JP2006247626A - 耐火被覆材の製造方法および耐火被覆材 - Google Patents

耐火被覆材の製造方法および耐火被覆材 Download PDF

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Abstract

【課題】 断熱材からの無機繊維の飛散を抑制・防止するとともに、平滑性、難燃性や造膜性などに優れた表面加工処理技術を提供することにある。
【解決手段】 ロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体表面に対し、硝酸カルシウムと水を主成分とする凝固剤組成物を塗布した後に、ラテックス組成物を塗布し、加熱乾燥させる。

Description

本発明は、ロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体若しくはボード状成形体で構成される断熱材または吸音材の表面加工技術に関するものである。
ロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体若しくはボード状成形体で構成される断熱材または吸音材については、無機繊維の飛散を抑制するために、その表面を加工することが必要になっている。一般的にその表面加工には、断熱材の表面に水性ラテックス又は水性エマルジョンを塗布し、乾燥させることが多い。さらには、その表面加工技術を進歩させて、表面に平滑性・造膜性・粘着性を寄与するために、発泡ポリウレタン、重炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムなどの発泡剤を添加したり、アクリルプライマーを塗布した後に水性ラテックスや水性エマルジョンを塗布することが考え出されている(下記特許文献1〜4を参照)。
特開平07−233569号公報 特開平08−239917号公報 特開平10−015475号公報 特開2002−268646公報
しかし、上記のような従来の表面処理技術については、以下のような課題・問題点がある。
(1)従来の表面処理技術では、無機繊維の飛散を抑制・防止することを目的としているため、燃焼性(耐火性)の検討はほとんど行われていなかった。例えば、表面に平滑性・造膜性・粘着性を寄与する発泡ポリウレタンやアクリルプライマーは有機物であるために燃えやすい(難燃性ではない)。また、水性ラテックス又は水性エマルジョンを塗布し、生成される膜も有機物であるために燃えやすい(難燃性ではない)。これら有機物には残念ながら難燃性はないのである(難燃性試験 JIS L1091-1977, JIS A1322)。
(2)ロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体若しくはボード状成形体は、空隙が多いため、塗布する材料が空隙内部に侵入してしまう。そのため、塗布する材料の量も多くなってしまい、かつ、表面のみに均一に塗布することが困難であった。また、塗布した材料のみの連続層ができにくく、造膜した膜の強度低下、膜の耐亀裂性低下の原因にもなっている。
そこで、本発明は、上記課題・問題点を解決し、断熱材・吸音材からの無機繊維の飛散を抑制・防止するとともに、平滑性、難燃性や造膜性などに優れた表面加工処理技術を提供するものである。
上記課題・問題点を解決するために、本発明のゴム被覆耐火材は、ロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体若しくはボード状成形体の表面に、耐火性能を持たせたゴム被膜を施したものである。
本発明のゴム被覆耐火材は、ロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体表面に対し、硝酸カルシウム等の無機金属塩と水を主成分とする凝固剤組成物を塗布又は噴霧し、その後ラテックス組成物を塗布又は噴霧し、加熱乾燥をさせることで特徴づけられる。
本発明に用いられる凝固剤組成物は、凝固主剤、界面活性剤、溶液などから構成される材料であり、ラテックスと接触し、滲透させゲル化させる組成物であれば特に限定されない。
本発明に用いる凝固剤組成物のうち凝固主剤としては、ラテックスと接触し、滲透させゲル化させるものであれば特に限定されず、例えば塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどのハロゲン化金属、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛などの硝酸塩、酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛など酢酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩などが挙げられる。なかでも、硝酸カルシウムが好ましい。その場合硝酸カルシウムの含量は、凝固剤組成物総含量の約7〜約50重量%であるのが好ましい。さらに好ましい硝酸カルシウムの含量は、凝固剤組成物総含量の約15〜約30重量%の範囲である。
