JP2006244571A - ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピックアップの移動方向に沿った衝撃力が装置本体に加わるときにもピックアップの損傷を防止する。
【解決手段】ピックアップ3に設けられたラックと、駆動用モータ5によって回転駆動され、ラックに噛み合うことによってピックアップ3をディスク200の半径方向に移動させる駆動ギアとを備えた構成において、ピックアップ3を使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ピックアップ3の移動可能範囲の最も内周側の位置である内周側限度位置より外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップ3を移動させる退避制御手段212を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、駆動用モータによって回転駆動される駆動ギアがラックに噛み合うことによってピックアップをディスクの半径方向に移動させるディスク装置に係り、より詳細には、ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、移動可能な内周側の限度位置より外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させるディスク装置に関するものである。
DVDプレイヤ等に設けられるディスクドライブには、ピックアップの上下方向の移動と半径方向の移動、および、トレイの移動を、1つの駆動用モータを用いて行う駆動機構を備えた従来技術がある。図4〜図8は、この従来技術の構成を示している(第1の従来技術とする)。
この駆動機構においては、ピックアップ3を半径方向に移動させる駆動用モータ5によりトレイ2を移動させる。このため、駆動用モータ5によって回転駆動され、ピックアップ3を駆動するフィード用ギア61等の複数のギアから成るギア列6が設けられている。また、駆動機構は機構部シャーシ7を備えており、この機構部シャーシ7には、ピックアップ3、駆動用モータ5、フィード用ギア61、ディスクを回転駆動するターンテーブル(図7(a)参照)75、ターンテーブル75を回転させるスピンドルモータ76等が搭載されている。また、駆動機構は、ディスクをクランプ/アンクランプする際、機構部シャーシ7を昇降させるためのプレートトリガ8およびカムスライダ9等を備えている。
トレイ2の上面側にはディスクを載置するための凹部21が形成されている。また、トレイ2の下面側には、カムスライダ9のボス92と係合する一対のカム溝22,23が形成されるとともに、トレイ駆動ギア10と噛合わされるラック27が形成されている。そして、カム溝22は、カムスライダ9の矢印C方向へのスライドに伴ってボス92に押され、トレイ2を開閉方向Aに移動させるための傾斜部25と、トレイ開閉方向Aに直交する矢印C方向に形成された直交部24とにより構成されている。また、カム溝23は、傾斜部25の終端からトレイ2の後端方向に延出された開閉ガイド部26と、直交部24と、傾斜部25とにより構成されている。
ピックアップ3は、レーザ光を出射する半導体レーザ、レーザ光をディスクの記録面に集光させる対物レンズ31、ディスクによって反射されたレーザ光を受光する受光素子、駆動ギア63と噛み合うラック32等を備えている。そして、ガイドシャフト33によりガイドされるとともに、フィード用ギア61(駆動ギア63)から駆動を受けて、ディスクの半径方向に移動する。
ピックアップ3のラック32の上部には、フィード用ギア61の回転駆動力を、フィード方向Bへのスライド駆動力に変換してプレートトリガ8に伝達するためのラック部材4が、ピックアップ3に対してフィード方向Bにスライド自在に装着されている。ラック部材4は、ラック32と重なり合って駆動ギア63と噛み合うラック41を備えており、ラック32とラック41とによってダブルラックを構成する。
そして、ラック部材4は、一端がピックアップ3に、他端がラック部材4にそれぞれ当接するコイルバネ45によって、ピックアップ3に対してディスクの外周方向B2に付勢されており、その反作用によって、ピックアップ3は内周方向B1に付勢されるようになっている。その結果、フィード用ギア61とラック32及びラック41との噛み合わせにおけるガタは低減され、ピックアップ3は精度良く半径方向に移動する。また、ラック部材4の先端には、プレートトリガ8に駆動力を伝達するためのボス43が形成されている。
