JP2006251047A - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像形成装置に於いてトナーセーブ機能を有効に実現する。
【解決手段】 ジョブ制御情報解析部2は、入力データが階調データか否かを判別し、色変換処理手段3−1は、上記ジョブ制御情報解析部2による解析結果が上記階調データであると、上記トナーセーブ機能に基づく明度調整を行い、展開処理部4は、上記色変換処理手段3−1による第1のトナーセーブ手段による明度調整済の階調データと、上記階調データ以外の入力データとを展開して出力画像データを生成し、黒生成処理手段(階調補正機能)4−2は、展開処理部4により生成された出力画像データに上記明度調整における明度割合に基づく範囲内で画素値変換を行って第2のトナーセーブを実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ジョブ制御情報解析部2は、入力データが階調データか否かを判別し、色変換処理手段3−1は、上記ジョブ制御情報解析部2による解析結果が上記階調データであると、上記トナーセーブ機能に基づく明度調整を行い、展開処理部4は、上記色変換処理手段3−1による第1のトナーセーブ手段による明度調整済の階調データと、上記階調データ以外の入力データとを展開して出力画像データを生成し、黒生成処理手段(階調補正機能)4−2は、展開処理部4により生成された出力画像データに上記明度調整における明度割合に基づく範囲内で画素値変換を行って第2のトナーセーブを実行する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、画像形成装置に関し、特にトナーの消費量削減に関するものである。
近年カラー画像形成装置が種々の分野で使用されている。カラー画像形成装置では情報量が極めて多いため、トナー消費量の印刷コストに及ぼす影響を無視することが出来ない。そのため、画質を劣化させずにトナー消費量を削減するための技術が多数提案されている(例えば特許文献1参照)。かかる技術では、色変換処理の明度調整機能を用いてトナー消費量を削減している。
即ち、画像を明るくする方向へ明度を設定して色変換すると、明度を変更しないで色変換した場合に比べて変換後の各色のトナーの濃度は薄くなる。その結果印刷媒体に載るトナー量も減るため、トナー消費量を削減することが可能になる。しかし、明度調整機能は、階調を持つデータに適用される機能であり、モノクロ二値データやデバイス依存カラーの二値データ(以後単に二値データと記す)には適用出来ないのでトナー削減効果も不十分であった。そこで、階調を持つデータ、及び二値データ双方のトナー消費量を容易に削減出来る技術の出現が待たれていた。
特開2003−76097号公報
解決しようとする問題点は、明度調整機能は、階調を持つデータに適用される機能であり、二値データには適用出来ないのでトナー削減の効果も不十分である点である。
本発明では、入力データが階調データか否かを判別するデータ解析部と、入力データが階調データであると、トナーセーブ機能に基づく明度調整を行う第1のトナーセーブ手段と、上記トナーセーブ機能に基づく明度調整が成された階調データと、上記階調データ以外の入力データとを展開し、出力画像データを生成する多値展開処理手段と、該多値展開処理手段により生成された出力画像データに対する階調補正において明度割合に基づく範囲内で画素値変換を行う第2のトナーセーブ手段とを備えることを主要な特徴とする。
階調データに対して明度調整を行った後、この明度調整を行った階調データと、二値データとをまとめて展開し、画像データに対する階調補正において、展開結果を明度調整における明度割合に応じた範囲内で画素値変換を実行するので、明度割合を越えた二値データの画素値は明度割合の範囲内における最大レベルに抑制される。その結果、二値データを含むページ全体に同じ割合でトナーセーブが行われるという効果を得る。
データ解析部、多値展開処理手段、第1のトナーセーブ手段、及び第2のトナーセーブ手段の全てを画像形成装置の制御プログラム変更のみによって実現したので装置全体としてのコストアップを最低限度に抑えることが出来た。
図1は、実施例1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図に示すように、実施例1の画像形成装置100は、入出力I/F部1と、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部4と、印刷部5と、CPU6と、ROM7と、RAM8と、共通バス9とを備える。
図に示すように、実施例1の画像形成装置100は、入出力I/F部1と、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部4と、印刷部5と、CPU6と、ROM7と、RAM8と、共通バス9とを備える。
入出力I/F部1は、図示しないネットワークを介して上位装置50から入力データを受信するインタフェース部分である。
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50から入出力I/F部1を介してジョブ制御のコマンドとページ記述言語(PDL)により構成される印刷ジョブ(入力データ)を受け入れて、ジョブ制御のコマンドとページ記述言語(PDL)とに分割する部分である。又、入力データが階調データか否かを判別する部分である。又、ジョブ制御のコマンドの指定に従ってジョブ制御情報設定領域8−1の設定条件を書き換えると共に、ページ記述言語(PDL)を編集処理部3へ送出する部分である。この部分は、CPU6が、ROM7に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって起動される部分である。
編集処理部3は、その内部に色変換処理手段3−1を有し、ジョブ制御情報解析部2からページ記述言語(PDL)を受け入れてコマンド解析し、中間コード化する部分である。更に、階調データについては、色変換処理手段3−1を用いて、RGB(レッド、グリーン、ブルー)系の色信号をCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)系の色信号へ色空間変換し、上記ジョブ制御情報に基づく明度調整(階調データのトナーセーブ)を実行する部分である。この部分は、CPU6が、ROM7に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって起動される部分である。
展開処理部4は、その内部に多値展開処理手段4−1、黒生成処理手段4−2、及び階調変換処理手段4−3とを有し、編集処理部3から二値データの中間コードと上記明度調整された階調データの中間コードとをまとめて受け入れて多値の印刷イメージに展開する部分である。又、明度調整における明度割合に基づく範囲内において画素値変換を行って、これにより二値データのトナーセーブを実行する部分である。併せて、上記明度割合の範囲内での階調補正を実行するとともに、印刷部5に対応して印刷イメージの階調変換を実行する部分である。この部分は、CPU6が、ROM7に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって起動される部分である。
印刷部5は、展開処理部4によって展開された印刷イメージを受け入れて所定の印刷媒体上に画像を再現するプリントエンジンである。
