以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本実施形態の内視鏡システム14の全体の概略構成を示す。この内視鏡システム14の内視鏡16は、体腔内に挿入される細長い挿入部18を有する。この挿入部18は、硬質の先端硬質部20、湾曲操作される湾曲部21、長尺で可撓性の可撓管部24を先端側から順に連結することにより形成されている。
先端硬質部20の先端部には、体腔内の患部に送気送水を行うと共に、患部を処置する処置具を突出させる先端開口22が形成されている。
また、先端硬質部20の先端部には、観察画像を撮像するための複数の撮像手段が配設されている。本実施形態では、先端硬質部20の先端部には、通常光観察を行うための第1の撮像ユニット24aと、蛍光観察を行うための第2の撮像ユニット24bとが並設されている。これら第1及び第2の撮像ユニット24a,24bには、通常光観察用の通常光及び蛍光観察用の励起光を照射するための図示しない照明レンズが並設されている。
一方、先端硬質部20の後端側には、第1及び第2の撮像ユニット24a,24bと電気的に接続されている切替手段としての切替回路部26が収容されている。この切替回路部26は、後述するように、第1の撮像ユニット24aと第2の撮像ユニット24bとのいずれの撮像ユニット24a,24bと電気コネクタ28とを接続するかを切替可能になっている。
挿入部18の基端部には、操作部27が連結されている。この操作部27は、術者に把持される先端側の把持部シーケンス30を有する。この把持部シーケンス30には、処置具を挿入するための処置具挿入口32が形成されている。この処置具挿入口32の内端部には、第1のチャンネル34aが接続されており、この第1のチャンネル34aは、把持部シーケンス30及び挿入部18を挿通されて、先端硬質部20の先端開口22に接続されている。そして、処置具挿入口32から処置具を挿入して、第1のチャンネル34aを挿通させることにより、先端開口22から処置具が突出されるようになっている。
把持部シーケンス30の後端側には、操作部シーケンス36が一体的に連結されている。この操作部シーケンス36の側面には、湾曲部21を湾曲操作するための上下湾曲ノブ38a及び左右湾曲ノブ38bが共軸に枢支されている。これら上下湾曲ノブ38a及び左右湾曲ノブ38bを回転操作することにより、湾曲部21を4方向に湾曲操作することが可能である。以下では、操作部シーケンス36において、上下湾曲ノブ38a及び左右湾曲ノブ38bが配設されている側を表側と称する。
操作部シーケンス36には、先端硬質部20の先端開口22からの送気送水を操作するための送気送水スイッチ40が配設されている。また、操作部シーケンス36では、先端硬質部20の切替回路部26を作動させるための切替スイッチ42が送気送水スイッチ40に並設されている。そして、操作部27からユニバーサルケーブル44が延出されており、ユニバーサルケーブル44の延出端部にはコネクタ部49が配設されている。
このコネクタ部49には、送気送水装置47に接続される送気送水口金48が配設されている。この送気送水口金48の内端部には、第2のチャンネル34bが接続されており、この第2のチャンネル34bは、ユニバーサルケーブル44及び操作部27を挿通されて、把持部シーケンス30内で第1のチャンネル34aに合流している。そして、送気送水スイッチ40を操作することにより、送気送水装置47から、送気送水口金48、第2及び第1のチャンネル34b,34a並びに先端開口22を介して、患部への送気送水が行われるようになっている。
また、コネクタ部49には、光源装置50に接続される光源コネクタ52が配設されている。この光源コネクタ52の内端部には、ライトガイドが接続されており、このライトガイドは、ユニバーサルケーブル44、操作部27及び挿入部18を挿通されて、先端硬質部20の照明レンズに接続されている。また、光源装置50は、操作部27の切替スイッチ42を操作することにより、通常光観察用の通常光と蛍光観察用の励起光とを選択的に生成する。そして、光源装置50から、光源コネクタ52、ライトガイド及び照明レンズを介して、患部に通常光あるいは励起光が照射される。
さらに、コネクタ部49には、先端硬質部20の切替回路部26に電気的に接続されている電気コネクタ28が配設されている。この電気コネクタ28は、スコープケーブル45を介して、信号処理を行う外部機器としてのプロセッサ46に接続されている。
以下、本実施形態の第1及び第2の撮像ユニット24a,24bについて詳細に説明する。通常光観察用の第1の撮像ユニット24aは、図2Aに示される第1のCCD54aを有する。この第1のCCD54aは、受光面に結像された光情報を光電変換して電荷として蓄積する、二次元的に並設されている画素56a群を有する。画素56a群の一端列は、第1及び第2の水平レジスタ58a,60aに接続されており、画素56a群において、第1及び第2の水平レジスタ58a,60aに向かう方向を垂直方向と称する。
各画素56aに蓄積された電荷は、数kHz乃至数百kHzの低周波である第1の垂直転送パルス信号ΦP1が印加される度に、垂直方向に一画素分だけ転送される(図2A、矢印群B参照)。垂直方向の最端列である画素列に転送された電荷は、数kHz乃至数百kHzの低周波である第1のトランスファーゲートパルス信号ΦT1の印加により、第1及び第2の水平レジスタ58a,60aに振り分けられて転送される。第1及び第2の水平レジスタ58a,60aに転送された電荷は、8MHz以上の高周波である第1の水平転送パルス信号ΦS1の印加により、垂直方向に直交する水平方向に転送されて出力アンプ62aへと出力される。出力アンプ62aは、入力された電荷に応じて第1の映像信号Vout1を出力する。
図2Bに示されるように、蛍光観察用の第2の撮像ユニット24bの第2のCCD54bは、電荷増倍型のCCDである。このCCDでは、米国特許5,337,340号“Charge Multiplying Detecter(CMD) suitable for small pixel CCD image sensers”に示されるように、充分な強度の電解領域を生成することにより、伝導電子を原子に衝突させて価電子帯の電子を解放すると共に、原子に衝突した伝導電子を原子との衝突領域から脱出させており、かかるイオン化により電荷を増倍させて感度を向上させている。また、このCCDでは、CCDへと印加される制御パルス信号の振幅及びパルス数を調節することにより、CCDの感度を自由に制御することが可能である。
第2の撮像ユニット24bの第2のCCD54bにおいても、第1のCCD54a(図2A参照)と同様に、各画素56bに蓄積された電荷は、第2の垂直転送パルス信号ΦP2の印加によって垂直方向に一画素分だけ転送される。垂直方向の最端列である画素列に転送された電荷は、水平レジスタ59bに転送される。