駆動用モータ5の出力軸にはウォームギア51が組み込まれており、駆動用モータ5の出力は、ウォームギア51を介してフィード用ギア61に伝達される。フィード用ギア61は、ウォームギア51、ウォームギア51と噛み合う下段ギア62を有するとともに、ピックアップ3のラック32、ラック部材4のラック41と噛み合う駆動ギア63を有している。
ギア列6は、フィード用ギア61の他、機構部シャーシ7に軸支されるギア64,67,68,69、および、ディスク装置のシャーシ100c(図7参照)に軸支されるトレイ駆動ギア10によって構成される。そして、ギア64は、フィード用ギア61と噛み合う下段ギア65、および、ギア67と噛み合う上段ギア66を備えている。なお、フィード用ギア61およびギア64のそれぞれには、位相合わせのための位相マーク60が刻印されており、両ギア61,64は、互いの位相マーク60が対向した状態で機構部シャーシ7に組み込まれる。
駆動用モータ5の出力は、ウォームギア51、フィード用ギア61、ギア64,67,68,69を順次介することによって、トレイ駆動ギア10に伝達される。なお、トレイ駆動ギア10は、カムスライダ9のラック93と噛み合う上段ギア11を備えるとともに、トレイ2のラック27と噛み合う下段ギア12を備えている。
機構部シャーシ7には、ピックアップ3、駆動用モータ5、フィード用ギア61、ギア64,67,68,69、ターンテーブル75、および、ターンテーブル75を回転駆動するためのスピンドルモータ76(図7(a)参照)が搭載されている。また、ピックアップ3を嵌挿するための開口71が形成されている。また、ディスク装置のシャーシ100cと結合するための一対の軸部72を備えており、ピックアップ3が半径方向Bに移動する際の基台となる。
軸部72は、機構部シャーシ7の一端側に形成されており、シャーシ100cから突設された支持片15(図7(a)参照)によって回動自在に支持される。また、機構部シャーシ7の他端側には、プレートトリガ8が矢印C方向にスライド自在に装着されている。そして、プレートトリガ8がカムスライダ9によって昇降駆動されると、軸部72を中心として機構部シャーシ7が回動されることとなり、軸部72とプレートトリガ8との間に設置されたターンテーブル75が昇降して、ディスクのクランプとアンクランプとを行う。
プレートトリガ8には、ラック部材4が内周方向B1に駆動されたとき、ラック部材4のボス43と係合するカム溝81と、カムスライダ9に駆動力を伝達するためのボス82とが形成されている。また、ギア67,68,69の上方に位置し、平面視でギア67,68,69と一部において重なるギア抜け止め板83を備えている。そして、トレイ開閉方向Aと直交する矢印C方向にスライド可能に、機構部シャーシ7に装着されている。
カム溝81は、図5に示したように、ボス43によって伝達された駆動力の方向を略90゜変換するための斜面部84と、斜面部84の終端からピックアップ3のフィード方向Bに略直交する矢印C方向に延出され、ボス43のフィード方向Bへの移動を規制するボス規制部85とを備えている。
カムスライダ9は、シャーシ100cに、矢印C方向にスライド自在に支持されており、プレートトリガ8のボス82と係合するカム溝91(図7参照)と、トレイ2のカム溝22,23と係合してトレイ2をガイドする一対のボス92と、トレイ駆動ギア10の上段ギア11と噛み合うラック93とを備えている。
上記のように構成された駆動機構のトレイオープン動作について、図5、図6を参照して説明する。なお、図5においては、トレイ2および機構部シャーシ7等は図示が省略されており、(a)はディスクの再生動作時における駆動機構の様子を示し、(b)はトレイオープン動作の開始当初における駆動機構の様子を示している。
ディスクの再生のときには、ピックアップ3は、ディスクのトラックの位置に合致するように、駆動ギア63によってフィード駆動される。このとき、ラック部材4もピックアップ3と共にフィード駆動され、ボス43はカム溝81から離脱している。また、カムスライダ9のラック93はトレイ駆動ギア10の上段ギア11から離脱し、トレイ2のラック27(図4参照)はトレイ駆動ギア10の下段ギア12から離脱している(このときのトレイ2の位置は収納位置となっている)。
再生動作が終了すると、フィード用ギア61は矢印D方向に回転駆動される。従って、ピックアップ3及びラック部材4は内周方向B1にフィード駆動される。そして、ピックアップ3は、図4に示した状態から、さらに矢印B1方向に、ラック32と駆動ギア63との噛み合わせが解除される位置(図5(b)に示す位置)まで移動する(このときのピックアップ3の位置を、内周側端部位置P2とする)。
