JP2006253618A - 電源装置およびトランス - Google Patents

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Abstract

【課題】 フライバック型のスイッチング電源装置は高電圧・小電流に、フォワード型のスイッチング電源装置は低電圧・大電流に適していると言われているが、フォワード型は、平滑用のインダクタを必要とし、その分、フライバック型に比べて、装置サイズ、重量およびコストが増加する。
【解決手段】 エアギャップを設けない、磁心の中脚に一次巻線11pおよび二次巻線11rを巻回し、エアギャップを設けた外脚の一方に二次巻線11fを巻回したトランス11にする。そして、一次巻線11pに接続されたトランジスタ3がオフ時に電力を通過させるように二次巻線11rにダイオード12を接続し、トランジスタ3がオン時に電力を通過させるように二次巻線11fにダイオード5を接続し、ダイオード5および12の結合点と、二次巻線11rおよび11fの結合点の間にキャパシタ8を接続する。
【選択図】 図3

Description

本発明は電源装置およびトランスに関し、とくに、トランスを利用して直流電力を降圧または昇圧するスイッチング電源装置に関する。
図1はフォワード型のスイッチング電源装置の構成例を示す回路図である。
トランジスタ3は、ベース電極に供給されるパルス信号(ゲート信号)に従いオンオフを繰り返すスイッチである。トランジスタ3がオンの期間、電圧源1 → トランス4の一次巻線4p → トランジスタ3のコレクタ電極 → トランジスタ3のエミッタ電極 → 電圧源1の回路に電流Icが流れる。従って、一次巻線4pにはほぼ電圧源1の電圧Viが加わり、トランス4の二次巻線4sには下式で示すようにトランス4の変圧比N4s/N4pに比例した電圧Vsが誘導される。
Vs = N4s/N4p・Vi …(1)
ここで、N4pは一次巻線4pの巻回数
N4sは二次巻線4sの巻回数
二次巻線4sに誘導された電圧Vsは、ダイオード5およびインダクタ7を介してキャパシタ8を充電するとともに、負荷9に供給される。トランジスタ3がオフになると、二次巻線4sの電圧Vsは逆向きの電圧になるためダイオード5は不導通になるが、ダイオード6が導通してインダクタ7に蓄えられたエネルギを放出するので、負荷9に流れる電流Ioは維持される。
トランジスタ3がオフになってもトランス4の磁心には磁束が残留する。この残留磁束に相当するエネルギを、通常、巻線4rおよびダイオード2を介して電圧源1に戻すことで、磁心の磁束密度を零にリセットする。従って、巻線4はリセット巻線と呼称される。
負荷9に供給される電圧Voは、下式に示すように、トランジスタ3のオン期間とオフ期間の比(オンデューティ)Dに比例した電圧になる。
Vo = Vs・D = Vs・Ton/(Ton + Toff) …(2)
ここで、Tonはトランジスタ3のオン期間
Toffはトランジスタ3のオフ期間
ダイオードなどの損失は無視
トランス4の磁心および一次巻線4pの巻回数N4pは、下式により設定する。
N4p = Vi×Ton/(ΔB×Ae)×104 …(3)
ここで、ΔBは使用磁束密度[T]
Aeは磁心の実効断面積[cm2]
磁心として、例えばTDK株式会社製のPC40ERR35-Zを例にすると、飽和磁束密度Bs=0.38T(100℃)、実効断面積Ae=1.07cm2である。ここで、飽和磁束密度Bsの約半分で動作させるすればΔB=0.2Tである。また、Vi=280V、Ton=4.5μsとすれば一次巻線4pの巻回数N4pは次のように計算される。
N4p = 280×4.5×10-6/(0.2×1.07)×104 = 58 …(4)
また、出力電圧Voを24Vとし、スイッチング周波数を100kHz(Ton+Toff=10μs)とすれば二次巻線4sの巻回数N4sは、式(1)(2)から次のように計算される。
N4s = Vs・N4p/Vi = Vo/D・N4p/Vi
= 24×10/4.5×58/280 = 11 …(5)
なお、リセット巻線4rは、トランジスタ3がオフかつダイオード5が不導通時に、つまりトランス4がインダクタとして動作する期間に電圧を発生するので、その巻回数N4rは任意であるが、通常、一次巻線N4pと同等にする場合が多い。
