JP2006245171A - 電子部品モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】パワー半導体素子等に適用される電子部品モジュールにおいて、低融点の半田材料を使用することなく、回路パターン上に半導体素子を搭載することを可能にすると共に、電極接合部の接合信頼性や熱信頼性等の向上を図る。
【解決手段】半導体モジュール1は、電極6、10を有する半導体素子4、5を具備する。これらの半導体素子4、5の電極6、10には、その外形より少なくとも一部がはみ出した形状を有する接合用金属板9が超音波接合されている。半導体素子4、5は金属層3を有する絶縁基板2上に搭載される。この際、絶縁基板2の金属層3は接合用金属板9のはみ出し部9aと超音波接合される。
【選択図】図1
【解決手段】半導体モジュール1は、電極6、10を有する半導体素子4、5を具備する。これらの半導体素子4、5の電極6、10には、その外形より少なくとも一部がはみ出した形状を有する接合用金属板9が超音波接合されている。半導体素子4、5は金属層3を有する絶縁基板2上に搭載される。この際、絶縁基板2の金属層3は接合用金属板9のはみ出し部9aと超音波接合される。
【選択図】図1
Description
本発明は電子部品モジュールに関する。
電力用途等に適用されるパワー半導体装置は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor - Field Effect Transistor)、ダイオード、サイリスタ等のパワー半導体素子を、熱伝導性に優れたセラミックス基板等の絶縁基板上に搭載したり、あるいは金属フレーム上に搭載してモジュール化しており、このような半導体モジュールとして実用化されている。
このようなパワー半導体モジュールの構造としては、表面に回路パターンを構成する金属層を形成した絶縁基板上にパワー半導体素子を搭載した構造が一般的である(例えば特許文献1〜2参照)。パワー半導体素子の下面側に形成された電極は、絶縁基板表面の金属層と半田等により接合される。このような接合構造によって、パワー半導体素子の電極と絶縁基板の電極や配線層等として機能する金属層(回路パターン)とを電気的に接続しつつ、パワー半導体素子を絶縁基板上に搭載している。また、パワー半導体素子の電極と配線金属との接合には、導電性樹脂や圧接を適用する場合もある。
特開2000-183249号公報
特開2004-311538号公報
上述したように、従来のパワー半導体モジュールにおいては、パワー半導体素子の電極と回路パターンとの接合に、主として半田が用いられている。半田材料は一般的に鉛を含んでおり、環境汚染等を引起すおそれがあることから、その使用が規制される方向に進んでいる。また、SiC等の半導体材料を使用したパワー半導体素子では、使用時の温度が300℃を超えるものもあり、このような場合には素子動作温度で半田接合部が溶融し、パワー半導体モジュールとしての動作特性や信頼性が損なわれるという問題が生じる。
また、鉛を実質的に含まない鉛フリーの半田材料の開発も進められているが、パワー半導体素子の動作温度に対して半田接合部の信頼性が低下するという問題は解決されていない。接合部に導電性樹脂を適用した場合には耐熱性がさらに低いことから、動作温度に対する接合部の信頼性はより一層低下することになる。一方、圧接等の接合方法はパワー半導体素子に加わる圧力により耐圧や破壊耐量の低下が生じるというような問題があり、圧力の最適化が難しい。また、モジュール構造も複雑になる。
なお、上述した鉛を含む半田材料による環境汚染の問題は、半導体モジュールに限られるものではない。例えば、チップコンデンサ等の電子部品を回路パターン上に実装する場合においても、鉛を含む半田材料を使用することなく、電極の接合を実現することが求められている。このように、電極接合部の信頼性の向上等は半導体素子に限らず、一般的なチップ部品等を含む電子部品全般について求められている課題である。
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、低融点の半田材料を使用することなく、回路パターン上に半導体素子やチップ部品等の電子部品を搭載もしくは実装することを可能にすると共に、電極接合部の接合信頼性や熱信頼性等の向上を図った電子部品モジュールを提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る電子部品モジュールは、電極を有する電子部品と、前記電子部品の外形より少なくとも一部がはみ出した形状を有し、かつ前記電極に超音波接合された接合用金属板と、前記接合用金属板の前記電子部品からはみ出した部分に接合された金属回路部を有する回路パターンとを具備することを特徴としている。
