JP2006252820A - 発泡同軸ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 80%以上の高発泡度の発泡絶縁体が確実に安定して形成されると共に、内部導体との密着性が良好であり、また発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じない発泡同軸ケーブルを提供することにある。
【解決手段】 内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるメルトマスフローレートが1.0g/10min以上のポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物からなる発泡絶縁体層が形成され、全体が発泡されている発泡同軸ケーブルとすることによって、解決される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高発泡度の発泡絶縁体層を有し、導体との密着性や発泡絶縁体の劣化(脆化)がなく、さらにはケーブル外観にも優れた発泡同軸ケーブルに関するものである。
高周波用の発泡同軸ケーブルは、銅からなる中心導体とその上に設けられる発泡絶縁体層と、その外周に設けられる外部導体等から構成される。そして最近は、使用周波数域がGHz帯域においても減衰量が小さい発泡同軸ケーブルが要求されるため、絶縁体層の高発泡度化が望まれている。例えば特許文献1では、セルが微細でかつ均一で高発泡度の良好な外観を有する同軸ケーブルを得るために、熱溶融押出し可能なポリオレフィン系樹脂と成核剤としてフッ素系樹脂粉末とを含有する組成物を、発泡剤の存在下に発泡押出し成形する同軸ケーブルが記載されている。しかしながら、成核剤の改良のみでは高発泡度化させると、発泡絶縁体層に巨大空泡が形成され80%以上の高発泡度(発泡倍率として5倍以上)を安定して確実に形成することが困難であった。また特許文献2には、誘電正接(tanδ)等の絶縁特性や発泡成型性に優れた、同軸ケーブルの絶縁層の形成などに好適な発泡成型用のポリマー組成物が開示されている。すなわち、ポリマー組成物のベースレジンとして、エチレン成分を0.5〜20重量%含有するプロピレン・エチレン共重合体を用いることによって、前記の特性が得られるとしている。しかしながらこのようなポリマー組成物を用いても、安定して確実に高発泡度化させることは困難であった。これは前記ポリマー組成物が、破断時の溶融張力と溶融時の伸長性のバランスが十分ではないために、発泡時にセル壁の破れが生じるため、また発泡セルが十分成長しないためと思われる。さらに特許文献3には、溶融成型におけるポリプロピレンの伸びの低下問題を解決するために、ポリプロピレンとポリプロピレン/ポリエチレンのブロックコポリマーとポリプロピレン/エチレン・プロピレンゴムのブロックコポリマーとのいずれかの材料と、この材料よりもメルトインデックスが大きくかつ10g/10分以下の高密度ポリエチレンとの混合物の発泡体からなる絶縁被覆を有する発泡絶縁電線が記載されている。しかしながら、前記の混合物を用いても破断時の溶融張力または溶融時の伸長性が十分でないために、安定して確実に高発泡度の発泡絶縁電線を得るには十分とは言えなかった。また発泡絶縁体として導体上に充実体からなる内層、その上にポリオレフィン系樹脂の発泡体層を形成し、さらに前記と同様の樹脂からなる充実体の外層を構成することによって発泡絶縁体の発泡度を高めようとする3層構造の同軸ケーブルが、特許文献4に開示されている。しかしながら、このような高発泡同軸ケーブルの製造方法においても、80%以上の高発泡度化(5倍以上の高発泡倍率)を確実に安定して得るには問題があった。すなわち従来の発泡絶縁体層材料や外層材料では、発泡時に破断時の溶融張力や溶融時の伸長性のバランスが不適当なため巨大空泡が生じ、安定して高発泡の発泡絶縁体層を得ることは難しかった。そして、このような大きな空泡を有する発泡絶縁体層は、ケーブル外観を悪化する。
特許第3227091号公報 特許第2668174号公報 特許第2618464号公報 特許第2508128号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、80%以上の高発泡度の発泡絶縁体が確実に安定して形成されると共に、内部導体との密着性が良好であり、また発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じない発泡同軸ケーブルを提供すること。さらにまた80%以上の高発泡度の発泡絶縁体が確実に安定して形成され、内部導体との密着性が良好であると共に発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じず、またケーブル外観にも優れた発泡同軸ケーブルを提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるメルトマスフローレートが1.0g/10min以上のポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物からなる発泡絶縁体層が形成され、全体が発泡されている発泡同軸ケーブルとすることによって、解決される。
また請求項2に記載されるように、前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンである請求項1に記載の発泡同軸ケーブルとすることによって、さらに請求項3に記載されるように、前記内層の厚さが、0.01〜0.20mmである請求項1または2に記載の発泡同軸ケーブルとすることによって、解決される。
また請求項4に記載されるように、内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるメルトマスフローレートが1.0g/10min以上のポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物からなる発泡絶縁体層、さらにその上に内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minで、190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が6.0〜20.0gであり、かつ190℃、2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.4g/10min以上のポリオレフィン系樹脂が外層として設けられ、全体が発泡されている発泡同軸ケーブルとすることによって、解決される。
また請求項5に記載されるように、前記外層の厚さが、0.03〜0.20mmである請求項4に記載の発泡同軸ケーブルとすることによって、さらに請求項6に記載されるように、前記外層を形成するポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはこれ等の混合物である請求項4または5に記載の発泡同軸ケーブルとすることによって、解決される。
そして、請求項7に記載されるように、前記発泡絶縁体を形成するポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物は、ポリプロピレンの含有量が20質量%以上、100質量%未満の混合物である請求項4〜6のいずれかに記載の発泡同軸ケーブルとすることによって、解決される。
