JP2006247671A - 鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法 - Google Patents

鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006247671A
JP2006247671A JP2005064306A JP2005064306A JP2006247671A JP 2006247671 A JP2006247671 A JP 2006247671A JP 2005064306 A JP2005064306 A JP 2005064306A JP 2005064306 A JP2005064306 A JP 2005064306A JP 2006247671 A JP2006247671 A JP 2006247671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnet
steel plate
electromagnets
steel sheet
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005064306A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4713184B2 (ja
Inventor
Naoki Yamashita
直樹 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2005064306A priority Critical patent/JP4713184B2/ja
Publication of JP2006247671A publication Critical patent/JP2006247671A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4713184B2 publication Critical patent/JP4713184B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract


【課題】 目標位置に対する鋼板の通板位置のずれを修正し、鋼板の形状矯正および/または制振の実効を確実に発揮することができる鋼板の形状矯正装置を提供する。
【解決手段】 走行する鋼板11に対して磁力を作用させて制振および形状矯正を行う形状矯正装置10は、鋼板11に対して交わる方向に磁力を作用させる電磁石12と、電磁石12に流れる電流を検出する電流検出手段13と、電磁石12を鋼板11に対して近接離反させる方向に移動させる電磁石移動手段14と、電磁石移動手段14の動作を制御する制御手段15とを含む。制御手段15は、電流検出手段14によって検出される電流値と、電磁石12に流すことのできる最大電流値との比が予め定める基準値以上になるとき、前記比が基準値未満になるように電磁石12を移動させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法に関する。
鋼板および表面処理鋼板の製造に用いられる各種の装置、たとえばめっき装置、塗装装置などでは、装置内に鋼板(ここでは、鋼帯を含む意味に用いる)を連続走行させながら、めっき、塗装などの処理を施す。装置内を連続走行する鋼板には、鋼板自体が有するたとえば反りなどの形状不整があり、また装置特性および製造条件に起因する振動の生じることがある。
このような鋼板の形状不整および振動は、鋼板の製品品質を低下させるので、連続走行中の鋼板の形状を矯正し、また振動を抑制(制振)する対策が種々採られている。鋼板の形状矯正および制振対策の一つとして、電磁石の磁力を利用するものがある。
図6は、電磁石を用いて鋼板の形状矯正を行う従来技術の概要を示す図である。図6に示す従来技術では、鋼板1が走行する方向に対して直交する方向である鋼板1の幅方向に、鋼板1の表裏面に沿って、複数の電磁石2と、電磁石2と同じ位置関係で位置センサ3が配される。図6に示す事例では、電磁石2が表裏面側でそれぞれ3個ずつ、同じく位置センサ3がそれぞれ3個ずつ配される。鋼板1の表面側に配される3個の電磁石2を第1〜第3電磁石2a,2b,2cと呼び、鋼板1の裏面側に配される3個の電磁石2を第11〜第13電磁石2d,2e,2fと呼ぶ。同様に、鋼板1の表面側に配される3個の位置センサ3を第1〜第3位置センサ3a,3b,3cと呼び、鋼板1の裏面側に配される3個の位置センサ3を第11〜第13位置センサ3d,3e,3fと呼ぶ。
