JP2006241983A - ディーゼル排ガス浄化装置および運転制御方法 - Google Patents

ディーゼル排ガス浄化装置および運転制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 目詰まりや灰分の閉塞に強く、逆洗や煤の加熱燃焼など特別の手段を必要とせず、しかも安価な材料で構成した粒状物質の除去フィルタ、及びこれを用いたディーゼル排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】多孔質波板1と多孔質平板2の対を基本単位とし、該多孔質波板の波板稜線が少なくとも1対以上ごとに交互に交差するように積層された成形体7の前記波板稜線と交差する側面4がシールされた排ガス浄化装置であって、前記排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り、前記排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させるか、または前記排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮るように、前記流路切り替え手段を制御するディーゼル排ガス浄化装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディーゼル排ガス浄化装置および運転制御方法に係り、特にディーゼルエンジンから排出される排ガス中のばいじん、PM(Particulate Matter、粒子状物質)を含有する排ガスの浄化装置および運転制御方法に関する。
従来、特許文献1に示すように、ディーゼルエンジンの排気ガス中に存在する粒子を濾過し、そして該粒子をエレメントを通って流れるガスから多孔質壁表面上に捕集するに適する多孔性壁を有する耐高温性フィルターエレメントに、粒子の燃焼が始まる温度を低下させる白金族金属及びアルカリ土金属酸化物の混合物を含む触媒を該壁の表面上に有するフィルタを用いる方法が知られている。いわゆる燃焼触媒を用いたこの方法は、図13に示すように、フィルタ20に多孔質セラミックスハニカムを用いたものであり、図14に示すようにハニカム孔は他端を通気性のない閉止物23により塞いでおり、ばいじん22(炭素などが主成分)は多孔質壁面21に捕集され、排ガスは該多孔質壁面21を通過して外部に排出される。
通常、式(1)に示す炭素の酸化反応は、500℃以上の高温領域で進行するが、ディーゼルエンジンの排ガスは高くても500℃程度、通常は400℃位となるため、他に熱源がなければ、反応に必要な温度に到達しない。
C+O2 → CO2 …… (1)
そこで、上記の白金族金属等を用いた触媒をフィルタに担持することにより、反応温度を350℃程度まで抑え、追加熱源無しでばいじんを捕集・燃焼しながら、連続再生運転が可能である。
また、特許文献2には、一酸化窒素NO含有のディーゼル排ガスを最初に触媒上に通しNOをNO2に転換させることによって二酸化窒素NO2を含有するガスを得、この二酸化窒素NO2によりフィルター上に除去された微粒子を燃焼させるディーゼル排ガスの微粒子除去方法が示されている。すなわち、図15に示すように酸化触媒24をフィルタ25の上流に配置して、排ガス中のNOをあらかじめNO2に転換しておいて、それをフィルタ25で捕集したばいじんと燃焼反応させるというものである。
さらに特許文献3には、図16に示すように、セラミックペーパーの平板3及びそれを波板状に加工した波板1を作り、それを交互に積層させて、ハニカム様担体を製造する方法が示され、またこれらを担体にして、排ガス処理用の触媒成分を担持した触媒担体が市販されている。
特公平7−106290号公報 特許第3012249号公報 特開2001−205720号公報 しかし、上記の従来方法では以下の問題点があった。
まず特許文献1の方法(図13)では、ディーゼルエンジンから出る排ガス中のばいじんは、フィルタ20に捕集されるが、フィルタ20の多孔質壁面21には酸化触媒が担持されており、この酸化触媒による作用により、排ガス中のNOが式(2)の様にNO2に酸化される。

NO+1/2O2 → NO2 ……(2)

このNOが、フィルタ21に捕集されたばいじん(主成分:炭素)と式(3)、(4)に示すような反応を行い、ばいじんを酸化燃焼させる。

C(ばいじん)+2NO2 → CO2+2NO ……(3)
C(ばいじん)+NO2 → CO+NO ……(4)

ところが、通常のエンジンオイルには1〜2重量%程度の金属添加剤に起因する灰分が含まれており、燃料中の硫黄分と反応してCaSO4を主成分とした灰が形成される。この灰は、該酸化触媒面を被覆して触媒活性を低下させることが知られており、特許文献1に示す酸化触媒を担持したセラミックスフィルター20は、一定期間を経過すると触媒活性が低下し、ばいじんが燃焼されず、閉塞してしまうという問題があった。
