JP2006257618A - ポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成るトウおよび短繊維束およびパルプおよび液体分散体および紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバー集合体から成る特定のトウ、およびこれから得られる繊維の繊維長が0.1〜30mmである短繊維束、さらにパルプ中の繊維濃度が1重量%より大きく30重量%以下であるパルプ、さらに、液体分散体中の繊維濃度が0.00001重量%以上1重量%以下である液体分散体、さらに紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の粗大空隙が占める面積が紙の断面積に対し5%以下である紙。
【選択図】 なし
Description
(1)単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成るトウであって、トウ繊度が100〜100万dtexかつトウ中のポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの面積比率が95〜100%であるトウ。
(2)単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成る短繊維束であって、短繊維束繊度が100〜100万dtexかつ短繊維束中のポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの面積比率が95〜100%かつ短繊維の繊維長が0.1〜30mmである短繊維束。
(3)単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーと液体から成るパルプであって、パルプ中の繊維濃度が1重量%より大きく30重量%以下であるパルプ。
(4)単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの液体分散体であって、液体分散体中の繊維濃度が0.00001重量%以上1重量%以下である液体分散体。
(5)単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成る紙であって、紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の空隙が占める面積が紙の断面積に対し5%以下である紙。
(6)単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成る紙であって、紙の断面中で縦2μm以上、横2μm以上の空隙が占める面積が紙の断面積に対し20%以下である紙。
(7)(2)記載のポリフェニレンスルフィド・ナノファイバー短繊維束を叩解する際、界面活性剤および/または消泡剤が添加されていることを特徴とするポリフェニレンスルフィド・ナノファイバー短繊維束の叩解方法。
東洋精機キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
Perkin Elmaer DSC−7を用いて2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。この時の昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
繊維の横断面方向に超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)で繊維横断面を観察した。必要に応じて金属染色を施した。
E.ナノファイバーの単繊維の平均直径
TEMによる繊維横断面写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて、各単繊維の横断面積から円換算直径を求める。そして、無作為抽出した300本の単繊維の直径を横断面の面積ベースで平均し、これから平均直径を算出することができる。より具体的には、各単繊維の横断面積をSiとするとΣSi(i=1〜n)/nにより単繊維の平均横断面積(Sav)を求め、これから円換算で平均直径(Dav)をDav=(4Sav/π)1/2により求める。nは300以上である。
上記TEM観察の単繊維直径データを用い、PPSナノファイバーそれぞれの単繊維の面積をSiとしその総和を総面積(S1+S2+…+Sn)とする。また、同じ単繊維直径を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を総面積で割ったものをその単繊維の繊維比率とした。この時、計算に用いるナノファイバーは同一横断面内で無作為抽出した300本以上を使用した。
繊維に白金−パラジウム合金を蒸着し、走査型電子顕微鏡で繊維側面を観察した。
H.力学特性
室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り伸度として強伸度曲線を求めた。
セイコー・インストルメンツ社製TG/DTA6200を用い、チッソ雰囲気下で室温から10℃/分で300℃まで昇温し、その後300℃で5分間保持した時の重量減少率を測定した。