鋼板1の幅方向に関して、第1電磁石2aと第1位置センサ3a、第2電磁石2bと第2位置センサ3b、第3電磁石2cと第3位置センサ3c、第11電磁石2dと第11位置センサ3d、第12電磁石2eと第12位置センサ3e、第13電磁石2fと第13位置センサ3fとが、それぞれ同じ位置関係にある。
第2電磁石2bおよび第2位置センサ3bと、第12電磁石2eおよび第12位置センサ3eとは、鋼板1の幅方向のほぼ中央部に配置され、第1電磁石2および第1位置センサ3aと、第11電磁石2dおよび第11位置センサ3dとが、鋼板1の幅方向の一端部1a付近に配置され、第3電磁石2cおよび第3位置センサ3cと、第13電磁石2fおよび第13位置センサ3fとが、鋼板1の幅方向の他端部1b付近に配置される。したがって、第1電磁石2aおよび第1位置センサ3aと、第11電磁石2dおよび第11位置センサ3dとが、対向して配置され、第2電磁石2bおよび第2位置センサ3bと、第12電磁石2eおよび第12位置センサ3eとが、対向して配置され、第3電磁石2cおよび第3位置センサ3cと、第13電磁石2fおよび第13位置センサ3fとが、対向して配置される。
また、第1電磁石2aと第1位置センサ3a、第2電磁石2bと第2位置センサ3bおよび第3電磁石2cと第3位置センサ3cとが、第1装着基台4に一体的に装着され、第11電磁石2dと第11位置センサ3d、第12電磁石2eと第12位置センサ3e、第13電磁石2fと第13位置センサ3fとが、第2装着基台5に一体的に装着される。
以下、従来技術である図6に示す鋼板の形状矯正および制振方法について説明する。第1装着基台4と第2装着基台5とのほぼ中央部に、鋼板1を位置付けるための目標位置6を予め定め、実際に連続走行される鋼板1の目標位置6に対する変位を、各位置センサ3によって検出する。位置センサ3による検出結果に応じ、鋼板1が変位する側の反対側に位置する電磁石2の吸引力を利用して、鋼板1の形状を矯正するとともに、振動を抑制する。
図6に示す例では、鋼板1の一端部1a付近および他端部1b付近では、鋼板1が目標位置6よりも第2装着基台5側に変位しているので、変位している側の反対側である第1装着基台4側に装着される第1電磁石2aおよび第3電磁石2cをそれぞれ励磁し、その磁力を吸引力として、鋼板1を目標位置6へ向けて吸引する。逆に、鋼板1の中央部付近では、鋼板1が目標位置6よりも第1装着基台4側に変位しているので、変位している側の反対側である第2装着基台5側に装着される第12電磁石2eを励磁し、その磁力を吸引力として、鋼板1を目標位置6へ向けて吸引する。このようにして、鋼板1は、走行されている間を通じて、位置センサ3による検出出力に応じ、目標位置6に対する変位が零(0)になるように、電磁石2の吸引力が作用されるので、形状が矯正されるとともに、その振動が抑制される。
目標位置6は、通常形状矯正装置を基準、すなわち第1装着基台4と第2装着基台5とのほぼ中間に設定されるけれども、形状矯正制御されていない状態で、鋼板1が製造装置内を走行する位置(この位置を便宜上フリーパスと呼ぶ)は、形状矯正装置とは関係無く定まるので、目標位置6とフリーパスとが、大きく異なることがある。
図7は、目標位置6とフリーパス7とが大きく異なる場合の形状矯正の概要を示す図である。目標位置6とフリーパス7とが大きく異なる場合、鋼板1の制振および形状矯正を行うために必要とされる電磁石2の吸引力は、鋼板1を目標位置に沿うほぼフラットな形状に矯正および制振するために必要な吸引力と、フリーパス7の位置にある鋼板1を、目標位置に移動させるための吸引力との和(両者の吸引力の方向が異なる場合は差)で与えられる。
しかしながら、電磁石の吸引力は、電磁石に流し得る最大電流値に応じて限界があり、電磁石に流す電流を増加すると、その吸引力も増加するが、やがて電磁石の鉄心の磁束が飽和し、それ以上電流を増加しても、吸引力がほとんど増加しなくなり、発熱が増加するのみとなる。そのため、電磁石に流し得る最大電流値は、主に鉄心の磁束の飽和および発熱の制約等に基づいて設定される。
すなわち、最大電流値を超えて電流を増加しても、吸引力はほとんど増加せず、また電磁石を焼損するおそれがあるので、最大電流値以上に電流を流さないように制御上も制限を設けている。
たとえば図7に示す鋼板1の幅方向中央部のように、形状矯正とフリーパス7から目標位置6への移動とに要する上記両吸引力の和が大きく、電磁石の吸引力すなわち上記の最大電流値の限界に達すると、形状矯正および制振作用を充分に発現できなくなるという問題がある。また鋼板の形状およびその他の条件によっても、いずれかの電磁石が最大電流値の限界に達する場合が起こり得る。このような問題に対して、個々の電磁石の設計容量を大きくしておくことが考えられるけれども、通常の形状矯正に必要とされる容量を超えて過大な容量の電磁石を設けることは、いたずらに装置を大型化させ、またコストも高騰させるので好ましくない。