さらに請求項8に記載されるように、前記内層の厚さが、0.01〜0.20mmである請求項4〜7のいずれかに記載の発泡同軸ケーブルとすることによって、また請求項9に記載されるように、前記内層を構成するポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンである請求項4〜8のいずれかに記載の発泡同軸ケーブルとすることによって、解決される。
以上の本発明は、内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に前述の特性のポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物からなる発泡絶縁体層が形成され、全体が発泡されている2層構造の発泡同軸ケーブルとしたので、80%以上の高発泡度で(発泡倍率が5倍以上)の発泡絶縁体を、内部導体上に確実に安定して形成されると共に内部導体との密着性が良好であり、また発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じない、優れた発泡同軸ケーブルが得られる。このような発泡同軸ケーブルは、高周波帯域(1GHz以上)での減衰量が少なく誘電特性に優れているので、例えば携帯電話用基地局に使用される高周波同軸ケーブルとして特に有用である。
また、前記内層を形成するポリオレフィン系樹脂がポリエチレンであることによって、さらに前記内層の厚さを0.01〜0.20mmとすることによって、内部導体との密着性が良好であり、発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じない、優れたものとすることができる。また導体直上で発泡が生じないため発泡絶縁体層の形状も安定し、発泡度を80%以上(発泡倍率が5倍以上)に確実に安定して形成できる。
さらに、内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に特定のポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物からなる発泡絶縁体層が形成され、さらにその上に特定のポリオレフィン系樹脂が外層として設けられ、全体の発泡度が80%以上となるように発泡された3層構造の発泡同軸ケーブルとしたので、80%以上の高発泡度で(発泡倍率が5倍以上)の発泡絶縁体が確実に安定して形成され、内部導体との密着性が良好であり、また発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じずさらにケーブル外観にも優れた発泡同軸ケーブルとすることができる。このような発泡同軸ケーブルは、高周波帯域(1GHz以上)での減衰量が少なく誘電特性に優れているので、例えば携帯電話用基地局に使用される高周波同軸ケーブルとして特に有用である。
また前記外層の厚さが、0.03〜0.20mmである発泡同軸ケーブルとすることによって、発泡絶縁体層を発泡させた時に発泡ガスの抜けを十分に防止するので、発泡度を80%以上(発泡倍率を5倍以上)に確実に安定して形成することができると共に、ケーブル外観をより優れたものにした発泡同軸ケーブルが得られる。さらに、前記外層を構成するポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはこれ等の混合物としたので、前述の特性に加えて、低コストで適度な引張特性、硬度等の機械的特性や電気特性が向上する。さらに、成型加工性にも優れているので製造上からも有利である。
さらにまた3層構造の発泡同軸ケーブルにおいても、前記発泡絶縁体層を形成する混合物を、前記ポリプロピレンの含有量が20質量%以上、100質量%未満の混合物とすることによって、前述の特性に加えて、混合物の混合割合を選択することによって、低温曲げ特性や耐衝撃性、曲げ白化特性を改善することができる。また、前記内層の厚さを0.01〜0.2mmの発泡同軸ケーブルとすることによって、前述の特性に加えて、成型加工性として長尺安定性に優れたものとすることができる。さらに前記内層を形成するポリオレフィン系樹脂がポリエチレンであることによって、内部導体との密着性が良好であると共に発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じず、また導体直上で発泡が生じないため発泡絶縁体層の形状も安定し、発泡度を80%以上(発泡倍率が5倍以上)に確実に安定して形成できる。さらにケーブル外観がより優れた発泡同軸ケーブルが得られる。そしてこのような発泡同軸ケーブルは、高周波帯域(1GHz以上)での減衰量が少なく誘電特性に優れているので、例えば携帯電話用基地局に使用される高周波同軸ケーブルとして特に有用である。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるメルトマスフローレート(以下MFR)が1.0g/10min以上のポリプロピレン(以下PP)或いは前記ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(以下PE)との混合物(以下PP混合物)からなる発泡絶縁体層が形成され、全体が(内層および発泡絶縁体層)発泡されている発泡同軸ケーブルである。得られた発泡同軸ケーブルは、発泡絶縁体層を構成する材料の破断時の溶融張力および溶融時の伸長性のバランスが良いので、80%以上の高発泡度(発泡倍率が5倍以上)が安定して確実に形成される。このため高周波帯域(1GHz以上)での減衰量が少なく、高周波用の発泡同軸ケーブルとして有用である。例えば携帯電話用基地局に使用される高周波同軸ケーブル等である。
まず内層について説明する。このような内層を設けるのは、内部導体との密着性を向上させ、また発泡絶縁体の劣化(脆化)を防止すると共に、80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)を有する発泡同軸ケーブルが確実に安定して得られるようにするためのもので、ポリオレフィン系樹脂が内部導体上に薄層として押出し被覆される。ポリオレフィン系樹脂としては、種々のポリプロピレン(以下PP)やポリエチレン(以下PE)が単独で或いは混合物として使用できるが、請求項2に記載されるように、PEを用いるのが好ましい。PEを用いることによって、内部導体との密着性をより向上させることができ、併せてより優れた発泡絶縁体の劣化(脆化)防止効果が得られるためである。さらには、発泡押出しラインにおける長尺安定性が優れたものとなる。すなわち、押出し成型並びに発泡作業を行なった場合に、80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)を有する長尺の発泡同軸ケーブルが確実に安定して得られることになる。そしてこの内層は、通常、発泡絶縁体層或いは外層を形成させる前にタンデム押出しによって内部導体上に被覆形成される。当然、発泡絶縁体層との2層同時押出し、或いは発泡絶縁体層、外層との3層同時押出しによって行なうこともできる。
