JP2006244926A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの停止方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池システムの停止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で精度良く停止操作を行うことができ、次回の起動時はサブスタックを含む全ての単位電池の電圧が正常値を示した状態で発電を開始することができることにより、次回の起動性のみならず出力や耐久性の低下を抑制した燃料電池システム及びその停止方法を提供する。
【解決手段】電解質膜とその両側にそれぞれ沿って配置された燃料極及び酸化剤極とを有する単位電池を複数含む燃料電池スタック1と、単位電池を備えるサブスタック21a、21bの電圧を測定するサブスタック電圧測定部5a、5bと、サブスタック電圧測定部から得られたサブスタックの電圧より推定される単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に限り燃料電池システムの停止を許可する制御部4とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システム及びその停止方法に関し、特に、燃料電池の起動性を良好に保つために燃料電池の発電停止を制御する燃料電池システムの制御技術に関する。
近年、車両の駆動源として燃料電池を備えた燃料電池自動車が提案されている。この燃料電池は、起動スイッチを作動させることにより燃料電池の燃料極、酸化剤極にそれぞれ燃料ガス、酸化剤ガスを供給して電気化学反応を発生させることにより、所定の起電力を得るようにしたものである。
この分野の中でも、特に、燃料電池の起動性を良好に保つために燃料電池の発電停止を制御する技術が盛んに研究されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の制御装置は、発電により生じた水が燃料電池内で氷結し、この氷結した水が次回燃料電池を起動する際に障害となり、燃料電池の起動性を悪化させるという問題点を解決するために、氷点下において燃料電池の起動を開始した時は、燃料電池の温度が所定値以上になるまで燃料電池の発電停止を禁止する手段を備えている。
特開2004−152599号公報
しかしながら、燃料電池(スタック)を構成する総てのセルの温度をモニターしたとしてもセルの電圧と温度に相関関係が見られない場合があるため、燃料電池の温度は、燃料電池の発電停止についての精度のよいトリガーとならず限界がある。また、スタックを構成する総てのセルの温度をモニターすることは困難である。
上記課題を解決するために、本発明は、電解質膜とその両側にそれぞれ沿って配置された燃料極及び酸化剤極とを有する単位電池を複数含む燃料電池スタックと、単位電池を備えるサブスタックの電圧を測定するサブスタック電圧測定手段と、サブスタック電圧測定手段から得られたサブスタックの電圧より前記サブスタックを構成する単位電池の平均電圧を推定し、前記平均電圧が所定値以上である場合に限り燃料電池システムの停止を許可する制御手段とを有する燃料電池システムであることを要旨とする。
本発明によれば、正常な電圧値を維持しない可能性がある単位電池を含むサブスタックの電圧からサブスタックに含まれる単位電池の平均電圧を推定し、その平均電圧が所定値以上であることを確認した後に燃料電池システムの停止を許可することで、短時間で精度良く停止操作を行うことができ、次回の起動時はサブスタックを含む全ての単位電池の電圧が正常値を示した状態で発電を開始することができる。従って、次回の起動性のみならず出力や耐久性の低下を抑制した燃料電池システム及びその停止方法を提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
(第1の実施の形態)
[構成]
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係わる燃料電池システムは、電解質膜と当該電解質膜の両側にそれぞれ沿って配置された燃料極及び酸化剤極とを有する単位電池を複数含む燃料電池スタック1と、少なくとも1以上の単位電池を備えるサブスタックの電圧を測定するサブスタック電圧測定部(サブスタック電圧測定手段)5a、5bと、サブスタック電圧測定部5a、5bから得られたサブスタックの電圧より推定される単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に限り燃料電池システムの停止を許可する制御部(制御手段)4と、燃料電池スタック1へ燃料ガスとしての水素ガスを供給及び循環させる水素ガス系ラインと、燃料電池スタック1へ酸化剤ガスとしての空気を供給する空気系ラインと、燃料電池スタック1から取り出す電力を制御する電力制御部2とを有する。
燃料電池スタック1は、電解質膜の両側に燃料極と酸化剤極がそれぞれ配置され、更にその両側にガス拡散層がそれぞれ設けられた膜電極複合体と、燃料極に水素ガス並びに酸化剤極に空気をそれぞれ別々に配流させ集電体の機能も有するセパレータとからなるセル(単位電池)をそれぞれ繰り返し積層した構造からなる。燃料電池スタック1の両端にはエンドプレート9a、9bがそれぞれ設けられ、集電板としての作用に加え上記膜電極複合体やセパレータの締付機能を有する。
水素ガス系ラインにおいて、燃料電池スタック1には、水素タンク16からバルブ7aを介して燃料電池スタック1の燃料極に水素ガスを供給するための水素供給ライン11と、燃料電池スタック1から水素ガスを排出するための水素排出ライン13とがそれぞれ接続されている。水素タンク16には燃料となる水素ガスが高圧状態で充電されている。水素排出ライン13により、バルブ7bや燃焼器(図示せず)を介して排水素ガスをシステム外に排出することができる。また、燃料電池スタック1に供給する水素ガスを再循環させて効率的に使用するため、水素排出ライン13は途中で水素循環ライン14に分岐され、水素循環ポンプ8を介して水素供給ライン11に戻る。