特許文献2の方法(図15)でも、酸化触媒24はばいじんの多い上流側に配置するため、経時的には酸化触媒24の表面に灰が堆積して閉塞し、酸化性能が低下する問題が生じる。また、該フィルタ25にも灰が堆積し、結局はフィルタ圧損が上昇する。
特許文献3のペーパーハニカム(図16)は、ハニカム状に形成されているため、特にばいじんを捕集するフィルタとして使われることはなく、臭気を分解したり、ばいじんを通過させる途中で燃焼させるなどの効果を狙ったものであり、ばいじんを一旦トラップして燃焼する特許文献1、2に比べて、燃焼・除去効率は低く、10〜20%のばいじんが除去できるのみである。
上記した従来技術は、PMの捕集効率が高く、優れた性能を有するものであるが、軽油や重油を燃料とする場合や、DEを用いた定置式発電設備などに使用する場合には、(i) 微細な細孔でPMを濾過することを基本原理とするフィルタ材であり、通風損失が大きく、効率の高いDEの特質を損なうことが多い、(ii)不適切な操作により多量な煤が発生した場合に閉塞を起こしやすく、逆洗や煤の加熱燃焼など閉塞対策が必要になるものが多い、 (iii)燃料中の灰分がフィルタ材の細孔に溜り、目詰まりを発生させるために寿命が短くなる、(iv)後流部に脱硝装置を持たない場合には、煤の燃焼に使われなかったNO2が排出され、黄色煙の発生や二次公害を引き起こす等の問題点を有している。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、目詰まりや灰分の閉塞に強く、逆洗や煤の加熱燃焼など特別の手段を必要とせず、しかも安価な材料で構成した粒状物質の除去フィルタ、及びこれを用いたディーゼル排ガス浄化装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について検討し、実機による実証試験を経て、下記構成のフィルタを用いることにより、A重油等の比較的硫黄分の高い燃料を用いるディーゼルエンジンの排ガス中のPM(パティキュレートマター)を捕集・燃焼除去されることを見出した。
さらに、該フィルタに保持された触媒により排ガス温度レベルでPMを効果的に連続燃焼処理でき、そのフィルタの構造の特異性によりエンジンの運転中にも燃焼灰を効果的に排出できることを見いだし、本発明に到達したものである。
上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は次の通りである。
(1)多孔質波板と多孔質平板の対を基本単位とし、該多孔質波板の波板稜線が少なくとも1対以上ごとに交互に交差するように積層された成形体の前記波板稜線と交差する側面がシールされ、前記波板の稜線の方向からディーゼル排ガスが流入し、前記多孔質平板を介して前記多孔質波板との間にそれぞれ排ガスの流入経路と流出経路が形成される排ガス浄化装置であって、該排ガスが流入する面と反対側の面、または該面および排ガスが流入する方向と交差する側面の一つの面に連通する流路に設けられた、排ガスの通過と遮断を切り替えることができる流路切り替え手段と、前記排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り、前記排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させるか、または前記排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮るように、前記流路切り替え手段を制御する排ガス流路制御装置とを有することを特徴とするディーゼル排ガス浄化装置。
(2)前記多孔質波板および平板に排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する機能を有する触媒が担持されている(1)記載の装置。
(3)(1)または(2)に記載の装置の後流側に排ガス脱硝装置が設けられていることを特徴とするディーゼル排ガス浄化装置。
(4)ディーゼルエンジン起動時、または該起動時から所定時間、前記排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、また前記排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮るように、前記流路切り替え手段を制御することを特徴とする(1)または(2)記載の装置の運転制御方法。
(5)流入する排ガス温度を測定し、該温度が設定温度以上の場合に、前記排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り、前記排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させるように、また排ガス流入温度が設定温度未満の場合に、前記排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮るように、前記流路切り替え手段を制御することを特徴とする(1)または(2)記載の装置の運転制御方法。
