JP2006247556A - 静電塗装用スプレーガン - Google Patents

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Abstract

【課題】 エアキャップに塗料が付着することを極力防止する。
【解決手段】 バレル2の前端部には塗料ノズル29及びエアキャップ40が取り付けられている。エアキャップ40の中央には塗料ノズル29の先端の塗料吐出口31が挿通する霧化エア噴出孔が設けられている。エアキャップ40の外周にはキャップリング53が着脱可能に装着されている。前記キャップリング53の前端部には導電性リング55が固定されている。導電性リング55はリード線56、ネジ50、連結部材16aを介して塗料ホース用ジョイント17に電気的に接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気抵抗が比較的小さい塗料に適した静電塗装用スプレーガンに関する。
自動車の車体等の静電塗装に用いられる塗料には溶剤系塗料(油性塗料)、水系塗料(水性塗料)、メタリック系塗料がある。水系塗料やメタリック系塗料は溶剤系塗料に比べると電気抵抗が低い。従って、前記水系塗料やメタリック系塗料を用いる場合には、塗料供給経路を通して接地された塗料タンクに電流が流れてしまうため、塗料と接触する静電塗装ガン本体の荷電電極に直接高電圧を印加することができない。
そこで、水系塗料用或いはメタリック塗料用の静電塗装ガンでは、ガン本体の外部に1ないし複数の外部電極を配置し、前記外部電極に高電圧を印加する所謂「外部電極方式」が採用されている。しかし、外部電極方式の静電塗装ガンは、ガン本体とは別に外部電極を必要とするため、静電塗装ガンが大型化する。また、霧化された塗料粒子が静電気力により外部電極付近あるいは静電塗装ガン本体の周辺に付着するという問題がある。
このような問題を解決するものとして、静電塗装ガンの前端面に取り付けられるエアキャップの内部に高電圧が印加される電極を配置したエアスプレー方式の静電塗装用ガンが提供されている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2004/085078号パンフレット
ところが、上記構成においても、霧化された塗料粒子がエアキャップの表面に付着する。特に、エアキャップに付着した塗料が蓄積して塊となった場合は、その塊が被塗物に吹き飛ばされてしまい、塗装不良の原因となる。このため、上記特許文献1には、前記エアキャップに浮き電極を設けてエアキャップの表面に付着する塗料粒子の量を少なく抑える構成が提案されているが、十分な効果を得ることができなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的はエアキャップに塗料が付着することを極力防止した静電塗装用スプレーガンを提供することである。
本発明は、塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用スプレーガンであって、塗料供給源に接続された塗料供給路を有するバレルと、前記バレルの前端部に取付けられ前記塗料供給路に連通する塗料流路、前記塗料流路の周囲部に位置する霧化エア流路、前記塗料流露の前端部に位置する塗料吐出口を有する塗料ノズルと、前記塗料吐出口から吐出される塗料を帯電させるための直流高電圧を発生する高電圧発生手段と、前記塗料ノズルを覆うように前記バレルの前端部に取り付けられ、前記バレル及び前記塗料ノズルとの間に空間を有すると共に前記塗料吐出口が挿通され前記霧化エア流路に連通する霧化エア噴出孔を中央に有するエアキャップと、前記空間内に配置され、前記高電圧発生手段が発生した高電圧が供給される電極と、前端部が前記塗料吐出口よりも前方に突出するように前記塗料ノズルの塗料流路内に配置され接地されたピン電極と、前記エアキャップに設けられ前記塗料吐出口を中心とするほぼ円環状の導電性部材と、前記導電性部材と前記塗料供給路とを電気的に接続する接続部材とを備えてされていることを特徴とする。