空気系ラインにおいて、コンプレッサー6で昇圧された空気は空気供給ライン10により燃料電池スタック1に供給され、空気排出ライン12により排出される。排出ガスの一部は、上述の燃焼器に導かれる。また、パージライン15は、バルブ7cを介して水素供給ライン11と空気供給ライン10を結ぶ。必要に応じてバルブ7cを開いて空気により燃料極側をパージすることができる。
このように、燃料電池スタック1では、水素ガスと空気をそれぞれ独立して燃料極と酸化剤極に供給することで起電力が得られる。また、図示は省略したが、燃料電池スタック1を冷却するための冷媒ラインや冷媒輸送手段が存在する。
電力制御部2は、ユーザーからの指令により、燃料電池システムからどの程度の負荷(出力)を取り出すか制御するサブシステムである。電力制御部2は燃料電池スタック1のエンドプレート9a、9bにそれぞれ電気的に接続され、燃料電池スタック1から取り出す電力が制御される。また、電力制御部2にはエネルギー充放電手段としての2次電池3が接続されている。燃料電池システムから取り出す負荷に応じて、2次電池3は充放電される。即ち、燃料電池スタック1からの十分な発電が得られず必要な負荷の取り出しが期待できない場合に2次電池3から負荷を取り出す(放電)場合や、燃料電池スタック1からの出力により充電される場合がある。
ここで、エンドプレート9a、9b近傍の5個の単位電池(セル)を、まとめてそれぞれサブスタック21a、21bと定義する。サブスタック電圧測定部5a、5bは、サブスタック21a、21bそれぞれの合計電圧を測定する。また、サブスタック電圧測定部5a、5bは電力制御部2に接続され、サブスタック21a、21bの電圧を読み取り制御に反映される。
ここでは、比較的放熱が多い領域に存在する単位電池郡をサブスタック21a、21bとして定義し、サブスタックの電圧を特定して測定し、制御にフィードバックしている。電圧を読み取るサブスタックは、本実施例に示す形態に限るものではなく、単位電池の個数、サブスタックの個数や位置等は任意に設定することができる。単位電池の個数は少ないほど単位電池電圧がより精度良く予測できるが、電圧測定手段の数が増えてしまうことが難点である。また、本発明に直接関係しない他のシステム構成部品(例えば加湿器など)の図示並びに説明は、ここでは省略する。
なお、制御部4は、制御信号CTRを通じてバルブ7aの開度又はコンプレッサー6の回転数などを制御することにより、サブスタック21a、21bに供給される水素ガス及び空気のうち少なくとも何れかの流量を制御することができる。即ち、バルブ7a又はコンプレッサー6は、サブスタック21a、21bに供給される水素ガス及び空気のうち少なくとも何れかの流量を制御するガス流量調整手段として用いられる。
[停止方法]
図2のフローチャートを参照して、図1に示した燃料電池システムの停止方法を説明する。
(イ)まず、ステートS1において、燃料電池システムを停止する直前の状態として、燃料電池システムがアイドル状態である。ここで、「アイドル状態」とは、所内動力のみ賄うネット(NET)出力ゼロの状態であり、燃料電池スタック1からは最低限の負荷を取り出している。またこの時、水素循環ポンプ8並びに燃料電池スタック1を冷却するための冷媒輸送手段は所定の回転数で稼働しており、水素ガスは水素循環ラインを介して循環している。また、コンプレッサー6も所定の回転数で稼働しており、バルブ7aは開、バルブ7b、7cは共に閉といった状態である。
(ロ)このアイドル状態において、ステートS2に進み、ユーザーが燃料電池システムの停止トリガーをオン(例えばIGNキーオフ)にする。そして、ステートS3の判定に移行する。即ちステートS3において、サブスタック21a、21bを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であるかを判定する。第1の実施の形態において、所定値は、燃料電池スタック1を構成する単位電池の平均電圧に関する初期特性に対して、同じ負荷状態で数%低い単位電池の平均電圧と定義される。しかし、所定値の定義は上記に限らない。
(ハ)サブスタック21a、21bを構成する単位電池の平均電圧が共に所定値以上であった場合(S3においてYES)、後述のステートS6に移行する。サブスタック21a、21bを構成する単位電池の平均電圧が共に所定値未満であった場合(S3においてNO)、ステートS4に進み、コンプレッサー6の回転数を増加する。つまり、燃料電池スタック1に供給される空気流量を増加している。そして、空気流量を増加してから所定時間経過した後に、ステートS4からステートS5へ移行する。
(ニ)ステートS5において、再びステートS3と同様にサブスタック21a、21bを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であるかを判定する。サブスタック21a、21bを構成する単位電池の平均電圧が共に所定値未満であった場合(S5においてNO)、ステートS4へ戻る。所定値以上の場合(S3においてYES)、ステートS6へ移行する。
(ホ)ステートS6において、燃料電池スタック1から取り出す負荷をゼロにする。つまり、グロス(GROSS)出力をゼロとする。これ以降の制御は、2次電池3からの出力により賄う。続いて、ステートS7においてバルブ7aを閉とし、ステートS8においてバルブ7b、7cを開とする。ステートS8からステートS9へは、所定時間経過後に移行する。ステートS9においてバルブ7cが閉となった後、まずステートS10にて冷媒輸送手段を停止し、次にステートS11にてコンプレッサー6を停止し、ステートS12にて水素循環ポンプ8を停止して燃料電池システムの停止が完了する。
[作用・効果]
