JP2006244936A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蛍光体上での電子束の電子密度を大として表示画像の輝度向上、精細度向上を実現した画像表示装置を提供する。
【解決手段】 電子源ELSを、下部電極dの上に積層されて電子束を放出する電子放出領域となるトンネル絶縁層INS3と、走査信号配線sに接続してトンネル絶縁層INS3を含む絶縁層INS1を被覆する上部電極AEDとから構成し、電子放出領域を含む電子源ELSのそれぞれの前面パネルと対面する面に、当該前面パネル方向に向かって電子束の断面を縮小する凹面形状部を有するものとした。
【選択図】 図1
【解決手段】 電子源ELSを、下部電極dの上に積層されて電子束を放出する電子放出領域となるトンネル絶縁層INS3と、走査信号配線sに接続してトンネル絶縁層INS3を含む絶縁層INS1を被覆する上部電極AEDとから構成し、電子放出領域を含む電子源ELSのそれぞれの前面パネルと対面する面に、当該前面パネル方向に向かって電子束の断面を縮小する凹面形状部を有するものとした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自発光型フラットパネル型画像表示装置に関し、特に絶縁基板の主面に薄膜型電子源をマトリクス状に配列した背面パネルで構成した画像表示装置に好適なものである。
マトリクス状に二次元配置した電子源を有する自発光型パネル(フラットパネルディスプレイ)の一つとして、微少で集積可能な冷陰極を利用する電界放出型パネルを用いたもの(FED:Field Emission Display) が知られている。このFEDを構成する冷陰極には、スピント型、表面伝導型、カーボンナノチューブ型、金属‐絶縁体‐金属を積層したMIM(Metal-Insulator-Metal)型、金属‐絶縁体‐半導体を積層したMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型、あるいは金属‐絶縁体‐半導体‐金属型等の薄膜型電子源などが知られている。
MIM型電子源については、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。また、金属‐絶縁体‐半導体型電子源については非特許文献1で報告されたMOS型、金属‐絶縁体‐半導体‐金属型電子源に関しては、非特許文献2などで報告されたHEED型電子源、非特許文献3などで報告されたEL型電子源、非特許文献4などで報告されたポーラスシリコン型電子源などが知られている。このような電子源を備えたパネルに駆動回路等を組み合わせて画像表示装置が構成される。
図11は、MIM型電子源を用いた画像表示装置を構成するパネルの1画素の表示原理を説明する図である。このパネルは背面パネルPNL1と前面パネルPNL2を図示しない封止枠で貼り合せ、内部空間を真空状態に保持される。背面パネルPNL1は、例えばガラス基板などの背面基板SUB1の主面(図16の内側表面)にアルミニウムAL膜を好適とする電子源の下部電極を構成する画像信号配線(所謂、データ線)d、下部電極のアルミニウムを陽極酸化した陽極酸化膜からなる第1の絶縁膜INS1、チッ化シリコン膜SiNを好適とする第2の絶縁膜INS2、給電電極(接続電極)ELC、アルミニウムAlを好適とする走査信号配線s、走査信号配線sに接続した画素の電子源を構成する上部電極AEDが形成されている。
電子源は、画像信号配線dを下部電極とし、下部電極の上に位置する第1の絶縁膜INS1の一部を形成する薄膜部分INS3、前記薄膜部分INS3の上層に積層する上部電極AEDの部分とで構成される。上部電極AEDは、走査信号配線sと給電電極ELCの一部とを覆って形成されている。薄膜部分INS3は、所謂トンネル膜である。この構成で、所謂ダイオード電子源が形成される。
一方、前面パネルPNL2は、透明なガラス基板を好適とする前面基板SUB2の主面に遮光膜(ブラックマトリクス)BMで隣接画素と区画された蛍光体PH、アルミニウム蒸着膜を好適とする陽極ADが形成されている。
背面パネルPNL1と前面パネルPNL2の間の間隔は3ないし5mm前後であり、この間隔を隔壁とも称するスペーサSPCで維持している。背面基板SUB1と前面基板SUB2の板厚は、例えば2.8mm、スペーサSPCの高さは例えば3mm程度である。図11では、分かり易くするために各構成層の厚みを強調して示してあるが、走査信号配線の膜厚は例えば3μmである。
この様な構成において、背面パネルPNL1の上部電極AEDと前面パネルPNL2の陽極ADの間に加速電圧(2、3kV乃至10kV程度、図16では約5kV)を印加すると、下部電極である画像信号配線dに供給される表示データの大きさに応じた電子e-が出射し、加速電圧によって蛍光体PHに射突し、これを励起して所定周波数の光Lを前面パネルPNL2の外部に出射する。なお、フルカラー表示の場合は、この単位画素はカラーの副画素(サブピクセル)であり、通常は赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素で1カラー画素を構成する。