CPU6は、画像形成装置100全体を制御するマイクロプロセッサである。更に、全体を制御する機能に加えて、本実施例では、ROM7に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部4とを起動する部分である。
ROM7は、CPU6が実行することによって画像形成装置100全体を制御する制御プログラムを格納するリードオンリーメモリである。更に、全体を制御する制御プログラムに加えて、本実施例では、CPU6が実行することによってジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部4とを起動する制御プログラムを格納するリードオンリーメモリである。
RAM8は、CPU6制御プログラムを実行する過程で必要になる演算領域を形成するランダムアクセスメモリである。更に、本実施例では、特にジョブ制御情報格納領域8−1、中間コード格納領域8−2、印刷イメージ格納領域8−3が形成されるランダムアクセスメモリである。
共通バス9は、全構成部分を接続する共通の信号通路である。
共通バス9は、全構成部分を接続する共通の信号通路である。
以下に、上記実施例1の画像形成装置100の各構成部分の機能の詳細と、入力データの流れに従って各部分で実行される処理動作の詳細に付いて説明する。
図2は、実施例1の画像形成装置の機能説明図である。
図に示す入力データの流れに従って説明する。
図2は、実施例1の画像形成装置の機能説明図である。
図に示す入力データの流れに従って説明する。
ステップS1−1(ジョブ制御情報解析部2の処理動作)
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50から入出力I/F部1を介して、入力データ(印刷ジョブ)を受け入れる。印刷ジョブをジョブ制御情報のコマンドとページ記述言語(PDL)とに分解する。ジョブ制御情報のコマンドに基づいてジョブ制御情報格納領域8−1を書き換え、ページ記述言語(PDL)を編集処理部3へ送出する。
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50から入出力I/F部1を介して、入力データ(印刷ジョブ)を受け入れる。印刷ジョブをジョブ制御情報のコマンドとページ記述言語(PDL)とに分解する。ジョブ制御情報のコマンドに基づいてジョブ制御情報格納領域8−1を書き換え、ページ記述言語(PDL)を編集処理部3へ送出する。
ジョブ制御情報格納領域8−1には、一例としてトナーセーブON/OFFと、トナーセーブ用明度割合と、出力階調数の設定項目がジョブ制御情報のコマンドに基づいて設定される。以下の説明では、トナーセーブモードはONに、トナーセーブ用明度割合は+30%に、出力階調は、M階調に設定されたものとする。
ステップS1−2(編集処理部3の処理動作)
編集処理部3は、ジョブ制御情報解析部2からページ記述言語(PDL)を逐次受け入れると階調データと二値データとに別々に、コマンド解析し、中間コード化して中間コード格納領域8−2に格納する。ここで、受け入れたデータが二値データである場合には中間コードをそのまま中間コード格納領域8−2に二値データ8−2aとして格納する。受け入れたデータが階調データである場合には、中間コードを色変換処理手段3−1で色空間変換し、更に明度調整した後中間コード格納領域8−2に色変換済階調データ8−2bとして格納する。ここでトナーセーブ手段としての明度調整は、色変換処理手段3−1によって実行される。又、明度調整の明度割合は、編集処理部3がジョブ制御情報格納領域8−1からトナーセーブ用明度割合30%(上記前提条件)を読み出して色変換処理手段3−1に設定する。
編集処理部3は、ジョブ制御情報解析部2からページ記述言語(PDL)を逐次受け入れると階調データと二値データとに別々に、コマンド解析し、中間コード化して中間コード格納領域8−2に格納する。ここで、受け入れたデータが二値データである場合には中間コードをそのまま中間コード格納領域8−2に二値データ8−2aとして格納する。受け入れたデータが階調データである場合には、中間コードを色変換処理手段3−1で色空間変換し、更に明度調整した後中間コード格納領域8−2に色変換済階調データ8−2bとして格納する。ここでトナーセーブ手段としての明度調整は、色変換処理手段3−1によって実行される。又、明度調整の明度割合は、編集処理部3がジョブ制御情報格納領域8−1からトナーセーブ用明度割合30%(上記前提条件)を読み出して色変換処理手段3−1に設定する。
ここで明度調整の原理について説明する。
図3は、明度調整の原理説明図である。
(a)は、明度割合が0%の場合を表し、(b)は、一例として明度割合が+30%の場合を表している。
図3は、明度調整の原理説明図である。
(a)は、明度割合が0%の場合を表し、(b)は、一例として明度割合が+30%の場合を表している。
(a)に示すように、横軸に入力データ値を、縦軸に出力データ値を表している。ここでは入力データ値は、出力データ値に等しいので明度調整されていないことになる。一方(b)では、明度調整されていない状態(明度割合0%)を点線で表し、明度調整(+30%)されている場合を実線で表している。ここでは、出力値は、明度調整されていない状態(明度割合0%)よりも30%小さくなっている。その結果トナーの吸着量が30%少なくなるので、出力画像の明度は30%アップすることになる。
又、二値データと階調データとの差異について詳細に説明する。
図4は、各種データの内容、及び編集処理部における処理内容の説明図である。
(a)は、モノクロ二値データ(1画素、1ビット)を、(b)は、デバイス依存CMYK二値データ(1画素、1ビット)を、(c)は、グレーデータ(1画素、1バイト)を、(d)は、明度調整したグレーデータ(1画素、1バイト)を、(e)は、RGBデータ(1画素、3バイト=各色1バイト)を、(f)は、RGBデータをCMYに色空間変換したデバイス依存CMYデータ(1画素、4バイト=各色1バイト)を、(g)は、CMYに色空間変換したデバイス依存CMYデータを明度調整したデバイス依存CMYデータ(1画素、4バイト=各色1バイト)をそれぞれ表している。
図4は、各種データの内容、及び編集処理部における処理内容の説明図である。
(a)は、モノクロ二値データ(1画素、1ビット)を、(b)は、デバイス依存CMYK二値データ(1画素、1ビット)を、(c)は、グレーデータ(1画素、1バイト)を、(d)は、明度調整したグレーデータ(1画素、1バイト)を、(e)は、RGBデータ(1画素、3バイト=各色1バイト)を、(f)は、RGBデータをCMYに色空間変換したデバイス依存CMYデータ(1画素、4バイト=各色1バイト)を、(g)は、CMYに色空間変換したデバイス依存CMYデータを明度調整したデバイス依存CMYデータ(1画素、4バイト=各色1バイト)をそれぞれ表している。
(a)のモノクロ二値データ(1画素、1ビット)では、左図における、1画素毎の1ビットの0/1のデータが、右図のようにそのまま黒トナーの1画素のON/OFFになる。同様に、(b)のデバイス依存CMYK二値データ(1画素、1ビット)でも、左図における、各色別に1画素毎の1ビットの0/1のデータが、右図のようにそのまま各色トナーの1画素のON/OFFになる。受け入れたデータが、以上説明した(a)のモノクロ二値データ(1画素、1ビット)と(b)のデバイス依存CMYK二値データ(1画素、1ビット)である場合には、左図のデータが中間コード格納領域8−2(図2)に二値データ8−2a(図2)として格納される。
