JP2006242547A - 溶融装置および半導体製造設備 - Google Patents

溶融装置および半導体製造設備 Download PDF

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Abstract


【課題】 容器の破損が防がれ、容器およびこの容器を含む装置全体の小形化および軽量化を図ることができ、融液の温度の立ち上がり特性を向上させることができ、湯面中央部での融液の凝固を防止することができる溶融装置および半導体製造設備を提供する。
【解決手段】 坩堝3には、貯留空間5が形成され、この貯留空間5にシリコンの融液2が貯留される。電磁コイル4は、坩堝3およびこの坩堝3の貯留空間5を通過する磁束を変化させる。この電磁コイル4は、坩堝3の貯留空間5内で磁束密度が最大となる磁束を発生させる。しかもこの電磁コイル4は、坩堝3の貯留空間5を上下に通過し、かつ坩堝3の底面28よりも予め定める距離L1だけ上方で磁束密度が最大となる磁束を発生させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体材料の溶融装置およびこの溶融装置を備える半導体製造設備に関する。
たとえば、結晶成長設備は、シリコンなどの半導体材料の固形片を、容器である坩堝内で溶融させ、坩堝内の半導体材料の融液を用いて、種子結晶の引上げなどによって、単結晶および多結晶などの結晶構造物を生成する。この結晶成長設備のような半導体製造設備は、溶融装置を備える。溶融装置は、高周波誘導加熱などによって、坩堝内の半導体材料の固形片を加熱して溶融し、かつ半導体材料の融液を予め定める設定温度に維持する。
高周波誘導加熱では、溶融装置は、半導体材料の融液を貯留する坩堝と、この坩堝を外囲する電磁コイルとを含む。電磁コイルには、高周波電力が供給される。電磁コイルに高周波電力が供給されているとき、坩堝には、電磁誘導によって誘導電流が流れ、ジュール熱が発生する。この熱は、半導体材料の融液に移動し、これによって坩堝内の半導体材料の融液が加熱される。
高周波誘導加熱では、坩堝内の半導体材料の融液が直接、加熱されるのではなく、坩堝が加熱され、この坩堝の熱が坩堝内の半導体材料の融液に移動し、これによって坩堝内の半導体材料の融液が加熱される。すなわち高周波誘導加熱は間接加熱である。
このような高周波誘導加熱によって半導体材料の融液を加熱する溶融装置では、坩堝内の半導体材料の融液における液面中央部である湯面中央部の温度が上昇しにくいという問題がある。また前記溶融装置では、湯面中央部の温度が一旦、予め定める設定温度まで上昇しても、この湯面中央部の温度は、結晶構造物を生成する結晶成長時の外乱の影響を受けて低下しやすく、したがって湯面中央部の融液が凝固してしまうことがあるという問題がある。
近年、結晶構造物を大形化するために、湯面の面積が増大され、湯面からの熱放射および熱伝達による放熱が増加している。したがってより一層、湯面中央部の温度が低下しやすく、湯面中央部の融液が凝固しやすい。
前述の問題を解決するための技術として、特許文献1には、坩堝の底部を厚くすることによって、坩堝の側面からだけでなく、坩堝の底面からも、大きな熱量を融液に付与する技術が開示されている。また特許文献1には、坩堝の側部を薄くすることによって、坩堝内の融液に電磁コイルによる磁束を浸透させ、坩堝内の融液を電磁力によって強制対流させる技術が開示されている。
特開2003−194471号公報
前記特許文献1の技術では、坩堝の底面付近の高温になった融液が浮力によって対流し、これによって湯面中央部に熱が移動するけれども、前記浮力による対流では、湯面中央部での融液の凝固を確実に防止することができる程度に充分な湯面中央部への伝熱速度が得られないという問題がある。またこの技術では、坩堝の底部を厚くするので、坩堝の熱容量が大きくなり、したがって融液の温度の立ち上がり特性が悪いという問題がある。またこの技術では、坩堝の底部を厚くするので、坩堝が重くなり、坩堝の取扱いが困難になるとともに、装置全体が大形化してしまうという問題がある。さらにこの技術では、坩堝の側部を薄くするので、坩堝の剛性が低下し、熱応力によるダメージを受けて、坩堝が破損するという問題がある。