さらに請求項3に記載されるように、前記内層の厚さは0.01〜0.20mm程度とすることが好ましい。これは、厚さが薄いほど発泡絶縁体のソリッド部分を少なくすることができ発泡度をより高いものとすることが出るので好ましいが、余り薄いものは技術的に問題があるので0.01mm程度とする。また厚くなりすぎると全体の発泡度が低下するため、0.20mm程度までとするのが良い。そして用いるポリオレフィン系樹脂としては、具体的なPEとして、宇部丸善ポリエチレン社のC460、Z463、F522Nや三井化学社のHizex5305E等が、またPPとしては、日本ポリプロ社のFB3312等が使用される。さらにこれ等を混合物として用いる場合、PEリッチな混合物とするのが良い。またPPを用いる場合には、その添加量に応じて銅害防止剤を配合するのが良い。
つぎに発泡絶縁体層を形成するPPについて説明する。ここで用いるPPは、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによって測定した破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるMFRが1.0g/10min以上のPPを用いるので、内部導体上の絶縁体の全体(内層と発泡絶縁体層と合計)が80%以上の高発泡度(5倍以上の発泡倍率)の発泡同軸ケーブルが得られる。これは用いるPP或いはPP混合物が、発泡時において適切な破断時の溶融張力と溶融時の伸長性のバランスが良いため、形成されたセル壁が破れず大きな空泡となることがないと共に、発泡セルを十分に成長させることができるためである。このようなPPの具体例としては、日本ポリプロ社のFB3312を挙げることができる。なお、前記PPに混合するPEとしては、三井化学社のHizex1300Jや宇部丸善ポリエチレン社のC180等が使用される。
より詳細には、PPとして破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつMFRが1.0g/10min以上に特定するのは、破断時の溶融張力を5.0g以上とすることによって発泡させた際にセル壁が破れることがなく、またMFRを1.0g/10min以上とすることにより十分な溶融時の伸長性が得られることになり、発泡セルを十分に成長させることができるので、安定して確実に高発泡度(高発泡倍率)を得ることができることになる。なお、発泡絶縁体層の厚さは通常0.5〜15mm程度とされる。また前記PPは、密度が0.88〜0.92g/cm、MFRが0.3〜15.0g/10min(230℃、2.16kgにおける)のPPを使用することによって、前述の特性に加えて、低コストで適度な引張特性、硬度等の機械的特性や電気特性が向上する。またこのような樹脂を用いたことにより、成型加工性が優れたものとなりケーブルの製造上からも有利である。
そして前述の絶縁体(内層と発泡絶縁体層を合わせた全体として)は、各種発泡剤によって発泡させることができる。例えば、アゾジカルボンアミド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジン)、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等の化学発泡剤を予め発泡絶縁体層3用の材料中に添加しておくことや、窒素ガス、アルゴンガス、フロンガス、炭酸ガス等の不活性ガスを注入することによって行われる。化学発泡剤や不活性ガスは併用して使用しても良い。特に不活性ガスによる発泡の場合には、化学発泡剤によって発泡させた場合のように発泡残渣が誘電特性に悪影響を与えることがなく、また高い発泡度を確実に得ることができるので好ましい。また、発泡核剤を添加することが好ましい。例えば、タルク、クレイ、ボロンナイトライド(BN)、シリカ等の微粉末、さらにアゾジカルボンアミドやフッ素系樹脂の微粉末或いはフッ素系ゴムの微粉末である。その添加量は、通常ベース樹脂100質量部に対して0.05〜3.0質量部程度である。
さらに発泡絶縁体層2には、例えば3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール(商品名:CDA−1)、2′,3−ビス[3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]プロピオノヒドラジド(商品名:イルガノックスMD1024)等の金属不活性剤、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(商品名:ノクラックWhite)のようなアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1010)などのヒンダードフェノール系酸化防止剤や4,4′−チオビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(商品名ノクラック300)などのチオビスフェノール系酸化防止剤を添加することができる。
図1によって、2層構造の発泡同軸ケーブルの1例を説明する。この発泡同軸ケーブルは、銅線、銅合金線等からなる内部導体1と、その上に形成した内層2、その上に設けられる発泡絶縁体3からなる2層構造となっている。そして内部導体1としては、通常0.5〜20mm程度の導体径の無酸素銅線や銀メッキ銅などのめっき銅線、銅合金線等が使用される。また内層2は、前述のようにその厚さを0.01〜0.20mmの範囲とし、PEを使用することによって、内部導体1との密着性をより向上させることができ、併せて発泡絶縁体の劣化防止効果が得られる。さらに、発泡押出しラインにおける長尺安定性も好ましいものとなる。そして、内層2上には発泡絶縁体層3が被覆形成され、不活性ガスや化学発泡剤によって80%以上の高発泡度に発泡させることができる。これはこの発泡絶縁体層3として、特定の破断時の溶融張力とMFRを有するPP或いはPP混合物を使用するためである。また符号4は外部導体で、通常銅などの薄板等によって形成される。通常、その外部にはプラスチック材料のシース(図示せず)等が設けられる。なお、外部導体4を図面のようにコルゲート構造とするのは、可とう性を向上できるので好ましい。この発泡同軸ケーブルは、高周波帯域(1GHz以上)での減衰量が少なく、例えば携帯電話用基地局に使用される高周波同軸ケーブルとして特に有用である。
また、前述した内層を設けた発泡同軸ケーブルにおいて、発泡絶縁体層上に外層を形成したより好ましい発泡同軸ケーブルについて説明する。すなわち請求項4に記載されるように、内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるMFRが1.0g/10min以上のPP或いは前記PPとPEとの混合物からなる発泡絶縁体層、さらにその上に内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minで、190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が6.0〜20.0gであり、かつ190℃、2.16kgにおけるMFRが0.4g/10min以上のポリオレフィン系樹脂が外層として設けられ、全体が発泡されている発泡同軸ケーブルである。このような構成の発泡同軸ケーブルとすることによって、80%以上の高発泡度で(発泡倍率が5倍以上)の発泡絶縁体が確実に安定して形成され、内部導体との密着性が良好であり、また発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じないと共に、ケーブル外観にも優れた発泡同軸ケーブルとすることができる。このような発泡同軸ケーブルは、高周波帯域(1GHz以上)での減衰量が少なく誘電特性に優れているので、例えば携帯電話用基地局に使用される高周波同軸ケーブルとして特に好ましいものである。なお、発泡絶縁体層に用いる前記PPは、密度が0.88〜0.92g/cm、MFRが0.3〜15.0g/10min(230℃、2.16kgにおける)のPPを使用することによって、前述の特性に加えて、低コストで適度な引張特性、硬度等の機械的特性や電気特性が向上する。またこのような樹脂を用いたことにより、成型加工性が優れたものとなりケーブルの製造上からも有利である。
