JP2006256001A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 染料タイプ、顔料タイプいずれのインクジェットプリンターにて印字した場合においても印字濃度、インク吸収性が高く、裏抜けがないインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】 パルプと、平均粒子径が1.6μm以上かつ吸油量が90〜200ml/100gであるロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを主に含む填料とを主成分とした基紙の少なくとも片面に、顔料と結着剤を含有するインク受容層を一層以上設けたインクジェット記録用紙であって、基紙のJIS−P8251に規定される灰分が15〜40%である。インク受容層に含有される顔料は、吸油量90〜200ml/100g、BET比表面積45〜200m/g、平均粒子径1.0〜3.0μmの合成シリカであることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インク受容層を含有する塗工紙タイプのインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、各種の方法により飛翔させたインクの微小液滴を、紙などの記録媒体に付着させて画像や文字を形成させる記録方式である。この記録方式は高速化、フルカラー化が容易である上に、記録時の騒音が低く、装置が低価格なこともあり、家庭ユーザー用途として目覚しく普及している。また、商業用途の分野において、可変情報(公共料金やクレジットの請求書や領収書、配送用伝票、広告など)の印刷は、従来ノンインパクト(NIP)印刷を用いてきたが、近年ラインヘッドを有する高速インクジェットプリンターによる印刷に置き換わり始めている。
インクジェット記録方式に用いる記録媒体としては、顔料を含むインク受容層を設けない普通紙タイプと、顔料を含むインク受容層を設けた塗工紙タイプに大別される。通常、ホームページ印刷やビジネスレポートには安価な普通紙タイプが主に用いられ、デジタルカメラからの画像出力には高精細画像を再現できる塗工紙タイプが主に用いられている。そのような、近年のインクジェット記録方式の用途拡大に伴い、記録用紙の高品質化と低価格化が進んでおり、安価でありながら両面に高精細画像を再現可能な塗工紙タイプのインクジェット記録媒体が求められている。
一般的にインク受容層にはシリカ等の高価な材料が多量に配合されており、コストダウンの手段としてインク受容層を薄くすることが挙げられる。しかし、従来のインクジェット記録用紙では、比表面積の大きいシリカを多量に配合したインク受容層にインク吸収機能を持たせている。単純にインク受容層を薄くした場合、インクはインク受容層のみでは吸収しきれず基紙に到達し、記録用紙の裏面から印字画像が透けて見える、いわゆる裏抜けと称される問題が発生する。また最近のインクジェットプリンターにおいて、更なる高精細画像を得るため低濃度化させたインクを多量滴下する印字方式が採用されており、今後インクジェット記録用紙には更なる裏抜け防止性、インク吸収性が要求される。すなわちコストダウンのため、単純にインク受容層を薄くすることは困難であった。
また、従来の染料インクと併せて、顔料インクを使用したプリンターが発売されているが、従来のインクジェット記録媒体は顔料インクにて印字した場合、染料インクと比較して印字濃度が大きく低下する傾向にある。すなわち、染料インクと顔料インク両方で発色良好なインクジェット記録媒体が求められている。
これまでインク吸収性が良好なインクジェット記録媒体に関する技術としては、填料として粒径0.5〜1.5μmのものを80%以上含んだ、吸油度30〜80g/100gのカルサイトからなる軽質炭酸カルシウムを使用した基紙上にインク受容層を1〜10g/m設けたインクジェット記録用紙が提案されている(特許文献1参照)。
特開昭64−30780号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット記録用紙を用いて、多量滴下する方式の染料タイプ、顔料タイプのインクジェットプリンターにて印字した場合、填料の軽質炭酸カルシウムが小粒径、低吸油量であるため、基紙の不透明性は低く、印字した際に裏抜け防止効果が不十分である。
従って、本発明は染料タイプ、顔料タイプいずれのインクジェットプリンターにて印字した場合においても印字濃度、インク吸収性が高く、裏抜けがないインクジェット記録用紙を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、填料として用いるロゼッタ型炭酸カルシウムの平均粒子径、灰分を規定した基紙を用いることにより、インクジェット記録における上記課題を解決し、より安価なインクジェット記録用紙を提供できることを見出した。
