JP2006250509A - 射撃訓練装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】射手の迅速な判断力が練成できる射撃訓練装置を提供する。
【解決手段】標的13を設置した標的装置30と、標的13に着弾した着弾情報に基づいて標的装置30の移動ならびに標的13の隠顕動作を決定する着弾分岐装置1と、標的装置30の移動ならびに標的13の隠顕動作を制御する移動制御部・隠顕駆動制御部8を備え、着弾分岐装置1からの着弾部位ならびに着弾数を含む着弾情報に基づいて、移動制御部・隠顕駆動制御部8による標的装置30の移動ならびに標的13の隠顕動作を制御することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は射撃訓練装置に係り、特に標的に着弾した着弾情報に基づいて標的装置の移動ならびに標的の隠顕動作を決定する着弾分岐装置を備えた射撃訓練装置に関するものである。
従来、国内の射撃訓練は、固定された場所で標的の隠顕を繰り返す装置が殆どで、着弾による隠滅のみするものが僅かに存在するだけであった。
近年、社会情勢の変化に伴い従来の固定的に対する基本射撃から高度な射撃訓練が求められ、移動する標的への射撃が要望されるようになった。しかし、移動する標的への射撃技術の向上に伴い、現在はより実戦を想定した訓練が要求されている。
例えば、近接戦闘においては、目標に対して初弾は照準範囲の大きい胴体、次弾以降は頭部等の致命部位に射撃を行うことが考えられる。目標は胴体などに何らかの防弾処置を施している場合が一般的であり、致命傷にならず、反撃を受ける可能性がある。当然、初弾を失敗した場合も反撃を受ける可能性がある。さらに目標範囲の小さな致命部位については、射撃を失敗する可能性もある。
このため、目標殲滅を目的とする訓練では1つの目標に対して最低数発の射撃を実施する必要がある。このような想定では、目標は射手の射撃により変化するものであり、射手は目標の状況に応じて迅速な判断を行う必要がある。
このため射手の射撃状況、着弾の有無、着弾数、致命部位、非致命部位などの着弾部位によって標的の動作が変化し、射撃技術はもとより、射手の迅速な判断力を錬成できる標的装置が望まれる。また、前述の射撃状況の想定によっては、前進しながらの射撃、後退しながらの射撃、標的が移動する射撃、射手が移動しながら標的も移動するなどの標的装置が望まれている。
従来の実際の標的に射撃する一般的な固定標的装置、移動標的装置では、このような実戦を想定した訓練は考えておらず、着弾したことを射手に認知させることを目的として標的の隠滅を行う標的装置が下記特許文献1により提案されているが、標的の動作を分けようする概念に基いた射撃訓練装置ではない
当然ながら着弾の検知機能を持たない装置では、着弾しても決められた動作が完了するまで動作をし続ける装置であった。また、着弾の位置計測機能を備えた標的装置では、着弾位置の精度を目標としているため、着弾位置を表示装置に表示するだけで、着弾の有無、着弾数、致命部位、非致命部位などの着弾部位によって標的の動作を変化させ、射撃技術はもとより、射手の迅速な判断力を練成する標的装置は皆無であった。
映像に対して射撃する映像射撃訓練装置が、下記特許文献2で提案されている。この映像射撃訓練装置では、着弾部位により映像を分岐させる装置があるが、映像を映し出すスクリーンに対して射手は正対しなければならず、射手の移動を伴う射撃は困難であった。また、スクリーンに映し出される映像は遠近感に乏しく、移動を伴う映像では現実の照準とスクリーンの映像に対する照準では大きな違いが発生する場合があった。
特開2003−130595号公報 特開2004−150705号公報
従来の着弾検知機能を有する射撃訓練装置では、着弾数によって標的を隠滅する機能が無く、初弾のみで標的が隠滅してしまう。また、致命傷にならず反撃を模擬するために着弾後再び標的を現出するなど、違う動作を行わせるような実戦を想定した訓練を行う場合に、着弾数による動作の停止、動作の分岐ができず、想定した訓練ができないという問題があった。
着弾検知装置を持たない標的装置では、当然ながら着弾を検知する術が無く、着弾して動作の停止や違う動作を行うなどの分岐もできず、予め決められた動作が完了するまで動き続けるしかなく、想定した訓練ができないという問題があった。