本発明に用いる凝固剤組成物のうち界面活性剤としては、凝固剤組成物の本質的な機能を損なわないものであれば特に限定されない。界面活性剤は、凝固剤組成物の約0.05〜約1.0重量%の量にて存在するのが好ましい。本発明によれば、好ましい界面活性剤は、両性界面活性剤の使用が好ましい。両性界面活性剤のなかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
本発明に用いる凝固剤組成物は、水性媒体の溶液または分散液として使用する。水性媒体としては、例えば水、水溶性有機溶媒、またはそれらの混合物が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、アセトンなどが挙げられる。
本発明に用いる凝固剤組成物において、本発明の効果を本質的に損なわない限り、増粘剤、消泡剤、pH調整剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤などを含んでいてもよい。
本発明に用いるラテックス組成物は、少なくともラテックス、難燃化剤を含むものとし、架橋剤、架橋促進剤、架橋促進助剤を含むことが好ましい。また、本発明の効果を本質的に機能を損なわない限り、機能性成分として染料、顔料、抗菌抗カビ剤、結晶核剤、UV吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、発泡剤、発泡助剤、酸化防止剤、受酸剤、ゴム、スコーチ防止剤、粘着付与剤、補強剤、安定剤、カップリング剤、付香剤、重合開始剤、触媒、相溶化剤、重合抑制剤、重合禁止剤、分散剤、界面活性剤、乳化剤、湿潤剤、不安定化剤、消泡剤、凍結防止剤、感熱剤、硬化剤を添加してもよい。
本発明におけるラテックス組成物の主剤であるラテックスとしては、水性接着剤として一般に用いられているものである。
本発明のラテックス組成物における主剤のラテックスとしては、スチレン−ブタジエンラテックス、ブタジエン−アクリロニトリルラテックス、エチレン−ビニルアセテートラテックス、スチレン−ブタジエン−ブチルアクリレートラテックス、クロロプレンラテックス、ポリエチレンコポリマーラテックス、エチレン−スチレンラテックス、スチレン−ブタジエン−ビニリデンクロリドラテックス、スチレン−アルキルアクリレートラテックス、ビニルラテックス、アクリル酸ラテックスおよびこれらのカルボキシ変性共重合体ラテックスの混合物から成る群から選択される。カルボキシ変性共重合体ラテックスはエチレン性不飽和カルボン酸と、これと共重合可能な単量体との共重合体のラテックスである。なかでも、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエンラテックスおよびこれらのカルボキシ変性共重合体ラテックスが汎用性、価格などの面から好ましい。
本発明のラテックス組成物は、上記のラテックス以外に、架橋剤および架橋促進剤を配合することが好ましく、さらに所望により、架橋促進助剤(酸化亜鉛など)を配合してもよい。カルボキシ変性共重合体ラテックスを用いる場合は、架橋剤として、酸化亜鉛のみを配合してもよい。酸化亜鉛のみを用いる場合は、乾燥・架橋の際に硫黄による異臭の発生が無いためにより好ましい。
架橋剤としては、通常の架橋反応に用いられるものが使用でき、例えば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアミン類などが挙げられる。なかでも、硫黄が好ましい。架橋剤の使用量は、ラテックス固形分100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜4.0重量部である。
架橋促進剤としては、通常用いられるものが使用でき、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ−2−エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニリルー2−ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3−ビス(2−ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられる。なかでも、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。これらの架橋促進剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋促進剤の使用量は、ラテックスの固形分100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜4.0重量部である