本発明によれば、静電塗装作業時に高電圧発生手段が発生した高電圧が電極に供給されると、ピン電極の表面から電極に向かう強力な電界が発生し、ピン電極を伝う塗料の表面に電極とは反対極性の電荷が誘起される。このため、塗料吐出口から吐出され霧化エア噴出孔から噴出された霧化エアによって霧化された塗料は、前記ピン電極に誘起された電荷を持ったまま空中に飛び出す。このとき、接続部材により塗料供給路に接続されている導電性部材は、前記塗料と同じ電位になるため、空中に飛び出した塗料と導電性部材とが電気的に反発する。従って、前記塗料がエアキャップに接近し難くなり、エアキャップの表面に塗料が付着することが防止される。
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら説明する。
図1ないし図3は本発明の第1の実施例を示している。本実施例に係る静電塗装用スプレーガン1は絶縁性の合成樹脂材料からなるバレル(銃身)2と、このバレル2の後端部(図1中右端部)に設けたグリップ3とから構成されている。前記バレル2内の上部には高電圧発生回路を構成する昇圧トランス、高圧整流回路(いずれも図示せず)を一体にモールドしたカスケード4(高電圧発生手段に相当)が収納されている。
前記バレル2内の上部の前部には貫通孔5aを有する円柱状の絶縁体5が配設されている。前記絶縁体5の前半部は後半部よりも径大になっており、当該前半部はバレル2の前方部に露出している。前記カスケード4と前記絶縁体5との間には孔6,7が設けられており、前記孔6,7には導電性のスプリング6a,7aがそれぞれ収容されている。前記スプリング6aの後端はカスケード4の前端に位置する出力端子8に取り付けられている。
前記スプリング7aの前後端部には導電性接触子9,10がそれぞれ取り付けられている。前記導電性接触子10の後面には前記スプリング6aが接触している。また、前記導電性接触子9は絶縁体5に取り付けられている。絶縁体5の貫通孔5aには導電性を有する連体棒11が挿通されており、前記連体棒11の後端部は導電性接触子9に支持されている。また、前記連体棒11の前端部は絶縁体5の前端面よりも僅かに前方に突出している。
前記絶縁体5の前端部には電極支持体12が着脱可能に取り付けられている。詳しい図示は省略するが、前記電極支持体12は正面視ほぼ扇形状をなしており、その中央付近において前記絶縁体5に取り付けられている。また、前記電極支持体12の後面中央部には半円環状の電極13が固定されている。前記連体棒11の突出端部は、前記電極13の後面に当接している。
一方、グリップ3の下部には電源コネクタ14が及びエアホース用ジョイント15が取付けられていると共に連結部材16a、16bを介して円筒状の塗料ホース用ジョイント17が連結されている。連結部材16a、16bはネジ50によってグリップ3の下端面に固定されている。連結部材16a及びネジ50はいずれも導電性材料から構成されている。また、連結部材16aには、電源コネクタ14内のアース線14aにリード線51を介して接続されたネジ52が螺挿されている。これにより、ジョイント17とアース線14aとが電気的に接続される。
高電圧発生に必要な高周波電圧は、前記電源コネクタ14から取り入れられ、グリップ3内の図示しない配線ケーブルを通ってカスケード4内の昇圧トランスに供給される。供給された高周波電圧は、昇圧トランスで昇圧された後、コッククロフト−ウォルトン型倍電圧整流回路を使用した高電圧整流回路で更に昇圧されると同時に整流されて数万Vの直流高電圧が発生される。
発生した直流高電圧は、カスケード4の出力端子8から前記スプリング6aを介して前記導電性接触子10に導かれる。そして、前記導電性接触子10からスプリング7aを介して導電性接触子9に導かれ、連体棒11を通して電極13に供給される。
また、バレル2内の下部には前後方向に延びる孔部18が設けられている。前記バレル2の前端部には取付凹部19が設けられており、前記取付凹部19の後端面において前記孔部18は開口している。前記孔部18内の前部には塗料バルブ20が配設されている。また、孔部18内のうち前記塗料バルブ20の後部には空間を存して中空状のガイド部材21が配設されている。
前記塗料バルブ20は、導電性を有するバルブ本体22、前記バルブ本体22内を軸方向に貫通する弁口23、前記弁口23を開閉するニードル24を備えて構成されている。孔部18のうち塗料バルブ20とガイド部材21との間の空間は弁室25とされている。