次に、インダクタ7のインダクタンス値L7は下式により設定する。
Vs - Vo = L7・di/dt
L7 = (Vs-Vo)・dt/di = (Vs - Vo)・Ton/ir …(6)
ここで、irは電流の変化分(リプル電流)[A]
ダイオードなどの損失は無視
上式に具体的な値を当て嵌めると、インダクタンス値L7は次のように計算される。ただし、リプル電流irは出力電流Io=12Aの20%とする。
L7 = (11/58×280 - 24)×4.5/(12×0.2) = 55μH …(7)
また、インダクタの巻回数とインダクタンスの関係は下式によって表される。
L = 4π・N2・Ae・μs/λe×10-9[H] …(8)
ここで、μsは磁心の比透磁率
λeは磁心の実効磁路長[cm]
インダクタ7は、直流電流の重畳による磁心の磁気飽和を防ぐために、磁路にエアギャップを入れる。この場合の磁心の実効透磁率μeは下式によって表される。
μe ≒ λe/λg …(9)
μsの代りにμeを使用すれば、式(8)は式(10)のように書き換えられる。なお、下式の「4π・Ae/λg」部は、磁心のデータシートにAL値[nH/N2]として表記されている場合がある。
L = N2・4π・Ae/λg×10-9[H]
= N2・4π・Ae/λg[nH] …(10)
磁心として、例えばTDK株式会社製のPC40ERR28-Zを例にすると、実効断面積Ae=0.821cm2である。ここで、エアギャップを0.1cmとすれば、AL=103[nH/N2]であるから、インダクタ7の巻回数N7は次のように計算される。
N7 = √(55×103/103) = 23 …(11)
この場合、インダクタ7に流れる直流電流値はIo=12AであるからNI=23×12=276[AT]になる。データシートのNI値の限界を示すデータから、PC40ERR28-Zがインダクタ7として利用可能であることがわかる。
図2はフライバック型のスイッチング電源装置の構成例を示す回路図である。
トランジスタ3がオンの期間、電圧源1 → トランス10の一次巻線10p → トランジスタ3のコレクタ電極 → トランジスタ3のエミッタ電極 → 電圧源1の回路に電流Icが流れる。この期間、トランス10の二次巻線10sに発生する電圧は、ダイオード5の導通方向と逆向きになるので、二次巻線10sに電流は流れない。従って、トランス10はインダクタとして動作し、下式に示すエネルギEを蓄える。
E = 1/2・Lp・Ii2 …(12)
ここで、Lpはトランス10の一次インダクタンス[H]
Iiは一次巻線10pに流れる平均電流値[A]
トランス10に蓄積したエネルギは、トランジスタ3がオフすると、二次巻線10s→ダイオード5→負荷9→二次巻線10sの回路で放出される。また、平均電流値Iiは下式で計算される。
Ii = Vo・Io/(Vi・η) …(13)
ここで、ηはエネルギ変換効率
また、一次電流Icのピーク値Icpは下式のように表される。
Icp = Vi/Lp・Ton …(14)
ここで、Icp=2・Iiの関係を式(14)に代入して、一次インダクタンスLpを下式で設定する。
Vi/Lp・Ton = 2・Ii
Lp = Vi/(2・Ii)・Ton …(15)
そして、式(10)により一次インダクタンスLpが得られ、かつ、式(3)により飽和磁束密度Bs内で動作する磁心を選択し、一次巻線10pの巻回数N10pを決定すればよい。また、二次巻線10sの巻回数N10sは下式で設定する。
N10s = N10p・Vo/Vi・Toff/Ton …(16)
ここで、ダイオードなどの損失は無視
例えば、先のフォワード型と同じく、Vi=280V、Vo=24V、Io=12Aとし、PC40ERR40-Z(Ae=1.49cm2)を使用するとしてトランス10を設計すれば下のようになる。なお、エネルギ変換効率η=0.85、Ton=4.5μs、Toff=5.5μs、エアギャップλg=0.1cmとする。
Ii = 24×12/(280×0.85) = 1.2A
Lp = 280/(2×1.2)×4.5 = 525μH
AL = 4π×1.49/0.1 = 187[nH/N2]