図12は、フルカラーの画像表示装置を構成するパネルの全体構成例を説明する展開斜視図である。背面パネルPNL1には、第1の基板である背面基板SUB1の主面に、一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設されて前記他方向に走査信号が順次印加される複数の走査信号配線sと、他方向に延在し走査信号配線sに交差する如く前記一方向に並設された複数の画像信号配線dと、走査信号配線sと画像信号配線dの各交差部に設けた前記の電子源ELSを有する。そして、前面パネルPNL2には、第2の基板である前面基板SUB2の主面に遮光膜(ブラックマトリクス)BMで互いに区画された3色(赤(R)、緑(G)、青(B))の3つの副画素(サブピクセル)PHと、陽極(アノード)ADが形成されている。この構成例では、背面パネルPNL1の走査信号配線sの上に、当該走査信号配線sに沿ってスペーサSPCを設置して両パネルを所定の間隔で図示しない封止枠により封止している。
図13は、図12で説明した背面パネルPNL1に有する電子源の平面図であり、ここでは図12の3つの副画素に対応する3個の電子源を示す。また、図14は、図13のA−A線に沿った断面図である。図13において、図の上下方向に敷設された画像信号配線d1、d2、d3、・・に交差する如く、走査信号配線s1、s2、・・が形成されている。電子源ELSは、図14に示したように、画像信号配線d(d1、d2、d3、・・)を下部電極とし、走査信号配線s(s1、s2、・・)から接続電極ELCを通して接続される上部電極AEDとし、第1の絶縁膜INS1の薄膜部分INS3を上記下部電極と上部電極で挟んだ構造となっている。
この電子源ELSは、第2の絶縁膜INS1が薄膜部分INS3を露呈する開口の境界を電子が放出される電子源開口EMAとし、この電子源開口EMAよりも内側に上記薄膜部分INS3が電子放出領域EMTとして形成されている。電子放出領域EMTの外形(平面の輪郭)は矩形となっている。図13には、画像信号配線の延在方向での電子源開口EMAの大きさをD1、電子放出領域EMTの大きさをD2で示してある。電子放出領域EMTを含む画像信号配線dと走査信号配線sの交差領域を電子放出領域とする。
また、画像表示装置の電子源に凹形状を設けたものとして、特許文献3がある。しかし、特許文献3に開示された画像表示装置はゲートでを備えて、カソードからの電子束を集束する方式である。
特開平7−65710号公報
特開平10−153979号公報
特開2002−16915号公報
J. Vac. Sci. Techonol. B11 (2) p.429-432 (1993)
high-efficiency-electro-emission device 、Jpn.J.Appl. Phys. 、vol36 、pL939
Electroluminescence 、応用物理 第63巻、第6号、592頁
応用物理 第66巻、第5号、437頁
背面基板上に形成されたMIM電子源は、図14に示されたように電子放出領域の平面が平坦である。図11で説明したように、背面パネルPNL1と前面パネルPNL2は図示しない封止枠で貼り合せ、内部空間を真空状態に保持される。背面パネルPNL1は、例えばガラス基板などの背面基板SUB1の主面(基板の内側表面)にアルミニウムAL膜を好適とする電子源の下部電極を構成する画像信号配線(所謂、データ線)d、下部電極のアルミニウムを陽極酸化した陽極酸化膜からなる第1の絶縁膜INS1、チッ化シリコン膜SiNを好適とする第2の絶縁膜INS2、接続電極ELC、アルミニウムAlを好適とする走査信号配線s、走査信号配線sに接続した画素の電子源を構成する上部電極AEDが形成されている。
電子源は、画像信号配線dを下部電極とし、下部電極の上に位置する第1の絶縁膜INS1の一部を形成する薄膜部分INS3、前記薄膜部分INS3の上層に積層する上部電極AEDの部分とで構成される。上部電極AEDは、走査信号配線sと給電電極ELCの一部とを覆って形成されている。薄膜部分INS3は、所謂トンネル膜である。この構成で、所謂ダイオード電子源が形成される。
一方、前面パネルPNL2は、透明なガラス基板を好適とする前面基板SUB2の主面に遮光膜(ブラックマトリクス)BMで隣接画素と区画された蛍光体PH、アルミニウム蒸着膜を好適とする陽極(アノード)ADが形成されている。
背面パネルPNL1と前面パネルPNL2の間の間隔は3ないし5mm前後であり、この間隔を隔壁とも称するスペーサSPCで維持している。背面基板SUB1と前面基板SUB2の板厚は、例えば2.8mm、スペーサSPCの高さは例えば3mm程度である。図15では、分かり易くするために各構成層の厚みを強調して示してあるが、走査信号配線の膜厚は例えば3μmである。