一方、(c)のグレーデータ(1画素、1バイト)では、左図における1バイトの階調値(0〜255)のデータが右図のようにグレーの濃さを表している。(d)では、(c)左図の1バイトの階調値(0〜255)に0.7を乗算(トナーセーブ用明度割合+30%に該当)して明度調整したグレーデータ(1画素、1バイト)を得る。このデータは画素値変換されたデータである。このデータが中間コード格納領域8−2(図2)に色変換済階調データ8−2b(図2)として格納される。
同様に、(e)のRGBデータ(1画素、3バイト=各色1バイト)では、左図(4画素)のように1画素毎に、レッド、グリーン、ブルー1バイトの階調値(0〜255)のデータによって画素の色彩データが表される。例えば左上の画素データは、レッドが255、グリーン、ブルーがそれぞれ0なので、右図左上のように赤色になる。又左図右下の画素データは、レッド、グリーン、ブルーとも255なので、右図右下のように白色になる。この場合には、明度調整する前にRGB色空間からCMY色空間へ色空間変換される。その結果を(f)に表す。ここでは、左図のデータは(e)の左図のデータと異なる値を示しているが(色空間変換による)(e)の右図の画素の色彩と(f)の右図の画素の色彩とは同一になる。
(g)は、(f)の左図のデータに0.7を乗算(トナーセーブ用明度割合+30%に該当)して画素値変換して明度調整したデバイス依存CMYデータ(1画素、4バイト=各色1バイト)である。この(g)が、中間コード格納領域3−2(図2)に色変換済階調データ3−2b(図2)として格納される。図2に戻って各部分の機能の詳細と処理動作についての説明を続ける。
ステップS1−3(展開処理部4の処理動作)
展開処理部4は、中間コード格納領域8−2から中間コードの二値データ8−2aと、上記明度調整された中間コードの色変換済階調データ8−2bとを受け入れて多値の印刷イメージに展開する。更に、明度調整における明度割合(上記30%)に基づく画素値変換に併せて、上記明度割合の範囲内で階調補正を実行する。以下にその詳細について説明する。最初に多値展開処理手段12の機能について詳細に説明する。
展開処理部4は、中間コード格納領域8−2から中間コードの二値データ8−2aと、上記明度調整された中間コードの色変換済階調データ8−2bとを受け入れて多値の印刷イメージに展開する。更に、明度調整における明度割合(上記30%)に基づく画素値変換に併せて、上記明度割合の範囲内で階調補正を実行する。以下にその詳細について説明する。最初に多値展開処理手段12の機能について詳細に説明する。
図5は、多値展開処理手段の機能説明図である。
(a)は、モノクロ二値データを、(b)は、多値変換後のモノクロ二値データを、(c)は、デバイス依存CMYK二値データを、(d)は、多値変換後のデバイス依存CMYK二値データを、それぞれ表している。
(a)は、モノクロ二値データを、(b)は、多値変換後のモノクロ二値データを、(c)は、デバイス依存CMYK二値データを、(d)は、多値変換後のデバイス依存CMYK二値データを、それぞれ表している。
(a)のモノクロ二値データ(1画素、1ビット)では、左図における、1画素毎の1ビットの0/1のデータが、右図のようにそのまま黒トナーの1画素のON/OFFになる。この状態は上記図4の(a)と同様である。多値展開処理手段では、0/1の二値を0、255の多値で置き換える。更に、ブラック1(置き換え後は255)の場合にはシアン、マゼンタ、イエローに同じ値を反映させる。その結果は(b)になる。この結果は印刷イメージ格納領域8−3(図2)にCMY印刷イメージ8−3a(図2)として展開処理される。
同様にして(c)のデバイス依存CMYK二値データ(1画素、1ビット)でも、左図における、各色別に1画素毎の1ビットの0/1のデータが、右図のようにそのまま各色ナートナーの1画素のON/OFFになる。この状態は、上記図4の(b)と同様である。多値展開処理手段では、0/1の二値を0、255の多値で置き換える。更に、各色毎に1(置き換え後は255)の場合にはそれぞれの色彩に同じ値を反映させる。その結果は(d)になる。この結果は印刷イメージ格納領域8−3(図2)にCMY印刷イメージ8−3a(図2)として展開処理される。この状態では、二値データも階調データに変換されていることに留意すべきである。
明度調整された階調データの中間コード(色変換済階調データ8−2b(図2))については、既に多値展開されているのでそのまま印刷イメージに変換して二値データと共にCMY印刷イメージ8−3a(図2)として展開処理される。
図2に戻って、黒生成処理手段4−2は、印刷イメージ格納領域8−3からCMY印刷イメージ8−3aを読み出して階調補正し、CMYK印刷イメージ8−3bとして印刷イメージ格納領域8−3に展開処理する。
ここで階調補正の原理について説明する。
図6は、実施例1の画像形成装置における階調補正の説明図である。
(a)はトナーセーブ無しの階調補正(通常の階調補正)を表し、(b)は、トナーセーブ有りの階調補正(明度割合+30%)を表している。
図6は、実施例1の画像形成装置における階調補正の説明図である。
(a)はトナーセーブ無しの階調補正(通常の階調補正)を表し、(b)は、トナーセーブ有りの階調補正(明度割合+30%)を表している。
(a)に示すように、トナーセーブ無しの階調補正(通常の階調補正)では、入力値0から255まで全ての入力値に対して出力値は補正カーブ(太い実線)に追随する。一方、トナーセーブ有りの階調補正(明度割合+30%)の場合には、入力値が0からNまでは、トナーセーブ無しの場合の補正カーブに追随する。しかし、入力値がN以上になると、補正カーブは、一定出力値nに収束する。従って、入力値が0からNまでの範囲は、トナーセーブ無しの階調補正が実行されるが、入力値がN以上になると、出力値は一定出力値nを出力しトナーセーブされる。この状態は、二値データのN以上の入力値に対する出力値が一定出力値nに画素値変換されたのと等価である。即ち、明度調整における明度割合(30%)に基づく範囲内で画素値変換が実行されたことになる。
ここでは、以下の2点に留意すべきである。留意点1、明度調整済みの階調データ(色変換済階調データ8−2b(図2))は、明度割合+30%で明度調整されているので、N(ここでは前提より255×0.7)以上になる入力値は出現しない。留意点2、二値データ8−2a(図2)は、多値展開処理手段4−1(図2)によってC、M、Y、等比率で多値化されている。従って、留意点1より、掛かる補正を実行しても、階調データについてはトナーセーブ有りの階調補正(b)による影響を受けないことになる。つまり重複してトナーセーブ処理が施されることはない。一方、留意点2により、二値データは、トナーセーブ有りの階調補正(b)によってトナーセーブされるが、色相変化は発生しないことになる。以上の結果、色変換済階調データ8−2b(図2)と二値データ8−2a(図2)とを一緒に処理することが容易に可能になる。
図2に戻って、階調変換処理手段4−3は、印刷イメージ格納領域8−3からCMYK印刷イメージ8−3bを読み出して印刷部5に対応する印刷イメージの階調度Mに変換してCMYK印刷イメージ8−3cとして印刷イメージ格納領域8−3に展開する。
ステップS1−4(印刷部5の処理動作)
印刷部5は、CMYK印刷イメージ8−3cを受け入れて所定の印刷媒体上に画像を再現して動作を終了する。
ステップS1−4(印刷部5の処理動作)
印刷部5は、CMYK印刷イメージ8−3cを受け入れて所定の印刷媒体上に画像を再現して動作を終了する。