すなわち、本発明の普通紙タイプのインクジェット記録用紙は、パルプと平均粒子径が1.6μm以上、吸油量が90〜200ml/100gであるロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを主に含む填料を主成分とした基紙の少なくとも片面に、顔料と結着剤を含有するインク受容層を一層以上設けたインクジェット記録用紙であって、JIS−P8251に規定される基紙の灰分が15〜40%であることが好ましい。
特に、前記インク受容層の塗工量が2〜7g/mであるインクジェット記録用紙において大きな効果を得ることができる。又、インク受容層中の顔料中に合成シリカを10〜100重量%用いることが好ましく、更に合成シリカは吸油量90〜200ml/100g、BET比表面積45〜200m/g、平均粒子径1.0〜3.0μmの合成シリカであることが好ましい。
また、前記合成シリカが珪酸ソーダ水溶液を鉱酸および/又は酸性金属塩水溶液により中和して得られた合成シリカスラリーを湿式粉砕したものであることが好ましく、更に前記合成シリカが珪酸ソーダ水溶液を硫酸アルミニウム水溶液により中和して得られた合成シリカであることが好ましい。
本発明によれば、塗工紙タイプのインクジェット記録用紙にインクジェット記録する場合に、優れた印字濃度を維持しつつ、優れたインク吸収性および裏抜け防止効果を得ることができる。特に、インク受容層が低塗工量の場合であっても、優れたインク吸収性および裏抜け防止効果を得ることができるため、安価で高い品質のインクジェット記録用紙を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明のインクジェット記録用紙は、以下の填料とパルプとを主成分とした基紙上に、顔料を含むインク受容層を設けた塗工紙タイプの用紙である。
<パルプ>
前記基紙とは、木材パルプ及び填料、助剤等から構成される非塗工紙であり、木材パルプとして用いることのできるものとして、公知の化学パルプ、機械パルプ、及び脱墨パルプ等が挙げられる。また、これら各種パルプは必要に応じて単独または併用して用いられる。パルプとしては、従来から抄紙に慣用されているものを用いることができ、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の化学パルプや、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプといった木材パルプや、古紙パルプ(DIP)を挙げることができる。さらには、コットンパルプや麻、バガス、ケナフ、エスパルト、楮、三椏、雁皮等の非木材パルプも用いることができる。
<填料>
本発明における基紙のpHに特に制限は無く、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。使用する填料としては、ロゼッタ(rosette)型の軽質炭酸カルシウムの使用を必須とする。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、これ以外の填料を基紙のpHに合せて用いることができる。例えば、他の形状の軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、ゼオライト等従来から慣用されている無機微粒子を使用することができる。なお、ロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムとは、紡錘形状の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が放射状に凝集してロゼッタ型の二次粒子を形成したものであり、具体的にはSpecialty Minerals Inc.社のアルバカーHO、アルバカー5970、アルバカーLO等の製品を好ましく挙げることができる。ここで、放射状とは、例えば前記二次粒子の中心近傍から、各一次粒子の長手方向が放射状に伸びたものである。
軽質炭酸カルシウムは生産コストや操業性、及び低添加量で高い不透明度が得られる点で優れ、さらにロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムはその特殊な形状のため、基紙に高配合させると基紙の不透明度が大きく向上し、インクジェット記録の際の裏抜けを有効に防止する。併せて、従来の軽質炭酸カルシウムト比較して比表面積も大きいため、インク吸収性に優れた基紙が得られる。この様な基紙においては、特に、後述するインク受容層の塗工量が少ない場合に大きな効果を得ることができる。
