JP2006251633A - 鍵盤楽器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサは打弦運動するハンマの変位を検出し、センサの出力を等サンプリングで取り込む。取り込んだ値はテーブルTABLEに格納される。テーブルTABLEには所定の過去複数時点のデータが保持される。テーブルTABLEに保持された過去複数点のデータに基づき、ハンマの打弦速度Vaの推定する。該推定した値Vaを所定の閾値Cと比較して、該推定値Vaが閾値Cより小さい弱打打弦であれば、別の計算式で速度Vbの推定を行い、推定値を該速度Vbに変更する。
【選択図】図5
Description
ところで、打弦動作時のハンマの軌道は、鍵に与えられた打鍵操作の強さ(速度)の違いに応じて、特性が異なる。例えば、通常の打鍵速度によるハンマの動作軌道(通常打弦軌道)と、弱い打鍵速度でのハンマの動作軌道(弱打打弦軌道)は、図9(a)及び(b)に示す通りである。両図から、(b)の弱打打弦軌道では、(a)の通常打弦軌道に比べて、ハンマの変位が緩いカーブを描くことが見て取れる。このように、通常の打弦動作と弱打打弦とではハンマの動作の運動特性が異なっている。従来の技術では、該運動特性の違いを考慮したハンマ速度の推定計算を行っていないので、(b)に示す弱打打弦の場合において、速度の推定を正確に行うことができなかった。従って、弱打打弦時など、打弦速度によっては、推定された速度が、実際の速度に対して忠実性を欠く、という不都合があった。
図1は、この発明の一実施例に係る自動演奏ピアノの構成例を説明するための図であって、機械的な発音機構の要部を抽出して示すと共に、電気的制御系の機能ブロックを示している。図1に示すように、自動演奏ピアノは、機械的な発音機構として、鍵1と、該鍵1に連動して回動ストロークするハンマ2と、該鍵1の運動をハンマ2に伝達するためのアクション機構3と、該ハンマ2によって打撃される弦4と、電気的制御に基づき鍵1を駆動する電磁ソレノイド5と、弦4の振動を止めるためのダンパ6とを含む。これらの構成は、一般的な自動演奏ピアノと同様である。なお、後述するように、この実施例においては、電磁ソレノイド5の駆動をサーボ制御する構成が適用されており、ソレノイド5にはプランジャ動作を検出するフィードバックセンサが具備されるものとする。
また、この自動演奏ピアノには、通常のアコースティックピアノと同様にバックチェック7が設けられており、このバックチェック7は打弦時の反動によるハンマ2の暴れを防止するための部材である。この自動演奏ピアノは、上記のほかにも、通常のアコースティックピアノと同様な各種構成要素を具備するが、それらの説明及び図示は省略する。ハンマ2は、アクション機構3に対して、ハンマシャンク2aを介して動作支点2bを中心にして回動自在に連結されており、対応する鍵1が非押鍵(外力を加えない状態)の時には、図1に示すようなレスト位置(ストローク量0mmの位置)にある。そして、対応する鍵1の変位(上下揺動)に連動して、基本的には該レスト位置から所定のエンド位置の間で回動ストロークする。この実施例において、ハンマ2のエンド位置は、ハンマ2が該レスト位置から48mmストローク変位した位置とする。図1において、エンド位置に位置するハンマ2を点線で示している。
なお、当該自動演奏ピアノに備わる全てのハンマ(88個)に対して、夫々独立したセンサ26(LEDとフォトダイオード)を配設するとコストが高くなってしまう。この点について、12個のLEDと8個のフォトダイオードとを用いて、88個のハンマの夫々の動きを個別にセンシング可能なセンサマトリクスを構成する技術が本出願人により提案されており(特開平9−54584号公報を参照)、この実施例に係るセンサ26は該センサマトリックスにより構成されるものとする。なお、センサの配設構成はセンサマトリックスによる構成に限らず、LEDとフォトダイオードからなるセンサ26を当該自動演奏ピアノに備わる全てのハンマに個別に配設する構成であってもよい。また、ハンマセンサの構成例は、上記の一例に限らず、例えば上記特許文献1に記載された複数の構成例などのように、ハンマの運動に関する物理量を連続的に検出できるものであれば、どのような構成を適用してもよい。