本発明の他の態様に係る電子部品モジュールは、電極を有する電子部品と、前記電子部品の電極に接合される金属回路部を有する回路パターンを備える基板とを具備し、前記基板は前記金属回路部の裏面に相当する部分に設けられた貫通孔を有し、かつ前記金属回路部は前記貫通孔を通して前記電子部品の電極に超音波接合されていることを特徴としている。
本発明の他の態様に係る電子部品モジュールは、部品本体と、前記部品本体の第1の主面に設けられた第1の電極と、前記部品本体の第1の主面と対向する第2の主面に設けられた第2の電極とを有する電子部品と、前記電子部品の第1および第2の電極にそれぞれ超音波接合された金属回路部を有する回路パターンとを具備することを特徴としている。
本発明の態様に係る電子部品モジュールによれば、低融点の半田材料を使用することなく、回路パターンの金属回路部上に半導体素子や回路部品等の電子部品を搭載することができ、その上で電極接合部の接合信頼性や熱信頼性等を高めることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、それらの図面は図解のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に限定されるものではない。
図1は本発明の電子部品モジュールを半導体モジュールに適用した第1の実施形態の構成を示す断面図である。また、図2は図1に示す半導体モジュールの要部製造工程を示す断面図である。これらの図に示す半導体モジュール1は、半導体素子搭載用基板として絶縁基板2を有している。絶縁基板2には、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si3N4)、アルミナ(Al2O3)等を主成分とするセラミックス焼結体からなる絶縁性セラミックス基板を適用することが好ましい。
このようなセラミックス焼結体からなる絶縁基板2は、耐熱性や熱伝導性等に優れることから、発熱量が大きいパワー半導体素子の搭載基板として好適である。絶縁基板2の表面には金属層3が形成されている。金属層3は素子搭載部、電極、配線層等の金属回路部として機能するものであり、金属層3全体で所望の回路パターンを構成している。金属層3には銅板等が使用され、例えばDBC(Direct Bonding Copper)法や活性金属法等を適用して絶縁基板2としてのセラミックス基板の表面に接合されている。
上記したような金属層3は、予め回路パターンに対応した形状を有する銅板等の金属板を接合したり、あるいは銅板等の金属板を接合した後にエッチング処理等を施して回路パターンを形成している。なお、本発明における回路パターンは、上述した絶縁基板2上に所望のパターンで形成された金属層3に限られるものではなく、後述するように半導体素子等の電子部品が接合搭載されると共に、所望のパターンを有する金属フレーム等であってもよい。いずれにおいても、電子部品の下面側電極と直接的に接合される金属回路部を含む回路構造を有する回路パターンであればよい。
金属層3を有する絶縁基板2上には、電子部品として半導体素子4、5が搭載されている。半導体素子4はパワーMOSFETであり、半導体素子5はダイオードである。なお、半導体素子はパワーMOSFETやダイオードに限られるものではなく、IGBTやサイリスタ等の各種のパワー半導体素子を適用することができる。さらに、本発明における電子部品は半導体素子に限られるものではなく、後述するようにコンデンサやインダクタ等の一般的な回路部品を含む電子部品全般を示すものである。このように、回路パターン上に搭載される電子部品は半導体素子や回路部品等を含むものであるが、本発明は特に素子本体の対向する第1および第2の主面(素子本体の上下面等)に形成された第1および第2電極を有する半導体素子に対して有効である。
絶縁基板2上に形成された金属層3からなる回路パターンのうち、金属回路部3-1、3-2はパワーMOSFET4用の電極であり、金属回路部3-3はダイオード5用の電極である。パワーMOSFET4は、第1の主面としての裏面(下面)に設けられたドレイン電極6と、第1の主面と対向する第2の主面としての表面(上面)に設けられたソース電極7およびゲート電極8とを有している。ここで、パワーMOSFET4の表面とは、ガードリング等の電極緩和構造を有する面を示すものである。なお、他の半導体素子においても同様である。
パワーMOSFET4の裏面側に設けられたドレイン電極6には、例えばAl板やCu板等からなる接合用金属板9が接合されている。接合用金属板9はドレイン電極6に対して超音波接合されている。すなわち、図2(a)に示すように、反転させたパワーMOSFET4のドレイン電極6上に接合用金属板9を配置し、この接合用金属板9の上から超音波接合装置の接合用ヘッド(超音波ホーン/図示せず)を押し当てることによって、接合用金属板9をドレイン電極6に超音波接合する。
