JP2006256535A - 車両用ホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】 気柱共鳴を抑制する補助空気室の気密を確保し、かつ、製造を容易にする。
【解決手段】 ディスク2とリム3で構成され、装着されるタイヤの空洞部に連通する連通孔8を有する補助空気室9を、リム3のウエル5外周面に周方向に複数個設けた車両用ホイール1において、補助空気室9を、ほぼ長方形状の箱体4により形成し、箱体4を接着剤7によりリム3に固着する。そして、箱体4の底面及び側面を、それぞれウエル5外周面及びウエル5側面に固着するのが好ましく、箱体4を、熱変形温度が180℃以上、融点が220℃以上の耐熱性合成樹脂により構成するのが望ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 ディスク2とリム3で構成され、装着されるタイヤの空洞部に連通する連通孔8を有する補助空気室9を、リム3のウエル5外周面に周方向に複数個設けた車両用ホイール1において、補助空気室9を、ほぼ長方形状の箱体4により形成し、箱体4を接着剤7によりリム3に固着する。そして、箱体4の底面及び側面を、それぞれウエル5外周面及びウエル5側面に固着するのが好ましく、箱体4を、熱変形温度が180℃以上、融点が220℃以上の耐熱性合成樹脂により構成するのが望ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、装着されるタイヤの空洞部で発生する気柱共鳴を抑制するようにした車両用ホイールに関し、詳しくは、気柱共鳴を抑制する補助空気室の気密を保持し、かつ、製造を容易にした車両用ホイールに関する。
近年、自動車操縦安定性と乗り心地性及び車内静粛性など人的配慮の追求や、環境汚染という観点から軽量化への対応が重要課題となっている。そのうち静粛性を破壊する大きな要因が、車両用ホイールに装着されるタイヤの空洞部で発生する気柱共鳴である。
その気柱共鳴の抑制方法として、従来は、リムの外周面上と一方のビードシートとの間に跨って周方向に環状の板状部材の端縁を、溶接や接着等により接合することで空気室を形成し、隔壁により複数個の空気室に分割し、板状部材に、タイヤの空洞部に連通する連通孔を形成している(特許文献1)。
また、複数個の長尺板状の空気室形成部材に耳部を形成し、その耳部をリムの外周面のウエルに固着して複数個の空気室を形成し、空気室形成部材にタイヤ空洞部に連通する連通孔を形成している(特許文献2)。
つぎに、近年クローズアップされているのが安全性の確保であり、そのため、自動車の走行中のタイヤ空気圧を検出し、空気圧減少による走行性能の変化を検知するタイヤ空気圧センサを車両用ホイールに装着することである。
しかし、このタイヤ空気圧センサの装着により、ホイールに重量アンバランスが生じる問題があり、その重量アンバランスの対策として、従来、ディスクの周方向に複数個の飾り穴が配設された場合、空気圧センサと一体型のエアバルブが装着された位置に対し、対向する側に向かって飾り孔の孔径を徐々に縮径するようにしている。また、孔径が同一の飾り孔の場合、バルブ装着位置に対し、対向する側に向かって孔間隔を徐々に拡げるようにしている(特許文献3)。
特開2004−106719号公報
特開2004−291896号公報
特開2004−237897号公報
前記特許文献1に記載された車両用ホイールの場合、板状部材の端縁のみがリムに固着され、また、特許文献2に記載された車両用ホイールの場合、空気室形成部材の耳部がリムに固着されているため、接着剤による固着時、部材とリムとの接着面積が僅少であり、接着部分に漏れを生じ易く、空気室の気密確保が困難である。その上、坂道での走行や、走行と制動の繰り返しによる過熱と冷却の熱衝撃が接着剤に加わり、接着剤が劣化し、部材が剥離する危険がある。