すなわち、内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層と、PP或いはPP混合物からなる発泡絶縁体層が形成され、さらに発泡絶縁体層上には内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minで、190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が6.0〜20.0gであり、かつ190℃、2.16kgにおけるMFRが0.4g/10min以上のポリオレフィン系樹脂の外層が設けられ、全体が発泡されている発泡同軸ケーブルとするものである。このような発泡同軸ケーブルは、内部導体上の絶縁体(発泡絶縁体層と外層との全体として)が80%以上の高発泡度(発泡倍率が5倍以上)を確実に安定して形成されると共に内部導体との密着性に優れ、また発泡絶縁体の劣化(脆化)防止効果に優れている。さらに外層を発泡絶縁体層上に設けたので、ケーブル外観がより優れた発泡同軸ケーブルを得ることができる。
すなわち外層として、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minで、190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が6〜20gであり、かつ190℃、2.16kgにおけるMFRが0.4g/10min以上のポリオレフィン系樹脂を用いるのは、発泡絶縁体層を発泡させた時の発泡ガスの抜けを十分に防止し、80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)を確実に得ると共にケーブル外観を良好なものとするためである。すなわち、外層となるポリオレフィン系樹脂の破断時の溶融張力が6.0g未満であると、破断時の溶融張力が足りないために、ガス抜けが生じたり巨大空泡が生じてしまうため、80%以上の高発泡度(5倍以上の発泡倍率)とならず、また破断時の溶融張力が20.0gを超えると破断時の溶融張力が大きすぎるために膨らみ難くなるためである。さらにMFRも0.4g/10min以上でないと、ポリオレフィン系樹脂の溶融時の伸長性が足りないために、80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)が安定して確実に得られなくなる。このような特性のポリオレフィン系樹脂の具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社のR300、B128、Z463等のPEが、また日本ポリプロ社のPPであるFB3312が挙げられる。
また前記外層は、請求項6に記載されるように、前記外層の厚さを0.03〜0.20mmとするのが好ましい。すなわち、外層2の厚さが0.03mm未満であると、発泡絶縁体層を発泡させた時の発泡ガス抜けを十分に防止することができず、80%以上の高発泡度(5倍以上の発泡倍率)を有する発泡同軸ケーブルを安定して確実に得られず、また0.20mmを超えると、厚すぎるために膨らみ難くなると共に発泡絶縁体全体の発泡度が小さくなるために、80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)が得られなくなる。好ましくは、0.05〜0.10mm程度が良い。このように外層として、前述の破断時の溶融張力およびMFRを有するポリオレフィン系樹脂を用いることによって、発泡絶縁体層を発泡させた時の発泡ガスの抜けを十分に防止して、80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)が得られると共に、ケーブル外観の優れた発泡同軸ケーブルが得られるようになる。そして発泡絶縁体層2と外層3は、同時押出しによって形成するのが発泡ガスを逃がさないので好ましい。このようにして得られた発泡同軸ケーブルの減衰量は、20Dサイズにおいて62dB/km以下とすることができる。さらに、その上に設けられる外部導体4をコルゲート構造とすることによって、発泡同軸ケーブルに必要な可とう性を持たせることができる。
さらに請求項6に記載されるように、前記外層を形成するポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはこれ等の混合物としたことによって、80%以上の発泡度(発泡倍率が5倍以上)が確実に安定して得られると共に外観にも優れ、さらに低コストで適度な機械的特性と電気特性を有し、成型加工性にも優れた発泡同軸ケーブルが得られるので、好ましい。具体的には、汎用樹脂であるPPやPEを用いるためにコスト的に好ましく、また、適度な引張特性、硬度等の機械的特性や電気特性も好ましいものとなる。さらに前記樹脂は、押出成型がし易い等成型加工性にも優れているので、製造上からも有利である。このようにして得られた発泡同軸ケーブルも、減衰量が20Dサイズにおいて62dB/km以下のものである。
また3層構造の発泡同軸ケーブルにおいても、発泡絶縁体層として請求項7に記載されるように、前記PPの含有量が20質量%以上、100質量%未満であるPP混合物とすることによって、前述した特性に加えて、低温曲げ特性、耐衝撃性や曲げ白化特性を付与することができる。すなわち、PEの添加量を多くすればよりその効果が得られるが、PPの含有量が20質量%未満となると、破断時の溶融張力やMFRが前記範囲とならず、安定して確実に高発泡度の発泡絶縁体層が得られなくなるためである。例えば、宇部丸善ポリエチレン社のR300、B128、Z463等のPEを用いることによって、柔軟性等の特性が向上し、また、三井化学社のPPであるB101WATや日本ポリプロ社のFB3312等を用いることによって、耐つぶれ性(JISK−6767の圧縮硬さ試験等による)を向上させることができる。またこれ等の混合物を用いた場合には、その組合せにより低温曲げ特性、耐衝撃性や曲げ白化特性等を付与することができる。
さらに3層構造の発泡同軸ケーブルは、内層を請求項8に記載されるように、前記内層の厚さが0.01〜0.20mmとするのが良い。これは、厚さが薄いほど発泡絶縁体のソリッド部分を少なくすることができ発泡度(発泡倍率)をより高いものとすることができるので好ましいが、余り薄いものは技術的に問題があるので0.01mm程度とする。また厚くなりすぎると全体の発泡度が低下するため、0.20mm程度までとするのが良い。すなわち、このような範囲とすることによって、押出し成型並びに発泡作業を連続して安定して行なっても、80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)を有する発泡同軸ケーブルが確実に安定して得られることになる。
