2の振動が振動発生機3に伝わるのを抑制することができる。このため、原動機8を固定しているボルト・ナット(図示せず)あるいは軸受け部材9a,9bを固定しているボルト・ナット16などが振動で緩んだり、振動による悪影響が原動機8に及んだりするのを防止することができ、耐久性の向上に有効である。
ここで、図7を参照して、表面均し装置1を構成する均し板2の構造、製作方法などについて説明する。図7は均し板2の長辺方向Lにおける断面図である。この図に示すように、均し板2を製作する場合、まず、互いに平行に配置された3本の木製角材21,22,23を、矩形状をした2枚の木製板材24,25で挟持するように貼着し、その四隅部分を丸めるとともに、後縁部分の下方を切削・研磨加工して凸曲面部2cを形成する。そして、前縁部分と底面との境界部分(角部分)に、補強部材2aを嵌め込むための段差部2dを形成し、この段差部2dおよび前縁部分に沿って断面L字状の補強部材2aを取り付ける。この後、露出面全体に耐水性、耐油性および耐セメント性を有するコーティング26を施して、振動伝達部材12を取り付ければ、均し板2が完成する。この均し板2の場合、その内部に複数の空洞部27が存在するので、比較的軽量であり、持ち運びが容易である。
なお、均し板2の構造は、図7に示すものに限定するものではないので、例えば、図8に示すような構造とすることもできる。図8は均し板に関するその他の実施の形態を示す断面図である。図示するように、矩形状をした1枚の板材31の四隅部分を丸めるとともに、後縁部分の下方を切削・研磨加工して凸曲面部2cを形成し、前縁部分と底面との境界部分(角部分)に段差部2dを形成し、この段差部2dおよび前縁部分に沿って断面L字状の補強部材2aを取り付ければ、均し板32の原形が出来上がる。この後、露出面全体に耐水性、耐油性および耐セメント性を有するコーティング26を施し、振動伝達部材12を取り付ければ、均し板32が完成する。均し板32は空洞部のない緻密な構造であり、強度が大であるため、さらに強力な振動を必要とする場合に好適である。その他の部分の構造、機能などは、前述した表面均し装置1と同様である。
次に、図9を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。図9は第二実施形態である表面均し装置を示す断面図である。図示する表面均し装置40は、上面部分が凹んだ舟形の均し板42の長辺方向Lの中央部に振動発生機3を配置するとともに、表面均し装置1と同様に操作ハンドル5が取り付けられている。均し板42の場合、後縁部分を上方に曲げた板材41の後縁部分および左右両縁部分にそれぞれ角材43を取り付け、後縁部分の下方に凸曲面部2cを形成し、前縁部分に補強部材2aを取り付け、露出面全体にコーティング26を施すことによって形成されている。
表面均し装置40においては、上面が凹んだ舟形の均し板42上に振動発生機3などが配置されているため、装置全体の重心位置を低くすることができる。このため、均し作業中の安定性がさらに向上する。また、均し板42の厚さが小さいため、振動発生機3の振動がコンクリート面に伝わりやすく、振動の減衰も少ないので、強力な均し作用を得ることができる。その他の部分の構造、機能などは、前述した表面均し装置1と同様である。
次に、図10〜図14を参照して、本発明の第三〜第五実施形態である表面均し装置について説明する。なお、図10〜図14において、図1〜図7と同じ符合を付している部分は、前述した表面均し装置1の構成部分と同じ機能、効果を発揮する部分であり、説明を省略する。
図10に示す表面均し装置50においては、均し板52の底面52bの前方寄りの領域(補強部材2a寄りの領域)に、均し板52の短辺方向Sと直交する4本の突条部53を等間隔に設けている。突条部53の長さは、均し板52の長辺方向Lの長さより短く、補強部材2aの長さより長くなっている。図11,図12に示すように、均し板52の短辺方向Sにおける突条部53の断面形状は、底面52bから突出した、頂上の丸い山形であり、その裾野部分は均し板52の底面52bに滑らかに連続している。
本実施形態の場合、図12に示すように、突条部53は、接着剤53bを用いて金属製の丸棒材53aを均し板52の底面52bに貼着することによって形成している。底面52bからの突条部53の突出高さは、作業条件などに応じて任意に定めることができるが、スランプ値が約5〜8程度の土木用コンクリートの場合、2mm〜10mm程度が好適である。
また、突条部53の本数、配置間隔、配置領域なども作業条件などに応じて任意に定めることができるが、均し作業中の均し板52が図6に示す傾斜状態となったときにコンクリート面C1と接触する可能性の高い、均し板52の底面52bの補強部材2a寄りの領域のうち、短辺方向Sの長さSの1/3〜1/2程度の領域に設けることが望ましい。
このように、均し板52の底面52bに均し板52の短辺方向Sと直交する4本の突条部53を設ければ、均し板52が、図10に示す矢印R方向に引っ張られる際に、コンクリート面に対し、突条部53による均し作用および平準化作用が生じるとともに、均し板52の振動が突条部53を介してコンクリート面に伝達される。このため、打設されたコンクリートのスランプ値が比較的小さく、コンクリート面が固い場合においても、優れた表面均し作用を得ることができる。
なお、均し板52の底面52bに設けられた4本の突条部53は、短辺方向Sと直交する直線形状であり、互いに等間隔に配置されているが、これらに限定するものではないので、作業条件などに応じて、突条部を短辺方向Sと斜めに交差した配置としたり、突条部をジグザグ形状あるいは波形状としたり、本数を増減したり、互いの配置間隔を変えたりすることができる。