収納位置にあるトレイ2を排出位置に移動させるための動作が開始されると、図5(b)に示したように、フィード用ギア61はさらに矢印D方向に回転駆動される。このため、ラック部材4のラック41のみがフィード用ギア61と噛み合う。ラック部材4は、フィード用ギア61によって内周方向B1に駆動され、ボス43は、プレートトリガ8のカム溝81に入り、カム溝81の斜面部84の側面を押しやる。その結果、プレートトリガ8は矢印C1方向にスライド駆動される。
プレートトリガ8のボス82は、カムスライダ9のカム溝91と係合しており、ラック部材4から付与されたスライド移動の駆動力をカムスライダ9に伝達する。従って、カムスライダ9は、プレートトリガ8と連動して矢印C1方向にスライド移動し、ラック93がトレイ駆動ギア10と噛み合う。このため、カムスライダ9は、プレートトリガ8およびトレイ駆動ギア10によって駆動される。
さらに、フィード用ギア61が矢印D方向に回転されると、図6に示した状態となる(機構部シャーシ7は図示が省略されている)。同図の状態となるときには、ボス43は、斜面部84を通過してボス規制部85に到達するため、プレートトリガ8は移動を停止する。そして、この動作の途中において、ラック部材4のラック41とフィード用ギア61との噛み合わせが解除されるため、カムスライダ9の駆動が、プレートトリガ8による駆動から、トレイ駆動ギア10による駆動に切り替わる。また、ボス43がボス規制部85に到達することにより、ラック部材4のフィード方向Bへの移動が規制される。
トレイ駆動ギア10に駆動されたカムスライダ9は矢印C1方向にスライド移動し、ボス92が、トレイ2のカム溝22,23の傾斜部25を通過する。このため、傾斜部25の側面がボス92によって押され、トレイ2が開方向A1にスライド移動するので、ラック27がトレイ駆動ギア10の下段ギア12と噛み合う。以後、トレイ2は、トレイ駆動ギア10によって駆動され、開方向A1にスライド移動する。その結果、トレイ2は、図8に示した排出位置に移動する。
なお、トレイ2がクローズされるときには、駆動用モータ5が逆方向に回転するので、上述した動作と逆の動作が実行されることになる。すなわち、トレイ2が排出位置から収納位置に移動する。そして後、機構部シャーシ7が矢印E2方向に回動され、ピックアップ3が上昇する。次いで、ピックアップ3は、矢印B2方向に移動する。そして、ピックアップ3が、図4に示す内周読取位置に移動したときには、ピックアップ3を用いて、ディスクの有無の検出が行われる。
その結果、ディスクが無いことが判明したとき、あるいは、停止状態の指示があったときには、ピックアップ3が矢印B1方向に移動される。そして、ラック部材4のラック32と駆動ギア63との噛み合わせは解除されているが、ラック41と駆動ギア63との噛み合わせが行われた状態、すなわち、機構部シャーシ7がクランプ対応位置にあり、ピックアップ3が内周側限度位置の近傍に移動した状態で、動作が停止する。
また、以下に示す技術が提案されている(第2の従来技術とする)。すなわち、この技術では、サブアッセンブリに光ディスクを回転駆動するスピンドルモータが設けられるとともに、メインアッセンブリに設けられたガイド棒によってピックアップが光ディスクの半径方向に移動可能に支持された構成に適用されている。そして、サブアッセンブリに、ガイド棒と直交する方向が長手方向となる長孔を複数個形成している。また、メインアッセンブリにおいては、サブアッセンブリの長孔のそれぞれに対応する位置にスペーサを取り付けている。そして、サブアッセンブリをメインアッセンブリに取り付けるときには、螺子を、サブアッセンブリに形成された長孔を挿通して、メインアッセンブリに設けられたスペーサの螺子穴に螺入している。従って、サブアッセンブリは、メインアッセンブリに設けられたガイド棒の方向と直交方向において移動可能となる。すなわち、サブアッセンブリに設けられたスピンドルモータと、メインアッセンブリに設けられたガイド棒との位置関係の調整が可能となる。このため、光ディスク装置の厚みを薄くするときにも、スピンドルモータとガイド棒との位置関係を、充分な精度に調整することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−233944号公報
しかしながら、第1の従来技術を用いる場合には、以下に示す問題を生じていた。すなわち、排出位置から収納位置に移動したトレイ2にディスクが無いことが判明したときや、再生の停止状態においては、ピックアップ3は、ラック32と駆動ギア63との噛み合わせが解除された位置(図5(b)に示す位置であり、図3においてはP2により示す)に移動するようになっている。そして、ピックアップ3が噛合解除位置P2に位置した状態では、矢印B方向に関し、ピックアップ3の内周側への移動の限度位置である内周側限度位置P1との間に1mm程度の遊びが生じる。すなわち、図3に示す範囲A1において、ピックアップ3が自由に移動可能になる。このため、装置本体を移動させるとき、装置本体を、前面パネルが下方(図6においては下方向)を向いた状態で落下させるような事態が生じたときには、ピックアップ3は、落下速度に等しい速度でスピンドルモータ76の側面に衝突することになり(図6参照)、ピックアップ3には大きな衝撃を加わる。このため、ピックアップ3の内部に設けられた光学系の部品に損傷が生じる恐れがある。また、弱い力で支持されているに過ぎない対物レンズ31は、ピックアップ3の内部においてその他の部材と衝突することになり、アクチュエータの不具合等を招く恐れがある。