またポリオレフィン系樹脂としては、種々のポリプロピレン(以下PP)やポリエチレン(以下PE)が単独で或いは混合物として使用できるが、請求項9に記載されるように、PEを用いるのが好ましい。PEを用いることによって、内部導体との密着性をより向上させることができ、併せて発泡絶縁体の劣化(脆化)防止効果が得られるためである。さらには、発泡押出しラインにおける長尺安定性が優れたものとなる。すなわち、押出し成型並びに発泡作業を行なった場合に、80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)を有する長尺の発泡同軸ケーブルが確実に安定して得られる。そしてこの内層は、通常、発泡絶縁体層或いは外層を形成させる前にタンデム押出しによって内部導体上に被覆形成される。さらに発泡絶縁体層との2層同時押出し、或いは発泡絶縁体層、外層との3層同時押出しによって行なうこともできる。このように構成された発泡同軸ケーブルは、内部導体上の絶縁体(発泡絶縁体層と外層との全体として)が80%以上の高発泡度(発泡倍率が5倍以上)を確実に安定して形成されると共に内部導体との密着性に優れ、また発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じず、さらに外層を発泡絶縁体層上に設けたので、ケーブル外観がより優れた発泡同軸ケーブルを得ることができる。
そして、このような3層構造の発泡同軸ケーブルの場合も、前述の内層を形成した2層構造の発泡同軸ケーブルと同様に、絶縁体層(内層、発泡絶縁体層および外層の全体として)を各種発泡剤によって発泡させることができる。例えば、アゾジカルボンアミド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジン)、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等の化学発泡剤を予め発泡絶縁体層3用の材料中に添加しておくことや、窒素ガス、アルゴンガス、フロンガス、炭酸ガス等の不活性ガスを注入することによって行われる。化学発泡剤や不活性ガスは併用して使用しても良い。特に不活性ガスによる発泡の場合には、化学発泡剤によって発泡させた場合のように発泡残渣が誘電特性に悪影響を与えることがなく、また高い発泡度を確実に得ることができるので好ましい。また、発泡核剤を添加することが好ましい。例えば、タルク、クレイ、ボロンナイトライド(BN)、シリカ等の微粉末、さらにアゾジカルボンアミドやフッ素系樹脂の微粉末或いはフッ素系ゴムの微粉末である。その添加量は、通常ベース樹脂100質量部に対して0.05〜3.0質量部程度である。また、前記発泡絶縁体層や外層を構成する材料には、例えばN,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンのようなアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのヒンダードフェノール系酸化防止剤や4,4′−チオビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)などのチオビスフェノール系酸化防止剤を添加することができる。
そして前述の発泡絶縁体層と外層は、同時押出しによって内部導体上に形成することにより、安定して確実に80%以上の発泡度(5倍以上の発泡倍率)の発泡絶縁体を形成できる。例えば、二段押出機の第2押出機から発泡絶縁体層を形成する材料を第1押出機に供給し、第1押出機の途中から窒素ガスを注入して溶融混合し、第2押出機において温度調整を行った後、内部導体上に発泡絶縁体層を押出しすると同時に、第2押出機のクロスヘッド内に入れ込んだ第3押出機から外層を形成する材料を前記発泡絶縁体層上に被覆し、この状態で発泡させて発泡同軸ケーブルを作製する。このように、発泡絶縁体層と外層を同時押出しすると共に発泡させることによって、80%以上の高発泡度(5倍以上の発泡倍率)の発泡同軸ケーブルを確実に形成することができる。また外層を設けたことによって、外観性もより良好な発泡同軸ケーブルである。このようにして得られた発泡同軸ケーブルは、例えば20Dサイズにおいて減衰量を62dB/km以下とすることができる。なお内層は、前記発泡絶縁体層と外層を同時押出しによって被覆形成する前に、タンデム方式で内部導体上に被覆形成される。
図2によって、3層構造の発泡同軸ケーブルの1例を説明する。この発泡同軸ケーブルは、銅線、銅合金線等からなる内部導体1と、その上に形成した内層2および発泡絶縁体3、さらにその上に設けられた外層5からなる3層構造となっている。内部導体1としては、通常0.5〜20mm程度の導体径の無酸素銅線や銀メッキ銅などのめっき銅線、銅合金線等が使用される。また内層2は前述のように、その厚さを0.01〜0.20mmの範囲でPEを使用することによって、内部導体1との密着性をより向上させることができ、また併せて発泡絶縁体の劣化(脆化)防止効果が得られる。さらには、発泡押出しラインにおける長尺安定性も好ましいものとなる。そして内層2上には発泡絶縁体層3が被覆形成され、不活性ガスや化学発泡剤によって80%以上の高発泡度に発泡させることができる。これはこの発泡絶縁体層3として、特定の破断時の溶融張力とMFRを有する材料を用いているためである。また外層5は、発泡絶縁体層3を発泡させた時にガスを抑え込み高発泡度とするためと、ケーブル外観をより良好にするために、破断時の溶融張力が6〜20gでかつ190℃、2.16kgにおけるMFRが0.4g/10min以上のポリオレフィン系樹脂を、好ましくは厚さ0.03〜0.20mm程度設けられる。また発泡絶縁体層3と外層5は、前述したように同時押出しによって形成するのが良い。さらに符号4は外部導体で、通常銅などの薄板等によって形成される。通常、その外部にはプラスチック材料のシース(図示せず)等が設けられる。なお、この外部導体4を図面のようにコルゲート構造とするのは、可とう性を向上できるので好ましい。このような構造の発泡同軸ケーブルは、80%以上の高発泡度で(発泡倍率が5倍以上)の発泡絶縁体が確実に安定して形成され、また内部導体との密着性が良好で、発泡絶縁体の劣化(脆化)が生じないと共に、ケーブル外観にも優れた発泡同軸ケーブルである。そしてまた、高周波帯域(1GHz以上)での減衰量が少ないので、例えば携帯電話用基地局に使用される高周波同軸ケーブルとして特に有用である。
表1に記載する実施例および比較例によって、内層および発泡絶縁体層からなる2層構造の発泡同軸ケーブルの効果を示す。内層材料として、表1に示した各種PEを9mmΦの銅内部導体上に単軸押出し機を用いて各厚さに押出し被覆し、ついで、表1に示した各種特性のPE或いはPPのペレット材料と発泡核剤として富士タルク社のタルク微分粉末であるLMS−300をドライブレンドした材料を、二段押出機の第1押出機の温度を230℃に、第2押出機を170〜230℃に温度調整した第1押出機に供給し、第1押出機の途中から窒素ガスを注入して溶融混合し第2押出機において温度調整を行った後、前記内層を形成した内部導体上に発泡絶縁体層を形成するように被覆した。この状態で発泡絶縁体層を発泡させて、外径が22mmの発泡同軸ケーブルを作製した。
なお、内層材料としてPP或いはPP混合物を用いた場合には、内部導体の銅との接触による劣化が促進される特性があるため、PPの添加量に応じて必要量の銅害防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社のイルガノックスMD1024)を内層材料に添加した試料を用意した。(実施例12、13)