着弾位置を特定する装置を備えた標的装置は射撃の精度に主眼が置かれており、着弾数による動作の停止、動作の分岐ができず、想定した訓練ができないという問題があった。
映像に射撃する訓練装置では、映像を映し出すスクリーンに対して射手は正対かつ起立した状態でなければなら、射手の移動に伴う射撃、膝をついて射撃を行うなど射手の視線が変化する射撃は困難であった。また、スクリーンに映し出される映像は遠近感に乏しく、現実の照準とスクリーンの映像に対する照準では大きな違いが発生するという問題があった。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、射手の迅速な判断力が練成できる射撃訓練装置を提供することにある。
目的を達成するため本発明の第1の手段は、標的を設置した標的装置と、前記標的に着弾した着弾情報に基づいて前記標的装置の移動ならびに標的の隠顕動作を決定する着弾分岐装置と、前記標的装置の移動ならびに標的の隠顕動作を制御する移動制御部・隠顕駆動制御部とを備え、
前記着弾分岐装置からの着弾部位ならびに着弾数を含む着弾情報に基づいて、前記移動制御部・隠顕駆動制御部による標的装置の移動ならびに標的の隠顕動作を制御することを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記標的装置が、前記標的への実弾の着弾有無、着弾数、着弾部位が特定できる着弾検出器を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、前記標的装置が、前記標的の異なる場所に設置された複数の受光センサーと、訓練銃に設けられた発光器から照射された光を前記受光センサーで受光することにより着弾有無、着弾数、着弾部位が特定できる着弾検出器を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1の手段において、前記標的装置が、前記標的への実際の着弾位置をx,y座標値で特定する着弾位置特定装置と、x,y座標値に基く部位範囲情報を予め記憶した部位範囲情報記憶部と、前記着弾位置特定装置によって特定されたx,y座標値と前記部位範囲情報記憶部から読み出した部位範囲情報とを比較して着弾した部位を確定する例えば後述する着弾計数器などの部位確定手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、着弾の状況によって動作の停止、動作の分岐ができ、実戦を想定した訓練が可能で、射手の迅速な判断力が練成できる射撃訓練装置を提供することにある。
次に本発明の実施形態を図と共に説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る射撃訓練装置に用いる着弾分岐装置の概略構成図、図2はその着弾分岐装置を備えた標的装置の概略構成図、図3は標的装置の第1の例を示す概略構成図、図4は標的装置の第2の例を示す概略構成図である。
図2に示すように本実施形態に係る標的装置30は、移動に伴う射撃訓練ができるように、標的台車12の上に立体的な標的13が設置されている。この標的装置30は、前後,左右自由な方向に移動できるようにモータなどの駆動装置31、車輪32、補助車輪33、標的13を隠顕させるための隠顕駆動装置(図示せず)などを備えているとともに、後述する着弾検出器9ならびに着弾分岐装置1などを内蔵している。
着弾分岐装置1は図1に示すように、着弾計数器2、比較器3、分岐条件記憶部4、動作記憶部5、分岐動作記憶部6ならびに切替器7などを備えて、図に示すような接続関係になっている。
同図に示すように着弾検出器9からの標的範囲内での着弾の有無や着弾部位などの着弾情報は着弾分岐装置1の着弾計数器2に入力され、その情報に基づいて着弾計数器2では部位別に着弾数が計数される。
着弾の都度、着弾計数器2から着弾数,部位別の着弾数が比較器3に送られる。同時に比較器3には分岐条件記憶部4から分岐条件である着弾数や部位別の着弾数が読み出され、着弾計数器2から読み込んだ着弾数,部位別の着弾数と比較される。その比較により分岐動作記憶部6に記憶されている分岐動作に分岐するか、動作記憶部5に記憶されている予め決められた標的装置30の移動動作を継続するか判別される。