図2Cのタイミングチャートに示されるように、第2の垂直転送パルス信号ΦP2の印加に続いて、水平レジスタ59bに第2の水平転送パルス信号ΦS2a,ΦS2b(以下では、まとめてΦS2と称する)が印加されると、水平レジスタ59bに転送された電荷は、第2の水平転送パルス信号ΦS2に同期して、水平レジスタ59bから水平方向に出力アンプ62bへと転送される。なお、水平方向レジスタ59bには、感度増倍機構が設けられており、感度増倍機構に印加される制御パルス信号ΦCMD2の振幅及びパルス数を調節することにより、第2のCCD54bの感度を一倍乃至数百倍まで変化させることが可能である。そして、出力アンプ62に第2のリセットパルス信号ΦRS2が印加されると、出力アンプ62から映像信号ΦVout2が出力される。
以下、本実施形態の内視鏡システム14の制御系について説明する。なお、第2の制御パルス信号ΦCMD2については、切替回路部26において切り替えられるものではないため、以下ではその説明を省略する。
図3を参照し、内視鏡16の送気送水スイッチ40を操作すると、送気送水信号ΦSW1が送気送水装置47に出力され、送気送水装置47が作動される。また、内視鏡システム14は、内視鏡16の切替スイッチ42を操作することにより、第1の撮像ユニット24aを用いて通常光観察画像を得る通常光観察モードと、第2の撮像ユニット24bを用いて蛍光観察画像を得る蛍光観察モードとの間で切り替えられる。
即ち、切替スイッチ42を切替操作することにより、光源装置50、情報リレー回路64、切替回路部26の第1及び第2のリレー回路66a,66bに切替信号ΦSW2が出力される。そして、光源装置50が内視鏡16に供給する照明光が、通常光と励起光との間で切り替わると共に、情報リレー回路64、第1のリレー回路66a、及び、第2のリレー回路66bが、第1の撮像ユニット24a側と第2の撮像ユニット24b側との間で切り替えられる。なお、内視鏡システム14の起動時には、内視鏡システム14は通常光観察モードにある。
通常光観察モードでは、第1のCCD情報記憶部68aから、第1の情報信号ΦD1が、第1の撮像ユニット24a側に切り替えられている情報リレー回路64を介して、プロセッサ46の駆動回路70に出力される。
第1の情報信号ΦD1を入力された駆動回路70は、第1の垂直転送パルス信号ΦP1を、第1の撮像ユニット24a側に切り替えられている第2のリレー回路66bを介して、第1の撮像ユニット24aに出力する。そして、駆動回路70は、第1のトランスファーゲートパルス信号ΦT1を、第1の撮像ユニット24a側に切り替えられている第1のリレー回路66aを介して第1の撮像ユニット24aに出力する。さらに、駆動回路70は、第1の水平転送パルス信号ΦS1を、第1のリレー回路66aを介して第1の撮像ユニット24aに出力する。
この後、第1の撮像ユニット24aは、第1の映像信号Vout1を、第1の撮像ユニット24a側に切り替えられている第2のリレー回路66bを介して、プロセッサ46の映像処理回路72に出力する。第1の映像信号Vout1を入力された映像処理回路72は、信号処理を行い、モニター74に通常光観察画像を表示させる。
一方、蛍光観察モードでは、第2のCCD情報記憶部68bから、第2の情報信号ΦD2が、第2の撮像ユニット24b側に切り替えられている情報リレー回路64を介して、プロセッサ46の駆動回路70に出力される。本実施形態では、第1の情報信号ΦD1をHレベル信号、第2の情報信号ΦD2をLレベル信号としている。
通常光観察モードと同様に、駆動回路70は、第2の垂直転送パルス信号ΦP2を、第2の撮像ユニット24b側に切り替えられている第2のリレー回路66bを介して、第2の撮像ユニット24bに出力する。また、駆動回路70は、第2の水平転送パルス信号ΦS2、及び、第2のリセットパルス信号ΦRS2を、第2の撮像ユニット24b側に切り替えられている第1のリレー回路66aを介して第2の撮像ユニット24bに出力する。
この後、第2の撮像ユニット24bは、第2の映像信号Vout2を、第2の撮像ユニット24b側に切り替えられている第2のリレー回路66bを介して、プロセッサ46の映像処理回路72に出力する。映像処理回路72は、モニター74に蛍光観察画像を表示させる。
次に、本実施形態の内視鏡システム14の作用について説明する。本実施形態の内視鏡システム14を用いて観察を行う際には、内視鏡16のコネクタ部49を送気送水装置47及び光源装置50に接続すると共に、コネクタ部49をスコープケーブル45を介してプロセッサ46に接続し、送気送水装置47、光源装置50及びプロセッサ46を起動する。起動時には、内視鏡システム14は通常光観察モードにあり、光源装置50は通常光を生成し、内視鏡16の情報リレー回路64並びに第1及び第2のリレー回路66a,66bは第1の撮像ユニット24a側に切り替えられている。
内視鏡16の挿入部18を体腔内に挿入して、先端硬質部20を体腔内の患部に対面させる。光源装置50から、通常光が光源コネクタ52、ライトガイド及び照明レンズを介して患部に供給され、通常光によって患部が照明される。そして、第1のCCD情報記憶部68aから情報リレー回路64を介して第1の情報信号ΦD1がプロセッサ46の駆動回路70に入力され、駆動回路70によって第1の撮像ユニット24aが駆動される。そして、第1の撮像ユニット24aからプロセッサ46の映像処理回路72へと第1の映像信号Vout1が出力され、モニター74に通常光観察画像が表示される。術者は、モニター74の通常光観察画像を観察しながら、診断、処置等を行う。必要ならば、送気送水スイッチ40を操作して、患部に送気送水を行う。
術者は、蛍光観察により患部をより詳しく診断したいと望む場合には、切替スイッチ42を操作して内視鏡システム14を蛍光観察モードに切り替える。切替スイッチ42を操作すると、光源装置50は励起光を発生し、励起光が光源コネクタ52、ライトガイド及び照明レンズを介して患部に照射される。
また、内視鏡16の情報リレー回路64並びに第1及び第2のリレー回路66a,66bは、第2の撮像ユニット24b側に切り替えられる。そして、第2のCCD情報記憶部68bから情報リレー回路64を介して第2の情報信号ΦD2がプロセッサ46の駆動回路70に出力される。そして、駆動回路70によって第2の撮像ユニット24bが作動され、モニター74に蛍光観察画像が表示される。
励起光が照射されると、癌組織等はその励起光を吸収して正常な組織よりも強い蛍光を発するため、蛍光観察画像を用いることにより、患部のより詳しい診断が可能となる。
