JP2006247616A - 複合膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、高分離係数および高透過流量を有する分離膜、特に、パーベーパレーション法により、共沸混合物から所望の成分を分離するのに好適な複合膜を提供することを目的とする。
また、本発明は、この複合膜を用いて共沸混合物から所望の成分を分離する方法を提供することを目的とする
【解決手段】 細孔によって形成される空隙の体積の70%以上が、細孔径が0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められている多孔質支持体であって、空孔率が35%以上であり、外径が0.5〜10mm、壁厚が1.5mm以下である中空円筒状の多孔質支持体の表面にゼオライト結晶からなる層が形成された複合膜。
【選択図】 図2

Description

本発明は、分子ふるい機能を有するゼオライトの結晶からなる層が、中空円筒状の多孔質支持体上に形成された複合膜、およびその膜を用いて液体、気体、またはそれらの混合物から特定の成分をパーベーパレーション法により分離する方法に関する。
水および有機物が均一に混合した溶液から、水または有機物を選択的に分離する方法としては、蒸留による方法が広く使われている。一方、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等は、水との混合により、一定濃度以上では共沸状態となるために、通常の蒸留法で分離することができず、ベンゼンのような有害なエントレーナーを使用した共沸蒸留法を用いる必要がある。
共沸蒸留法は、このように有害な第3成分が必要となることに加えて、エネルギーコストも高くなるため、近年これに代わる分離方法としてパーベーパレーションによる分離方法が注目されており、ゼオライト膜を用いた分離膜が高い特性を示すことが知られている。
特に親水性のA型ゼオライトの膜を用いたパーベーパレーションによる脱水では、温度75℃、エタノール90重量%の水溶液において、透過流量Q=2.15kg/mh、分離係数α=10000という、極めて高い分離性能が得られている(特許文献1参照)。
しかしながら、同様の方法で製膜したA型ゼオライトであっても、特許文献1の脱水性能を再現しない報告が多くなされており、その理由は明確にされていない(例えば、非特許文献1参照)。これに対し、同じゼオライト膜であっても、用いる支持体によって脱水性能が大きく異なる可能性があることを理論的に示す報告が出されている(非特許文献2参照)。
このようにパーベーパレーションによる脱水においては、分離膜と中空円筒状の支持体の組み合わせが重要であることは明らかであるが、支持体となる多孔質材料の具体的な条
件については、これまで明確にされていなかった。
特開平7−185275号公報 Shiguang Li 他, "Pervaporation of Water/THF Mixtures Using Zeolite Membranes" Ind. Eng. Chem. Res. 2001, 40, 4577 F.T. de Bruijn 他, "Influence of the support layer on the flux limitation in pervaporation" J. Mem. Sci., 2003, 223, 141
本発明は、高分離係数および高透過流量を有する分離膜、特に、パーベーパレーション法により、共沸混合物から所望の成分を分離するのに好適な複合膜を提供することを目的とする。
また、本発明は、この複合膜を用いて混合液体、特に、共沸混合物から所望の成分を分離する方法を提供することを目的とする。
パーベーパレーションによる分離を行う際、ゼオライト膜を透過した水または有機物は、多孔質支持体を経て減圧側に移動するため、多孔質支持体自体の透過抵抗および圧損による多孔質支持体内部での減圧度の低下は、分離性能を低下させる方向に機能する。したがって、表面のゼオライト膜が同一のものであっても、多孔質支持体の性質によって分離性能が異なるという、前記の文献の結果が生じるものと考えられる。
多孔質支持体の特性を表す因子は、空孔率、細孔径、細孔径分布、細孔径の形状、材質等、多岐にわたり、しかもそれらの因子は必ずしも相互に良好な相関を持たないため、多孔質支持体の特定の構造因子を規定することにより複合膜の分離性能を保証することは困難であった。
これに対し、本発明者らは、中空円筒状の多孔質支持体の空孔率と、細孔によって形成される空隙の体積比率の条件という因子を指定することにより、高性能なゼオライト複合膜が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)細孔によって形成される空隙の体積の70%以上が、細孔径が0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められている多孔質支持体であって、空孔率が35%以上であり、外径が0.5〜10mm、壁厚が1.5mm以下である中空円筒状の多孔質支持体の表面にゼオライト結晶からなる層が形成された複合膜。