その比較結果、分岐条件が成立した場合は、比較器3から分岐切替指令信号が切替器7に入力され、その切替器7より分岐後の動作を記憶した分岐動作記憶部6からの動作指令信号を読み出し、その動作指令信号が切替器7を介して移動制御部・隠顕駆動制御部8に出力され、それらの動作が実行される。
これを具体的に例を挙げて説明すれば、例えば図3において標的14の致命部位以外の領域を非致命部位とし、この非致命部位の分岐条件は2発、致命部位の分岐条件は1発、非致命部位の分岐動作は動作停止、致命部位の分岐動作は動作停止と標的の隠滅とし、分岐条件記憶部4と分岐動作記憶部6にそれぞれ記憶させておく。
そして1発目が非致命部位に着弾した場合は標的装置30の移動動作を継続、致命部位に着弾した場合は標的装置30の移動の動作を停止し、標的を隠滅する。外した場合は標的装置30の移動動作は継続する。2発とも非致命部位に着弾した場合は標的装置30の移動動作は停止するが、標的13の隠滅は行わず、完全制圧のために致命部位にもう1発着弾させる必要がある訓練状況を作る。そして致命部位に必ず1発着弾すると、完全制圧ができたものとみなして標的13の隠滅を行う。
図3と図4は第1ならびに第2の標的装置を示す図で、標的装置は移動制御部・隠顕駆動制御部8と着弾部位検出器9とを備え、前記着弾分岐装置1と図に示すように接続されている。
前記移動制御部・隠顕駆動制御部8は、標的装置30を移動させるための駆動装置31(図2参照)を制御する移動制御部と、標的13を隠顕させるための隠顕駆動装置(図示せず)を制御する隠顕駆動制御部とを有している。
図3に示す標的装置の場合、着弾部位検出器9は板状の標的13を備え、標的13は非致命部位14と致命部位16を有し、実弾が着弾した際の振動や加速度から着弾を検出する複数の着弾センサー15a,15bが前記各部位14,16にそれぞれ設置されている。非致命部位14に設置された着弾センサー15aからの非致命部位着弾の有無の信号18、致命部位16に設置された着弾センサー15bからの致命部位着弾の有無の信号19などの着弾情報は、信号増幅器17を介して着弾分岐装置1に入力される。
図4に示す標的装置の場合、図3の実弾を検出する代わりに、訓練銃に取り付けたレーザ発光器から照射されるレーザ光を受光する受光センサーを備えている。すなわち致命部位21に設置された受光センサー20は致命部位21に相当する受光領域を有し、非致命部位23に設置された受光センサー22は非致命部位23に相当する受光領域を有しており、いずれの受光センサー20,22からの信号かにより着弾部位が検出できる。
本発明の射撃訓練装置によれば、致命傷にならず反撃を模擬するために着弾後再び標的を現出するなど、違う動作を行わせるような実戦を想定した訓練を行うことが可能となる。
図5は本発明の第2の実施形態に係る射撃訓練装置に用いる着弾分岐装置の概略構成図、図6は標的装置の概略構成図である。
本実施形態に係る着弾分岐装置1は図5に示すように、着弾計数器2、比較器3、分岐条件記憶部4、動作記憶部5、分岐動作記憶部6、切替器7ならびに部位範囲情報記憶部10などを備えて、図に示すような接続関係になっている。
同図に示すように着弾位置特定装置25から出力された標的範囲内での着弾の有無、着弾の位置情報(x,y座標値)などの実際の着弾情報は着弾分岐装置1の着弾計数器2に入力され、その情報に基づいて着弾計数器2では部位別に着弾数が計数される。
着弾位置特定装置25から出力される着弾の位置情報(x,y座標値)は、部位範囲情報記憶部10に予め記憶されている部位範囲情報11(図6参照)と比較されて着弾された部位が判定され、着弾計数器2での部位別計数に利用される。
前記図3ならびに図4の標的装置では人形の標的13を用いたが図5に示す標的装置は、形状を特定しない標的13と、弾着位置特定装置25とを備えている。この標的13場合は、図に示すように長方形の標的範囲(座標値:−x2<x<x2,0<y<y2)が、両端の非致命部位14(座標値:x2<x<x1,y1<y<y2),(座標値:−x2<x<−x1,y1<y<y2)と、内側の狭い致命部位16(座標値:−x1<x<x1,y1<y<y2)とに分かれている。
実際に着弾した位置26のx,y座標値が弾着位置特定装置25で自動的に読み出され、着弾分岐装置1の着弾計数器2に出力される。部位範囲情報記憶部10には、標的範囲を示す座標値(−x2<x<x2,0<y<y2)、非致命部位の範囲を示す座標値(x2<x<x1,y1<y<y2)と(−x2<x<−x1,y1<y<y2)、致命部位の範囲を示す座標値(−x1<x<x1,y1<y<y2)が予め記憶されている。
