JP2006252786A - 画像形成装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リアプレートとフェースプレートとの間に耐大気圧構造体として平板状のスペーサを介在させた画像形成装置において、該スペーサをリアプレートに接着固定する工程の作業効率向上を図る。
【解決手段】 スペーサ10の画像領域外の領域に磁石或いは鉄、ニッケル、コバルトのいずれかからなる仮止め部材11を取り付け、リアプレート1の裏面には磁石からなる位置合わせ部材42を配置し、仮止め部材11と位置合わせ部材42との磁力による引力によってスペーサ10をリアプレート1に仮止めし、スペーサ10のリアプレート1との接触部に加熱硬化型の無機接着剤12を塗布して複数のスペーサ10の接着固定を同時進行で行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電子放出素子と発光部材とを用いてなる平面型の画像形成装置の製造方法に関し、特に、電子放出素子を形成した基板と、発光部材を備えた基板との距離を保持するために、両基板間にスペーサを介在させた画像形成装置の製造方法に関する。
従来、ブラウン管型表示装置に代わる表示装置として、薄型且つ軽量である平面型画像形成装置が注目されている。特に、電子放出素子と、該電子放出素子から放出された電子ビームの照射により発光する発光部材とを組み合わせて用いる表示装置は、従来の他の方式の表示装置よりも優れた特性が期待されており、例えば、近年普及してきた液晶表示装置に比べ、バックライトを必要としない点や視野角が広い点で優れている。
一般に、電子放出素子を用いた平面型の画像形成装置の表示パネルは、複数の電子放出素子が形成されたリアプレートと、枠をなす側壁と、蛍光膜(発光部材)及びアノード電極(メタルバック)が形成されたフェースプレートとにより、内部を真空に維持するための外囲器(気密容器)が形成されている。
この気密容器の内部は、10-4Pa程度の真空に保持されており、画像表示装置の表示面積が大きくなるに従い、気密容器内部と外部の気圧差によるリアプレート及びフェースプレートの変形或いは破壊を防止する手段が必要となる。当該手段として、リアプレート及びフェースプレートを厚くして変形や破壊を防止する方法は、画像表示装置の重量を増加させるのみならず、斜め方向から見た時に画像の歪みや視差を生ずる。そこで、比較的薄いガラス板からなり大気圧を支えるための構造支持体であるスペーサ(リブと呼ばれる場合もある)が配置されている。このスペーサにより、リアプレートとフェースプレートとの間、正確にはリアプレートとメタルバックとの間は、通常、数mm以下に保たれ、気密容器内は高真空に保たれる。スペーサは例えば加熱硬化型の無機接着剤を用いてリアプレートに接着固定される(特許文献1,2参照)。
特許第3073488号公報 特許第3368212号公報
加熱硬化型の無機接着剤によるスペーサの固定工程においては、硬化時の加熱プロセスがリアプレートの熱膨張を引き起こし、スペーサとリアプレートのアライメント精度を保つことができないという問題があった。そのため、スペーサがリアプレートに固定されるまでスペーサを搬送してきた搬送用ハンドでそのまま支持する必要があり、一度に複数のスペーサの接着固定作業を同時進行することができず、効率が悪かった。
本発明の目的は、複数のスペーサをアライメント精度を保ったまま同時にリアプレートに接着固定しうる方法を提供し、歩留まり良く且つ効率よく画像形成装置を製造することにある。
本発明は、複数の電子放出素子と該電子放出素子に電圧を印加するための配線とを備えたリアプレートと、該リアプレートに対向配置され、該電子放出素子から放出された電子の照射によって発光する発光部材とアノードとを備えたフェースプレートと、上記リアプレートとフェースプレートの周縁部に介在して両プレートと共に気密容器を形成する側壁と、上記二つのプレート間に介在して両プレート間距離を保持する平板状スペーサとを有する画像形成装置の製造方法であって、
上記スペーサの少なくとも一方の主面の、画像表示領域外の領域に仮止め部材を取り付け、
リアプレートの裏面に上記仮止め部材とは磁力で引き合う位置合わせ部材を配置し、
上記スペーサをリアプレート上に上記仮止め部材と位置合わせ部材との磁力による引力によって仮止めした状態で、画像表示領域外においてスペーサとリアプレートとを加熱硬化型の無機接着剤によって接着固定する
工程を有することを特徴とする。
本発明においては、スペーサをリアプレートに接着固定する工程に際して、磁力を利用してスペーサとリアプレートとを仮止めするため、接着剤の熱硬化プロセスにおける位置ずれが防止され、該熱硬化プロセスにおいてハンドでスペーサを支持していなくても、アライメント精度を保持した状態でスペーサをリアプレートに接着固定することができる。よって、スペーサをリアプレート上に配置した後、スペーサの搬送に用いたハンドを直ちに次のスペーサの搬送に用いることができ、複数のスペーサの加熱硬化プロセスを同時進行することができる。よって、本発明によれば、画像表示装置を歩留まり良く且つ効率よく製造することができる。