従って、本実施形態の内視鏡システム14は次の効果を奏する。本実施形態の内視鏡システム14では、第1及び第2の撮像ユニット24a,24bと切替回路部26との間で信号を送受信し、切替回路部26と電気コネクタ28との間で信号を送受信しており、切替回路部26は、第1及び第2の撮像ユニット24a,24bのいずれの撮像ユニット24a,24bと電気コネクタ28との間で信号を送受信するかを切替可能となっている。このため、第1及び第2の撮像ユニット24a,24b毎に切替回路部26と電気コネクタ28との間で信号を送受信するための構成を設ける必要がなくなっており、また、第1及び第2の撮像ユニット24a,24b毎にスコープケーブル45及びプロセッサ46を準備する必要がなくなっている。従って、内視鏡16及び内視鏡システム14の構成が簡単化され、原価が低減されている。
また、切替回路部26を操作するための切替スイッチ42が内視鏡16に配設されているため、プロセッサ46等に配設されている場合と比較して、切替スイッチ42の操作性が向上されている。特に、切替スイッチ42は、術者に把持され、送気送水スイッチ40、左右湾曲ノブ38b等がまとめて配設されている操作部27に配設されているため、切替スイッチ42の操作において内視鏡16の持ち替え等を行う必要がなく、操作性が充分に向上されている。
そして、切替回路部26は、先端硬質部20の後端側に収容されている。このため、先端硬質部20の後端部からコネクタ部49の電気コネクタ28までの内視鏡16のほぼ全長に渡って、第1及び第2の撮像ユニット24a,24b毎に切替回路部26と電気コネクタ28との間で信号を送受信するための構成を設ける必要がなく、内視鏡16の構成が充分に簡単化されている。
さらに、情報リレー回路64は、第1及び第2のCCD情報記憶部68a,68bのいずれのCCD情報記憶部68a,68bから電気コネクタ28へと情報信号ΦD1,ΦD2を送信するかを切替可能となっており、電気コネクタ28からプロセッサ46へと第1及び第2の情報信号ΦD1,ΦD2の内の一方の情報信号ΦD1,ΦD2のみを出力している。ここで、情報リレー回路64を用いない場合には、内視鏡16からプロセッサ46への情報信号ΦD1,ΦD2の送信は、第1の情報信号ΦD1用と第2の情報信号ΦD2用との2つのルートでなされることとなるが、従来の単一の撮像ユニットを用いる内視鏡用のプロセッサでは、情報信号を単一のルートで受信しているため、このプロセッサを使用することができない。本実施形態では、従来の単一の撮像ユニットを用いる内視鏡用のプロセッサをそのまま用いることが可能となっており、内視鏡システム14の互換性が向上されている。
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の内視鏡システム14では、切替回路部26を内視鏡16の可撓管部24内に配置している。このため、第1実施形態と比較して、先端硬質部20の、挿入部18の長手方向の長さが減少されており、内視鏡16の挿入性が向上されている。
図4は、本発明の第3実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態では、操作部27の把持部シーケンス30内に切替回路部を配設している。
即ち、把持部シーケンス30内には、挿入部18から延出されている第1のチャンネル34aが挿入されており、この第1のチャンネル34aは、把持部シーケンス30に形成されている処置具挿入口32の内端部に接続されている。また、第1のチャンネル34aは、把持部シーケンス30内で第2のチャンネル34bへと分岐されており、この第2のチャンネル34bは、操作部27の操作部シーケンス36へと挿入されている。把持部シーケンス30内において、処置具挿入口32に対向する内壁面に切替回路部26が固定されている。即ち、把持部シーケンス30内において、処置具挿入口32側には第1及び第2のチャンネル34a,34bが配置されており、反対側には切替回路部26が配置されている。
従って、本実施形態の内視鏡システム14は次の効果を奏する。本実施形態では、内視鏡16の挿入部18に切替回路部26が配設されておらず、挿入部18を細径化することが可能となっている。
図5A及び図5Bは、本発明の第4実施形態を示す。第3実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態では、操作部27の操作部シーケンス36内に切替回路部26を配設している。
操作部シーケンス36の上部壁の内面には、下部壁へと突出する係止部76が操作部27の長手方向に延設されている。この係止部76の下端面には、操作部27の長手方向に係止溝78が延設されている。この係止溝78には、板状のフレーム80が嵌入固定されており、このフレーム80は、操作部シーケンス36の両側面に略平行に配置されて、操作部シーケンス36内で表側空間と裏側空間とを規定している。
ところで、内視鏡16の湾曲部21(図1参照)は、円筒状の湾曲コマを互いに共軸となるように回動可能に連結していくことにより形成されており、最先端の湾曲コマに接続され挿入部18及び操作部27を挿通されている操作ワイヤーを進退させることにより湾曲部21(図1参照)が湾曲操作される。
操作部シーケンス36内には、上下湾曲ノブ38a及び左右湾曲ノブ38bへの回転操作を進退操作に変換し、操作ワイヤーを進退させるアングルメカ82が収容されている。このアングルメカ82は、操作部シーケンス36内のフレーム80の表側面に固定され、操作部シーケンス36内の表側空間で操作部27の長手方向の略全長に渡って配置されている。
一方、切替回路部26は、操作部シーケンス36内のフレーム80の裏側面に固定され、操作部シーケンス36内の裏側空間で操作部シーケンス36の先端側に配置されている。
従って、本実施形態の内視鏡システム14は次の効果を奏する。本実施形態では、操作部シーケンス36内で、切替回路部26をアングルメカ82の配置されている表側ではなく裏側に配置しているため、切替回路部26によって操作ワイヤーの進退操作が妨げられることがなく、操作ワイヤーの進退操作を確実に行うことが可能となっている。
図6乃至図10Bは、本発明の第5実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の内視鏡システムでは、コネクタ部の電気コネクタに切替回路部を設けている。
図6に示されるように、本実施形態の電気コネクタ28は、コネクタ部49に突設されている口金84を有する。この口金84は、導電性で、略円筒形状であり、コネクタ部49のハウジングであるコネクタケース86に形成されている円形開口に嵌挿されている。また、口金84の外周部には第1のフランジ部88が形成されており、第1のフランジ部88がコネクタケース86に当接されねじ止めされることにより、口金84がコネクタケース86に固定されている。
口金84の内周面には、全周にわたって係止用凸部90が形成されており、略円板状のカバー部材92が、口金84の内腔に内側開口から嵌挿されて係止用凸部90に当接され接着固定されている。また、略円柱状の絶縁性のインシュレータ94が、口金84の内側開口から嵌挿されてカバー部材92の内端面に当接され接着固定されている。なお、インシュレータ94と口金84とは、第1のパッキン96aを介して接着固定されており、インシュレータ94と口金84との間が水密に保持されている。そして、インシュレータ94の内端面には、円板状の基板98が第2のパッキン96bを介して接着固定されており、インシュレータ94と基板98との間が水密に保持されている。