上記説明では、ジョブ制御情報としてトナーセーブON、トナーセーブ用明度割合+30%として設定された場合に限定して説明したが、トナーセーブ用明度割合が他の設定値である場合には、その設定値に応じて処理されることになる。その処理内容は、上記説明と全く同様なので説明を省略する。尚、トナーセーブOFFに設定された場合は、トナーセーブ用明度割合が0%に設定されたのと等価であることは記すまでもない。
以上説明したように、本実施例によれば、階調データに対して明度調整を行った後、この明度調整を行った階調データと、二値データとをまとめて展開し、展開結果を明度調整における明度割合に応じた範囲内のみで画素値変換を実行するので、明度割合を越えた二値データの入力値は明度割合の範囲内における最大レベルに抑制される。その結果、二値データを含むページ全体に同じ割合でトナーセーブが行われるという効果を得る。又、階調を持つデータと二値データとをまとめて展開し、展開結果を階調補正に併せて画素値変換するので、階調を持つデータと二値データとを一緒にして簡単にトナーセーブ処理が出来るという効果を得る。
上記実施例1に於ける展開処理部では、印刷イメージは階調(多値)データとして処理されたが、本実施例に於ける展開処理部では、メモリ使用量が少なくて済む二値データとして処理することとする。
図7は、実施例2の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図に示すように、実施例2の画像形成装置200は、入出力I/F部1と、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、印刷部5と、RAM8と、展開処理部11と、CPU12と、ROM13と、共通バス9とを備える。以下に、実施例1と相違する部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については、実施例1と同一の符合を付して説明を省略する。
図に示すように、実施例2の画像形成装置200は、入出力I/F部1と、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、印刷部5と、RAM8と、展開処理部11と、CPU12と、ROM13と、共通バス9とを備える。以下に、実施例1と相違する部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については、実施例1と同一の符合を付して説明を省略する。
展開処理部11は、その内部に二値展開処理手段11−1、黒生成処理手段4−2、階調変換処理手段4−3、及びマスク処理手段11−4とを有し、編集処理部3から二値データの中間コードと明度調整済階調データの中間コードとをまとめて受け入れて二値の印刷イメージに展開する部分である。又、上記明度調整済階調データの中間コードを受け入れて、明度補正後に所定のハーフトーンを用いて、二値の明度調整されたデータに変換する部分である。又、印刷部5に対応して印刷イメージの階調変換を実行する部分である。更に、階調補正後の最大の階調値nと上記所定のハーフトーンとに基づいてマスクパターンを作成し、階調変換後の印刷イメージをマスキングする部分である。この部分は、CPU12が、ROM13に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって起動される部分である。
CPU12は、画像形成装置200全体を制御するマイクロプロセッサである。更に、全体を制御する機能に加えて、本実施例では、ROM13に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部11とを起動する部分である。
ROM13は、CPU12が実行することによって画像形成装置200全体を制御する制御プログラムを格納するリードオンリーメモリである。更に、全体を制御する制御プログラムに加えて、本実施例では、CPU12が実行することによってジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部11とを起動する制御プログラムを格納するリードオンリーメモリである。
以下に、実施例2の画像形成装置200の各構成部分の機能の詳細と、入力データの流れに従って各部分で実行される処理動作の詳細に付いて説明する。
図8は、実施例2の画像形成装置の機能説明図である。
図に示す入力データの流れに従って説明する。
図8は、実施例2の画像形成装置の機能説明図である。
図に示す入力データの流れに従って説明する。
ステップS2−1(ジョブ制御情報解析部2の処理動作)
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50から入出力I/F部1を介して、入力データ(印刷ジョブ)を受け入れる。印刷ジョブをジョブ制御情報のコマンドとページ記述言語(PDL)とに分解する。ジョブ制御情報のコマンドに基づいてジョブ制御情報格納領域8−1を書き換え、ページ記述言語(PDL)を編集処理部3へ送出する。
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50から入出力I/F部1を介して、入力データ(印刷ジョブ)を受け入れる。印刷ジョブをジョブ制御情報のコマンドとページ記述言語(PDL)とに分解する。ジョブ制御情報のコマンドに基づいてジョブ制御情報格納領域8−1を書き換え、ページ記述言語(PDL)を編集処理部3へ送出する。
ジョブ制御情報格納領域8−1には、一例としてトナーセーブON/OFFと、トナーセーブ用明度割合と、出力階調数の設定項目がジョブ制御情報のコマンドに基づいて設定される。以下の説明では、トナーセーブモードはONに、トナーセーブ用明度割合は+30%に、出力階調は、2階調に設定されたものとする。
ステップS2−2(編集処理部3の処理動作)
編集処理部3は、ジョブ制御情報解析部2からページ記述言語(PDL)を逐次受け入れると階調データと二値データとを別々にコマンド解析し、中間コード化して中間コード格納領域8−2に格納する。ここで、受け入れたデータが二値データである場合には中間コードをそのまま中間コード格納領域8−2に二値データ8−2aとして格納する。受け入れたデータが階調データである場合には、中間コードを色変換処理手段3−1で色空間変換し、更に明度調整した後中間コード格納領域8−2に色変換済階調データ8−2bとして格納する。ここでトナーセーブ手段としての明度調整は、色変換処理手段3−1によって実行される。又、明度調整の明度割合は、編集処理部3がジョブ制御情報格納領域8−1からトナーセーブ用明度割合30%(上記前提条件)を読み出して色変換処理手段3−1に設定する。ここで明度調整の原理は実施例1(図3)と同様なので説明を省略する。
編集処理部3は、ジョブ制御情報解析部2からページ記述言語(PDL)を逐次受け入れると階調データと二値データとを別々にコマンド解析し、中間コード化して中間コード格納領域8−2に格納する。ここで、受け入れたデータが二値データである場合には中間コードをそのまま中間コード格納領域8−2に二値データ8−2aとして格納する。受け入れたデータが階調データである場合には、中間コードを色変換処理手段3−1で色空間変換し、更に明度調整した後中間コード格納領域8−2に色変換済階調データ8−2bとして格納する。ここでトナーセーブ手段としての明度調整は、色変換処理手段3−1によって実行される。又、明度調整の明度割合は、編集処理部3がジョブ制御情報格納領域8−1からトナーセーブ用明度割合30%(上記前提条件)を読み出して色変換処理手段3−1に設定する。ここで明度調整の原理は実施例1(図3)と同様なので説明を省略する。