架橋促進助剤である酸化亜鉛の使用量は、ラテックス固形分100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下である。
カルボキシ変性共重合体ラテックスを酸化亜鉛のみで架橋することができ、この場合には、ラテックス固形分100重量部に対して、好ましくは15重量部以下、より好ましくは3.0〜9.0重量である。
本発明のラテックス組成物の難燃剤としては、酸化金属水和物、塩素化パラフィン、臭素化パラフィン、赤リン、安定化赤リン、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステル化合物、ホスファイト系化合物、ホスフィン系化合物、ホスフィンオキシド系化合物、ホスファゼン系化合物、リン酸塩、ポリリン酸アンモニウムなどのリン系化合物、メラミン系化合物、グアニジン化合物、炭酸アンモニウムなどのアンモニウム化合物などの窒素系化合物、有機シリコーン系化合物、硼酸亜鉛、錫酸亜鉛などの無機化合物などが挙げられる。これらは1種で使用してもよく2種以上使用してもよい。
上記した難燃化剤のなかでも、ハロゲン化合物がよく知られている。このハロゲン化合物は、高温度下においてハロゲン化水素等の不燃性ガスを発生して、酸欠状態にすることで、難燃性を発現する。しかし、人体に有害で、火災時にこれら煙にまかれて避難者が死亡する可能性が高く、建築物に採用するには問題があった。別の難燃剤としては、リン酸化合物が知られており、リン酸化合物は、熱分解することにより可燃物の表面に保護膜を形成して空気を遮断することによって難燃性を発現する。しかし、リン酸化合物は難燃性の効果が不十分であり、また環境負荷の低い化合物とはいえない。上記難燃化剤のなかでも好ましいものとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの酸化金属水和物が挙げられる。これら酸化金属水和物は、加熱すると結晶水を放出し、可燃物を冷却することによって難燃性を発現する。ハロゲン化物やリン系化合物に比べ、環境に対する負荷が少ないために、これら酸化金属水和物の使用が好ましい。なかでもより好ましいものとしては、水酸化アルミニウムである。
本発明のラテックス組成物において難燃剤とラテックスとの重量比率は、ラテックス100重量部(固形分換算)に対して難燃剤が、通常90〜180重量部、好ましくは110〜150重量部である。90重量部未満ではゴム被覆耐火材製品の難燃性が低下傾向になり、180重量部を超えるとゴム被膜の引張強度、耐亀裂性が低下する。
凝固剤組成物をロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体若しくはボード状成形体の表面に付着する方法として、通常、スプレー法、ロールコート法、ディッピング法が採用される。ロールコート法は、回転するロール面に、凝固剤組成物を付着させ、成形体に付着させる方法であるが、ロールに繊維物質が付着してしまい、度々清掃が必要なため好ましい方法とはいえない。ディッピング法を用いると空隙内部まで、凝固剤組成物が浸漬してしまうため効率が良くない。このような理由からスプレーによる塗布および噴霧(スプレー法)が好ましい形態といえる。
凝固剤組成物が噴霧および塗布されたロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体若しくはボード状成形体の表面にラテックス組成物を付着する方法として、通常、スプレー法、ロールコート法、ディッピング法が採用される。ロールコート法は、回転するロール面に、凝固剤組成物を付着させ、成形体に付着させる方法であるが、ロールに繊維物質が付着してしまい、度々清掃が必要なため好ましい方法とはいえない。ディッピング法を用いるとボードのような大きな成形体を浸漬させるためには、大きな浸漬容器が必要となるため少量生産に向かなく、効率も悪い。このような理由からスプレーによる塗布および噴霧(スプレー法)が好ましい形態といえる。
本発明の塗布・噴霧方法によれば、ロックウールやガラスウール等の低密度繊維集合体若しくはボード状成形体の表面に平滑かつ引張強度、耐亀裂性に優れるゴム被覆層を形成できる。また、塗布・噴霧量を変えることで、容易に表面ゴム被覆層の厚さを変化させることが可能である。
本発明における凝固剤組成物の塗布・噴霧量は、単位面積あたり50g〜500g/m2であることが好ましく、より好ましくは50g〜250g/m2である。