燃料電池システムを起動する際に燃料電池スタック1内の全ての単位電池(セル)の電圧が正常な値を示さない場合、燃料電池システムの出力低下や耐久性の低下につながる危険性がある。従って、次回の起動時に全ての単位電池電圧が正常な値を示すように燃料電池システムを停止する必要がある。単位電池の電圧が正常値を維持しない可能性がある単位電池を含む1つ以上の単位電池から構成されるサブスタック21a、21bの電圧から単位電池の平均電圧を推定し、その平均電圧が所定値以上であることを確認した後に燃料電池システムの停止を可とする。これにより、短時間で精度良く停止操作を行うことができ、次回の起動時は前記サブスタック21a、21bを含む全ての単位電池の電圧が正常値を示した状態で発電を開始することができる。従って、次回の起動性のみならず出力や耐久性の低下を抑制した燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項1及び9の効果>。
また、制御部4は、燃料電池システムのアイドル状態における最低負荷が燃料電池スタック1に加わっている場合であって、且つ単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に燃料電池システムの停止を許可する。即ち、起動時に必要な燃料電池スタック1から取り出す最低負荷において単位電池の平均電圧を判定する。これにより、判定に要する時間や燃料ガスを少なくすることができ、更に最低限、次回の起動を最低負荷で行うことができる。従って、次回の起動性を確保し、短時間で精度の良い制御を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項3及び11の効果>。
また、制御部4は、単位電池の平均電圧が所定値に満たない場合に、コンプレッサー6又はバルブ7a等のサブスタック21a、21bに供給される水素ガス及び空気のうち少なくとも何れかの流量を制御するガス流量調整手段を用いて、サブスタック21a、21bに供給される水素ガス及び空気のうち少なくとも何れかの流量を増加させる。流量を増加させた結果、単位電池の平均電圧が所定値以上となった場合に燃料電池システムの停止を許可する。このように、単位電池の平均電圧が所定値に満たないサブスタック21a、21bに、水素ガス及び空気のうち少なくとも何れかの流量を増加してから停止する。これにより、生成水や生成水の凍結による酸化剤極近傍の酸化剤ガス拡散不良による単位電池の電圧の低下を短時間で効果的に回復させることができる。従って、次回の起動性を確保し、短時間で精度が良く請求項4とは異なる効果的な制御を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項5及び13の効果>。
更に、コンプレッサー6又はバルブ7a等のガス流量制御手段は、燃料電池スタック1を構成する他のサブスタック及び当該他のサブスタックのうち少なくとも何れかで得られた電力により制御されるようにしても構わない。即ち、単位電池の平均電圧が所定値に満たないサブスタック21a、21bを回復されるためのガス流量増加制御を、同じスタックを構成する他のサブスタック21b、21aが主体で得られた電力により制御しても構わない。これにより、2次電池3などのエネルギー充放電手段や外部電源などの動力の補助が低減できる。従って、他のエネルギー源の補助を軽減し、簡素な構成を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項6及び14の効果>。
加えて、次回の起動が氷点下における起動となる場合、そのままシステムを停止すると酸化剤極近傍に残存する水が凍結して起電力を発生しないあるいは起電力の発生に時間がかかる単位電池が存在する可能性がある。そこで、制御部4は、単位電池の平均電圧が所定値以上である場合、少なくとも酸化剤極をパージした後に燃料電池システムを停止することが望ましい。これにより、次回起動時に全ての単位電池において短時間で健全な起電力が発生する。従って、上位請求項に比べて次回の起動時により起電力を短時間で確保できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項8及び16の効果>。
この他、本発明の第1の実施の形態によれば、以下に示すような作用効果を奏する。
従来から、一度セル電圧が転極したままの状態でパージだけ行い停止しても、次の氷点下起動時には単位電池の電圧が健全な起動ができないという問題があった。特に、起動時の電流密度が大きい場合は顕著である。したがって、今までは、単位電池が転極した際は、必ず常温(70℃程度)での発電または水素ポンプを行った後に再度氷点下起動を行う、といった手順をふんでいた。
本発明の発明者は、数多くの実験を行った結果、次回の起動時において起動に必要な負荷を健全に燃料電池スタックから取り出すための必要条件を見出した。つまり、特定の単位電池における電圧低下現象(電圧反転現象)を発生させないための必要条件として、停止時に単位電池電圧が所定範囲に入ることを確認した後にシステムを停止することで、非常に高い確率で次回の起動が成功することを発見した。
そして、発明者は、燃料電池スタックにおいて1つ以上のセルを有するサブスタック21a、21bの電圧を測定するサブスタック電圧測定部5a、5bと、サブスタック21a、21bを構成するセルの平均電圧を推定する単位セル電圧推定手段とを有する燃料電池システムを創作し、更に、燃料電池システムを停止する際、サブスタック電圧測定部5a、5bで測定した電圧から、単位セル電圧推定手段がサブスタック21a、21b内の全ての単位セル電圧は所定値以上であると推定した場合に、燃料電池システムを停止する停止方法を案出した。
これにより、次回の起動成功確率が高く、精度の良い制御トリガーを使用した簡単なシステムと制御方法が実現される。特に、氷点下起動性を向上させる効果が期待できる。
(第2の実施の形態)
[構成]
図3に示すように、第2の実施の形態に係わる燃料電池システムは、図1に比べて、以下の点で異なる。
燃料電池システムは、サブスタック21a、21b周辺に配置されたサブスタック21a、21bを加熱する加熱手段を更に備える。加熱手段の一例として、サブスタック21aの側面及びサブスタック21aに接するエンドプレート9aに、絶縁性の表面をもつヒーター18aがそれぞれ設けられている。同様に、サブスタック21bの側面及びサブスタック21bに接するエンドプレート9bに、絶縁性の表面をもつヒーター18bがそれぞれ設けられている。ヒーター18a、18bは、燃料電池スタック1の4側面上にそれぞれ配置され、電力制御部2に接続されている。