ステップS2−3(展開処理部11の処理動作)
展開処理部11は、中間コード格納領域8−2から中間コードの二値データ8−2aと、上記明度調整済中間コードの色変換済階調データ8−2bとを受け入れて、中間コードの色変換済階調データ8−2bを明度補正した後に所定のハーフトーンを用いて、二値のデータに変換する。又、階調補正後の最大の階調値nと上記所定のハーフトーンとからマスクパターンを作成し、階調変換後の印刷イメージをマスキングする。以下にその詳細について説明する。最初に二値展開処理手段11−1の機能について詳細に説明する。
展開処理部11は、中間コード格納領域8−2から中間コードの二値データ8−2aと、上記明度調整済中間コードの色変換済階調データ8−2bとを受け入れて、中間コードの色変換済階調データ8−2bを明度補正した後に所定のハーフトーンを用いて、二値のデータに変換する。又、階調補正後の最大の階調値nと上記所定のハーフトーンとからマスクパターンを作成し、階調変換後の印刷イメージをマスキングする。以下にその詳細について説明する。最初に二値展開処理手段11−1の機能について詳細に説明する。
図9は、二値展開処理手段の機能説明図である。
(a)は、グレイデータを、(b)は、デバイス依存CMYデータを、それぞれ表している。
(a)のグレーデータ(1画素、1バイト)では、(a−1)における階調補正後の階調値(0〜178)のデータが(a−2)のようにグレーの濃さを表している。(a−3)は、(a−1)のデータを処理する所定のハーフトーンである。(a−4)は、ハーフトーン処理結果を表している。このようにしてグレーデータ(1画素、1バイト)は二値データに展開処理される。尚、階調補正の機能については実施例1と同様なので説明を省略する。
(a)は、グレイデータを、(b)は、デバイス依存CMYデータを、それぞれ表している。
(a)のグレーデータ(1画素、1バイト)では、(a−1)における階調補正後の階調値(0〜178)のデータが(a−2)のようにグレーの濃さを表している。(a−3)は、(a−1)のデータを処理する所定のハーフトーンである。(a−4)は、ハーフトーン処理結果を表している。このようにしてグレーデータ(1画素、1バイト)は二値データに展開処理される。尚、階調補正の機能については実施例1と同様なので説明を省略する。
(b)のデバイス依存CMYデータ(1画素、4バイト=各色1バイト)では、(b−1)における階調調整後の階調値(0〜178)のデータが(b−2)の色彩を表している。(b−3)は、(b−1)のデータを処理する色毎に設けられた所定のハーフトーンである。(b−4)は、色毎のハーフトーン処理結果を表している。このようにしてデバイス依存CMYデータ(1画素、4バイト=各色1バイト)は二値データに展開処理される。尚、階調補正の機能については実施例1と同様なので説明を省略する。
このようにして二値展開された印刷イメージは、印刷イメージ格納領域8−3(図8)にCMYK印刷イメージ18−1a(図8)として格納される。尚、中間コード格納領域8−2(図8)から取得した二値データ8−2aは、そのまま印刷イメージに展開され印刷イメージ格納領域8−3(図8)にCMYK印刷イメージ18−1a(図8)に含めて一緒に格納される。次に、このCMYK印刷イメージ18−1a(図8)はマスク処理手段によってマスキング処理されることになる。
図10は、マスク処理手段の機能説明図である。
(a)は、トナーセーブ有りの階調補正特性図であり、(b)は、マスクパターン作成原理図である。
(a)に示すように、トナーセーブ有りの階調補正(明度割合+30%)の場合には、入力値が0からNまでは、トナーセーブ無しの場合の補正カーブに追随する。しかし、入力値がN以上になると、補正カーブは、一定出力値nに収束する(実施例1で説明済)。ここでマスク処理手段11−4(図8)は、この一定出力値nを取得する。
(a)は、トナーセーブ有りの階調補正特性図であり、(b)は、マスクパターン作成原理図である。
(a)に示すように、トナーセーブ有りの階調補正(明度割合+30%)の場合には、入力値が0からNまでは、トナーセーブ無しの場合の補正カーブに追随する。しかし、入力値がN以上になると、補正カーブは、一定出力値nに収束する(実施例1で説明済)。ここでマスク処理手段11−4(図8)は、この一定出力値nを取得する。
(b)に示すようにマスク処理手段11−4(図8)は、取得した一定出力値nを用いて(b−1)に示すハーフトーンサイズの全画素階調値nのパターンを作成し、図9で用いたと同様のハーフトーン(b−2)を用いてハーフトーン処理する。その結果に基づいて(b−3)のマスクが生成される。マスクは、色毎に生成する。(b−3)に於いて白部分がマスキングされる画素である。
図8に戻って、マスク処理手段11−4は、印刷イメージ格納領域8−3からCMYK印刷イメージ18−1aを取得し、上記図10(b)で生成したマスクを用いてマスキング処理する。その結果を印刷イメージ格納領域8−3にマスク済CMYK印刷イメージ18−1bとして展開する。
ステップS2−4(印刷部5の動作)
印刷部5は、マスク済CMYK印刷イメージ18−1bを受け入れて所定の印刷媒体上に画像を再現して動作を終了する。
印刷部5は、マスク済CMYK印刷イメージ18−1bを受け入れて所定の印刷媒体上に画像を再現して動作を終了する。
ここでは、以下の2点に留意すべきである。留意点1、CMYK印刷イメージ18−1aに含まれているグレーデータ(図9(a−4))とデバイス依存CMYデータ(図9(b−4)は、既に、所定のハーフトーンで処理されている。留意点2、上記マスクパターン(図10(b−3))は、CMYK印刷イメージ18−1aに含まれているグレーデータとデバイス依存CMYデータとを処理したハーフトーンと同一のハーフトーンを用いて作成されている。従って、マスク処理手段11−4によるマスキング処理では、グレーデータとデバイス依存CMYデータは、影響を受けることなく、明度調整されていない二値データのみが影響をうけることになる。
以上説明したように、二値展開処理を用いて、実施例1と同等のトナーセーブを適用することが可能になるため、多値展開処理を用いる実施例1よりもメモリ使用量を少なくして同等のトナー消費量削減効果を取得出来るという効果を得る。
本実施例では、二値イメージ(主にモノクロテキスト等)のトナーセーブ割合を階調イメージに対するセーブ割合より低く調整することによって、より判別し易い画像を得ることを目的とする。
図11は、実施例3の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図に示すように、実施例3の画像形成装置300は、入出力I/F部1と、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、印刷部5と、展開処理部21と、RAM22と、CPU23と、ROM24と、共通バス9とを備える。以下に、実施例1との相違部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符合を付して説明を省略する。
図に示すように、実施例3の画像形成装置300は、入出力I/F部1と、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、印刷部5と、展開処理部21と、RAM22と、CPU23と、ROM24と、共通バス9とを備える。以下に、実施例1との相違部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符合を付して説明を省略する。
