JP2006257147A - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2種以上の多価アルコール、特に20℃にて固形の多価アルコールを用いて製造されるポリエステルにおいて、その製造効率や品質の観点からの向上を可能とする
【解決手段】 1種または2種以上の多価カルボン酸またはそのエステル化物と2種以上の多価アルコールを用いてエステル化反応またはエステル交換反応を行った後重縮合を行う共重合ポリエステルの製造方法において、20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールと混合し溶解してから、当該混合液を反応缶に投入してエステル化、エステル交換、重縮合、解重合反応のうち少なくともいずれかの反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 1種または2種以上の多価カルボン酸またはそのエステル化物と2種以上の多価アルコールを用いてエステル化反応またはエステル交換反応を行った後重縮合を行う共重合ポリエステルの製造方法において、20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールと混合し溶解してから、当該混合液を反応缶に投入してエステル化、エステル交換、重縮合、解重合反応のうち少なくともいずれかの反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法に関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は共重合ポリエステルの製造方法に関する。さらに詳しくは特に2種以上の多価アルコールを用いて共重合ポリエステルを製造する際に効率的に重縮合を行うことの出来るポリエステルの製造方法に関する。
ポリエステルは多価カルボン酸と多価アルコールを用いてエステル化反応を行うかあるいはジメチルエステル等の多価カルボン酸エステル化物と多価アルコールを用いてエステル化反応を行った後、必要に応じて真空にして、重縮合反応を行うことにより製造される。その際、3種以上の多価カルボン酸(またはそのエステル化物)と多価アルコールを用いて製造されるポリエステル樹脂は共重合ポリエステルと称され、塗料用のバインダー、接着剤、各種コーティング剤等に多用されている(例えば特許文献1参照)。
共重合ポリエステルは複数の原料を反応缶に投入する必要があるので、その行程や製造設備は通常のレギュラーPET(テレフタル酸//エチレングリコール)の製造工程に比べて複雑である。特に20℃にて固形の多価アルコールを反応缶に投入する際には、反応缶から上昇してくるグリコール等の蒸気により20℃にて固形の多価アルコールは一部溶解したりして糊状となり投入効率が低下する問題や、最悪の場合反応缶へ通ずる仕込みラインにて固化し詰まってしまう問題をしばしば生じていた。また、特にネオペンチルグリコール等は昇華性があり、特に100℃以上の高温にて反応缶に投入して場合、大量に昇華が起こり、前記仕込みラインの詰まりの問題に加えて、投入したネオペンチルグリコールの全てがポリエステルの反応に関与せずに、グリコール組成がずれてしまい、品質の安定化が難しいという課題もあった。
例えば特許文献2には、グリコール成分が2−メチル−1,3−プロパンジオール/ネオペンチルグリコールの組成のポリエステルの製造法が実施例に記載されているが、その多価アルコールの具体的な投入方法は示されていない。
本発明は特に2種以上の多価アルコール、特に20℃にて固形の多価アルコールを用いて製造されるポリエステルにおいて、その製造効率や品質の観点からの向上を可能とすることをその目的とする。
本発明者は上記従来技術やその問題点に鑑み鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の共重合ポリエステル樹脂の製造方法である。
1種または2種以上の多価カルボン酸またはそのエステル化物と2種以上の多価アルコールを用いてエステル化反応またはエステル交換反応を行った後重縮合を行う共重合ポリエステルの製造方法において、20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールと混合し溶解してから、当該混合液を反応缶に投入してエステル化、エステル交換、重縮合反応、解重合反応のうち少なくともいずれかの反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法に関する。
1種または2種以上の多価カルボン酸またはそのエステル化物と2種以上の多価アルコールを用いてエステル化反応またはエステル交換反応を行った後重縮合を行う共重合ポリエステルの製造方法において、20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールと混合し溶解してから、当該混合液を反応缶に投入してエステル化、エステル交換、重縮合反応、解重合反応のうち少なくともいずれかの反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法に関する。
本発明は、20℃にて固形の多価アルコールを用いて製造される共重合ポリエステルにおいてしばしば懸念されていた投入の際の投入効率が低下する問題、仕込みラインにて固化し詰まってしまう問題、グリコール組成安定化に寄与することができる。従って本発明により当該ポリエステルの製造効率とその品質を飛躍的に高めるという効果を奏する。