また、燃料電池システムは、燃料電池スタック1の温度を測定または推定するスタック温度推定手段を更に備える。スタック温度推定手段の一例として、エンドプレート9a、9bにそれぞれ埋蔵された温度センサ19a、19bが設けられている。ヒーター18a、18bは、温度センサ19a、19bからの温度信号により制御される。また、温度センサ19a、19bにより、起動時や停止時、運転時のスタック温度をモニターし、必要に応じて制御にフィードバックしている。
また、図1では図示を省略していたが、燃料電池スタック1を冷却するための冷媒ラインや冷媒輸送手段としての冷媒供給部17が燃料電池スタック1に接続されている。
その他の点については図1と同じであり説明を省略する。また、本発明に直接関係しない他のシステム構成部品(例えば加湿器など)の図示並びに説明はここでは省略する。
[停止方法]
図4のフローチャートを参照して、図3に示した燃料電池システムの停止方法を説明する。
第2の実施の形態では、燃料電池スタック1の温度が氷点下において起動を行った直後に、再び停止する場合を想定している。
(A)まず、ステートS31において、燃料電池システムを停止する直前の状態として、燃料電池システムがアイドル状態である。ここで、「アイドル状態」とは、所内動力のみ賄うネット(NET)出力ゼロの状態であり、燃料電池スタック1からは最低限の負荷を取り出している。またこの時、水素循環ポンプ8は所定の回転数で稼働しており、水素ガスは水素循環ラインを介して循環している。また、コンプレッサー6も所定の回転数で稼働しており、バルブ7aは開、バルブ7b、7cは共に閉といった状態である。但し、燃料電池スタック1を冷却するための冷媒輸送手段としての冷媒供給部17は停止している。
(B)このアイドル状態において、ステートS32に進み、ユーザーが燃料電池システムの停止トリガーをオン(例えばIGNキーオフ)にする。そして、ステートS33の判定に移行する。即ちステートS33において、温度センサ19a、19bの温度が氷点下であるか否かを判定する。温度センサ19a、19bの温度が氷点下である場合(S33においてYES)、ステートS34に進み、氷点下でない場合(S33においてNO)、ステートS40へ進む。
(C)ステートS34において、サブスタック21aを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であるかを判定する。サブスタック21aを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であった場合(S34においてYES)、ステートS36へ移行する。単位電池の平均電圧が所定値未満であった場合(S34においてNO)、ステートS35へ進み、ヒーター18aの出力を増加する。ヒーター18aの出力を増加してから所定時間が経過した後、ステートS36へ移行する。
(D)ステートS36において、サブスタック21bを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であるかを判定する。サブスタック21bを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であった場合(S36においてYES)、ステートS40へ移行する。単位電池の平均電圧が所定値未満であった場合(S36においてNO)、ステートS37へ進み、ヒーター18bの出力を増加する。ヒーター18bの出力を増加してから所定時間が経過した後、ステートS38へ移行する。
(E)ステートS38において、サブスタック21a、21bを構成する単位電池の平均電圧が共に所定値以上になることを監視する。単位電池の平均電圧が共に所定値以上であった場合(S38においてYES)、ステートS39に移行する。それまで、S38にて監視を続ける。単位電池の平均電圧が共に所定値以上となったら、ステートS39においてヒーター18a、18bの出力をオフにする。
(F)ステートS40に進み、燃料電池スタック1から取り出す負荷をゼロにする。つまり、グロス出力をゼロとする。これ以降の制御は、2次電池3からの出力により賄う。続いて、ステートS41にてバルブ7aを閉とし、ステートS42にてバルブ7b、7cを開とする。ステートS42からステートS43へは、所定時間経過後に移行する。ステートS43にてバルブ7cが閉となった後、ステートS44にてコンプレッサー6を停止し、ステートS45にて水素循環ポンプ8を停止して燃料電池システムの停止が完了する。
[作用・効果]
燃料電池システムを起動する際に燃料電池スタック1内の全ての単位電池(セル)の電圧が正常な値を示さない場合、燃料電池システムの出力低下や耐久性の低下につながる危険性がある。従って、次回の起動時に全ての単位電池電圧が正常な値を示すように燃料電池システムを停止する必要がある。単位電池の電圧が正常値を維持しない可能性がある単位電池を含む1つ以上の単位電池から構成されるサブスタック21a、21bの電圧から単位電池の平均電圧を推定し、その平均電圧が所定値以上であることを確認した後に燃料電池システムの停止を可とする。これにより、短時間で精度良く停止操作を行うことができ、次回の起動時は前記サブスタック21a、21bを含む全ての単位電池の電圧が正常値を示した状態で発電を開始することができる。従って、次回の起動性のみならず出力や耐久性の低下を抑制した燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項1及び9の効果>。