展開処理部21は、その内部に多値展開処理手段4−1、黒生成処理手段21−1、及び階調変換処理手段4−3とを有し、編集処理部3から二値データの中間コードと上記明度調整された階調データの中間コードとをまとめて受け入れて多値の印刷イメージに展開する部分である。又、明度調整における明度割合を二値データ用明度割合補正値(後述)で補正した範囲内において階調補正を実行し、これにより二値データのトナーセーブを実行する部分である。又、印刷部5に対応して印刷イメージの階調変換を実行する部分である。この部分は、CPU23が、ROM24に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって起動される部分である。
RAM22は、CPU23制御プログラムを実行する過程で必要になる演算領域を形成するランダムアクセスメモリである。更に、本実施例では、特にジョブ制御情報格納領域22−1、中間コード格納領域8−2、印刷イメージ格納領域8−3が形成されるランダムアクセスメモリである。尚、ジョブ制御情報格納領域22−1には、実施例1の項目に加えて二値データ用明度割合補正値の項目が追加されている。この項目は、二値イメージ(主にモノクロテキスト等)のトナーセーブ割合を階調イメージに対する割合よりも低く調整して、より判別し易い画像を得ることを目的として設けられる。
CPU23は、画像形成装置300全体を制御するマイクロプロセッサである。更に、全体を制御する機能に加えて、本実施例では、ROM24に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部21とを起動する部分である。
ROM24は、CPU23が実行することによって画像形成装置300全体を制御する制御プログラムを格納するリードオンリーメモリである。更に、全体を制御する制御プログラムに加えて、本実施例では、CPU23が実行することによってジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部21とを起動する制御プログラムを格納するリードオンリーメモリである。
以下に、上記実施例3の画像形成装置300の各構成部分の機能の詳細と、入力データの流れに従って各部分で実行される処理動作の詳細に付いて説明する。特に、実施例1との相違部分を主に説明し、実施例1と同様の部分については実施例1の記載を引用する。
図12は、実施例3の画像形成装置の機能説明図である。
図に示す入力データの流れに従って説明する。但し、説明の前提条件として入力データのジョブ制御情報には二値データ用明度割合補正値が含まれているものとする。
図12は、実施例3の画像形成装置の機能説明図である。
図に示す入力データの流れに従って説明する。但し、説明の前提条件として入力データのジョブ制御情報には二値データ用明度割合補正値が含まれているものとする。
ステップS3−1(ジョブ制御情報解析部2の処理動作)
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50から入出力I/F部1を介して、入力データ(印刷ジョブ)を受け入れる。印刷ジョブをジョブ制御情報のコマンドとページ記述言語(PDL)とに分解する。ジョブ制御情報のコマンドに基づいてジョブ制御情報格納領域8−1を書き換え、ページ記述言語(PDL)を編集処理部3へ送出する。
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50から入出力I/F部1を介して、入力データ(印刷ジョブ)を受け入れる。印刷ジョブをジョブ制御情報のコマンドとページ記述言語(PDL)とに分解する。ジョブ制御情報のコマンドに基づいてジョブ制御情報格納領域8−1を書き換え、ページ記述言語(PDL)を編集処理部3へ送出する。
ジョブ制御情報格納領域8−1には、一例としてトナーセーブON/OFFと、トナーセーブ用明度割合と、二値データ用明度割合補正値と、出力階調数の設定項目がジョブ制御情報のコマンドに基づいて設定される。以下の説明では、トナーセーブモードはONに、トナーセーブ用明度割合は+30%に、二値データ用明度割合補正値を−10%に、出力階調は、Mに設定されたものとする。
ステップS3−2(編集処理部3の処理動作)
編集処理部3は、ジョブ制御情報解析部2からページ記述言語(PDL)を逐次受け入れると階調データと二値データとを別々にコマンド解析し、中間コード化して中間コード格納領域8−2に格納する。ここで、受け入れたデータが二値データである場合には中間コードをそのまま中間コード格納領域8−2に二値データ8−2aとして格納する。受け入れたデータが階調データである場合には、中間コードを色変換処理手段3−1で色空間変換し、更に明度調整した後中間コード格納領域8−2に色変換済階調データ8−2bとして格納する。ここでトナーセーブ手段としての明度調整は、色変換処理手段3−1によって実行される。又、明度調整の明度割合は、編集処理部3がジョブ制御情報格納領域8−1からトナーセーブ用明度割合30%(上記前提条件)を読み出して色変換処理手段3−1に設定する。ここで明度調整については実施例1(図3、図4)と同様なので説明を省略する。
編集処理部3は、ジョブ制御情報解析部2からページ記述言語(PDL)を逐次受け入れると階調データと二値データとを別々にコマンド解析し、中間コード化して中間コード格納領域8−2に格納する。ここで、受け入れたデータが二値データである場合には中間コードをそのまま中間コード格納領域8−2に二値データ8−2aとして格納する。受け入れたデータが階調データである場合には、中間コードを色変換処理手段3−1で色空間変換し、更に明度調整した後中間コード格納領域8−2に色変換済階調データ8−2bとして格納する。ここでトナーセーブ手段としての明度調整は、色変換処理手段3−1によって実行される。又、明度調整の明度割合は、編集処理部3がジョブ制御情報格納領域8−1からトナーセーブ用明度割合30%(上記前提条件)を読み出して色変換処理手段3−1に設定する。ここで明度調整については実施例1(図3、図4)と同様なので説明を省略する。
ステップS3−3(展開処理部21の処理動作)
展開処理部21は、中間コード格納領域8−2から中間コードの二値データ8−2aと、上記明度調整された中間コードの色変換済階調データ8−2bとを受け入れて多値の印刷イメージに展開する。更に、明度調整における明度割合(上記30%)を二値データ用明度割合補正値−10%で補正した範囲内で階調補正を実行する。以下にその詳細について説明する。多値展開処理手段4−1と階調変換処理手段4−3の機能及び処理動作は実施例1と同様なので説明を省略し黒生成処理手段21−1による階調補正のみについて説明する。
展開処理部21は、中間コード格納領域8−2から中間コードの二値データ8−2aと、上記明度調整された中間コードの色変換済階調データ8−2bとを受け入れて多値の印刷イメージに展開する。更に、明度調整における明度割合(上記30%)を二値データ用明度割合補正値−10%で補正した範囲内で階調補正を実行する。以下にその詳細について説明する。多値展開処理手段4−1と階調変換処理手段4−3の機能及び処理動作は実施例1と同様なので説明を省略し黒生成処理手段21−1による階調補正のみについて説明する。
ここで階調補正の原理について説明する。
図13は、実施例3の画像形成装置における階調補正の説明図である。