再生前処理部10は、図示しない適宜の記録媒体やリアルタイム通信装置等から供給される演奏データに対して適宜の正規化や単位合わせ等を行い、鍵1の打鍵軌道を生成するために必要な条件となるデータ(これを再生動作データと呼ぶ)を生成する。前記単位合わせは、例えばMIDI形式で与えられたデータを、例えばミリメートル単位やミリメートル毎秒単位等の記述単位に変換する処理である。再生動作データは時間、位置、速度の情報を含んで構成される。モーションコントローラ11は、前記再生動作データに基づき、再現すべき打鍵軌道を指示するための軌道リファランスref(軌道目標値)を生成する。サーボコントローラ12は、前記軌道リファランスrefとソレノイド5から帰還入力されるフィードバック速度信号Vyに基づく励磁電流(図2のPWM発生器25によって発生されるPWM形式の電流信号)をソレノイド5に供給し、該ソレノイド5の駆動をサーボ制御する。これにより、前記演奏データに応じた軌道(ストローク動作)に従い鍵1が打鍵駆動されて、ハンマ2が打弦運動することで、演奏データに応じたピアノ演奏が行われる。また、上記のようにソレノイド5の駆動により鍵1の打鍵動作を制御して、機械的に楽音を発生させることのみならず、音源装置やスピーカ等から構成される電子楽音発生部13を利用して電子的に楽音を発生させることもできる。なお、電子楽音発生部13によって電子的に自動演奏を行う際の演奏データのデータ形式や、音源方式等は従来から知られるどのようなものを適用してもよい。
図4(a)は、演奏記録部27において実行されるハンマ速度を取得する処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、演奏者の手弾き演奏を録音する処理(演奏データの生成・記録処理)における主要な処理として実行されるものである。前述の通り、ユーザは、図示しない操作パネルのスイッチ操作等により、ピアノ演奏の録音開始指示を行うことができる。該ユーザからの指示に応じて当該自動演奏ピアノの信号処理系は、演奏録音動作を開始する(演奏録音モードに入る)。そして、当該演奏録音動作中は、図4のステップS10〜S16の処理が所定の起動周期に従って繰り返し実行される。なお、この処理は88個のハンマの各々につき実行されるが、ここでは、図示及び説明の便宜上、或る1つのハンマ2についての処理のみを示し、これを以って他を代表するものとする。
ステップS11では、前記ステップS10において取り込んだAD値(現時点で取り込んだAD値)に基づき、ハンマ2の動作(つまり鍵操作)の有無の判定を行う。ハンマ動作の有無判定は、例えば、前記取り込んだAD値と、前述図3のステップS1によりRAM22に記憶された「レスト値R」とを比較して、該取り込んだAD値が非押鍵状態(レスト値R)から変化しているか否かによって判定できる。ハンマ動作(鍵操作)がなければ(ステップS11のno)、処理は当該ルーチンの先頭に戻り、AD値の取り込み処理を繰り返す。
第2参照位置M2は、前述の通りエンド位置から0.5mm下だけがった位置、つまり、ハンマ2が弦4を打弦する直前の位置である。従って、ハンマ2の位置が参照位置M2を超えたことを以って、打弦が行われた(打弦有り)であろうことが推定できる。すなわち、第2の参照値m2は、打弦有無を推定するための閾値として機能している。このようにAD値と閾値(参照値m2)の比較に基づき打弦有無の推定を行うことは、ハンマ動作判断の、ハンマ実動作に対するリアルタイム性、すなわち、迅速な動作判断という点で有利である。AD値が参照値m2を越えていれば、つまり、ハンマ2の位置が参照位置M2を越えていれば(ステップS12のyes)、打弦ステートstを「(推定)打弦有り」状態に設定する。前記打弦ステートstは、AD値と参照値m2による打弦有無推定の結果に応じて、「推定打弦」の有無の状態を標識する2状態のステートである。なお、通常(すなわち、ハンマ2のストローク位置が第2の参照位置M2を超えていない状態)では、打弦ステートstは非打弦(推定打弦無し)に設定されている。
