JP2006250516A - 燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃棄物処理設備の二次燃焼炉または溶融炉で生じる溶融スラグを燃焼ガスから分離するにあたり、壁面で形成されたスラグ塊を除去することのできるスラグ塊の除去方法および廃棄物の溶融方法を提供する。
【解決手段】 壁面にスラグ塊が固着した燃焼室に融点降下剤を装入し、前記スラグ塊の一部を溶融させて前記スラグ塊を崩落させることを特徴とする燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法。スラグ塊が固着した箇所の上流側と下流側との差圧やスラグ流量が実質的に零である時間積算値が予め設定したしきい値に達したら、融点降下剤を装入してスラグ塊を溶融する。
【選択図】 図1
【解決手段】 壁面にスラグ塊が固着した燃焼室に融点降下剤を装入し、前記スラグ塊の一部を溶融させて前記スラグ塊を崩落させることを特徴とする燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法。スラグ塊が固着した箇所の上流側と下流側との差圧やスラグ流量が実質的に零である時間積算値が予め設定したしきい値に達したら、融点降下剤を装入してスラグ塊を溶融する。
【選択図】 図1
Description
本発明は塵芥を炉内で燃焼及びガス化しその残さである焼却灰を溶融して溶融スラグとして炉外に排出する塵芥の燃焼炉に関し、特に溶融スラグの回収効率を向上することのできるスラグ回収装置およびそれを用いた燃焼炉に関する。
従来より塵芥はストーカー炉や流動床炉で焼却処理して、その焼却灰を埋め立て処分することが一般的に行なわれていた。しかし最近埋め立て処分する際に焼却灰の容積が未だ充分に減少していないこと、焼却灰を埋め立て処分するに際に飛散して周囲の環境に悪影響を及ぼすこと等から、焼却灰を溶融スラグ化してそれを埋め立て処分することが推奨されている。
そこで塵芥を溶融処理する方法としては、従来の焼却炉から排出された焼却灰を別途の溶融炉で溶融スラグ化するものと、塵芥を一つの炉内で溶融スラグ化までするものとの2種類のものがある。
そこで塵芥を溶融処理する方法としては、従来の焼却炉から排出された焼却灰を別途の溶融炉で溶融スラグ化するものと、塵芥を一つの炉内で溶融スラグ化までするものとの2種類のものがある。
塵芥を炉内で溶融スラグ化するものとしては、例えば特公平2−56565号公報に記載されたものがある。当該公報に記載の技術はコークス層を羽口から吹き込まれる空気で燃焼させて高温炉床を形成し、高温炉床上で塵芥をガス化及び燃焼し、その残さを溶融スラグ化して炉外に排出するものである。そして発生した可燃性ガスをシャフト炉体に複数段に分割して配置した空気供給口から供給される空気で完全燃焼させて炉から放出するものである。すなわち空気供給口を複数段に分割することによって、未燃ガスの燃焼域を上下に長くできると共に、未燃ガスの燃焼速度を小さくでき、その結果未燃ガスの火焔温度を低く且つ変化の少ない状態にできるので、NOXの発生が抑えられるとしている。
前記した先行技術においては、複数段の空気供給口を設けて、それにより空気を供給することは未燃ガスの火焔温度を低く抑えることには有効でありNOXの抑制には効果的に作用する。しかし本先行技術では可燃性ガスの燃焼温度を比較的低く抑えることや排ガスの一部を再び炉内に供給する(空塔速度の上昇を招く)ことを行っているので燃焼排ガス中のダイオキシン濃度は必ずしも十分抑制された値にはならない。