ニードル24は弁室25内を貫通しており、その前端部がテーパ状に形成されている。前記ニードル24の後部は前記ガイド部材21内に挿通されており、当該ガイド部材21に沿って前後方向に移動するようになっている。弁口23は前記ニードル24の前端部が当接、離間することによって開放、閉塞される。
前記ニードル24は、バレル2の後端部に設けられた復帰バネ27により常には弁口23を閉塞する方向に付勢されている。そして、バレル2に設けられたトリガ28が引かれている間のみ前記ニードル24は復帰バネ27に抗して後退し、弁口23が開放される。バレル2のうち前記弁室25の下部には当該弁室25に連通する連通路25aが設けられており、前記連通路25aと前記塗料ホース用ジョイント17とは塗料チューブ26により連結されている。弁室25、連通路25a、塗料チューブ26は本発明の塗料供給路に相当する。
前記取付凹部19は前半部よりも後半部のほうが径小になっており、その径小部分には塗料ノズル29が着脱可能に螺合されている。前記塗料ノズル29は絶縁性合成樹脂材料からなり、その前半部は取付凹部19よりも前方に突出している。前記塗料ノズル29内の中心部には前後方向に貫通する塗料流路30が設けられている。前記塗料流路30の後端部は前記塗料バルブ20の弁口23に連通している。塗料ノズル29の前端部のうち塗料流路30の前端にあたる部分は径小に構成され、塗料吐出口31とされている。
尚、前記取付凹部19に塗料ノズル29が装着されたことにより前記塗料ノズル29の周囲部には環状の空間が形成される。この環状空間はパターンエア流路44として利用される。また、前記電極支持体12は前記パターンエア流路44に配置される。
上記構成により、トリガ28の非操作時は、塗料供給源としての塗料タンクから塗料ホース(いずれも図示せず)を介して前記塗料ホース用ジョイント17に供給され、塗料チューブ26を通って弁室25に導かれた塗料は、前記ニードル24により塗料ノズル29への吐出が阻止される。一方、トリガ28が操作されて塗料バルブ20が開弁すると、弁室25内に供給された塗料は塗料ノズル29内の塗料流路30に吐出される。
前記塗料流路30にはピン電極32が挿通されている。前記ピン電極32の前端部は、塗料吐出口31を通り前方に突出している。ピン電極32の後端部は導電性を有する保持部材38を介してバルブ本体22に接続されている。電気抵抗の比較的低い水系塗料やメタリック系塗料が塗料ノズル29内に供給されたとき、ピン電極32はその塗料の導電性により接地された塗料タンク(図示せず)と電気的につながり接地電位に維持されるようになっている。
塗料ノズル29内のうち前記塗料流路30の周囲部には複数の霧化エア流路33が形成されている。前記霧化エア流路33の前後両端部は、塗料ノズル29の前後端部に設けられた環状の霧化エア流路33a、33bに連通している。
バレル2の後端部にはエアバルブ34が設けられている。グリップ3内には前記エアバルブ34とエアホース用ジョイント15を繋ぐエア流路36が設けられている。霧化エア及びパターンエア用の圧縮空気は、圧縮空気発生装置から高圧エアホース(いずれも図示せず)を介してエアホース用ジョイント15に供給され、前記エア流路36を通ってエアバルブ34に導かれる。
エアバルブ34は、前記ニードル24と一体的に前後移動する弁体37により開閉されるようになっている。つまり、塗料バルブ20が開弁するときエアバルブ34も開弁し、塗料バルブ20が閉弁するとエアバルブ34も閉弁する。そして、エアバルブ34が開弁すると圧縮空気はバレル2内に設けられた霧化エア供給路、パターンエア供給路(いずれも図示せず)を通って塗料ノズル29後端の霧化エア流路33b、パターンエア流路44にそれぞれ供給される。
塗料ノズル29の前端部はバレル2の前端部に取り付けられたエアキャップ40によって覆われている。エアキャップ40の後面中央には収容凹部41が設けられており、塗料ノズル29の前端部は前記収容凹部41に嵌合している。エアキャップ40の後部外周には環状段部40aが設けられており、前記環状段部40aにリテイニングナット42が係合している。バレル2の前端部外周にはねじ山43が設けられており、前記ねじ山43に前記リテイニングナット42は螺合している。