本発明の目的は、容器の破損が防がれ、容器およびこの容器を含む装置全体の小形化および軽量化を図ることができ、融液の温度の立ち上がり特性を向上させることができ、湯面中央部での融液の凝固を防止することができる溶融装置および半導体製造設備を提供することである。
本発明は、半導体材料の融液を貯留するための貯留空間が形成され、導電性材料から成る容器と、
容器およびこの容器の貯留空間を通過する磁束を変化させる電磁コイルとを含み、
前記電磁コイルは、容器の貯留空間内で磁束密度が最大となる磁束を発生させることを特徴とする溶融装置である。
また本発明は、前記電磁コイルは、容器の貯留空間を上下に通過し、かつ容器の底面よりも予め定める距離だけ上方で磁束密度が最大となる磁束を発生させることを特徴とする。
また本発明は、前記溶融装置と、
溶融装置の容器に貯留される融液に、この融液が付着されるべき融液付着面を有する基材の前記融液付着面を浸漬させた後、融液から基材を引き上げる浸漬引上げ装置とを含むことを特徴とする半導体製造設備である。
本発明によれば、容器には、貯留空間が形成され、この貯留空間に半導体材料の融液が貯留される。電磁コイルは、容器およびこの容器の貯留空間を通過する磁束を変化させる。
電磁コイルによって磁束を変化させているとき、容器には、電磁誘導によって誘導電流が流れ、ジュール熱が発生する。この熱が、容器から、この容器に貯留される融液に移動する。
また電磁コイルによって磁束を変化させているとき、容器に貯留される融液には、電磁誘導によって誘導電流が流れる。この誘導電流と、電磁コイルによる磁束との相互作用によって、融液には、電磁力が作用する。この電磁力によって、融液内の温度差による自然対流とは別に、融液が強制対流し、これによって融液内で熱が移動する。
前記電磁コイルは、容器の貯留空間内で磁束密度が最大となる磁束を発生させるので、容器の貯留空間外で磁束密度が最大となる磁束を発生させる場合に比べて、容器に貯留される融液に作用する最大の電磁力が大きくなる。したがって強制対流による融液の流速を高くすることができ、これによって融液内での伝熱速度を高くすることができ、延いては、融液の液面中央部である湯面中央部への伝熱速度を高くすることができる。このように湯面中央部への伝熱速度を高くすることができるので、放熱に起因する湯面中央部の温度の低下を防止することができ、湯面中央部での融液の凝固を防止することができる。
このような本発明では、前記特許文献1の技術のように容器の底部を厚くする必要がない。したがって容器の熱容量を小さくすることができ、融液の温度の立ち上がり特性を向上させることができる。また容器の小形化および軽量化を図ることができ、これによって装置全体の小形化および軽量化を図ることができる。
またこのような本発明では、容器に貯留される融液に作用する最大の電磁力を大きくするにあたって、前記特許文献1の技術のように容器の側部を薄くする必要がない。したがって容器の破損を防止することができる。
また本発明によれば、電磁コイルは、容器の貯留空間を上下に通過する磁束を発生させるので、容器に貯留される融液には、この融液を容器の底面に沿って流動させるような電磁力が作用する。この電磁コイルによる磁束は、容器の底面よりも予め定める距離だけ上方で磁束密度が最大となる。したがって融液に最大の電磁力が作用する位置において、融液の流速の、粘性の影響による減衰を抑えることができ、融液の最大の流速を大きくすることができる。これによって湯面中央部への伝熱速度を高くして、湯面中央部での融液の凝固を防止することができる。
また本発明によれば、溶融装置の容器には、半導体材料の融液が貯留される。浸漬引上げ装置は、容器に貯留される融液に、この融液が付着されるべき融液付着面を有する基材の前記融液付着面を浸漬させた後、融液から基材を引き上げる。融液から基材を引き上げた後、基材の融液付着面に付着した融液が凝固することによって、基材の融液付着面には、半導体材料の単結晶および多結晶などの凝固物が形成される。