本願出願人は上記の課題を解決して、NOXおよびダイオキシンの発生を抑制でき、また飛灰の溶融付着が少ない塵芥の溶融システムとして、特許文献1の塵芥の処理装置を提案している。この塵芥の処理装置は、シャフト炉内に塵芥及びコークスを供給して、それらの可燃物質に対する化学量論的空気量以下の雰囲気下で塵芥を燃焼及びガス化し、残さを溶融スラグとして炉外に排出する塵芥の処理装置であって、炉底部にコークス層を形成し、前記コークス層の上に堆積した塵芥層を形成し、シャフト炉に連接して二次燃焼炉を設け、シャフト炉内の塵芥層より上部の空間と二次燃焼炉の入り口近傍に、それぞれ第一の空気供給口と第二の空気供給口を設け、前記第一の空気供給口からシャフト炉内を化学量論的空気量以下に維持するように燃焼支持ガスを供給してガスを燃焼させ、第二の空気供給口から二次燃焼炉内を化学両論的空気量以上に維持するように燃焼支持ガスを供給してガスを更に燃焼させることを特徴とするものである。
ガス化溶融炉では、投入された廃棄物は酸素比を抑制された雰囲気中で加熱されて可燃性ガスと固形カーボンに熱分解され、固形カーボンは高温炉床部において燃焼し、残った焼却灰は加熱されて溶融スラグとして炉底部から排出される。一方、可燃性ガスはガス化溶融炉に連設する二次燃焼炉に導入して高温燃焼する。ここで、従来の二次燃焼炉を図6に示す。図示省略したガス化溶融炉で生成した可燃性ガスgはガス化溶融炉からダスト、固形カーボン、焼却灰等の比重の小さい粒子状固形分oを伴って二次燃焼炉1に旋回流を形成する方向に導入される。二次燃焼炉1の入り口近傍に設けた空気供給口(図示省略)から空気の供給を受けた可燃性ガスgは燃焼して1200〜1300℃の燃焼ガスhとなる。燃焼ガスhは絞り部1aを介して接続するシュート2に導入される。粒子状固形分oに含まれる可燃成分は燃焼し残った灰分は溶融してスラグミストとなる。スラグミストは旋回流の効果により二次燃焼炉1の耐火材製の内周面に付着し、自重で流下して絞り部1aを経てシュート2に達する。シュート2の内面は耐火材で構成され底面は水槽3に貯留された水4によって封止され、シュート2の内面と水面4aとでスラグ分離室2aを構成する。内壁面を流下したスラグミストは水面4aによって捕捉され水槽3内に沈み燃焼ガスhから分離回収される。内壁面を流下せず燃焼ガスhの流れに乗ってスラグ分離室2aまで達したスラグミストも水面4aによって捕捉され分離回収される。水槽3内のスラグは搬送装置によって排出される。スラグミストを分離した後の燃焼ガスhは水面4aより上昇した位置においてスラグ分離室2aに連接する煙道5を通って後続の排ガス処理設備6に導入され熱回収や無害化処理を施された後、大気中に放出される。
一方、特許文献1に開示の二次燃焼炉に似た構造を有する旋回溶融炉が特許文献2に開示されている。この旋回溶融炉は石炭灰を溶融する旋回型燃焼溶融炉であり灰分の融点を低下させる溶融助剤を旋回流中に供給する点が特徴である。
特開2001−289418号公報
特開2001−124313号公報
特許文献1の塵芥の溶融システムは二次燃焼炉における飛灰の溶融付着量は少ないものの、扱う廃棄物の性状によっては比較的多くの飛灰の溶融付着が認められることがある。飛灰の溶融付着はその成長を放置すると二次燃焼炉の閉塞を引き起こすことがある。特に廃車や廃家電品のシュレッダーダストのように細かく切断された樹脂、紙、繊維等を多く含む廃棄物を処理する際にこの現象が見られる。
二次燃焼炉1の内周面に付着したスラグミストは溶融スラグpとなり自重で流下して絞り部1aを経てシュート2に達する。溶融スラグpはシュート2の内面を更に流下して水面4a近くで壁面に固着することがある。この固着したスラグは後続の溶融スラグpと合わさって大きなスラグ塊qに成長する。これを放置すると水面4aにおけるスラグの捕捉ができなくなる。
この現象をシミュレーションで解析した。図7は絞り部1a、スラグ分離室2a、煙道5の内部表面温度をシミュレーションで求めた結果である。全体的には1300℃以上でありスラグは溶融状態が保たれ壁面を流下すると考えられるが、水面4aの真上で且つ点線より下に1300℃以下の温度領域がある。スラグの溶融温度はその成分により異なるため1100〜1500℃程度の範囲がある。したがって溶融スラグはその成分によっては水面4aに達する前に溶融温度以下になりそこで凝固することが考えられる。