(2)ゼオライトは、A型、X型、Y型、T型、L型、ZSM類、ソーダライト類、モルデナイト類およびシリカライト類から選ばれた少なくとも一種である上記(1)記載の複合膜。
(3)上記(1)記載の複合膜を用いてパーベーパレーション法によって2種以上の液体の混合溶液から少なくとも1種の液体を分離する物質分離方法。
(4)混合溶液が水と有機物からなる上記(3)記載の物質分離方法。
(5)混合溶液が2種以上の有機物溶液からなる上記(3)記載の物質分離方法。
(6)ゼオライト結晶が親水性ゼオライトである上記(1)記載の複合膜を用いてパーベーパレーション法によって2種以上の液体の混合溶液から少なくとも1種の液体を分離する物質分離方法。
(7)ゼオライト結晶が疎水性ゼオライトである上記(1)記載の複合膜を用いてパーベーパレーション法によって2種以上の液体の混合溶液から少なくとも1種の液体を分離する物質分離方法。
本発明の複合膜を用いると、多分野で、かつ、広範囲の用途において、分離係数および透過流量が高く、コンパクトで処理能力が高い分離用モジュールが可能となる。その結果、蒸留法に代わる、反応プロセス等から得られる混合物の経済的な分離が可能である。
特に、本発明の複合膜は、水と有機化合物とからなる共沸混合物からパーベーパレーション法によって選択的に所望の成分を分離するのに好適である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の複合膜は、中空円筒状の多孔質支持体の外表面に、ゼオライト結晶からなる層が形成された構造である。
本発明の複合膜に用いられる中空円筒状の多孔質支持体(以下、多孔質支持体、と略す場合がある)は、細孔によって形成される空隙の体積の70%以上が、細孔径が0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められている多孔質支持体であって、空孔率が35%以上であり、外径が0.5〜10mm、壁厚が1.5mm以下である。
多孔質支持体の材質には制限は無く、多孔体であればアルミナ、ムライト、チッ化珪素等の酸化物金属による無機材料、およびポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の有機材料のいずれであってもよい。
多孔質支持体の細孔によって形成される空隙体積に占める、細孔径0.01μm以上、1μm以下の細孔による空隙の体積の割合は、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
多孔質支持体は、ゼオライト膜を透過した分子が、容易に移動出来るような細孔を有することが望ましい。細孔径が0.01μmより小さいと、多孔質支持体内での分子の移動が阻害される。従って、細孔径0.01μm以下の細孔による空隙の体積が大きい場合、多孔質支持体内でゼオライト膜を透過した分子が容易に移動できる空隙の体積が減少するために、透過流束が低下する。一方、細孔径が1μmより大きな細孔による空隙の体積が大きい場合、透過流束の低下が見られる。従って、本発明で用いる多孔質支持体は、細孔径が0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められている体積が、細孔によって形成される空隙の体積の70%以上である。
多孔質支持体の空孔率は35%以上であり、好ましくは99%以下である。無機材料による多孔質支持体の場合は、好ましくは35%〜70%、有機材料による多孔質支持体の場合は、好ましくは40%〜95%である。空孔率の値が高いほど、透過流束も高くなるが、多孔質支持体の強度が低下する場合があるため、無機材料の場合70%以下、有機材料の場合95%以下が好ましい。
本発明に用いられる多孔質支持体は、中空円筒状であり、壁厚は1.5mm以下である。ここでいう壁厚とは、中空円筒状の多孔質支持体の厚みであり、外径と内径の差の2分の1である。壁厚が1.5mmより大きいと、パーベーパレーションによる分離において十分な透過流量が得られない。この理由は、1.5mmより厚みが大きい多孔質支持体を用いた複合膜を使用して減圧した際、多孔質支持体内部での圧損による減圧度の低下の効果が大きいためと考えられる。多孔質支持体の厚みは、その多孔質支持体が形状を保持できる限り下限はないが、多孔質支持体の場所によって、細孔分布に顕著な偏りが発現しないためには0.01mm以上の厚みであることが好ましい。