氷点下起動時は、酸化剤極で生成した水が凍結するため燃料電池スタック1内の何れか単位電池で転極現象を含む電圧低下現象が発生しやすい。停止時にスタック内の何れかの単位電池で電圧低下現象が発生したまま停止すると、再起動時には該単位電池で再び電圧低下現象が見られる。そこで、制御部4は、温度センサ19a、19bにより燃料電池スタック1の一部の温度が氷点下であると判断された場合であって、且つ単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に燃料電池システムの停止を許可する。このように、請求項1に記載の制御を氷点下時に実施することで、短時間で精度良く停止操作を行うことができるのみならず、次回の起動性が著しく向上する。従って、優れた氷点下起動性を実現するための燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項2及び10の効果>。
また、制御部4は、燃料電池システムのアイドル状態における最低負荷が燃料電池スタック1に加わっている場合であって、且つ単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に燃料電池システムの停止を許可する。即ち、起動時に必要な燃料電池スタック1から取り出す最低負荷において単位電池の平均電圧を判定する。これにより、判定に要する時間や燃料ガスを少なくすることができ、更に最低限、次回の起動を最低負荷で行うことができる。従って、次回の起動性を確保し、短時間で精度の良い制御を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項3及び11の効果>。
制御部4は、単位電池の平均電圧が所定値に満たない場合に、ヒーター18a、18bを用いてサブスタック21a、21bを加熱し、サブスタック21a、21bを加熱した結果、単位電池の平均電圧が所定値以上となった場合に燃料電池システムの停止を許可する。このように、単位電池の平均電圧が所定値に満たないサブスタック21a、21bを局所的かつ集中的に加熱してから停止することで、生成水や生成水の凍結による酸化剤極近傍の酸化剤ガス拡散不良による単位電池の電圧の低下を短時間で効果的に回復させることができる。従って、次回の起動性を確保し、短時間で精度が良く請求項3に比べて効果的な制御を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項4及び12の効果>。
更に、コンプレッサー6又はバルブ7a等のガス流量制御手段は、燃料電池スタック1を構成する他のサブスタック及び当該他のサブスタックのうち少なくとも何れかで得られた電力により制御されるようにしても構わない。即ち、複数のスタックまたはサブスタックのうち、健全に発電できるスタックからの起電力を利用して、加熱手段(ヒーター)の出力やガス流量の増加制御を行っても構わない。これにより、2次電池3などのエネルギー充放電手段や外部電源などの動力の補助が低減できる。従って、他のエネルギー源の補助を軽減し、簡素な構成を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項6及び14の効果>。
冷媒を停止した状態で請求項1に関連する何れかの停止方法を行うことで、生成水や生成水の凍結による酸化剤極近傍の酸化剤ガス拡散不良による単位電池電圧の低下を短時間で効果的に回復させることができる。また、冷媒を停止した状態で請求項2に関連する何れかの停止方法を行うことで、冷媒により燃料電池スタックを冷却しスタック温度を更に低下させることがなくなる。従って、上位請求項に比べて次回の起動性をより効果的に確保した燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項7及び15の効果>。
加えて、次回の起動が氷点下における起動となる場合、そのままシステムを停止すると酸化剤極近傍に残存する水が凍結して起電力を発生しないあるいは起電力の発生に時間がかかる単位電池が存在する可能性がある。そこで、制御部4は、単位電池の平均電圧が所定値以上である場合、少なくとも酸化剤極をパージした後に燃料電池システムを停止することが望ましい。これにより、次回起動時に全ての単位電池において短時間で健全な起電力が発生する。従って、上位請求項に比べて次回の起動時により起電力を短時間で確保できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項8及び16の効果>。
(第3の実施の形態)
[構成]
図5に示すように、第3の実施の形態に係わる燃料電池システムは、図3に比べて、以下の点で異なる。
燃料電池スタック1は、2つの集電板20a、20bで区切られたサブスタック21cを更に備える。サブスタック21cは、集電板20a、20bを介して電力制御部2に接続されており、サブスタック21cより独立して負荷を取り出すことが可能である。サブスタック21cは、エンドプレート9a、9bに隣接するサブスタック21a、21bの間に配置された、少なくとも1以上の単位電池からなる。サブスタック21cを構成する単位電池の個数、サブスタック21cの位置等は任意に設定することができる。また、コンプレッサー6で昇圧された空気が流れる空気供給ライン10上に、新たにバルブ7dが設けられている。
その他の点については図3と同じであり説明を省略する。また、本発明に直接関係しない他のシステム構成部品(例えば加湿器など)の図示並びに説明はここでは省略する。
[停止方法]
図6のフローチャートを参照して、図5に示した燃料電池システムの停止方法を説明する。
第3の実施の形態では、燃料電池スタック1の温度が氷点下において起動を行った直後に、再び停止する場合を想定している。
(a)まず、ステートS51において、燃料電池システムを停止する直前の状態として、燃料電池システムがアイドル状態である。ここで、「アイドル状態」とは、所内動力のみ賄うネット(NET)出力ゼロの状態であり、燃料電池スタック1からは最低限の負荷を取り出している。またこの時、水素循環ポンプ8は所定の回転数で稼働しており、水素ガスは水素循環ラインを介して循環している。また、コンプレッサー6も所定の回転数で稼働しており、バルブ7aは開、バルブ7b、7cは共に閉といった状態である。但し、燃料電池スタック1を冷却するための冷媒輸送手段としての冷媒供給部17は停止している。