本発明において、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は1.6μm以上であることが必要であり、1.6〜5.0μmであることが好ましい。平均粒子径が1.6μm未満である場合、光の透過性が向上した結果、基紙の不透明性は低下する。結果、記録用紙の裏面から印字画像が透けて見える、裏抜けが発生する。また平均粒子径が5.0μmを超える場合、填料の分布が不均一となり基紙の不透明性は低下し、裏抜けの発生と併せて品質安定性が低下する傾向にある。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの吸油量は、90〜200ml/100gであることが必要であり、90〜140ml/100gであることが特に好ましい。吸油量が90ml/100g未満の場合、得られたインクジェット記録用紙のインク吸収性が低下する。一方、200ml/100gを超える場合、基紙の吸収性が大きすぎ、インク受容層用塗工液を塗工した際にバインダー成分のみが基紙中に浸透しやすく、結果としてインク受容層の表面強度が低下するため、断裁時の粉落ちなどの問題があり好ましくない。
図1は、液中に分散した状態のロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(二次粒子)の形態の一例を示す電子顕微鏡像である。この図において、各一次粒子の基部同士が凝集し、各一次粒子がその先端へ向かって放射状に伸びている。また、各一次粒子は基部の幅(径)がやや大きく、先端に向かって細くなっている。なお、図中のmicronは、μmを示す。
<灰分>
このようにして構成された基紙については、JIS−P8251に規定された灰分が15〜40%であり、好ましくは15〜30%である。灰分をこのように規定すると、用紙の不透明度が高くなって両面印字適性が向上し、また、インク吸収性が向上して画像のにじみがない印字物が得られる。更にインクジェットプリンタを用いて印字した際に裏抜けを防止し、印刷適性が向上する。一方、灰分が15%未満であるとこれらの効果が得られず、40%を超えるとインクジェット記録用紙の腰が弱くなりプリンター通紙性が低下する。なお、JIS−P8251に規定する灰分は、試料(紙)を525±25℃の温度で燃焼させた後の灰分残留物の量を、試料の絶乾重量に対する百分率で表したものである。
<その他薬品>
また、基紙中には、本発明の効果を損なわない範囲で、紙力増強剤、消泡剤、pH調整剤、色相を調整するための染料や有色顔料、視覚的白さを向上させるための蛍光染料等の抄紙用内添薬品を内添することが出来る。
<サイズ剤>
上述したパルプは、親水性であるばかりでなく、パルプ繊維間の間隙は毛管作用で水や油を吸収する。従って紙の用途に応じて適当に、これらの液体の浸透に対し抵抗を与える必要がある。この目的のためにサイズ剤が使用される。サイズ剤としては、公知のものはいずれを用いることも可能である。例えば、、ロジン系サイズ剤、アルケニルコハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤や、酸化澱粉、ポリビニルアルコール、スチレン・アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂等の高分子化合物が、内添サイズ剤または表面サイズ剤として単独でまたは適宜組合わせて用いられる。高分子化合物としては、そのイオン性によってノニオン性、カチオン性、アニオン性および両性のものに分類できる。アニオン性高分子化合物としては、疎水性モノマーと負電荷の親水性モノマーの共重合体をあげることができる。カチオン性高分子化合物とは、疎水性モノマーと正電荷の親水性モノマーの共重合体あげることができる。ノニオン性高分子化合物としては、疎水性モノマーの共重合体、または疎水性モノマーと電荷を持たない親水性モノマーの共重合体である。両性高分子化合物としては、上述した疎水性モノマー、負電荷の親水性モノマー、及び正電荷のアニオン性親水性モノマー、並びに必要に応じて電荷を持たない親水性モノマーを共重合したポリマーあげることができ、その種類は特に限定されない。これらの共重合体としては、例えばスチレン樹脂系,アルキルダイマー系,高級脂肪酸系,石油樹脂系,スチレンアクリル酸共重合樹脂系、スチレンメタアクリル酸共重合樹脂系のものが例示される。
前記サイズ剤を表面サイズ剤として用いる場合、表面強度の向上を目的として前記サイズ剤を含む塗工液中に水溶性結着剤を添加することができる。水溶性結着剤としては、水に可溶で皮膜形成性のある公知の樹脂の中から適宣選択することができる。水溶性結着剤として、具体的には澱粉またはその変性物、ポリビニルアルコールまたはその変性物、カゼイン、ポリアクリル酸アミドなどを挙げることができ、これらを単独使用または併用することができる。塗工液中の高分子化合物と水溶性結着剤との好ましい配合比率(高分子化合物/水溶性結着剤)は、固形分で1/1〜1/15である。さらに前記塗工液に、本発明の効果を損なわない範囲で、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤、導電剤など、一般にインクジェット記録用紙に使用される添加剤を含有してもよい。
<インク受容層>
