JP2006252667A - 色素系追記型dvd媒体の記録再生方法及び色素系追記型dvd媒体の記録再生装置 - Google Patents

色素系追記型dvd媒体の記録再生方法及び色素系追記型dvd媒体の記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低ジッタ、低エラー率な記録が可能であり、DVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波ウォブルフォーマットでデータ部の書き足しを効率よく実施できる色素系追記型DVD媒体の記録再生方法等の提供。
【解決手段】 色素含有記録層に対し、最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録し、該記録を再生光で再生し、マーク記録時におけるパルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が、一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上である色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
【選択図】 図1B

Description

本発明は、光ビームを照射することにより、記録材料の透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせ、情報の記録、及び再生を行い、かつ追記が可能な色素系追記型DVD媒体の記録再生方法及び色素系追記型DVD媒体の記録再生装置に関する。
現在、大容量光ディスクとしてDVD±Rの高速化開発が進められている。記録容量の向上の要素技術は、記録ピット微少化のための記録材料開発、MPEG2に代表される画像圧縮技術の採用し、記録ピット読みとりのため、半導体レーザの短波長化等の技術開発が必要である。
これまで赤色波長域の半導体レーザとしては、バーコードリーダ、計測器用に670nm体のAlGaInPレーザダイオードが商品化されているのみであったが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVDドライブの場合、光源として635nm帯と650nm帯のレーザダイオードで2つの波長で規格化されている。一方、再生専用のDVD−ROMドライブは波長〜650nmで商品化されている。
一般的にヒートモードによってピット(マーク)が形成される色素系追記型DVD媒体は、特定の記録速度において記録時のレーザ発光による記録パルスのパルス幅と記録パワーが最適化され、異なった記録線速度では形成されるマークやスペースの状態が変化する。即ち、マークの形成に必要な加熱パルスによる熱容量の不足が生じたり、最適な分解温度に対して到達する加熱温度が異なってマークの平均長がばらついたり、最適な加熱パルスのデューティ比が異なって均一なマーク幅が得られなくなりマーク長に応じて太りや細りが生じたりするため、ジッタ特性が悪化してしまう。
また、DVD±Rにおける高線速記録において、例えば、特許文献1等では記録線速度が42m/s以下の記録であれば、高品位な記録が可能であるが、それ以上の高速の記録線速度で記録すると記録媒体によっては充分な品質が得られないという問題がある。
また、DVD系媒体の物理フォーマットに関しては、DVD−R媒体のフォーマットの場合、ランドプリピットと呼ばれるランド部の一部をカットしたフォーマットで規格化されている。この方式をとると、ランドプリピット信号(LPPb)が0.16未満ではプリピットアドレス等のプリピット情報が良好に再生できず、0.32を超えるとLPP信号自体がデータ領域においてノイズ的な振る舞いをし、データエラーが多く発生してしまう。従って、LPPは、記録材料に合ったカット幅をスタンパで微調整して、LPPbが0.16〜0.32の範囲になるようにランドカット幅を制御しなければならなかった。
また、色素を記録層に用いた光記録媒体としては、例えば、ポリメチン色素或いはポリメチン色素と光安定化材を記録材料として用いるもの、テトラアザポルフィリン(ポルフィラジン)色素、又はシアニン色素+アゾ金属キレート色素(塩形成色素)からなる層と反射層を有するもの、ホルマザン(金属キレート)色素+その他の色素を記録材料として用いるもの、ジピロメテン(金属キレート)色素+その他の色素を記録材料として用いるものなどが数多く知られている。更に、記録材料に色素を用いマルチパルス記録を行うものも多数知られている。
しかしながら、色素系追記型DVD媒体に対し1パルスで記録を行い、かつ高線速記録を行う際の記録波形に着目し、記録再生の最適化を図った技術は、未だ提供されていないのが現状である。
特開2001−303400号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、色素系追記型DVD媒体に対し、いずれの線速度でも低ジッタ、低エラー率な記録が可能であり、DVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波ウォブルフォーマットでデータ部の書き足しを効率よく実施でき、しかも、現在、大量に製造されているCD−R、CD−RWとほぼ同一フォーマットの色素系追記型DVD媒体に対して記録が可能である色素系追記型DVD媒体の記録再生方法及び色素系追記型DVD媒体の記録再生装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、CD系媒体に比べて短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる追記型DVDシステムの新フォーマット方式であって、LPP方式と同様、データの書き足し部における未記録領域を無くす有効な方式、更には、DVD−Rランドプリピット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なカット幅制御やLPP信号のデータ部への漏れ出しによるデータエラーが生じない色素系追記型DVD媒体の記録再生方法及び色素系追記型DVD媒体の記録再生装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ウォブルを設けた案内溝を有する基板上に少なくとも色素含有記録層を有する色素系追記型DVD媒体における該色素含有記録層に対し、最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録し、該記録を再生光で再生する色素系追記型DVD媒体の記録再生方法であって、
前記マーク記録時におけるパルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が、一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上であることを特徴とする色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<2> パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間が、最短長スペースの1/6〜6/6の長さである前記<1>に記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<3> 直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該マークの長さが最短長であるか否かで区別し、最短長マークの加熱パルス幅を最短長でないマークの加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、最短長マークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該最短長マークの直前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短長であるマークの加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短長でないマークの加熱パルス幅よりも短く設定する前記<1>から<2>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<4> ウォブルは、基本クロック周期をTとして4T〜96T相当の周波数とする前記<1>から<3>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<5> ウォブルの振幅(Wo)と、トラックエラーを検出制御するための2分割光検出器による差信号であるプッシュプル振幅(PP)との比(Wo/PP)が、次式、0.1≦Wo/PP≦0.4を満たすように同期合わせする前記<1>から<4>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<6> 記録光の波長が600〜720nmである前記<1>から<5>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<7> 記録光及び再生光の波長±5nmの波長域の光に対し、色素含有記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、かつ消衰係数kが0.02≦k≦0.2である前記<1>から<6>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<8> 色素含有記録層の分解開始温度が100〜360℃である前記<1>から<7>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<9> 色素系追記型DVD媒体が、基板上に、色素含有記録層と、反射層、保護層、接着層、保護基板及び基板面ハードコート層から選択される少なくとも1つを有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<10> 色素系追記型DVD媒体が反射層を有し、該反射層が金、銀、アルミニウム、及びこれらを主成分とする合金のいずれかを含む前記<9>に記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<11> 色素系追記型DVD媒体が保護層を有し、該保護層が紫外線硬化樹脂を含む前記<9>から<10>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<12> 色素系追記型DVD媒体が、第1基板と第2基板との間に、少なくとも色素含有記録層と反射層と保護層と接着層とをこの順に有する層構成、及び、少なくとも第1色素含有記録層と第1反射層と第1保護層と接着層と第2保護層と第2反射層と第2色素含有記録層とをこの順に有する層構成、のいずれかを有し、前記DVD媒体の少なくとも片方の面に記録再生面を有する前記<9>から<11>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<13> 接着層が、紫外線硬化樹脂を含む前記<12>に記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法である。
<14> ウォブルを設けた案内溝を有する基板と、該基板上に少なくとも色素含有記録層を有する色素系追記型DVD媒体と、
最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録する記録手段と、
前記記録を再生光で再生する再生手段とを有してなり、
前記記録手段によるマーク記録時に、パルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上であることを特徴とする色素系追記型DVD媒体の記録再生装置である。
<15> パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間を、最短長スペースの1/6〜6/6の長さとする前記<14>に記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置である。
<16> 直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該マークの長さが最短長であるか否かで区別し、最短長マークの加熱パルス幅を最短長でないマークの加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、最短長マークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該最短長マークの直前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短長であるマークの加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短長でないマークの加熱パルス幅よりも短く設定する前記<14>から<15>のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置である。
本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法は、ウォブルを設けた案内溝を有する基板上に少なくとも色素含有記録層を有する色素系追記型DVD媒体における該色素含有記録層に対し、最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録し、該記録を再生光で再生し、前記マーク記録時におけるパルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が、一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上である。その結果、いずれの線速度でも低ジッタ、低エラー率な記録が可能であり、DVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波ウォブルフォーマットでデータ部の書き足しを効率よく実施でき、しかも、現在、大量に製造されているCD−R、CD−RWとほぼ同一フォーマットの色素系追記型DVD媒体に対して記録が可能である。
本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置は、ウォブルを設けた案内溝を有する基板と、該基板上に少なくとも色素含有記録層を有する色素系追記型DVD媒体と、
最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録する記録手段と、
前記記録を再生光で再生する再生手段とを有してなり、
前記記録手段によるマーク記録時に、パルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上である。その結果、いずれの線速度でも低ジッタ、低エラー率な記録が可能であり、DVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波ウォブルフォーマットでデータ部の書き足しを効率よく実施でき、しかも、現在、大量に製造されているCD−R、CD−RWとほぼ同一フォーマットの色素系追記型DVD媒体に対して記録が可能である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、色素系追記型DVD媒体に対し、いずれの線速度でも低ジッタ、低エラー率な記録が可能であり、DVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波ウォブルフォーマットでデータ部の書き足しを効率よく実施でき、しかも、現在、大量に製造されているCD−R、CD−RWとほぼ同一フォーマットの色素系追記型DVD媒体に対して記録が可能な色素系追記型DVD媒体の記録再生方法及び色素系追記型DVD媒体の記録再生装置を提供することができる。
(色素系追記型DVD媒体の記録再生方法及び色素系追記型DVD媒体の記録再生装置)
本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法は、最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録し、該記録を再生光で再生し、前記マーク記録時におけるパルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が、一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上である。
本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置は、色素系追記型DVD媒体と、記録手段と、再生手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法は、本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置により好適に実施することができる。なお、本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置を実施すると、本発明の前記色素系追記型DVD媒体の記録再生方法を実施したこととなる。
本発明における前記最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光は、基本的な最適パルス照射パターンである。
前記2番目以降の長さのマーク、即ち、最短長マーク以外のマークについて、パルスの先端部と後端部を上乗せパワーを加えて高出力化する長さとしては、基本クロック周期Tの0.2倍〜2.5倍(即ち、0.2T〜2.5T)の範囲が好ましく、0.5T〜2Tがより好ましい。
また、短い方から2番目以降の長さのマークのパルス先端部とパルス後端部が高出力化されており、最短長マークのパルス光量が、それ以外のマークのパルスのいずれの部分より高出力化されており、短い方から2番目以降の長さのマークのパルス先端部光量は最短長マークのパルス光量より低いレベルで高出力化され、短い方から2番目以降の長さのマークのパルス後端部光量は該パルス先端部光量より更に低いレベルで高出力化されている。
前記最短長マークのパルス記録パワーをW0、短い方から2番目以降の長さのマークのパルス先端部記録パワーをW1、短い方から2番目以降の長さのマークのパルス後端部記録パワーをW2、短い方から2番目以降の長さのマークのパルス上乗せ無しパワーをW3とすると、W0/W1は1.01〜2.00の範囲が好ましく、1.02〜1.50の範囲がより好ましい。一方、W2/W3は1.05〜3.00の範囲が好ましく、1.08〜2.00の範囲がより好ましい。更に、W1/W2は1.01〜2.00の範囲が好ましく、1.02〜1.50の範囲がより好ましい。
また、各パルスの後端部以降に設けるクーリングパルスの好ましい照射条件として、パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間が、最短長スペースの1/6〜6/6の長さとすることが好ましい。この範囲を外れると本発明の効果を得難くなることがあり、上記のようなパルス波形を選択することにより、特に高線速記録において低ジッタで良好な記録が可能となる。
色素系の光記録媒体は、高線速化を実現しようとすると記録パワーを大きくしなければならず、その結果、マーク間の熱干渉が一層起き易くなる。そこで、マークを形成する際のマークエッジ切れを良好にするために本発明が有効となる。従来技術で記録を行うと、最も低いジッタが得られるパワーとエラーが最小となるパワーにズレが生じてパワーマージンが減少する。具体的には、記録線速度が42m/s以上の高線速記録においては最も低いジッタが得られる記録パワーでは記録信号のアシンメトリがマイナス側になる傾向が現れ、エラー測定では如何に低ジッタといえどもエラーが出易くなってしまう。例えば、アシンメトリがマイナスで低ジッタ、低エラーであっても、媒体、ドライブの経年変化等で、アシンメトリがゼロ付近で記録された媒体よりはエラーが出易い。
また、1マークを複数パルス光(マルチパルス)で書き込む場合においても、パルス光を最適化すれば、上述の低アシンメトリ問題を解決することは可能であるが、複数のパルス光を用いるため、パルス光の立ち上がり、立ち下がり時間にばらつきを生じた際に記録品質自体がばらつく可能性がある。このばらつきは高線速記録になるほど発生し易くなることは言うまでもない。これに対し、本発明では1マーク当り1パルス光で記録するため、該マルチパルス光記録に比べて記録品質のばらつきが少ない記録方法を提供できる利点がある。また、書き込み中のアドレス検出においては、マルチパルス法よりも単純な記録波形であるため記録時の光量を平均化し易く、スペース部の反射光量だけでなくマーク部の光量も平均化してアドレス検出することが可能となり、パルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が、一定時間0.1mW以下であってもアドレス検出を比較的容易に実施できるという利点を有する。
本発明においては、記録線速度が42m/s以上の高線速記録における記録品質の向上が大きな課題であるが、高速での記録は最短長マークをいかに均一に形成するかが記録品質に大きく寄与する。そこで、本発明は、最短長マークを形成する先端パルスを高出力化することによりマーク形成を均一かつ確実に形成するように最短長マーク形成品質の向上を計ったものである。また、短い方から2番目以降のマークのパルス先端部も高出力化し、更にパルス後端部をパルス先端部より低いレベルで高出力化することで記録品質の向上を計っている。短い方から2番目以降のマークのパルス後端部の高出力化をするとアシンメトリ改善効果に寄与する。言い換えると、短い方から2番目以降のマークを形成する場合はパルス先端部のみをかさ上げすると、ジッタは改善できるが、本発明の目的である低アシンメトリ問題の改善には少なくともパルス後端部をかさ上げすることが有効である。
ここで、本発明の記録波形の一例について図4及び図5に示す。
本発明においては、熱干渉の影響を考慮して、直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該マークの長さが最短長であるか否かで区別し、最短長マークの加熱パルス幅を最短長でないマークの加熱パルス幅よりも長く設定することで、より低ジッタな記録が実現できる。
また、最短長マークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該最短長マークの直前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短であるマークの加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短でないマークの加熱パルス幅よりも短く設定することで、一層低ジッタな記録が実現できる。
前記加熱パルス幅を短く設定するための補正量(長さ)は、0.02T〜0.10Tの範囲が好ましい。形成されるマークの直前のスペース長が最短長である場合に、そのマークを形成するパルスのパルス幅が他のマークの場合と略等しいと、熱干渉により該直前のスペース長が短くなり、ジッタが若干悪化する。そこで、このような場合のみ、マークを記録するための加熱パルス幅を短くすると効果がある。なお、パルス幅を短くする場合は加熱パルスの前エッジを短くすることが効果的なのは言うまでもない。
また、形成されるマークの直前のスペース長が最短長であるとき、そのマークを形成するパルスの加熱パルス幅が0.10Tよりも短いと、マーク長自身が短くなり過ぎるので好ましくない。
前記最短長マークの加熱パルス幅を他のマークの場合よりも長く設定する際の補正量(長さ)は、0.05T〜0.25Tが好ましい。特に記録線速度が大きくなると最短長マークが形成し難くなるため、上記の範囲で補正して最短長マークのパルス幅を長くする。
加熱パルス幅の補正量の具体例を下記表1に示す。
Figure 2006252667
前記色素含有記録層の光学特性としては、記録再生波長近傍の長波長近傍の波長域の光、即ち、記録光及び再生光の波長±5nmの波長域の光に対する色素含有記録層単層の屈折率nは1.5≦n≦3.0が好ましく、消衰係数kは0.02≦k≦0.2が好ましい。前記屈折率nが1.5未満であると、十分な光学的変化を得難く、記録変調度が低くなることがあり、3.0を超えると、波長依存性が高くなり過ぎ、記録再生波長領域であってもエラーとなってしまうことがある。また、消衰係数kが0.02未満であると、記録感度が悪くなることがあり、0.2を超えると、50%以上の反射率を得ることが困難となることがある。
なお、DVDは、再生専用機では650nm付近で規格化されているが、記録型媒体の記録光の波長はオーサリング専用媒体の635nmの他に、一般用途として650〜660nmで規格化されている。しかしながら、これらの波長はあくまで中心波長であり、LDの製造のバラツキで短波長側、長波長側に振れる。またLDは、その特性上、一般的に温度が上昇すると波長が長波長側にシフトする。本発明は上記波長域を含む600〜720nmの記録波長で実施可能な方法である。
次に、基板に設ける蛇行した案内溝のウォブル特性について説明する。ウォブル周波数を特定するためのTは基本クロック周期であり、DVD(4.7GB)媒体であれば、約0.133μm、時間にして約38nsec.である。通常、ウォブルの周波数帯としては150T〜400T相当が用いられているが、この周波数帯は、周波数変調にしろ位相変調にしろデータの書き足しをする場合にウォブルの周波数が低すぎて、前データと書き足しデータとの間がかなり空いてしまい高密度記録には向かない。これに対しDVD−RではLPPを設け、このLPP信号によりデータの書き込む位置を制御している。
しかしながら、前記LPP方式ではLPPの信号振幅が小さ過ぎるとLPPが良好に読み出せず、逆にLPPが大き過ぎると今度はLPP信号自体が書き込みデータへ漏れ込んでデータエラーが多発するという不具合が生じるため、LPPには、0.16≦LPPb≦0.32、好ましくは0.18≦LPPb≦0.26という制約が生じ、スタンパ作成の際、ランドのカット幅を微細に制御しなくてはならない。これに対し、高周波ウォブルにすればLPPは必要なくなり、ウォブルを変調して同期をとるため、LPP方式の様にデータエラーが多発するような事態には至らない。本発明6で規定するように、高周波ウォブルの好ましい周波数は4T〜96Tである。4Tより小さいと高周波数すぎて検出し難くなり、回転制御やアドレス検知信頼性の点でも問題がある。一方、96Tより大きくなると周波数が低すぎて、データを追記書きする際の継ぎ目に間隔が開きすぎ、容量の低下やデータ処理速度低下等の問題を生じる。
前記DVD媒体のウォブルの振幅は、適当なフィルター、例えば、4MHz、30kHzのハイ、ロウパスフィルターを通した信号のウォブル振幅(Wo)と、適当なフィルター、例えば30kHzのフィルターを通したプシュプル信号(PP)の比Wo/PPが、0.1≦Wo/PP≦0.4を満足するようなものであれば、本発明の目的であるウォブルでの同期合わせは容易であり、更に好ましくは0.15≦Wo/PP≦0.30の範囲である。前記Wo/PPの値が0.1未満では同期をとるのに不十分な信号強度であり、0.4を超えるとデータ部エラーが増えてくる傾向にある。但し、LPP方式に比べ、LPPが大きな媒体のデータエラー発生への影響度は小さくウォブル振幅の増加に伴うデータエラーは緩やかである。
更に、スタンパを作製する際に、LPP方式のLPPカット幅を前述した0.16〜0.32の範囲内にするには高度なカット幅制御技術を必要とするが、本発明の高周波ウォブル方式においては、高周波発生源とウォブルの振り量の大きさ(ウォブル振り量を制御する回路で振り量は任意に再現性よく作成できる)を管理しさえすれば目的が達成されるため、スタンパの歩留まりや、媒体の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
また、上記のフォーマットを有する基板の溝形状としては、有機色素を用いて溶剤塗工法により色素含有記録層を形成する場合を例にとると、溝深さは100〜250nm(1000〜2500Å)が好ましく、150〜200nm(1500〜2000Å)がより好ましい。前記溝深さが100nm(1000Å)未満であると、プシュプル信号が充分にとれずトラッキング制御ができないことがあり、250nm(2500Å)を超えると、基板成形の際に転写性が甘くなることがある。更に、色素含有記録層を設けた場合の色素溝深さはウォブル周波数をmT(ただし、mは自然数を表す)とし、色素溝深さをd1とした時に1200≦d1×m≦160000の範囲が好ましい。前記(d1×m)が1200を下回ると、充分な差信号が得られず、記録再生時に充分なトッラキングが行えないことがあり、前記(d1×m)が160000を上回ると、逆に発振してしまうため、やはりトラッキングには好ましくなく、更に前述した基板成形の転写限界に起因する基板溝深さの限界もあって、実質的には160000を上回ることはできない。
また、記録密度4〜5GBの容量を確保するためにトラックピッチは0.64〜0.8μmが好ましい。溝幅に関しては、記録材料によって異なるが、ほぼ全ての有機材料において、半値幅0.18〜0.40μmの幅で適用できる。
本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法は、上述したような特徴を有し、各種光記録媒体に用いられるが、以下に説明する片面単層型光記録媒体、両面型光記録媒体、片面2層型光記録媒体に特に好適に用いられる。
<片面単層型光記録媒体>
前記片面単層型光記録媒体は、基板上に、少なくとも色素含有記録層、及び反射層を有し、更に接着層を介して保護基板を貼り合わせてなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
ここで、図1A〜図1Cは、本発明の片面単層型の追記型光記録媒体(DVD+R又はDVD−R)の層構成の一例を示す概略断面図である。
図1Aは、基板1/色素含有記録層2/反射層6/保護層4からなるDVD+R又はDVD−Rを示す。
図1Bは、基板1/色素含有記録層2/反射層6/保護層4/接着層8/保護基板7からなるDVD+R又はDVD−Rを示す。
図1Cは、ハードコート層5/基板1/下引き層3/色素含有記録層2/反射層6/保護層4/接着層8/保護基板7からなるDVD+R又はDVD−Rを示す。
これらの中でも、本発明の対象となる色素系追記型DVD媒体の好ましい基本構成は、図1B及び図1Cに示すような、第1の基板と第2の基板(以下、第1基板、第2基板と称することがある)とを色素含有記録層を介して接着剤で貼り合わせた構造を基本構造とするものである。
−基板−
前記基板としては、基板側より記録及び再生の少なくともいずれかを行う場合には使用レーザ光に対して透明でなければならず、色素含有記録層側から記録及び再生の少なくともいずれかを行う場合には、基板は透明である必要はない。従って、本発明において、基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は、例えば、一方の基板(第2の基板)のみが透明であれば、他方の基板(第1の基板)の透明、不透明は問わない。
前記基板材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチックス、ガラス、セラミックス、金属、等を用いることができる。
なお、基板を1層しか用いない場合はその基板表面に、また基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は第1基板の表面に、トラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号等のプレフォーマットが形成されていることが好ましい。
前記基板は、円盤状であり、通常、深さ1000〜2500Å(100〜250nm)の案内溝を有している。また、溝幅は、半値幅で0.18〜0.36μmが好ましい。前記半値幅が0.18μm以上であると、十分なトラッキングエラー信号強度を得やすいので好ましい。一方、0.36μm以下であると、記録したときに記録部が横に広がりにくいので好ましい。
また、トラックピッチは、通常、0.7〜1.0μmが好ましく、高容量化の用途には0.7〜0.8μmが好ましい。
−色素含有記録層−
前記色素含有記録層はレーザ光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録するものであり、その材料としては有機色素を主成分とするものを用いる。ここで、主成分とは、記録再生に必要十分な量の有機色素を含有することを意味するが、通常は、必要に応じて適宜添加する少量の添加剤を除き、有機色素のみを用いる。
前記有機色素としては、例えば、アゾ系色素、ホルマザン系色素、ジピロメテン系色素、(ポリ)メチン系色素、ナフタロシアニン系色素、フタロシアニン系色素、テトラアザポルフィリン系色素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素、ピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系(インダンスレン系)色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、アズレン系色素、テトラヒドロコリン系色素、フェナンスレン系色素、トリフェノチアジン系色素、或いはそれらの金属錯体などが挙げられる。これらの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせても構わない。
これらの中でも、アゾ(金属キレート)色素、ホルマザン(金属キレート)色素、スクアリリウム(金属キレート)色素、ジピロメテン(金属キレート)色素、トリメチンシアニン色素、テトラアザポルフィリン色素が特に好ましい。
前記色素は熱分解特性として、分解開始温度は100〜360℃が好ましく、100〜350℃がより好ましい。前記分解開始温度が360℃を超えると、記録時のピット形成がうまく行われずジッタ特性が悪くなることがある。一方、100℃未満であると、ディスクの保存安定性が悪化することがある。
前記色素中に金属、又は金属化合物を添加することもできる。該金属又は金属化合物としては、例えば、In、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO、SnO、As、Cd等を分散混合、或いは積層の形態で用いることもできる。
また、前記色素中に高分子材料を配合させることもできる。該高分子材料としては、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子化合物、シリコーン、液状ゴム等の種々の材料もしくはシランカップリング剤等を分散混合して用いてもよいし、あるいは特性改良の目的で安定剤(例えば、遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を一緒に用いることもできる。
前記色素含有記録層の形成は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法又は溶液塗布法等の通常の手段によって行うことができる。前記塗布法を用いる場合には、前記色素等を有機溶剤等に溶解してスプレー法、ローラーコーティング法、ディッピング法、スピンコーティング等の慣用のコーティング法によって行うことができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類;メトキシエタノール、エトキシエタノール等のセロソルブ類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、等が挙げられる。
前記色素含有記録層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常100Å(10nm)〜10μmが好ましい。
−下引き層−
前記下引き層は、(1)接着性の向上、(2)水又はガス等のバリア、(3)色素含有記録層の保存安定性の向上、(4)反射率の向上、(5)溶剤からの基板や色素含有記録層の保護、及び(6)案内溝、案内ピット、プレフォーマット等の形成等を目的として使用される。
前記(1)の目的としては、高分子材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子物質、及びシランカップリング剤等を用いることができる。前記(2)及び(3)の目的としては、前記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO、TiO、ZnO、TiN、SiN等、更に金属、又は半金属、例えば、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等を用いることができる。また、前記(4)の目的としては、金属、例えば、Al、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メチン染料、キサンテン系染料等を用いることができる。前記(5)及び(6)の目的としては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
前記下引き層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。
−反射層−
前記反射層の材料としては、単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、例えば、Au、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Sn等が挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金としても良い。
前記反射層は、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記反射層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50〜5000Å(5〜500nm)が好ましく、100〜3000Å(10〜300nm)がより好ましい。
−保護層、及び基板表面ハードコート層−
前記保護層、又は基板表面ハードコート層は、(1)色素含有記録層(反射吸収層)の傷、ホコリ、汚れ等からの保護、(2)色素含有記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(3)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記中間層に示した材料を用いることができる。また、無機材料としては、例えば、SiO、SiO等も用いることができる。有機材料としては、例えば、ポリメチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性樹脂、熱溶融性樹脂、紫外線硬化樹脂も用いることができる。前記材料のうち保護層、又は基板表面ハードコート層に最も好ましい例としては生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
前記保護層又は基板表面ハードコート層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。
前記単層型光記録媒体においては、前記下引き層、前記保護層、及び前記基板表面ハードコート層には色素含有記録層の場合と同様に、目的に応じて更に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
−保護基板−
前記保護基板は、この保護基板側からレーザ光を照射する場合には、使用レーザ光に対し透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合には、透明性は問わない。前記保護基板として使用可能な基板材料は前記の基板材料と全く同様であり、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、金属等を用いることができる。
−接着剤、接着層−
前記接着剤としては、2枚の光記録媒体を接着できる材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、生産性を考えると、紫外線硬化型接着剤又はホットメルト型接着剤が好ましい。
<両面型光記録媒体>
前記両面型光記録媒体は、図1A〜図1Cに示す片面単層型光記録媒体を基板が外側に配置するように貼り合わせたものであり、例えば、図2に示すように、第1基板21/第1色素含有記録層22/第1反射層26/第1保護層24/接着層40/第2保護層34/第2反射層36/第2色素含有記録層32/第2基板31の層構成を有してなる。
前記接着層における接着剤としては、2枚の光記録媒体を接着でき、記録再生のために照射する光の波長における光吸収が小さいことが好ましく、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
前記接着層の厚みは、10〜200μmが好ましい。
前記両面型光記録媒体における第1基板21、第2基板31、第1色素含有記録層22、第2色素含有記録層32、第1反射層26、第2反射層36、第1保護層24、及び第2保護層34としては、上記片面単層型光記録媒体と同様のものを目的に応じて適宜選択して用いることができる。
<片面2層型光記録媒体>
前記片面2層型光記録媒体は、第1基板と、第2基板と、該第1基板と該第2基板との間に第1情報層、中間層、第2情報層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記第1情報層は、レーザ光線入射側から、第1色素含有記録層、第1反射層、及び第1保護層をこの順に有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
前記第2情報層は、レーザ光線入射側から、第2保護層、第2色素含有記録層、第2反射層をこの順に有し、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
ここで、図3は、本発明の一実施形態に係わる片面2層型の色素系追記型DVDの概略断面図である。
この図3に示す片面2層型の色素系追記型DVDディスクは、2つの情報層を有する。各情報層は、有機色素材料を用いて形成される。各情報層への情報の記録は、第1基板からレーザ光線を入射させ、マークと呼ばれるパターンの記録により行われる。より具体的には、案内溝を有する第1基板101に、第1情報層100を形成する。
前記第1情報層100は、第1基板101上に、第1色素含有記録層102、第1反射層103、第1保護層104の順に積層された構成となっている。第1色素含有記録層102と第1基板101間は下引き層あるいは保護層を介して層成してもよく、機能向上のためそれらを積層化した構成でもよい。
一方、前記第2情報層200は、案内溝を有する第2基板201に形成される。第2情報層200は、第2基板側から、第2反射層202、第2色素含有記録層203、第2保護層204の順に積層されている。
前記第1情報層100と第2情報層200とは、略透明な接着層300を中間層として所定の距離で隔てられ、貼り合わされて対向している。
前記中間層300は、記録再生のために照射する光の波長における光吸収が小さいことが好ましく、材料としては、樹脂が成形性、コストの点で好適であり、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。また、光ディスク貼り合わせ用の両面テープ(例えば、日東電工(株)の粘着シートDA−8320)なども用いることができる。前記中間層300は、記録再生を行う際に、ピックアップが第1情報層100と第2情報層200とを識別して光学的に分離可能とするものである。
前記中間層の厚みは10〜70μmが好ましく、20〜70μmがより好ましい。前記厚みが10μmより薄いと、層間クロストークが生じることがあり、70μmより厚いと、第2情報記録層を記録再生する際に、球面収差が発生し、記録再生が困難になる傾向がある。
本発明の片面2層型光記録媒体における第1基板101、第2基板201、第1色素含有記録層102、第2色素含有記録層203、第1反射層103、第2反射層202、第1保護層104、及び第2保護層204としては、上記片面単層型光記録媒体と同様のものを目的に応じて適宜選択して用いることができる。
なお、前記第2色素含有記録層203と中間層300の間には、第2色素含有記録層203を化学的及び物理的に保護する目的でバリア層(第2保護層)204を設けてもよい。
<色素系追記型DVD媒体の記録再生装置>
本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置は、色素系追記型DVD媒体と、記録手段と、再生手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記記録手段は、最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録する。
前記記録手段によるマーク記録時において、パルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上である。
前記記録再生装置においては、大容量の情報を記録する装置として、光ディスクが使用されているが、光ディスクは通常、光ディスクドライブ(記録再生装置)によって記録再生される。以下、光ディスクとドライブ構成について説明する。
前記光ディスクとしては、色素系追記型DVD媒体が用いられ、該色素系追記型DVD媒体としては、DVD−RAM・WO、DVD−R、DVD+RとDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWディスクは、書き込みが可能な(記録可能な)DVD(Digital Versatile Disc)である。前者のDVD−RAM・WO、DVD−R、DVD+Rは、1回だけ書き込みが可能なDVDである(なお、DVD Write Onceともいわれている)。また、後者のDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWは、複数回の書き込みが可能なDVDである。これらのDVD+RやDVD+RWディスク等、即ち、光ディスクは、以下の図6に示すような光ディスクドライブによって情報の記録再生が行われる。
ここで、図6は、光ディスクドライブについて、その要部構成の一例を示す機能ブロック図である。この図6において、11は光ディスク、12はスピンドルモータ、13は光ピックアップ、14はモータドライバ、15はリードアンプ、16はサーボ手段、17はDVDデコーダ、18はADIPデコーダ、19はレーザコントローラ、20はDVDエンコーダ、21はDVD−ROMエンコーダ、22はバッファRAM、23はバッファマネージャ、24はDVD−ROMデコーダ、25はATAPI/SCSIインターフェース、26はD/Aコンバータ、27はROM、28はCPU、29はRAMを示し、LBはレーザ光、Audioはオーディオ出力信号を示す。
図6において、矢印はデータが主に流れる方向を示しており、また、図を簡略化するために、図6の各ブロックを制御するCPU28には、太線のみを付けて各ブロックとの接続を省略している。ROM27には、CPU28にて解読可能なコードで記述された制御プログラムが格納されている。なお、光ディスクドライブの電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU28はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM29に保存する。光ディスクドライブの構成と動作は、次のとおりである。光ディスク11は、スピンドルモータ12によって回転駆動される。このスピンドルモータ12は、モータドライバ14とサーボ手段16により、線速度又は角速度が一定になるように制御される。この線速度又は角速度は、階段的に変更することが可能である。
光ピックアップ13は、図示を省略している半導体レーザ、光学系、フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、受光素子及びポジションセンサを内蔵しており、レーザ光LBを光ディスク1に照射する。また、この光ピックアップ13は、シークモータによってスレッジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサから得られる信号に基いて、モータドライバ14とサーボ手段16により、レーザ光LBのスポットが光ディスク11上の目的の場所に位置するように制御される。
そして、リード時には、光ピックアップ13によって得られた再生信号が、リードアンプ15で増幅されて2値化された後、DVDデコーダ7に入力される。入力された2値化データは、このDVDデコーダ7において、8/16復調される。なお、記録データは、8ビットずつまとめられて変調(8/16変調)されており、この変調では、8ビットを16ビットに変換している。この場合に、結合ビットは、それまでの「1」と「0」の数が平均的に等しくなるように付けられる。これを「DC成分の抑制」といい、DCカットされた再生信号のスライスレベル変動が抑圧される。
復調されたデータは、デインターリーブとエラー訂正の処理が行われる。その後、このデータは、DVD−ROMデコーダ24へ入力され、データの信頼性を高めるために、更に、エラー訂正の処理が行われる。このように2回のエラー訂正の処理が行われたデータは、バッファマネージャ23によって一旦バッファRAM22に蓄えられ、セクタデータとして揃った状態で、ATAPI/SCSIインターフェース25を介して、図示しないホストコンピュータへ一気に転送される。なお、音楽データの場合には、DVDデコーダ7から出力されたデータが、D/Aコンバータ26へ入力され、アナログのオーディオ出力信号Audioとして取り出される。
また、ライト時には、ATAPI/SCSIインターフェース25を通して、ホストコンピュータから送られてきたデータは、バッファマネージャ23によって一旦バッファRAM22に蓄えられる。その後、ライト動作が開始されるが、この場合には、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる必要がある。この地点は、DVD+RW/+Rでは、予め光ディスク1上にトラックの蛇行により刻まれているウォブル信号によって求められる。
なお、上記地点はDVD−RW/−Rではウォブル信号の代わりにランドプリピット、DVD−RAM/RAM・WOではプリピットによって求められる。
DVD+RW/+Rディスクにおけるウォブル信号には、ADIP(ADress In Pre−groove)と呼ばれるアドレス情報が含まれており、この情報が、ADIPデコーダ18によって取り出される。また、このADIPデコーダ18によって生成される同期信号は、DVDエンコーダ20へ入力され、光ディスク11上の正確な位置へのデータの書き込みを可能にしている。バッファRAM22のデータは、DVD−ROMエンコーダ21やDVDエンコーダ20において、エラー訂正コードの付加や、インターリーブが行われ、レーザコントローラ19、光ピックアップ13を介して、本発明の記録波形にて光ディスク11に記録される。
即ち、ウォブルを有した追記型DVD媒体に対し、最短長マークを、先端部が高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークを、パルス先端部と後端部の2カ所が一定時間高出力化され、該先端部パワーは最短長マークの先端部パワーと等しく、該後端部パワーは最短長マークの後端部パワーと等しい1つのパルス光でマークを記録し、該記録を再生光で再生するに当たり、前記記録マーク記録時において、前記パルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量を、一定時間0.1mW以下にすることで高線速における、高品質記録が実現可能である。
更にパルス後端部以降のクーリングパルスを照射する時間を、再短長スペースの1/6〜6/6の長さとすることで記録品質を一層向上可能で、より好ましいクーリングパルス範囲と言える。
更に、本発明の記録波形は直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該マークの長さが最短長であるか否かで区別し、最短長マークの加熱パルス幅を最短長でないマークの加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、最短長マークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該最短長マークの直前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短であるマークの加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短でないマークの加熱パルス幅よりも短く設定することでも、高品質な記録、即ち、低ジッタ化が実現できる。
また、アドレス情報を得る方式はランドプリピットやプリピットからアドレス情報を得る構成であってもよい。
図7は、図6に示す光ディスクドライブを使用した情報処理装置の概略図である。
この情報処理装置は、主制御装置、インターフェース、記録装置、入力装置及び表示装置などを備えている。
主制御装置は、CPU(中央処理装置、マイクロコンピュータ)、メインメモリ(何れも図示せず)などを含んで構成され、ホストコンピュータの全体を制御する。
インターフェースは、光ディスクドライブとの双方向の通信インターフェースであり、ATAPI及びSCSI等の標準インターフェースに準拠している。インターフェースは前述した光ディスクドライブのインターフェース25と接続されている。なお、各インターフェース間の接続形態は、通信ケーブル(例えば、SCSIケーブル)などの通信線を用いたケーブル接続だけでなく、赤外線などを利用したワイヤレス接続であってもよい。
記録装置(例えば、HDD、ハードディスク)には、主制御装置のマイクロコンピュータで解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。なお、情報処理装置の駆動電源がオン状態になると、上記プログラムは主制御装置のメインメモリにロードされる。
表示装置は、例えば、CRT、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの表示部(図示省略)を備え、制御装置からの各種情報を表示する。
入力装置は、例えば、キーボード、マウス、ポインティングデバイスなどのうち少なくとも1つの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されてもよい。また、表示装置と入力装置とが一体化したものとして、例えば、タッチパネル付きCRTなどがある。また、情報処理装置はオペレーティングシステム(OS)を搭載している。そして、情報処理装置を構成する全てのデバイスはOSによって管理されているものとする。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
<光記録媒体の作製>
溝深さ167nm(1670Å)、半値幅0.39μm、トラックピッチ0.74μm、ウォブル周波数32T相当を有する厚み0.6mm、外径120mmの射出成形によるポリカーボネート樹脂製基板を用意した。
次に、下記構造式(A)で表される化合物と、下記構造式(B)で表される化合物とを、質量比(構造式(A):構造式(B))=70:30となるように秤量して、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールで溶解した色素塗布液を調製した。この塗布液を前記基板上にスピンナー塗布し、90℃にて30分乾燥して、厚み75nm(750Å)の色素含有記録層を形成した。なお、色素含有記録層の分解開始温度は270℃であった。
次に、色素含有記録層上に、スパッタ法により、銀を厚み110nm(1100Å)となるように成膜して反射層を形成した。
次に、反射層上に、塗布法により、厚み5μmのアクリル系フォトポリマーからなる保護層を設けた。
次に、保護層上に、厚み0.6mm、外径120mmの射出成形によるポリカーボネート樹脂製平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着した。以上により、光記録媒体(色素系追記型DVD媒体)を作製した。
Figure 2006252667
Figure 2006252667
ただし、前記構造式(B)中、Phはフェニル基を表す。
(実施例1〜11)
得られた光記録媒体について、発振波長660nm、ビーム径0.9μmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号(最小ピット長約0.4μm)を、下記表2に示す記録条件と記録線速度でボトムジッタ(Bottom Jitter)が極小となるような記録パワーで記録し、その個所を再生してジッタ値、アシンメトリ、及びPIエラー数を求めた。
なお、記録レーザ光の波形は図4及び図5に示す通りである。また、W0は最短長マークのパルス記録パワー、W1は短い方から2番目以降の長さのマークのパルス先端部記録パワー、W2は短い方から2番目以降の長さのマークのパルス後端部記録パワー、W3は短い方から2番目以降の長さのマークの上乗せなしパワーである。更に、記録線速度42m/sと56m/sのパルス長は、図4及び図5に示すパルス長を用いた。
なお、記録光及び再生光の波長660nmの光に対し、色素含有記録層の屈折率nは2.29であり、かつ消衰係数kは0.04であった。
(比較例1)
比較例1は、クーリングパルスが存在しない記録波形とし、表3に示す条件とした以外は、実施例1〜12と同様にして、記録再生を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
比較例2は、クーリングパルスの照射光量を0.2mWとし、表3に示す条件とした以外は、実施例1〜12と同様にして、記録再生を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
比較例3は、クーリングパルスが存在しない記録波形とし、表3に示す条件とした以外は、実施例1〜12と同様にして、記録再生を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
比較例4は、最短長マークのパルスを単純矩形波で2番目以降の長さのマークのパルスの先端と後端のパワーを同一にし、表3に示す条件とした以外は、実施例1〜12と同様にして、記録再生を行った。結果を表3に示す。
(比較例5)
比較例5は、2番目以降の長さのマークのパルスの先端部のみを高出力した波形とし、表3に示す条件とした以外は、実施例1〜12と同様にして、記録再生を行った。結果を表3に示す。
(比較例6)
比較例6は、全てのマークのパルスを単純矩形波とし、表3に示す条件とした以外は、実施例1〜12と同様にして、記録再生を行った。結果を表3に示す。
Figure 2006252667
Figure 2006252667
表3の結果から、実施例1〜11は、比較例1〜6に比べて、ジッタ値、アシンメトリ共に概ね良好であり、また、PIエラーについては非常に優れていることが認められる。
なお、実施例8は、クーリングパルス長を0.4Tとし、最短長スペースの長さ3Tの1/6(即ち0.5T)よりも短くしたため、PIエラーが20とやや劣る結果となった。
(実施例12)
上記作製した光記録媒体を用いて、発振波長660nm、ビーム径0.9μmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号(最小ピット長約0.4μm)を下記表3に示す記録条件及び記録線速度で、かつ表2補正ありの条件下で、ボトムジッタが極小となるような記録パワーで記録し、その個所を再生してジッタ値、アシンメトリ、及びPIエラー数を求めた。結果を表4に示す。
なお、記録レーザ光の波形は図5に示す通りである。また、W0は最短長マークのパルス記録パワー、W1は短い方から2番目以降の長さのマークのパルス先端部記録パワー、W2は短い方から2番目以降の長さのマークのパルス後端部記録パワー、W3は短い方から2番目以降の長さのマークの上乗せなしパワーである。更に、記録線速度42m/sと56m/sのパルス長は、図5に示すパルス長を用いた。
(比較例7〜9)
実施例12において、表4に示すようにDVD−Rで実施されているLPPフォーマットのLPPbの大きさを振った(変化させた)試作条件スタンパと成形基板を用いて、実施例12と同様の条件で光記録媒体を作製し、実施例12と同様の記録再生評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2006252667
表4の結果から、LPPフォーマットのサンプルでは、比較例9のようにLPPbが大きくなると、ジッタ値が良好であってもPIエラーが増加してしまう。また、比較例7のようにLPPbが0.16を下回るレベルであると実用されている装置でのアドレス検出が不可能となってしまうことが確認できた。
これに対し、実施例12は、比較例7〜9に比べて、ジッタ値、アシンメトリ共に良好であり、また、PIエラーについては非常に優れていることが認められる。
本発明の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法及び色素系追記型DVD媒体の記録再生装置は、例えば、DVD−RAM・WO、DVD−R、DVD+RとDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWディスクは、書き込みが可能な(記録可能な)DVD(Digital Versatile Disc)などに好適に用いられる。
図1Aは、本発明の片面単層型の色素系追記型DVD媒体の層構成の一例を示す図である。 図1Bは、本発明の片面単層型の色素系追記型DVD媒体の層構成の他の一例を示す図である。 図1Cは、本発明の片面単層型の色素系追記型DVD媒体の層構成の他の一例を示す図である。 図2は、本発明の両面型の色素系追記型DVD媒体の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の片面2層型の色素系追記型DVD媒体の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の記録線速度42m/s用のパワー制御波形の一例を示す図である。 図5は、本発明の記録線速度56m/s用のパワー制御波形の一例を示す図である。 図6は、本発明の光ディスクドライブの要部構成の一例を示す機能ブロック図である。 図7は、図6の光ディスクドライブを使用した情報処理装置の概略図である。
符号の説明
1 基板
2 色素含有記録層
3 下引き層
4 保護層
5 基板面ハードコート層
6 反射層
7 保護基板
8 接着層
11 入力装置
12 制御装置
13 表示装置
14 インターフェイス
15 光ディスクドライブ
16 記録装置
21 第1基板
22 第1色素含有記録層
24 第1保護層
26 第1反射層
31 第2基板
32 第2色素含有記録層
34 第2保護層
36 第2反射層
40 接着層
100 第1情報層
101 第1基板
102 第1色素含有記録層
103 第1反射層
104 第1保護層
200 第2情報層
201 第2基板
202 第2反射層
203 第2色素含有記録層
204 第2保護層
300 中間層
space スペース
mark マーク
Cooling Area クーリング領域
T 基本クロック周期
n 3以上の整数
n’ 3以上の整数
ps 直前のスペース長
cm 記録マーク長
W0 最短長マークのパルス記録パワー
W1 短い方から2番目以降の長さのマークのパルス先端部記録パワー
W2 短い方から2番目以降の長さのマークのパルス後端部記録パワー
W3 短い方から2番目以降の長さのマークの上乗せなしパワー

Claims (16)

  1. ウォブルを設けた案内溝を有する基板上に少なくとも色素含有記録層を有する色素系追記型DVD媒体における該色素含有記録層に対し、最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録し、該記録を再生光で再生する色素系追記型DVD媒体の記録再生方法であって、
    前記マーク記録時におけるパルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が、一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上であることを特徴とする色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  2. パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間が、最短長スペースの1/6〜6/6の長さである請求項1に記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  3. 直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該マークの長さが最短長であるか否かで区別し、最短長マークの加熱パルス幅を最短長でないマークの加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、最短長マークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該最短長マークの直前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短長であるマークの加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短長でないマークの加熱パルス幅よりも短く設定する請求項1から2のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  4. ウォブルは、基本クロック周期をTとして4T〜96T相当の周波数とする請求項1から3のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  5. ウォブルの振幅(Wo)と、トラックエラーを検出制御するための2分割光検出器による差信号であるプッシュプル振幅(PP)との比(Wo/PP)が、次式、0.1≦Wo/PP≦0.4を満たすように同期合わせする請求項1から4のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  6. 記録光の波長が600〜720nmである請求項1から5のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  7. 記録光及び再生光の波長±5nmの波長域の光に対し、色素含有記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、かつ消衰係数kが0.02≦k≦0.2である請求項1から6のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  8. 色素含有記録層の分解開始温度が100〜360℃である請求項1から7のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  9. 色素系追記型DVD媒体が、基板上に、色素含有記録層と、反射層、保護層、接着層、保護基板及び基板面ハードコート層から選択される少なくとも1つを有する請求項1から8のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  10. 色素系追記型DVD媒体が反射層を有し、該反射層が金、銀、アルミニウム、及びこれらを主成分とする合金のいずれかを含む請求項9に記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  11. 色素系追記型DVD媒体が保護層を有し、該保護層が紫外線硬化樹脂を含む請求項9から10のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  12. 色素系追記型DVD媒体が、第1基板と第2基板との間に、少なくとも色素含有記録層と反射層と保護層と接着層とをこの順に有する層構成、及び、少なくとも第1色素含有記録層と第1反射層と第1保護層と接着層と第2保護層と第2反射層と第2色素含有記録層とをこの順に有する層構成、のいずれかを有し、前記DVD媒体の少なくとも片方の面に記録再生面を有する請求項9から11のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  13. 接着層が、紫外線硬化樹脂を含む請求項12に記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生方法。
  14. ウォブルを設けた案内溝を有する基板と、該基板上に少なくとも色素含有記録層を有する色素系追記型DVD媒体と、
    最短長マークを最も高出力化された1つのパルス光で記録し、2番目以降の長さのマークをパルス先端部とパルス後端部の2箇所が一定時間高出力化され、該パルス先端部パワーは前記最短長マークのパルスパワーより低く、該パルス後端部パワーは該パルス先端部パワーより更に低いパルス光でマークを記録する記録手段と、
    前記記録を再生光で再生する再生手段とを有してなり、
    前記記録手段によるマーク記録時に、パルス後端部以降のクーリングパルスの照射光量が一定時間0.1mW以下であり、かつ記録線速度が42m/s以上であることを特徴とする色素系追記型DVD媒体の記録再生装置。
  15. パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間を、最短長スペースの1/6〜6/6の長さとする請求項14に記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置。
  16. 直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該マークの長さが最短長であるか否かで区別し、最短長マークの加熱パルス幅を最短長でないマークの加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、最短長マークを形成する記録パルスの加熱パルス幅を、該最短長マークの直前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短長であるマークの加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短長でないマークの加熱パルス幅よりも短く設定する請求項14から15のいずれかに記載の色素系追記型DVD媒体の記録再生装置。
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