JP2006241986A - ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディーゼルエンジンにおいて、針弁の弁座への押付け圧力を変化させることにより開弁圧を変化せしめる油圧シリンダ装置と、該油圧シリンダ装置への作動油路に設けられて該作動油路の通路面積を変化させることにより該油圧シリンダ装置による前記針弁の押付け圧力を変化せしめる電磁弁と、エンジンの燃料噴射量の増加に従い開弁圧を上昇せしめるように該燃料噴射量の変化に従い前記電磁弁の開度を変化させて該開弁圧を制御するコントローラとを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
該燃料噴射弁5の燃料溜め53内に溜められた高圧燃料は、該高圧燃料の圧力が該燃料噴射弁5に設けられた針弁51の開弁圧つまり針弁ばね54のセット圧によって設定された開弁圧を超え、該高圧燃料の圧力によって針弁51が開弁すると、該燃料噴射弁5に設けられた噴孔52からエンジンの燃焼室30内に噴射せしめられる。
このため、かかる従来のエンジンでは、高負荷運転時の噴射圧力を高くした噴射モードとして、排煙濃度を良好に保持し燃費(燃料消費率)を低減すると、部分負荷等の低負荷運転時における初期の噴射率が過大となってNOx(窒素酸化物)の増加を招くという問題を抱えている。
前記針弁の弁座への押付け圧力を変化させることにより前記開弁圧を変化せしめる油圧シリンダ装置と、該油圧シリンダ装置への作動油路に設けられて該作動油路の通路面積を変化させることにより該油圧シリンダ装置による前記針弁の押付け圧力を変化せしめる電磁弁と、
前記エンジンの燃料噴射量の増加に従い開弁圧を上昇せしめるように該燃料噴射量の変化に従い前記電磁弁の開度を変化させて該開弁圧を制御するコントローラとを備えたことを特徴とする。
即ち、前記コントローラは、エンジンにおけるエンジン負荷の検出値及びエンジン回転数の検出値に基づき算出した燃料噴射量の設定値と前記電磁弁の開度に基づき算出した前記開弁圧とを比較し、前記開弁圧が燃料噴射量の設定値に対応する開弁圧になるように前記電磁弁の開度を制御するように構成する。
該油圧シリンダ装置への作動油路に設けられて該作動油路の通路面積を変化させることにより該油圧シリンダ装置による前記針弁の押付け圧力を変化せしめる電磁弁と、
前記エンジンの燃料噴射タイミングと排煙濃度との関係、及び前記燃料噴射タイミングとNOx(窒素酸化物)排出量との関係が設定されるとともに、前記排煙濃度が許容濃度以下になり、かつ前記NOx排出量が許容排出量以下になる最適燃料噴射タイミングを算出し、前記開弁圧が前記最適燃料噴射タイミングに対応する最適開弁圧になるように、前記電磁弁の開度を変化させて該開弁圧を制御するコントローラとを備えたことを特徴とする。
即ち、前記エンジンの排煙濃度を検出するスモークセンサと、エンジン負荷を検出する負荷検出器と、エンジン回転数を検出する回転数検出器とを設け、
前記コントローラは、前記スモークセンサから入力される排煙濃度の検出値に基づき該排煙濃度が予め設定された許容排煙濃度以下で、且つNOx排出量が前記エンジン負荷あるいはエンジン回転数の検出値に基づき算出された該エンジン負荷あるいはエンジン回転数に対応する許容NOx排出量以下になるような最適燃料噴射タイミングを算出し、該最適燃料噴射タイミングに対応する最適開弁圧を算出するように構成する。
該油圧シリンダ装置への作動油路に設けられて該作動油路の通路面積を変化させることにより該油圧シリンダ装置による前記針弁の押付け圧力を変化せしめる電磁弁と、
前記燃料噴射ポンプの給排油通路を2段階で開閉して燃料噴射時期を制御するポペット弁機構と、
前記電磁弁の開度を変化させて前記開弁圧を制御するとともに前記開弁圧を前記ポペット弁機構の2段階の閉止により形成される棚圧よりも小さい開弁圧に設定するコントローラとを備えたことを特徴とする。
従って本発明によれば、燃料噴射量の変化に従い電磁弁の開度を変化させて開弁圧を制御することにより、高負荷運転時には開弁圧を上昇せしめて排煙濃度を良好に保持し燃費を低減でき、且つ低負荷運転時には開弁圧を低くし初期の噴射率を低くしてNOxの排出を抑制できるという、双方の効果を併せ備えたディーゼルエンジンが得られる。