本発明の多孔質支持体の外径は、中空糸円筒状の複合膜を用いたパーベーパレーションによる分離効率の観点、並びに壁厚に対して形状を保持するという観点から、0.5〜10mmであり、好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは1〜3mmである。外径が0.5mmより小さいと中空糸円筒の内径が小さくなるため、内壁面での抵抗の効果が高くなり、中空糸内での物質移動が妨げられて分離効率が低下する。また、外径が10mmより大きいと、壁厚に対して外径が大きいため円筒の強度が低下し、パーベーパレーションによる分離の際の円筒の内側と外側の圧力差により破損する恐れがある。
本発明の複合膜は、多孔質支持体の表面にゼオライト結晶からなる層が形成されている。ゼオライト結晶は、粒界を形成して緻密にパッキングして、中空円筒状の多孔質支持体表面に層を形成している。
ゼオライトとしては、各種の親水性ゼオライト、疎水性ゼオライトを用いることができる。親水性ゼオライトとしては、A型、X型、Y型、T型、L型、疎水性ゼオライトとしては、ZSM類、ソーダライト類、モルデナイト類、シリカライト類が挙げられる。また、これらがアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む場合、それを他の金属イオンで置き換えた各種ゼオライト等も用いることができる。
ゼオライトの結晶の寸法は、分離性能と透過流量がともに低下するのを防ぐ上で、0.01μmから10μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1μmから5μmである。ゼオライトの寸法が0.01μmより小さいと、結晶としての完全度が低くなり、分離性能、透過流量が共に低下する場合がある。結晶径が10μmを超えると、結晶粒界の間に欠陥が生成しやすくなり、分離性の低下をもたらす場合がある。
ゼオライト層の厚みは0.1μmから50μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5μmから30μmである。厚みが0.1μmより小さいと、多孔質支持体の表面の凹凸によりピンホールが生成して分離性能が低下する場合があり、50μmより大きいと透過流量が低下する場合がある。
中空円筒状の多孔質支持体上にゼオライト結晶からなる層を形成する方法としては、多孔質支持体にゼオライトの種結晶を付着させてから水熱合成により結晶成長させる方法、直接水熱合成によって結晶を成長させる方法、ゼオライトの原料となるゲルを多孔質支持体上に塗布した後、スチーム処理によって製膜するドライゲル法等が挙げられる。
ゼオライトの原料となるシリカ成分としては、ケイ酸ナトリウム、水ガラス、コロイダルシリカ、アルコキシシランの加水分解物等を用いることができる。ゼオライトのアルミナ成分としては、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ベーマイト等を用いることができる。必要に応じてカルシウム酸化物成分として、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等、マグネシウム酸化物成分として、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム等、バリウム酸化物成分として、硝酸バリウム、塩化バリウム、水酸化バリウム等が用いられる。
本発明の複合膜を用いたモジュールは、例えば、分離処理を行う流体の供給口と、前記流体から少なくとも一成分が分離された流体の排出口を供えたハウジング内に、少なくとも1本の本発明の複合膜を収容して構成される。ハウジング容積(V)に対する複合膜の膜面積(S)の比率(S/V)は10m/m以上であることが好ましい。
本発明の複合膜を用いて、パーベーパレーション法によって2種以上の液体の混合溶液から少なくとも1種の液体を分離することができる。
混合溶液としては、水と有機物との混合溶液、2種以上の有機物の混合溶液が好適に用いられる。
水および有機物を含む混合溶液からパーベーパレーション法によって水または有機物を選択的に分離する場合、例えば、発酵によって得られるエタノールと水を含む混合溶液からエタノールまたは水を選択的に分離するには、従来、蒸留が一般的な分離方法であった。しかし、発酵により得られるエタノールと水の混合物は多量の水を含むために、蒸留によって分離濃縮するためには、多量のエネルギーが必要となる。
このような場合に、本発明の複合膜を用いると、ゼオライトの種類を適宜選択することにより、パーベーパレーション法によって水と有機物の混合物から、目的物のみを選択的に、しかも少ないエネルギーの使用で分離することが可能となる。