ドレイン電極6と接合用金属板9との接合にあたっては、超音波接合装置の接合用ヘッドで接合部に圧力を加えながら超音波振動を伝達する。この際、接合用ヘッドや装置側の支持台から被接合材(パワーMOSFET4と接合用金属板9との積層物)を加熱処理してもよい。このような接合過程において、超音波振動(超音波エネルギー)により各接合部が塑性変形(変位)しながら、同時に互いの接触面の酸化被膜が破壊されることによって、各接合部の活性化した金属原子が互いに拡散する。その結果、接合面が合金化する等して接合部間(ここではドレイン電極6と接合用金属板9との間)が接合される。
接合用金属板9はパワーMOSFET4の外形より少なくとも一部がはみ出した形状を有している。パワーMOSFET4は、その外形からはみ出した接合用金属板9のはみ出し部9aを利用することによって、絶縁基板2上の金属回路部3-1と接合される。すなわち、図2(b)に示すように、接合用金属板9が接合されたパワーMOSFET4を絶縁基板2の金属回路部3-1上に配置し、接合用金属板9のはみ出し部9aの上から超音波接合用ヘッド(図示せず)を押し当て、この接合用ヘッドで圧力を加えながら超音波振動を印加することによって、接合用金属板9のはみ出し部9aを金属回路部3-1に超音波接合する。このようにして、パワーMOSFET4のドレイン電極6は接合用金属板9のはみ出し部9aを介して金属回路部3-1に接合されている。
また、ダイオード5は裏面(下面)側に設けられたカソード電極10と表面(上面)側に設けられたアノード電極11とを有している。ダイオード5の裏面側に設けられたカソード電極10にも接合用金属板9が接合されており、この接合用金属板9もカソード電極11に超音波接合されている。さらに、接合用金属板9はダイオード5の外形より少なくとも一部がはみ出した形状を有している。ダイオード5も接合用金属板9のはみ出し部9aを利用することによって、絶縁基板2上の金属回路部3-3と接合される。すなわち、接合用金属板9のはみ出し部9aは金属回路部3-3に超音波接合されている。このようにして、ダイオード5のカソード電極10は金属回路部3-3に接合されている。
パワーMOSFET4のゲート電極8はボンディングワイヤ12を介して金属回路部3-2と接合されている。パワーMOSFET4のソース電極7はボンディングワイヤ13を介して図示を省略した他の金属回路部と接合されている。ダイオード5のアノード電極11はボンディングワイヤ14を介して、パワーMOSFET4のドレイン電極6が接合された金属回路部3-1に接合されている。なお、ボンディングワイヤ14は接合用金属板9に接合してもよい。これら各電極もしくは金属回路部とボンディングワイヤとの接合にも、上述したような超音波接合が適用されている。すなわち、パワーMOSFET4およびダイオード5の全ての電極の接合には、超音波接合が適用されている。また図示を省略したが、パワーMOSFET4およびダイオード5は封止樹脂により封止されており、これらによって半導体モジュール(パワー半導体モジュール)1が構成されている。
上述したパワー半導体モジュール1においては、予めパワーMOSFET4のドレイン電極6やダイオード5のカソード電極10に大形状の接合用金属板9を超音波接合し、この接合用金属板9のはみ出し部9aを絶縁基板2上の金属層(回路パターン)3との接合に利用しているため、パワーMOSFET4やダイオード5等のパワー半導体素子の裏面側電極を絶縁基板2上の金属層3と容易に超音波接合することができる。従って、耐熱性に劣る半田材料等を使用することなく、パワーMOSFET4やダイオード5等を絶縁基板2上の金属層3に接合搭載することが可能となる。
このことは鉛を含む半田材料による環境汚染の問題を回避することが可能となるだけでなく、超音波接合は金属間接合であるため、接合部の接合信頼性(導通性等)のみならず、熱信頼性等を高めることができる。これによって、パワーMOSFET4やダイオード5等の動作温度、例えばSiCやGaN等の半導体材料を用いた半導体素子の動作温度が300℃を超えるような場合においても、接合部の信頼性を保つことが可能となる。この実施形態の半導体モジュール1によれば、低融点の半田材料を使用することなく、絶縁基板2上にパワーMOSFET4やダイオード5等を搭載することができ、その上で電極接合部の接合信頼性や熱信頼性等を高めることが可能となる。