次に、図13に示す第四実施形態の表面均し装置においては、均し板62の底面62bに、均し板62と同じ素材で一体的に複数の突条部63を設けている。これらの突条部63はいずれも均し板62と一体成形されているため、均し作業中のコンクリート面との摩擦や振動などによって突条部63が底面62bから浮いたり、外れたりすることを防止することができる。
また、図14に示す第五実施形態の表面均し装置においては、突条部53,63と同様の形状をした複数の突条部73を有する補助板材74が、ネジ75を用いて、均し板72の底面72bに着脱可能に固定されている。突条部73と補助板材74とは耐摩耗性の金属材料で一体的に形成されており、補助板材74の下面の平面部分は均し板72の底面72bと同一面をなすように取り付けられている。
複数の突条部73の作用、効果は、前述した突条部53,63と同様であるが、これらの突条部73は補助板材74とともに均し板72の底面72bに着脱可能であるため、突条部73が摩耗して性能が低下したときなどは、新たな補助板材74に取り替えることによって性能回復することができる。また、突条部73が不要である場合は、補助板材74に代えて、これと厚さの等しい平板材(図示せず)を取り付ければ、底面72b全体が平面化するため、図1,図3などに示した平面均し装置1と同様の機能、効果を得ることができる。
本発明は、鉄筋コンクリート建造物の建設工事現場などにおいて、床面などに打設されたコンクリート面を水平かつ平滑に均すための装置として広く利用することができる。
1,40,50 表面均し装置
2,32,42,52,62,72 均し板
2a 補強部材
2b,52b,62b,72b 底面
2c 凸曲面部
3 振動発生機
4 係止部
5 操作ハンドル
5a 把持部
5b 制振部
5c 傾斜部
6 回転軸
7 偏心回転体
8 原動機
9a,9b 軸受け部材
10 固定板
11 防振板
12 振動伝達部材
13 スロットルレバー
14 フック
15 小石
16 ボルト・ナット
21,22,23 木製角材
24,25 木製板材
26 コーティング
27 空洞部
31,41 板材
43 角材
53,63,73 突条部
53a 丸棒材
53b 接着剤
74 補助板材
75 ネジ
C1 コンクリート面
C2 仕上げ面
L 長辺方向
L1 長辺方向の長さ
S 短辺方向
S1 短辺方向の長さ
T 厚さ
R 矢印
W 作業者
2,32,42,52,62,72 均し板
2a 補強部材
2b,52b,62b,72b 底面
2c 凸曲面部
3 振動発生機
4 係止部
5 操作ハンドル
5a 把持部
5b 制振部
5c 傾斜部
6 回転軸
7 偏心回転体
8 原動機
9a,9b 軸受け部材
10 固定板
11 防振板
12 振動伝達部材
13 スロットルレバー
14 フック
15 小石
16 ボルト・ナット
21,22,23 木製角材
24,25 木製板材
26 コーティング
27 空洞部
31,41 板材
43 角材
53,63,73 突条部
53a 丸棒材
53b 接着剤
74 補助板材
75 ネジ
C1 コンクリート面
C2 仕上げ面
L 長辺方向
L1 長辺方向の長さ
S 短辺方向
S1 短辺方向の長さ
T 厚さ
R 矢印
W 作業者
Claims (6)
- 硬化前のコンクリート面上に底面を接触させた状態で滑動可能な平面視形状が矩形状の均し板と、前記均し板に振動を与えて共振させるため前記均し板の長辺方向の中央部に搭載された振動発生手段と、前記振動発生手段を挟んで前記均し板の長辺方向の対称位置に設けられた複数の係止部を介して前記均し板に固定された操作ハンドルとを備え、前記均し板の底面がコンクリート面に与える荷重が15kg/m2〜30kg/m2であることを特徴とする表面均し装置。
- 前記振動発生手段として、回転軸に偏心回転体を有する原動機を設けた請求項1記載の表面均し装置。
- 前記回転軸の少なくとも一部を軸支する軸受け部材を前記均し板に設けた請求項1または2記載の表面均し装置。
- 前記均し板よりも剛性の高い振動伝達部材を介在させて前記軸受け部材を前記均し板に取り付けた請求項3記載の表面均し装置。
- 前記振動伝達部材を前記均し板の長辺部分に設けた請求項4記載の表面均し装置。
- 前記均し板の底面に、当該均し板の短辺方向と交差する方向に配置された突条部を設けた請求項1〜5のいずれかに記載の表面均し装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005075612A JP2006257726A (ja) | 2005-03-16 | 2005-03-16 | 表面均し装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005075612A JP2006257726A (ja) | 2005-03-16 | 2005-03-16 | 表面均し装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016166478A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 鹿島建設株式会社 | コンクリートの締固め管理システム及びコンクリートの締固め管理方法 |
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-
2005
- 2005-03-16 JP JP2005075612A patent/JP2006257726A/ja active Pending
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