コントローラによって、好ましくは、排煙濃度の検出値に基づき該排煙濃度が予め設定された許容排煙濃度以下で、且つNOx排出量がエンジン負荷あるいはエンジン回転数に対応する許容NOx排出量以下になるような最適燃料噴射タイミングを算出し、該最適燃料噴射タイミングに対応する最適開弁圧を算出し、開弁圧が前記最適開弁圧になるように、前記電磁弁の開度を変化させて該開弁圧を制御するように構成したので、
高負荷運転時には開弁圧を上昇させて噴射圧力を高くし噴射期間を短くした噴射モードで以って排煙濃度を許容排煙濃度以下に抑えるとともに、低負荷運転時には開弁圧を低くシフトして、初期の噴射率を低くし燃焼の立ち上がりを抑制してNOxの排出を抑制することが可能となる。
従って本発明によれば、前記排煙濃度及びNOxの排出量から算出した最適燃料噴射タイミングに対応する最適開弁圧になるように前記電磁弁の開度を変化させて該開弁圧を制御することにより、全運転域で排煙濃度を許容排煙濃度以下に抑制し且つNOxの排出量許容NOx排出量以下に抑制して運転できるディーゼルエンジンが得られる。
図1において、1は燃料噴射ポンプ、5は燃料噴射弁、14は給排油通路15を開閉するポペット弁で、該燃料噴射ポンプ1のプランジャ1aにより高圧に加圧されたプランジャ室11内の高圧燃料は、前記ポペット弁14が給排油通路15を閉じると、吐出弁2を押し開き噴射管4を通って燃料噴射弁5の燃料溜め53内に導入されるようになっている。52は燃料噴射弁5に設けられた噴孔、51は該燃料溜め53と噴孔52との間を開閉する針弁である。3は等圧弁である。
以上の構成は図9(A)に示す従来の燃料噴射装置と同様である。
前記針弁51の開弁圧は、前記油圧シリンダ6内の作動油圧による力と針弁ばね54のセット圧との合力によって構成され、前記燃料溜め53内の高圧燃料の圧力が前記針弁51の開弁圧を超えると、該高圧燃料の圧力によって針弁51がリフトして開弁し、前記噴孔52からエンジンの燃焼室30内に噴射せしめられる。
10はコントローラで、前記回転数検出器12からのエンジン回転数の検出値、前記負荷検出器11からのエンジン負荷の検出値、及び前記スモークセンサ13からの排煙濃度の検出値は前記コントローラ10に入力され、該コントローラ10は後述するような手順で前記電磁弁7の開度を制御するようになっている。
図2は前記第1実施例(一部は第2実施例)における制御ブロック図(その1)、図3は前記第1実施例(一部は第2実施例)における制御ブロック図(その2)である。
図2において、前記回転数検出器12からのエンジン回転数の検出値及び前記負荷検出器11からのエンジン負荷の検出値は、前記コントローラ10の噴射量算出部101に入力される。102は噴射量設定部で、前記エンジン回転数及び/またはエンジン負荷に対する燃料噴射量が設定されている。
前記噴射量算出部101においては、前記エンジン回転数の検出値及び/またはエンジン負荷の検出値に対応する燃料噴射量を前記噴射量設定部102から抽出して開弁圧算出部103に入力する。
前記開弁圧算出部103においては、前記噴射量算出部101からの燃料噴射量の抽出
値に対応する開弁圧を前記開弁圧設定部104から抽出して電磁弁制御部105に入力する。該電磁弁制御部105においては、前記開弁圧の抽出値になるような電磁弁7の開度を算出し、該電磁弁7を前記算出開度に調整する。これにより、前記電磁弁7によって油圧シリンダ6の作動油圧が前記開弁圧の抽出値に対応する作動油圧に調整され、前記針弁51(図1参照)の開弁圧は前記開弁圧抽出値に設定される。
従ってかかる第1実施例によれば、燃料噴射量の変化に従い電磁弁7の開度を変化させて開弁圧を制御することにより、高負荷運転時には開弁圧を上昇せしめて排煙濃度を良好に保持し燃費を低減でき、且つ低負荷運転時には開弁圧を低くし初期の噴射率を低くしてNOxの排出を抑制できるという、双方の効果を併せ備えたディーゼルエンジンが得られる。
108はスモーク/噴射タイミング設定部で、図4(A)に示すように、噴射タイミングを早くすると排煙濃度が低くなるように、許容排煙濃度と噴射タイミングとの関係が設定されている。また107はNOx/噴射タイミング設定部で、エンジン負荷あるいはエンジン回転数に対応する燃料噴射タイミングにおける許容NOx排出量が設定され、図4(B)に示すように、噴射タイミングを早くするとNOx排出量が増加するように設定されている。