一方、第2の従来技術は、ピックアップ3を半径方向に移動可能に支持するガイド棒とスピンドルモータとの位置関係の精度を保って、スピンドルモータを、ガイド棒が設けられたメインアッセンブリに取り付けるための技術となっている。このため、第1の従来技術において生じた問題を解決しようとする観点からは、適用することが困難な技術となっている。
本発明は、上記の問題点を解決するため創案されたものであり、その目的は、内周側の限度位置の近傍までピックアップが移動したときにはピックアップのラックが駆動ギアから解除される構成において、ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ラックが駆動ギアから解除される位置である噛合解除位置より外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させることにより、ピックアップの移動方向に沿った衝撃力が装置本体に加わるときにもピックアップの損傷を防止することのでき、且つ、ピックアップを退避位置に移動させるための制御の複雑化を回避することのできるディスク装置を提供することにある。
また本発明の目的は、ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ピックアップの移動可能範囲の最も内周側の位置である内周側限度位置より外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させることにより、ピックアップの移動方向に沿った衝撃力が装置本体に加わるときにもピックアップの損傷を防止することのできるディスク装置を提供することにある。
また、上記目的に加え、ピックアップが内周側の限度位置の近傍に位置した状態において、駆動用モータを所定時間分だけ駆動することによってピックアップを退避位置に移動させることにより、ピックアップを退避位置に移動させるための制御の複雑化を回避することのできるディスク装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明に係るディスク装置は、ディスクが載置され、収納位置と排出位置とに移動可能に設けられたトレイと、ディスクを回転駆動するスピンドルモータとディスクの再生を行うピックアップとを有し、ディスクのクランプに対応するクランプ対応位置と、トレイを移動させるときの位置であるアンクランプ対応位置とに往復移動する機構部シャーシと、ピックアップに設けられたラックと、駆動用モータによって回転駆動され、ラックに噛み合うことによってピックアップをディスクの半径方向に移動させる駆動ギアとを備え、ピックアップが半径方向における移動可能範囲の最も内周側の位置の近傍である噛合解除位置まで移動したときには駆動ギアとラックとの噛み合わせが解除されて駆動用モータの伝達経路が切り換わり、伝達経路が切り換わった状態において、駆動用モータにより機構部シャーシがクランプ対応位置からアンクランプ対応位置に移動するディスク装置に適用している。そして、ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ピックアップが噛合解除位置の近傍に位置した状態において、駆動用モータを所定時間分だけ駆動することにより、噛合解除位置から外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させる退避制御手段を備えている。
すなわち、噛合解除位置から外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させたときでは、半径方向に沿ってピックアップを移動させる場合、その移動は、ラックに噛み合う駆動ギアによって規制されるに過ぎない。従って、ピックアップに加わる衝撃は、ラックや駆動ギアの変形やたわみ、あるいは、ラックや駆動ギアの微少な回転や移動といったように、複数の要素によって少しづつ緩和される。その結果、総合的には、ピックアップに加わる衝撃は、ピックアップの損傷を防止することが可能なレベルにまで抑制される。また、簡単なオープンループ制御によって、ピックアップは退避位置に移動する。