したがって、目標位置近傍で電磁石の吸引力を鋼板に対して作用させるべくいくつかの従来技術が提案されている。たとえば、鋼板の両側に電磁石を設け、電磁石の吸引力によって鋼板の反りを矯正する反り矯正装置において、電磁石が鋼板に対して接離調整自在なように電磁石を支持するアクチュエータを設け、電磁石の鋼板からの離間距離が、電磁石の吸引力で鋼板の反りを矯正することができる距離となるようにアクチュエータを制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、もう一つの従来技術では、走行する鋼板の制振を行うために鋼板と交わる方向に磁力を作用させる電磁石と、電磁石と鋼板との距離を検知する距離センサと、電磁石と鋼板との距離を調整するアクチュエータとを有し、距離センサで検出される鋼板と電磁石との距離が、所定値よりも大きくなったとき、アクチュエータを動作させて電磁石を鋼板に近づけることが提案されている(特許文献2参照)。
これら特許文献1,2に開示される技術は、電磁石または距離センサ等と鋼板との距離に応じてアクチュエータを動作させるものである。しかしながら、鋼板の振動制御および/または形状矯正に必要な吸引力は、鋼板の成分、厚み、温度などによって異なるので、鋼板との距離だけを制御指標としたのでは電磁石の吸引力の限界に対する余裕(限界までの許容量)を正確に判定することができない。したがって、鋼板との距離のみを制御指標としてアクチュエータを動作させても、その効果が低い場合、また無駄にアクチュエータを動作させてしまう場合が生じる。
また特許文献1に開示される技術は、装置が複雑化、大型化し、高コストになるという問題があり、さらに設置スペースに制約が多いたとえばめっき装置まわりには適さない。
特開平5−32364号公報 特開2000−334512号公報
本発明の目的は、通板の目標位置に対する鋼板の通板位置のずれを修正し、鋼板の形状矯正および/または制振の実効を確実に発揮することができる鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法を提供することである。
本発明は、走行する鋼板に対して磁力を作用させて制振および形状矯正を行う形状矯正装置において、
走行する鋼板に対して交わる方向に磁力を作用させる電磁石と、
電磁石に流れる電流を検出する電流検出手段と、
電磁石を鋼板に対して近接離反させる方向に移動させる電磁石移動手段と、
電流検出手段によって検出される電流値と、電磁石に流すことのできる最大電流値との比が予め定める基準値以上になるとき、前記比が基準値未満になるように電磁石移動手段の動作を制御して電磁石を移動させる制御手段とを含むことを特徴とする鋼板の形状矯正装置である。
また本発明は、走行する鋼板に対して磁力を作用させて制振および形状矯正を行う形状矯正方法であって、
走行する鋼板に対して交わる方向に磁力を作用させる電磁石に流れる電流を検出するステップと、
電磁石に流れる電流値と、電磁石に流すことのできる最大電流値との比を求めるステップと、
前記比が予め定める基準値以上である否かを判定するステップと、
前記比が基準値以上であるとき、前記比が基準値未満になるように電磁石を移動させるステップとを含むことを特徴とする鋼板の形状矯正方法である。
本発明によれば、電磁石に流れる電流値を検出し、該電流値と電磁石に流すことのできる最大電流値との比が予め定める基準値以上になるとき、前記比が基準値未満になるように電磁石が移動され、移動された電磁石は、上記の最大電流値よりも小さい電流範囲、すなわち鋼板に対する吸引力を調整することができる範囲で動作されるので、通板の目標位置に対する鋼板の通板位置のずれを修正し、鋼板の形状矯正および/または制振の実効を確実に発揮することが可能になる。
図1は本発明の実施の一形態である鋼板の形状矯正装置10の構成を簡略化して示す系統図であり、図2は図1に示す鋼板の形状矯正装置10が設けられる設備の一つである溶融めっき設備50の要部構成を示す図である。
鋼板の形状矯正装置10(以後、単に形状矯正装置10と略称する)は、走行する鋼板11に対して交わる方向に磁力を作用させる電磁石12と、電磁石12に流れる電流を検出する電流検出手段13と、電磁石12を鋼板11に対して近接離反させる方向に移動させる電磁石移動手段14と、電流検出手段13によって検出される電流値Iと、電磁石12に流すことのできる最大電流値Is(以後、便宜上飽和電流値Isと呼ぶ)との比Ir(=I/Is)が予め定める基準値以上になるとき、前記比Irが基準値未満になるように電磁石移動手段14の動作を制御して電磁石12を移動させる制御手段15と、鋼板11に対する距離を検出する位置センサ16とを含む。
このような形状矯正装置10は、たとえば溶融めっき設備50に設けられ、溶融めっき設備50内を走行する鋼板11に対して磁力を作用させ、鋼板11の制振および形状矯正を行うことに用いられる。