本発明におけるインク受容層は、基紙の少なくとも片面に設けられ、顔料、結着剤、及びその他の助剤から構成される。両面印字を可能にするために、インク受容層を基紙の両面に塗工することもできる。本発明は印字後の裏抜けが小さいため、両面印字用途に最適である。なお、インク受容層の塗工量は片面あたり2〜7g/mが好ましく、4〜7g/mが特に好ましい。塗工量が2g/mより少ない場合、支持体である基紙表面を均一に被覆することが困難となるため、インク吸収ムラが発生し、ベタ印字が不均一となり、インクジェット適性が大きく低下する。一方7g/mより多い場合、インク吸収などのインクジェット適性は良好であるが、記録媒体などの断裁時の粉落ちなどが発生しやすくなる。更にインク受容層は高価なシリカが多量に配合されているため、コストの低減が困難である。
<顔料>
本発明におけるインク受容層に用いる顔料としては、合成シリカが一般的だが、アルミナやアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイトなど)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、焼成カオリンなど通常塗工紙用顔料として用いられているものを、単独もしくは混合して用いることができる。なお、インク受容層中の顔料のうち、合成シリカを10〜100重量%含有することが好ましく、更に好ましくは30〜70重量%である。
<合成シリカ>
インク受容層に用いる顔料としては、吸油量90〜200ml/100g、好ましくは100〜180ml/100g、BET比表面積45〜200m/g、好ましくは60〜200m/g、平均粒子径1.0〜3.0μmの合成シリカを含有することが好ましい。
上記合成シリカの吸油量が90ml/100g未満であると、得られたインク受容層のインク吸収性が低下し、200ml/100gを超えるとインク受容層の表面強度が低下(例えばオフセット印刷適性が低下)する傾向にある。また、合成シリカのBET比表面積が45m/g未満であるとインク吸収性が低下し、200m/gを超えると塗工液の粘度が高くなって操業性(例えば、オンマシン塗工適性)が悪化する傾向にある。また、合成シリカの平均粒子径が1.0μm未満であると、シリカの空隙量が低下してインクを保持しにくくなり、インクが塗工層内部や支持体内部に浸透して印字濃度が低下する傾向にある。一方、平均粒子径が3.0μmを超えると、シリカ自体の不透明度が高くなって印字濃度が低下する傾向にある。なお、シリカの平均粒子径は、レーザー法粒度測定機(例えば、マルバーン社製の商品名:マスターサイザーS型)を用いて測定することができる。この様な合成シリカをインク受容層に含有することで、裏抜け防止効果がさらに大きくなる。これは、インク受容層の不透明度が向上するためと考えられる。
上記合成シリカとして、珪酸ソーダ水溶液を鉱酸及び/または酸性金属塩水溶液により中和して得られた合成シリカスラリーを湿式粉砕処理して得られた合成シリカを用いると、インクジェット適性とオフセット印刷適性をともに具備するので好ましい。
上記酸性金属塩水溶液を構成する金属元素としては、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属元素、又は、チタン、ジルコニウム、ニッケル、鉄、アルミニウム等が挙げられ、酸性金属塩水溶液としては酸性金属硫酸塩が挙げられる。特に、酸性金属硫酸塩である硫酸アルミニウム水溶液を用いると、塗工液の固形分濃度を高くすることができるだけでなく、固形分濃度が高い場合でもハーキュレス粘度(ハイシェア粘度)を低く維持できるので好ましい。
また、酸性金属塩水溶液の配合量は、珪酸ソーダ中和当量の5〜60%(中和当量に対する%)が好ましく、その他は鉱酸を用いることが好ましい。
鉱酸及び/または酸性金属塩水溶液は、珪酸ソーダを中和して合成シリカスラリーを得る際、中和に用いるものであり、好ましくは鉱酸と酸性金属塩水溶液の両方を用いる。好ましい配合割合は、当量比で鉱酸:酸性金属塩水溶液=95:5〜40:60である。鉱酸と酸性金属塩水溶液を両方用いる場合、これらを一種類ずつ逐次中和に用いても良いし、これらを混合したものを中和に用いても良い。
また、上記合成シリカは、例えば、特開2002−274837号公報に記載された方法で得られた合成シリカスラリーを、さらに公知の粉砕処理機(サンドグラインダー等)で湿式粉砕することで得ることができる。
<結着剤>
塗工液の結着剤は特に制限は無く、例えば公知の樹脂から適宣選択することができるが、水溶性高分子接着剤、合成エマルジョン系接着剤など、水に溶解または分散可能なものが好ましい。水溶性高分子接着剤としては、デンプンまたはその変性物、ポリビニルアルコールおよびその変性物、カゼインなどを挙げることができる。また、合成エマルジョン系接着剤としては、アクリル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、スチレンブタジエンラテックス、ウレタン樹脂系エマルジョンなどを挙げることができるが、印字濃度の点から水溶性高分子接着剤を使用することが好ましい。具体的には、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酸化デンプン、ヒドロキシルエチルエーテル化デンプン、リン酸エステル化デンプンなどが挙げられる。