本発明の製造方法の特徴は、スペーサをリアプレートに接着固定する際に、スペーサに仮止め部材を取り付け、リアプレートには裏面(気密容器の外側になる側)に位置合わせ部材を配置し、仮止め部材と位置合わせ部材との磁力による引力を利用してスペーサをリアプレートに仮止めすることにある。
図1に本発明により製造される画像形成装置の表示パネルの好ましい構成例を示す。図1は内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示した概略斜視図である。図中、1はリアプレート、2は電子放出素子、3はX方向配線、4はY方向配線、6は側壁、7はフェースプレート、8は蛍光膜、9はメタルバック(アノード電極)、10はスペーサ、11は仮止め部材、12は接着剤である。また、図2に当該表示パネルのY方向部分断面模式図を、図3に側壁6近傍のX方向部分断面模式図を示す。図2,図3中、21は層間絶縁層である。尚、図1において、X方向配線3とY方向配線4とを絶縁している層間絶縁層21を、図3においては、X方向配線3と交差しているY方向配線4を便宜上省略する。
本装置においては、リアプレート1とフェースプレート7と側壁6とで表示パネルの内部を真空にするための気密容器(外囲器)が形成されている。当該気密容器内は10-4Pa程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃などによる容器の破壊を防止するため、耐大気圧構造体としてスペーサ10が設けられており、該スペーサ10は画像表示領域の外側で接着剤12により固定されている。
リアプレート1には、電子放出素子2がn×m個(n,mは2以上の正の整数であり、目的とする画素数に応じて適宜設定される。)形成されている。これらの素子2はm本のX方向配線3とn本のY方向配線4により単純マトリクス配置されている。
また、蛍光膜8はCRTの分野で用いられる赤、緑、青の3原色の蛍光体に塗り分けられ、例えば各色の蛍光体はストライプ状またはドット状に塗り分けられ、各色の蛍光体間には黒色の導電体(ブラックストライプまたはブラックマトリクス)が設けられている。
さらに、蛍光膜8の内側(リアプレート1側)の面には、アノード電極としてCRTの分野では公知のメタルバック9が設けられている。
図4に、図1に示した画像表示装置の製造工程における、スペーサ10の接着固定工程を示す。図中、41は搬送用ハンド、42は位置合わせ部材である。
本発明においては、スペーサ10の少なくとも一方の主面、好ましくは両面の画像表示領域外の領域に仮止め部材11を取り付けておき、一方、該スペーサ10を配置するリアプレート1の裏面には、該仮止め部材11に対応する箇所に、仮止め部材11とは磁力によって引き合う位置合わせ部材42を配置する〔図4(a)〕。
搬送用ハンド41でスペーサ10を搬送し、リアプレート1上のX方向配線3上にアライメントして配置する〔図4(b)〕。この時、スペーサ10に予め取り付けてある仮止め部材11と、リアプレート1の裏面に配置された位置合わせ部材42との間に磁力による引力が働き、アライメント精度を保ちながらスペーサ10が画像表示領域外でリアプレート1に仮止めされる。この状態でスペーサ10からハンド41を取り外してもスペーサ10はリアプレート1上に保持される。スペーサ10から取り外したハンド41は直ちに次のスペーサの搬送作業に移る。
画像表示領域外において、スペーサ10とリアプレート1との接触部、さらにX方向配線3の引き出し側においてはスペーサ10とX方向配線3との接触部に加熱硬化型の無機接着剤12を塗布し、130〜250℃に加熱して硬化させる〔図4(c)〕。本発明においては、スペーサ10とリアプレート1とが磁力によって仮止めされているため、加熱硬化に際してスペーサ10をハンドで支持する必要が無く、複数の、好ましくは全てのスペーサ10のアライメント終了後にまとめて加熱硬化することができる。
本発明において用いられる仮止め部材11と位置合わせ部材42とは互いに磁力による引力が働くように、少なくとも一方が磁石で他方が磁石或いは鉄、ニッケル、コバルトのいずれかが用いられる。好ましくは、位置合わせ部材42にネオジム磁石等の磁石を用いる。仮止め部材11は例えば上記金属のシートを適当な大きさに切断し、接着剤でスペーサ10に取り付ければよい。尚、該仮止め部材11はリアプレート1,フェースプレート7上の配線や電極に接触しないように、図1〜図3に示すように、スペーサ10の高さ方向(Z方向)をスペーサ10よりも小さく形成し、スペーサ10の高さ方向の両端部から離して中央部に取り付ける。