本発明におけるラテックス組成物の塗布・噴霧量は、固形分量で単位面積あたり50ml〜300ml/m2であることが好ましく、より好ましくは固形分で50ml〜150ml/m2である。
本発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)無機繊維からなる断熱材内部に浸透することなく、該断熱材の表面にムラのない均一かつ平滑なゴム被覆層が形成されること。
(2)無機繊維からなる断熱材の表面にムラのない均一かつ平滑なゴム被覆層が形成され、無機繊維の飛散を抑制・防止でき、チクチク感が無くなること。
(3)無機繊維からなる断熱材の表面に、引張強度に優れ、耐亀裂性を備えたゴム被覆層を形成することができること。
(4)無機繊維からなる断熱材の表面に形成されたゴム被覆層は、難燃性の機能を有しているため、JIS A1322に準拠したガスバーナーによる燃焼試験において、防火2級−3級程度の難燃性があり、炎が燃え広がることがないこと。
本発明を以下実施例に基づいてさらに詳しく説明する。
この実施例は凝固剤組成物の使用効果と難燃化剤の添加効果を示したものである。実験で用いた凝固剤組成物の配合比率を表1に、ラテックス組成物の配合表および使用した凝固剤組成物を表2に示す。
[固剤組成物の配合]
[実施例と比較例]
尚、上記実施例において、下記の各材料を使用した。
・ラテックス:日本ゼオン社製「Nipol 1561」
・水酸化アルミ:昭和電工社製「ハイジライトH-43」
・コロイド硫黄:鶴見化学社製「コロイド硫黄A」
・促進剤EZ:大内新興化学社製「ノクセラーEZ」
・促進剤MZ:大内新興化学社製「ノクセラーMZ」
・酸化亜鉛:堺化学社製「1種」
・乳化剤:花王社製「デモールT」
・分散剤:旭電化社製「アデカノールW-288」
・湿潤剤:花王社製「エマルゲン109P」
表1に示す凝固剤組成物を縦300mm×横300mm×厚さ25mm(密度=80±15kg)のロックウールに9gスプレーで塗布した後、このロックウールにラテックス組成物を固形分が15mlになるように塗布した実施例9を作製した。また、比較のために凝固剤組成物を塗布せずにラテックス組成物のみを塗布した比較例12を作製した。乾燥・架橋は120℃、20分、熱風循環式オーブンで行った。
図1に実施例9(右図)と比較例12(左図)のゴム被膜の断面写真を示す。これによれば、凝固剤組成物を塗布せずにラテックス組成物のみを塗布した比較例の場合は、ゴム被膜層上部(表面に近い側)にロックウール繊維が観察され、表面も凹凸状をしている。凝固剤組成物を塗布した後ラテックス組成物を塗布した実施例9の場合は、ロックウール繊維がゴム被膜層の表面側に観察されないだけでなく、ゴム被膜層の表面が平滑になっていることがわかる。すなわち、初めに凝固剤組成物をロックウールの表面に塗布することで、ロックウール表面で凝固剤組成物によるが進行し、その後に塗布されるラテックス組成物がロックウール内の空隙に浸透することを抑制して、ロックウール表面で架橋が進行していることが言える。生成されたゴム被覆層表面の外観を改善するだけでなく、ロックウール繊維上に平滑なゴム被膜を作製することができるようになった。また、ゴム被膜中に無機繊維が混入することを抑制し、かつ、ゴム被膜連続層を作製でき、ロックウール表面におけるゴム被膜の引張り強度を高めることができるようになった。
表1に示す凝固剤組成物を縦300mm×横300mm×厚さ25mm(密度=80±15kg)のロックウールに9gスプレーで塗布した後、このロックウールにラテックス組成物を固形分が15mlになるように塗布した実施例1−10を作製した。また、比較のために架橋剤を添加しないラテックス組成物である比較例11を作製した。乾燥・架橋は120℃、20分、熱風循環式オーブンで行った。
作製した実施例1−11のサンプルの耐亀裂性、難燃性を評価した。耐亀裂性の評価は、サンプルを半分に折り曲げる作業を30回行い、サンプルに傷が入っていないか確認した。異常のないものを○、サンプルに傷が見られたものに関しては×で評価した。難燃性試験に関しては、JIS A1322「建築用薄物材料の難燃性試験方法」に準拠して行った。判断基準を表3に示す。また、評価結果を表4に示す。
[難燃性の評価基準(JIS A1322)]
[難燃性の評価結果と耐亀裂性評価結果]
表4に示したように難燃化剤である水酸化アルミニウムの添加量は、ラテックスの固形分100重量部に対し、110重量部以上で良好な防火性能を与え、130重量部以上では防火2級の難燃性を与えた。また、架橋剤を添加しない比較例11は防火2級の難燃性を与えたが、耐亀裂性に劣った。
この実施例は様々なラテックス種、架橋剤を用いて効果を確認したものである。ラテックス組成物の配合表および使用した凝固剤組成物を表5に示す。
[配合表]
尚、上記実施例において、下記のラテックスを使用した。