<カチオン性樹脂>
本発明においては、アニオン性のインクジェット用インクに耐水性を付与するため、染料定着剤となるカチオン性樹脂がインク受容層(つまり、塗工液中)に含まれていることが好ましい。
カチオン性樹脂は、カチオン性の水溶性高分子であり、アニオン要求量5meq/g以上、分子量5,000〜200,000のものを使用することがインク耐水性を向上させる点からより好ましい。その理由は次のように推測される。つまりインクジェット用インクは、インク受容層の顔料内部の微小空隙や顔料表面に吸着されると考えられる。そこでこのインクを耐水化するためには、インクと結合するカチオン性樹脂をインク受容層中の顔料内部の微小空隙や顔料表面に分布させる必要があるが、カチオン性樹脂の分子量が200,000を超える場合は顔料内部の空隙に分布できず、顔料内部に入り込んだインクに耐水性を付与できない。一方、カチオン性樹脂の分子量が5,000未満である場合、顔料内部の微小な空隙に分布しやすくなるため、顔料内部に入り込んだインクに耐水性を付与できる。しかし、顔料内部にインクが定着されるため、印字濃度が大きく低下する。また、カチオン性樹脂のアニオン要求量が5meq/g以下であるとインク定着能力が十分でない。
カチオン性樹脂としては、例えばポリエチレンイミン4級アンモニウム塩誘導体;アンモニア・ジアルキルアミン・エピハロヒドリン縮重合物;ポリアミンポリアミドエピハロヒドリン、ジシアンアミド・ホルムアルデヒド樹脂;ジエチレントリアミン・ジシアンジアミド・アンモニウムクロライド重合体;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体等が例示される。このうち、特にインクジェットインクの定着性が高くなる。アンモニアとアミン類とエピハロヒドリン類とを反応させてなる縮重合物が好ましい。
前記縮重合物に用いられるアミン類としては、例えば第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリアルキルポリアミン、及びアルカノールアミンモノアミンなどを挙げることができる。具体的には第2級アミンとして、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルオクチルアミン、メチルラウリルアミン、及びジベンジルアミン等を挙げることができる。第3級アミンとして具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、及びトリベンジルアミン等を挙げることができる。このうち、第2級アミンのジメチルアミン及びジエチルアミンが特に好ましい。
前記重縮合体におけるエピハロヒドリン類として具体的には、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、メチルエピクロルヒドリン等から選ばれる1種類以上から使用でき、特にエピクロロヒドリンが好ましい。
前記重縮合体の合成方法としては、例えば、特開平10−152544号公報、特開平10−147057号公報に記載される公知の方法を用いることができる。得られた上記縮重合物について、1種単独を塗工液に配合しても良く、また異なる重合度のものを混合して塗工液に配合しても良い。なお、上記縮重合物は適宣合成したものを使用してもよく、市販品を用いても良い。
<その他薬品>
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、インク受容層となる塗工液中にサイズ剤、染料、蛍光染料、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、などの添加剤を用いることが可能である。特にサイズ剤の添加により印字部のシャープさが向上するため、添加することが好ましい。なお各種添加剤の使用に当っては、前記カチオン性樹脂との相溶性の点からカチオン性あるいはノニオン性であることが好ましい。
<塗工方式>
基紙にサイズ剤、水溶性結着剤などを含む表面サイズ液を付加させる方法、また基紙にインク受容層を設けるための前記塗工液を付加させる方法は特に制限されず、公知の塗工方法や含浸方法により基紙に塗工または含浸させることができる。例えば含浸方法として、含浸式サイズプレス装置を用いた含浸を行うことができ、塗工方法としては、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター等の公知の塗工装置を用いた塗工を行うことができる。
<乾燥方法>