図4(a)のステップS15では、前記ステップS14の「ハンマ速度推定処理」により求めたハンマ速度Vに基づくキーオン(発音指示)信号の生成処理や、当該打弦動作を示す演奏データの記録処理など、当該ハンマ速度Vを活用する処理(その他の処理)を実行する。前記演奏データは、キーオン、キーナンバ及びベロシティデータ(打弦速度)を含んで構成されるMIDIデータであってよい。
1/ΔT*{(−2P1−P2+0*P3+P4+2P5)/10}・・・計算式(1)
なお、この明細書では「*」は乗算を示す。
上記計算式(1)は、現サンプリング時点(T5)の値P5から過去5点のデータを使用した直線近似によってハンマ速度(打弦速度)を推定するための計算式である。すなわち、前記図4(b)のテーブルTABLE1に格納された20点のサンプリング時点のデータセットから、現時点から過去5点のサンプリング点のデータを速度計算に使用するポイントとして抽出し、上記計算式(1)を用いて打弦速度Vaを推定する。なお、計算式(1)の各項に対する各係数は、位置成分P5〜P1の変化(つまりハンマの軌道)を直線的に想定した値であり、具体的な係数の数値には理論値が充てられている。
1/ΔT*{(26P1−27P2−40P3−13P4+54P5)/70}・・・計算式(2)
上記計算式(2)は、現サンプリング時点(T5)の値P5から過去5点のデータを使用した2次曲線近似によって打弦直前のハンマ速度(打弦速度)を推定する計算式である。すなわち、前記図4(b)のテーブルTABLE1に格納された20点のサンプリング時点のデータセットから、現時点から過去5点のサンプリング点のデータを速度計算に使用するポイントとして抽出し、上記計算式(2)を用いて速度値Vbを推定する。なお、計算式(2)の各項に対する各係数は、位置成分P5〜P1の変化(つまりハンマの起動)を曲線的・放物線的に想定した値であり、具体的な係数の数値には理論値を充てている。前記図9(b)を参照して述べた通り、弱打打弦の場合のハンマ軌道は、軌道ピーク(即ち、打弦点)に向かって緩い曲線を描く軌道となっている。すなわち、弱打の軌道としては曲線類の軌道が想定できるので、計算式(2)に示す曲線近似による速度推定は、弱打打弦に対して有効である。
そして、ステップS24において、前記計算式(2)に基づき計算した速度値Vbが打弦速度Vとして記憶される。
この発明に係る第1の実施例によれば、通常打弦用と弱打打弦用との2種の計算式:直線近似の計算式(1)と曲線近似の計算式(2)を用意し、該計算式(1)で算出した打弦速度Vaが所定の閾値C以下の場合は、弱打打弦と判断して、弱打打弦に適した計算式(2)を使用するよう構成したことで、実際の打弦速度に対して、より一層忠実なハンマ速度の推定を行うことができるようになるという優れた効果を奏する。
なお、前記ステップS21における所定の速度閾値Cは前記或る速度Vsに基づき設定してよい。また、図6(b)に示すように、計算式(1)に基づく打弦速度Vaと計算式(2)に基づく打弦速度Vbは、速度の大きさVが大きくなれば互いに接近するものの、完全に一致するわけではない。この点について、図5の処理において、使用する計算式を式(1)と式(2)とで切り替えるポイントでの速度値の連続性確保処理を更に行うように構成してもよい。
通常の打弦速度の場合に適用する直線近似式(3)は、
1/ΔT*{(−3P1−2P2−P3+0*P4+P5+2P6+3P7)/28}・・・計算式(3)である。
弱打打弦の場合に適用する曲線近似式(4)は、
1/ΔT*{(7P1−2P2−7P3−8P4−5P5+2P6+13P7)/28}・・・計算式(4)である。
上記第1の実施例においては、図4(a)及び図5に示すハンマ速度算出処理において、通常打弦用と弱打打弦用との2種の計算式を用意して、速度に応じて計算式を使い分ける構成例を示した。第2実施例では、当該処理の別の構成例として、ハンマ速度(打弦速度)の推定において、計算により求めた速度の推定値に対して該速度に応じた補正を加えることで、打弦速度の推定値に該打弦速度に応じた運動特性の違いを反映させる構成例を示す。