・ラテックスA:NBRラテックス:日本ゼオン社製「Nipol LX1561」
・ラテックスB:XNBRラテックス:日本ゼオン社製「Nipol 1571H」
・ラテックスC:SBRラテックス:日本ゼオン社製「Nipol C4850A」
・ラテックスD:XSBRラテックス:日本ゼオン社製「Nipol LX435」
・ラテックスE:XSBRラテックス:日本ゼオン社製「Nipol 2570X5」
表5に示す凝固剤組成物を縦300mm×横300mm×厚さ25mm(密度=80±15kg)のロックウールに9gスプレーで塗布した後、このロックウールにラテックス組成物を固形分が15mlになるように塗布した実施例7および13−18を作製した。乾燥・架橋は120℃、20分、熱風循環式オーブンで行った。
作製した実施例7および13−18のサンプルの耐亀裂性、難燃性を評価した。耐亀裂性の評価は、サンプルを半分に折り曲げる作業を30回行い、サンプルに傷が入っていないか確認した。異常のないものを○、サンプルに傷が見られたものに関しては×で評価した。難燃性試験に関しては、JIS A1322「建築用薄物材料の難燃性試験方法」に準拠して行った。サンプル作製時の悪臭の有無を判断した。異臭がしたものには×、異臭がしなかったものには○で評価した。評価結果を表6に示す。
[難燃性の評価結果と耐亀裂性評価結果]
表6に示したように様々なラテックスを用いて作製したが、どのサンプルも良好な難燃性、耐亀裂性を与えた。作製したゴム被膜をロックウール上からはがし、それぞれ被膜強度を測定した結果、実施例15に示すラテックスDを用いた時に最も高い引張強度を与えた。ラテックスDはカルボキシ変性ラテックスである。硫黄架橋で生じる異臭を排除するためにラテックスDを酸化亜鉛のみで架橋を行った。
表6の実施例17、18に示したように硫黄架橋と同様の難燃性、耐亀裂性を与え、さらに乾燥・架橋の際に生じる異臭の発生もなかった。
本発明は、ロックウールやガラスウール等からなる無機繊維製の断熱材に利用できる他に、同じような主材からなる吸音材にも利用できる。また、石綿除去工法などにも利用できるものである。
実施例9と比較例12のゴム被膜断面図 実施例13−実施例16のゴム被膜の難燃性試験結果

Claims (9)

  1. 無機繊維からなる断熱材の表面にゴム被覆層を設けた耐火被覆材の製造方法において、該断熱材の表面に凝固剤組成物を塗布又は噴霧する第1工程と、該凝固剤組成物が塗布又は噴霧された断熱材の表面に、ラテックス組成物を塗布又は噴霧し断熱材表面でゲル化させる第2工程と、該凝固剤組成物とラテックス組成物が塗布又は噴霧された断熱材を乾燥させて、該断熱材の表面にゴム被覆層を形成する第3工程を備えたことを特徴とする耐火被覆材の製造方法。
  2. 前記ラテックス組成物は架橋剤を含み、該第3工程において凝固剤組成物とラテックス組成物が塗布された断熱材の表面層を架橋させることを特徴とする請求項1記載の耐火被覆材の製造方法。
  3. 前記凝固剤組成物は断熱材の表面に単位面積あたり50〜250g/m2、前記ラテックス組成物は断熱材の表面に単位面積あたり固形分で50〜150ml/m2塗布又は噴霧させることを特徴とする請求項1または2記載の耐火被覆材の製造方法。
  4. 前記凝固剤組成物とラテックス組成物が塗布又は噴霧された断熱材を乾燥させる第3工程の後、該断熱材の表面に形成されたゴム被覆層の表面を洗浄する第4工程を備えたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の耐火被覆材の製造方法。
  5. 前記凝固剤組成物中に、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムの少なくとも1種の無機金属塩が含まれることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載の耐火被覆材の製造方法。
  6. 無機繊維からなる断熱材の表面にゴム被覆層を設けた耐火被覆材において、該ゴム被覆層は、無機金属塩からなる凝固主剤と、湿潤剤とを含む凝固剤組成物を下地材として、該下地材の表面にラテックス組成物を塗布又は噴霧し、乾燥させて生成したことを特徴とする耐火被覆材。
  7. 前記ラテックス組成物はラテックスを主剤とし、難燃化剤を含むことを特徴とする請求項6記載の耐火被覆材。
  8. 前記ラテックス組成物は、架橋剤、架橋促進剤、架橋促進助剤を含むことを特徴とする請求項6または7記載の耐火被覆材。
  9. 前記ラテックス組成物はカルボキシ変性共重合体ラテックスを主剤とし、酸化亜鉛により架橋されることを特徴とする請求項6ないし8いずれか1項に記載の耐火被覆材。
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