図8は燃焼ガスの絞り部1a、スラグ分離室2a、煙道5における内部表面流速をシミュレーションで求めた結果である。絞り部1aとスラグ分離室2aでは流速は斜め下方向であり二次燃焼炉の旋回流の影響が残っているが全体としては澱みなく下方向に向かって流れている。水面4aの真上では斜め上方向の流れや渦流が発生しており流れが澱んでいることがわかる。図7,8に示す結果から水面4aの真上近傍の壁面でスラグ塊が形成されることが予想される。これは図6に示す従来の二次燃焼炉におけるスラグ塊の実際の形成箇所とよく一致することが確認された。
特許文献2に開示の旋回型燃焼溶融炉は予め灰分の融点を測定しておき、その融点に応じて溶融助剤の種類や装入量を決めている。しかしゴミに含まれる灰分の組成や含有量はゴミの種類によりさまざまであり、廃棄物に含まれるゴミの種類や比率が時々刻々と変化する廃棄物溶融炉においては予め灰分の融点を測定することはもちろん予測することも困難である。
従来から溶融スラグの粘度を下げるために石灰石を投入して塩基度調整がされてきた。溶融スラグ中のCaOとSiO2の比(CaO/SiO2)を塩基度と称する。塩基度と溶融スラグの粘度との関係を図5に示す。塩基度が0.7〜1.0であると粘性が低く流動性のよい溶融スラグが生成される。しかし、雑多な成分を含む廃棄物で完全に塩基度調整することは困難である。
したがって本発明の目的は、廃棄物処理設備の二次燃焼炉または溶融炉で生じる溶融スラグを燃焼ガスから分離するにあたり、壁面で形成されたスラグ塊を除去することのできるスラグ塊の除去方法および廃棄物の溶融方法を提供することにある。
本願発明者は、ゴミの種類や比率が時々刻々と変化する廃棄物溶融炉においてはスラグ塊の成長自体を抑制することより、成長したスラグ塊を廃棄物処理設備に支障が生じる前に除去することが現実的であると考え本発明に想到した。
すなわち、本願第一の発明は、壁面にスラグ塊が固着した燃焼室に融点降下剤を装入し、前記スラグ塊の一部を溶融させて前記スラグ塊を崩落させることを特徴とする燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法である。
本発明では、燃焼室内において溶融スラグが壁面を流下する方向と可燃性ガスが流れる方向とを同方向とすることが好ましい。
融点降下剤を装入するタイミングは、スラグ塊が固着した箇所の上流側と下流側との差圧が予め設定したしきい値に達したときが好ましい。スラグ塊を生じることなくスラグの捕捉・回収が行われている間は融点降下剤を使用する必要が無いからである。また、スラグ塊が形成された時だけ装入することで融点降下剤の使用量を抑制することができる。圧力の測定は比較的容易であることも利点である。
融点降下剤を装入するタイミングは、燃焼室から搬出されるスラグの流量が実質的に零である時間を積算し、その積算値が予め設定したしきい値に達したら融点降下剤を装入することでもよい。スラグ塊が成長しているとき燃焼ガスから分離回収されるスラグ流量はスラグ塊の非成長時に比べて少なくなる。または全く回収されないこともある。これを検知して融点降下剤を装入する。スラグの分離回収は間欠的であることが多いため搬出スラグ流量が実質的に零になったら直ちに融点降下剤を装入するのではなく、スラグの排出流量が実質的に零である時間を積算することにより正確にスラグ塊の成長を検知できる。融点降下剤を装入しスラグ塊が除去されたら積算値をクリアする。この方法は正確な圧力検知がダスト等の影響で行えないときに有効である。上記の圧力検知と搬出スラグ流量検知を併用するとより信頼性の高い融点降下剤の装入タイミングを得ることができる。