N10p = √(525×103/187) = 53
NI = 53×12 = 636AT
ΔB = Vi・Ton/(N10p・Ae)×104
= 280×4.5×10-6/(53×1.49)×104 = 0.16T
N10s = 53×24/280×5.5/4.5 = 6
なお、実際には、トランスやインダクタに巻回するマグネットワイヤの線径や巻回方法および絶縁方法、トランジスタ、ダイオードおよびキャパシタの選定、並びに、発熱量の算定などが必要になるが、それらの設計方法は省略する。
上記のフォワード型やフライバック型の電源装置の設計方法は、様々な文献に開示されているので、先行技術文献を挙るまでもないが、敢えて挙れば非特許文献1などがある。
ところで、フライバック型は高電圧・小電流に、フォワード型は低電圧・大電流に適していると言われている(例えば、非特許文献2の12頁)。しかし、フォワード型は、図1に示すようにインダクタ7を必要とし、その分、図2に示すフライバック型に比べて、装置サイズ、重量およびコストが増加する。
NECトーキン株式会社 カタログ「トランス Vol.01」(http://www.nec-tokin.com/product/pdf_dl/transformer_j.pdf) TDK株式会社 スイッチング電源用トランスカタログ「003-01/20041028/j6355_srw」(http://www.tdk.co.jp/tjfx01/j6355_srw.pdf)
本発明は、電源装置のサイズ、重量およびコストを低減することが可能なトランスを提供することを目的とする。
また、サイズ、重量およびコストを低減した電源装置を提供することを他の目的とする。
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
本発明にかかるトランスは、スイッチング電源用のトランスであって、エアギャップを設けた二本の外脚、および、エアギャップを設けない中脚を有する磁心と、前記中脚に巻回した一次巻線と、前記中脚に巻回した第一の二次巻線と、前記外脚の一方または両方に巻回した第二の二次巻線とを有することを特徴とする。
また、スイッチング電源用のトランスであって、エアギャップを設けた二本の外脚、および、エアギャップを設けない中脚を有する磁心と、前記中脚に巻回した一次巻線と、前記中脚に、前記一次巻線に接近して巻回した第一の二次巻線と、前記中脚に、前記一次巻線と離間して巻回した第二の二次巻線とを有することを特徴とする。
また、スイッチング電源用のトランスであって、エアギャップを設けた二本の外脚、および、エアギャップを設けない中脚を有する磁心と、前記中脚に巻回した一次巻線と、前記中脚に巻回した第一および第二の二次巻線と、前記一次巻線および前記第一の二次巻線と、前記第二の二次巻線の間に配置した磁性体片とを有することを特徴とする。
本発明にかかる電源装置は、上記のトランスと、前記トランスの一次巻線に接続され、当該巻線に加わる電力をスイッチングするスイッチと、前記トランスの第一の二次巻線に接続され、当該巻線に誘導される電力が加わる第一の整流器と、前記トランスの第二の二次巻線に接続され、当該巻線に誘導される電力が加わる第二の整流器と、前記第一および第二の整流器の出力側の結合点と、前記第一および第二の二次巻線の結合点の間に接続されたキャパシタとを有することを特徴とする。
請求項1〜3の発明によれば、電源装置のサイズ、重量およびコストを低減することが可能なトランスを提供することができる。
また、請求項5の発明によれば、サイズ、重量およびコストを低減した電源装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
図3は実施例のスイッチング電源装置の構成例を示す回路図である。なお、図1、2と同様の構成には同一符号を付して、その詳細説明を省略する。また、図4は、図3に示すトランス11の構成を説明する図、図5は各部の動作波形を示す図である。なお、図5に示す電圧波形は、図3にアース記号で示す基準電圧を0Vとして測定したものである。
トランス11は、中脚を除く外脚にエアギャップを有する、例えばEER型の磁心11cを有する。磁心11cの中脚に一次巻線11pおよび二次巻線11rを巻回し、磁路Aを形成する外脚だけに二次巻線11fを巻回する。