この様な構成において、背面パネルPNL1の上部電極AEDと前面パネルPNL2の陽極ADの間に加速電圧(2、3kV乃至10kV程度、図11では約5kV)を印加すると、電子源では下部電極である画像信号配線dに供給される表示データの大きさに応じた電子e-が出射し、加速電圧によって蛍光体PHに射突し、これを励起して所定周波数の光Lを前面パネルPNL2の外部に出射する。なお、フルカラー表示の場合は、この単位画素はカラーの副画素(サブピクセル)であり、通常は赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素で1カラー画素(カラーピクセル)を構成する。
電子源の面(前面基板の内面に平行な面)が平坦であるために、出射した電子束e-は陽極ADに向かって発散するごとく当該前面基板方向に飛翔する。そのため、電子束e-の一部は蛍光体PHの励起に寄与しなくなり、隣接する副画素にはみ出て混色を招いたり、また表示画像の輝度向上、精細度向上を制限する原因の一つとなっている。
本発明の目的は、MIM電子源を構成する電子放出領域の平面形状を電子束の断面サイズがアノード上(蛍光体上)で縮小する自己集束する形状として、蛍光体上での電子束の電子密度を大として表示画像の輝度向上、精細度向上を実現した画像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の絶縁基板の主面に二次元に配列された多数の電子源を有する背面パネルと、第2の絶縁基板の主面に前記電子源のそれぞれに対応した蛍光体と前記電子源から放射される電子束を加速して前記蛍光体に射突させる陽極を有する前面パネル、および前記背面パネルと前記前面パネルの周縁に介在して当該背面パネルと前面パネルが所定間隔で対向して形成する内部空間を所定の真空状態に封止する封止枠とを備えた表示パネルで構成した画像表示装置に、下記の新規な構成を具備させた。
(1)前記背面パネルには、一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設されて前記他方向に走査信号が順次印加される複数の走査信号配線と、
前記他方向に延在し前記走査信号配線に交差する如く前記一方向に並設された複数の画像信号配線と、
前記走査信号配線と前記画像信号配線の各交差部に設けられた前記電子源と、
前記走査信号配線に接続して前記電子源に電流を供給する給電電極とを形成した背面基板を有し、
前記電子源は、下部電極となる前記画像信号配線の上に積層されて、電子束を放出する電子放出領域となる薄膜部分を一部に有して電子源開口を形成する絶縁膜と、前記走査信号配線に接続して前記薄膜部分を含む前記絶縁膜を被覆する上部電極とから構成され、
前記電子放出領域を含む電子源のそれぞれの前記前面パネルと対面する面に、当該前面パネル方向に向かって電子束の断面を縮小する凹面形状部を有するものとした。前記凹面形状部は、前記電子放出領域のみに有するものとすることもできるが、所謂カソード領域(画像信号配線と走査信号配線の交差部)を含んだ電子放出領域よりも広い領域に形成することもできる。また、例えば、画像信号配線に沿って樋状に凹面形状部を有するものとすることもできる。
前記他方向に延在し前記走査信号配線に交差する如く前記一方向に並設された複数の画像信号配線と、
前記走査信号配線と前記画像信号配線の各交差部に設けられた前記電子源と、
前記走査信号配線に接続して前記電子源に電流を供給する給電電極とを形成した背面基板を有し、
前記電子源は、下部電極となる前記画像信号配線の上に積層されて、電子束を放出する電子放出領域となる薄膜部分を一部に有して電子源開口を形成する絶縁膜と、前記走査信号配線に接続して前記薄膜部分を含む前記絶縁膜を被覆する上部電極とから構成され、
前記電子放出領域を含む電子源のそれぞれの前記前面パネルと対面する面に、当該前面パネル方向に向かって電子束の断面を縮小する凹面形状部を有するものとした。前記凹面形状部は、前記電子放出領域のみに有するものとすることもできるが、所謂カソード領域(画像信号配線と走査信号配線の交差部)を含んだ電子放出領域よりも広い領域に形成することもできる。また、例えば、画像信号配線に沿って樋状に凹面形状部を有するものとすることもできる。
(2)前記電子束の断面を縮小する縮小率mは、前記電子放出領域の前記前面パネルに平行な方向の寸法をK、前記陽極上に射突する前記電子束の前記前面パネルに平行な方向の寸法をAとしたとき、m=A/Kであり、
前記凹面形状部の曲率半径をR、前記凹面形状部の底部と前記陽極との間の間隔をLとしたとき、m=(R−L)/Rであり、
前記縮小率mを、0.1乃至0.8、好ましくは0.2乃至0.6、さらに好ましくは0.3乃至0.5とすることができる。