(6)前記設定温度は、排ガス浄化装置の差圧の経時変化を測定記録し、該差圧が上昇しない温度をそのデータから検知することによって求められることを特徴とする(5)記載の方法。
(7)排ガス浄化装置の差圧、または該浄化装置の入口圧力を測定し、該差圧、または入口圧力が一定値を超えた場合、または該差圧、または入口圧力が上昇し始めた場合、少なくとも排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮ることを特徴とする(1)または(2)記載の装置の運転制御方法。
(8)ディーゼルエンジンに連結された発電機の発電量を測定し、該発電量が下限値以上の場合に、排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り、排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させ、前記発電量が下限値未満の場合に、少なくとも排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮ることを特徴とする(1)または(2)に記載の装置の運転制御方法。
(9)前記下限発電量が、(5)に記載の設定温度以上となる発電量であることを特徴とする(8)に記載の方法。
(10)前記下限発電量が定格発電量であることを特徴とするる(8)に記載の方法。
(11)排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り,排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させる操作と、排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮る操作を、一定期間ごとに交互に行なうことを特徴とする(1)または(2)に記載の装置の運転制御方法。
(12)前記操作におけるろ過モード運転時間とパージモード運転時間比率をろ過モード運転時間時間/パージモード運転時間が300以下となるようにすることを特徴とする(11)記載の運転制御方法。
本発明によれば、従来のような高価なセラミックス焼結フィルタを用いることなく、高性能で低圧損の触媒付DPFを実現することができる。また高価なPtなどの酸化触媒の担持量を飛躍的に少なくしてもPMを効率よく燃焼、除去できるため、大幅なコスト低下を図ることができる。またフィルタ成形体に交互に形成される排ガス流路のうち、排ガスが流入する方向の流路を一時的に開放し、運転中でも、煤塵、PM等の燃焼灰を系外に押し出す方向へガス流れを変更することができ、この状態で捕集されたPMは触媒により生成されたNOにより運転温度範囲で燃焼され、燃焼灰はパージガスに搬送されて除去されていくため、運転中もフィルタ差圧を回復再生でき、担持された触媒の活性を維持することが可能となり、また触媒活性を長期間維持することが可能となる。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。図1は、本発明の排ガス浄化装置に用いるフィルタ(DPF)の基本構造を示す説明図である。図1において、DPFは、多孔質波板1、2と平板3で構成されたブロック状の成形体(ここではDPFブロック7と称する)と閉止物4を備える。該DPFブロック7は、図2に示すように多孔質波板1と多孔質平板2の対からなる基本単位が、図3に示すように多孔質波板1の波板稜線が交互に交差するように複数積層されたものから構成される。閉止物4は、該DPFブロック7を構成する多孔質波板1の稜線と交差する方向のブロック7側面の一つの面に設けられる。このようにして多孔質平板3を介して多孔質波板1との間にそれぞれ排ガス(被処理ガス)の流入経路aと排ガス(浄化ガス)の流出経路bが形成される(図3)。
本発明において、多孔質波板1、2および多孔質平板3には、シリカアルミナ系セラミックス繊維を用いた不織布や織布、金属繊維織布、コージエライトなどのセラミックスの多孔質焼結体などが用いられる。これらのうち、多孔性に優れた軽量なDPFを得る点からは、0.5〜0.1mm厚のセラミックス不織布(シート)の使用が特に好ましい。多孔質波板1、2の波板の形状には特に制限はないが、上記した板厚の場合には、波のピッチを2〜10mm、高さを1〜5mmの範囲とするのが好ましい。上記DPFブロック7は、例えば、図1-a、1-bに示すように波板1、2には、a1=a2=3.3mm、b1=b2=1.9mmとなる高さ、幅のセラミックス製ペーパーを用い、1枚ごとにその向きが交差するように積層して焼成される。