また、部材の接合を強固にするため、部材をリムに溶接により固着した場合、部材が重量の大なる軟鋼材の金属系材料となり、かつ、溶接材料も鉄系金属材料が適用され、ホイールの重量増大につながり、燃費が高く、環境汚染をきたす。
その上、リムの製造時、またはリムとディスクの組み付け溶接後、空気室形成の部材をリムに溶接し、その後、電着塗装、水洗浄、乾燥、上塗り、乾燥の工程を経るが、電着塗装の工程において、塗料浴槽にリムまたはホイールの浸漬後、部材の連通孔から空気室内に浸入した塗料液が充分に排出されず、塗料液が空気室内に滞留し、その後の水洗浄でも完全に取り除くことができず、乾燥時の二次だれに起因した外観不良や、空気室内での塗料硬化により空気室容積減少が生じ、気柱共鳴の抑制を充分に図れず、かつ、製造が困難になるという問題点がある。
本発明は、前記の点に留意し、気柱共鳴を抑制する補助空気室の気密を確保し、かつ、製造を容易にした車両用ホイールを提供することを目的とする。
本発明は、前記の点に留意し、気柱共鳴を抑制する補助空気室の気密を確保し、かつ、製造を容易にした車両用ホイールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、ディスクとリムで構成され、装着されるタイヤの空洞部に連通する連通孔を有する補助空気室を、前記リムのウエル外周面に周方向に複数個設けた車両用ホイールにおいて、
前記補助空気室を、ほぼ長方形状の箱体により形成し、前記箱体を接着剤により前記リムに固着したものである(請求項1)。
前記補助空気室を、ほぼ長方形状の箱体により形成し、前記箱体を接着剤により前記リムに固着したものである(請求項1)。
そして、前記箱体の底面及び側面を、それぞれウエル外周面及びウエル側面に固着するのが好ましい(請求項2)。
また、前記箱体を合成樹脂により構成するのが望ましい(請求項3)。
さらに、箱体を、熱変形温度が180℃ 以上、融点が220℃以上の耐熱性合成樹脂により構成すればよい(請求項4)。
また、前記箱体を合成樹脂により構成するのが望ましい(請求項3)。
さらに、箱体を、熱変形温度が180℃ 以上、融点が220℃以上の耐熱性合成樹脂により構成すればよい(請求項4)。
そして、前記箱体上面の両端部に突部を形成するとともに、連結板の両端部に連結孔を透設し、両側の前記箱体の前記突部を、前記連結板の両端部の前記連結孔に嵌合し、両側の前記箱体を連結するのが好ましい(請求項5)。
また、前記連結板の少なくとも一方の端部に、前記連結板の長手方向に複数個の連結孔を透設し、箱体上面の突部を、前記複数個の連結孔のうちの所望の連結孔に嵌合すればよい(請求項6)。
そして、前記箱体間の空隙部に、タイヤ空気圧を検出する空気圧センサを備えた、タイヤ内に空気を注入するエアバルブを装着し、前記エアバルブが装着されたバルブ空隙部に対し、対向する側の箱体間の空隙部を狭くするのが好ましい(請求項7)。
また、前記箱体間の空隙部に、タイヤ内に空気を注入するエアバルブを装着し、前記エアバルブが装着されたバルブ空隙部に対し、対向する側の箱体間の空隙部に、タイヤ空気圧を検出する空気圧センサを装着するのが望ましい(請求項8)。
本発明は、ディスクとリムで構成され、装着されるタイヤの空洞部に連通する連通孔を有する補助空気室を、前記リムのウエル外周面に周方向に複数個設け、装着されるタイヤの空洞部で発生する気柱共鳴を抑制するようにした車両用ホイールにおいて、
前記補助空気室を、ほぼ長方形状の箱体により形成したため、補助空気室に漏れを生じず、補助空気室の気密が確保され、気柱共鳴の抑制が損なわれず、さらに、箱体を接着剤によりリムに固着したため、接着面積が広大であり、接合強度が増大して安定し、箱体の剥離が防止され、かつ、製造過程の電着塗装、水洗浄、乾燥、上塗り、乾燥の工程を経たリム単体またはディスクに組み付けられたリムに箱体を固着することができ、製造をきわめて容易にすることができ、その上、従来のような外観不良や空気室容積の減少を生じず、充分に気柱共鳴を抑制することができる(請求項1)。