前記凹面形状部の曲率半径をR、前記凹面形状部の底部と前記陽極との間の間隔をLとしたとき、m=(R−L)/Rであり、
前記縮小率mを、0.1乃至0.8、好ましくは0.2乃至0.6、さらに好ましくは0.3乃至0.5とすることができる。
(3)前記凹面形状部の曲率半径Rを、1mm乃至10mm、好ましくは2mm乃至5mm、さらに好ましくは3mm乃至4mmとすることができる。
前記凹面形状部を、前記電子放出領域の二方向に、または一方向の何れかに湾曲させたものとすることができる。
前記凹面形状部を、前記画像信号配線の各交差部における前記第1の絶縁基板に形成された凹面形状に当該画像信号配線の上面に有する前記絶縁膜および前記上部電極の成膜形状で形成することができる。
前記凹面形状部を、前記画像信号配線の各交差部における当該画像信号配線の上面に有する前記絶縁膜の成膜形状で形成され、前記上部電極は前記絶縁膜の成膜形状に倣った凹面形状を有するものとすることができる。
そして、前記凹面形状部の凹面の曲面形状を、円、楕円、双曲線、2次関数の何れか、またはそれらの2以上の組み合わせとすることができる。
本発明は、上記の構成および後述する実施例に示す構成に限るものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明の構成とした電子源を具備させることにより、電子束の拡がりで隣接副画素を励起して混色を引き起こすことがなく、画素ピッチを狭めて高精細、高輝度の画像表示を実現した画像表示装置を得ることができる。
以下、本発明を実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による画像表示装置の実施例1を説明する図14と同様の背面パネルの要部断面図である。この背面パネルはガラス基板SUB1の主面にデータ線d、第1の絶縁層INS1、第2の絶縁層INS2、コンタクト電極ELC、走査線s、上部電極AEDが積層されている。そして、データ線dはアルミニウムALまたはアルミニウム合金(例えば、アルミニウムとネオジムNdの合金AL―Nd)の一部に陽極酸化膜のトンネル絶縁膜INS3を有する。下部電極であるデータ線dとトンネル絶縁膜INS3、およびこのトンネル絶縁膜INS3上を覆って成膜された上部電極AEDとで薄膜電子源が形成される。電子放出領域ELS(図13参照)を含む画像信号配線dと走査信号配線sの交差領域が電子放出領域ELSである。
実施例1ではデータ線dの上に陽極酸化で成膜されるトンネル絶縁膜INS3が前面パネルの面に対向する面が凹形状となっている。なお、図1に丸で囲んだ部分は、走査線sの下部に位置する接続電極ELCを走査線sの下端縁から後退させることで、上部電極AEDの成膜時に自己整合的に隣接する走査線と電気的に分離されたことを示す。
図2は、実施例1の構成を幾何学的に説明する図である。図2において、電子束e―は電子出射面に対して垂直方向に出射する。したがって、凹形状のカソード面(電子源、電子放出領域ELS)からはアノードADの面に向かって自己集束的に出射する。そのため、カソード面の凹形状の湾曲による仮想的な焦点位置がアノードADを超えた位置にあれば、アノードADの面にはカソード面での電子束の断面が縮小されて射突する。
この電子束の断面を縮小する縮小率mは、前記電子放出領域の前記前面パネルに平行な方向の寸法をK、前記陽極上に射突する前記電子束の前記前面パネルに平行な方向の寸法をAとしたとき、m=A/Kであり、カソード面の凹面形状部の曲率半径をR、前記凹面形状部の底部と前記陽極との間の間隔をLとしたとき、m=(R−L)/Rとなる。
図3は、実施例1の凹形状に湾曲したカソード面から出射する電子束のアノードADでの断面の縮小と相対輝度を従来の平坦なカソード面から出射する電子束のアノードADでの相対輝度を対比して説明する図である。なお、図3は縮小率mを0.5とした場合を示す。平坦なカソード面の場合は縮小率mは1である。この縮小率mは、0.1乃至0.8、好ましくは0.2乃至0.6、さらに好ましくは0.3乃至0.5とすることで、アノードADでの蛍光体の輝度が向上する。これに対し、従来の平坦なカソード面から出射する電子束のアノードADでの縮小は無く、その相対輝度は変化しない。
また、カソード面の凹面形状部の曲率半径Rは、1mm乃至10mm、好ましくは2mm乃至5mm、さらに好ましくは3mm乃至4mmとすることができる。
図4は、実施例1の効果を説明する図11と同様の背面基板から前面基板への電子束の指向状態を説明する模式図である。参照符号は図15と同様である。実施例1では、凹形状のカソード面(電子源、電子放出領域ELS)からはアノードADの面に向かって電子束e―が自己集束的に出射する。出射した電子束e―の断面はアノードADの面では縮小されるため、蛍光体を励起する効率が向上する。その結果、画素(サブピクセル)のピッチを狭くして高精細化が可能となり、また蛍光体を励起する電子束の密度が高くなって輝度が向上する。