なお、この波板1、2は常に1枚ごと向きを交差させる必要はなく、例えば排ガス中のばいじん濃度が非常に高いと予想されるプラントに適用する場合には、入口面Aに当たる波板2の方向に、より多く積層させるようにしてもよい。この場合、触媒面が有効に利用されるとともに、パージする際も除去され易い。なお、山の高さ、幅もa1、a2=6.3mm、b1=b2=2.5mmなど様々なものが用いることができ、特に波板1、2のサイズは必ずしも等しくしなくともよい。さらに交差方向は直交である必要もないが、製造コスト、製造の簡便性等から直交にする方が望ましい。多孔質波板1と多孔質平板2からなる基本形状は、単に積層されているだけでもよいが、無機結合剤により互いに接着されているのが好ましい。
閉止物4は、多孔質波板1の波板稜線方向から流入する排ガスをその流入する面と反対側の面においてその排ガスの通過を阻止することができる機能を有するものであり、その素材やシール構造に特に制限はなく、例えば、シールする面の流路内に緻密な無機固化物を用いて栓をする方法、無機繊維マット状シール材を圧着する方法、金属板で蓋をする方法などの手段を採用することができる。
本発明に用いられる多孔質波板1、2および多孔質平板3には、少なくとも前述の排ガス流入側の排ガス流路において、排ガス浄化触媒、好ましくは排ガス中のNOをNO2 に酸化する酸化触媒成分が担持されている。該触媒成分には、例えば、白金(Pt)などの通常の貴金属をチタニア、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの高表面積担体に担持させた公知の触媒が用いられるが、イオウ分の多い重油を燃料とした排ガスの処理には、耐酸性に優れたチタニアの使用が特に好ましい。
本発明のDPFを用いて排ガスを浄化するには、被処理ガスは、DPFブロック7の多孔質波板2と多孔質平板3により形成される一波板稜線方向から供給される。すなわち、図3に示すように、DPFには、多孔質波板2と多孔質平板3により形成されるA方向の流路aと、これに直交するB方向の流路bが形成されるが、A方向から流入する被処理ガスは、流路a(排ガス流入経路)にのみ流入することができる。一方、流路aに流入したガスは、該流路aの出口部が図4のバイパス弁9でシールされているため、多孔質平板3内の気孔を通過し、該多孔質平板3とこれに隣接する他の多孔質波板1および多孔質平板3により形成されるB方向の流路b(排ガス排出経路)に移動する。排ガスが流路a内を通過する際にはガス中に含まれるPMが、濾過・除去され、該多孔質波板2の表面に堆積する。このときの状態(以後、ろ過モードと示す)を図1に示した。なお、図中の6は堆積したPMを示す。
また、被処理ガスが、流路aおよび流路b内において、多孔質波板1、2および多孔質平板3に接触すると、該被処理ガス中のNOが、これらに担持されている酸化活性を有する触媒で酸化されてNO2 となり、このNO2 により堆積したPM(煤)が前記式(3)(4) の反応によりCO2 に酸化されて除去される。従って、堆積するPMにより多孔質波板1および多孔質平板3の圧力損失が経時的に上昇し、閉塞するという弊害を防止することができる。
本発明のDPFでは、図1に示すように、流路a内を通過するガス中のNOは、PMが堆積する多孔質平板3の前流に位置する多孔質波板2と効率よく接触することができ、NO2 を効率よく発生させる。従って、多孔質波板2および多孔質平板3の表面に堆積したPMを効率よく酸化除去することができる。このため、多孔質波板2および多孔質平板3に担持させる触媒の量および高価な貴金属の使用量を大幅に削減しても、PMの酸化を十分に進行させ、堆積物の量を常に少なくすることができ、低圧損での運転が可能となる。なお、従来のハニカム状成形体の流路を交互に埋めて形成したDPFでは、図14に示すように平面状に堆積した煤の下層部でNO2を生成させるため、効率よく煤を燃焼させることができない。
また、煤を濾過されたガスは流路bに移動して排出されるが、流路b内にも、NOの酸化触媒が担持された多孔質波板1と多孔質平板3が存在するため、流路bでもガス中のNOがNO2 に酸化される。従って、流路bの後流部に尿素やNH3還元用の脱硝触媒が存在する場合には、下記式(5) により、極めて速度の早い脱硝反応が優先的に進み、低温時から高効率で排ガス中のNOxが除去されるため、脱硝性能の向上が可能となる。
NO+NO2 +2NH3 → 2N2 +3H2 O ……(5)
本発明において、排ガス中のNOをNO2 に酸化する酸化触媒は、成形体を構成する多孔質波板1、2および多孔質平板3の全てに担持されていてもよいが、排ガス流入経路を構成する流路a、具体的には排ガスの流入経路を構成する多孔質波板2の両面と、該多孔質波板2と接する多孔質平板3の片面にのみ担持されていてもよい。