以下、溶融めっき設備50に設けられる形状矯正装置10の作用について説明する。溶融めっき装置50において、巻戻装置から巻戻され、脱脂洗浄装置、熱処理炉を経てめっき前処理の施された鋼板11は、熱処理炉よりも矢符51にて示す鋼板搬送方向下流側に設けられるスナウト52の中を通り、めっきポット53に収容されるめっき浴54中に浸漬されてめっきされ、さらにめっきポット53中に回転自在に設けられる浸漬ロール55のまわりを周回して方向転換され、上方に向ってめっき浴54を脱し、めっき付着量制御装置56の間を通り、以後冷却工程、後処理工程、調質圧延工程等を経てめっき鋼板に生成される。
図2に示す事例の溶融めっき設備50においては、形状矯正装置10は、めっき付着量制御装置56の直上、すなわち鋼板11の走行方向51ではめっき付着量制御装置56の下流側直近に設けられる。めっき付着量制御装置56は、たとえば鋼板11を挟んで設けられる空気ノズル57a,57bと、空気ノズル57a,57bに接続される空気配管と、空気配管を介して空気ノズル57a,57bに対して空気を供給量制御可能に供給する空気供給源とを含み、めっき浴54から脱してきた鋼板11の表裏面に対して空気を吹付け、該吹付け空気の圧力、流量を調整することによって、鋼板11へのめっき付着量を制御する。
めっき付着量が、空気ノズル57a,57bから鋼板11の表裏面に対して吹付けられる空気の圧力/流量によって調整されるので、鋼板11の全体でめっき付着量を均一にするためには、各空気ノズル57a,57bと、鋼板11との離反距離が、鋼板11の幅方向および走行方向で常に一定であることが望ましい。このことから、形状矯正装置10が、めっき付着量制御装置56の直近に設けられ、鋼板11の形状が平板になるように、また通板目標位置付近で可能な限り振動を抑制するように動作制御される。
本実施形態の形状矯正装置10において、電磁石12は、鋼板11の一方の表面11a(以後、便宜上表面11aと呼ぶ)側に、表面11aをそれぞれ臨むようにして3個(第1〜第3電磁石12a,12b,12c)が設けられ、鋼板11の他方の表面11b(以後、便宜上裏面11bと呼ぶ)側に、裏面11bをそれぞれ臨むようにして3個(第11〜第13電磁石12d,12e,12f)が設けられる。鋼板11の表裏面11a,11bのそれぞれの側において、第2および第12電磁石12b,12eが、鋼板11の幅方向のほぼ中央部に配置され、第1および第11電磁石12a,12dが、鋼板11の幅方向の一端部付近に配置され、第3および第13電磁石12c,12fが、鋼板11の幅方向の他端部付近に配置される。したがって、第1電磁石12aと第11電磁石12d、第2電磁石12bと第12電磁石12e、第3電磁石12cと第13電磁石12fとが、それぞれ対向して配置される。本実施形態の電磁石12は、いずれも流すことのできる最大電流値である飽和電流値がIsのものが用いられる。なお、電磁石の数は、鋼板の片面側3個に限定されるものではなく、4個以上が設けられる構成であっても良い。
第1〜第3電磁石12a,12b,12cは、第1装着基台17に装着され、第1装着基台17は、鋼板11に対して近接離反する方向に移動可能に設けられる。第11〜第13電磁石12d,12e,12fは、第2装着基台18に装着され、鋼板11に対して近接離反する方向に移動可能に設けられる。電磁石移動手段14である第1および第2駆動手段14a,14bは、たとえば電動機であり、歯車列などを介して、第1および第2装着基台17,18にそれぞれ連結される。第1および第2駆動手段14a,14bによる駆動力が第1および第2装着基台17,18にそれぞれ伝達されることによって、第1〜第3電磁石12a,12b,12cの装着される第1装着基台17が鋼板11に対して近接離反する矢符19方向に移動され、第11〜第13電磁石12d,12e,12fの装着される第2装着基台18が鋼板11に対して近接離反する矢符20方向に移動される。
本実施形態の形状矯正装置10では、位置センサ16が、電磁石12と同数の6個設けられ、鋼板11の幅方向に関して、第1電磁石12aと第1位置センサ16a、第2電磁石12bと第2位置センサ16b、第3電磁石12cと第3位置センサ16c、第11電磁石12dと第11位置センサ16d、第12電磁石12eと第12位置センサ16e、第13電磁石12fと第13位置センサ16fとが、それぞれ同じ位置関係にある。したがって、第1〜第3位置センサ16a,16b,16cも第1装着基台17に装着され、第11〜第13位置センサ16d,16e,16fも第2装着基台18に装着される。このことによって、位置センサ16も電磁石12とともに、第1および第2駆動手段14a,14bで駆動されて、鋼板11に対して近接離反する方向に移動することができる。位置センサ16により検出される鋼板11との離反距離は、制御手段15へ入力される。