また本発明に係るディスク装置は、ディスクが載置され、収納位置と排出位置とに移動可能に設けられたトレイと、ディスクを回転駆動するスピンドルモータとディスクの再生を行うピックアップとを有し、ディスクのクランプに対応するクランプ対応位置と、トレイを移動させるときの位置であるアンクランプ対応位置とに往復移動する機構部シャーシと、ピックアップに設けられたラックと、駆動用モータによって回転駆動され、ラックに噛み合うことによってピックアップをディスクの半径方向に移動させる駆動ギアとを備えたディスク装置に適用している。そして、ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ピックアップの移動可能範囲の最も内周側の位置である内周側限度位置より外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させる退避制御手段を備えている。
すなわち、ピックアップを退避位置に移動させたときでは、半径方向に沿ってピックアップを移動させる場合、その移動は、ラックに噛み合う駆動ギアによって規制されるに過ぎない。従って、ピックアップに加わる衝撃は、ラックや駆動ギアの変形やたわみ、あるいは、ラックや駆動ギアの微少な回転や移動といったように、複数の要素によって少しづつ緩和される。その結果、総合的には、ピックアップに加わる衝撃は、ピックアップの損傷を防止することが可能なレベルにまで抑制される。
また、上記構成に加え、退避制御手段は、ピックアップが内周側限度位置の近傍に位置した状態において、駆動用モータを所定時間分だけ駆動することによりピックアップを退避位置に移動させるようになっている。すなわち、簡単なオープンループ制御によって、ピックアップは退避位置に移動する。
本発明によれば、ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ピックアップが噛合解除位置の近傍に位置した状態において、駆動用モータを所定時間分だけ駆動することにより、噛合解除位置から外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させている。そして、退避位置にピックアップを移動させたときでは、半径方向に沿ってピックアップを移動させる場合、その移動は、ラックに噛み合う駆動ギアによって規制されるに過ぎない。従って、ピックアップに加わる衝撃は、ラックや駆動ギアの変形やたわみ、あるいは、ラックや駆動ギアの微少な回転や移動といったように、複数の要素によって少しづつ緩和される。その結果、総合的には、ピックアップに加わる衝撃は、ピックアップの損傷を防止することが可能なレベルにまで抑制される。また、簡単なオープンループ制御によって、ピックアップは退避位置に移動する。このため、ピックアップの移動方向に沿った衝撃力が装置本体に加わるときにもピックアップの損傷を防止することができ、且つ、ピックアップを退避位置に移動させるための制御の複雑化を回避することができる。
また本発明によれば、ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ピックアップの移動可能範囲の最も内周側の位置である内周側限度位置より外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させている。そして、ピックアップを退避位置に移動させたときでは、半径方向に沿ってピックアップを移動させる場合、その移動は、ラックに噛み合う駆動ギアによって規制されるに過ぎない。従って、ピックアップに加わる衝撃は、ラックや駆動ギアの変形やたわみ、あるいは、ラックや駆動ギアの微少な回転や移動といったように、複数の要素によって少しづつ緩和される。その結果、総合的には、ピックアップに加わる衝撃は、ピックアップの損傷を防止することが可能なレベルにまで抑制される。このため、ピックアップの移動方向に沿った衝撃力が装置本体に加わるときにもピックアップの損傷を防止することができる。
また、さらに、駆動用モータを所定時間分だけ駆動することによりピックアップを退避位置に移動させるようになっている。従って、簡単なオープンループ制御によって、ピックアップは退避位置に移動するので、ピックアップを退避位置に移動させるための制御の複雑化を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明に係るディスク装置の一実施形態であるDVDプレイヤの電気的構成を示すブロック線図である。