図4、5、6および図6aは、本発明のDPFを反応器に組み込む際の種々の設置例を示す説明図である。図4において、多孔質波板1の波板稜線方向から流入する排ガスが流入する面と反対側の面に対して配管11およびバイパス弁9が設けられている。バイパス弁9の切替(開閉)により、排ガスの通過と遮断を制御することが可能となる。本発明では、図5に示すように、その流入面と交差/直交する面を遮断・通過させるバルブ12を併用してもよいし、また図6、図6aに示すようにバイパス弁9、12の機能を兼ねる三方弁13で代用してもよい。
なお、図4では、バイパス弁9からの出口煙道(=灰パージ煙道)11は、ろ過モードにおける出口煙道10に戻すようにしてあるが、図4aに示すように、別の燃焼灰処理装置(または灰サイロ)18に分離するようにしてもよい。
また、図4bに示すように、DPFブロック7への排ガス流入量を調整したり、非常時の圧力を逃がすためにバイパス煙道20、弁19を設けてもよい。 このような構成とすることにより、例えば、起動時以外は、弁19を部分的に開放し一部排ガスをバイパスしてDPFブロック7への排ガス量を調整して、DPF7への処理負荷を落とし、さらに寿命を延ばすことができる。
また、燃料中の硫黄濃度が高い場合には、適度にDPF7への排ガス流入量を調整し、DPF7に担持した触媒により大量の硫黄酸化物が発生するのを抑制し、かつ適度なPM除去も可能となる条件で運転することが可能となる。もちろん、DPF7へ担持する触媒の活性を適正化して硫黄酸化物の発生を抑えるのと併用するのが望ましい。
運転操作ミスやエンジントラブル、さらには低負荷運転を継続することにより、DPF7の煤酸化能を超えた煤(PM)で流路が閉塞した場合にも、バイパス弁9を開放してガスを流出させて堆積した煤を容易に抜き出すことができ、運転を迅速に復帰させることが可能となる。
また、バイパス弁9を開放した状態、すなわち流路aを貫通させた流れにした場合(以後、灰パージモードと記す)も、排ガスは酸化触媒が担持された該多孔質波板2、多孔質平板3からなる流路a内を通り、上記反応(3)、(4)による燃焼反応が進行する。また、一部の排ガスは多孔質平板3を通過するため、ろ過モードよりも効率は下がるが、PMを一部捕集しながら燃焼除去するため、排ガス中のPMは50%近く除去することができる。このようにして排ガス中のPMを長期間安定に連続処理できる。
従来のハニカム状成形体の流路を交互に埋めて形成したDPFでは、煤を燃焼させてもその燃焼灰を抜き出す手段がなく、最終的にはその燃焼灰により触媒細孔が閉塞し、活性が低下するが、本発明のDPFでは上述のように、定期・不定期的に灰パージモードを用いることにより、燃焼灰を運転中でも抜き出すことができ、触媒の活性が低下しない特長を有する。また運転を継続していくと、PMの燃焼灰(燃えかす)が堆積し、触媒面をマスキングし、少なくとも多孔質平板3に担持した触媒性能が低下する可能性があるが、本発明のDPFでは、これらの灰は運転中は該多孔質平板3の表面に軽く堆積しているのみなので、運転中にバイパス弁9を開放してガスを流出させて、多孔質波板1、2および多孔質平板3に堆積した灰を容易に抜き出すことができる。これは従来のコージエライト製あるいはSiC製等のセラミック製市販DPFでは得られなかった作用効果である。さらに長期間に渡って堆積した灰を抜き出さずにいたり、灰が堆積した状態でエンジンを長期停止したりして、灰の潮解温度以下となると、触媒面に灰が固着し、灰の除去が非常に困難となり触媒性能の低下の原因となるが、本発明のDPFにおいては、上述のように定期・不定期の灰パージを行なうことにより、排ガス処理装置(DPF)のさらなる寿命向上を図ることができる。
図7は、排ガス浄化装置を適用した自家発電システムの説明図である。このシステムは、ディーゼルエンジン14と、発電機15と、本発明の排ガス浄化装置(DPFブロック)7と、制御装置17とから主として構成される。
上記発電システムにおいて、黒煙の除去を確実に行いつつ、さらなるDPFの寿命向上を図る運転制御装置および方法として、以下の3種類があげられる。
すなわち、(1)起動時の黒煙だけを捕集する運転方法、(2)起動時および高負荷運転時のみPMを捕集する方法、および(3)運転中に定期的に燃焼灰を抜き出す方法またはこれと(1)、(2)の方法を併用する方法である。
(1)の運転方法について述べると、ディーゼルエンジン14の起動時には、図9の運転特性図に示すように、特にPM発生量が高いことが知られている。発生時間は瞬時であるが、その濃度は定常運転時の10倍以上の数100mg/m3N程度となり、黒煙が観察できる。この濃度領域は明らかに大気汚染防止法で定められた規制値を超える値である。したがって、起動時においては、バイパス弁9を閉止して排ガスを流路aから流路bへ流通させ、該多孔質平板3でのろ過操作を行い、黒煙を除去するのが望ましい。当然この段階では、DPFブロック7の温度は低い状態であるため、酸化触媒の効果は低く、捕集したPMを完全に燃焼させることは困難であり、PMの一部は該多孔質平板3上に未燃のまま捕集された状態となる。エンジン14の起動を検知する手段は様々あるが、エンジン回転数を検知する方法が最も簡便である。もちろん他の手段を用いてもかまわない。