電流検出手段13としては、電磁石12から検出した電流データを制御手段15へ入力し、データ処理をする関係から、デジタル電流計であることが望ましい。電流検出手段13は、6個の電磁石12のそれぞれに対して接続して設けられる。すなわち第1電流検出手段13aが第1電磁石12aに、第2電流検出手段13bが第2電磁石12bに、第3電流検出手段13cが第3電磁石12cに、第11電流検出手段13dが第11電磁石12dに、第12電流検出手段13eが第12電磁石12eに、第13電流検出手段13fが第13電磁石12fに接続されて、それぞれ電磁石12に流れる電流値Iを検出し、検出した結果を制御手段15へ入力する。
また、電磁石12に流れる電流を電流検出手段13によって検出することに代えて、制御手段15が、電磁石12に電流を流すために電磁石電源21に対して出力する制御指令値を、電磁石12に流れる電流値として検出する構成であっても良い。このような構成とすることによって、電流検出手段を設けることなく電磁石12に流れる電流値を検出することができるので、装置構成を簡易にすることができる。
なお、各電磁石12に対する電力供給は、電磁石電源21から行われる。電磁石電源21は、個々の電磁石12に対する供給電力量を個別に変化させることができるように、すなわち個々の電磁石12が発生する吸引力を個別に変化させることができるように、本実施の形態では各電磁石12毎に個別(21a〜21f)に設けられるように構成される。この電磁石電源21は、制御手段15に接続され、制御手段15による動作指令に従って、各電磁石12に供給する電流値Iを調整する。
図3は、制御手段15による形状矯正装置10の動作制御に係る電気的構成を示すブロック図である。制御手段15は、たとえば中央処理装置(略称CPU)が搭載される処理装置であり、記憶手段であるメモリ22が付帯される。メモリ22には、形状矯正装置10の全体動作を制御するためのプログラムおよび動作条件が予め格納され、制御手段15は、メモリ22から読出されるプログラムおよび動作条件に従って、演算処理等を実行するとともに、動作指令を出力して装置各部の動作を制御する。
制御手段15は、第1〜第3および第11〜第13電流検出手段13a,13b,13c,13d,13e,13fによってそれぞれ検出される第1〜第3および第11〜第13電磁石12a,12b,12c,12d,12e,12fに流れる電流値Iと、電磁石12の飽和電流値Isとの比Ir(=I/Is)を演算し、該比Irが予め定める基準値以上になるとき、比Irが基準値未満になるように第1および/または第2電磁石移動手段14a,14bの動作を制御して、電磁石12が装着される第1および/または第2装着基台17,18を移動させる。
また制御手段15は、第1装着基台17と第2装着基台18との間に、予め定める鋼板11の通板目標位置からの変位を、第1〜第3および第11〜第13位置センサ16a,16b,16c,16d,16e,16fによってそれぞれ検出し、各検出変位量(=検出距離)に応じて、各電磁石電源21の各電磁石12に対する電力供給動作を制御し、第1〜第3および第11〜第13電磁石12a,12b,12c,12d,12e,12fのそれぞれに流れる電流値Iを調整することによって吸引力を調整し、鋼板11の形状が目標位置に沿って平坦になるように、かつ目標位置からの変位振動を抑制(制振)する。
以下、第1および第2装着基台17,18を移動させることによる電磁石12の位置決め制御動作について詳細に説明する。図4は電磁石12の位置決め調整動作を説明するフローチャートであり、図5は電磁石12の移動を説明する図である。
図4および図5を参照して電磁石12の位置決め調整動作を説明する。ステップs0のスタートは、溶融めっき設備50において、鋼板11の処理を一旦終了し、新たな鋼板11を準備してめっき処理とともに形状矯正を開始した場合、または一旦形状矯正の制御を停止した後、再び形状矯正を開始した場合などの状態である。
ステップs1では、第1装着基台17に装着される第1〜第3電磁石12a,12b,12cにそれぞれ流れる電流値Ia,Ib,Icを、第1〜第3電流検出手段13a,13b,13cでそれぞれ検出し、検出出力が入力される制御手段15において、電流値Ia,Ib,Icのうちの最大値Imaxが求められる。制御手段15における電流の最大値Imaxは、たとえば次のようにして求められる。まず電流値IaとIbとの大小を比較し(差を演算し、その差が正または負のいずれかによって大小を判定し)、次に電流値IaとIbとのうち大きい方の電流値と、電流値Icとの大小を比較し、大きい方の電流値を最大値Imaxとする。