カバー部材92、インシュレータ94及び基板98には、複数の単線ピン100T,…,100D、ポストピン102、及び、複数の同軸ピン(バーンディ)104S,104Vが貫通されている。これら単線ピン100T,…,100D及び同軸ピン104S,104Vの外端側は、カバー部材92から外側へと突出されており、スコープケーブル45(図3参照)に接続されるようになっている。また、ポストピン102の外端側は、単線ピン100T,…,100D及び同軸ピン104S,104Vの外端部よりもさらに外側へと突出されており、操作者が口金84内に手をいれた場合に、単線ピン100T,…,100D及び同軸ピン104S,104Vよりも先に操作者の手に触れて、操作者の静電気を逃がすようになっている。
単線ピン100T,…,100D、ポストピン102及び同軸ピン104S,104Vは、インシュレータ94に接着固定されている。そして、単線ピン100T,…,100D、ポストピン102及び同軸ピン104S,104Vの内端側は、基板98のスルーホール106を挿通されて、基板98のスルーホール106において半田付けされている。さらに、単線ピン100T,…,100D及び同軸ピン104S,104Vの内端側は、基板98から突出されて、基板98の内端面側に口金84と共軸に配置されている導電性のシールド筒110内へと延びている。
このシールド筒110の、基板98側の端部には、第2のフランジ部111が形成されており、第2のフランジ部111の外周面に形成されている雄ねじが、口金84の内周面の内端部に形成されている雌ねじに螺合されている。そして、口金84にシールド筒110を捻じ込むことにより、基板98の周縁部とシールド筒110の第2のフランジ部111とが当接されており、基板98の周縁部に形成されているグランドランドとシールド筒110とが電気的に接続されている。さらに、シールド筒110と口金84とは、螺合部分を介して電気的に接続されている。
一方、シールド筒110の内端部には、シールド筒110の内端開口を覆う導電性のシールド蓋112がねじ止めされている。このシールド蓋112には、ユニバーサルケーブル44(図1参照)から延出されている伝送ケーブル114が、ビス115aによってシールドに取り付けられている固定板115bによって固定ゴム115cを介して固定されている。この伝送ケーブル114の先端部は、シールド蓋112に形成されている開口を介してシールド筒110内に挿入されている。シールド筒110内に挿入されている伝送ケーブル114は、フレキシブル基板99を介して、単線ピン100T,…,100D及び同軸ピン104S,104Vに電気的に接続されている。
以下、フレキシブル基板99を介する伝送ケーブル114と単線ピン100T,…,100D及び同軸ピン104S,104Vとの電気的接続について詳細に説明する。図3及び図6を参照し、伝送ケーブル114には、送気送水スイッチ40から延出されている送気送水ケーブル117SW1、切替スイッチ42から延出されている切替ケーブル117SW2、情報リレー回路64から延出されている情報ケーブル117D、第1の撮像ユニット24aから延出されている第1の撮像ケーブル117C1、及び、第2の撮像ユニット24bから延出されている第2の撮像ケーブル117C2が挿通されている。
これら送気送水ケーブル117SW1、切替ケーブル117SW2、及び、情報ケーブル117Dには、夫々、送気送水信号ΦSW1、切替信号ΦSW2、及び、情報信号ΦD1,ΦD2を伝送する単線電線の送気送水信号線、切替信号線及び情報信号線が挿通されている。
また、第1の撮像ケーブル117C1には、第1の垂直転送パルス信号ΦP1、第1の水平転送パルス信号ΦS1、第1のトランスファーゲートパルス信号ΦT1、及び、第1の映像信号Vout1を伝送する同軸線の第1の垂直転送パルス信号線、第1の水平転送パルス信号線、第1のトランスファーゲートパルス信号線、及び、第1の映像信号線が挿通されている。第2の撮像ケーブル117C2については、第2の垂直転送パルス信号線、第2の水平転送パルス信号線、第2のリセットパルス信号線、及び、第2の映像信号線が挿通されている。
一方、単線ピンには、送気送水信号用単線ピン100SW1、切替信号用単線ピン100SW2、及び、情報信号用単線ピン100Dが含まれる。さらに、単線ピンには、一対の垂直転送パルス信号用単線ピン100P,100P’、一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用単線ピン100T,100T’が含まれる。ここで、一対の単線ピンの内、一方の単線ピンは信号用であり、他方の単線ピンはグランド用である。また、同軸ピンには、水平転送パルス信号用同軸ピン104S、映像信号用同軸ピン104Vが含まれる。
図6乃至図8Bを参照し、フレキシブル基板99は、A面、B面、C面及びD面を順次連結することにより形成されている。以下では、A面、B面、C面、及び、D面の表面をA1面、B1面、C1面及びD1面、裏面をA2面、B2面、C2面及びD2面と称する。
口金84の基板98に対面して、フレキシブル基板99のC1面(図8A参照)が配置されている。このC1面から反対側のC2面(図8B参照)まで、送気送水信号用スルーホール106SW1、切替信号用スルーホール106SW2、及び、情報信号用スルーホール106Dが貫通されており、これらに送気送水信号用単線ピン100SW1、切替信号用単線ピン100SW2、及び、情報信号用単線ピン100DがC1面側からC2面側へと夫々挿入されている。
C2面において、送気送水信号用スルーホール106SW1、切替信号用スルーホール106SW2、及び、情報信号用スルーホール106Dの周辺には、夫々、送気送水信号用ピンランド108SW1、切替信号用ピンランド108SW2、及び、情報信号用ピンランド108Dが形成されており、これらに送気送水信号用単線ピン100SW1、切替信号用単線ピン100SW2及び情報信号用単線ピン100Dが夫々半田付けされている。送気送水信号用ピンランド108SW1、切替信号用ピンランド108SW2、及び、情報信号用ピンランド108Dは、夫々、C2面とD2面(図8B参照)との間のフレキシブル基板99中の接続パターンを介して、D2面の送気送水信号用接続ランド109SW1、切替信号用接続ランド109SW2、及び、情報信号用接続ランド109Dに電気的に接続されている。
C2面とD2面との間にはCD折曲部126が配設されており、CD折曲部126を折り曲げることにより、D面は、D2面が電気コネクタ28の中心軸と対面して、C面に略垂直に配置されている。また、D面は、C面に略垂直に互いに略平行に延びている第1及び第2のD折曲部130a,130bを有する。