(b)このアイドル状態において、ステートS52に進み、ユーザーが燃料電池システムの停止トリガーをオン(例えばIGNキーオフ)にする。そして、ステートS53の判定に移行する。即ちステートS53において、温度センサ19a、19bの温度が氷点下であるか否かを判定する。温度センサ19a、19bの温度が氷点下である場合(S53においてYES)、ステートS54に進み、氷点下でない場合(S53においてNO)、ステートS63へ進む。
(c)ステートS54において、氷点下の場合、燃料電池スタック1の取り出し負荷を増大する。増大した出力は、2次電池3の充電に使用しても良いし、所内動力を賄っても良い。ステートS54において増大する負荷は、氷点下起動時に燃料電池システムが必要と想定されるネット出力を得られる程度の負荷でよい。
(d)ステートS55に進み、サブスタック21aを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であるかを判定する。サブスタック21aを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であった場合(S55においてYES)、ステートS57へ移行する。単位電池の平均電圧が所定値未満であった場合(S55においてNO)、ステートS56へ進み、ヒーター18aの出力を増加する。ヒーター18aの出力を増加してから所定時間が経過した後、ステートS57へ移行する。
(e)ステートS57において、サブスタック21bを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であるかを判定する。サブスタック21bを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上であった場合(S57においてYES)、ステートS62へ移行する。単位電池の平均電圧が所定値未満であった場合(S57においてNO)、ステートS58へ進み、ヒーター18bの出力を増加する。ヒーター18bの出力を増加してから所定時間が経過した後、ステートS59へ移行する。
(f)ステートS59において、サブスタック21a、21bを構成する単位電池の平均電圧が共に所定値以上であるか否かを判断する。単位電池の平均電圧が共に所定値以上であった場合(S59においてYES)、ステートS62に移行する。単位電池の平均電圧が共に所定値未満であった場合(S59においてNO)、ステートS60に移行して、コンプレッサー6の回転数を増加する。
(g)ステートS61において、サブスタック21bを構成する単位電池の平均電圧が所定値以上になることを監視する。単位電池の平均電圧が所定値以上であった場合(S61においてYES)、ステートS62に移行する。それまで、S61にて監視を続ける。単位電池の平均電圧が所定値以上となったら、ステートS62においてヒーター18a、18bの出力をオフにする。
(h)ステートS63に進み、コンプレッサー6を停止する。空気供給を停止したことにより燃料電池スタック1の電圧が顕著に低下しない程度の所定時間が経過後、ステートS64に進み、燃料電池スタック1から取り出す負荷をゼロにする。つまり、グロス出力をゼロとする。これ以降の制御は、2次電池3からの出力により賄う。続いて、ステートS65にてバルブ7dを閉とし、ステートS66にてバルブ7cを開とする。
(i)ステートS67に進み、燃料電池スタック1を構成する単位電池の平均電圧が所定値以下となるまで待機する。単位電池の平均電圧が所定値以下となったら(S67においてYES)、ステートS68にてバルブ7a、7cを閉とし、ステートS69にて水素循環ポンプ8を停止して燃料電池システムの停止が完了する。
[作用・効果]
燃料電池システムを起動する際に燃料電池スタック1内の全ての単位電池(セル)の電圧が正常な値を示さない場合、燃料電池システムの出力低下や耐久性の低下につながる危険性がある。従って、次回の起動時に全ての単位電池電圧が正常な値を示すように燃料電池システムを停止する必要がある。単位電池の電圧が正常値を維持しない可能性がある単位電池を含む1つ以上の単位電池から構成されるサブスタック21a、21bの電圧から単位電池の平均電圧を推定し、その平均電圧が所定値以上であることを確認した後に燃料電池システムの停止を可とする。これにより、短時間で精度良く停止操作を行うことができ、次回の起動時は前記サブスタック21a、21bを含む全ての単位電池の電圧が正常値を示した状態で発電を開始することができる。従って、次回の起動性のみならず出力や耐久性の低下を抑制した燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項1及び9の効果>。
氷点下起動時は、酸化剤極で生成した水が凍結するため燃料電池スタック1内の何れか単位電池で転極現象を含む電圧低下現象が発生しやすい。停止時にスタック内の何れかの単位電池で電圧低下現象が発生したまま停止すると、再起動時には該単位電池で再び電圧低下現象が見られる。そこで、制御部4は、温度センサ19a、19bにより燃料電池スタック1の一部の温度が氷点下であると判断された場合であって、且つ単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に燃料電池システムの停止を許可する。このように、請求項1に記載の制御を氷点下時に実施することで、短時間で精度良く停止操作を行うことができるのみならず、次回の起動性が著しく向上する。従って、優れた氷点下起動性を実現するための燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項2及び10の効果>。
制御部4は、単位電池の平均電圧が所定値に満たない場合に、ヒーター18a、18bを用いてサブスタック21a、21bを加熱し、サブスタック21a、21bを加熱した結果、単位電池の平均電圧が所定値以上となった場合に燃料電池システムの停止を許可する。このように、単位電池の平均電圧が所定値に満たないサブスタック21a、21bを局所的かつ集中的に加熱してから停止することで、生成水や生成水の凍結による酸化剤極近傍の酸化剤ガス拡散不良による単位電池の電圧の低下を短時間で効果的に回復させることができる。従って、次回の起動性を確保し、短時間で精度が良く請求項3に比べて効果的な制御を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項4及び12の効果>。