本願第二の発明は、炉底部に形成したコークス層を燃焼し、その上に廃棄物を装入して可燃性ガスと固形カーボンに熱分解し、前記コークス層に支燃性ガスとともに融点降下剤を供給し、出滓口から溶融スラグを排出することを特徴とする廃棄物の溶融方法である。溶融炉の炉底部で溶融スラグの粘度が上昇してスラグ出滓流量が正常値より低下したときにのみコークス層に融点降下剤を供給すると使用量を抑制できる。
上述のように、本発明の燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法によれば、廃棄物処理設備の二次燃焼炉または溶融炉で生じる溶融スラグを燃焼ガスから分離するにあたり、壁面で形成されたスラグ塊を除去することができる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
本発明を実施するのに用いるガス化溶融炉と二次燃焼炉の概略図を図1に示す。ガス化溶融炉の頂部からゴミとコークスと石灰石が投入される。これらはゴミ層を形成する。ゴミ層中のゴミは炉底部から上がってくる高温ガスにより加熱、乾燥、熱分解され可燃性ガスと固形カーボンに分解される。固形カーボンとコークスと石灰石は炉底部のコークス層に達し、固形カーボンは燃焼し灰分を主成分とする残渣はコークス層の高温により溶融スラグとなる。溶融スラグは炉底部の出滓口から排出される。
ゴミ層とコークス層には羽口から支燃性ガス(例えば空気)を酸素比1未満で吹き込む。支燃性ガスは上向流となりコークスを燃焼させゴミ層と熱交換し可燃性ガスとなって二次燃焼炉へ導入される。可燃性ガスはガス化溶融炉の中のダストを同伴しているため二次燃焼炉にはダストも持ち込まれる。可燃性ガスは二次燃焼炉に接線方向に導入され旋回流を形成し、そこに支燃性ガスが酸素比1以上で供給されて1200℃程度の温度で燃焼する。ダストは溶融して溶融スラグとなり壁面に沿って流下しスラグ回収水槽に捕捉され水中に沈む。二次燃焼炉の下端部はスラグ回収水槽に没しており燃焼ガスが外部に漏れることはない。スラグ回収水槽には搬送コンベヤが設けられており水中に沈んだスラグを排出する。
スラグ回収水槽の水面近傍は比較的低温であるため壁面を流下してくる溶融スラグpがここで凝固して固着する。凝固する溶融スラグは比較的融点の高いものである。溶融スラグの固着が続くとスラグは次第に成長して壁面でスラグ塊qを形成する。成長したスラグ塊qは二次燃焼炉下部の内径Dを実質的により小さい内径dとするため排ガス流量が低下する。内径dが小さくなるほどスラグ塊qの前後の二次燃焼炉底部差圧ΔP(ΔP=P1−P2)は大きな値となる。
図2を用いてこの二次燃焼炉のスラグ塊の除去方法について説明する。図2はスラグ搬出量Q、二次燃焼炉底部差圧ΔP、二次燃庄炉下部温度T(スラグ塊上流側近傍で測定)の経時変化である。スラグ正常搬出期間T0においてはスラグ塊は形成されずにスラグの搬出量は比較的安定している。このとき二次燃焼炉底部差圧ΔPは非常に小さな値である。緩成長期間Tg1においてはスラグ塊が徐々に成長を始めるためQが低下しΔPが上昇し始める。T0におけるスラグ通常搬出量Q0との差ΔQはスラグ塊の成長速度にほぼ等しいと考えられる。急成長期間Tg2においては壁面を流下する溶融スラグのほとんどがスラグ塊の成長に使われるためQはほぼ零となり有効内径dは急速に小さくなる。ΔPは急上昇し予め設定した閾値PSに達する。Trはスラグ塊除去期間である。ΔPが閾値PSに達すると融点降下剤が二次燃焼炉の可燃性ガスおよび空気供給位置より下流側で供給される。融点降下剤は粉体であると旋回流により壁面に付着する。融点降下剤自身の融点は数百度であるため直ちに溶融して壁面を流下しスラグ塊まで達する。燃焼室内において溶融スラグが壁面を流下する方向と可燃性ガスが流れる方向とが同方向であるため、融点降下剤が吹き上げられることがなく二次燃焼炉の壁面に付着する面積を小さくすることができる。スラグ塊は融点降下作用により一部が溶融した時点で壁面との固着力が弱まって崩落し水槽に落下する。ほぼ零であったスラグ搬出量Qはこのとき大きなピークを記録する。この後は再びスラグ正常搬出期間T0に戻り、QはQ0をΔPは非常に小さな値をそれぞれ回復する。