これら第1及び第2のD折曲部130a,130bによって、D2面は、CD折曲部126に連結されている情報ケーブル接続部128D、並びに、この情報ケーブル接続部128Dの側方に夫々配置されている送気送水ケーブル接続部128SW1、及び、切替ケーブル接続部128SW2に分割されている。送気送水ケーブル接続部128SW1には、送気送水ケーブル117SW1が接続されており、送気送水ケーブル117SW1から延出されている送気送水信号線が、送気送水ケーブル接続部128SW1に配置されている送気送水信号用接続ランド109SW1に半田付けされている。切替ケーブル接続部128SW2、及び、情報ケーブル接続部128Dについても同様である。そして、第1及び第2のD折曲部130a,130bを折り曲げることにより、D面は、C面の外周部に沿って配置されている。
一方、C1面からC2面まで、水平転送パルス信号用スルーホール106S、及び、一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用スルーホール106T,106T’が貫通されており、これらに水平転送パルス信号用同軸ピン104S、及び、一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用単線ピン100T,100T’がC1面側からC2面側へと夫々挿通され、C2面に対面して配置されているB2面(図8B参照)へと突出している。
このB2面は、C2面とB2面との間のCB折曲部131を折り曲げることにより、C2面から所定距離離間してC2面と略平行に配置されている。B2面にも、C2面の水平転送パルス信号用スルーホール106S、及び、一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用スルーホール106T,106T’に夫々アラインメントされて、水平転送パルス信号用スルーホール106S、及び、一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用スルーホール106T,106T’が形成されている。
B2面からB1面(図8A参照)まで、水平転送パルス信号用スルーホール106S、及び、一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用スルーホール106T,106T’が貫通されており、これらに水平転送パルス信号用同軸ピン104S、及び、一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用単線ピン100T,100T’がB2面側からB1面側へと夫々挿入されている。
B1面において、水平転送パルス信号用スルーホール106Sの周辺には、一対の水平転送パルス信号用ピンランド108S,108S’が形成されており、これらに水平転送パルス信号用同軸ピン104Sが半田付けされている。また、一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用スルーホール106T,106T’の周辺には、トランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用ピンランド108T,108T’が形成されており、これらに一対のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用単線ピン100T,100T’が夫々半田付けされている。
信号用の水平転送パルス信号用ピンランド108S、及び、信号用のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用ピンランド108Tは、夫々、B1面に配置されている第1のリレー回路66aに電気的に接続されている。この第1のリレー回路66aは、B1面に配置されている信号用の第1及び第2の水平転送パルス信号用接続ランド109S1,109S2、信号用の第1のトランスファーゲートパルス信号用接続ランド109T1、及び、信号用の第2のリセットパルス信号用接続ランド109T2に電気的に接続されている。
一方、グランド用の水平転送パルス信号用ピンランド108S’は、B1面に配置されているグランド用の第1及び第2の水平転送パルス信号用接続ランド109S1’,109S2’に電気的に接続されている。また、グランド用のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用ピンランド108T’は、B1面に配置されているグランド用の第1のトランスファーゲートパルス信号用接続ランド109T1’に電気的に接続されている。
第1の撮像ケーブル117C1から延出されている同軸線の第1の水平転送パルス信号線は、B1面の一対の第1の水平転送パルス信号用接続ランド109S1,109S1’に半田付けされている。第2の撮像ケーブル117C2の第2の水平転送パルス信号線についても同様である。
また、第1の撮像ケーブル117C1から延出されている同軸線の第1のトランスファーゲートパルス信号線は、B1面の一対の第1のトランスファーゲートパルス信号用接続ランド109T1,109T1’に電気的に接続されている。
そして、第2の撮像ケーブル117C2から延出されている同軸線の第2のリセットパルス信号線は、B1面の信号用の第2のリセットパルス信号用接続ランド109T2、及び、グランド用のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用ピンランド108T’に電気的に接続されている。
一方、C1面からC2面まで、一対の垂直転送パルス信号用スルーホール106P,106P’が貫通されており、これらに一対の垂直転送パルス信号用単線ピン100P,100P’がC1面側からC2面側へと夫々挿入されている。
C2面において、垂直転送パルス信号用スルーホール106P,106P’の周辺には、夫々、垂直転送パルス信号用ピンランド108P,108P’が形成されており、これらに垂直転送パルス信号用単線ピン100P,100P’が夫々半田付けされている。信号用の垂直転送パルス信号用ピンランド108Pは、C2面とA1面(図8A参照)との間のフレキシブル基板99中の接続パターンを介して、A1面の第2のリレー回路66bに電気的に接続されている。この第2のリレー回路66bは、A面中の接続パターンを介して、A1面に配置されている信号用の第1及び第2の垂直転送パルス信号用接続ランド109P1,109P2に電気的に接続されている。
一方、C2面のグランド用の垂直転送パルス信号用ピンランド108P’は、C2面とA1面との間のフレキシブル基板99中の接続パターンを介して、A1面に配置されているグランド用の第1及び第2の垂直転送パルス信号用接続ランド109P1’,109P2’に電気的に接続されている。