また、制御部4は、単位電池の平均電圧が所定値に満たない場合に、コンプレッサー6又はバルブ7a等のサブスタック21a、21bに供給される水素ガス及び空気のうち少なくとも何れかの流量を制御するガス流量調整手段(コンプレッサー6)を用いて、サブスタック21a、21bに供給される水素ガス及び空気のうち少なくとも何れかの流量を増加させる。流量を増加させた結果、単位電池の平均電圧が所定値以上となった場合に燃料電池システムの停止を許可する。このように、単位電池の平均電圧が所定値に満たないサブスタック21a、21bに、水素ガス及び空気のうち少なくとも何れかの流量を増加してから停止する。これにより、生成水や生成水の凍結による酸化剤極近傍の酸化剤ガス拡散不良による単位電池の電圧の低下を短時間で効果的に回復させることができる。従って、次回の起動性を確保し、短時間で精度が良く請求項4とは異なる効果的な制御を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項5及び13の効果>。
更に、コンプレッサー6又はバルブ7a等のガス流量制御手段は、燃料電池スタック1を構成する他のサブスタック及び当該他のサブスタックのうち少なくとも何れかで得られた電力により制御されるようにしても構わない。即ち、複数のスタックまたはサブスタックのうち、健全に発電できるスタックからの起電力を利用して、加熱手段(ヒーター)の出力やガス流量の増加制御を行っても構わない。これにより、2次電池3などのエネルギー充放電手段や外部電源などの動力の補助が低減できる。従って、他のエネルギー源の補助を軽減し、簡素な構成を実現できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項6及び14の効果>。
冷媒を停止した状態で請求項1に関連する何れかの停止方法を行うことで、生成水や生成水の凍結による酸化剤極近傍の酸化剤ガス拡散不良による単位電池電圧の低下を短時間で効果的に回復させることができる。また、冷媒を停止した状態で請求項2に関連する何れかの停止方法を行うことで、冷媒により燃料電池スタックを冷却しスタック温度を更に低下させることがなくなる。従って、上位請求項に比べて次回の起動性をより効果的に確保した燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項7及び15の効果>。
加えて、次回の起動が氷点下における起動となる場合、そのままシステムを停止すると酸化剤極近傍に残存する水が凍結して起電力を発生しないあるいは起電力の発生に時間がかかる単位電池が存在する可能性がある。そこで、制御部4は、単位電池の平均電圧が所定値以上である場合、少なくとも酸化剤極をパージした後に燃料電池システムを停止することが望ましい。これにより、次回起動時に全ての単位電池において短時間で健全な起電力が発生する。従って、上位請求項に比べて次回の起動時により起電力を短時間で確保できる燃料電池システムの停止方法を提供することができる<請求項8及び16の効果>。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は、第1乃至第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明は、車両に搭載される燃料電池の起動性を良好に保つために燃料電池の発電停止を制御する燃料電池システムの制御技術に利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係わる燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係わる燃料電池システムの停止方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係わる燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる燃料電池システムの停止方法を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係わる燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる燃料電池システムの停止方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池スタック
2…電力制御部
3…2次電池
4…制御部
5a、5b…サブスタック電圧測定部
6…コンプレッサー
7a、7b、7c、7d…バルブ
8…水素循環ポンプ
9a、9b…エンドプレート
10…空気供給ライン
11…水素供給ライン
12…空気排出ライン
13…水素排出ライン
14…水素循環ライン
15…パージライン
16…水素タンク
17…冷媒供給部
18a、18b…ヒーター
19a、19b…温度センサ
20a、20b…集電板
21a、21b、21c…サブスタック

Claims (16)

  1. 電解質膜と当該電解質膜の両側にそれぞれ沿って配置された燃料極及び酸化剤極とを有する単位電池を複数含む燃料電池スタックと、
    前記単位電池を備えるサブスタックの電圧を測定するサブスタック電圧測定手段と、
    前記サブスタック電圧測定手段から得られた前記サブスタックの電圧より前記サブスタックを構成する単位電池の平均電圧を推定し、前記平均電圧が所定値以上である場合に限り燃料電池システムの停止を許可する制御手段