溶融装置は、前述のように、湯面中央部への伝熱速度を高くすることができる。したがって基材の融液付着面が浸漬される湯面中央部を、予め定める設定温度まで短時間で上昇させることができ、また前記湯面中央部の温度の低下を防止することができる。これによって高品質の凝固物を、短時間で安定して多量に生成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の溶融装置1を簡略化して示す断面図である。溶融装置1は、誘導加熱によって、詳しくは高周波誘導加熱によって、固体状態である半導体材料の固形片および液体状態である半導体材料の融液2を加熱する。溶融装置1は、半導体材料の固形片を溶融し、かつ半導体材料の融液2を予め定める設定温度に維持する。
本実施の形態では、半導体材料は、液体状態において導電性を有する半導体材料であり、たとえばシリコンである。半導体材料は、シリコンに限らず、たとえばゲルマニウムであってもよく、あるいはガリウムヒ素(GaAs)などの半導体化合物であってもよい。
溶融装置1は、容器である坩堝3と、電磁コイル4とを含む。坩堝3は、有底円筒状である。坩堝3には、シリコンの融液2を貯留するための貯留空間5が形成される。坩堝3は、導電性材料であるグラファイトから成る。電磁コイル4は、円環状に設けられる。電磁コイル4は、坩堝3と同軸であり、坩堝3を外囲する。坩堝3の軸線と電磁コイル4の軸線とは、共通な一直線を成すので、これらの各軸線には同一の符号「6」を付す。使用状態において、坩堝3および電磁コイル4の各軸線6は、鉛直である。
電磁コイル4には、交流電力、詳しくは高周波の交流電力である高周波電力が供給される。電磁コイル4は、この電磁コイル4に高周波電力が供給されているとき、坩堝3およびこの坩堝3の貯留空間5を上下に通過する磁束を変化させる。坩堝3は、導電性材料から成るので、電磁コイル4に高周波電力が供給されているとき、坩堝3の側部3aには、電磁誘導によって、電磁コイル4の軸線6まわりの周方向に誘導電流が流れ、ジュール熱が発生する。
このような溶融装置1では、まず、坩堝3の貯留空間5内に、シリコンの固形片が供給される。この後、電磁コイル4に高周波電力が供給される。電磁コイル4に高周波電力が供給されているとき、坩堝3には、ジュール熱が発生し、この熱がシリコンの固形片に移動する。これによってシリコンの固形片の温度は、上昇し、遂にはシリコンの融点に到達する。こうして、シリコンの固形片が溶融する。
シリコンの固形片が溶融した後も、電磁コイル4への高周波電力の供給は維持される。電磁コイル4に高周波電力が供給されているとき、坩堝3には、ジュール熱が発生し、この熱がシリコンの融液2に移動する。このとき、シリコンの融液2には、このシリコンの融液2内での温度差による浮力と、後述の電磁力との2種類の外力が作用する。その結果として、シリコンの融液2には、複雑な対流が生じる。この対流によって、シリコンの融液2内で熱が移動する。
図2は、図1に示す溶融装置1を備える半導体製造設備11を簡略化して示す図である。半導体製造設備11は、シリコンの融液2の凝固物である薄板を形成する薄板形成設備として実現される。半導体製造設備11は、シリコンの融液2が付着されるべき融液付着面12を有する基材13に、薄板を形成する。基材13は、たとえば矩形の板状体であり、その厚み方向一方側の表面が、融液付着面12となる。薄板は、たとえば多結晶シリコンウエハである。この薄板は、太陽電池などに用いられる。
半導体製造設備11は、図1に示す溶融装置1と、浸漬引上げ装置14とを含む。浸漬引上げ装置14は、溶融装置1の坩堝3に貯留されて予め定める設定温度に維持されるシリコンの融液2に、基材13の融液付着面12を浸漬させた後、シリコンの融液2から基材13を引き上げる。
詳細に述べると、浸漬引上げ装置14は、シリコンの融液2の液面である湯面15の上方から、図2において仮想線16で示す位置に、基材13を移動させて、シリコンの融液2の液面中央部である湯面中央部17に、基材13の融液付着面12を浸漬させる。これによって、シリコンの融液2を融液付着面12上に付着させ、融液付着層18を成長させる。この後、浸漬引上げ装置14は、シリコンの融液2から基材13を引き上げる。これによって前記融液付着層18が凝固する。前記融液付着層18は、凝固することによって、多結晶シリコンから成る薄板となる。
図3は、坩堝3に貯留されるシリコンの融液2に作用する電磁力20を説明するための、溶融装置1の断面図である。図4は、坩堝3に貯留されるシリコンの融液2に作用する電磁力20を説明するための、溶融装置1の平面図である。以下、「シリコンの融液」を単に「融液」と記載する場合がある。