一方、水平転送パルス信号用同軸ピン104Sと同様に、映像信号用同軸ピン104Vは、C1面からC2面まで貫通されている映像信号用スルーホール106Vを挿通され、B2面からB1面まで貫通されている映像信号用スルーホール106Vに挿入され、B1面において映像信号用スルーホール106Vの周辺に形成されている一対の映像信号用ピンランド108V,108V’に半田付けされている。
信号用の映像信号用ピンランド108Vは、B1面とA1面との間のフレキシブル基板99中の接続パターンを介して、第2のリレー回路66bに電気的に接続されており、この第2のリレー回路66bは、A1面に配置されている信号用の第1及び第2の映像信号用接続ランド109V1,109V2に電気的に接続されている。
一方、グランド用の映像信号用ピンランド108V’は、B1面とA1面との間のフレキシブル基板99中の接続パターンを介して、A1面に配置されているグランド用の第1及び第2の映像信号用接続ランド109V1’,109V2’に電気的に接続されている。
さらに、B1面とA1面との間にはBA折曲部132が配設されており、BA折曲部132を折り曲げることにより、A面は、A1面が電気コネクタ28の中心軸と対面されて、B面に略垂直に配置されている。また、A面は、B1面に略垂直に互いに略平行に順に並設されている第1乃至第4のA折曲部134a,134b,134c,134dを有する。
BA折曲部132にリレー回路搭載部136が連結されており、このリレー回路搭載部136の一側方へと、第1のA折曲部134a、第1の撮像ケーブル接続ランド部129C1、第2のA折曲部134b、第1の撮像ケーブル接続部128C1、第3のA折曲部134c、第2の撮像ケーブル接続ランド部129C2、第4のA折曲部134d、第2の撮像ケーブル接続部128C2が順に配置されている。
そして、リレー回路搭載部136には、第2のリレー回路66bが搭載されている。また、第1の撮像ケーブル接続部128C1には、第1の撮像ケーブル117C1の接続端部がB1面に近接する位置に固定され、第1の撮像ケーブル117C1から延出されている同軸線の第1の垂直転送パルス信号線及び第1の映像信号線は、夫々、一対の第1の撮像ケーブル接続ランド部129C1に配置されている第1の垂直転送パルス信号用接続ランド109P1,109P1’、及び、一対の第1の映像信号用接続ランド109V1,109V1’に半田付けされている。第2の撮像ケーブル117C2、第2の撮像ケーブル接続部128C2、及び、第2の撮像ケーブル接続ランド部129C2についても同様である。
そして、第1乃至第4のA折曲部134a,134b,134c,134dを折り曲げることにより、A面は、D面と重なることなくB面の外周部に沿って配置されている。
なお、基板98とフレキシブル基板99のC面とは、送気送水信号用単線ピン100SW1等を送気送水信号用ピンランド108SW1等に半田付けすることにより互いに位置決めされている。また、フレキシブル基板99のC面とB面とは、水平転送パルス信号用同軸ピン104S等を水平転送パルス信号用ピンランド108S,108S’等に半田付けすることにより互いに位置決めされている。
このように、フレキシブル基板99は、図9A及び図9Bに示されるように、軸方向に垂直な断面がほぼ八角形の、一端部が開口している筒形状に折り曲げられており、フレキシブル基板99によって内部空間140が形成されている。そして、A1面とD2面とが内周面となっており、切替ケーブル117SW2等の接続端部、及び、フレキシブル基板99に搭載されている第1及び第2のリレー回路66a,66bが、内部空間140に収容されている。さらに、筒形状に折り曲げられているフレキシブル基板99は、シールド筒110内にシールド筒110と共軸に収容されている。
また、図10に示されるように、フレキシブル基板99は、第1の層142aと第4の層142dとによって第2及び第3の層142b,142cを挟み込んだ多層構造を有する。第2及び第3の層142b,142cには、夫々、信号用の接続パターン及びグランド用の接続パターンがパターニングされている。そして、第1の層142aと第4の層142dとは、グランド層となっている。なお、第1及び第4の層142a,142dは、上述した折曲部には形成されていない。
次に、本実施形態の内視鏡システム14の作用について説明する。通常光観察モードでは、第1のCCD情報記憶部68aから、第1の情報信号ΦD1が、情報リレー回路64、情報信号線、フレキシブル基板99のD2面の情報信号用接続ランド109D、D2面とC2面との間の接続パターン、C2面の情報信号用ピンランド108D、及び、情報信号用単線ピン100Dを介して、プロセッサ46の駆動回路70に伝送される。
この後、駆動回路70から、第1の垂直転送パルス信号ΦP1が、垂直転送パルス信号用単線ピン100P、C2面の垂直転送パルス信号用ピンランド108P、C2面とA1面との間の接続パターン、A1面の第2のリレー回路66b、A面の接続パターン、A1面の第1の垂直転送パルス信号用接続ランド109P1、及び、第1の垂直転送パルス信号線を介して第1の撮像ユニット24aに伝送される。
また、駆動回路70から、第1の水平転送パルス信号ΦS1が、水平転送パルス信号用同軸ピン104S、B1面の水平転送パルス信号用ピンランド108S、B面の接続パターン、B1面の第1のリレー回路66a、B面の接続パターン、及び、B1面の第1の水平転送パルス信号用接続ランド109S1、及び、第1の水平転送パルス信号線を介して第1の撮像ユニット24aに伝送される。
そして、駆動回路70から、第1のトランスファーゲートパルス信号ΦT1が、トランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用単線ピン100T、B1面のトランスファーゲートパルス/リセットパルス信号用ピンランド108T、B面の接続パターン、B1面の第1のリレー回路66a、B面の接続パターン、B1面の第1のトランスファーゲートパルス信号用接続ランド109T1、及び、第1のトランスファーゲートパルス信号線を介して第1の撮像ユニット24aに伝送される。このようにして、第1の撮像ユニット24aが駆動される。
この後、第1の撮像ユニット24aから、第1の映像信号Vout1が、第1の映像信号線、A1面の第1の映像信号用接続ランド109V1、A面の接続パターン、A1面の第2のリレー回路66b、A1面とB1面との間の接続パターン、B1面の映像信号用ピンランド108V、及び、映像信号用同軸ピン104Vを介してプロセッサ46の映像処理回路72に伝送され、モニター74に通常光観察画像が表示される。
蛍光観察モードでは、第2のCCD情報記憶部68aから、第2の情報信号ΦD2が、通常光観察モードの第1の情報信号ΦD1と同様に、プロセッサ46の駆動回路70に伝送される。
この後、駆動回路70から、第2の垂直転送パルス信号ΦP2が、A1面の第2のリレー回路66b、A面の接続パターン、A1面の第2の垂直転送パルス信号用接続ランド109P2、及び、第2の垂直転送パルス信号線を介して第2の撮像ユニット24bに伝送される。