本実施形態に使用される駆動機構は、図4〜図8を用いて説明した従来技術と同一となっている。すなわち、ピックアップ3が、図6に示した位置、すなわち、内周側限度位置の近傍位置である噛合解除位置まで移動したときには、駆動ギア63とラック32との噛み合わせが解除されて駆動用モータ5の伝達経路が切り換わる。そして、伝達経路が切り換わった状態において、駆動用モータ5により、機構部シャーシ7が、DVD200をクランプするクランプ対応位置から、DVD200をアンクランプするアンクランプ対応位置に移動する構成となっている。
ピックアップ3は、既に説明したように、スピンドルモータ76によって回転駆動されるDVD(ディスク)200に記録されたデータを再生する(75は、ターンテーブルを示している)。信号処理部201は、ピックアップ3より出力される信号からデジタルデータを復調するとともに、復調したデジタルデータのエラー訂正を行って得られたプログラムストリームをデコード部202に出力する。デコード部202は、信号処理部201より出力されるプログラムストリームの伸長を行った後、図示されないA/D変換部を用いてアナログ映像信号やアナログ音声信号を変換し、外部に設けられたテレビ受像機231に出力する。
入力部206は、DVDプレイヤの前面パネルに設けられたオープン/クローズキーや電源キー等の複数のキースイッチ(図示を省略)、および、リモートコントローラ207から送信される赤外線信号を受光する受光ユニット等を備えており、ユーザからの指示が入力される。また、入力された指示はマイクロコンピュータ(以下ではマイコンと称する)203に送出される。
内周読取位置検出スイッチ(以下では、単に検出スイッチと称する)213は、DVD200の最内周に記録されたデータ(ディスクの種別を示すデータや、情報の記録位置を示すデータ等)を読み取ることが可能な位置の近傍にピックアップ3が移動したことを検出する。サーボ回路211は、再生時を除く期間となるときでは、マイコン203の出力に従って、駆動用モータ5に供給される直流電源の経路のスイッチングを行うことにより、駆動用モータ5に印加される電圧の平均値を、マイコン203の出力に対応した電圧に設定する。また、DVD200の再生時では、信号処理部201の出力に従って駆動用モータ5の駆動を行う。
マイコン203は、DVDプレイヤとしての主要動作を制御する。すなわち、リモートコントローラ207に入力されたユーザの指示が再生であるときには、信号処理部201の動作とデコード部202の動作とを制御することによって、DVD200を再生し、テレビ受像機231に画像を表示させる。また、リモートコントローラ207に入力されたユーザの指示が、装置としての種々の設定となるときには、設定用のメニュー画面をテレビ受像機231に表示させた後、リモートコントローラ207への入力に対応した設定を行う。
退避制御手段212は、ピックアップ3を使用した動作状態(再生動作やサーチ動作等)とは異なる状態(停止状態等)となるとき、ピックアップ3の移動可能範囲の最も内周側の位置である内周側限度位置(図6に示す位置の近傍位置であり、図3ではP1により示す)より外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置(図5(a)に示す位置であり、図3ではP5により示す)にピックアップ3を移動させる。
なお、信号処理部201、および、サーボ回路211は、図4〜図7に示す駆動機構とともに、図8に示すディスクドライブに設けられている。また、退避制御手段212は、ディスクドライブの内部に設けられたマイコン(サーボ回路211と信号処理部201との動作を制御する)によって構成されている。そして、マイコン203のその他の制御機能(入力部206からの指示の受け付けやデコード部202の動作の制御等)は、図示されない装置本体に設けられたマイクロコンピュータによって構成される。
図2は、ピックアップを移動させるときの実施形態の主要動作を示すフローチャートである。必要に応じて同図を参照しつつ、実施形態の動作を説明する。
いま、トレイ2が排出位置にあるとする。この状態において、リモコン207や入力部206に設けられたオープン/クローズキーを操作すると(ステップS1)、マイコン203は、駆動ギア63が矢印D方向と逆方向に回転するように駆動用モータ5を駆動する。このため、トレイ2は、排出位置から収納位置に向かう方向に移動する(ステップS2)。
そして、トレイ2が収納位置まで移動したときには、アンクランプ対応位置にある機構部シャーシ7が、矢印E2方向に、クランプ対応位置に向かって回動を開始する。このため、スピンドルモータ76とピックアップ3とがクランプ対応位置に向かって移動する。マイコン203は、さらに、駆動用モータ5を駆動する。このため、ラック41が駆動ギア63に噛み合い、次いで、ラック32が駆動ギア63に噛み合う。このため、内周側限度位置P1の近傍位置である噛合解除位置P2に位置していたピックアップ3が矢印B2方向に移動を開始し、内周読取位置(図4に示す位置であり、図3のP3により示す位置)に移動する。マイコン203は、ピックアップ3が内周読取位置P3に移動したことを検出スイッチ213が検出すると、駆動用モータ5の駆動を停止する(ステップS3,S4)。