ところで、図1や図2に示したように、接合用金属板9はそのはみ出し部9aのみが金属層3に接合される。従って、絶縁基板2上の金属層3は接合用金属板9のはみ出し部9aと同形状にパターニングされたものであってもよい。図3に示す半導体モジュール1は、接合用金属板9のはみ出し部9aに相当するパターン形状、例えば枠状や対向形状等を有する金属層3を適用したものである。一方、接合用金属板9はパターン化した金属層3の空洞部分を埋めるように凸部9bを有しており、この凸部9bを金属層3内に嵌め込むようにして配置される。接合用金属板9と金属層3との接合は図1と同様であり、接合用金属板9のはみ出し部9aを金属層3に超音波接合する。
図3に示したように、絶縁基板2の金属層3はパターン形状を有するものであってもよく、この場合にも低融点の半田材料を使用することなく、絶縁基板2上にパワーMOSFET4やダイオード5等を搭載し、その上で電極接合部の接合信頼性や熱信頼性等を高めた半導体モジュール1を提供することができる。さらに、接合用金属板9に凸部9bを設けることによって、接合用金属板9の横方向(面方向)の電流に対する抵抗を低減することができる。すなわち、パワーMOSFET4やダイオード5等の裏面側電極から接合用金属板9を介して金属層3に流れる電流に対して、接合用金属板9を低抵抗化することが可能となる。これはモジュール内部の抵抗が低減されることを意味し、電力用途等に適用されるパワー半導体モジュール1の効率向上等に寄与する。
また、接合用金属板9のはみ出し部9aと金属層3との接合は超音波接合に限らず、例えば図4に示すようにネジ15等を使用して機械的に接続してもよい。また場合によっては、導電性接着剤を使用して接合用金属板9のはみ出し部9aと金属層3とを接合することもできる。なお、これらの接合方法は図1に示したモジュール構造に対しても適用可能である。ただし、電極接合部の接合信頼性や熱信頼性等を考慮して、接合用金属板9のはみ出し部9aと金属層3との接合には超音波接合を適用することが望ましい。
次に、本発明の電子部品モジュールを半導体モジュールに適用した第2の実施形態について、図5ないし図7を参照して説明する。図5ないし図7は本発明の第2の実施形態による半導体モジュールの構造を示す断面図である。なお、これらの図ではパワーMOSFET4を例として半導体モジュールの構造を示すが、図1に示したようにダイオード5であっても、同様なモジュール構造を適用することが可能である。
図5に示す半導体モジュール20は、第1の実施形態と同様に、金属層3で所望の回路パターンを形成した絶縁基板2を具備している。絶縁基板2や金属層3の具体的な構成は、第1の実施形態と同様とすることが好ましい。ただし、この第2の実施形態で用いる絶縁基板2は、金属層3の裏面に相当する部分に貫通孔21が設けられている。すなわち、金属層3の裏面は貫通孔21内に露出しており、この貫通孔21を通して超音波接合を実施することが可能とされている。パワーMOSFET4はドレイン電極6が金属層3と接触するように配置された後、ドレイン電極6と金属層3とが貫通孔21を通して超音波接合されている。
このようなモジュール構造によっても、耐熱性に劣る半田材料等を使用することなく、パワーMOSFET4等を絶縁基板2上の金属層3に接合搭載することができる。従って、鉛を含む半田材料による環境汚染の問題を回避した上で、接合部の接合信頼性(導通性等)や熱信頼性等を高めることが可能となる。なお、絶縁基板2に設けた貫通孔21は、図6に示すように、パワーMOSFET4等の接合工程を実施した後に、絶縁材料22で埋めることによって、半導体モジュール20としての機械的強度の低下等を抑制することができる。また、貫通孔21は絶縁基板2の機械的強度の低下を抑制するために、例えば図7に示すように複数箇所に分割して形成するようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態による電子部品モジュールについて、図8を参照して説明する。図8は本発明の第3の実施形態による電子部品モジュールの構造を示す断面図である。図8に示す電子部品モジュール30は、表面に配線層等として機能する金属層31を所望の回路パターンとなるように形成した絶縁基板32を有している。この金属層31を有する絶縁基板32としては、一般的なプリント配線基板等を使用することができる。
金属層31を有する絶縁基板32上には、例えば電子部品として面実装型のコンデンサ、抵抗、インダクタ、トランス等の回路部品33が実装されている。回路部品33は電極34を有しており、この電極34には例えばAl板やCu板等からなる接合用金属板35が超音波接合されている。接合用金属板35は回路部品33の外形より少なくとも一部がはみ出した形状を有している。回路部品33はその外形からはみ出した接合用金属板35のはみ出し部35aを利用して、絶縁基板32上の金属層31と超音波接合されている。接合用金属板35ははみ出し部35aのみが金属層31に対して接合されている。