ステップs2では、第2装着基台18に装着される第11〜第13電磁石12d,12e,12fにそれぞれ流れる電流値Id,Ie,Ifを、第11〜第13電流検出手段13d,13e,13fでそれぞれ検出し、検出出力が入力される制御手段15において、電流値Id,Ie,Ifのうちの最大値Imaxが求められる。制御手段15における最大値Imaxの求め方は、ステップs1の最大値Imaxと同様である。
ステップs3では、第1装着基台17に装着される第1〜第3電磁石12a,12b,12cに流れる電流値のうちの最大値Imaxと、電磁石12の飽和電流値Isとの比Ir1(=Imax/Is)が、予め定める基準値:0.95以上であるか否かが、制御手段15によって判定される。すなわち、第1〜第3電磁石12a,12b,12cに流れるいずれかの電流値が、飽和電流値Isの95%以上になっているか否かが判定される。飽和電流値Isは、メモリ22に予め格納されているデータが読出されて演算に用いられる。なお、予め定める基準値は、0.95に限定されるものではなく、より小さな値たとえば0.70などであっても良く、またより大きな値であっても良く、また必ずしも固定値ではなく、たとえばめっき設備等の状態に応じて設定値がリアルタイムに変動されるようにしても良い。判定結果が、0.95以上であるときステップs4へ進み、0.95未満であるときステップs6へ進む。
ステップs4では、第2装着基台18に装着される第11〜第13電磁石12d,12e,12fに流れる電流値のうちの最大値Imaxと、電磁石12の飽和電流値Isとの比Ir2(=Imax/Is)が、予め定める基準値:0.95以上であるか否かが、制御手段15によって判定される。判定結果が、0.95未満であるときステップs5へ進み、0.95以上であるときステップs1へ戻る。
ステップs5では、第1装着基台17に装着される電磁石12に流れる電流の最大値Imaxが、飽和電流値Isに近く、このままでは吸引力を制御することができない限界に達してしまうことが予測されるので、電流値の比Ir1が、0.95未満になるように、制御手段15が、第1および第2駆動手段14a,14bに動作指令を出力し、第1装着基台17を鋼板11に近づけ、第2装着基台18を鋼板11から遠ざける方向へ移動させる。第1装着基台17の移動とともに、第2装着基台18をも移動させるのは、第1装着基台17と第2装着基台18との間隔を、一定に保持して移動させることによって、制御を簡素化するとともに、操業条件の再現性を得やすくするためである。このステップで第1および第2装着基台17,18を移動させた後、ステップs1へ戻り以降のステップを繰返す。
ステップs4での判定結果が肯定であり比Ir1および比Ir2のいずれもが0.95以上であるとき、電磁石12をいずれの方向へ移動させても、鋼板11から遠ざかる側の電磁石12の電流値が飽和し、吸引力の制御限界に達するおそれがあるので、いずれの方向へも移動させることなく、ステップs1へ戻り以降の動作を繰返す。なお、ステップs4からステップs1へ戻る代わりに、鋼板11に対して接触のおそれが無い範囲で、第1および第2装着基台17,18の両方を、比Ir1およびIr2が0.95未満になるように、鋼板11に近づける方向へ移動させた後、ステップs1へ戻っても良い。
ステップs3における判定結果が否定の場合に進むステップs6では、ステップs4と同様に、電流値の比Ir2(=Imax/Is)が、予め定める基準値:0.95以上であるか否かが、制御手段15によって判定される。判定結果が0.95以上であるときステップs7へ進み、判定結果が0.95未満であるときステップs1へ戻る。
ステップs7では、第2装着基台18に装着される電磁石12に流れる電流の最大値Imaxが、飽和電流値Isに近く、このままでは吸引力を制御することができない限界に達してしまうことが予測されるので、電流値の比Ir2が、0.95未満になるように、制御手段15が、第1および第2駆動手段14a,14bに動作指令を出力し、第2装着基台18を鋼板11に近づける図5中の矢符23方向へ移動させ、第1装着基台17を鋼板11から遠ざける図5中の矢符24方向へ移動させる。第2装着基台18の移動とともに、第1装着基台17をも移動させる理由は、上記ステップs5の場合と同様である。
このステップs7では、図5に例示するように、目標位置25に対してフリーパス26の位置がずれ、第2装着基台18に装着される電磁石12に流れる最大電流値Imaxが飽和電流値Isに近い場合、第1および第2装着基台17,18を移動させて、あたかも目標位置25をフリーパス26へ近づけるようにして、最大電流値Imaxを飽和電流値Isの95%未満になるようにし、電磁石12による吸引力が制御限界内となるようにする。本ステップs7で第1および第2装着基台17,18を移動させた後、ステップs1へ戻り以降のステップを繰返す。