トウの概略形からトウの体積を計算し、これとトウ繊度からトウの繊維密度を計算した。
ナノファイバーの平均直径とトウ横断面の概略形から計算した。
参考例1
溶融粘度280Pa・s(300℃、1216sec−1)のPETを80重量%、溶融粘度160Pa・s(300℃、1216sec−1)のPPSを20重量%として、下記条件で2軸押出混練機を用いて溶融混練を行った。ここで、PPSは直鎖型で分子鎖末端がカルシウムイオンで置換された物を用いた。また、ここで用いたPETを300℃で5分間保持した時の重量減少率は0.9%であった。
混練部長さはスクリュー有効長さの34%
混練部はスクリュー全体に分散させた。
ポリマー供給 PPSとPETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
ベント 無し
ここで得られたポリマーアロイ溶融体をそのまま紡糸機に導き、紡糸を行った。この時紡糸温度は315℃、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度292℃とした口金から溶融紡糸した。この時、口金としては、吐出孔上部に直径0.3mmの計量部を備えた、吐出孔径が0.6mmのものを用いた。そして、この時の単孔あたりの吐出量は1.1g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点までの距離は7.5cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、脂肪酸エステルが主体の工程油剤が給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して1000m/分で巻き取られた。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。そして、これを第1ホットローラーの温度を100℃、第2ホットローラーの温度を130℃として延伸熱処理した。この時、第1ホットローラーと第2ホットローラー間の延伸倍率を3.3倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は400dtex、240フィラメント、強度4.4cN/dtex、伸度27%、U%=1.3%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEM観察した写真を図2に示すが、海ポリマーであるPET中にPPSが島として直径100nm未満で均一に分散していた。また、島の円換算直径を画像解析ソフトWINROOFで解析したところ、島の平均直径65nmであり、直径100nm以上の島比率は0%であった。
PETのブレンド率を60重量%、PPSのブレンド率を40重量%とし、延伸倍率を3.1倍として参考例1と同様に紡糸、延伸を行い、430dtex、240フィラメント、強度4.4cN/dtex、伸度26%、U%=1.4%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEM観察したところ、海ポリマーであるPET中にPPSが島として均一に分散していることが分かった。また、島の円換算直径を画像解析ソフトWINROOFで解析したところ、島の平均直径76nmであり、直径100nm以上の島比率は7%、直径150nm以上の島比率は0%であった(島直径最大値は116nmであった)。
参考例2と同様の条件で溶融混練を行い、一旦ポリマーアロイペレットを得た。このポリマーアロイペレットを乾燥した後、紡糸機に投入した。このポリマーアロイペレットを315℃で溶融し、紡糸温度315℃のスピンブロックに導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度292℃とした口金から溶融紡糸した。この時、口金としては、吐出孔上部に直径0.3mmの計量部を備えた、吐出孔径が0.6mmのものを用いた。そして、この時の単孔あたりの吐出量は1.1g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点までの距離は10cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、脂肪酸エステルが主体の工程油剤が給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して1000m/分で引き取ら、この糸条を20本集めて糸条ボックスに落とした。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。さらにこれを40本集めてポリマーアロイ繊維から成るトウを形成し、100℃のスチーム延伸を行った。この時、延伸倍率を2.8倍とした。得られたポリマーアロイ繊維トウは77万dtexであった。ここで糸条を1本取り出し上記条件でスチーム延伸し物性を測定したところ、強度4.0cN/dtex、伸度35%、U%=1.5%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEM観察したところ、海ポリマーであるPET中にPPSが島として均一に分散していることが分かった。また、島の円換算直径を画像解析ソフトWINROOFで解析したところ、島の平均直径80nmであり、直径100nm以上の島比率は8%、直径150nm以上の島比率は0%であった。