本発明は、1種または2種以上の多価カルボン酸またはそのエステル化物と2種以上の多価アルコールを用いてエステル化反応またはエステル交換反応を行った後重縮合を行う共重合ポリエステルの製造方法に適用される。その際、20℃にて固形の多価アルコールと20℃にて液状の多価アルコールを用いて製造される共重合ポリエステルの製造方法に適用される。
20℃にて固形の多価アルコールとは特に限定されないが、例えばネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の3価以上のポリアルコール等挙げることができ、これらの中から1種、又はそれ以上を選び使用できる。このうち、昇華性のあるネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールのいずれかを用いた場合、組成ずれの問題を解決する上で効率的である。特にネオペンチルグリコールを用いる際にその効果が顕著である。
20℃にて液状の多価アルコールとは特に限定されないが、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエーテルグリコール類が挙げることができ、これらの中から1種、又はそれ以上を選び使用できる。これらのうち、20℃にて固形の多価アルコールとの相溶性や溶解性の観点からエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族グリコール、ジエチレングリコールから選ばれるものを用いることが好ましく、特にエチレングリコールが好ましい。
20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールと混合比は特に限定されず、20℃にて液状の多価アルコールに20℃にて固形の多価アルコールが溶解可能な範囲であればいかなる範囲でも可能であるが、特に20℃にて液状の多価アルコール/20℃にて固形の多価アルコール=100/1〜400(質量比)の範囲にあることが溶解効率等を考慮すると好ましい範囲である。
本発明において、20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールに溶解する行程は加温して行った方が効率的であるが、室温で行っても全く差し支えない。その際攪拌を行った方が効率的であることは言うまでもない。また、20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールに溶解するのは共重合ポリエステルの製造に用いる全ての多価アルコールを用いてもその一部のみを用いても良い。例えば、エチレングリコールとネオペンチルグリコールを共重合する際、エチレングリコールの全仕込量のうち、半分をネオペンチルグリコールの溶解に用いて混合液となしてから反応缶に投入し、残りのエチレングリコールは別途投入しても全く差し支えない。20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールに溶解する行程のために別途反応缶と仕込みラインにて連結された溶解釜を有する設備を用いる方が効率的ではあるが、オフラインの溶解釜にて混合液を製造してドラム缶や貯蔵タンク等に貯蔵し、仕込み時に反応缶に漏斗を取り付けてドラム缶反転機等を用いてそのまま投入しても良い。
本発明において、反応缶の温度が70℃〜300℃に加温した状態で混合液を投入することが、本発明の効果を高める上で好ましい。反応缶を冷却すると加温に時間がかかり製造効率が低下するため、或る程度加温した状態で原料を仕込むのが一般的である。かかる加温状態では前述の投入の際の投入効率が低下する問題、仕込みラインにて固化し詰まってしまう問題、グリコール組成安定化の問題が顕著であるからである。好ましい反応缶の温度は120℃〜220℃である。
本発明において用いることのできる多価カルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、テルペン−マレイン酸付加体などの不飽和ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、(無水)トリメリト酸、(無水)ピロメリト酸、メチルシクロへキセントリカルボン酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられ、これらの中から1種または2種以上を選択し使用できる。またこれらのメチルエステルやエチルエステル等のエステル化物を用いることが出来る。
上記のようにして製造した20℃にて固形の多価アルコールと20℃にて液状の多価アルコールの混合液はエステル化反応(交換反応)の前に反応缶に投入しても良いし、その反応途中に再度添加しても良い。またそれら反応の終了後であり、重縮合反応前に投入しても良い。さらには重縮合反応終了後に解重合を行うために投入しても良い。その他の投入する原料との関係としては特に1種または2種以上の多価カルボン酸またはそのエステル化物を投入する前に当該混合液を投入する順序が好ましい。多価カルボン酸またはそのエステル化物は通常固体状であることが多く、先に添加すると反応缶内で固化してしまい、攪拌することが困難になったり、あるいはエステル化やエステル交換反応に長時間を要し、製造効率が低下したりするからである。
本発明においては、2種以上の多価アルコールを投入する際、1分以上の時間を要する大スケールの製造工程においてその効果を顕著に発揮する。上限は特に限定されないが45分以内が一般的である。大スケールとは例えば50〜5000kgの樹脂を製造する工程である。