ステップs6での判定結果が否定であり比Ir1および比Ir2のいずれもが0.95未満であるとき、第1および第2装着基台17,18の両方にそれぞれ装着される電磁石12が吸引力の制御限界範囲内で動作しているので、いずれの方向へも移動させることなく、ステップs1へ戻り以降の動作を繰返す。すなわち、位置センサ16による鋼板11の目標位置25に沿って、鋼板11が平板状になるように、また変位振動を抑制するように電磁石12の吸引力を調整する形状矯正制御および制振制御がそのまま継続される。
以上に述べたように本実施の形態の形状矯正装置10では、位置センサ16が第1および第2装着基台17,18の両方に装着される構成であるけれども、これに限定されることなく、第1または第2装着基台17,18のいずれか一方の側においてのみ、電磁石12と同一位置に配置され、いずれか一方の側からの鋼板11の離反距離を検出し、形状矯正および/または制振するように構成されても良い。
本発明の実施の一形態である鋼板の形状矯正装置10の構成を簡略化して示す系統図である。 図1に示す鋼板の形状矯正装置10が設けられる設備の一つである溶融めっき設備50の要部構成を示す図である。 制御手段15による形状矯正装置10の動作制御に係る電気的構成を示すブロック図である。 電磁石12の位置決め調整動作を説明するフローチャートである。 電磁石12の移動を説明する図である。 電磁石を用いて鋼板の形状矯正を行う従来技術の概要を示す図である。 目標位置6とフリーパスとが大きく異なる場合の形状矯正の概要を示す図である。
符号の説明
10 形状矯正装置
11 鋼板
12 電磁石
13 電流検出手段
14 電磁石移動手段
15 制御手段
16 位置センサ
17,18 装着基台
21 電磁石電源
25 目標位置
26 フリーパス
50 溶融めっき設備
52 スナウト
53 めっきポット
54 めっき浴
55 浸漬ロール
56 めっき付着量制御装置

Claims (2)

  1. 走行する鋼板に対して磁力を作用させて制振および形状矯正を行う形状矯正装置において、
    走行する鋼板に対して交わる方向に磁力を作用させる電磁石と、
    電磁石に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    電磁石を鋼板に対して近接離反させる方向に移動させる電磁石移動手段と、
    電流検出手段によって検出される電流値と、電磁石に流すことのできる最大電流値との比が予め定める基準値以上になるとき、前記比が基準値未満になるように電磁石移動手段の動作を制御して電磁石を移動させる制御手段とを含むことを特徴とする鋼板の形状矯正装置。
  2. 走行する鋼板に対して磁力を作用させて制振および形状矯正を行う形状矯正方法であって、
    走行する鋼板に対して交わる方向に磁力を作用させる電磁石に流れる電流を検出するステップと、
    電磁石に流れる電流値と、電磁石に流すことのできる最大電流値との比を求めるステップと、
    前記比が予め定める基準値以上である否かを判定するステップと、
    前記比が基準値以上であるとき、前記比が基準値未満になるように電磁石を移動させるステップとを含むことを特徴とする鋼板の形状矯正方法。
JP2005064306A 2005-03-08 2005-03-08 鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法 Active JP4713184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005064306A JP4713184B2 (ja) 2005-03-08 2005-03-08 鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005064306A JP4713184B2 (ja) 2005-03-08 2005-03-08 鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006247671A true JP2006247671A (ja) 2006-09-21
JP4713184B2 JP4713184B2 (ja) 2011-06-29

Family

ID=37088690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005064306A Active JP4713184B2 (ja) 2005-03-08 2005-03-08 鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4713184B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013104094A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Jfe Steel Corp 鋼帯の連続通板ラインにおける蛇行修正装置および蛇行修正方法