また、駆動回路70から、第2の水平転送パルス信号ΦS2が、B1面の第2のリレー回路66a、B面の接続パターン、B1面の第2の水平転送パルス信号用接続ランド109S2、及び、第2の水平転送パルス信号線を介して第2の撮像ユニット24bに伝送される。そして、駆動回路70から、第2のリセットパルス信号ΦRS2が、B1面の第1のリレー回路66a、B面の接続パターン、B1面の第2のリセットパルス信号用接続ランド109T2、及び、第2のリセットパルス信号線を介して第2の撮像ユニット24bに伝送される。このようにして、第2の撮像ユニット24bが駆動される。
この後、第2の撮像ユニット24bから、第2の映像信号Vout2が、第2の映像信号線、A1面の第2の映像信号用接続ランド109V2、A面の接続パターン、A1面の第2のリレー回路66bを介してプロセッサ46の映像処理回路72に伝送され、モニター74に蛍光観察画像が表示される。
従って、本実施形態の内視鏡システム14は次の効果を奏する。切替回路部26が電気コネクタ28に配設されているため、切替回路部26を操作部27等に配設した場合と比較して、操作者に保持されて操作される操作部27等を小型化できる。このため、内視鏡16の操作性が向上されている。
また、切替回路部26が電気コネクタ28に直接接続されているため、切替回路部26と電気コネクタ28との間を接続する構成が必要なく、部品構成が簡単化されている。このため、内視鏡16の構成がさらに簡単化されている。
そして、切替回路部26を形成しているフレキシブル基板99は、筒形状に折り曲げられて内部空間140を形成しており、この内部空間140に切替ケーブル117SW2等の接続端部、及び、フレキシブル基板99に搭載されている第1及び第2のリレー回路66a,66bが収容されている。このように、切替回路部26がコンパクトな構成となっており、コネクタ部49全体をコンパクトな構成とすることが可能となっている。
さらに、A1面の第1及び第2の撮像ケーブル接続部128C1,128C2において、第1及び第2の撮像ケーブル117C1,117C2の接続端部は、B1面に近接する位置に固定されている。即ち、第1及び第2の撮像ケーブル117C1,117C2の接続端部の接続位置は、シールド筒110への伝送ケーブル114の挿入位置から充分に離間した位置となっている。このため、フレキシブル基板99への接続において第1及び第2の撮像ケーブル117C1,117C2が急激に曲げられることが防止されており、耐性が向上されている。
加えて、D面の第1及び第2のD折曲部130a,130bを折り曲げることにより、D面をC面の外周部に沿って配置している。ここで、第1及び第2のD折曲部130a,130bを設けることなく、D面をC面に沿って円筒の周壁を形成するように湾曲させた場合には、送気送水信号用接続ランド109SW1等に曲げ応力が付与されて、半田付け部の耐性が低下してしまう。本実施形態では、送気送水ケーブル接続部128SW1等は、フラットな形状となっており、かかる曲げ応力が送気送水信号用接続ランド109SW1等に付与されることがなく、耐性が向上されている。A面についても、同様な効果を奏する。
そしてまた、D2面には、単線電線である送気送水信号線等が半田付けされている。一方で、A1面には、同軸電線である垂直転送パルス信号線等が半田付けされている。即ち、同一面に同一の種類の電線が半田付けされる構成となっているため、半田付けにおける作業性が向上されている。
さらにまた、高周波信号である水平転送パルス信号ΦS及びトランスファーゲートパルス信号ΦTの切替を第1のリレー回路66aで行い、低周波信号である垂直転送パルス信号ΦP及び映像信号Voutの切替を第2のリレー回路66bで行っている。即ち、低周波信号の切替と高周波信号の切替とを別のリレー回路66a,66bで行っている。このため、リレー回路66a,66bにおいて、高周波信号によって低周波信号にノイズが発生することが防止され、伝送品質が向上されている。
加えてまた、高周波信号である水平転送パルス信号ΦS1,ΦS2は、B1面の水平転送パルス信号用ピンランド108S,108S’に電気的に接続されている水平転送パルス信号用同軸ピン104S、B1面の水平転送パルス信号用ピンランド108S,108S’、B1面の第1のリレー回路66a、及び、B1面の水平転送パルス信号用接続ランド109S1,109S1’,109S2,109S2間で、B面中に形成されている接続パターンを介して伝送されている。ここで、水平転送パルス信号ΦS1,ΦS2が、フレキシブル基板99のC面等で伝送される場合には、高周波信号である水平転送パルス信号ΦS1,ΦS2によって他の低周波信号にノイズが発生してしまう。本実施形態では、水平転送パルス信号ΦS1,ΦS2は、フレキシブル基板99においてB面でのみ伝送されており、他の低周波信号にノイズが発生することが防止されている。また、高周波信号であるトランスファーゲートパルス信号ΦT1も、B面でのみ伝送されており、他の低周波信号にノイズが発生することが防止されている。
そしてさらに、フレキシブル基板99では、グランド層である第1の層142aと第4の層142dとによって、信号用の接続パターン及びグランド用の接続パターンが夫々パターニングされている第2及び第3の層142b,142cが挟み込まれている。このため、第2の層142bの接続パターンにおける電界強度が向上されており、伝送品質が向上されている。
加えてさらに、グランド層を有するフレキシブル基板99は、筒形状に折り曲げられて内部空間140を形成しており、この内部空間140に切替ケーブル117SW2等の接続端部、及び、フレキシブル基板99に搭載されている第1及び第2のリレー回路66a,66bが収容されている。このため、フレキシブル基板99によって、内部空間140が電気的に遮蔽される構成となっており、外部からの電磁場によってノイズが発生することが防止されている。
図11及び図12は、本発明の第6実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態では、高周波信号である水平転送パルス信号を伝送するため、同軸電線である水平転送パルス信号線を水平転送パルス信号用同軸ピンに直接接続している。
図11に示されるように、本実施形態の内視鏡システム14では、図3に示される第1及び第2のCCD情報記憶部68a,68b並びに情報リレー回路64は設けられておらず、切替スイッチ42は、情報リレー回路64に代わって、プロセッサ46の駆動回路70に切替信号ΦSW2を出力する。切替信号ΦSW2を入力された駆動回路70は、第1の撮像ユニット24aを駆動させる第1の駆動回路70aと、第2の撮像ユニット24bを駆動させる第2の駆動回路70bとの内のいずれの駆動回路70a,70bを駆動するかを切り替える。