次に、前記塗工液を基紙に含浸した後、乾燥を行う。乾燥方法としては例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等を用いた通常の方法を行うことができる。乾燥後、必要に応じて、後加工であるスーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の仕上げ工程を行い、平滑性を付与してもよく、その他の一般的な紙加工手段を使用してもよい。また、必要に応じて、片面に粘着加工やラミネート加工等を行うこともできるし、搬送性や帯電防止性、筆記性等各種機能を付与するための塗工層を設けることもできる。
<実施例>
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の「部」、「%」は特に断らない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」をさす。
<填料、顔料の評価>
平均粒子径の測定:分散剤としてヘキサメタリン酸ソーダ0.2%を添加した純水中に試料(填料)スラリーを滴下混合し、均一分散液とし、レーザー法粒度測定機(マスターサイザーS型:マルバーン社製)を使用して測定した。
吸油量:JIS−K5101に準拠して測定した。
BET比表面積:ジェミニ2360型(Micromeritics社製)を用いて、窒素吸着量より算出した。
<基紙の評価>
灰分:JIS−P8251に準拠して測定した。
不透明度:ISO−2471(JIS−P8149)に準拠して測定した。
<実施例1>
広葉樹クラフトパルプ(濾水度350ml c.s.f)からなるパルプスラリー100部に対して、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカーLO:SMI社製、平均粒子径2.4μm、吸油量101ml/100g)20部、内添サイズ剤(NT−87:荒川化学社製)0.4部、カチオン化デンプン0.8部を添加し、長網抄紙機で坪量80g/mになるよう抄造して基紙を得た。なお、基紙の灰分は16.2%、不透明度は91.1%であった。
この基紙の両面に、顔料としてシリカ(ファインシールX37:トクヤマ社製、吸油量:260ml/100g、平均粒子径2.7μm)100部、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA103:クラレ社製)50部、カチオン性樹脂(ポリアミンアンモニアエピクロロヒドリン、アニオン要求量6meq/g、分子量100,000)20部、カチオン性サイズ剤(SE2250:星光PMC社製)10部からなる塗工液(固形分28%、B型粘度300mPa・s)をブレードコーターにて500m/min.の速度で塗工してインク受容層を設け、乾燥後さらにカレンダー処理(線圧1960N/cm(200kgf/cm)・2NIP)を行い、インクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は4.8g/mであった。
<実施例2>
顔料を下記のようにして製造した合成シリカAを100部とした以外は実施例1とまったく同様にして基紙に塗工し、インクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は4.9g/mであった。
・合成シリカA
(合成シリカAの製造1)
第1工程;反応容器(200L)中で市販の3号珪酸ソーダ(SiO:20.0%、NaO:9.5%)を水で希釈し、SiO として6.7質量%の希釈珪酸ソーダ溶液200Lを調製した。
この珪酸ソーダ溶液を85℃に加熱したのち、中和当量の20%に相当する量の硫酸アルミニウム(Al分の濃度8質量% 以下「バンド」と表示)を200g/分の滴下速度で、粗大ゲルが発生しない十分な強撹拌下で添加し、その後、中和当量の30%に相当する量の硫酸 (濃度98質量%) を上記同様に十分な強攪拌下で添加した。添加終了後、得られた部分中和液を攪拌下で熟成処理を行うと同時に、縦形サンドグラインダー(容量7.57L、直径1mmのガラスビーズの充填率70%)を用いて粒径7μmを目標に循環粉砕処理した。この熟成、粉砕処理を3時間行った。
第2工程;次いで、スラリー温度を90℃に昇温し、第1工程と同濃度の硫酸を第1工程におけるのと同一条件で、中和当量の80%まで添加し、攪拌下で32分間熟成した。 第3工程;引き続き、熟成後のスラリーに上記と同濃度の硫酸を76g/分の添加速度で同様に添加し、スラリーpHを6に調節した。
湿式粉砕による粉砕;第3工程終了後のスラリーを濾過、水洗し、純水にリパルプして水和珪酸スラリーを回収した。得られたスラリーを、液状を示す濃度まで希釈し、ビーズ径0.6〜0.8mmのガラスビーズ(東洋バロティーニ社製)の充填率80%となる横型サンドグラインダーにこの希釈スラリーを投入し、湿式粉砕を行った。
湿式粉砕の処理時間を調整し、吸油量147ml/100g、BET比表面積80m/g、平均粒子径2.1μmのシリカの合成シリカAを得た。
<実施例3>