本発明の製造方法において、重縮合反応は真空下にて脱多価アルコール反応によって行う製造方法に適用しても良いし、常圧下で脱水反応によって行う製造方法に適用しても良い。
本発明の製造方法においては従来知られた重合触媒や安定剤、添加剤等を問題なく用いることが出来る。
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、ポリエステル樹脂の物性値測定は以下の方法により行った。
ポリエステル樹脂の組成
ポリエステル樹脂を、重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
ポリエステル樹脂を、重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度
ポリエステル樹脂サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度はガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
ポリエステル樹脂サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度はガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
ポリエステル樹脂の還元粘度
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒25cm3に溶かし、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒25cm3に溶かし、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
[実施例1]
攪拌機、コンデンサーを備えたステンレス製溶解釜にエチレングリコール136.4kg、ネオペンチルグリコール187.2kgを室温にて投入し、攪拌して溶解した。およそ30分で溶解が完了した。その後この混合液をドラム缶に取り出した。
次いで攪拌機、溜出用コンデンサーを備えたステンレス製重合釜を150℃に加温し、その投入口に漏斗を取り付け、ドラム反転機を用いて上記の混合液を13分かけて投入し、攪拌を開始した。次いでテレフタル酸166kg、イソフタル酸66.4kg、セバシン酸121.2kgを仕込み、2.0kgf/cm3の加圧下、3時間かけて235℃まで昇温し、水を溜出させエステル化反応を行った。エステル化反応終了後チタンテトラブトキシド0.14kg添加して10分攪拌後、30分かけて650Paまで初期減圧重合を行うと共に温度を255℃まで昇温し、さらにこのまま130Pa以下で45分間後期重合を行った。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度は8℃、還元粘度0.55dl/gであった。樹脂組成はテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/19/29//41/59(モル比)であった。
攪拌機、コンデンサーを備えたステンレス製溶解釜にエチレングリコール136.4kg、ネオペンチルグリコール187.2kgを室温にて投入し、攪拌して溶解した。およそ30分で溶解が完了した。その後この混合液をドラム缶に取り出した。
次いで攪拌機、溜出用コンデンサーを備えたステンレス製重合釜を150℃に加温し、その投入口に漏斗を取り付け、ドラム反転機を用いて上記の混合液を13分かけて投入し、攪拌を開始した。次いでテレフタル酸166kg、イソフタル酸66.4kg、セバシン酸121.2kgを仕込み、2.0kgf/cm3の加圧下、3時間かけて235℃まで昇温し、水を溜出させエステル化反応を行った。エステル化反応終了後チタンテトラブトキシド0.14kg添加して10分攪拌後、30分かけて650Paまで初期減圧重合を行うと共に温度を255℃まで昇温し、さらにこのまま130Pa以下で45分間後期重合を行った。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度は8℃、還元粘度0.55dl/gであった。樹脂組成はテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/19/29//41/59(モル比)であった。
[実施例2]
攪拌機、コンデンサーを備えたステンレス製溶解釜と攪拌機、溜出用コンデンサーを備えたステンレス製重合釜をバルブ付き仕込みラインで連結した反応設備を用いた。溶解釜にエチレングリコール136.4kg、ネオペンチルグリコール187.2kgを室温にて投入し、攪拌して溶解した。およそ30分で溶解が完了した。次いで重合釜を150℃に加温し、仕込みラインのバルブを解放して混合液を6分かけて投入し、攪拌を開始した。次いでテレフタル酸166kg、イソフタル酸66.4kg、セバシン酸121.2kgを仕込み、2.0kgf/cm3の加圧下、3時間かけて235℃まで昇温し、水を溜出させエステル化反応を行った。エステル化反応終了後チタンテトラブトキシド0.14kg添加して10分攪拌後、30分かけて650Paまで初期減圧重合を行うと共に温度を255℃まで昇温し、さらにこのまま130Pa以下で45分間後期重合を行った。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度は8℃、還元粘度0.55dl/gであった。樹脂組成はテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/19/29//41/59(モル比)であった。