また、エアキャップ40の外周にはキャップリング53が着脱可能に装着されている。前記キャップリング53は、合成樹脂、例えばポリアセタール製のリング本体54と、前記リング本体54の前端部に固定されたステンレス製の導電性リング55(導電性部材に相当)とから構成されている。前記導電性リング55はリング本体54の前端面の全て及び外周面の前部を覆っており、その内周面はエアキャップ40の外周面に接触している。前記導電性リング55にはリード線56(図1にのみ示す)の一端部がネジ止めされている。前記リード線56の他端部は前記ネジ50に接続されている。これにより、導電性リング55と塗料ホース用ジョイント17とはリード線56、ネジ50、連結部材16aを介して電気的に接続される。また、塗料ホース用ジョイント17は、内部を塗料が通過することから前記塗料とも電気的に接続されている。つまり、本実施例では、リード線56、ネジ50、連結部材16a、塗料ホース用ジョイント17が接続部材を構成する。
前記塗料ノズル29は、取付凹部19に挿入された後、前端部に前記エアキャップ40を嵌合させ、前記エアキャップ40の前端からリテイニングナット42を挿入してねじ山43に螺合させることによりエアキャップ40と共にバレル2に固定される。この後、前記エアキャップ40の前方からキャップリング53が嵌め込まれる。このとき、エアキャップ40とバレル2との間には塗料ノズル29の周囲に位置する環状の空間が形成される。この空間は前記パターンエア流路44と共にパターンエア流路45として利用される。
前記エアキャップ40の中央部には霧化エア噴出孔46が穿設されている。前記霧化エア噴出孔46には塗料ノズル29の塗料吐出口31が挿通されている。霧化エア噴出孔46は前記霧化エア流路33aに連通しており、前記霧化エア流路33aに供給された霧化エアは霧化エア噴出孔46の内周面と塗料吐出口31の外周面との間の環状の隙間を通って前方に噴出される。
また、エアキャップ40のうち霧化エア噴出孔46の周囲部には複数の副パターンエア噴出孔47が設けられている。前記副パターンエア噴出孔47は前記霧化エア流路33aに連通しており、霧化エア流路33aに供給された圧縮空気は副パターンエアとして副パターンエア噴出孔47から前方に噴出される。
更に、エアキャップ40の前端面のうち霧化エア噴出孔46を挟んで上下部には前方に突出する一対の角部48が形成されている。前記角部48には、それぞれ前記パターンエア流路45に連通する複数(図2では2個)のパターンエア噴出孔49が形成されている。前記パターンエア噴出孔49はエアキャップ40の中心軸に向かって斜め前方に傾斜している。従って、パターンエア流路45に供給された圧縮空気としてのパターンエアは前記パターンエア噴出孔49から斜め前方に向けて噴出される。
次に、上記構成のスプレーガン1を用いて静電塗装を行うときの動作について説明する。トリガ28が引かれると、塗料バルブ20が開弁してジョイント17から供給された水系塗料が塗料流路30に吐出され、塗料ノズル29前端の塗料吐出口31からピン電極32の表面を伝って皮膜状に吐出される。これと同時にカスケード4内の高電圧発生回路に高周波電圧が供給され高電圧整流回路により発生した数万Vの直流高電圧が電極13に印加される。ピン電極32は塗料の導電性を利用して接地されているため、ピン電極32の表面からは高電圧が印加された電極13に向かう強力な電界が発生する。これによりピン電極32の表面を伝う導電性を有する塗料の表面には電極13の高電圧の極性とは反対極性の電荷が誘起される。
また、トリガ28が引かれると霧化エア流路33に圧縮空気が供給され、この圧縮空気は霧化エア噴出孔46の内周と塗料吐出口31の外周との間の狭い隙間を通り霧化エアとして前方に噴出される。この霧化エアは、ピン電極32の表面を伝う塗料に衝突し霧吹きの原理により塗料を霧化させる。この霧化エアの噴出と同時に副パターンエア噴出孔47からも霧化エア流路33から供給される圧縮空気が副パターンエアとして噴出される。この副パターンエアもまた塗料の霧化に補助的役割を果たす。
このようにして霧化された塗料粒子は、ピン電極32の表面に接触することにより誘起された電荷を持ったまま空中に飛び出す。即ち、霧化された塗料粒子は電極13の極性とは反対極性に帯電している。
他方、パターンエア流路44,45に供給された圧縮空気は、パターンエアとして上下の角部48に設けられたパターンエア噴出孔49から斜め内側前方に向けて勢い良く噴出される。このパターンエアは霧化された塗料粒子の噴霧パターンを塗装に適した楕円形ないし小判形に形成する。なお、この噴霧パターンの形成には前記副パターンエア噴出孔49から噴出される副パターンエアも補助的役割を果たす。