重量平均分子量5万のPPSを紡糸温度320℃で溶融紡糸し、引き取り速度800m/分で紡糸し未延伸糸糸条を得、これを合糸した。そして100℃、3.2倍でスチーム延伸を施し、単繊維繊度1dtex(繊維直径12μm)、トウ繊度10万dtexのPPSトウを得た。
参考例1で得たポリマーアロイ繊維をかせ取りし、繊度10万dtexのかせ状のトウとした。この時、トウ外周を綿糸で結んで30cm毎に固定することで、脱海処理中にトウがバラバラになることを抑制した。そして、このトウの繊維密度が0.05g/cm3となるようにかせ張力を調製し、かせを脱海するための2本のバーを有するバッチ式脱海装置にセットした。そして、このトウを98℃、10重量%水酸化ナトリウム水溶液に減量促進剤として明成化学工業(株)社製「マーセリンPES」5%owfを併用してアルカリ加水分解処理し、ポリマーアロイ繊維から海ポリマーであるPETを脱海し、トウ繊度2万dtexのPPSナノファイバーから成るトウを得た。ここで得られたPPSナノファイバーの横断面をTEM観察した(図1)ところ、平均直径は60nm、直径100nm以上の比率は0%(最大直径で86nm)であった。なお図1ではナノファイバー単繊維同士が接着しているように見えるが、これはTEMのコントラストが出にくいためであると考えられる。また、このPPSナノファイバーの側面をSEM観察したところ、PPSナノファイバーは分岐を全く持っていない物であった。このPPSナノファイバーから成るトウは脱海前後の重量変化から完全に脱海されPPSナノファイバー100%となっていることが確認できた。このPPSナノファイバーから成るトウは前駆体であるポリマーアロイ繊維から成るトウとは異なり、全体に固着しており、PPSナノファイバー単繊維の平均繊維径とトウの断面積から計算すると、トウ中のPPSナノファイバーの本数密度は10万本/mm2以上であった。
参考例2で得たポリマーアロイ繊維をかせ取りし、繊度13万dtexのかせ状のトウとした。この時、トウ外周を綿糸で結んで30cm毎に固定することで、脱海処理中にトウがバラバラになることを抑制した。そして、このトウの繊維密度は0.05g/cm3となるようにかせ張力を調製しながらステンレス製の枠に固定した(図3)。そしてこれを95℃、10重量%水酸化ナトリウム水溶液に減量促進剤として明成化学工業(株)社製「マーセリンPES」5%owfを併用してアルカリ加水分解処理し、ポリマーアロイ繊維から海ポリマーであるPETを脱海し、トウ繊度5万dtexのPPSナノファイバーから成るトウを得た。ここで得られたPPSナノファイバーの横断面をTEM観察したところ、平均直径は80nm、直径100nm以上の比率は8%(最大直径で129nm)、直径150nm以上の比率は0%であった。また、このPPSナノファイバーの側面をSEM観察したところ、PPSナノファイバーは分岐を全く持っていない物であった。また、このPPSナノファイバーから成るトウは脱海前後の重量変化から完全に脱海されPPSナノファイバー100%となっていることが確認できた。このPPSナノファイバーから成るトウは前駆体であるポリマーアロイ繊維から成るトウとは異なり、全体に固着しており、PPSナノファイバーの平均繊維径とトウの断面積から計算すると、トウ中のPPSナノファイバーの本数密度は10万本/mm2以上であった。
参考例3で得たポリマーアロイ繊維から成るトウにクリンパーで捲縮を施し、整トウした。そして、このトウを、95℃、10重量%水酸化ナトリウム水溶液に減量促進剤として明成化学工業(株)社製「マーセリンPES」5%owfを併用した脱海処理液に連続的に通してアルカリ加水分解処理し、ポリマーアロイ繊維から海ポリマーであるPETを脱海し、トウ繊度31万dtexのPPSナノファイバーから成るトウを得た。この時、トウが脱海装置に入る時に繊維密度が0.05g/cm3となるよう工程張力を調製した。ここで得られたPPSナノファイバーの横断面をTEM観察したところ、平均直径は80nm、直径100nm以上の比率は8%(最大直径で129nm)、直径150nm以上の比率は0%であった。また、このPPSナノファイバーの側面をSEM観察したところ、PPSナノファイバーは分岐を全く持っていない物であった。また、このPPSナノファイバーから成るトウは脱海前後の重量変化から完全に脱海されPPSナノファイバー100%となっていることが確認できた。このPPSナノファイバーから成るトウは前駆体であるポリマーアロイ繊維から成るトウとは異なり、全体に固着しており、PPSナノファイバーの平均繊維径とトウの断面積から計算すると、トウ中のPPSナノファイバーの本数密度は10万本/mm2以上であった。