これらの発泡同軸ケーブルについて、発泡絶縁体層(内層および発泡絶縁体層を合わせた全体として)の発泡度(%)を[(ベース樹脂の比重−発泡後の比重)/(ベース樹脂の比重)]×100として計算した。発泡度が80%以上のものを合格とした。さらに併せて、最大発泡倍率を[(1/100−発泡度)×100]で求めて何倍かで示した。5倍以上を好ましいものとした。また、シュリンクバックを導体密着性の目安として調べた。すなわち、発泡同軸ケーブルを1m長に切断した時に、シュリンクバックが0mmであったものは○印で、また実用上は問題がないが1mm未満のシュリンクバックが見られた場合は△印で、シュリンクバックが1mm以上あり、使用上問題がある場合を不合格として、×印で記載した。さらに、熱老化特性を調べて発泡絶縁体の劣化の状態を調べた。すなわち、発泡同軸ケーブルを100℃の恒温槽に1年間投入し、脆化並びにゲル化を目視で調べた。脆化並びにゲル化が見られないものを合格として○印で、脆化並びにゲル化が見られるものを不合格として×印で記載した。さらに、ネットワークアナライザーを用いて、2.2GHzにおける20Dサイズの発泡同軸ケーブルの減衰量を測定した。減衰量が62dB/km以下を合格とした。また、前記PPの破断時の溶融張力(Φ2.095mm×8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによって測定。)およびMFR(190℃、2.16kg)の値並びに内層材料の比重およびMFR(190℃、2.15kg)の値を記載した。結果を表1に示した。
Figure 2006252820
表1から明らかなとおり、実施例1〜13として記載される内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるMFRが1.0g/10min以上のPP或いは前記PPとPEとの混合物からなる発泡絶縁体層が形成され、全体が発泡されている本発明の発泡同軸ケーブルは、発泡度が80%以上の高発泡度(発泡倍率が5.0倍以上)であり、シュリンクバックがなく、熱老化特性を満足するものである。また減衰量も61dB/km以下と優れたものであることが判る。
すなわち実施例1〜4に記載するように、内層として、各種PEを厚さ0.05mm施し、発泡絶縁体層として、破断時の溶融張力が5.0g以上で、MFRが1.0g/10min以上のPPを用いたものは、発泡度が89%(発泡倍率が9.1倍)、シュリンクバックも殆ど生じることがなく、熱老化特性も満足するものであった。さらに減衰量も56dB/kmと優れていた。また実施例5に示すように、内層としてPEを厚さ0.010mm施し、発泡絶縁体として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが2.0g/10minのPP(FB3312)を用いた発泡同軸ケーブルは、発泡度が89%(発泡倍率が9.1倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものであった。さらに減衰量も56dB/kmと優れていた。さらに実施例6に示すように、内層としてPEの厚さが0.20mm、発泡絶縁体として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが2.0g/10minのPP(FB3312)を用いた発泡同軸ケーブルは、発泡度が83%(発泡倍率が5.9倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものであった。さらに減衰量も60dB/kmであった。また実施例7〜11に示すように、内層のPEの厚さを0.05mmとし、発泡絶縁体層としてPPとPEの混合物を用いた場合も、破断時の溶融張力が5.0〜12.0g、MFRが1.0〜8.0g/10minの特性のPPが20〜99質量%の範囲において、発泡度が82%以上(発泡倍率が5.6倍以上)、シュリンクバックも殆ど生じることがなく、熱老化特性も満足するものであった。さらに減衰量も61dB/km以下と優れたものであった。
また実施例12に示すように、銅害防止剤を0.05質量%含有させたPP混合物の内層を厚さ0.05mm設け、その上に発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0g、MFRが2.0g/10minのPPを用いた発泡同軸ケーブルも、発泡度が89%以上(発泡倍率が9.1倍)、シュリンクバックも殆ど生じることがなく、熱老化特性も満足するものであった。さらに減衰量も56dB/kmと優れたものであった。
さらに実施例13に示すように、銅害防止剤を0.10質量%含有させたPPの内層を厚さ0.05mm設け、その上に発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0g、MFRが2.0g/10minのPPを用いた発泡同軸ケーブルも、発泡度が89%以上(発泡倍率が9.1倍)、シュリンクバックも殆ど生じることがなく、熱老化特性も満足するものであった。さらに減衰量も57dB/kmと優れたものであった。
これに対して、比較例1〜3に示す発泡同軸ケーブルは、発泡度(および発泡倍率)、シュリンクバック、熱老化特性および減衰量のいずれかが不合格であった。すなわち比較例1のように、内層の厚さが0.005mmと薄い場合は、熱老化特性が満足されなかった。また比較例2のように、内層が0.30mmと厚い場合には、発泡度が76%と低く(発泡倍率も4.2倍)、減衰量も66dB/kmと大きかった。さらに比較例3のように、内層を設けない発泡同軸ケーブルは、シュリンクバックを生じ、熱老化特性が満足されなかった。
つぎに、表2に記載する実施例および比較例によって、内層、発泡絶縁体層および外層からなる3層構造の発泡同軸ケーブルの効果を示す。表2に示した各種PEからなる内層を9mmΦの銅内部導体上に単軸押出し機を用いて各種厚さに押出し被覆し、ついで、二段押出機の第2押出機から発泡絶縁体層を形成するペレット材料として、表2に示した発泡絶縁体層用の樹脂ペレット材料と発泡核剤として富士タルク社のタルク微分粉末(LMS−300)をドライブレンドし、これを230℃に調整した第1押出機に供給し、第1押出機の途中から窒素ガスを注入して溶融混合し、第2押出機で170℃程度に温度調整した後、前記内層を施した内部導体上に押出しすると同時に、第2押出機のクロスヘッド内に組み込み140〜200℃に調整した第3押出機から、外層を形成するペレット材料を前記発泡絶縁体層上に被覆し、この状態で発泡させて3層構造の発泡同軸ケーブルを作製した。
なお、内層材料としてPP或いはPP混合物を用いた場合には、内部導体の銅との接触による劣化が促進される特性があるため、PPの添加量に応じて必要量の銅害防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社のイルガノックスMD1024)を内層材料に添加した試料を用意した。(実施例30、31)
表2に3層構造の発泡同軸ケーブルの構成を示した。
Figure 2006252820