電磁コイル4に高周波電力が供給されているとき、電磁コイル4には、交流電流21が流れ、坩堝3の側部3aには、電磁誘導によって、電磁コイル4の軸線6まわりの周方向に誘導電流22が流れる。詳しく述べると、電磁コイル4に流れる交流電流21が増加しているとき、坩堝3の側部3aには、前記交流電流21とは逆方向に誘導電流22が流れる。
電磁コイル4による磁束23は、坩堝3の貯留空間5を上下に通過するので、坩堝3に貯留される融液2を上下に通過する。融液2は、導電性を有するので、電磁コイル4に高周波電力が供給されているとき、融液2には、電磁誘導によって、電磁コイル4の軸線6まわりの周方向に誘導電流10が流れる。この誘導電流10と、電磁コイル4による磁束23との相互作用によって、融液2には、電磁力20が作用する。この電磁力20は、電磁コイル4の軸線6に近づく方向である内向きに作用する。この電磁力20によって、融液2内での温度差による自然対流とは別に、融液2が強制対流し、これによって融液2内で熱が移動する。
図5は、撹拌力の分布状態を説明するための、溶融装置1の断面図である。図6は、撹拌力の分布状態を説明するための、比較例としての溶融装置24の断面図である。本実施の形態の溶融装置1と比較例の溶融装置24とにおいて、対応する部分には、同一の符号を付して、説明を省略する。本実施の形態においては、電磁コイル4の単位長さあたりの巻数が、電磁コイル4の一端部4aから他端部4bにわたって同一である場合を想定して説明する。
撹拌力は、電磁力20と粘性抵抗とを考慮した力である。図5では、複数の位置における撹拌力を矢符25で示し、図6では、複数の位置における撹拌力を矢符26で示す。矢符25,26の向きは、撹拌力の向きを表す。矢符25,26の長さは、撹拌力の大きさに関係し、矢符25,26が長いほど、撹拌力が大きいことを表す。
図6に示す比較例では、電磁コイル4の軸線6に垂直で、かつ電磁コイル4の軸線方向の一端部4aおよび他端部4b間の中央部4cを通る仮想一平面27が、坩堝3の底面28内で坩堝3の軸線6と交差するように、電磁コイル4が坩堝3に対して配置される。これに対して、本実施の形態では、前記仮想一平面27が、坩堝3の貯留空間5内で、かつ坩堝3の底面28よりも予め定める距離L1だけ上方で、坩堝3の軸線6と交差するように、電磁コイル4が坩堝3に対して配置される。
電磁コイル4を貫通する磁束23は、前記仮想一平面27内で、磁束密度が最大となり、前記仮想一平面27から離れるにつれて、磁束密度が小さくなる。電磁力20の大きさは、磁束密度に比例するので、融液2に作用する電磁力20は、前記仮想一平面27内で最大となり、前記仮想一平面27から離れるにつれて小さくなる。粘性抵抗は、融液2の流動を妨げるような方向に作用する。粘性抵抗の大きさは、坩堝3の底面28上で最大となり、坩堝3から離れるにつれて小さくなる。
本実施の形態では、前述のように、前記仮想一平面27が坩堝3の貯留空間5内で坩堝3の軸線6と交差するように、電磁コイル4が坩堝3に対して配置される。これによって、電磁コイル4による磁束23は、坩堝3の貯留空間5内で磁束密度が最大となる。換言すれば、最大の電磁力20が発生する位置に貯留空間5が存在する。このような本実施の形態では、前記仮想一平面27が坩堝3の貯留空間5外で坩堝3の軸線6と交差するように、電磁コイル4が坩堝3に対して配置される場合に比べて、融液2に作用する最大の電磁力20を大きくすることができる。
しかも本実施の形態では、前述のように、前記仮想一平面27が坩堝3の底面28よりも予め定める距離L1だけ上方で坩堝3の軸線6と交差するように、電磁コイル4が坩堝3に対して配置される。これによって、電磁コイル4による磁束23は、坩堝3の底面28よりも予め定める距離L1だけ上方で磁束密度が最大となる。換言すれば、最大の電磁力20が発生する位置が、坩堝3の底面28よりも予め定める距離L1だけ上方に離れている。したがって融液2に最大の電磁力20が作用する位置において、融液2流速の、粘性の影響による減衰を抑えることができ、融液2の最大の流速を大きくすることができる。