塗料粒子は主としてこのパターンエアによって被塗物の近傍まで搬送される。帯電した塗料粒子が被塗物に近づくと、静電誘導により接地された被塗物の表面に塗料粒子の電荷とは反対極性の電荷が誘起される。すると、誘起された反対極性電荷との間に静電気力が働き、塗料粒子に被塗物に向かう吸引力が作用する。この吸引力とパターンエアによる吹き付け力の双方の力により塗料粒子は被塗物表面に塗着される。静電気力による吸引力が働くため、スプレーガン1に面していない被塗物の裏側にも塗料粒子は回りこみ塗着される。以上により、被塗物に対して静電塗装が行われる。
ところで、本発明者の実験によると、エアキャップ40の外周にキャップリング54を装着した本実施例のスプレーガン1を用いて静電塗装を行うと、装着していない従来のスプレーガンを用いた場合よりも、エアキャップ40の表面に対する塗料の付着量が明らかに減少した。この理由は次のように考えられる。
即ち、キャップリング54が備える導電性リング55は、リード線56、ネジ50、連結部材16aを介して塗料ホース用ジョイント17と電気的に接続されている。このため、導電性リング55と塗料ホース用ジョイント17の電位がほぼ等しくなる。塗料ホース用ジョイント17は、その内部を通過する塗料と電気的に接続されていることから、塗料吐出口31から吐出される塗料粒子と前記導電性リング55の電位もほぼ等しくなる。このように塗料粒子と導電性リング55の電位が等しくなると、塗料粒子と導電性リング55とが電気的に反発する。従って、塗料粒子は、エアキャップ40の表面に接近することなくパターンエア等の作用により被塗物近傍まで搬送されるため、エアキャップ40の表面に対する塗料の付着量を少なく抑えることができる。
このような本実施例によれば、エアキャップ40の外周に導電性リング55を取付けると共に前記導電性リング55と塗料粒子の電位が等しくなるように構成したので、エアキャップ40の表面に塗料粒子が接近し難くなり、エアキャップ40の表面に塗料粒子が付着することを極力防止できる。
また、本実施例に係るスプレーガン1は、キャップリング53及び前記キャップリング53と塗料ホース用ジョイント17(ネジ50)とを繋ぐリード線56を備える以外は、従来のスプレーガンと同じ構成を有している。従って、従来のスプレーガンをそのまま利用できるという効果がある。
図4及び図5は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1の実施例とは次の点が異なっている。即ち、この第2の実施例では、エアキャップ40の前端面のうち霧化エア噴出孔46を挟んで左右両端部に一対の角部48が設けられている。また、エアキャップ40の前端面には導電性リング61が埋設されている。前記導電性リング61は、塗料吐出口31を中心とする円環状をなしている。前記導電性リング61は、前記角部48が位置する部分においてエアキャップ40内に埋没しているものの、残りの大部分はエアキャップ40の前端面に露出している。
また、バレル2の前端部のうち取付凹部19の下部にはリード線62が埋設されている。前記リード線62は、全体の後半部がバレル2内に埋設され、残りはバレル2の前端部から前方に突出している。そして、バレル2内に埋設されたリード線63の後端部は、弁室25と塗料チューブ26とを繋ぐ連通路25aまで延びている。従って、リード線63は、連通路25a内を通過する塗料と電気的に接続される。
一方、前記リード線62の前端部は、エアキャップ40内の細孔(図示せず)に挿通されており、その先端は前記導電性リング61の後面に当接している。前記エアキャップ40をバレル2の前端面に装着する際に、前記リード線62の前端部をエアキャップ40の細孔に挿通するようになっている。このとき、リード線62の途中部は、パターンエア流路44,45に位置している。
尚、上記した以外の構成は第1の実施例と同じである。従って、第1の実施例と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