ステップS30では、上記ステップS10と同様にセンサ26から出力されるAD値を取り込む。AD値の取得周期は上述と同様に所定の等サンプリング時間ΔTとし、また、ここで、取り込まれたAD値に対して適宜の正規化処理(センサ個体差の是正等)を施すことも上述と同様である。なお、AD値は上記第1の実施例と同様に、ハンマ2の位置情報を示している。ステップS31において、前記取得したAD値を対応する時間情報と共にテーブルTABLE2に格納する。前記テーブルTABLE2の構成例を図7(b)に示す。図に示す通り、テーブルTABLE2は、時間情報と該時間情報に対応するAD値及び後述する処理により推定される速度情報(通常速度Vc及び速度値V)を夫々記憶する記憶領域を有する。この実施例にいおて、前記テーブルTABLE2には、現時点からみて過去11点のサンプリング時点で取り込んだAD値及び対応する時間情報のデータセットが順次記憶される。当該テーブルTABLE2に新規の値が取り込まれる際には、テーブルTABLE2の内容を1サンプル時間分シフトして、該新規の値を取り込み、データ内容を更新する。
Vc={Σ(wj*xj)}/W・・・(5)
上記式(5)において、サンプル値xjは、各サンプル時点でのAD値であり、TABLE2の位置情報(AD値)記憶領域に記憶された値である。また、係数wj、Wの値は、図7(c)の表に示すとおりである。同図(c)において、「n」行は計算に使用するサンプル点数であり、当該多項式の項数に対応する。「m」行は使用するサンプル群全体からみて時間的に中央に位置する時点を夫々示す。このパラメータ「m」については後述する。「W行」には使用サンプル点数n毎の計算式(5)における係数Wの値を示している。また、図においてj列に示す数値「−6」〜「6」は多項式の各項のサンプル時点に対応する数値であり、各サンプル時点のj行には当該行に該当する項の係数wjの値が示されている。
例えば、11点のサンプリング点を使用する場合は、「n」の値が「11」の列を見ればよい。図に示す通り、係数Wは110であり、各項毎の係数wjは、初項から末項の順に、「−5」,「−4」,「−3」,「−2」,「−1」,「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」となる。また、各サンプリング時点の位置情報「xj」は、テーブルTABLE2に格納された各AD値に相当する。即ち、x(−5),x(−4),・・・x(0),・・・x(5)である。これらの値と上記式(5)に示す適合多項式により、「通常速度」Vcを計算により推定する。なお、この実施例では上記式(5)により求めた速度値Vcを「通常速度」と称している。
ステップS33では、前記ステップS32で算出した通常速度Vcを、現時点より所定時点mだけ遡った時点の速度として、テーブルTABLE2の現時点の欄に書き込む。すなわち、通常速度Vcは、各サンプル時の「通常速度」算出時点において、テーブルTABLE2の現在時点の行に記憶される。例えば、11点サンプル点を計算に使用している例では、図7(c)に示すとおりm=5である。図7(b)において、現時点が時間T=10であれば、Vc(5)はT=5に対応する通常速度である。
ここで、加速度AはA=(Vc-Vf)/(k*ΔT)で表現される。なお、前記式において「k*ΔT」は時点mから時点kまでの時間差である。
また、加速度が一定であることから、現在の速度値Vは、前記ステップS32にて算出した通常速度Vcを用いて、V=Vc+A*m*ΔTと表すことができる。なお、「m*ΔT」は現在時刻と時点m間の時間である。前記の通り、A=(Vc-Vf)/k*ΔTであるから、
V=Vc+A*m*ΔTは、
=Vc+(Vc-Vf)/(k*ΔT)*m*ΔT
=Vc+(Vc-Vf)/k*m
=(k*m)/k*Vc−m/k*Vf・・・計算式(6)と推定できる。
上記計算式(7)「V=(k*m)/k*Vc−m/k*Vf」を用いて速度値Vを推定することができる(ステップS35)。ここで求めた速度値Vは、VcをVfにより補正した値ということができる。なお、算出した速度値Vは図7(b)のテーブルTABLE2の所定の記憶領域に記憶されるものとする。