このような電子部品モジュール30においては、予め回路部品33の電極34に大形状の接合用金属板35を接合し、この接合用金属板35のはみ出し部35aを利用して絶縁基板32上の金属層31と接合しているため、回路部品33の電極34を絶縁基板32上の金属層31と超音波接合を適用して容易に接合することができる。従って、耐熱性に劣る半田材料等を使用することなく、回路部品33を金属層31で形成した回路パターンに対して実装することが可能となる。
次に、本発明の第4の実施形態による電子部品モジュールについて、図9を参照して説明する。図9は本発明の第4の実施形態による電子部品モジュールの構造を示す断面図である。図9に示す電子部品モジュール40は、第3の実施形態と同様に、金属層31を有する絶縁基板32を具備している。これらの構成は第3の実施形態と同様とすることが好ましい。ただし、この第4の実施形態で用いる絶縁基板32は、金属層31の裏面に相当する部分に貫通孔41が設けられている。
すなわち、金属層31の裏面は貫通孔41内に露出しており、この貫通孔41を通して超音波接合等を実施することが可能とされている。回路部品33は電極34が金属層31と接触するように配置された後、電極34と金属層31とが貫通孔41を通して超音波接合されている。このように、絶縁基板32に形成した貫通孔41を利用することで、回路部品33の電極34と金属層31とが超音波接合されており、これによって回路部品33の回路基板等に対する実装構造が実現されている。
このような電子部品モジュール40によっても、耐熱性に劣る半田材料等を使用することなく、回路部品33を金属層31で回路パターンを形成した絶縁基板32上に超音波接合を適用して容易に実装することができる。なお、貫通孔41は回路部品33の接合工程を実施した後に絶縁材料で埋めることによって、電子部品モジュール40としての機械的強度の低下等を抑制することができる。
次に、本発明の電子部品モジュールを半導体モジュールに適用した第5の実施形態について、図10および図11を参照して説明する。図10は第5の実施形態による半導体モジュールの構成を示す断面図である。また、図11は図10に示す半導体モジュールの要部製造工程を示す断面図である。なお、これらの図ではダイオード5を例として半導体モジュールの構造を示すが、図1に示したパワーMOSFET4や他の半導体素子であっても、同様なモジュール構造を適用することが可能である。
図10に示す半導体モジュール50は、第1の実施形態と同様に、金属層3で所望の回路パターンを形成した絶縁基板2を具備している。絶縁基板2や金属層3の具体的な構成は、第1の実施形態と同様とすることが好ましい。絶縁基板2上に形成された金属層3からなる回路パターンのうち、金属回路部3-1はダイオード5の第1の主面としての裏面(下面)に設けられたカソード電極10と接合されている。ダイオード5の第1の主面と対向する第2の主面としての表面(上面)に設けられたアノード電極11は、ボンディングワイヤ12を介して金属回路部3-2と接合されている。
ダイオード5のカソード電極10と金属回路部3-1とは、図11(a)に示すように、ダイオード5を金属回路部3-1上に配置した後、ダイオード5の上から超音波接合装置の接合用ヘッド(図中矢印Aで示す)で圧力を加えながら超音波振動を伝達することにより接合される。この際、接合用ヘッドや装置側の支持台から被接合材を加熱してもよい。このような接合過程において、ダイオード5全体を印加した超音波で振動(図中矢印Bで示す)させつつ、ダイオード5の上から圧力を加える。これらによって、各接合部の活性化した金属原子が互いに拡散し、その結果として接合面が合金化する等してカソード電極10と金属回路部3-1とが接合される。
次に、図11(b)に示すように、ダイオード5のアノード電極11にボンディングワイヤ12の一端を接合し、さらにボンディングワイヤ12の他端を金属回路部3-2に接合する。ボンディングワイヤ12とダイオード5のアノード電極11および金属回路部3-2との接合にも、上述したような超音波接合が適用される。すなわち、ダイオード5の全ての電極10、11の接合には、超音波接合が適用されている。また図示を省略したが、ダイオード5は封止樹脂により封止されており、これらによって半導体モジュール(パワー半導体モジュール)50が構成されている。