前記補助空気室を、ほぼ長方形状の箱体により形成したため、補助空気室に漏れを生じず、補助空気室の気密が確保され、気柱共鳴の抑制が損なわれず、さらに、箱体を接着剤によりリムに固着したため、接着面積が広大であり、接合強度が増大して安定し、箱体の剥離が防止され、かつ、製造過程の電着塗装、水洗浄、乾燥、上塗り、乾燥の工程を経たリム単体またはディスクに組み付けられたリムに箱体を固着することができ、製造をきわめて容易にすることができ、その上、従来のような外観不良や空気室容積の減少を生じず、充分に気柱共鳴を抑制することができる(請求項1)。
そして、箱体の底面及び側面を、それぞれウエル外周面及びウエル側面に固着することにより、箱体のウエルへの接着面積がより増大し、箱体のリムからの剥離が防止され、箱体をリムに強固に固着することができる(請求項2)。
また、箱体を重量の大なる金属系材料によらず、合成樹脂により構成することにより、軽量化が図られ、環境汚染が防止される(請求項3)。
さらに、箱体を、熱変形温度が180℃以上、融点が220℃以上の耐熱性合成樹脂により構成するようにすればよい。車両の走行中、ホイールの温度が上昇し、特に夏季炎天下において制動装置の使用率が高くなると、ホイールの温度が120〜130度にも達し、厳しい環境下に置かれるが、箱体を前記耐熱性合成樹脂により構成することにより、箱体の硬度の低下、軟柔による変形が生じず、気柱共鳴抑制効果の低下を防止することができる(請求項4)。
そして、前記箱体上面の両端部に突部を形成するとともに、連結板の両端部に連結孔を透設し、両側の前記箱体の前記突部を、前記連結板の両端部の前記連結孔に嵌合し、両側の前記箱体を連結することにより、箱体の位置決めが容易であり、かつ、箱体をより確実にリムに固定することができ、重量バランスの確保が容易である(請求項5)。
また、前記連結板の少なくとも一方の端部に、前記連結板の長手方向に複数個の連結孔を透設し、箱体上面の突部を、前記複数個の連結孔のうちの所望の連結孔に嵌合することにより、自動車メーカによって異なる空気圧センサの寸法、重量、位置等の変化に対応し、箱体間を所望の距離、間隔に容易に変更、調節することができ、より容易に重量バランスを確保することができる(請求項6)。
そして、前記箱体間の空隙部に、タイヤ空気圧を検出する空気圧センサを備えた、タイヤ内に空気を注入するエアバルブを装着し、前記エアバルブが装着されたバルブ空隙部に対し、対向する側の箱体間の空隙部を狭くすることにより、空気圧センサ一体型のエアバルブを装着した場合、重量バランスを確保することができる(請求項7)。
また、前記箱体間の空隙部に、タイヤ内に空気を注入するエアバルブを装着し、前記エアバルブが装着されたバルブ空隙部に対し、対向する側の箱体間の空隙部に、タイヤ空気圧を検出する空気圧センサを装着することにより、エアバルブと空気圧センサが別体の場合においても、重量バランスを確保することができる(請求項8)。
本発明を実施するための最良の形態を、図を参照して説明する。それらの図において、同一符号は同一もしくは相当するものを示す。
本発明にかかる実施例1を図1ないし図6を参照して説明する。1はディスク2とリム3により構成された車両用ホイール、4は耐熱性合成樹脂により構成されたほぼ長方形状の箱体であり、底面がリム3のウエル5の外周面に沿うようわん曲しており、リム3のウエル5の外周面に周方向にそれぞれ空隙部6を介して4個設けられ、箱体4の底面及び外側面が、それぞれウエル5の外周面及び側面に合致する形状になっており、箱体4の底面及び外側面の全面が、接着剤7によりウエル5の外周面及び側面に密着している。8は箱体4の上面に透設された連通孔であり、ホイール1に装着されたタイヤの空洞部に連通し、箱体4により形成される補助空気室9により、ホイール1に装着されたタイヤ(図示せず)の空洞部で発生する気柱共鳴が抑制されている。