攪拌機、コンデンサーを備えたステンレス製溶解釜と攪拌機、溜出用コンデンサーを備えたステンレス製重合釜をバルブ付き仕込みラインで連結した反応設備を用いた。溶解釜にエチレングリコール136.4kg、ネオペンチルグリコール187.2kgを室温にて投入し、攪拌して溶解した。およそ30分で溶解が完了した。次いで重合釜を150℃に加温し、仕込みラインのバルブを解放して混合液を6分かけて投入し、攪拌を開始した。次いでテレフタル酸166kg、イソフタル酸66.4kg、セバシン酸121.2kgを仕込み、2.0kgf/cm3の加圧下、3時間かけて235℃まで昇温し、水を溜出させエステル化反応を行った。エステル化反応終了後チタンテトラブトキシド0.14kg添加して10分攪拌後、30分かけて650Paまで初期減圧重合を行うと共に温度を255℃まで昇温し、さらにこのまま130Pa以下で45分間後期重合を行った。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度は8℃、還元粘度0.55dl/gであった。樹脂組成はテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/19/29//41/59(モル比)であった。
[実施例3]
攪拌機、コンデンサーを備えたステンレス製溶解釜と攪拌機、溜出用コンデンサーを備えたステンレス製重合釜をバルブ付き仕込みラインで連結した反応設備を用いた。溶解釜に1,4−ブタンジオール195kg、ジエチレングリコール210kg、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1000)100kgを室温にて投入し、攪拌して溶解した。およそ20分で溶解が完了した。次いで重合釜を150℃に加温し、仕込みラインのバルブを解放して混合液を10分かけて投入し、攪拌を開始した。次いでテレフタル酸ジメチルエステル300kg、イソフタル酸ジメチルエステル100kg、チタンテトラブトキシド0.14kgを仕込み、常圧下、3時間かけて235℃まで昇温し、メタノールを溜出させエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後10分攪拌後、30分かけて650Paまで初期減圧重合を行うと共に温度を255℃まで昇温し、さらにこのまま130Pa以下で50分間後期重合を行った。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度は−65℃、還元粘度1.20dl/gであった。樹脂組成はテレフタル酸/イソフタル酸//1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール=75/25//55/40/5(モル比)であった。
攪拌機、コンデンサーを備えたステンレス製溶解釜と攪拌機、溜出用コンデンサーを備えたステンレス製重合釜をバルブ付き仕込みラインで連結した反応設備を用いた。溶解釜に1,4−ブタンジオール195kg、ジエチレングリコール210kg、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1000)100kgを室温にて投入し、攪拌して溶解した。およそ20分で溶解が完了した。次いで重合釜を150℃に加温し、仕込みラインのバルブを解放して混合液を10分かけて投入し、攪拌を開始した。次いでテレフタル酸ジメチルエステル300kg、イソフタル酸ジメチルエステル100kg、チタンテトラブトキシド0.14kgを仕込み、常圧下、3時間かけて235℃まで昇温し、メタノールを溜出させエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後10分攪拌後、30分かけて650Paまで初期減圧重合を行うと共に温度を255℃まで昇温し、さらにこのまま130Pa以下で50分間後期重合を行った。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度は−65℃、還元粘度1.20dl/gであった。樹脂組成はテレフタル酸/イソフタル酸//1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール=75/25//55/40/5(モル比)であった。
[比較例1]
攪拌機、溜出用コンデンサーを備えたステンレス製重合釜の投入口に漏斗を取り付け、テレフタル酸166kg、イソフタル酸66.4kg、セバシン酸121.2kg、エチレングリコール136.4kg、ネオペンチルグリコール187.2kgをこの順番で仕込んだ。エチレングリコールまでの投入については特に問題はなかったが、ネオペンチルグリコールを投入する際、ネオペンチルグリコールが糊状になり、漏斗のところで固化して投入に1時間12分を要した。また、多量のネオペンチルグリコールが反応缶の外部にこぼれてしまった。さらに投入中にネオペンチルグリコールが昇華して投入口の周囲に多量に付着した。次いで攪拌しながら2.0kgf/cm3の加圧化、3時間かけて235℃まで昇温し、水を溜出させエステル化反応を行った。エステル化反応終了後チタンテトラブトキシド0.14kgを添加して10分攪拌後、30分かけて650Paまで初期減圧重合を行うと共に温度を255℃まで昇温し、さらにこのまま130Pa以下で45分間後期重合を行った。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度は12℃、還元粘度0.44dl/gであった。樹脂組成はテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/19/29//46/54(モル比)であった。