顔料を合成シリカA50部、軽質炭酸カルシウム(タマパール123CS:奥多摩工業社製)50部とした以外は実施例1とまったく同様にして基紙に塗工し、インクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は4.7g/mであった。
<実施例4>
顔料をシリカ(ファインシールX37)50部、焼成カオリン(アンシレックス90:エンゲルハード社製)50部とした以外は実施例1とまったく同様にして基紙に塗工し、インクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は4.9g/mであった。
<実施例5>
顔料をシリカ(ファインシールX37)50部、軽質炭酸カルシウム(タマパール123CS:奥多摩工業社製)50部とした以外は実施例1とまったく同様にして基紙に塗工し、インクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は4.9g/mであった。
<実施例6>
基紙に内添する填料であるロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの配合量を35部に変更し、基紙の灰分を27.5%、不透明度を92.7%とした以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は5.0g/mであった。
<実施例7>
片面当りの塗工量を6.8g/mとしたこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例8>
片面当りの塗工量を1.8g/mとしたこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例9>
基紙に内添する填料として、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカ5970:SMI社製、平均粒子径1.9μm、吸油量123ml/100g)を20部配合し、基紙の灰分を15.7%、不透明度を90.6%こと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<比較例1>
基紙に内添する填料として、立方状の軽質炭酸カルシウム(Unibur−70:白石工業社製、平均粒子径2.4μm、吸油量50ml/100g)を20部配合し、基紙の灰分を15.7%、不透明度を86.4%とした以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は4.9g/mであった。
<比較例2>
基紙に内添する填料として、紡錘状の軽質炭酸カルシウム(PC:白石工業社製、平均粒子径3.0μm、吸油量40ml/100g)を20部配合し、基紙の灰分を15.7%、不透明度を87.8%とした以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は4.8g/mであった。
<比較例3>
基紙に内添する填料として、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカーHO:SMI社製、平均粒子径1.3μm、吸油量125ml/100g)を20部配合し、基紙の灰分を15.9%、不透明度を87.8%とした以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は5.0g/mであった。
<比較例4>
基紙に内添する填料であるロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの配合量を15部に変更し、基紙の灰分を11.2%、不透明度を88.9%とした以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。なお、片面当りの塗工量は5.1g/mであった。
<塗工紙の評価:染料インクによるインクジェット記録>
各記録用紙について,市販の染料インクジェットプリンターPM−G820(セイコーエプソン社製)を用いて、インクジェット記録を行い、以下の評価項目に従って印字適性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価項目>
1)印字濃度(発色性)
黒色のベタ印字パターンを上記インクジェットプリンターで印字した後、印字面の印字濃度をマクベス濃度計(RD918)で測定した。
以下の評価が◎、○、△であれば実用上問題なく使用できる。
◎:濃度の値が1.60を超える
○:濃度の値が1.50を超え1.60以下である
△:濃度の値が1.40を超え1.50以下である
×:濃度の値が1.40以下である
2)裏抜け
黒色のベタ印字パターンを上記インクジェットプリンターで印字した後、印字面の裏面の印字濃度をマクベス濃度計(RD918)で測定した。
以下の評価が◎、○、△であれば実用上問題なく使用できる。
◎:濃度の値が0.10以下である