エンジン14の起動後、それから所定時間、例えば発電機15による発電が開始され始めるまでの段階においては、PMの発生量が高いので、制御装置17にエンジンの起動信号を送り、排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り、排ガスが流入する方向と直交する側面へ排ガスを通過させ、前記多孔質平板3でのろ過操作を行う。これは、もちろん、起動前または停止時にろ過操作状態にしておく方法で対応してもよい。
発電が開始され、エンジン回転数が安定すると、PM濃度は十分低い状態で保たれるため、バイパス弁9を開放して灰パージモードで継続運転し、PMの堆積量を抑えることができる。
さらに発電量が増え、高温ガスがDPFを通過してDPFブロック7の温度がPM燃焼温度以上に上昇すると、多孔質波板1、2および多孔質平板3に付着または捕集された未燃PMが燃焼する。PM表面の有機物(炭素、炭化水素など)が燃焼するので、燃焼灰は粒径が非常に小さく、かつ表面の粘着性が減っており、平板3への付着性が落ちるため波板稜線方向に流れるガスに乗って、系外に吐き出される。
(1)の運転方法は起動時のようにPM濃度が高く、定常運転時には灰パージモードで、出口PM濃度が低い条件の場合に適用できる。本発明のDPFでは、灰パージモードでも一部の排ガスは多孔質平板3を通過するため、ろ過モードよりも効率は下がるが、PMを一部捕集しながら燃焼除去するため、排ガス中のPMは50%近く除去することができ、黒煙を抑えることも可能である。また、灰の堆積量は極限まで抑えることができ、本DPFの寿命を飛躍的に延ばすことができる。
次に、(2)起動時及び高負荷運転時にPMを捕集する方法について説明する。この方法でも起動時の黒煙はもちろん捕集することができる。
発電が開始された後の段階では、エンジン回転数が安定しPM発生量が低くなるので、バイパス弁9を開放し、灰パージモードとし、PMの堆積量を抑える。
ところで、図8の特性図に示すように、運転負荷が低い状態では、DPF入口のPM濃度は低くなり、灰パージモードでもDPF出口排ガス中のPM濃度は低くなる。この状態では、DPFブロック7の温度はまだ低い状態であるため、排ガスをろ過すると、未燃PMが過剰に堆積していく可能性があるため、一定値以上の発電量(下限発電量)が得られ、DPFブロック7の温度が設定温度以上に上昇するまでは、バイパス弁9を開放して、灰パージモードでの運転を行う。この方法は、図10、図11に示すように、高負荷運転時にも適用され、例えば、既設エンジン等で定常運転時のPMが比較的高い場合に適用される。
運転負荷が下限発電量以上となれば、当然DPFブロック7の温度も上昇し、設定温度以上となる。ここで、設定温度とは、PMが安定して燃焼を行える最低温度をいうが、これは、浄化装置の差圧の経時変化を記録してデータベース化しておき、差圧が上昇しない温度、およびその時の発電量をそのデータベースから概算し、それぞれ設定温度および下限発電量として求めることができる。このため、制御装置にはそのような演算回路をインプットしておく必要がある。
特にデータがない初期段階では、これらの値は定格発電量、およびその時の温度を初期値に用いて図10のような運転パターンを得、次いで発電負荷の推移によって差圧がどう変化したかデータベースを作成し、それから温度設定値を推測して、図11のバルブ操作に示すように、起動時および高負荷時にはバルブ9を閉、平常時はバルブ9を開とする運転パターンをとることが望ましい。
上記のようにして求めた設定温度及び下限発電量を超えれば、灰パージモードからろ過モードに移し、起動時や低負荷運転時に堆積したPMを燃焼させながら運転する。もし途中で発電量が下がり、設定温度や下限発電量を下回れば、再び灰パージモードに移行する。本発明においては、設定温度または下限発電量単独の制御でもよいが、両者を併用してもよい。上記のように運転制御することにより、不定期であるが灰パージモードを用いて燃焼灰の除去が可能となり、本発明のDPFをできる限り長期間安定に使用することが可能となる。