この状態において、マイコン203は、DVD200の再生を開始させるための制御を行う。このとき、信号処理部201より出力される信号が、DVD200がトレイ2に載置されていないことを示す場合、退避制御手段212は、ピックアップ3を矢印B2方向に移動させる極性でもって駆動用モータ5を所定時間だけ(例えば、200mS等)駆動する。このため、内周読取位置P3にあったピックアップ3は退避位置P5まで移動する(ステップS5,S6)。
一方、DVD200がトレイ2に載置されており、信号処理部201からマイコン203に出力される信号が、トレイ2にDVD200が載置されていることを示す場合、マイコン203は再生を開始させる。このため、DVD200を再生して得られた画像がテレビ受像機231に表示される(ステップS11)。そして、再生の停止となったときには、ピックアップ3を内周読取位置P3に移動させる制御を行う(ステップS12,S13)。次いで、退避制御手段212は、ピックアップ3を矢印B2方向に移動させる極性でもって駆動用モータ5を所定時間だけ(例えば、200mS等)駆動し、内周読取位置P3にあるピックアップ3を退避位置P5に移動させる(ステップS5,S6)。
ピックアップ3が退避位置P5に移動した後には、電源オフの指示が入力されたかどうか(ステップS7)、再生の指示が入力されたかどうか(ステップS16)、あるいは、その他の指示が入力されたかどうか(ステップS17)のそれぞれを調べるループ動作に移行する。
このループ動作において、すなわち、ピックアップ3が退避位置P5にある状態において、電源オフの指示が入力されたときには、マイコン203は、ピックアップ3を退避位置P5から移動させることなく、電源オフのための処理を行う。従って、電源オフとなったときにも、ピックアップ3は、移動可能範囲の中央近傍に位置することになる(ステップS7,S8)。
また、ループ動作において、再生の指示が入力されたときには、動作は、ステップS16からステップS11に移行し、再生のための制御が開始される。そして、再生が停止されたときには、ステップS12,S13からステップS6に移行する。このため、ピックアップ3は退避位置P5に移動することになる。また、ループ動作において、その他の指示が入力されたときには、その他の処理が開始される(ステップS17,S18)。
以上説明したように、電源オフの状態では、ピックアップ3は、図5(a)に示したように、移動可能範囲の中央近傍に位置した状態にある。この状態において、いま、装置本体が、図5の下方が落下方向となる向きでもって落下したとする。このときでも、装置本体が床に衝突したときでは、ピックアップ3に矢印B1方向の衝撃力が加わる。
しかし、矢印B1方向においては、ピックアップ3は、ラック32に噛み合う駆動ギア63によってのみ、移動を規制された状態にある。従って、矢印B1方向に加わった衝撃力は、ラック32が駆動ギア63に噛み合っている部分における僅かな変形、駆動ギア63の微少な回転や軸のたわみ、駆動用モータ5の回転軸の軸方向の移動や僅かの回転、といった具合に、多数の箇所の変形やたわみ、僅かな移動や回転といった要素によって、その衝撃力が緩和されることになる(駆動用モータ5は、ラック32から見たときには回転モーメントが大きいので、僅かしか回転しない)。
従って、装置本体を落下させるという不手際が生じたときにも、従来技術における場合に生じた衝撃(ピックアップ3がスピンドルモータ76の側面に衝突したことによる衝撃)に比すると、本実施形態においてピックアップ3に加わる衝撃は、充分に抑制された衝撃となる。従って、ピックアップ3の内部に設けられた光学系の部品の損傷やアクチュエータの不具合等の発生が防止されることになる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、退避位置については、ピックアップ3の移動可能範囲(内周側限度位置P1から外周側限度位置P10までの範囲)の中央近傍の位置とした場合について説明したが、ラック32に噛み合う駆動ギア63によってのみ、ピックアップ3の矢印B方向の移動が規制される状態となる限りでは、その他の範囲として、例えば、図3に示す位置P8(ラック32と駆動ギア63との噛み合わせの外れる恐れのない内周側の位置)から、外周側限度位置P10の近傍位置P9(ピックアップ3が外周側方向において、機構部シャーシ7等に衝突する恐れのない位置)までの範囲A5、等のように、その他の範囲内の位置とすることができる。但し、内周読取位置P3に近い範囲(例えば、A4に示す範囲)とする場合では、再生を開始するときに、退避位置にあるピックアップ3を内周読取位置P3まで移動させる時間を短くすることができる、という効果を得られる。