KR101397990B1 (ko) * 2007-12-21 2014-05-30 재단법인 포항산업과학연구원 금속판 사행 교정장치 제어기

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02277755A (ja) * 1989-01-31 1990-11-14 Kawasaki Steel Corp 連続溶融金属めっきの通板位置制御方法とストリップ通過位置制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02277755A (ja) * 1989-01-31 1990-11-14 Kawasaki Steel Corp 連続溶融金属めっきの通板位置制御方法とストリップ通過位置制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101397990B1 (ko) * 2007-12-21 2014-05-30 재단법인 포항산업과학연구원 금속판 사행 교정장치 제어기
JP2013104094A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Jfe Steel Corp 鋼帯の連続通板ラインにおける蛇行修正装置および蛇行修正方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4713184B2 (ja) 2011-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5435750B2 (ja) ペースト塗布装置及びペースト塗布方法
US8115349B2 (en) Magnetic levitation system
JP2017013114A (ja) 板反り矯正装置及び板反り矯正方法
US20200047234A1 (en) Crossbow correction device, molten metal plating facility, and crossbow correction method
TWI548776B (zh) Electromagnetic vibration suppression apparatus, an electromagnetic vibration suppression control computer program product
JP2008063065A (ja) 非接触走行方式のエレベータ
KR101888715B1 (ko) 전자기 제진 장치, 전자기 제진 제어 프로그램
WO2017187729A1 (ja) 溶融金属めっき設備及び方法
JP5979323B1 (ja) 金属帯の安定装置およびこれを用いた溶融めっき金属帯の製造方法
JP4713184B2 (ja) 鋼板の形状矯正装置および形状矯正方法
WO2010058837A1 (ja) 電磁制振装置
JP4117793B2 (ja) ペースト塗布装置
JP5842855B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法
JP5636708B2 (ja) 電磁制振装置、電磁制振制御プログラム
JPH1060614A (ja) 電磁力を利用しためっき付着量調整方法及び装置
JP2010180435A (ja) 溶融金属めっき設備
JP6187577B2 (ja) 金属帯の安定装置および溶融めっき金属帯の製造方法
JP2004124191A (ja) 金属帯の制振装置及び金属帯の製造方法
JP4450662B2 (ja) 鋼板の制振装置
JP2016204758A (ja) 鋼板の通板位置制御装置および方法
JP2007237193A (ja) 非接触式鋼板矯正装置
JP2015160959A (ja) 金属帯の非接触制御装置および溶融めっき金属帯の製造方法
JP4618154B2 (ja) ストリップのセンタリング方法および装置
JPH08197140A (ja) 鋼板の形状制御及び制振装置
JPH0559511A (ja) 鋼帯の溶融亜鉛メツキ設備

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4713184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350