(a)は二値データ用明度割合−10%で補正した階調補正の説明図であり、(b)は、後に説明する、二値データ用明度割合−10%で上記実施例2に於けるトナーセーブ範囲を狭めるための説明図である。
図13は、実施例3の画像形成装置における階調補正の説明図である。
(a)は二値データ用明度割合−10%で補正した階調補正の説明図であり、(b)は、後に説明する、二値データ用明度割合−10%で上記実施例2に於けるトナーセーブ範囲を狭めるための説明図である。
(a)に示すように、二値データ用明度割合−10%で補正した階調補正では、入力値が0からL(255×0.8)までは、トナーセーブ無しの場合の補正カーブに追随する。しかし、入力値がL以上になると、補正カーブは、一定出力値lに収束する。従って、二値データ用明度割合−10%で補正することによって入力値が0からLまでは、トナーセーブ無しの階調補正が実行されるが、入力値がL以上になると、出力値は一定値lを出力しトナーセーブされる。この状態は、二値データのN以上の入力値に対する出力値が一定出力値nに画素値変換された実施例1と比較して二値データのセーブ範囲が狭くなっていることを示している。図12に戻って各部分の機能の詳細と処理動作についての説明を続ける。
ステップS3−4(印刷部5の処理動作)
印刷部5は、CMYK印刷イメージ8−3cを受け入れて所定の印刷媒体上に画像を再現して動作を終了する。
印刷部5は、CMYK印刷イメージ8−3cを受け入れて所定の印刷媒体上に画像を再現して動作を終了する。
以上の説明では、二値データ用明度割合−10%で補正した階調補正を実施例1に適用した場合について説明したが、本実施例は、この例に限定されるものではない。即ち図13(b)に示すようにマスク処理手段11−4(図8)が、取得した一定出力値lを用いて(b−1)に示すハーフトーンサイズの全画素階調値lのパターンを作成し、図9で用いたと同様のハーフトーン(b−2)を用いてハーフトーン処理する。その結果に基づいて(b−3)のマスクが生成される。(b−3)に於いて白部分がマスキングされる画素である。このマスクを用いることによって本実施例を実施例2にも適用することが出来る。
以上説明したように、本実施例によれば、二値イメージ(主にモノクロテキスト等)のトナーセーブ割合を階調イメージに対するセーブ割合より低く調整することによってより、イメージデータより文字データが明確に印刷され文字がより判別し易い画像を得ることが出来るという効果を得る。
本実施例では、上記実施例1に記載した印刷イメージを多値で展開してトナーセーブする場合と、上記実施例2に記載した印刷イメージを二値で展開してトナーセーブする場合との何れか一方を自由に選択可能な構成を実現する。
図14は、実施例4の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図に示すように、実施例4の画像形成装置400は、入出力I/F部1と、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部4と、印刷部5と、展開処理部11と、RAM31と、展開処理選択部32と、CPU33と、ROM34と、共通バス9とを備える。実施例1、又は実施例2との相違部分のみについて説明する。実施例1、又は実施例2と同様の部分については実施例1、又は実施例2と同一の符合を付して説明を省略する。
図に示すように、実施例4の画像形成装置400は、入出力I/F部1と、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部4と、印刷部5と、展開処理部11と、RAM31と、展開処理選択部32と、CPU33と、ROM34と、共通バス9とを備える。実施例1、又は実施例2との相違部分のみについて説明する。実施例1、又は実施例2と同様の部分については実施例1、又は実施例2と同一の符合を付して説明を省略する。
RAM31は、CPU33が、制御プログラムを実行する過程で必要になる演算領域を形成するランダムアクセスメモリである。更に、本実施例では、特にジョブ制御情報格納領域32−1、中間コード格納領域8−2、印刷イメージ格納領域8−3が形成されるランダムアクセスメモリである。尚、ジョブ制御情報格納領域32−1には、実施例1の項目に加えて展開階調:多値/二値、の項目が追加されている。この項目は、上位装置50から送られてくる展開処理選択情報に基づいて、実施例1で説明した多値展開処理、又は実施例2で説明した二値展開処理が設定される項目である。
展開処理選択部32は、ジョブ制御情報格納領域32−1に設定されている出力階調が、二値、又はそれ以外か、更に出力階調が二値の場合には、展開階調が、多値か二値かに基づいて実施例1で説明した展開処理部4を起動させるか、実施例2で説明した展開処理部11を起動させるかを選択する部分である。この部分は、CPU33が、ROM34に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって起動される部分である。
CPU33は、画像形成装置400全体を制御するマイクロプロセッサである。更に、全体を制御する機能に加えて、本実施例では、ROM34に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって、ジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部4と、展開処理部11と、展開処理選択部32とを起動する部分である。
ROM34は、CPU33が実行することによって画像形成装置400全体を制御する制御プログラムを格納するリードオンリーメモリである。更に、全体を制御する制御プログラムに加えて、本実施例では、CPU33が実行することによってジョブ制御情報解析部2と、編集処理部3と、展開処理部4と、展開処理部11と、展開処理選択部32とを起動する制御プログラムを格納するリードオンリーメモリである。
図15は、実施例4の動作説明図である。
ステップS4−1からステップS4−5までステップ順に説明する。
ステップS4−1
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50(図14)からジョブ制御のコマンドとページ記述言語(PDL)により構成される印刷ジョブ(入力データ)を受け入れると、ジョブ制御のコマンドとページ記述言語(PDL)に分割し、ジョブ制御のコマンドの指定に基づいてジョブ制御情報格納領域32−1の各項目を設定する。ジョブ制御情報には出力階調:N階調、及び展開階調:多値/二値、の設定が含まれている。
ステップS4−1からステップS4−5までステップ順に説明する。
ステップS4−1
ジョブ制御情報解析部2は、上位装置50(図14)からジョブ制御のコマンドとページ記述言語(PDL)により構成される印刷ジョブ(入力データ)を受け入れると、ジョブ制御のコマンドとページ記述言語(PDL)に分割し、ジョブ制御のコマンドの指定に基づいてジョブ制御情報格納領域32−1の各項目を設定する。ジョブ制御情報には出力階調:N階調、及び展開階調:多値/二値、の設定が含まれている。
ステップS4−2
編集処理部3は、ページ記述言語(PDL)を受け入れて、1ページ分の編集(PDLデータ解析と、中間コード生成)を終了すると中間コードを中間コード格納領域8−2へ格納する。
編集処理部3は、ページ記述言語(PDL)を受け入れて、1ページ分の編集(PDLデータ解析と、中間コード生成)を終了すると中間コードを中間コード格納領域8−2へ格納する。
ステップS4−3