図1を再び参照して、融液2に生じる対流を大略的に説明する。撹拌力は、内向きに作用し、かつ前記仮想一平面27内で最大となる。したがって前記仮想一平面27付近では、内向きの流れ31が生じる。この流れ31は、電磁コイル4の軸線6付近で、上向きの流れ34と、下向きの流れ38とに分岐する。
電磁コイル4の軸線6付近での上向きの流れ34は、湯面15付近で、電磁コイル4の軸線6から離れる方向である外向きの流れ35に変わる。湯面15付近での外向きの流れ35は、坩堝3の側面36付近で、下向きの流れ37に変わる。坩堝3の側面36付近での下向きの流れ37は、前記仮想一平面27付近で、再び、内向きの流れ31に変わる。
電磁コイル4の軸線6付近での下向きの流れ38は、坩堝3の底面28付近で、外向きの流れ39に変わる。坩堝3の底面28付近での外向きの流れ39は、坩堝3の側面36付近で、上向きの流れ40に変わる。坩堝3の側面36付近での上向きの流れ40は、前記仮想一平面27付近で、再び、内向きの流れ31に変わる。
融液2は、坩堝3の側面36付近の温度が最も高く、次に坩堝3の底面28付近の温度が高い。融液2は、湯面15からの熱放射および熱伝達によって、湯面中央部17が最も低温になる。このような融液2内での温度差によって、湯面中央部17では、浮力よりも重力が大きくなり、下向きに力が作用する。したがって湯面中央部17では、下向きの流れ41が生じる。
図7は、融液2に生じる対流を説明するための、前記比較例としての溶融装置24を示す断面図である。図7に示す溶融装置24では、前記仮想一平面27が坩堝3の底面28内で坩堝3の軸線6と交差するように、電磁コイル4が坩堝3に対して配置される。このような比較例では、融液2に最大の電磁力が作用する位置において、電磁コイル4の軸線6に近づく方向の流れ51が、粘性の影響によって大幅に減衰してしまうので、坩堝3の側面36付近の熱が、湯面中央部17に移動されにくい。したがって湯面中央部17において、融液2内の温度差による下向きの流れ52は、撹拌力による上向きの流れ53よりも支配的となり、これによって湯面中央部17の温度が低下しやすい。
これに対して、本実施の形態では、前述のように、前記仮想一平面27が坩堝3の底面28よりも予め定める距離L1だけ上方で坩堝3の軸線6と交差するように、電磁コイル4が坩堝3に対して配置される。これによって、融液2に最大の電磁力20が作用する位置において、融液2流速の、粘性の影響による減衰を抑えることができ、融液2の最大の流速を大きくすることができる。したがって湯面中央部17において、撹拌力による上向きの流れ34は、融液内の温度差による下向きの流れ41よりも支配的となる。
前記予め定める距離L1は、詳細に述べると、以下のように選ばれる。前記仮想一平面27が坩堝3の底面28内で坩堝3の軸線6と交差している状態から、前記仮想一平面27を坩堝3の底面28の上方に徐々に離していくことを想定する。この場合、ある距離だけ離れたところで、前記仮想一平面27付近での内向きの流れ31が、電磁コイル4の軸線6付近に到達するようになり、これによって湯面中央部17において、撹拌力による上向きの流れ34が、融液内の温度差による下向きの流れ41よりも支配的となる。そのような距離が、前記予め定める距離L1として選ばれる。
湯面15と仮想一平面27との間の距離L2は、坩堝3の側面36付近で下向きに流れる融液2と坩堝3の側面36との間で、湯面中央部17での融液2の凝固を防止することができる程度に充分、熱交換できる大きさに選ばれる必要がある。このような湯面15と仮想一平面27との間の距離L2をも考慮して、前記予め定める距離L1が選ばれる。
以上のような本実施の形態によれば、電磁コイル4は、坩堝3の貯留空間5内で磁束密度が最大となる磁束23を発生させるので、坩堝3の貯留空間5外で磁束密度が最大となる磁束23を発生させる場合に比べて、坩堝3に貯留される融液2に作用する最大の電磁力20が大きくなる。したがって強制対流による融液2の流速を高くすることができ、これによって融液2内での伝熱速度を高くすることができ、延いては、湯面中央部17への伝熱速度を高くすることができる。このように湯面中央部17への伝熱速度を高くすることができるので、放熱に起因する湯面中央部17の温度の低下を防止することができ、湯面中央部17での融液2の凝固を防止することができる。