攪拌機、溜出用コンデンサーを備えたステンレス製重合釜の投入口に漏斗を取り付け、テレフタル酸166kg、イソフタル酸66.4kg、セバシン酸121.2kg、エチレングリコール136.4kg、ネオペンチルグリコール187.2kgをこの順番で仕込んだ。エチレングリコールまでの投入については特に問題はなかったが、ネオペンチルグリコールを投入する際、ネオペンチルグリコールが糊状になり、漏斗のところで固化して投入に1時間12分を要した。また、多量のネオペンチルグリコールが反応缶の外部にこぼれてしまった。さらに投入中にネオペンチルグリコールが昇華して投入口の周囲に多量に付着した。次いで攪拌しながら2.0kgf/cm3の加圧化、3時間かけて235℃まで昇温し、水を溜出させエステル化反応を行った。エステル化反応終了後チタンテトラブトキシド0.14kgを添加して10分攪拌後、30分かけて650Paまで初期減圧重合を行うと共に温度を255℃まで昇温し、さらにこのまま130Pa以下で45分間後期重合を行った。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度は12℃、還元粘度0.44dl/gであった。樹脂組成はテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/19/29//46/54(モル比)であった。
本発明は、20℃にて固形の多価アルコールを用いて製造される共重合ポリエステルにおいてしばしば懸念されていた投入の際の投入効率が低下する問題、仕込みラインにて固化し詰まってしまう問題、グリコール組成安定化に寄与することができる。従って本発明により当該ポリエステルの製造効率とその品質を飛躍的に高めるという効果を奏するため、産業界に与える寄与が大である。
Claims (8)
- 1種または2種以上の多価カルボン酸またはそのエステル化物と2種以上の多価アルコールを用いてエステル化反応またはエステル交換反応を行った後重縮合を行う共重合ポリエステルの製造方法において、20℃にて固形の多価アルコールを20℃にて液状の多価アルコールと混合し溶解してから、当該混合液を反応缶に投入してエステル化、エステル交換、重縮合、解重合反応のうち少なくともいずれかの反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
- 混合液をエステル化反応あるいはエステル交換反応の前に投入して、エステル化反応またはエステル交換反応を行い、その後重縮合反応を行うことを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 20℃にて固形の多価アルコールがネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびペンタエリスリトールからなる群のうち少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 20℃にて液状の多価アルコールがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールからなる群のうち少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 20℃にて固形の多価アルコールがネオペンチルグリコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 20℃にて液状の多価アルコールがエチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 反応缶の温度を70℃〜300℃に加温した状態で混合液を投入する請求項1〜6のいずれかに記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 反応缶に混合液を投入してから、1種または2種以上の多価カルボン酸またはそのエステル化物を投入することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の共重合ポリエステルの製造方法。
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JP2005073245A Withdrawn JP2006257147A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 共重合ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006257147A (ja) |
-
2005
- 2005-03-15 JP JP2005073245A patent/JP2006257147A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20080111 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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Effective date: 20110120 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |