本発明の一実施例を図1、2、3に言及して説明する。なお、同様の部材には同様の参照符号を付す。図1は、本実施例の映像配信システムの構成を示す。図1において、1001−1、1001−2、…1001−n(n=1、2、…)は、複数の監視カメラを表す。なお、監視カメラを総称する場合は、1001で代表するものとする。その他の装置についても同様とする。1002は、LAN(Local Area Network)のような映像信号の伝送路、1003−1、1003−2、…1003−nは、伝送路1002の伝送方式に合致するように映像信号等を圧縮処理するWebエンコーダ、1004は、複数の監視カメラからの映像を蓄積し、要求があったユーザに配信する機能を有する映像蓄積配信装置、1005−1、1005−2、…1005−m(m=1、2、…)は、映像配信システム全体を管理する機能を有するブラウザPC、1006は、伝送路1002に各機器からの信号を交換して接続する或いは各機器への信号を配信して接続する機能を有するハブを表す。1007は、映像蓄積配信装置1004に蓄積されている映像の一部を携帯端末からアクセスできるように画像を縮小する機能を有する映像閲覧用データ変換装置を表す。すなわち、このデータ変換装置1007は、携帯端末に送信する画像のデータ量を少なくした縮小画像(サムネール画像とも呼ばれる。)を作成し蓄積する機能を有する。
1008は、映像信号を所定のフォーマットの信号に変換し、公衆回線等に送出できるようにする機能を有するモデムを表す。1009は、公衆回線による伝送路、1010は、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)ネットワーク、1011は、携帯電話会社、1012−1、1012−2、…1012−l(l=1,2、…)は、携帯端末、1013−1,1013−2、…1013−p(p=1、2、…)は、クライアントPC、1401は、通報装置を表す。閲覧用データ変換装置1007、通報装置1401、複数の監視カメラ1001、複数のWebエンコーダ1003、映像蓄積配信装置1004および複数のブラウザPC1005は、伝送路1002およびハブ1006を介して相互接続されている。また、ハブ1006は、モデム1008と公衆回線である伝送路1009を介してWANネットワーク1010に接続されている。更に、携帯端末1012−1から1012−Lは、携帯電話会社1011と無線によって通信が可能であり、クライアントPC1013−1から1013−Pは、伝送路1002とモデム1008を介してネットワーク1010に接続されている。
通報装置1401は、映像蓄積配信装置1004から映像を取り出し、以前取り出した映像と今取り出した映像を比較し、映像の変化を抽出する、所謂、画像認識技術により異常を検出し蓄積する機能を有する。なお、画像認識技術により異常を検出する技術は、例えば前後のフレーム画面の輝度成分の変化分を検出したり、あるいは、映像信号のスペクトラムを比較する方法等従来から周知の方法であるので、詳細な説明は省略する。
通報装置1401は、比較の結果、映像に変化があった場合、変化があった映像を異常を検出した日時や必要なメッセージと共に通報装置1401の記憶装置に蓄積すると共に異常警報情報として携帯端末1012やクライアントPC1013に配信する。
図9は、映像蓄積配信装置1004、ブラウザPC1005、映像閲覧用データ変換装置1007、携帯端末1012及びクライアントPC1013のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。勿論、それぞれの機能的な違いによりインストールされているソフト(動作プログラム)は異なるが、ハードウェア構成は、類似しているので、ここではその一例を示している。1101は、CPU(Central Processing Unit)、1102は、動作プログラム等を記憶するメモリ、1103は、ネットワークインタフェースである。
1104は、記憶装置であるが、映像蓄積配信装置1004の記憶装置としては、監視カメラ1001の画像を記録するため、記憶容量が大きい記録媒体、例えば、VTR等が利用可能である。また、ランダムアクセス可能な磁気デスク(HD:ハードデスク)やDVD(Digital Versatile Disc)等が好適である。1105は、入力インタフェース、1108は、キーボード等の入力機器、1109は、マウスなどのポインティングデバイス、1106は、ビデオインタフェース、1107は、モニタ、1110は、バスである。
CPU1101〜ビデオインタフェース1106は、バス1110を介して相互に接続されており、モニタ1107は、ビデオインタフェース1106を介してバス1110と接続され、入力機器1108とポインティングデバイス1109は、入力インタフェース1105を介してバス1110と接続されている。また、ネットワークインタフェース1103は、LANの伝送路1002や公衆回線1009と必要に応じて接続される。
図1に戻り、映像蓄積配信装置1004は、監視カメラ1001で撮像した映像を蓄積配信する。例えば、所定の監視位置に設置された監視カメラ1001は、連続して常時撮影を行っており、撮影された映像は、伝送路1002、Webエンコーダ1003、ハブ1006を介して映像蓄積配信装置1004に蓄積される。携帯端末1012やクライアントPC1013を操作することにより、映像閲覧用データ変換装置1007は、蓄積配信装置から所望の映像を取り出し、縮小画像として携帯端末1012やクライアントPC1013に送信する。なお、クライアントPC1013や携帯端末1012がデータ量の大きい画像を表示可能な場合は、要求された画像が映像蓄積配信装置1004から直接送信される。このような方法で携帯端末1012やクライアントPC1013から映像蓄積配信装置1004に格納された映像を閲覧することが可能となる。
図1に示す映像配信システムの動作を図2に示す動作のフローチャートを用いて説明する。図2は、通報装置1401が映像蓄積配信装置1004の映像を周知の画像認識技術を用いて映像の変化を検出し、そして携帯端末1012やクライアントPC1013に対して異常警告情報を送信する動作について説明するフローチャートである。
ステップ201では、映像配信システムの監視がスタートする。所定の監視カメラ1001、例えば、監視カメラ1001−1(これを監視カメラNo.1と呼ぶことにする。)からの監視映像がWebエンコーダ1003−1でデジタル圧縮処理された画像圧縮データは、ハブ1006を介して映像蓄積配信装置1004に蓄積される。ここで、映像蓄積配信装置1004に記録される画像圧縮データは、例えば、図10に示すように画像1201の1枚毎に撮影日時―チャネルー圧縮形式がデジタル圧縮画像と共に記録される。即ち、図10では、映像(または画像)1201は、2003年3月19日、10時18分2秒576に監視カメラN0.1からJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式で記録されたことを示している。以下これらの情報を映像の固有情報と呼ぶことにする。
また、この固有情報に対応して各映像には、記録順序を示すID番号1202、例えば、10桁の番号、0000000001が付されている。このID番号は、例えば、映像閲覧用データ変換装置1007が映像蓄積配信装置1004の映像をアクセスするときに用いられる。なお、本実施例では、監視カメラ1001は、それぞれを固有のチャネル番号を有するものとし、ID番号1202は、各チャネルの映像フレーム毎に連続したシリアル番号が付されているものとする。また、映像蓄積配信装置1004に記録される映像データのフォーマットは、JPEG方式以外にもMPEG−2、MPEG−4等、任意の方式が用いられても良い。また、上述した映像日時としては、実際に各画像が監視カメラ1001より撮影された日時を用いる他、Webエンコーダ1003によりデジタル圧縮する際の現在時刻等や、映像蓄積配信装置1004に記録される際の現在時刻等、実際のシステムの設定状況に応じて種々なものが用いられても良い。
ステップ202では、通報装置1401が映像蓄積配信装置1004から1フレーム分の映像を取得する。監視カメラ1001から映像蓄積配信装置1004に入力される全ての画像が入力順に読み出され、通報装置1401に供給される。
ステップ203では、通報装置1401が実行する画像認識処理によって、前の映像と現在入力されている映像と、例えば、輝度値を比較し、映像の変化を検出する。
ステップ204では、ステップ203の画像認識処理によって映像に変化があるか、ないかを判断する。なお、映像に変化があるか、ないかは、輝度値の変化を検出するが、この場合、異常検出に所定の閾値を設定し、所定値以下の変化は、異常と判断しない等、誤報を極力少なくする方法も必要により設定できる。検出の結果、映像に変化があったと判断された場合は、ステップ205に進み、なかった場合には、ステップ202に戻り、次の入力映像について同様の処理を実行する。
ステップ205では、携帯端末1012やクライアントPC1013に送信するための警告情報を作成する。ここで、警告情報の内容の一実施例について図3を用いて説明する。図3は、警告情報の内容を携帯端末1012で表示した場合の画面例である。301は、携帯端末1012のモニタ1107の例である。302は、映像の変化を検出した時刻を示す文章である。なお、映像の変化を検出した時刻としては、例えば、変化が検出された映像の撮影日時を用いる(以下、警告発生時刻と称す。)。303は、映像の変化を検出した時刻の映像を取得し、映像蓄積配信装置1004内に蓄積された映像の再生を実行するか否かを携帯端末1012の使用者が選択するための情報である。304は、映像の変化が検出された時点における映像、即ち、映像の変化が検出された時点における1フレーム分の静止画像である。ユーザは、下記のステップ208で、この静止画により監視領域の概要を把握し、詳細な確認をしたい場合は、ステップ209で動画(例えば、Motion−JPEG画像)を要求するということになる。ここで、携帯端末1012やクライアントPC1013は、受信できるデータの大きさに制限があるのが一般的である。従って、通報装置1401は、映像304の大きさ、即ち、映像の画素数や圧縮率を適宜変更し、ユーザが受信できる形態に警告情報を作成する。また、携帯端末1012の画面には表示されないが、警告情報には、警告発生時刻の映像に対応したID番号1202も付加されている。
ステップ206では、通報装置1401が作成した警告情報を携帯端末1012とクライアントPC1013に送信する。送信方法は、一般には電子メールであるが警告情報を携帯端末1012やクライアントPC1013が受信できる送信方法であれば、電子メール以外の方法でも利用可能である。警告情報は全ての携帯端末1012とクライアントPC1013に送っても良いし、または必要なら特定の送信先にだけ送るようにすればよい。前者の場合は、ブラウザPC1005により、予め全ての監視カメラを全ての送信先のアドレスと対応付けておけば良い。後者の場合、ブラウザPC1005により、予め特定の監視カメラと特定の送信先のアドレスとを対応付けておけば良い。
ステップ207で監視を終了する。
次に、携帯端末1012あるいはクライアントPC1013が警告情報を受信し、必要な映像を入手する動作について説明する。
ステップ208では、通報装置1401から送信された警告情報を携帯端末1012またはクライアントPC1013で受信した場合、通報装置1401で作成された警告情報を図3に示すようにモニタ1107に表示する。
ステップ209では、警告発生時刻における映像を携帯端末1012またはクライアントPC1013上の表示画面に表示して、映像蓄積配信装置1004に蓄積された映像を再生するかどうかの判定を使用者に問う。映像を再生するためには、図3の303で示す“YES”を選択する。“NO”が選択された場合には、映像再生は行なわれず、映像の閲覧は、終了する。
ステップ210は、使用者の“YES”の選択に連動して携帯端末1012やクライアントPC1013がそこにインストールされた映像閲覧用のプログラムを起動し、実行するステップである。映像閲覧用のプログラムが実行されると、上記ステップ208で受信した警告情報からID番号を取得する。なお、このID番号は、後述するステップ212において、映像閲覧用データ変換装置1007が映像蓄積配信装置1004から警告発生時刻の映像を取得する際に用いられる。
ステップ211では、映像閲覧用のプログラムの起動に基き携帯端末1012やクライアントPC1013が映像閲覧用データ変換装置1007に接続される。
ステップ212では、携帯端末1012やクライアントPC1013が映像閲覧用データ変換装置1007から警告発生時刻の映像を取得する。具体的には、携帯端末1012やクライアントPC1013からのアクセスにより映像閲覧用データ変換装置1007に対して上記ID番号が引き渡され、当該ID番号に基き映像閲覧用データ変換装置1007が映像蓄積配信装置1004から警告発生時刻の映像を取得し、取得した映像について携帯端末1012やクライアントPC1013で表示可能なように縮小画像(画素を間引く処理)処理し、携帯端末1012やクライアントPC1013に送信する。即ち、映像閲覧用データ変換装置1007は、携帯端末1012やクライアントPC1013からのアクセス要求に対して縮小画像データ(画素を間引いた画像データ)を配信する機能を有する。
ステップ213では、携帯端末1012やクライアントPC1013のモニタ1107にステップ212で取得した警告発生時刻の映像を再生操作ボタンと共に表示する。ここで表示される画面例を図4に示す。図4は、図3と同様に携帯端末1012やクライアントPC1013のモニタ1107の画面を示す図である。401は、再生ボタンが操作された場合、映像閲覧用データ変換装置1007から送られてくる圧縮画像データを順次表示する表示部を示す。402は、映像401が撮影された時刻を表示している。403は、現在の再生状態を示す記号である。例えば、図4に示す記号[>]は、再生中を表し、記号[||](図示せず)の場合は、停止中、記号[>>](図示せず)の場合は、早送り中、記号[<<](図示せず)の場合は、巻き戻し中等の状態を示す。従って、再生が終了した時点においては、停止中の記号[||]が表示される。操作方法は、通常のVTR等と同様である。404は、終了ボタンである。操作は、携帯端末1012あるいはクライアントPC1013のキーによって、再生や停止などの指示を行う。再生や停止指示の場合には、記号403が対応した記号に変更される。なお、記号403として、「再生中」、「停止中」といった文字自体を用いることもできる。
ステップ214では、映像再生を開始するかどうかを判断する。携帯端末1012あるいはクライアントPC1013のキーを用いて再生指示を出すと、ステップ215に進む。再生しない場合には、閲覧を終了する。
ステップ215は、映像閲覧用データ変換装置1007から映像を取得するステップである。携帯端末1012あるいはクライアントPC1013がステップ212で取得された映像を初期画面として1フレームずつ進めた映像を映像閲覧用データ変換装置1007に要求する。映像閲覧用データ変換装置1007は、映像蓄積配信装置1004から所定の映像を取得し、圧縮画像データを携帯端末1012あるいはクライアントPC1013に送信する。ここで、映像閲覧用データ変換装置1007は、例えば、警告発生時刻の映像のID番号に1を加えたID番号に対応する映像の取得要求を映像蓄積配信装置1004に対して行う。
ステップ216では、携帯端末1012あるいはクライアントPC1013が、送信された映像をモニタ1007に表示する。
ステップ217では、映像の再生を終了するかどうかを判断する。映像再生の終了指示が出された場合には、映像の再生処理を終了する。それ以外の場合には、ステップ215に戻り、映像の再生を続行する。前記映像再生の終了指示は、携帯端末1012あるいはクライアントPC1013から、終了ボタン404に対応したキーを入力することによって行う。
なお、上記実施例では、携帯端末1012あるいはクライアントPC1013は、映像閲覧用データ変換装置1007から縮小画像を入手することで説明したが、例えば、クライアントPC1013がJPEG映像等の再生機能を有する場合には、直接映像蓄積配信装置1004の映像をアクセスし、映像を入手できることは言うまでもない。更に、上記実施例では、通報装置1401と直接映像蓄積配信装置1004、映像閲覧用データ変換装置1007を別々に設けているが、これらを一体に設けることも可能である。また、携帯端末1012あるいはクライアントPC1013の有する機能によっては、映像蓄積配信装置1004および映像閲覧用データ変換装置1007からの映像を1フレーム毎に送ることも、また、一度に複数のフレームを送ることもできることは言うまでもない。例えば、警告発生時刻から10秒間分の動画像データを一度に携帯端末1012あるいはクライアントPC1013に送るようにしても良い。
以上、説明した処理により、警告情報を携帯端末1012やクライアントPC1013で受信し、警告発生時刻の映像を初期画面として映像蓄積配信装置1004に蓄積された映像を縮小画像データとして再生することが可能である。また、本発明の映像配信システムでは、監視カメラの全ての画像をデジタル化した動画像として映像蓄積配信装置1004に蓄積し、配信することは勿論のこと、映像閲覧用データ変換装置1007は、映像蓄積配信装置1004の映像データをデータ量の少ない縮小画像データとして蓄積し、配信する機能も有している。従って、例えば、携帯端末1021のように限られた表示データしか表示できない端末機器には、映像閲覧用データ変換装置1007から縮小画像データを送信し、クライアントPC1013のようにデータ量の多い画像データを再生できるような機能の端末には、映像蓄積配信装置1004からの動画像を直接配信するように構成することも可能である。このように構成することにより異常な監視画像のデータを詳細に入手したいクライアントに対しても十分サービスできる映像配信システムを構築することが可能になる。