水のみを選択的に分離する場合には、ゼオライトの種類として、A型、X型、T型等の親水性ゼオライトを使用する。一方、エタノールを選択的に分離する場合には、ZSM類、シリカライト類等の疎水性ゼオライトを用いて分離することができる。上記以外の混合物の場合にも、種類と目的によって、最適なゼオライトを選択すればよい。
2種以上の有機物の混合溶液を分離する例としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、四塩化炭素、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、シクロヘキサンなどの芳香族類と、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類との混合溶液から、アルコール類を抽出する例が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
本発明において、多孔質支持体の0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められる空隙の割合、並びに空孔率は、Micromeritics社製ポアサイザ9320ポロシメータを用いた水銀圧入法によって測定した。測定においては、セル容積約6cm、ステム体積0.4cmのセルを用いて、圧力0MPa−206.8MPaの範囲で水銀を圧入した。測定に用いる多孔質支持体は、測定前に150℃のオーブン中に4時間保持して乾燥させ、デシケータ中にて室温にまで冷却した後に測定に供した。また、測定セルに充填するサンプル量は全水銀圧入容積が0.1cc−0.3ccの範囲になるように調整し、本測定においては0.5g−0.1gを用いた。
(1)0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められる空隙の割合
水銀圧入法において、圧入する際の圧力と、その圧力で水銀が浸入する細孔径の関係は、次の数式(1)のWashburnの式によって表される。
Figure 2006247616
上式により、圧入圧力Pと細孔径Dの関係が求められる。この関係式から、細孔径0.01μmから1μmの範囲で圧入された水銀量に対する、全水銀圧入量の比として、0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められる空隙の割合を求めた。
(2)多孔質支持体の空孔率
測定セル内の多孔質支持体サンプルの体積は、測定セルにサンプルと水銀を注入した状態での圧力印加前のセル内でのサンプルと水銀の体積の総和と、注入した水銀の体積の差として求められる。多孔質支持体の空孔率は、測定圧力範囲の最高圧力まで水銀を圧入した際の全水銀圧入量に対応する体積に対する、その測定に用いた多孔質支持体サンプルの体積の比として求められる。
[実施例1]
中空円筒状の多孔質支持体として、外径1.2mm、膜厚0.15mm、水銀圧入法によって求められた空孔率が55%であり、0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められる空隙の割合が95%と求められた、アルミナ多孔質支持体を用意した。
図1に水銀圧入法によって求められた、この多孔質支持体の細孔径と、その細孔径以上の細孔によって全空隙が占められる体積の割合の関係を示す。図1より、この多孔質支持体は1μm以上の細孔によって占められる空隙の割合は5%以下であり、0.01μm以下の細孔によって占められる空隙はないことが示される。
長さ10cmのアルミナ多孔質支持体表面に、以下の方法によってA型ゼオライト結晶からなる層を形成させた。
平均粒径0.8μmのA型ゼオライト結晶粒子が5重量%の濃度で分散している水スラリー中に多孔質支持体を浸漬し、A型ゼオライト微粒子を種結晶として、多孔質支持体表面に担持させた。次に、水、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを、NaO:SiO:Al:HO=2:2:1:125のモル比に配合したスラリーを入れたテフロン(登録商標)製の容器に、上記の多孔質支持体を浸漬し、この容器をオートクレーブに入れ、100℃で3時間、水熱合成反応を行った。
反応後、多孔質支持体を取り出し、十分水洗した後、60℃で3時間乾燥させた。乾燥後の多孔質支持体の断面を電子顕微鏡により観察したところ、種結晶を担持させた側の表面に厚さ約5μmの結晶層が生成しており、これを広角X線回折によって解析した結果、A型ゼオライトの緻密層が形成されていることが確認された。この緻密層を形成しているA型ゼオライトの結晶の寸法は、電子顕微鏡による表面観察の結果、2〜3μmであった。
このようにしてえられた複合膜を30本用意し、両端をエポキシ樹脂で固着し、片側を密閉して、容積が500mlのモジュールを作成した。