10は箱体4の上面の両端部に形成された凹部であり、箱体4の長手方向の浅い長方形状であり、箱体4の端面に開口している。11は凹部10の底面に一体に突設された複数個の突部であり、凹部10の長手方向の2列に形成され、上部が球状に膨出している。
12は耐熱性合成樹脂からなる長尺の連結板、13は連結板12に透設された複数個の連結孔であり、少なくとも連結板12の両端部を含み、長手方向の2列に形成され、連結孔13を突部11に圧接することにより突部11が連結孔13に嵌合し、連結板12が凹部10の底面に圧接する。
14はホイール1に装着されたタイヤ内に空気を注入するエアバルブ、15はタイヤ空洞部のタイヤ空気圧を検出する空気圧センサであり、エアバルブ14と一体型であり、エアバルブ14がリム3のバルブ孔16に装着され、空気圧センサ15がリム3のウエル5上方に位置している。
そして、図2ないし図4に示すように、複数個、図示では4個の箱体4をウエル5外周面に、接着剤7により固着するとともに、隣接する両側の箱体4の端部間を、連結板12により、突部11に選択した連結孔13を嵌合して連結し、各箱体4間の距離、間隔を調節する。
したがって、補助空気室9が、ほぼ長方形状の箱体4により形成されているため、補助空気室9に漏れを生じず、補助空気室9の気密が確保され、気柱共鳴の抑制が損なわれず、さらに、箱体4を接着剤7によりリム3に固着したため、接合部分が広大であり、箱体4の剥離が防止され、かつ、製造過程の電着塗装、水洗浄、乾燥、上塗り、乾燥の工程を経たリム3単体またはディスク2に組み付けられたリム3に箱体4を固着することができ、製造をきわめて容易にすることができ、その上、従来のような外観不良や空気室容積の減少を生じず、充分に気柱共鳴を抑制することができる。
しかも、箱体4の底面及び側面が、それぞれウエル5外周面及びウエル5側面に固着されているため、箱体4のウエル5への接着面積がより増大し、箱体4のリム3からの剥離が防止され、箱体4をリム3に強固に固着することができる。
また、箱体4が重量の大なる金属系材料によらず、合成樹脂により構成されているため、軽量化が図られ、環境汚染を防止することができる。
そして、箱体4が、熱変形温度が180℃以上、融点が220℃以上の耐熱性合成樹脂により構成されているため、車両の走行中、ホイールが高温に達し、厳しい環境下に置かれても、箱体4の硬度の低下、軟柔による変形が生じず、気柱共鳴抑制効果の低下を防止することができる。
さらに、両側の箱体4上面の両端部の突部11が連結板12両端部の連結孔13に嵌合して両側の箱体4が連結されているため、箱体4の位置決めが容易であり、かつ、箱体4をより確実にリム3に固定することができ、重量バランスの確保が容易である。
また、連結板12の少なくとも一方の端部に、連結板12の長手方向に複数個の連結孔13が透設されているため、箱体4の突部を、複数個の連結孔13のうちの所望の連結孔13に嵌合することにより、箱体4間を所望の距離、間隔に容易に変更、調節することができ、より容易に重量バランスを確保することができる。
そして、箱体4間の空隙部6aに、空気圧センサ15を備えたエアバルブ14を装着し、エアバルブ14が装着されたバルブ空隙部6aに対し、対向する側の箱体4間の空隙部6bが狭くなっているため、空気圧センサ15一体型のエアバルブ14を装着した場合、重量バランスを確保することができる。
なお、箱体4を構成する合成樹脂としては、例えばポリポロピレン、ポリスチレン或いは、それらに炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチックの複合材料が好ましく、ポリフェニレンサルファイトの場合、熱変形温度が260℃、融点が282℃であり、比重は1.65で、鉄系金属材料に比し格段に軽量であり、燃費が安く、環境汚染に対し良好であり、箱体4を構成する合成樹脂として、高温に対し補助空気室9の容積変化により気柱共鳴抑制に支障をきたさないよう、熱変形温度が180℃以上、融点が220℃以上の耐熱性樹脂が望ましく、かつ、重量増加を防ぐため、比重が2.0以下が好ましい。