111は開弁圧設定部で、前記最適燃料噴射タイミングと開弁圧との関係が設定され、高負荷運転時には前記排煙濃度が前記スモーク/噴射タイミング設定部108に設定された許容排煙濃度以下になるように規制された燃料噴射タイミングに対応する高い開弁圧が設定され、低負荷運転時には前記NOx排出量が前記NOx/噴射タイミング設定部107に設定された許容NOx排出量以下になるように規制された燃料噴射タイミングに対応する前記高負荷運転時よりも低い値にシフトされた開弁圧が設定されている。
該電磁弁制御部112においては、前記開弁圧の算出値になるような電磁弁7の開度を算出し、該電磁弁7を前記算出開度に調整する。これにより、前記電磁弁7によって油圧シリンダ6の作動油圧が前記開弁圧の抽出値に対応する作動油圧に調整され、前記針弁51(図1参照)の開弁圧は前記開弁圧算出値に設定される。
コントローラ10によって、排煙濃度の検出値に基づき該排煙濃度が予め設定された許容排煙濃度以下で、且つNOx排出量がエンジン負荷あるいはエンジン回転数に対応する許容NOx排出量以下になるような最適燃料噴射タイミングを算出し、該最適燃料噴射タイミングに対応する最適開弁圧を算出し、開弁圧が前記最適開弁圧になるように、前記電磁弁7の開度を変化させて該開弁圧を制御するように構成したので、
高負荷運転時には開弁圧を上昇させて噴射圧力を高くし噴射期間を短くした噴射モードで以って排煙濃度を許容排煙濃度以下に抑えるとともに、低負荷運転時には開弁圧を低くシフトして、初期の噴射率を低くし燃焼の立ち上がりを抑制してNOxの排出を抑制することが可能となる。
これにより、前記排煙濃度及びNOxの排出量から算出した最適燃料噴射タイミングに対応する最適開弁圧になるように前記電磁弁7の開度を変化させて該開弁圧を制御することにより、全運転域で排煙濃度を許容排煙濃度以下に抑制し、且つNOxの排出量を許容NOx排出量以下に抑制して運転できるディーゼルエンジンが得られる。
図5(B)において、Aは高負荷運転時で、前記燃料噴射量及び排煙濃度により設定された高い開弁圧P2での燃料噴射モードとなり、Bは低負荷運転時で、前記燃料噴射量及びNOxの排出量により設定された前記開弁圧P2よりも低い値にシフトされた開弁圧P1での燃料噴射モードとなる。
この第2実施例では、図1の第1実施例におけるポペット弁機構14に代えて、図7に示されるような2段階の開閉が可能なポペット弁機構140を設置している。
即ち、図7において、前記燃料噴射ポンプ1のプランジャ室11に接続される給排油通路15は2つの排油通路144及び145に分岐されて燃料タンク16に接続されるとともに、各排油通路144及び145には前記コントローラ10により開閉制御されて該各排油通路144及び145を開閉するソレノイド式の開閉弁141及び142が設置されている。143は均圧装置、5は燃料噴射弁である。
前記開閉弁141及び142の双方が閉じると、前記2つの排油通路144及び145が閉じられてプランジャ室11内の圧力が上昇し、前記開弁圧に達すると燃料噴射が開始される。このときの燃料噴射モードは高負荷運転時に対応する図8(B)のAに示す噴射モードとなる。
従ってかかる第2実施例によれば、燃料噴射ポンプ1の給排油通路15に接続される2つの排油通路144及び145を2段階で開閉して燃料噴射時期を制御するポペット弁機構14を設け、コントローラ10によって、前記開弁圧を前記ポペット弁機構14の開閉弁141及び142のいずれか一方を閉じることにより形成される棚圧B1よりも小さい開弁圧に設定することにより、エンジンの低負荷運転時に、前記ポペット弁機構14の2段階の閉止により形成される棚圧B1が形成される噴射モードで燃料噴射を行なうことができて、初期の噴射率を低く保持してNOxの排出抑制効果がより顕著となる。
その他の構成、作用効果は、図1に示される第1実施例と同様であり、これと同様の部材あるいは要素は同一の符号で示す。
1a プランジャ
2 吐出弁
3 等圧弁
4 噴射管
5 燃料噴射弁
6 油圧シリンダ
7 電磁弁
10 コントローラ
11 負荷検出器
12 回転数検出器
13 スモークセンサ
14,140 ポペット弁
15 給排油通路
30 燃焼室
51 針弁
52 噴孔
Claims (5)
- 燃料噴射ポンプにより高圧に加圧された高圧燃料を燃料噴射弁に導入し、燃料噴射弁内における前記高圧燃料の圧力が該燃料噴射弁に設けられた針弁の開弁圧を超えたとき該針弁が開弁して、該燃料噴射弁に設けられた噴孔からエンジンの燃焼室内に前記高圧燃料を噴射するように構成されたディーゼルエンジンにおいて、