つまり、エアギャップのない中脚(磁気抵抗が低い)に一次巻線11pと二次巻線11rを巻回し、両巻線の磁気結合は強くする。一方、二次巻線11fは、エアギャップがある外脚(磁気抵抗が高い)に巻回されていることと、適度な磁気迂回路(もう一つの外脚)があることで、一次巻線11pとの磁気結合は弱い。
図5の電圧波形を測定したトランス11のインダクタンスを測定すると下記のとおりであった。
一次インダクタンスLp = 0.9mH
二次巻線11fの二次インダクタンスLf = 1.2mH
二次巻線11rの二次インダクタンスLr = 0.6mH
二次巻線11fを短絡時、一次インダクタンスLps = 0.5mH
二次巻線11rを短絡時、一次インダクタンスLps = 15μH
なお、Np = 53、Nf = 50、Nr = 43、磁心PC40EER35-Z、λg = 0.2cm
図3において、トランジスタ3がオンの期間(図5のVc=0の期間)、電圧源1 → 一次巻線11p → トランジスタ3のコレクタ電極 → トランジスタ3のエミッタ電極 → 電圧源1の回路に電流Icが流れる。従って、一次巻線11pにはほぼ電圧源1の電圧Viが加わり、二次巻線11fには変圧比に応じた電圧Vfが誘導される(下式参照)。二次巻線11fに誘導された電圧Vsは、ダイオード5を介してキャパシタ8を充電するとともに、負荷9に供給される(フォワード動作)。
Vf = N11f/N11p・Vi・Ax/Ae …(17)
ここで、N11fは二次巻線11fの巻回数
N11pは一次巻線11pの巻回数
Axは磁路Aを形成する外脚の実効断面積[cm2]
図3の回路には、図1に示す平滑用のインダクタ7が存在しない。このため、キャパシタ8の存在により、過大な電流が流れようとするが、前述したように、一次巻線11pと二次巻線11fの磁気結合が弱く、トランス11が磁気漏れトランスのように動作するため電流が制限される。従って、図5に示すように、トランジスタ3のオン期間、トランス11はトランジスタ3のコレクタ電流Icおよびダイオード5の電流Ifは徐々に増加し、各所に過大な電流が各所に流れることはない。つまり、図1に示すインダクタ7は不要である。
トランジスタ3がオフ(図5のVc≠0)になると、トランス11の磁束が急速に減少することにより逆起電力が発生し、二次巻線11r → ダイオード12 → 負荷9 → 二次巻線11rの回路に電流が流れる(図5のIr参照、フライバック動作)。また、二次巻線11rに電流が流れることにより磁束の減少を妨げるが、残留する磁束が減少し、しかも継続して二次巻線11fを通過するため起電圧を発生し、二次巻線11f → ダイオード5 → 負荷9 → 二次巻線11fの回路にも電流が流れる(図5のIf参照、フォワード動作)。この結果、フライバック動作とフォワード動作が同時に実行される。このときは、トランス11に蓄えられた磁束が自然的に減少する過程のエネルギのため、過大電流は流れない。
通常のフライバック型のスイッチング電源には、トランジスタ3のオフ直後、トランジスタ3のコレクタ電圧Vcに大きなスパイクを伴う大きなリンギングが発生する。これに対して、実施例の回路は、上述したように過大電流が流れないため、トランジスタ3のオフ直後の、トランジスタ3のコレクタ電圧Vcのスパイクおよびリンギングが抑制される。
図1、2の回路と同じ条件(入力280V、出力24V×12A、Ton=4.5μs、Toff=5.5μs)を仮定し、PC40ERR35-Zを使う場合の、トランス11の設計値の一例を示す。勿論、下記の計算は、例えばトランス11や各素子の損失を見込んだものではなく、実際には様々な変動要因、損失要因、設計マージンを考慮して計算を行う必要がある。また、図5に示した波形は、各部の動作を示すために好適な条件で測定したものであり、下記の設計値とは直接関連しない。
・一次巻線11p:式(4)から
N11p = 280×4.5×10-6/(0.2×1.07)×104 = 58
・二次巻線11f:式(17)から
N11f = Vs/Vi・N11p・Ae/Ax
ダイオード5などの損失を無視してVs=Vo、Ae/Ax=2として