これらの発泡同軸ケーブルについて、発泡絶縁体層(内層、発泡絶縁体層および外層を合わせた全体として)の発泡度(%)を[(ベース樹脂の比重−発泡後のベース樹脂の比重)/(ベース樹脂の比重)]×100として計算した。発泡度が80%以上のものを合格とした。さらに併せて、最大発泡倍率を[(1/100−発泡度)×100]で求めて何倍かで示した。5倍以上を好ましいものとした。また、シュリンクバックを導体密着性の目安として調べた。すなわち、発泡同軸ケーブルを1m長に切断した時に、シュリンクバックが0mmであったものは○印で、また実用上は問題がないが1mm未満のシュリンクバックが見られた場合は△印で、シュリンクバックが1mm以上あり、使用上問題がある場合を不合格として、×印で記載した。さらに、熱老化特性を調べて発泡絶縁体の劣化の状態を調べた。すなわち、発泡同軸ケーブルを100℃の恒温槽に1年間投入し、脆化並びにゲル化を目視で調べた。脆化並びにゲル化が見られないものを合格として○印で、脆化並びにゲル化が見られるものを不合格として×印で記載した。またケーブル外観については、ケーブル表面に凹凸がなく滑らかなものを◎印で、やや凹凸が見られるが実用上問題がないものを○印で、使用可能ではあるが凹凸が見られ、外観性としては多少難があるものを△印で、凹凸が明確に存在しており使用できないものを×印で示した。併せて、外観性の指標となるVSWR(Voltage standing wave ratio)をネットワークアナライザーによって測定した。1.20未満が好ましいものである。さらにネットワークアナライザーを用いて、2.2GHzにおける20Dサイズの発泡同軸ケーブルの減衰量(dB/km)を測定した。62dB/km以下を合格とした。なお、発泡絶縁体層並びに外層を構成する樹脂について、破断時の溶融張力(g)および190℃、2.16kgのMFR(g/10min)値、並びに内層材料の比重およびMFR(190℃、2.15kg)値を記載した。結果を表3に記載した。
Figure 2006252820
表3に記載した実施例14〜31から明らかなとおり、内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるMFRが1.0g/10min以上のPP或いは前記PPとPEとの混合物からなる発泡絶縁体層、さらにその上に内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minで、190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が6.0〜20.0gであり、かつ190℃、2.16kgにおけるMFRが0.4g/10min以上のポリオレフィン系樹脂が外層として設けられ、全体が発泡されている本発明の発泡同軸ケーブルは、発泡度が80%以上の高発泡度(発泡倍率が5.0倍以上)であり、シュリンクバックがなく、熱老化特性を満足するものである。また、ケーブル外観およびVSWRも優れており、減衰量も60dB/km以下と優れたものであることが判る。
すなわち実施例14〜17に示すように、内層として各種PEを厚さ0.05mmに施し、発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが2.0g/10minのPPを用い、また外層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが1.0g/10minのPEを、厚さ0.10mm施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が90%(発泡倍率が10.0倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものである。またケーブル表面には殆ど凹凸が見られず、VSWRも1.08とケーブル外観に優れたものである。さらに、減衰量が55dB/kmと好ましいものであった。また実施例18に示すように、PE内層の厚さを0.01mmとし、発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0g、MFRが2.0g/10minのPPを設け、外層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが1.0g/10minのPEを0.10mm厚さに施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が90%(発泡倍率が10.0倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものである。またケーブル表面には凹凸が見られずVSWRも1.08とケーブル外観に優れ、減衰量も55dB/kmと優れたものである。さらに実施例19に示すように、PE内層の厚さを0.20mmとし、発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0g、MFRが2.0g/10minのPP、および外層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが1.0g/10minのPEを、厚さ0.10mm施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が84%(発泡倍率が6.3倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものである。またケーブル表面には凹凸が見られず、VSWRも1.08とケーブル外観に優れ、減衰量も59dB/kmと優れていた。
また実施例20〜24に示すように、内層のPEの厚さが0.05mm、発泡絶縁体層としてPPとPEの混合物を用い、破断時の溶融張力が5.0〜12.0gで、MFRが1.0〜8.0g/10minのPPの含有量を20〜99質量%の範囲とし、外層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが1.0g/10minのPEを0.10mm厚さに施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が83%以上(発泡倍率が5.9倍以上)、シュリンクバックがなく、熱老化特性を満足するものである。また、ケーブル表面には凹凸が見られず、VSWRも1.10以下とケーブル外観に優れ、減衰量も60dB/km以下であった。さらに実施例25に示すように、PE内層の厚さを0.01mm、発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが2.0g/10minのPPを用い、外層として破断時の溶融張力が7.0gで、MFRが3.0g/10minのPEを0.05mm厚さ施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が90%(発泡倍率が10.0倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものである。またケーブル表面には殆ど凹凸が見られず、VSWRも1.13とケーブル外観が良好で、減衰量も55dB/kmと優れていた。また実施例26に示すように、PE内層の厚さを0.05mm、発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが2.0g/10minのPP、および外層として破断時の溶融張力が9.0gで、MFRが2.0g/10minのPEを0.10mm施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が90%(発泡倍率が10.0倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものである。またケーブル表面には凹凸が見られず、VSWRも1.10とケーブル外観に優れ、減衰量も55dB/kmと優れていた。さらにまた実施例27〜29に示すように、内層のPEの厚さが0.05mm、発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが2.0g/10minのPP、さらに外層として破断時の溶融張力が10.0gで、MFRが1.0g/10minのPEを0.03〜0.20mm厚さの範囲で変えて施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が86%以上(発泡倍率が7.1倍以上)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものである。また、ケーブル表面には殆ど凹凸が見られず、VSWRも1.11以下とケーブル外観も良好であり、減衰量も59dB/km以下であった。