前記針弁の弁座への押付け圧力を変化させることにより前記開弁圧を変化せしめる油圧シリンダ装置と、
該油圧シリンダ装置への作動油路に設けられて該作動油路の通路面積を変化させることにより該油圧シリンダ装置による前記針弁の押付け圧力を変化せしめる電磁弁と、
前記エンジンの燃料噴射量の増加に従い開弁圧を上昇せしめるように該燃料噴射量の変化に従い前記電磁弁の開度を変化させて該開弁圧を制御するコントローラとを備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装置。 - 前記コントローラは、前記エンジンにおけるエンジン負荷の検出値及びエンジン回転数の検出値に基づき算出した前記燃料噴射量の設定値と前記電磁弁の開度に基づき算出した前記開弁圧とを比較し、前記開弁圧が前記燃料噴射量の設定値に対応する開弁圧になるように前記電磁弁の開度を制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
- 燃料噴射ポンプにより高圧に加圧された高圧燃料を燃料噴射弁に導入し、燃料噴射弁内における前記高圧燃料の圧力が該燃料噴射弁に設けられた針弁の開弁圧を超えたとき該針弁が開弁して、該燃料噴射弁に設けられた噴孔からエンジンの燃焼室内に前記高圧燃料を噴射するように構成されたディーゼルエンジンにおいて、
前記針弁の弁座への押付け圧力を変化させることにより前記開弁圧を変化せしめる油圧シリンダ装置と、
該油圧シリンダ装置への作動油路に設けられて該作動油路の通路面積を変化させることにより該油圧シリンダ装置による前記針弁の押付け圧力を変化せしめる電磁弁と、
前記エンジンの燃料噴射タイミングと排煙濃度との関係、及び前記燃料噴射タイミングとNOx(窒素酸化物)排出量との関係が設定されるとともに、前記排煙濃度が許容濃度以下になり、かつ前記NOx排出量が許容排出量以下になる最適燃料噴射タイミングを算出し、前記開弁圧が前記最適燃料噴射タイミングに対応する最適開弁圧になるように、前記電磁弁の開度を変化させて該開弁圧を制御するコントローラとを備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装置。 - 前記エンジンの排煙濃度を検出するスモークセンサと、エンジン負荷を検出する負荷検出器と、エンジン回転数を検出する回転数検出器とを設け、
前記コントローラは、前記スモークセンサから入力される排煙濃度の検出値に基づき該排煙濃度が予め設定された許容排煙濃度以下で、且つNOx排出量が前記エンジン負荷あるいはエンジン回転数の検出値に基づき算出された該エンジン負荷あるいはエンジン回転数に対応する許容NOx排出量以下になるような最適燃料噴射タイミングを算出し、該最適燃料噴射タイミングに対応する最適開弁圧を算出するように構成されたことを特徴とする請求項3記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。 - 燃料噴射ポンプにより高圧に加圧された高圧燃料を燃料噴射弁に導入し、燃料噴射弁内における前記高圧燃料の圧力が該燃料噴射弁に設けられた針弁の開弁圧を超えたとき該針弁が開弁して、該燃料噴射弁に設けられた噴孔からエンジンの燃焼室内に前記高圧燃料を噴射するように構成されたディーゼルエンジンにおいて、
前記針弁の弁座への押付け圧力を変化させることにより前記開弁圧を変化せしめる油圧シリンダ装置と、
該油圧シリンダ装置への作動油路に設けられて該作動油路の通路面積を変化させることにより該油圧シリンダ装置による前記針弁の押付け圧力を変化せしめる電磁弁と、
前記燃料噴射ポンプの給排油通路を2段階で開閉して燃料噴射時期を制御するポペット弁機構と、
前記電磁弁の開度を変化させて前記開弁圧を制御するとともに前記開弁圧を前記ポペット弁機構の2段階の閉止により形成される棚圧よりも小さい開弁圧に設定するコントローラとを備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
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JP2016008505A (ja) * | 2014-06-20 | 2016-01-18 | 三菱重工業株式会社 | 燃料噴射弁及び燃料噴射装置 |
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