○:濃度の値が0.10を超え0.12以下である
△:濃度の値が0.12を超え0.15以下である
×:濃度の値が0.15を超える
3)インク吸収性
黒色のベタ印字パターンを上記インクジェットプリンターで印字した際の、インク吸収性について目視で評価した。
以下の評価が◎、○、△であれば実用上問題なく使用できる。
◎:吸収が非常に早い
○:吸収が早い
△:吸収が若干遅い
×:吸収が遅く、装置汚れや印字部の汚れが発生
<塗工紙の評価:水系顔料インクによるインクジェット記録>
各記録用紙について,市販の顔料インクジェットプリンターPX−G920(セイコーエプソン社製)を用いて、インクジェット記録を行い、以下の評価項目に従って印字適性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価項目>
4)印字濃度(発色性)
黒色のベタ印字パターンを上記インクジェットプリンターで印字した後、印字面の印字濃度をマクベス濃度計(RD918)で測定した。
以下の評価が◎、○、△であれば実用上問題なく使用できる。
◎:濃度の値が1.80を超える
○:濃度の値が1.60を超え1.80以下である
△:濃度の値が1.40を超え1.60以下である
×:濃度の値が1.40以下である
5)裏抜け
黒色のベタ印字パターンを上記インクジェットプリンターで印字した後、印字面の裏面の印字濃度をマクベス濃度計(RD918)で測定した。
以下の評価が◎、○、△であれば実用上問題なく使用できる。
◎:濃度の値が0.10以下である
○:濃度の値が0.10を超え0.12以下である
△:濃度の値が0.12を超え0.15以下である
×:濃度の値が0.15を超える
6)インク吸収性
黒色のベタ印字パターンを上記インクジェットプリンターで印字した際の、インク吸収性について目視で評価した。
以下の評価が◎、○、△であれば実用上問題なく使用できる。
◎:吸収が非常に早い
○:吸収が早い
△:吸収が若干遅い
×:吸収が遅く、装置汚れや印字部の汚れが発生
Figure 2006256001
表1に示すように、各実施例において印字濃度、裏抜け防止性、インク吸収性の評価は良好であった。なお、ロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムを高配合とした実施例6においては染料インクの印字濃度は若干劣るものであったが、顔料インクの印字濃度は充分高いものであった。また、インク受容層の塗工量が片面あたり1.8g/mである実施例8は印字濃度、インク吸収性にやや劣っていたが、裏抜けは問題ないレベルであった。一方、角型の軽質炭酸カルシウムを用いた比較例1、紡錘状の軽質炭酸カルシウムを用いた比較例2、またロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの粒径が1.6μm未満である比較例3、基紙の灰分が15%以下の比較例4において、印字した際に裏抜けが発生した。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの二次粒子形状の電子顕微鏡像の一例を示す図である。

Claims (6)

  1. パルプと、平均粒子径が1.6μm以上かつ吸油量が90〜200ml/100gであるロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを主に含む填料とを主成分とした基紙の少なくとも片面に、顔料と結着剤を含有するインク受容層を一層以上設けたインクジェット記録用紙であって、基紙のJIS−P8251に規定される灰分が15〜40%であるインクジェット記録用紙。
  2. インク受容層の塗工量が2〜7g/mである請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. インク受容層中の顔料のうち、合成シリカを10〜100重量%含有する請求項1または2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記合成シリカが吸油量90〜200ml/100g、BET比表面積45〜200m/g、平均粒子径1.0〜3.0μmの合成シリカであることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記合成シリカが珪酸ソーダ水溶液を鉱酸および/又は酸性金属塩水溶液により中和して得られた合成シリカスラリーを湿式粉砕したものである請求項3または4に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 前記合成シリカが珪酸ソーダ水溶液を硫酸アルミニウム水溶液により中和して得られた合成シリカであることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用紙。


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