次に、図5〜7、11に言及して別の一実施例を説明する。上記図2の実施例で使用する携帯端末1012は、専用のものであるか或いはステップ210以下で説明した電子メール機能と連動した映像閲覧用プログラムをインストールできる程度には機能が充実したものであることが必要である。しかし汎用の携帯端末は、機種によっては、メモリ102の容量が十分ではない等、低機能のものがあり、その場合電子メール機能と連動した映像閲覧用プログラムがインストールできず、従って、映像閲覧用データ変換装置1007に直接アクセスできない場合が起こり得る。例えば、電子メールにより受信した警告情報との間で情報のやりとりができず、警告情報から上述したID番号を取得することができないためである。このような場合には、使用者は、携帯端末1012から警告発生時刻を検索してから所望の映像を再生しなければならない。
本実施例ではこれを可能とするため、通報装置1401は、異常が検出される毎に上述したID番号(IDNo.)と映像の固有情報(撮影日時―チャネル―圧縮形式)を対応付けて蓄積するようにする。即ち、図11に示すようなIDテーブルが通報装置1401の記憶装置1104に記憶される。このIDテーブルに記憶されている撮影日時は、上述した通り警告発生時刻である。そして、携帯端末1012が通報装置1401に蓄積された警告発生時刻を選択することによって、映像再生時の初期画面を選択でき、これによって所望の映像を入手することが可能となる。以下にこの方法について図5〜図7を用いて説明する。
図5は、本実施例を説明するためのフローチャートを示す。図5において、ステップ201−208およびステップ214―217は、図2に示したフローチャートと同様であるので、ここでは説明を省略する。
ステップ208では、図2の場合と同様図3の警告情報が電子メールにより携帯端末1012或いはクライアントPC1013上に表示さる。映像を再生を進めるためには、携帯端末1012或いはクライアントPC1013上の特定のキーを操作して以下で説明する処理を実行する。或いは、図2の場合と同様、図3の303で示す“YES”を選択するようにしても良い。以下、映像再生を選択した場合の処理を説明する。
ステップ501では、携帯端末1012、例えば携帯端末1012‐1のモニタに表示された電子メールによる警告情報を見て異常発生を知った携帯端末の使用者が、携帯端末のキーを操作して映像再生用プログラムを起動する。なお、映像再生用プログラムは、電子メール機能と連動した映像閲覧用プログラムに比してプログラムの規模が小さいので低機能の汎用携帯端末にインストールできる。
ステップ502では、携帯端末1012−1が通報装置1401と接続する。図6に携帯端末1012−1のモニタに表示される画面例を示す。図6において、601は、ユーザ名入力部、602は、パスワード入力部、603は接続先入力部、例えば、通報装置1401のアドレスを入力する。604は、終了ボタン、605は、決定ボタンである。まず、ユーザ名入力部601とパスワード入力部602にそれぞれ、予め通報装置1401に登録していたユーザ名とパスワードを入力する。これにより、不正なユーザが通報装置1401に接続して映像を再生することを防ぐ。次に、接続先である通報装置1401のアドレスを入力する。そして、決定ボタン605を押すことにより、携帯端末1012−1は、通報装置1401と接続することができる。
ステップ503では、携帯端末1012−1が通報装置1401から通報装置1401に蓄積された警告発生時刻を取得する。即ち、携帯端末1012−1に図11に示すIDテーブル(警告発生時刻を表示)の情報が送信される。なお、図11のIDテーブルは、例えば、ステップ205にて通報装置1401によって作成される。
ステップ504では、ステップ503で取得したIDテーブルを図7に示す警告発生時刻リストに加工して携帯端末1012‐1のモニタ1107に表示する。なお、加工の際、モニタは表示エリアが限定されているので、順次スクロールして一覧することができるように処理する。
ステップ505では、ステップ504で表示された警告発生時刻リスト(警告発生時刻を表示)の中からユーザが所望の時刻を選択し、決定ボタン605をクリックする。
ステップ506では、ステップ505でのユーザによる警告発生時刻の選択に応答して、通報装置1401は映像閲覧用データ変換装置1007を携帯端末1012−1に接続する。
ステップ507では、ステップ505によって選択された警告発生時刻の映像を映像閲覧用データ変換装置1007から取得し、図4と同様な形式で携帯端末1012‐1のモニタ1107に表示する。
ここで、図7を用いてステップ504からステップ507について更に詳細に説明する。701は、携帯端末1012−1の警告発生時刻リスト表示部である。ここには警告発生時刻リストが上述した図11のIDテーブルで提供される情報から図7に示すような加工された警告発生時刻リストとして表示される。702は、ユーザにより選択された警告発生時刻を示している。携帯端末1012−1の使用者は、ステップ504によりリスト表示部701に表示された警告発生時刻リストの中から所望の時刻を選択する。選択された時刻は、702に示されるように、反転表示されることにより、選択状態であることを明示する。ステップ506は、ステップ505で決定ボタン605を押したときに実行されるステップであり、携帯端末1012−1が映像閲覧用データ変換装置1007に接続することにより、映像を再生する準備を行う。例えば、ステップ506により、通報装置1401から映像閲覧用データ変換装置1007に対して上記選択された警告発生時刻に対応するID番号が引き渡されると共に、通報装置1401により携帯端末1012−1は、映像閲覧用データ変換装置1007に接続される。そして、ステップ507により前記選択された警告発生時刻の映像を映像閲覧用データ変換装置1007から取得し、モニタ1107に表示する。なお、この際、映像閲覧用データ変換装置1007は上記ID番号に基き映像蓄積配信装置1004から警告発生時刻の映像を取得し、取得した映像について携帯端末1012−1で表示可能なように縮小画像処理し、携帯端末1012−1に当該映像を送信する。
以上のような構成とすることで、警告情報と映像再生用プログラムとの間で情報のやり取りができない場合にも、簡単な操作で所望の初期画面を取得して映像を再生することが可能である。
更に、本発明の他の一実施例を図8を用いて説明する。図8は、外出先から携帯端末を用いて自宅の異常を知るためのシステムの一実施例である。なお、図1と同じものには、同じ符号が付されている。801は、個人の住宅であり、監視の対象である。802は、自宅監視システムで、自宅801内に設置するシステムの構成を示し、監視カメラ1001、Webエンコーダ1003およびモデム1008から構成される。803は、監視センターであり、モデム1008、ハブ1006、映像蓄積配信装置1004、映像閲覧用データ変換装置1007および通報装置1401から構成される。
自宅監視システム802内において、自宅801に設置された監視カメラ1001により撮影された映像は、常時、監視センター内の映像蓄積配信装置1004に蓄積されると同時に、通報装置1401によって異常の有無が監視されている。もし、通報装置1401が自宅801に何らかの侵入物体を検出した場合には、警告情報がWAN1010と携帯電話会社1011を介して、外出先の携帯端末1012に送信される。警告情報を受信したユーザは、警告情報から異常が発生した時刻やその時の静止画によって、何時、どのような異常が発生したかの概要を知ることができる。なお、映像蓄積配信装置1004、映像閲覧用データ変換装置1007および通報装置1401の動作は、図1で説明したものと同じであるので、ここでは説明を省略する。
また、警告発生時刻前後の詳細な情報を知りたい場合には、携帯端末1012から監視センター803にアクセスし、映像閲覧用データ変換装置1007から、警告発生時点の映像を取得し、映像の前後の様子を動画、例えば、JPEGの圧縮の場合は、10枚/秒程度の動画として再生することができる。これにより、侵入者が真の侵入者であるか、訪問者であるかを正確に判断をすることができる。
次に、本発明の更に他の一実施例を図12に言及して説明する。上述した実施例では、通報装置は、画像認識技術を用いて映像の変化、即ち、監視カメラの撮像範囲の異常を検出した場合に、警告情報を送信する構成としているが、別の実施例として、監視領域に赤外線センサ、超音波センサ、煙センサ、ガス漏れセンサ等の監視領域の異常を検出する外部センサを設置し、当該センサによる異常検出に基づき、通報装置が警告情報を送信するような構成としてもよい。図12は、このような外部センサを用いた映像配信システムの構成を示す。なお、図12の構成は、図1の構成に外部センサを追加した点以外は図1の構成と同じである。
図12において、監視カメラ1001−1から1001−nの各撮像範囲にそれぞれ外部センサ1000−1から1000−nを設置し、これらの外部センサの出力をWebエンコーダ1003−1から1003−nにそれぞれ供給される。各センサ出力は、伝送路1002とハブ1006を介して警報装置1401に供給される。警報装置1401は、外部センサの異常検出に応じて外部センサの検出時刻の検出された時点における1フレーム分の静止画像を含む警告情報を送信する。
なお、図12の構成では、各監視カメラの撮像範囲に外部センサを1つづつ備えたが、必要な種類のセンサを必要な数備えれば良いことは言うまでもない。この映像配信システムの構成と動作は、上記説明以外の点では図1と同様なので更なる説明は省略する。
上記の説明は、各実施例についてなされたが、本発明は、その精神と特許請求の範囲内で種々の変更および修正をすることができることは当業者に明かである。
例えば、上記実施例では、警告発生時刻の映像に対応するID番号が携帯端末1012から映像閲覧用データ変換装置1007に引き渡され、当該ID番号に基き映像閲覧用データ変換装置1007が映像蓄積配信装置1004から警告発生時刻の映像を取得するとしていたが、映像蓄積配信装置1004の警告発生時刻の映像を特定する情報としては、ID番号に限らず、例えば、上述したチャネル番号や警告発生時刻を用いる等、実際のシステムの設定状況に応じて種々なものが用いられてもよい。
また、上記実施例(図2、図3)では、通報装置1401から携帯端末1012に送信される警告情報には、警告発生時刻の映像に対応したID番号1202が付加されており、上記ステップ210では、携帯端末は受信した警告情報からID番号を取得するとしていたが、例えば、通報装置1401から携帯端末1012に送信される警告情報には、警告発生時刻の映像に対応したID番号1202は付加せず、異常が検出された時刻(警告発生時刻)やそのチャネルに対応する映像のID番号等を対応付けた情報を通報装置1401に蓄積し、管理するような構成としてもよい。即ち、上述した図11に示すようなIDテーブルが通報装置1401の記憶装置1104に記憶される。このような場合、映像閲覧用データ変換装置1007は、携帯端末1012やクライアントPC1013からのアクセスにより通報装置1401が保有するIDテーブルに基き映像蓄積配信装置1004に対して警告発生時刻の映像を取得し、取得した映像について携帯端末1012やクライアントPC1013に送信するようにすればよい。
また、上記実施例では、例えば、図3の303で示す“YES”を選択すると、警告発生時刻の映像を初期画面とした映像の再生が行われるとしていたが、本発明の実施形態としては、これに限られず、例えば、図3の303で示す“YES”を選択すると、警告発生時刻から所定時間前の映像を初期画面とした映像の再生が行われるようにしても良い。この場合、映像閲覧用データ変換装置1007は、例えば、警告発生時刻に対応するID番号から所定番号分若いID番号を指定して映像蓄積配信装置1004から映像の取得を行うようにすればよい。また、同様に、警告発生時刻から所定時間後の映像を初期画面とした映像の再生が行われるようにしても良い。
上記実施例によれば、通報装置により通報された警告情報が発生した時刻情報に基いて所望の映像をユーザの端末機能に応じて縮小画像あるいは動画として入手することが可能となる。また、低機能の情報端末であっても警告発生時刻をリストとして表示し、選択することによって必要な映像の静止画として入手することが可能となる。これにより、従来よりも簡単に警告発生時の映像を確認することができる。
上記説明では本発明を図示した映像配信システムおよび映像配信方法に適用したが、本発明は、それらに限定されるものではなく、それら以外の映像配信システムおよび映像配信方法にも広く適用することができることは、言うまでもない。
301:携帯端末のモニタ、302:警告発生時刻表示部、303:映像再生指示部、304:警告発生時の画像表示部、401:再生映像、402:映像撮影日時表示部、403:再生状態表示部、404:終了ボタン、601:ユーザ名入力部、602:パスワード入力部、603:接続先入力部、604:終了ボタン、605:決定ボタン、701:警告発生時刻リスト表示部、702:選択状態の警告発生時刻、801:自宅、802:自宅内監視システム、803:監視センター、1000:センサ、1001:監視カメラ、1002:伝送路、1003:WEBエンコーダ、1004:映像蓄積配信装置、1005:ブラウザPC、1006:ハブ、1007:映像閲覧用データ変換装置、1008:モデム、1009:電話線、1010:ネットワーク、1011:携帯電話会社、1012:携帯端末、1013:クライアントPC、1101:CPU、1102:メモリ、1103:ネットワークインタフェース、1104:記憶装置、1105:入力インタフェース、1106:ビデオインタフェース、1107:モニタ、1108:キーボード、1109:マウス、1401:通報装置。