また、実施例1は、箱体4が4個の場合であるが、箱体4は2個、4個、6個等の偶数個に限らず、3個、5個、7個等の奇数個であってもよく、奇数個の場合、バルブ空隙部6aに対し、対向する側の箱体4の両側の空隙部6を狭くするようにすればよい。
本発明にかかる実施例2を、図7を参照して説明する。実施例1では空気圧センサ15が一体型のエアバルブ14であるが、実施例2は両者が分離型であり、エアバルブ14が装着された空隙部6aに対し、対向する側の箱体4間の空隙部6cに空気圧センサ15を装着したものである。
この場合、エアバルブ14と空気圧センサ15が対向して装着されているため、重量バランスを確保しやすく、また、各箱体4の間隔を調節することにより、より重量バランスが安定する。
本発明にかかる実施例3を、図8を参照して説明する。実施例1では、両側の箱体4を連結する連結板12の連結孔13が、箱体4の上面凹部10の突部11に嵌合し、連結板12が凹部10の底面に当接していたが、実施例3は、突部11が箱体4の上面及び内側面に突設され、連結板12が上板12a、内側板12bからなる断面変形ヘ字形であり、上板12a、内側板12bに連結孔13が透設され、各突部11が各連結孔13に嵌合し、上板12aの下面が箱体4の上面に、内側板12bの内面が箱体4の内側面にそれぞれ当接している。
従って、連結板12の箱体4への連結箇所、当接面が大になり、両側の箱体4の連結が強固に安定したものになる。
従って、連結板12の箱体4への連結箇所、当接面が大になり、両側の箱体4の連結が強固に安定したものになる。
[実験例]
(発明例)熱変形温度が180℃以上、融点が220℃以上の熱可塑性の耐熱性合成樹脂を、ブロー成形により、厚さ2mm、体積240ccの箱体を形成するとともに、開口径12mm、長さ5mm形状の連通孔を一体成形により形成し、その箱体4個を、17×7JJのリムのウエル外周面に、連結板を接着剤により固着したホイールである。
(発明例)熱変形温度が180℃以上、融点が220℃以上の熱可塑性の耐熱性合成樹脂を、ブロー成形により、厚さ2mm、体積240ccの箱体を形成するとともに、開口径12mm、長さ5mm形状の連通孔を一体成形により形成し、その箱体4個を、17×7JJのリムのウエル外周面に、連結板を接着剤により固着したホイールである。
(比較例1)全く加工や補助空気室を備えない17×7JJの通常のホイールである。
(比較例2)特許文献1に記載の厚さ2mmの鉄材からなる板状部材を、リムのウエル外周に溶接により固着し、隔壁を設けて4個の空気室を形成したホイールであり、空気室の体積、連通孔は、発明例とほぼ同じである。
(比較例3)比較例2において、板状部材を接着剤により固着したホイールである。
(比較例2)特許文献1に記載の厚さ2mmの鉄材からなる板状部材を、リムのウエル外周に溶接により固着し、隔壁を設けて4個の空気室を形成したホイールであり、空気室の体積、連通孔は、発明例とほぼ同じである。
(比較例3)比較例2において、板状部材を接着剤により固着したホイールである。
(実験1)重量を測定した。
(実験2)ホイールを宙吊りにしてインパクトハンマでタイヤトレッド部を加振し、ディスク平面部に取り付けられた加速度計により、200〜300HZの範囲に発生する急峻なピーク値の伝達関数の大きさを測定した。
(実験2)ホイールを宙吊りにしてインパクトハンマでタイヤトレッド部を加振し、ディスク平面部に取り付けられた加速度計により、200〜300HZの範囲に発生する急峻なピーク値の伝達関数の大きさを測定した。
(実験3)実際に悪路を想定した実験用回転装置で150万回回転させた後に、実験2と同様の伝達関数の大きさを測定した。
(実験4)重量アンバランス量を測定した。
(評価)表1参照
(実験4)重量アンバランス量を測定した。
(評価)表1参照