最後に、(3)の運転中に定期的に燃焼灰を抜き出す方法または前述の(1)、(2)の方法とを併用する方法について説明する。必ず定格発電量で運転する設備の場合、本発明の装置を定期的に灰パージして燃焼灰を系外に出すように運転制御すると、DPF寿命を延ばすことが可能となる。定格発電量、及びその近傍で発電量が制御され、上記の設定温度を常時クリアする設備の場合においても、定期的な灰パージ‐ろ過の繰り返しを行うことにより、大部分のPMを除去させつつ、PMの燃焼灰(燃えかす)が堆積し、触媒面をマスキングし、少なくとも多孔質平板3に担持した触媒性能が低下するという問題を回避することが可能である。これらの灰は運転中は該多孔質平板3の表面に軽く堆積しているのみなので、運転中にバイパス弁9を開放してガスを流出させて、堆積した灰を容易に抜き出すことができる。特に、長期間に渡って堆積した灰を抜き出さずにいたり、灰が堆積した状態でエンジンを長期停止したりして、灰の潮解温度以下となると、触媒面に灰が固着し、灰の除去が非常に困難となり触媒性能の低下の原因となるが、停止直前まで灰パージ操作を行えば、上記性能低下は回避できる。この定期的な灰パージ方法を、前述した2つの方法と併用すれば、運転中に効果的に燃焼灰の堆積を抑制することが可能となり、本DPFの寿命は飛躍的に向上する。この灰パージの操作時間、及び周期は、処理対象ガス中のPM濃度、排ガス組成(特に硫黄酸化物濃度)、燃料・オイルの組成・使用量、排ガス温度、処理ガス量、日々の運転状態等に応じて、PM処理負荷を考慮しながら自由な値を取ることができる。
図12aは、ディーゼルエンジン自家発設備において、ろ過モードおよび灰パージモードでの燃焼灰の堆積・除去量を測定した結果の一例を示す図である。また、図12bは、ディーゼルエンジン自家発設備において、ろ過モードおよび灰パージモードの時間比率に対する差圧上昇速度の関係を示す図である。ろ過モードで燃焼灰が溜まっていくスピードと、灰パージモードで燃焼灰が排除されるスピードを比較すると、灰パージモードで燃焼灰が排除されるスピードの方が少なくと2〜100倍以上大きいため、一般的なエンジン・燃料を使用する場合で、ろ過モード/灰パージモードの運転時間比率が1以下になることは少ない。また、ろ過モードから灰パージモードへ切替えるタイミングは、灰パージモードの運転時間に依存し、ろ過モードの運転時間を灰パージモードの運転時間で割った値を300以下とすることが出来ると考えられる。尚、エンジンや燃料等の条件によってPMの発生量が非常に少ない場合等は、例えば0.5から1000など自由に設定可能である。
上記事象は、DPF内部に徐々に付着してパージしても除去できなくなる(微量)灰は、長期間、排ガス及びさらに上積みされる灰により、DPFのフィルタ壁の細孔に圧着することに着目したものである。初期に付着した灰は、フィルタ壁への付着(粘着)性が小さく、パージにより除去が可能となることから、上記時間設定とすることによって、パージ操作で除去し難い灰を初期に除去することによって、パージ操作で除去されない灰がDPF内に蓄積し、層状になることを防ぎ、DPFの差圧の上昇を抑制可能としたものである。
また、パージ時間は、瞬時(1秒)以上、望ましくは1分以上が必要である。パージ時間は、1秒未満であると、付着した灰の除去が不十分となり、DPFの差圧が徐々に上昇する。尚、パージ最中の排ガス中のPMは、フィルタ壁を一部(または全く)通過しないが、DPFの流路で発生したNOにより、 10〜50%は酸化燃焼されて減少する。運転制御方法としては、図7の制御装置17にタイマー機能を付け、設定時間ごとにバイパス弁9の開閉指示を与えることにより実現できる。もちろん、図5、6に示した弁12や、3方弁13を用いたシステムでも、同様な制御装置を設けることができる。なお、従来のコージエライト製またはSiC製等のセラミック製市販DPFでは寿命は一般的に500〜2000hであったが、上記運転制御を用いた本DPFを用いることで、その5〜10倍の10000〜20000h程度の耐久性を持たせることが可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
シリカアルミナ繊維の不織布からなる板厚0.2mmの多孔質波板と板厚0.2mmの多孔性平板との積層体(交差コルゲートハニカム、波板ピッチ3.3mm、平板平板間隔1.9mm、ニチアス社製、外寸300mm×300mm×300mm)に、15%のTiO2 ゾル(石原産業社製)を含浸させ、エアーブローにより液切りし、150℃で乾燥し、その後、ジニトロジアンミン白金溶液(Pt濃度:1.33g/L)を含浸させ、再度乾燥後、600℃で焼成してPt担持量0.2g/Lの酸化触媒付DPF用基材を作製した。なお、TiO2ゾルは、壁面の細孔分布が対象ばいじんの粒径にあったサイズになるように、その濃度を変化させることが可能であるが、一般に5〜20重量%の範囲が好ましい。
触媒成分は、排ガス中の一酸化窒素を、ディーゼルエンジン排ガス中のPMを低温燃焼させる効果の高い二酸化窒素に酸化させる効果のある、いわゆる酸化触媒全般を用いることができる。もちろん一酸化窒素の酸化活性がある触媒であれば、市販のどの触媒を用いてもかまわない。