図5は、実施例2の背面基板の構成を説明する模式図である。実施例1では、下部電極であるデータ電極の上面形状に凹形状を付与し、この凹形状に倣ったトンネル絶縁層、上部電極を成膜した。実施例2では、背面基板のガラス面にサブピクセル毎の凹部DT1を形成し、この凹部DT1に倣って下部電極、トンネル絶縁層、上部電極を成膜する。なお、下部電極にサブピクセル毎の凹部DT1を形成してもよい。
図6は、実施例3の背面基板の構成を説明する模式図である。実施例3では、背面基板のガラス面にサブピクセルの列毎の溝状に延びる凹部DT2を形成し、この凹部DT1に倣って下部電極、トンネル絶縁層、上部電極を成膜する。なお、下部電極にサブピクセルの列毎の凹部DT2を形成してもよい。
図7は、実施例4の電子源を説明する模式図である。この電子源ELS―Sは基板上の平面にギャップGを持って対向する一対の薄膜電極E1、E2を有する、所謂SEDと称する電子源である。なお、詳しい構造は省略した。この形式の電子源に前記図6と導電型応用の凹部DT3を形成することで図4で説明したものと同様の効果を得ることができる。
図8は、本発明の画像表示装置の等価回路例を説明する図である。図8中に破線で示した領域は表示領域ARであり、この表示領域ARに画像信号配線d(d1,d2,d3,d4,d5,d6,d7・・・dn)と走査信号配線s(s1,s2,s3,s4,・・・sm)が互いに交差して配置されてn×mのマトリクスが形成されている。マトリクスの各交差部は副画素を構成し、図中の3つの副画素R,G,Bの1グループでカラー1画素を構成する。なお、電子源の構成は図示を省いた。画像信号配線dは画像信号線駆動回路DDRに接続され、走査信号配線sは走査信号線駆動回路SDRに接続されている。画像信号線駆動回路DDRには外部信号源から画像信号dsが入力され、走査信号線駆動回路SDRには同様に走査信号ssが入力される。
これにより、順次選択される走査信号配線sに接続する副画素に画像信号配線dから画像信号を供給することにより、二次元のフルカラー画像を表示することができる。本構成例の画像表示装置により、比較的低電圧で高効率のフラットパネル型の表示装置が実現される。
図9は、本発明の画像表示装置を構成するパネルの全体の構造を示す斜視図、図10は図9のy方向に沿った断面図を示す。背面パネルPNL1は前記したように、背面基板SUB1の内面に、画像信号配線d1,d2,d3,・・・・・dnと、走査信号配線s1,s2,s3,・・・smのマトリクスで構成された電子源構造を有する。一方、前面パネルPNL2としては、前面基板SUB2として透明ガラス基板を用い、その内面に陽極ADと蛍光体層PHが成膜されている。陽極ADはアルミニウム層を用いた。
この前面パネルPNL2と背面パネルPNL1とを対向させ、対向間を所定の間隔を保つために、例えば幅約80μm,高さ約2.5mmのリブ状のスペーサSPC(図9、図10には図示せず。図11参照)を走査信号配線の上、かつ走査信号配線の延在方向に沿って 介在させて固定した。この際、両パネルの周辺部にはガラスからなる封止枠MFLを設置し、両パネルに挟まれた内部空間が外部と隔絶された構造となるように図示しないフリットガラスを用いて固定した。
フリットガラスを用いたスペーサの固着の際には、約400℃での加熱を行なった。その後、装置内部を約1μPaまで排気管EXCを通して排気した後に封じ切った。動作の際には、前面パネルPNL2上の陽極ADに約5kVの電圧を印加した。
PNL1・・・背面パネル、PNL2・・・前面パネル、SUB1・・・背面基板、SUB2・・・前面基板、s(s1,s2,・・・sm)・・・走査信号配線、d(d1,d2,d3,・・・)・・・画像信号配線(データ線)、INS1・・・第1の絶縁膜、INS2・・・第2の絶縁膜、INS3・・・第3の絶縁膜(トンネル絶縁層)、ELS・・・電子源、ELC・・・接続電極、AD・・・陽極、BM・・・ブラックマトリクス、PH(PH(R),PH(G),PH(B))・・・蛍光体、SDR・・・走査信号線駆動回路、DDR・・・画像信号線駆動回路、SPC・・・スペーサ。
Claims (9)
- 第1の絶縁基板の主面に二次元に配列された多数の電子源を有する背面パネルと、第2の絶縁基板の主面に前記電子源のそれぞれに対応した蛍光体と前記電子源から放射される電子束を加速して前記蛍光体に射突させる陽極を有する前面パネル、および前記背面パネルと前記前面パネルの周縁に介在して当該背面パネルと前面パネルが所定間隔で対向して形成する内部空間を所定の真空状態に封止する封止枠とを備えた表示パネルで構成した画像表示装置であって、
前記背面パネルは、一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設されて前記他方向に走査信号が順次印加される複数の走査信号配線と、