そして、ステップS36では、上記計算によって求めた推定速度値Vに基づくキーオン(発音指示)信号の生成処理や、当該打弦動作を示す演奏データの記録処理など、当該速度値Vを活用する処理(その他の処理)を実行する。また、演奏データ生成処理に際して、
例えば、速度値Vに基づく打弦有無判断等を行い、キーオン発生時点の判断を行うことができる。また、ここで、図7(b)のテーブルTABLE2を参照して、通常速度Vcと前記弱打判定用の閾値Cを比較して、該比較の結果に基づき、前述第1実施例でいうところの通常打弦であれば、通常速度Vcを当該演奏データの打弦速度として採用し、一方、弱打打弦であれば、速度値Vを採用するよう構成してよい。これにより、実現すべき打弦速度に応じて通常速度Vc、速度値Vを選択的に使用できるようになる。
図8(a)及び(b)は、上記の条件の下で計算された通常速度Vcと速度値Vの軌道図である。即ち、サンプリング点を11点使用した多項式適合により求めた通常速度Vcの軌道と、該軌道を更に時刻k*ΔT=2だけ遡った時点の速度Vcで補正した軌道(=速度値V)を示している。同図(a)及び(b)において、横軸には時間tをとり、単位は1サンプル時間である。例えば1サンプル時間ΔT=1msであれば、横軸は1ms単位である。縦軸は、(a)においてはハンマ速度(mm/ΔT)、(b)はにおいてはハンマ位置(mm単位)をとる。即ち、(a)は時間毎の速度変化を示し、(b)は時間毎の位置変化(速度変化の積分)を示す。また、両図において、点線は元信号、すなわち、計算の対象となった原軌道であり、ハンマの実動作に相当するものとする。一点鎖線は11点使用の多項式適合により計算した通常速度Vcの軌道を示し、実線は前記11点使用の多項式適合による通常速度Vcを、更に該時刻k*ΔT=2遡った時点の速度Vfで補正した軌道(速度値Vの軌道)である。(a)において、一点鎖線軌道(通常速度Vcの軌道)は原軌道に比べて5*ΔT時間分の遅れが明らか(図において両矢印で示す)であり、(b)の位置成分の推移を見ると、一点鎖線軌道には速度成分の遅延の影響が顕著に現れている。これに対して、実線(補正軌道=速度値Vの軌道)は、(a)に示す通り、速度成分に多少の揺らぎ(ノイズ)があるものの、(b)に示す位置成分の推移を見れば原軌道に遜色ない軌道再現性を発揮していることが分かる。
Claims (3)
- 鍵と、
前記鍵の操作に連動して打弦運動するアクション部材と、
前記鍵の操作に連動した前記アクション部材の運動に関する物理量を検出する検出手段と、
前記検出手段から出力されたデータを過去の複数時点分保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段に保持された複数のデータに基づく多項式演算により前記アクション部材の打弦速度の推定値を求める推定手段であって、前記アクション部材の運動特性に応じて推定結果が変更されるものと
を備える鍵盤楽器。 - 前記推定手段は、前記データ保持手段に保持された複数の物理量のデータに基づく多項式演算により打弦速度の推定値を求める第1の算出手段と、前記第1の算出手段とは異なるアルゴリズムで打弦速度の推定値を求める第2の算出手段で構成され、
前記アクション部材の運動特性に応じて前記第1又は第2の算出手段の何れか一方が選択されることで、該運動特性に応じて該推定手段の推定結果が変更されることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器。 - 前記推定手段は、前記データ保持手段に保持された複数の物理量のデータに基づく多項式演算により打弦速度の推定値を求める算出手段と補正手段とで構成され、
前記データ保持手段において、前記算出手段が過去の複数点で求めた推定値を保持する手段を更に有し、
前記補正手段により、前記データ保持手段に記憶された過去の推定値を用いて現時点で求めた推定値を補正することで、前記アクション部材の運動特性に応じて該推定手段の推定結果が変更されることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器。
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