本発明において、スペーサ10とリアプレート1との接着固定に用いられる加熱硬化型の無機接着剤12としては、ケイ酸ナトリウム系接着剤が好ましく用いられ、例えば東亜合成社製の「アロンセラミックD(商品名)」が挙げられる。また、当該接着剤の加熱には、温風ヒーターや赤外線ヒーターなどの加熱手段が用いられる。
本発明にかかるスペーサ10は平板状であり、通常、薄板状の絶縁性基材の表面に高抵抗膜が成膜され、リアプレート1及びフェースプレート7との当接面には低抵抗膜が形成されている。絶縁性基材としては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が挙げられる。また、高抵抗膜としては帯電防止効果が105Ω/□〜1014Ω/□の範囲のものが用いられ、低抵抗膜としては上記高抵抗膜よりも十分に抵抗値の低い材料が用いられる。
図4のようにしてスペーサ10を接着固定したリアプレート1の周縁部内面に、側壁6を絶縁性接着剤により接合し、その後、蛍光膜8とメタルバック9を形成したリアプレート7の内面に、絶縁性接着剤あるいは導電性接着剤を用いて上記側壁6を接合し、気密容器を形成する。絶縁性接着剤としてはフリットガラスが、導電性接着剤としては低融点金属(In、Ag−Ge、Pb等)が好ましく用いられるが、導電性接着剤としては該低融点金属以外にも、低融点ガラス(フリットガラス)に金属粒子(Ag、Au等)を混合したものや、無機接着剤に金属粒子(Ag、Au等)を混合したものも用いることができる。
図4の工程に従って、スペーサ10をリアプレート1上のX方向配線3上に接着固定した。スペーサ10には画像表示領域外に0.4mm×1mm×1mmの磁石シートを東亞合成社製「アロンセラミックD(商品名)」によって貼り付け、90℃で1時間加熱して当該接着剤を硬化させた。また、位置合わせ部材42としてはネオジム磁石を用い、スペーサ10のアライメント後、スペーサ10から搬送用ハンド41を取り外し、スペーサ10のX方向両端部のリアプレート1との接触部に東亞合成社製「アロンセラミックD(商品名)」を塗布して、温風ヒーターにより室温(24℃)で5分、90℃で2分、160℃で5分、250℃で9分の加熱プロセスを施して、上記接着剤を硬化させた。
本例におけるスペーサは接着剤の加熱プロセスにおいて位置ずれがほとんど起こらず、高いアライメント精度を維持することができた。また、複数のスペーサの接着固定を同時進行することができ、その結果、短時間で工程を終了することができた。
本発明により製造される画像形成装置の表示パネルの概略斜視図である。 図1の表示パネルのY方向部分断面模式図である。 図1の表示パネルの側壁近傍のX方向部分断面模式図である。 本発明の製造方法におけるスペーサのリアプレートへの接着固定工程を示す図である。
符号の説明
1 リアプレート
2 電子放出素子
3 X方向配線
4 Y方向配線
6 側壁
7 フェースプレート
8 蛍光膜
9 メタルバック(アノード電極)
10 スペーサ
11 仮止め部材
12 接着剤
21 層間絶縁層
41 搬送用ハンド
42 位置合わせ部材

Claims (3)

  1. 複数の電子放出素子と該電子放出素子に電圧を印加するための配線とを備えたリアプレートと、該リアプレートに対向配置され、該電子放出素子から放出された電子の照射によって発光する発光部材とアノードとを備えたフェースプレートと、上記リアプレートとフェースプレートの周縁部に介在して両プレートと共に気密容器を形成する側壁と、上記二つのプレート間に介在して両プレート間距離を保持する平板状スペーサとを有する画像形成装置の製造方法であって、
    上記スペーサの少なくとも一方の主面の、画像表示領域外の領域に仮止め部材を取り付け、
    リアプレートの裏面に上記仮止め部材とは磁力で引き合う位置合わせ部材を配置し、
    上記スペーサをリアプレート上に上記仮止め部材と位置合わせ部材との磁力による引力によって仮止めした状態で、画像表示領域外においてスペーサとリアプレートとを加熱硬化型の無機接着剤によって接着固定する
    工程を有することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  2. 位置合わせ部材及び仮止め部材の一方が磁石であり、他方が磁石、鉄、ニッケル、コバルトのいずれかである請求項1に記載の画像形成装置の製造方法。
  3. 上記無機接着剤がケイ酸ナトリウム系接着剤である請求項1または2に記載の画像形成装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008211548A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Audio Technica Corp ヘッドホンおよびその製造方法

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