これらの記憶情報と弾着位置特定装置25から出力されたx,y座標値とを着弾計数器2で比較して、部位情報(標的範囲の内か外か、標的範囲内であれば致命部位か非致命部位かの情報)が確定されるとともに、着弾数が計数され、それが着弾情報として着弾計数器2から出力される。
以降の処理動作は、前記第1の実施形態に係る射撃訓練装置と同様であるので、それらの説明は省略する。
前記第2の実施形態では長方形の標的13を用いて、両端を非致命部位14、それの内側を致命部位16としたが、例えば円形の標的を用いて、内周側のある範囲を致命部位とし、その外周側を非致命部位とするなど、他の形状の標的を用いることも可能である。
図7は、第3の実施形態に係る射撃訓練装置におけ遠隔制御装置と標的装置との関係を示す概略構成図である。
本実施形態に係る射撃訓練装置は、着弾分岐装置1を標的装置30内に設けず、標的装置30を有線または無線で遠隔制御する遠隔制御装置27内に設けた。この遠隔制御装置27は、例えば標的より得られるもとに遠隔制御装置内で分岐条件と比較し、次に行う動作を標的装置に指令する着弾情報(着弾の有無、着弾部位、着弾位置座標)などの機能を備えている。
なお、着弾分岐装置1ならびに標的装置30の構成、各部の機能などは前記第1の実施形態で説明したものと同様であるので、それらの説明は省略する。
本発明の第1の実施形態に係る射撃訓練装置に用いる着弾分岐装置の概略構成図である。 その着弾分岐装置を備えた標的装置の概略構成図である。 標的装置の第1の例を示す概略構成図である。 標的装置の第2の例を示す概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る射撃訓練装置に用いる着弾分岐装置の概略構成図である。 その射撃訓練装置に用いる標的装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る射撃訓練装置の概略構成図である。
符号の説明
1:着弾分岐装置、2:着弾計数器、3:比較器、4:分岐条件記憶部、5:動作記憶部、6:分岐動作記憶部、7:切替器、8:移動制御部・隠顕駆動制御部、9:着弾検出器、10:部位範囲情報記憶部、11:部位範囲情報、12:標的台車、13:標的、14:非致命部位、15:着弾センサー、16:致命部位、17:信号増幅器、18:非致命部位着弾有無の信号、19:致命部位着弾有無の信号、20:受光センサー、21:致命部位、22:受光センサー、23:非致命部位、25:着弾位置特定装置、26:着弾した位置、27:遠隔制御装置、30:標的装置、31:駆動装置。

Claims (4)

  1. 標的を設置した標的装置と、前記標的に着弾した着弾情報に基づいて前記標的装置の移動ならびに標的の隠顕動作を決定する着弾分岐装置と、前記標的装置の移動ならびに標的の隠顕動作を制御する移動制御部・隠顕駆動制御部とを備え、
    前記着弾分岐装置からの着弾部位ならびに着弾数を含む着弾情報に基づいて、前記移動制御部・隠顕駆動制御部による標的装置の移動ならびに標的の隠顕動作を制御することを特徴とする射撃訓練装置。
  2. 請求項1記載の射撃訓練装置において、前記標的装置が、前記標的への実弾の着弾有無、着弾数、着弾部位が特定できる着弾検出器を備えたことを特徴とする射撃訓練装置。
  3. 請求項1記載の射撃訓練装置において、前記標的装置が、前記標的の異なる場所に設置された複数の受光センサーと、訓練銃に設けられた発光器から照射された光を前記受光センサーで受光することにより着弾有無、着弾数、着弾部位が特定できる着弾検出器を備えたことを特徴とする射撃訓練装置。
  4. 請求項1記載の射撃訓練装置において、前記標的装置が、前記標的への実際の着弾位置をx,y座標値で特定する着弾位置特定装置と、x,y座標値に基く部位範囲情報を予め記憶した部位範囲情報記憶部と、前記着弾位置特定装置によって特定されたx,y座標値と前記部位範囲情報記憶部から読み出した部位範囲情報とを比較して着弾した部位を確定する部位確定手段とを備えたことを特徴とする射撃訓練装置。
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