参考例4で得た未延伸糸を合糸してトウとなし、繊維長5mmにカットしてPPS未延伸糸短繊維を得た。また、参考例4で得たPPS延伸糸トウをやはり繊維長5mmにカットしてPPS延伸糸短繊維を得た。そして未延伸糸を30重量%、延伸糸を70重量%の割合で、トータル繊維濃度が0.4重量%となるよう水に分散させた。この分散液を抄紙することで目付け25g/m2のPPS紙を得た。これを180℃で熱プレス加工し、緻密化させたPPS紙を得た。しかし、熱プレス加工しても紙表面のPPS繊維が潰れるだけであり、紙中の粗大空隙を充分に潰すことはできず、紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の粗大空隙が占める面積は紙の断面積に対し7%以上であった。また、紙の断面中で縦2μm以上、横2μm以上の中程度の空隙が占める面積は紙の断面積に対し22%以上であった。
実施例3で得た繊維濃度10重量%のPPSナノファイバーから成るパルプ5.5gと第一工業製薬社製「ノイゲンEA−87」5.5gを実施例3と同様に5分間分散した後、水を加えPPSナノファイバー水分散体を得た。これの繊維濃度は0.01重量%であった。これを実施例1と同様に抄紙を行い目付21g/m2の自己支持性のPPS紙を得た。これは、紙力に優れ容易に破ける物ではなかった。また、紙構造のためPPSフィルムに比べ柔軟性に富む物であり、加工性に優れていた。また、直径50μm以上のピンホールはゼロであった。また、この紙を注意深くカットし紙の断面を観察したところ、紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の粗大空隙が占める面積が紙の断面積に対し0%であり粗大空隙の無い均一な紙であることがわかった。また、紙の断面中で縦2μm以上、横2μm以上の中程度の空隙が占める面積が紙の断面積に対し0.3%であり中程度の空隙もほとんど有さない均一な紙であった。一方、このPPS紙の表面をSEMで観察したところ、ナノレベルの細孔を多数含む紙であり、このままでも液体フィルターや2次電池やキャパシター用セパレーターなどに好適であった。
実施例1で得た繊維濃度0.003重量%の液体分散体をスプレーノズルから多孔質の支持体としてポリプロピレン(以下PPと略す)のメルトブロー不織布(東レ(株)社製トレミクロン)に5回吹き付けて、40℃で30分間乾燥した。これにより、PP不織布上に厚み2μmのPPS紙を形成させた。このPPS紙では、直径50μm以上のピンホールはゼロであった。また、この紙を注意深くカットし紙の断面を観察したところ、紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の粗大空隙、縦2μm以上、横2μm以上の中程度の空隙とも0%であり均一な紙であることがわかった。一方、このPPS紙の表面をSEMで観察したところ、ナノレベルの細孔を多数含む紙であり、このままでも液体フィルターや2次電池やキャパシター用セパレーターなどに好適であった。
スプレー回数を100回として実施例5と同様にPP不織布上に厚み30μmPPS紙を形成させた。このPPS紙では、直径50μm以上のピンホールはゼロであった。また、この紙を注意深くカットし紙の断面を観察したところ、紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の粗大空隙、縦2μm以上、横2μm以上の中程度の空隙とも0%であり均一な紙であることがわかった。
実施例1で得たPPSナノファイバーから成る液体分散体と比較例1で得たPPS短繊維の水分散体を固形分濃度で1:9となるように混合し、実施例1と同様に抄紙を行い、目付30g/m2の自己支持性のPPS紙を得た。このPPS紙では、太繊度PPS繊維が形成する粗大空隙をPPSナノファイバーが充填しており、直径50μm以上のピンホールは4個/m2であった。また、この紙を注意深くカットし紙の断面を観察したところ、紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の粗大空隙は1%、縦2μm以上、横2μm以上の中程度の空隙とも3%であり均一な紙であることがわかった。
特開2004−2156号公報に準じ、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)をクロロホルム中に分散させた。この時のSWCNT濃度は0.0003重量%であった。実施例1で得た繊維濃度10重量%のPPSナノファイバーから成るパルプ中の水をクロロホルムで置換し、第一工業製薬社製「ノイゲンEA−87」をPPSナノファイバーの固形分と等量加え5分間分散させ、繊維濃度0.001重量%のPPSナノファイバー・クロロホルム分散体を得た。これと先に調整したSWCNT・クロロホルム分散体を10:1で混合し、実施例1と同様に抄紙を行い、PPSナノファイバーとSWCNTがナノレベルで混合された目付18g/m2の自己支持性の導電性ペーパーを得た。得られたPPS紙の目付は18g/m2と薄いものであったが、紙力に優れ容易に破ける物ではなかった。また、紙構造のためPPSフィルムに比べ柔軟性に富む物であり、加工性に優れていた。また、直径50μm以上のピンホールはゼロであった。また、この紙を注意深くカットし紙の断面を観察したところ、紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の粗大空隙が占める面積が紙の断面積に対し0%であり粗大空隙の無い均一な紙であることがわかった。また、紙の断面中で縦2μm以上、横2μm以上の中程度の空隙が占める面積が紙の断面積に対し0.5%以下であり中程度の空隙もほとんど有さない均一な紙であった。この紙表面および断面をSEM観察すると、SWCNTとPPSナノファイバーがナノレベルで混合されており、またSWCNTはかなりの部分連続構造となっていた。これは電極材などに好適な物であった。