このモジュールを用いて、パーベーパレーション法によってエタノール水溶液から水を選択的に分離する試験を行った。図2にこの試験に用いたモジュールによる分離装置の模式図を示す。モジュール5の内部にエタノール90重量%の水溶液を75℃の温度で循環することにより供給し、モジュール5内の多孔質支持体の内側を真空ポンプ1によって減圧して、各複合膜の外表面から中空内部に、エタノール水溶液中の水を透過させた。複合膜を透過して分離された水は真空ライン2を通過して、液体窒素によって冷却されたトラップ3に集めた。真空ライン2の間には真空計4を設置している。図中でトラップ6は真空ポンプから油が逆流したした場合に、ここで捕獲するために設置した。
トラップ3中の水の重量を測定し、膜の単位面積、単位時間当たりの透過量を求めることにより透過流束(Q)を求めた。トラップされた水に含まれるエタノール濃度をガスクロマトグラフィーを用いて測定することにより、分離係数(α)を求めた。具体的には、供給側のエタノールと水の重量濃度をそれぞれ、X重量%、X重量%とし、トラップ中の透過側のエタノールと水の濃度をそれぞれ、Y重量%、Y重量%とすると、分離係数(α)はα=(X/X)/(Y/Y)によって計算される。
30本の複合膜より得られたモジュールを用いて、エタノール90重量%の水溶液から、75℃の温度においてパーベーパレーション法によって、水を選択的に抽出する分離実験を行ったところ、水の透過流束(Q)は10.6kg/mh、分離係数(α)は10000以上であった。
[比較例1]
アルミナ多孔質支持体に代えて、外径1.6mm、膜厚0.4mm、水銀圧入法によって求められた空孔率が32%であり、0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められる空隙の割合が10%と求められた、ムライト多孔質支持体を用意した。図3に水銀圧入法によって求められた、この多孔質支持体の細孔径と、その細孔径以上の細孔によって全空隙が占められる体積の割合の関係を示す。図3より、この多孔質支持体は1μm以上の細孔によって占められる空隙の割合は90%以上であることが示される。
この多孔質ムライト多孔質支持体の表面に実施例1と同様の方法によりA型ゼオライトによる結晶膜を形成させた。これを30本用いて実施例1と同様にモジュールを作成した。実施例1と同様にエタノール90重量%水溶液からパーベーパレーション法によって、分離実験を行ったところ、分離係数(α)は10000以上であるが、水の透過量(Q)は1.5kg/mhしかなかった。
これにより、混合物から目的物を経済的に分離する方法として、本発明の複合膜を用いると、従来技術に比べて高い処理能力が得られることは明らかである。
本発明の複合膜は、液体、気体、またはそれらの混合物から特定の成分のみを抽出する分離膜として好適に利用できる。特に、共沸状態となるため、従来の蒸留法では分離できなかった、エタノールと水のような系にも本発明の複合膜を利用することができる。さらに反応プロセス等から得られる混合物の経済的な分離が可能である。
アルミナ多孔質支持体の水銀圧入法測定図。 本発明の複合膜を用いたモジュールによる分離装置の模式図。 ムライト多孔質支持体の水銀圧入法測定図。
符号の説明
1 真空ポンプ
2 真空ライン
3 冷却トラップ
4 真空計
5 モジュール
6 トラップ

Claims (7)

  1. 細孔によって形成される空隙の体積の70%以上が、細孔径が0.01μm以上、1μm以下の細孔によって占められている多孔質支持体であって、空孔率が35%以上であり、外径が0.5〜10mm、壁厚が1.5mm以下である中空円筒状の多孔質支持体の表面にゼオライト結晶からなる層が形成された複合膜。
  2. ゼオライトは、A型、X型、Y型、T型、L型、ZSM類、ソーダライト類、モルデナイト類およびシリカライト類から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の複合膜。
  3. 請求項1記載の複合膜を用いてパーベーパレーション法によって2種以上の液体の混合溶液から少なくとも1種の液体を分離する物質分離方法。
  4. 混合溶液が水と有機物からなる請求項3記載の物質分離方法。
  5. 混合溶液が2種以上の有機物溶液からなる請求項3記載の物質分離方法。
  6. ゼオライト結晶が親水性ゼオライトである請求項1記載の複合膜を用いてパーベーパレーション法によって2種以上の液体の混合溶液から少なくとも1種の液体を分離する物質分離方法。
  7. ゼオライト結晶が疎水性ゼオライトである請求項1記載の複合膜を用いてパーベーパレーション法によって2種以上の液体の混合溶液から少なくとも1種の液体を分離する物質分離方法。
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