前記他方向に延在し前記走査信号配線に交差する如く前記一方向に並設された複数の画像信号配線と、
前記走査信号配線と前記画像信号配線の各交差部に設けられた前記電子源と、
前記走査信号配線に接続して前記電子源に電流を供給する給電電極とを形成した背面基板を有し、
前記電子源は、下部電極となる前記画像信号配線の上に積層されて、電子束を放出する電子放出領域となる薄膜部分を一部に有して電子源開口を形成する絶縁膜と、前記走査信号配線に接続して前記薄膜部分を含む前記絶縁膜を被覆する上部電極とから構成され、
前記電子放出領域を含む電子源のそれぞれの前記前面パネルと対面する面に、当該前面パネル方向に向かって電子束の断面を縮小する凹面形状部を有することを特徴とする画像表示装置。 - 前記凹面形状部は、前記電子放出領域のみに有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記電子束の断面を縮小する縮小率mは、前記電子放出領域の前記前面パネルに平行な方向の寸法をK、前記陽極上に射突する前記電子束の前記前面パネルに平行な方向の寸法をAとしたとき、m=A/Kであり、
前記凹面形状部の曲率半径をR、前記凹面形状部の底部と前記陽極との間の間隔をLとしたとき、m=(R−L)/Rであり、
前記縮小率mは、0.1乃至0.8、好ましくは0.2乃至0.6、さらに好ましくは0.3乃至0.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。 - 前記凹面形状部の曲率半径Rは、1mm乃至10mm、好ましくは2mm乃至5mm、さらに好ましくは3mm乃至4mmであることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像表示装置。
- 前記凹面形状部は、前記電子放出領域の二方向に湾曲を持つことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像表示装置。
- 前記凹面形状部は、前記電子放出領域の一方向に湾曲を持つことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像表示装置。
- 前記凹面形状部は、前記画像信号配線の各交差部における前記第1の絶縁基板に形成された凹面形状に当該画像信号配線の上面に有する前記絶縁膜および前記上部電極の成膜形状で形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像表示装置。
- 前記凹面形状部は、前記画像信号配線の各交差部における当該画像信号配線の上面に有する前記絶縁膜の成膜形状で形成され、前記上部電極は前記絶縁膜の成膜形状に倣った凹面形状を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像表示装置。
- 前記凹面形状部の凹面の曲面形状は、円、楕円、双曲線、2次関数の何れか、またはそれらの2以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005061741A JP2006244936A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | 画像表示装置 |
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JP2005061741A JP2006244936A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | 画像表示装置 |
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JP2006244936A true JP2006244936A (ja) | 2006-09-14 |
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ID=37051131
Family Applications (1)
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JP2005061741A Pending JP2006244936A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | 画像表示装置 |
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JP (1) | JP2006244936A (ja) |
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2005
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