N11f = 24/280×58×2 = 10
・二次巻線11r:式(16)から
N11r = 58×24/280×5.5/4.5 = 6
・二次巻線11fのインダクタンス:式(15)から
L11f = Vs/(2・Io)・Ton
= 24/(2×12)×4.5 = 4.5μH
・AL値、エアギャップλg、NI:式(10)などから
AL = L11f/N11f2
= 4.5/102= 45nH/N2
λg = 4π・Ae/(2・AL) (磁路Aの実効断面積はAeの1/2と仮定する)
= 4π×1.07/(2×45) = 0.15cm
NI = 10×12 = 120AT
磁心のみを比較すれば、前述したフォワード型またはフライバック型で24V×12A(=288W)の電源を構成する場合、フォワード型はPC40ERR35-Zのトランス4およびPC40ERR28-Zのインダクタ7が必要であるが、本実施例によれば、PC40ERR35-Zのトランス11だけで同容量の電源を構成することができる。また、フライバック型が必要とするPC40ERR40-Zよりも小さな磁心で済む。
[トランス]
トランス11の二次巻線11fの巻回方法は図4に限らず、図6に示すように、一次巻線11pおよび二次巻線11rから充分離間して、二次巻線11fを磁心11cの中脚に巻回してもよい。
また、トランス11の二次巻線11fは、図7に示すように、磁心11cの二本の外脚それぞれに、二次巻線11fの巻回数の半分を巻回し、それら巻線に発生する電圧を加算するように、二つの巻線fを直列接続して二次巻線11fにしていもよい。
つまり、実施例のトランス11は、二本の外脚に設けたエアギャップにより中脚 → 外脚 → 中脚の磁路の磁気抵抗が高く、かつ、二次巻線11fに電流が流れることで、磁束は外脚を通り難くい。従って、中脚 → 外脚 → 中脚の磁路を通らず、磁心11cの巻線窓を通過する(迂回する)磁束φが生じ、二次巻線11fと他の巻線11p、11rの磁気結合は疎になる。このようなトランス11であれば、二次巻線11fの巻回方法はどのような方法でもよい。
例えば、図8は、磁性体11dによって積極的に磁束φの通路を巻線窓に設けた例を示している。中脚に巻回された一次巻線11p、二次巻線11rの外側、かつ、二次巻線11fの内側に磁性体11dを配置する。言い換えれば、一次巻線11pおよび二次巻線11rと、二次巻線11fの間に磁性体片11dを配置する。なお、磁性体片11dと磁心11cが完全な磁路を形成すると、一次巻線11pおよび二次巻線11rと、二次巻線11fの間の磁気結合が極端に小さくなるので、磁性体片11dは磁心11cに接しない程度の大きさにする。このような構成によれば、磁性体片11dを通過する磁束φの量が増加し、二次巻線11fと他の巻線11p、11rの磁気結合は疎になる。
[動作原理]
次に、図9に示すトランス11の等価回路を用いて実施例の電源装置の動作原理を説明する。
まず、トランジスタ3がオンすると一次巻線11pに電流Icが流れ、トランスの磁路に磁束φが蓄積される(一次巻線11pは磁束発生源の磁路101に巻回されている)。続いて、トランジスタ3がオフして一次巻線11pの電流Icを遮断すると、磁束φは急速に減少しようとするが、二次巻線11r(フライバック動作用の二次巻線で、磁束発生源の磁路101に巻回されている)に電流Irが流れ磁束φを保持しようとする。
上記の保持された磁束φは、二次巻線11f(フォワード動作用の二次巻線)が巻回された磁路(磁束の受領側の磁路102)を通り続ける。従って、一次巻線11pに電流Icが流れた時と同方向の磁束φが通り続けるので、二次巻線11fに電流Ifが流れ続ける。
このように、二次巻線11rは磁束φを保持する役目、二次巻線11fは電流Ifによる起磁力φ'により磁束φを減少させる役目を有する。もし、二次巻線11rがない場合、急速に磁束φが減少するので、二次巻線11fにはダイオード5の逆方向の電圧Vfが発生し、図5に示すトランジスタ3がオフ期間の電流Ifは流れない。
[その他]
上述した磁束φの迂回路は、磁束を積極的に迂回させて一次巻線11pと二次巻線11fの磁気結合を疎にすることで、一次巻線11pに電流が流れる時に、二次巻線11fに大電流を流さないためである。