2:トウ
3:脱海処理槽
4:ローラー
5:ポリマーアロイ繊維から成るトウ
6:脱海処理液
7:フタ
8:PPSナノファイバーから成るトウ
Claims (16)
- 単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成るトウであって、トウ繊度が100〜100万dtexかつトウ中のポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの面積比率が95〜100%であるトウ。
- トウ中のポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの本数密度が5000本/mm2以上である請求項1記載のトウ。
- 単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成る短繊維束であって、短繊維束繊度が100〜100万dtexかつ短繊維束中のポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの面積比率が95〜100%かつ短繊維の繊維長が0.1〜30mmである短繊維束。
- 単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーと液体から成るパルプであって、パルプ中の繊維濃度が1重量%より大きく30重量%以下であるパルプ。
- 単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの液体分散体であって、液体分散体中の繊維濃度が0.00001重量%以上1重量%以下である液体分散体。
- 単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成る紙であって、紙の断面中で縦10μm以上、横10μm以上の粗大空隙が占める面積が紙の断面積に対し5%以下である紙。
- 単繊維の平均直径が1〜1500nmであって直径1500〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成る紙であって、紙の断面中で縦2μm以上、横2μm以上の空隙が占める面積が紙の断面積に対し20%以下である紙。
- 紙の表から裏へ貫通する直径50μm以上の孔の個数が0〜1000個/cm2である請求項6または7記載の紙。
- 単繊維の平均直径が1〜200nmであるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成る請求項1〜8のいずれか1項記載のトウまたは短繊維束またはパルプまたは液体分散体または紙。
- 直径200〜5000nmの単繊維の比率が0〜5%であるポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーから成る請求項9記載のトウまたは短繊維束またはパルプまたは液体分散体または紙。
- ポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーを構成するポリフェニレンスルフィドが末端封鎖されている請求項1〜10のいずれか1項記載のトウまたは短繊維束またはパルプまたは液体分散体または紙。
- ポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの繊維長と繊維直径の比が10以下の繊維の比率が0〜5%である請求項3〜11のいずれか1項記載の短繊維束またはパルプまたは液体分散体または紙。
- 分岐を有するポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーの本数が0〜3%である請求項1〜12のいずれか1項記載のトウまたは短繊維束またはパルプまたは液体分散体または紙。
- 請求項5〜13のいずれか1項記載のポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーとそれ以外の物質が混用されている液体分散体または紙。
- 請求項1〜13のいずれか1項記載のポリフェニレンスルフィド・ナノファイバーとポリフェニレンスルフィド・ナノファイバー以外の繊維が混用されているトウまたは短繊維束またはパルプまたは液体分散体または紙。
- 請求項3記載の短繊維束を叩解する際、界面活性剤および/または消泡剤が添加されていることを特徴とするポリフェニレンスルフィド・ナノファイバー短繊維束の叩解方法。
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