また実施例30に示すように、銅害防止剤を0.05質量%含有するPP混合物の内層を厚さ0.05mm設け、その上に発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0g、MFRが2.0g/10minのPPを用い、さらにその上に溶融張力が10.0gで、MFRが1.0g/10minのPEを0.10mm厚さ施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が90%以上(発泡倍率が10.0倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものである。また、ケーブル表面には殆ど凹凸が見られず、VSWRも1.08とケーブル外観も良好であり、減衰量も55dB/kmと優れていた。
また実施例31に示すように、銅害防止剤を0.10質量%含有するPPの内層を厚さ0.05mm設け、その上に発泡絶縁体層として破断時の溶融張力が10.0g、MFRが2.0g/10minのPPを用い、さらにその上に溶融張力が10.0gで、MFRが1.0g/10minのPEを0.10mm厚さ施した発泡同軸ケーブルは、発泡度が90%以上(発泡倍率が10.0倍)、シュリンクバックがなく、熱老化特性も満足するものである。また、ケーブル表面には殆ど凹凸が見られず、VSWRも1.08とケーブル外観も良好であり、減衰量も56dB/kmと優れていた。
これに対して、比較例4〜7に示す発泡同軸ケーブルは、発泡度(および発泡倍率)、シュリンクバック、熱老化特性、ケーブル外観、VSWRおよび減衰量のいずれかが、不合格であった。すなわち比較例4のように内層PEの厚さが0.005mmと薄いと、本発明の範囲内の外層を設けた場合でも熱老化特性が満足しなかった。また比較例5のように内層PEが0.30mmと厚い場合は、本発明の範囲内の外層を設けても発泡度が77%(発泡倍率も4.3倍)と低く、減衰量も65dB/kmと大きくなる。さらに、比較例6のように内層を設けない発泡同軸ケーブルの場合は、シュリンクバックを生じ、熱老化特性が満足しない。また比較例7のように、内層および外層を設けない発泡同軸ケーブルは、シュリンクバックを生じ、熱老化特性が満足しないと共に、ケーブル表面には凹凸が見られVSWRも1.19とケーブル外観に問題があった。
本発明の2層構造の発泡同軸ケーブルは、80%以上の発泡度の発泡絶縁体が確実に形成されかつ導体密着性が良く、発泡絶縁体の劣化を生じることがない。また3層構造の発泡同軸ケーブルは、80%以上の発泡度の発泡絶縁体が確実に形成され、かつ導体密着性が良く、発泡絶縁体の劣化を防止できると共に、ケーブル外観にも優れたものである。このような発泡同軸ケーブルは、高周波帯域(1GHz以上)で使用される高周波用の発泡同軸ケーブルとして、種々の用途に有用なものである。
本発明の2層構造の発泡同軸ケーブルを示す概略断面斜視図である。 本発明の3層構造の発泡同軸ケーブルを示す概略断面斜視図である。
符号の説明
1 内部導体
2 内層
3 発泡絶縁体層
4 コルゲート構造の外部導体
5 外層

Claims (9)

  1. 内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるメルトマスフローレートが1.0g/10min以上のポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物からなる発泡絶縁体層が形成され、全体が発泡されていることを特徴とする発泡同軸ケーブル。
  2. 前記内層を構成するポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の発泡同軸ケーブル。
  3. 前記内層の厚さが、0.01〜0.20mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡同軸ケーブル。
  4. 内部導体上にポリオレフィン系樹脂からなる内層、その上に、内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minでの190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が5.0g以上であり、かつ190℃、2.16kgにおけるメルトマスフローレートが1.0g/10min以上のポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物からなる発泡絶縁体層、さらにその上に内径2.095mm、長さ8.03mmのキャピラリーを用い、ピストンスピードが10mm/min、炉体径が9.55mm、引取加速度が400m/minで、190℃におけるキャピラリーレオメータによる破断時の溶融張力が6.0〜20.0gであり、かつ190℃、2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.4g/10min以上のポリオレフィン系樹脂が外層として設けられ、全体が発泡されていることを特徴とする発泡同軸ケーブル。
  5. 前記外層の厚さが、0.03〜0.20mmであることを特徴とする請求項4に記載の発泡同軸ケーブル。
  6. 前記外層を形成するポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはこれ等の混合物であることを特徴とする請求項4または5に記載の発泡同軸ケーブル。
  7. 前記発泡絶縁体を形成するポリプロピレン或いは前記ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物は、ポリプロピレンの含有量が20質量%以上、100質量%未満の混合物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の発泡同軸ケーブル。
  8. 前記内層の厚さが、0.01〜0.20mmであることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の発泡同軸ケーブル。
  9. 前記内層を構成するポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンであることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の発泡同軸ケーブル。
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