トランス11の中脚にはエアギャップを設けないが、これは、一次巻線11pと二次巻線11rの磁気結合を密にして、フライバック動作時のスパイク電圧の発生を抑制するためである。
また、トランス11の中脚寄りに巻回する巻線は、一次巻線11pと二次巻線11rのどちらでも構わない。
つまり、シングル動作のDC/DCコンバータにおいて、より高出力動作をさせるとトランス11の磁心11cが磁気飽和を起こす。この磁気飽和を抑えるために、エアギャップおよび二次巻線11fの巻回方法により、(i) 一次巻線11pに電流が流れている時の磁気飽和を防ぐ、(ii) 一次巻線11pの電流遮断時は、エアギャップ自体で磁束の減少、および、二次巻線11fに電流が流れることによる磁束の減少を促進する。
[変形例]
図3に示すトランジスタ3は、バイポーラ型のトランジスタに限らず、モノポーラ型のトランジスタ(FET)でもよく、ゲート信号によってスイッチ動作をするデバイスであればよい。
フォワード型のスイッチング電源装置の構成例を示す回路図、 フライバック型のスイッチング電源装置の構成例を示す回路図、 実施例のスイッチング電源装置の構成例を示す回路図、 トランスの構成を説明する図、 各部の動作波形を示す図、 トランスの別の構成例を示す図、 トランスの別の構成例を示す図、 トランスの別の構成例を示す図、 トランスの等価回路を示す図である。

Claims (8)

  1. スイッチング電源用のトランスであって、
    エアギャップを設けた二本の外脚、および、エアギャップを設けない中脚を有する磁心と、
    前記中脚に巻回した一次巻線と、
    前記中脚に巻回した第一の二次巻線と、
    前記外脚の一方または両方に巻回した第二の二次巻線とを有することを特徴とするトランス。
  2. スイッチング電源用のトランスであって、
    エアギャップを設けた二本の外脚、および、エアギャップを設けない中脚を有する磁心と、
    前記中脚に巻回した一次巻線と、
    前記中脚に、前記一次巻線に接近して巻回した第一の二次巻線と、
    前記中脚に、前記一次巻線と離間して巻回した第二の二次巻線とを有することを特徴とするトランス。
  3. スイッチング電源用のトランスであって、
    エアギャップを設けた二本の外脚、および、エアギャップを設けない中脚を有する磁心と、
    前記中脚に巻回した一次巻線と、
    前記中脚に巻回した第一および第二の二次巻線と、
    前記一次巻線および前記第一の二次巻線と、前記第二の二次巻線の間に配置した磁性体片とを有することを特徴とするトランス。
  4. 前記第一の二次巻線は磁束の発生源に巻回し、前記第二の二次巻線は前記磁束の受領側に巻回することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載されたトランス。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載されたトランスと、
    前記トランスの一次巻線に接続され、当該巻線に加わる電力をスイッチングするスイッチと、
    前記トランスの第一の二次巻線に接続され、当該巻線に誘導される電力が加わる第一の整流器と、
    前記トランスの第二の二次巻線に接続され、当該巻線に誘導される電力が加わる第二の整流器と、
    前記第一および第二の整流器の出力側の結合点と、前記第一および第二の二次巻線の結合点の間に接続されたキャパシタとを有することを特徴とする電源装置。
  6. 前記第一の二次巻線と前記第一の整流器は、前記スイッチがオフ時に前記電力を通過させる接続関係にあることを特徴とする請求項5に記載された電源装置。
  7. 前記第二の二次巻線と前記第二の整流器は、前記スイッチがオン時に前記電力を通過させる接続関係にあることを特徴とする請求項5または請求項6に記載された電源装置。
  8. 前記第二の整流器は、前記スイッチがオフ時にも前記電力を通過させることを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載された電源装置。
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