ここで、閾値PSの設定に代えてTg2の時間を積算した値を設定しても良い。
炉内の温度が大きく変化するとスラグ塊は壁面(耐火物)との熱膨張率の違いで亀裂が入り剥離することがある。しかし図2において二次燃庄炉下部温度Tは終始ほぼ一定の値を示しているため上記のスラグ塊の崩落は炉内温度の影響ではないことがわかる。
融点降下剤にはアルカリ金属酸化物,アルカリ土類金属酸化物,アルカリ土類金属炭酸塩,アルカリ金属炭酸塩またはこれらの混合物を使用することができる。
図3にスラグ塊の成長と除去の様子を示した。融点降下剤mは壁面に付着して壁面を覆うように固着しているスラグの一部とともに溶融して溶融スラグpmとなる。溶融スラグpmは壁面を流れ落ちてスラグ塊qに達する。融点降下剤を含む溶融スラグpmの影響によりスラグ塊qの付け根部分が一部溶融して固着力が低下する。成長したスラグ塊は自重Wが大きいため根元から剥離するように壁面から崩落すると考えられる。本発明では常時融点降下剤を供給しないため炉壁に直接付着する融点降下剤が少ないことも利点である。図3においてもわかるように壁面は融点降下剤を含まないスラグで覆われる。
図4は壁面を構成する耐火物と同じものに穴を穿つて(a)、融点降下剤を3%程度含むスラグを装入して高温保持炉で溶融させた結果である(b)。周りに溶融スラグpによる耐火物の変性域sが形成されることがわかる。変性域sの厚さtは融点降下剤の濃度や温度が高くなるにつれて大きくなり耐火物の寿命を短くする。融点降下剤は濃度によっては耐火物に悪影響を与えるため壁面に付着する面積をできるだけ少なくすることが好ましい。
本願第二の発明は、炉底部に形成したコークス層を燃焼し、その上に廃棄物を装入して可燃性ガスと固形カーボンに熱分解し、前記コークス層に支燃性ガスとともに融点降下剤を供給し、出滓口から溶融スラグを排出することを特徴とする廃棄物の溶融方法である。融点降下剤により融点が降下した溶融スラグの粘度は低下して出滓口からの排出流量が回復する。溶融炉の炉底部で溶融スラグの粘度が上昇してスラグ出滓流量が正常値より低下したときにのみコークス層に融点降下剤を供給すると使用量を抑制できる。炉底部の溶融スラグの粘度を測定することは困難であるが、出滓流量はスラグ重量を直接測定して求めることができる。又は出滓口から出る溶融スラグの流れをコンピューターによる画像処理で解析して求めることもできる。融点降下剤が粉体である場合ゴミ層より上からガス化溶融炉に供給すると上昇流に乗り多くは二次燃焼炉に供給されてしまう。炉底部に溜まる溶融スラグに作用させるにはコークス層に支燃性ガスを吹き込む羽口から融点降下剤を供給することが好ましい。
粉体の融点降下剤をゴミ層より上から供給するには融点降下剤を容器または袋に詰める、若しくは圧縮またはバインダーで固めて大きな塊に成形して投入すればよい。融点降下剤をゴミ、コークス、石灰石等とともに廃棄物供給口から炉内に供給することができれば融点降下剤専用の装入口や装入装置を設ける必要がない。
融点降下剤を粉体のままガス化溶融炉へ装入して二次燃焼炉のスラグ塊qに作用させることも可能である。例えばゴミ、コークス、石灰石等をガス化溶融炉に供給する廃棄物供給口から融点降下剤を粉体のまま装入してガス化溶融炉で生成した可燃性ガスの流れに同伴させて二次燃焼炉へ供給することができる。このような供給方法を採用すれば融点降下剤装入のための供給口を別途設ける必要が無くなる。