上記構成においても、静電塗装を行う際に前記導電性リング61と前記連通路25a内を通過する塗料とがリード線62を介して電気的に接続されるため、導電性リング61と塗料の電位がほぼ等しくなる。従って、塗料吐出口31から吐出され霧化された塗料粒子と導電性リング61とが電気的に反発し、前記塗料粒子がエアキャップ40の表面に付着することが極力防止される。
また、本実施例では、スプレーガン1の内部にリード線62を配設した。このため、前記リード線62に埃が付着したり、静電塗装作業の際に前記リード線62に手指が引っ掛かったりすることがない。このため、作業効率や塗装作業の品質の向上を図ることができる。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような変形が可能である。
導電性リングは、エアキャップの前端面付近であれば全体がエアキャップ内に位置していても良い。
リード線を介して導電性リングを接続する部分は、ネジや連通路に限定されない。要は、導電性リングと塗料とが電気的に接続され、両者の電位が等しくなるように構成されていれば良い。
第1の実施例では、リード線56の全体がスプレーガン1の外部に位置するように構成したが、リード線56の一部をスプレーガン1(バレル2)の内部に埋設して塗料流路に接続しても良い。また、第1の実施例においても、リード線の全体がスプレーガン1の内部に配置されていても良い。
角部は、一対に限らず、複数対設けても良い。また、エアキャップの前端面の上下部及び左右部にそれぞれ一対ずつ、が設けられていても良い。
本発明の第1の実施例を示すものであり、静電塗装用スプレーガンの全体構成を示す縦断側面図 前端部分を拡大して示す縦断側面図 前端部分の正面図 本発明の第2の実施例を示す図1相当図 図3相当図
符号の説明
図面中、1は静電塗装用スプレーガン、2はバレル、4はカスケード(高電圧発生手段)、13は電極、16aは連結部材(接続部材)、17は塗料ホース用ジョイント(接続部材)、25aは連通路(塗料供給路)、26は塗料チューブ(塗料供給路)、29は塗料ノズル、30は塗料流路、31は塗料吐出口、33は霧化エア流路、32はピン電極、40はエアキャップ、44はパターンエア流路(空間)、46は霧化エア噴出孔、50はネジ(接続部材)、55,61は導電性リング(導電性部材)、56,62はリード線(接続部材)を示す。

Claims (5)

  1. 塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用スプレーガンにおいて、
    塗料供給源に接続された塗料供給路を有するバレルと、
    前記バレルの前端部に取り付けられ前記塗料供給路に連通する塗料流路、前記塗料流路の周囲部に位置する霧化エア流路、前記塗料流露の前端部に位置する塗料吐出口を有する塗料ノズルと、
    前記塗料吐出口から吐出される塗料を帯電させるための直流高電圧を発生する高電圧発生手段と、
    前記塗料ノズルを覆うように前記バレルの前端部に取り付けられ、前記バレル及び前記塗料ノズルとの間に空間を有すると共に前記塗料吐出口が挿通され前記霧化エア流路に連通する霧化エア噴出孔を中央に有するエアキャップと、
    前記空間内に配置され、前記高電圧発生手段が発生した高電圧が供給される電極と、
    前端部が前記塗料吐出口よりも前方に突出するように前記塗料ノズルの塗料流路内に配置され接地されたピン電極と、
    前記エアキャップに設けられ前記塗料吐出口を中心とするほぼ円環状の導電性部材と、
    前記導電性部材と前記塗料供給路とを電気的に接続する接続部材とを備えてされていることを特徴とする静電塗装用スプレーガン。
  2. 導電性部材は、エアキャップの外周部に着脱可能に装着されることを特徴とする請求項1記載の静電塗装用スプレーガン。
  3. 導電性部材は、エアキャップの前端面付近に埋設されていることを特徴とする請求項1記載の静電塗装用スプレーガン。
  4. 接続部材は、塗料供給路のうち塗料流路との連通部分の近傍に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の静電塗装用スプレーガン。
  5. 接続部材は、塗料ノズルとバレルとエアキャップとの間の空間を経由して塗料供給路に接続されていることを特徴とする請求項4記載の静電塗装用スプレーガン。

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