(評価1)実験1の重量につき、通常の比較例1に比し、発明例では、0.17Kgの1.3%増加に過ぎないが、比較例2では、2.47Kgの18.9%、約20%増加し、比較例3でも、1.97Kgの15.0%増加している。
(評価2)実験2の伝達関数につき、比較例1の−18に比し、発明例及び比較例2、比較例3では−42で数値が大きく低下している。
(評価3)実験3の伝達関数につき、発明例及び固着が溶接の比較例2では−42で良好であるが、固着が接着剤の比較例3では、比較例1と同等の−18を示し、気柱共鳴抑制に効果がない。これは、空気室を形成する部材の固着が接着剤によるため、実験中に空気室の気密が失われたためである。
(評価4)実験4の重量アンバランス量につき、発明例では0〜2gであるのに対し、比較例1、2、3では2〜4、3〜5、3〜5であり、発明例ではアンバランスが小さい。
(総評)以上の通り、発明例が、重量、気柱共鳴抑制、重量アンバランスの各点につき、極めて良好である。
(総評)以上の通り、発明例が、重量、気柱共鳴抑制、重量アンバランスの各点につき、極めて良好である。
1 車両用ホイール
2 ディスク
3 リム
4 箱体
5 ウエル
6 空隙部
7 接着剤
8 連通孔
9 補助空気室
11 突部
12 連結板
13 連結孔
14 エアバルブ
15 空気圧センサ
2 ディスク
3 リム
4 箱体
5 ウエル
6 空隙部
7 接着剤
8 連通孔
9 補助空気室
11 突部
12 連結板
13 連結孔
14 エアバルブ
15 空気圧センサ
Claims (8)
- ディスクとリムで構成され、装着されるタイヤの空洞部に連通する連通孔を有する補助空気室を、前記リムのウエル外周面に周方向に複数個設けた車両用ホイールにおいて、
前記補助空気室を、ほぼ長方形状の箱体により形成し、前記箱体を接着剤により前記リムに固着したことを特徴とする車両用ホイール。 - 箱体の底面及び側面を、それぞれウエル外周面及びウエル側面に固着したことを特徴とする請求項1記載の車両用ホイール。
- 箱体を合成樹脂により構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用ホイール。
- 箱体を、熱変形温度が180℃ 以上、融点が220℃以上の耐熱性合成樹脂により構成したことを特徴とする請求項1、2または請求項3記載の車両用ホイール。
- 箱体上面の両端部に突部を形成するとともに、連結板の両端部に連結孔を透設し、
両側の前記箱体の前記突部を、前記連結板の両端部の前記連結孔に嵌合し、
両側の前記箱体を連結したことを特徴とする請求項1、2、3または請求項4記載の車両用ホイール。 - 連結板の少なくとも一方の端部に、前記連結板の長手方向に複数個の連結孔を透設し、
箱体上面の突部を、前記複数個の連結孔のうちの所望の連結孔に嵌合したことを特徴とする請求項5記載の車両用ホイール。 - 箱体間の空隙部に、タイヤ空気圧を検出する空気圧センサを備えた、タイヤ内に空気を注入するエアバルブを装着し、
前記エアバルブが装着されたバルブ空隙部に対し、対向する側の箱体間の空隙部を狭くしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または請求項6記載の車両用ホイール。 - 箱体間の空隙部に、タイヤ内に空気を注入するエアバルブを装着し、
前記エアバルブが装着されたバルブ空隙部に対し、対向する側の箱体間の空隙部に、タイヤ空気圧を検出する空気圧センサを装着したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または請求項6記載の車両用ホイール。
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- 2005-03-18 JP JP2005078723A patent/JP2006256535A/ja active Pending
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