そして、第1の駆動回路70aから、第1の水平転送パルス信号ΦS1が、第1のリレー回路66aを介さずに第1の撮像ユニット24aに出力される。同様に、第2の駆動回路70bから、第2の水平転送パルス信号ΦS2が、第2のリレー回路66bを介さずに第2の撮像ユニット24bに出力される。
図12に、本実施形態の第1の水平転送パルス信号用同軸ピン104S1(以下、単に同軸ピン104S1と称する)を示す。この同軸ピン104S1は、細長い円柱状の内部導体144を有し、この内部導体144には、細長い円筒状の外部導体146が外挿されている。同軸ピン104S1の先端側では、内部導体144と外部導体146との間に絶縁部材148が介装されており、この絶縁部材148によって、内部導体144と外部導体146とが互いに接触しないように位置決めされている。また、内部導体144、外部導体146及び絶縁部材148は、円環状の支持部材150によって締結固定されており、内部導体144、外部導体146及び絶縁部材148の位置関係が保持されている。
同軸ピン104S1は、基板98に形成されているスルーホール106に挿通されている。さらに、同軸ピン104S1の内部導体144は、フレキシブル基板99のC面とB面とに互いにアラインメントされて形成されている第1の水平転送パルス信号用スルーホール106S1を夫々挿通されて、C面から突出されている。また、内部導体144には、C面とB面との間において、EMCを防止するためのビーズコア152が外挿されている。このビーズコア152の外端面はC2面に当接されており、内端面はB2面に当接されている。
一方、同軸ピン104S1の外部導体146は、基板98のスルーホール106において、基板98に半田付けされている。そして、外部導体146の内端部は、円環状内端面の一部分から突出部154が延出されている構成となっている。この外部導体146の円環状内端面は、フレキシブル基板99のC1面に近接する位置に配置されており、外部導体146の突出部154は、C面とB面とに形成されている第1の水平転送パルス信号用スルーホール106S1を夫々挿通されて、C面から突出されている。なお、外部導体146の突出部154は、C面とB面との間において、ビーズコア152の外周面に当接されている。
同軸電線である第1の水平転送パルス信号線156は、フレキシブル基板99の内部空間140において、同軸ピン104S1に接続されている。即ち、信号用の水平転送パルス信号線156aは、同軸ピン104S1の内部導体144に半田付けされ、グランド用の水平転送パルス信号線156bは、同軸ピン104S1の外部導体146に半田付けされている。
また、第2の水平転送パルス信号用同軸ピンは、第1の水平転送パルス信号用同軸ピン104S1と同様な構成を有し、第2の水平転送パルス信号線は、第1の水平転送パルス信号線156と同様に、第2の水平転送パルス信号用同軸ピンに直接接続されている。
次に、本実施形態の内視鏡システム14の作用について説明する。通常光観察モードでは、第1の駆動回路70aから第1の撮像ユニット24aへと各種信号が送信される。このうち、第1の水平転送パルス信号ΦS1については、第1の水平転送パルス信号用同軸ピン104S1から第1の水平転送パルス信号線156へと直接伝送される。
蛍光観察を行う場合には、切替スイッチ42を操作する。切替スイッチ42を操作すると、第1の駆動回路70aに代わって第2の駆動回路70bが作動される。蛍光観察モードでは、第2の駆動回路70bから第2の撮像ユニット24bへと各種信号が送信される。第1の水平転送パルス信号ΦS1と同様に、第2の水平転送パルス信号ΦS2については、第2の水平転送パルス信号用同軸ピンから第2の水平転送パルス信号線へと直接伝送される。
従って、本実施形態の内視鏡システム14は次の効果を奏する。本実施形態では、高周波である第1及び第2の水平転送パルス信号ΦS1,ΦS2は、第1及び第2の水平転送パルス信号用同軸ピン104S1から、フレキシブル基板99中の接続パターンを介さずに、第1及び第2の水平転送パルス信号線へと直接伝送される。高周波信号がフレキシブル基板99中の接続パターンを伝送される場合には、フレキシブル基板99中の他の接続パターンによって伝送される低周波信号にノイズが発生する可能性があるが、本実施形態では、かかるノイズの発生が防止されている。
また、EMCを防止するためのビーズコア152は、外端面がC2面に当接され、内端面がB2面に当接されて、C面とB面との間に配設されている。このため、ビーズコア152を組み付ける際に、ビーズコア152が固定しやすくなっている。
本実施形態においては、ビーズコア152に代わって、ビーズコア152と同形状の絶縁用の部材を配設してもよい。この場合、突出部154が変形して内部導体144に接触することを防止することが可能となる。
上記実施形態では、第1及び第2の撮像ユニットとして、通常光観察用の撮像ユニットと蛍光観察用の撮像ユニットとを用いている。しかしながら、第1の撮像ユニットと第2の撮像ユニットとして様々な撮像ユニットを用いることが可能であり、例えば、通常光観察用の撮像ユニット、蛍光観察用の撮像ユニット、及び、拡大観察用の撮像ユニットを任意に組み合わせて使用することが可能である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1)体腔内に挿入可能な挿入部と、前記挿入部の先端に第1の撮像素子を備えた第1の撮像手段と、前記挿入部の先端に第2の撮像素子を備えた第2の撮像手段と、前記第1の撮像手段および前記第2の撮像手段に接続され、前記第1の撮像手段および前記第2の撮像手段とを切り替える切替手段と、前記切替手段によって切り替えられた撮像手段に対して駆動信号ならびに映像信号の送受信を行うプロセッサに着脱可能であるとともに、前記切替手段に接続されたコネクタと、を具備することを特徴とする内視鏡。
(付記項2)前記挿入部の基端側に、前記切替手段に切り替えの指示を行う指示手段を有する操作部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
(付記項3)前記挿入部内に前記切替手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
(付記項4)前記コネクタ内に前記切替手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
(付記項5)前記操作部内に前記切替手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の内視競。
(付記項6)前記切替手段はリレー回路を備えた切替基板であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
14…内視鏡システム、16…内視鏡、18…挿入部、24a,24b…撮像手段、26…切替手段、27…操作部、28…コネクタ、44…ケーブル、46…外部機器。