展開処理選択部32(図14)は、ジョブ制御情報の設定に基づいて出力階調として2階調が設定されている場合にはステップS4−6へ進ませ、2階調以外が設定されている場合にはステップS4−4へ進ませる。
展開処理選択部32(図14)は、ジョブ制御情報の設定に基づいて出力階調として2階調が設定されている場合にはステップS4−6へ進ませ、2階調以外が設定されている場合にはステップS4−4へ進ませる。
ステップS4−4
展開処理部4は、実施例1で説明した展開処理を行って印刷イメージを印刷イメージ格納領域8−3へ格納する。
展開処理部4は、実施例1で説明した展開処理を行って印刷イメージを印刷イメージ格納領域8−3へ格納する。
ステップS4−5
印刷部5は、印刷イメージ格納領域8−3から印刷イメージを取得して印刷媒体上に画像再現して動作を終了する。
印刷部5は、印刷イメージ格納領域8−3から印刷イメージを取得して印刷媒体上に画像再現して動作を終了する。
ステップS4−6
展開処理選択部32(図14)は、ジョブ制御情報の設定に基づいて、展開階調として二値が選択されている場合にはステップS4−7へ進ませ、多値が設定されている場合にはステップS4−7へ進ませる。
展開処理選択部32(図14)は、ジョブ制御情報の設定に基づいて、展開階調として二値が選択されている場合にはステップS4−7へ進ませ、多値が設定されている場合にはステップS4−7へ進ませる。
ステップS4−7
展開処理部11は、実施例2で説明した展開処理を行って印刷イメージを印刷イメージ格納領域8−3へ格納する。
展開処理部11は、実施例2で説明した展開処理を行って印刷イメージを印刷イメージ格納領域8−3へ格納する。
以上説明したように、本実施例によれば、トナーセーブを行う場合に、二値での展開と多値での展開を使い分けることが可能になる。ページ記述言語によっては、展開処理でオブジェクト同士の演算処理を取る操作が必要な場合もあり、二値展開処理とマスク処理では良好な印刷結果が得られない場合がある。かかる場合に、二値展開と多値展開を使い分けることによってこれらの問題を回避することが出来るという効果を得る。尚、上記説明では、二値展開と多値展開の選択を、ジョブに対する支持によるものとして説明したが、システムの搭載メモリに応じて、より使用メモリの少ない二値展開を選択したり、使用されている論理演算を判定して多値展開を選択したりすることも可能である。
以上の説明では、本発明をカラープリンタ等の印刷装置に適用する場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。即ち、ファクシミリ装置や、複写機などにも適用可能である。
1 入出力I/F部
2 ジョブ制御情報解析部
3 編集処理部
3−1 色変換処理手段
4 展開処理部
4−1 多値展開処理手段
4−2 黒生成処理手段
4−3 階調変換処理手段
5 印刷部
6 CPU
7 ROM
8 RAM
8−1 ジョブ制御情報格納領域
8−2 中間コード格納領域
8−3 印刷イメージ格納領域
9 共通バス
2 ジョブ制御情報解析部
3 編集処理部
3−1 色変換処理手段
4 展開処理部
4−1 多値展開処理手段
4−2 黒生成処理手段
4−3 階調変換処理手段
5 印刷部
6 CPU
7 ROM
8 RAM
8−1 ジョブ制御情報格納領域
8−2 中間コード格納領域
8−3 印刷イメージ格納領域
9 共通バス
Claims (6)
- トナーセーブ機能を有する画像形成装置であって、
入力データが階調データか否かを判別するデータ解析部と、
該データ解析部による解析結果が前記階調データであると、前記トナーセーブ機能に基づく明度調整を行う第1のトナーセーブ手段と、
該第1のトナーセーブ手段による明度調整済の階調データと、前記階調データ以外の入力データとを展開し、出力画像データを生成する多値展開処理手段と、
該多値展開処理手段により生成された出力画像データに前記明度調整における明度割合に基づく範囲内で画素値変換を行う第2のトナーセーブ手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記第2のトナーセーブ手段は、前記明度割合に基づく範囲内での画素値変換に併せて、前記多値展開処理手段により生成された出力画像データの階調補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- トナーセーブ機能を有する画像形成装置であって、
入力データが階調データか否かを判別するデータ解析部と、
該データ解析部による解析結果が前記階調データであると、前記トナーセーブ機能に基づく明度調整を行う第1のトナーセーブ手段と、
該第1のトナーセーブ手段による明度調整済の階調データと、前記階調データ以外の入力データとを二階調の出力画像データに展開する二値展開処理手段と、
前記明度調整における明度割合に基づく範囲内で前記二階調の出力画像データをマスキングするパターンを生成し、該パターンを用いてマスク処理する第2のトナーセーブ手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記二値展開処理手段における、前記二階調の出力画像データへの展開、及び、前記第2のトナーセーブ手段における前記パターンの生成は、同一のハーフトーンに基づいて処理されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記明度調整における明度割合は、前記第2のトナーセーブ手段において、所定の範囲内で補正可能であることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の画像形成装置。
- トナーセーブ機能を有する画像形成装置であって、
入力データが階調データか否かを判別するデータ解析部と、
該データ解析部による解析結果が前記階調データであると、前記トナーセーブ機能に基づく明度調整を行う第1のトナーセーブ手段と、
該第1のトナーセーブ手段による明度調整済の階調データと、前記階調データ以外の入力データとを多値展開し、出力画像データを生成する多値展開処理手段と、
前記多値展開処理手段により生成された出力画像データに前記明度調整における明度割合に基づく範囲内で画素値変換を行う第2のトナーセーブ手段と、
前記第1のトナーセーブ手段による明度調整済の階調データと、前記階調データ以外の入力データとを二階調の出力画像データに展開する二値展開処理手段と、
前記二値展開処理手段により生成された出力画像データを前記明度調整における明度割合に基づく範囲内でマスキングするパターンを生成し、該パターンを用いてマスク処理する第3のトナーセーブ手段と、
前記第2のトナーセーブ手段、及び前記第3のトナーセーブ手段の何れか一方を選択する階調処理選択部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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JP2005064104A JP2006251047A (ja) | 2005-03-08 | 2005-03-08 | カラー画像形成装置 |
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- 2005-03-08 JP JP2005064104A patent/JP2006251047A/ja active Pending
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