上述したパワー半導体モジュール50においては、ダイオード5のカソード電極10およびアノード電極11と金属層3による回路パターンとの接合に超音波接合を適用している。従って、耐熱性に劣る半田材料等を使用することなく、絶縁基板2上にダイオード5等を搭載することができ、その上で電極接合部の接合信頼性や熱信頼性等を高めることが可能となる。カソード電極10と金属回路部3-1とを接合するにあたって、例えば図12に示すようにカソード電極10の接合面に凹凸を形成したり、また図13に示すように金属回路部3-1の接合面に凹凸を形成することが有効である。接合面に形成する凹凸の大きさは50μm以上とすることが好ましい。これら接合面の凹凸は接合面積の減少をもたらすため、接合強度の向上等を図ることができる。
次に、本発明の電子部品モジュールを半導体モジュールに適用した第6の実施形態について、図14および図15を参照して説明する。図14は第6の実施形態による半導体モジュールの構成を示す正面図、図15はその断面図である。なお、これらの図ではダイオード5を例として半導体モジュールの構造を示したが、図1に示したパワーMOSFET4や他の半導体素子であっても、同様なモジュール構造を適用することが可能である。
図14および図15に示す半導体モジュール60は、所望の回路パターンを有する金属フレーム61を具備している。金属フレーム61上にはダイオード5が配置されており、このダイオード5の裏面(下面)に設けられたカソード電極10は金属フレーム61の金属回路部62と超音波接合されている。カソード電極10と金属フレーム61とは、前述した第5の実施形態と同様な超音波接合を適用して接合されている。また、ダイオード5の表面(上面)に設けられたアノード電極11は、図示を省略したボンディングワイヤを介して金属フレーム61の他の金属回路部(図示せず)と接合されている。ボンディングワイヤの接合にも超音波接合が適用される。
このように、回路パターンとして金属フレーム61等を用いた場合においても、耐熱性に劣る半田材料等を使用することなく、金属フレーム61上にダイオード5等の半導体素子を接合搭載することができ、その上で電極接合部の接合信頼性や熱信頼性等を高めることが可能となる。ここで、金属フレーム61は一般的な金属材料からなるものであってもよいが、例えばダイオード5等の半導体素子が接合搭載される金属回路部62の少なくとも一部を超音波接合に適した金属材料62aで形成することが好ましい。これによって、半導体素子の電極と金属フレーム61との接合信頼性等を高めることができる。
1,20,50,60…半導体モジュール、2,32…絶縁基板、3,31…金属層、3-1,3-2,3-3,62…金属回路部、4…MOSFET、5…ダイオード、6…ドレイン電極、7…ソース電極、8…ゲート電極、9,35…接合用金属板、9a,35a…はみ出し部、10…カソード電極、11…アノード電極、21,41…貫通孔、33…回路部品、34…電極、61…金属フレーム。
Claims (5)
- 電極を有する電子部品と、
前記電子部品の外形より少なくとも一部がはみ出した形状を有し、かつ前記電極に超音波接合された接合用金属板と、
前記接合用金属板の前記電子部品からはみ出した部分に接合された金属回路部を有する回路パターンと
を具備することを特徴とする電子部品モジュール。 - 請求項1記載の電子部品モジュールにおいて、
前記接合用金属板は前記電子部品からはみ出した部分が前記金属回路部に超音波接合されていることを特徴とする電子部品モジュール。 - 電極を有する電子部品と、
前記電子部品の電極に接合される金属回路部を有する回路パターンを備える基板とを具備し、
前記基板は前記金属回路部の裏面に相当する部分に設けられた貫通孔を有し、かつ前記金属回路部は前記貫通孔を通して前記電子部品の電極に超音波接合されていることを特徴とする電子部品モジュール。 - 部品本体と、前記部品本体の第1の主面に設けられた第1の電極と、前記部品本体の第1の主面と対向する第2の主面に設けられた第2の電極とを有する電子部品と、
前記電子部品の第1および第2の電極にそれぞれ超音波接合された金属回路部を有する回路パターンと
を具備することを特徴とする電子部品モジュール。 - 請求項4記載の電子部品モジュールにおいて、
前記電子部品の電極および前記回路パターンの金属回路部の少なくとも一方の接合面に凹凸が形成されていることを特徴とする電子部品モジュール。
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JP2005057053A JP2006245171A (ja) | 2005-03-02 | 2005-03-02 | 電子部品モジュール |
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-
2005
- 2005-03-02 JP JP2005057053A patent/JP2006245171A/ja not_active Withdrawn
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