本発明は塵芥を炉内で燃焼及びガス化しその残さである焼却灰を溶融して溶融スラグとして炉外に排出する塵芥の燃焼炉に関し、特に溶融スラグの回収効率を向上することのできるスラグ回収装置およびそれを用いた燃焼炉に関する。
1 二次燃焼炉
1a 絞り部
2 シュート
2a スラグ分離室
3 水槽
4 水
4a 水面
5 煙道
6 排ガス処理設備
g 可燃性ガス
h 燃焼ガス
m 融点降下剤
o 粒子状固形分
p 溶融スラグ
pm 融点降下剤を含む溶融スラグ
q スラグ塊
s 変性域
1a 絞り部
2 シュート
2a スラグ分離室
3 水槽
4 水
4a 水面
5 煙道
6 排ガス処理設備
g 可燃性ガス
h 燃焼ガス
m 融点降下剤
o 粒子状固形分
p 溶融スラグ
pm 融点降下剤を含む溶融スラグ
q スラグ塊
s 変性域
Claims (6)
- 壁面にスラグ塊が固着した燃焼室に融点降下剤を装入し、前記スラグ塊の一部を溶融させて前記スラグ塊を崩落させることを特徴とする燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法。
- 燃焼室内において溶融スラグが壁面を流下する方向と可燃性ガスが流れる方向とを同方向とすることを特徴とする請求項1記載の燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法。
- スラグ塊が固着した箇所の上流側と下流側との差圧が予め設定したしきい値に達したら融点降下剤を装入することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法。
- 燃焼室から搬出されるスラグの流量が実質的に零である時間を積算して積算値を求め、積算値が予め設定したしきい値に達したら融点降下剤を装入することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法。
- 炉底部に形成したコークス層を燃焼し、その上に廃棄物を装入して可燃性ガスと固形カーボンに熱分解し、前記コークス層に支燃性ガスと融点降下剤を供給し、出滓口から溶融スラグを排出することを特徴とする廃棄物の溶融方法。
- 融点降下剤を粉体のままガス化溶融炉へ装入し、ガス化溶融炉で生成した可燃性ガスの流れに同伴させて二次燃焼炉へ供給することを特徴とする二次燃焼炉のスラグ塊の除去方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005109957A JP2006250516A (ja) | 2005-02-14 | 2005-04-06 | 燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法 |
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JP2005036803 | 2005-02-14 | ||
JP2005109957A JP2006250516A (ja) | 2005-02-14 | 2005-04-06 | 燃焼室に固着したスラグ塊の除去方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013155955A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Kobelco Eco-Solutions Co Ltd | 二段燃焼炉および二段燃焼方法 |
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2005
- 2005-04-06 JP JP2005109957A patent/JP2006250516A/ja active Pending
Cited By (1)
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