    とを有する燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池スタックの温度を測定または推定するスタック温度推定手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記スタック温度推定手段により前記燃料電池スタックの一部の温度が氷点下であると判断された場合であって、且つ前記単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に前記燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記燃料電池システムのアイドル状態における最低負荷が前記燃料電池スタックに加わっている場合であって、且つ前記単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に前記燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  4. 前記サブスタック周辺に配置された前記サブスタックを加熱する加熱手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記単位電池の平均電圧が所定値に満たない場合に、前記加熱手段を用いて前記サブスタックを加熱し、前記サブスタックを加熱した結果、前記単位電池の平均電圧が所定値以上となった場合に前記燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の燃料電池システム。
  5. 前記サブスタックに供給される燃料ガス及び酸化剤ガスのうち少なくとも何れかの流量を制御するガス流量調整手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記単位電池の平均電圧が所定値に満たない場合に、前記ガス流量調整手段を用いて前記サブスタックに供給される燃料ガス及び酸化剤ガスのうち少なくとも何れかの流量を増加させ、前記流量を増加させた結果、前記単位電池の平均電圧が所定値以上となった場合に前記燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の燃料電池システム。
  6. 前記加熱手段又は前記ガス流量制御手段は、前記燃料電池スタックを構成する他のサブスタック及び当該他のサブスタックのうち少なくとも何れかで得られた電力により制御されることを特徴とする請求項4又は5記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池スタックを冷却するための冷媒を供給する冷媒供給手段を有し、
    前記制御手段は、前記燃料電池システムの停止許可が下りない間は前記料電池スタックへの冷媒の供給を停止することを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記単位電池の平均電圧が所定値以上である場合、少なくとも前記酸化剤極をパージした後に前記燃料電池システムを停止することを特徴とする請求項1乃至7何れか1項記載の燃料電池システム。
  9. 電解質膜と当該電解質膜の両側にそれぞれ沿って配置された燃料極及び酸化剤極とを有する単位電池を複数含む燃料電池スタックを有する燃料電池システムの停止方法において、
    前記単位電池を備えるサブスタックの電圧を測定するステップと、
    前記サブスタックの電圧より前記サブスタックを構成する単位電池の平均電圧を推定し、前記平均電圧が所定値以上である場合に限り燃料電池システムの停止を許可するステップ
    とを備えることを特徴とする燃料電池システムの停止方法。
  10. 前記燃料電池スタックの温度を測定または推定するステップを更に有し、
    前記燃料電池システムの停止を許可するステップでは、前記燃料電池スタックの一部の温度が氷点下であると判断された場合であって、且つ前記単位電池の平均電圧が所定値以上の場合に前記燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項9記載の燃料電池システムの停止方法。
  11. 前記燃料電池システムの停止を許可するステップでは、前記燃料電池システムのアイドル状態における最低負荷が前記燃料電池スタックに加わっている場合であって、且つ前記単位電池の平均電圧が所定値以上である場合に前記燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項9又は10記載の燃料電池システムの停止方法。
  12. 前記単位電池の平均電圧が所定値に満たない場合に、前記サブスタックを加熱するステップを更に有し、
    前記燃料電池システムの停止を許可するステップでは、前記サブスタックを加熱した結果、前記単位電池の平均電圧が所定値以上となった場合に前記燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項9乃至11何れか1項記載の燃料電池システムの停止方法。
  13. 前記単位電池の平均電圧が所定値に満たない場合に、前記サブスタックに供給される燃料ガス及び酸化剤ガスのうち少なくとも何れかの流量を増加させるステップを更に有し、
    前記燃料電池システムの停止を許可するステップでは、前記流量を増加させた結果、前記単位電池の平均電圧が所定値以上となった場合に前記燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項9乃至12何れか1項記載の燃料電池システムの停止方法。
  14. 前記サブスタックを加熱するステップ又は前記流量を増加させるステップは、前記燃料電池スタックを構成する他のサブスタック及び当該他のサブスタックのうち少なくとも何れかで得られた電力により制御されることを特徴とする請求項12又は13記載の燃料電池システムの停止方法。
  15. 前記燃料電池システムの停止許可が下りない間は前記料電池スタックへの冷媒の供給を停止するステップを更に有することを特徴とする請求項9乃至14何れか1項記載の燃料電池システムの停止方法。
  16. 前記単位電池の平均電圧が所定値以上である場合、少なくとも前記酸化剤極をパージした後に前記燃料電池システムを停止するステップを更に有することを特徴とする請求項9乃至15何れか1項記載の燃料電池システムの停止方法。
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