また、駆動機構については、ラック32と駆動ギア63との噛み合わせが解除されたことにより生じた遊びによって、ピックアップ3がスピンドルモータ76の側面に衝突する位置まで移動可能となる構成の場合について説明したが、前記遊びによって、ピックアップ3が、スピンドルモータ76には衝突しないが、機構部シャーシ7のその他の部材(ローダー筐体部等)に衝突する位置まで移動可能となる構成の場合にも、同様に適用することができる。
また、本発明をDVDプレイヤに適用した場合について説明したが、その他の装置(例えば、DVDレコーダ等)の場合にも、同様に適用することができる。
本発明に係るディスク装置の一実施形態であるDVDプレイヤの電気的構成を示すブロック線図である。 ピックアップを移動させるときの実施形態の主要動作を示すフローチャートである。 ピックアップの移動位置を示す説明図である。 実施形態に設けられた駆動機構の様子を示す平面図である。 (a)はディスク再生時の駆動機構を示す平面図であり、(b)はトレイオープン動作への移行時の駆動機構を示す平面図である。 トレイオープン動作途中の駆動機構を示す平面図である。 (a)はトレイクローズ時における駆動機構を示す側断面図、(b)は(a)における矢視X側面図である。 ディスクドライブの外観斜視図である。
符号の説明
2 トレイ
3 ピックアップ
5 駆動用モータ
7 機構部シャーシ
32 ラック
63 駆動ギア
76 スピンドルモータ
200 DVD(ディスク)
212 退避制御手段
P1 内周側限度位置
P2 噛合解除位置
P3 内周読取位置
P5 退避位置

Claims (3)

  1. ディスクが載置され、収納位置と排出位置とに移動可能に設けられたトレイと、
    ディスクを回転駆動するスピンドルモータとディスクの再生を行うピックアップとを有し、ディスクのクランプに対応するクランプ対応位置と、トレイを移動させるときの位置であるアンクランプ対応位置とに往復移動する機構部シャーシと、
    ピックアップに設けられたラックと、
    駆動用モータによって回転駆動され、ラックに噛み合うことによってピックアップをディスクの半径方向に移動させる駆動ギアとを備え、
    ピックアップが半径方向における移動可能範囲の最も内周側の位置の近傍である噛合解除位置まで移動したときには駆動ギアとラックとの噛み合わせが解除されて駆動用モータの伝達経路が切り換わり、伝達経路が切り換わった状態において、駆動用モータにより機構部シャーシがクランプ対応位置からアンクランプ対応位置に移動するディスク装置において、
    ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ピックアップが噛合解除位置の近傍に位置した状態において、駆動用モータを所定時間分だけ駆動することにより、噛合解除位置から外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させる退避制御手段を備えたことを特徴とするディスク装置。
  2. ディスクが載置され、収納位置と排出位置とに移動可能に設けられたトレイと、
    ディスクを回転駆動するスピンドルモータとディスクの再生を行うピックアップとを有し、ディスクのクランプに対応するクランプ対応位置と、トレイを移動させるときの位置であるアンクランプ対応位置とに往復移動する機構部シャーシと、
    ピックアップに設けられたラックと、
    駆動用モータによって回転駆動され、ラックに噛み合うことによってピックアップをディスクの半径方向に移動させる駆動ギアとを備えたディスク装置において、
    ピックアップを使用した動作状態とは異なる状態となるときには、ピックアップの移動可能範囲の最も内周側の位置である内周側限度位置より外周側に所定距離だけ離れた位置である退避位置にピックアップを移動させる退避制御手段を備えたことを特徴とするディスク装置。
  3. 退避制御手段は、ピックアップが内周側限度位置の近傍に位置した状態において、駆動用モータを所定時間分だけ駆動することによりピックアップを退避位置に移動させることを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
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