このような本実施の形態では、前記特許文献1の技術のように坩堝3の底部3bを厚くする必要がない。したがって坩堝3の熱容量を小さくすることができ、融液2の温度の立ち上がり特性を向上させることができる。また坩堝3の小形化および軽量化を図ることができ、これによって装置全体の小形化および軽量化を図ることができる。
またこのような本実施の形態では、坩堝3に貯留される融液2に作用する最大の電磁力20を大きくするにあたって、前記特許文献1の技術のように坩堝3の側部3aを薄くする必要がない。したがって坩堝3の破損を防止することができる。
また本実施の形態によれば、電磁コイル4は、坩堝3の貯留空間5を上下に通過する磁束23を発生させるので、坩堝3に貯留される融液2には、この融液2を坩堝3の底面28に沿って流動させるような電磁力20が作用する。この電磁コイル20による磁束23は、坩堝3の底面28よりも予め定める距離L1だけ上方で磁束密度が最大となる。したがって融液2に最大の電磁力20が作用する位置において、融液2の流速の、粘性の影響による減衰を抑えることができ、融液2の最大の流速を大きくすることができる。これによって湯面中央部17への伝熱速度を高くして、湯面中央部17での融液2の凝固を防止することができる。
このような溶融装置1を備える半導体製造設備11では、基材13の融液付着面12が浸漬される湯面中央部17を、予め定める設定温度まで短時間で上昇させることができ、また前記湯面中央部17の温度の低下を防止することができる。したがって高品質の多結晶シリコンウエハを、短時間で安定して多量に生成することができる。
また本実施の形態では、電磁コイル4の巻数、および電磁コイル4に供給される交流電力などを変えることなく、電磁コイル4と坩堝3との配置を変えるだけで、前述の各効果を達成することができる。
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば、電磁コイル4の単位長さあたりの巻数は、必ずしも電磁コイル4の一端部4aから他端部4bにわたって同一である必要はない。電磁コイル4は、坩堝3の貯留空間5内で磁束密度が最大となる磁束23を発生させればよい。換言すれば、電磁コイル4を貫通する磁束23の磁束密度が最大となる位置に、坩堝3の貯留空間5が配置されるように、坩堝3および電磁コイル4を設ければよい。
本発明は、半導体材料の単結晶および多結晶などの結晶構造物、あるいは半導体材料の非晶質の構造物を生成するために、好適に用いられる。
本発明の実施の一形態の溶融装置1を簡略化して示す断面図である。 図1に示す溶融装置1を備える半導体製造設備11を簡略化して示す図である。 坩堝3に貯留されるシリコンの融液2に作用する電磁力20を説明するための、溶融装置1の断面図である。 坩堝3に貯留されるシリコンの融液2に作用する電磁力20を説明するための、溶融装置1の平面図である。 撹拌力の分布状態を説明するための、溶融装置1の断面図である。 撹拌力の分布状態を説明するための、比較例としての溶融装置24の断面図である。 融液2に生じる対流を説明するための、前記比較例としての溶融装置24を示す断面図である。
符号の説明
1 溶融装置
2 融液
3 坩堝
4 電磁コイル
5 貯留空間
11 半導体製造設備
12 融液付着面
13 基材
20 電磁力
23 磁束
28 坩堝3の底面
36 坩堝3の側面
L1 予め定める距離

Claims (3)

  1. 半導体材料の融液を貯留するための貯留空間が形成され、導電性材料から成る容器と、
    容器およびこの容器の貯留空間を通過する磁束を変化させる電磁コイルとを含み、
    前記電磁コイルは、容器の貯留空間内で磁束密度が最大となる磁束を発生させることを特徴とする溶融装置。
  2. 前記電磁コイルは、容器の貯留空間を上下に通過し、かつ容器の底面よりも予め定める距離だけ上方で磁束密度が最大となる磁束を発生させることを特徴とする請求項1記載の溶融装置。
  3. 請求項1または2記載の溶融装置と、
    溶融装置の容器に貯留される融液に、この融液が付着されるべき融液付着面を有する基材の前記融液付着面を浸漬させた後、融液から基材を引き上げる浸漬引上げ装置とを含むことを特徴とする半導体製造設備。
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