このように調製したDPFを用い、図9に示すように、起動時から30秒のみろ過モードとし、それ以後は灰パージモードで運転し、エンジン停止後にろ過モードに戻すプログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO濃度の経時変化を観察した。
ジニトロジアンミン白金の溶液(Pt含有量1.7g/L)にTiO2 粉末( ミレニアム社製G5、表面積320m2 /g)300gを懸濁させたスラリを80℃で2時間保持し、TiO2表面にPt成分を吸着させた。本溶液1kgにコロイダルシリカ(日産化学社製シリカゾル−OS)1kgを加え、硝酸でpHを調整して流路aに担持する触媒スラリを得た。
これとは別に、水700gにTiO2 粉末(石原産業社製CR50、、表面積3m2 /g)300gを懸濁させたスラリ1kgにコロイダルシリカ(日産化学社製シリカゾル−OS、SiO2 濃度20%)1kgを加え、硝酸でpHを調整して流路bに担持する不活性酸化物スラリを得た。
シリカアルミナ繊維の不織布からなる板厚0.2mmの交差コルゲートハニカム(波板ピッチ3.3mm、平板間隔1.9mm、ニチアス社製、外寸300mm×300mm×300mm)を用意し、図3のA方向から前記流路a用スラリを流し込み反対面から排出する方法で流路a内面にのみ触媒成分を担持、エアーブローによる液切り後、150℃乾燥した。その後、図3のB方向から前記流路b用スラリを流し込み反対面から排出する方法で流路b内面に不活性酸化物を担持、エアーブローによる液切り後、150℃乾燥、600℃で焼成して酸化触媒付DPF用基材を作製した。
調製したDPFを用い、図9に示すように、起動時から30秒のみろ過モードとし、それ以後は灰パージモードで運転し、エンジン停止後にろ過モードに戻すプログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO濃度の経時変化を観察した。
実施例1において調製したDPFを用い、図10に示すように起動時から30秒間ろ過モード、それ以後、定格発電量以上ではろ過モード、定格発電量未満では灰パージモードで運転する様プログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO濃度の経時変化を観察した。
実施例1において調製したDPFを用い、まず250〜450℃までの温度で50℃ごとの本DPFの差圧挙動を測定し、差圧上昇が見られなかった温度を設定温度値として求めた。この場合、350℃では差圧上昇は明らかに見られなかったため、350℃とした。
図11に示すように起動時から30秒間ろ過モード、それ以後、350℃以上ではろ過モード、350℃以下では灰パージモードで運転する様プログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO濃度の経時変化を観察した。
実施例1において調製したDPFを用い、起動時から30秒間ろ過モード、起動後、温度設定値A以上になるまで灰パージモード、定格発電量のみで運転し、ろ過モード、灰パージモードの運転時間をそれぞれ、55分、5分と設定し、定期的に灰パージを繰り返し運転する様プログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO濃度の経時変化を観察した。
実施例5と同じ運転制御とし、ろ過モード、灰パージモードの運転時間をそれぞれ、13時間55分、5分と設定し、定期的に灰パージを繰り返し運転する様プログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO濃度の経時変化を観察した。
〔比較例1〕
ハニカム成形体の流路の開口部に交互に栓をして作製されたコージエライトセラミック製市販DPF(日立金属社製、セル数100cpsi、5.66インチφ×6インチ長)に、チタニアゾル(石原産業社製、TiO2 含有量30重量%)を含浸後、遠心分離機で液切りしてTiO2を60g/L担持させ、150℃で乾燥後、さらにジニトロジアンミン白金酸溶液をDPFに対するPt担持量として1.6g/Lになるように含浸させ、乾燥後、600℃で2時間焼成して触媒付DPFを作製した。
このDPFを用い、実ガスを処理し、差圧、及びNO濃度の経時変化を観察した。このDPFでは灰パージができないため、新たにバイパスラインを設置し、起動時から20秒間はDPFに通ガスし、それ以後、定格発電量以上では通ガス、定格発電量未満ではバイパスして運転する制御を行った。
〔比較例2〕
実施例1において調製したDPFを用い、起動時を含め、全てろ過モードで運転する様プログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO酸化率の経時変化を観察した。これらの実施例、比較例について、以下の項目を調べ、結果を表1に示した。
(1)エンジン起動時の黒煙の有無
(2)低負荷運転時の黒煙の有無
(3)100%定格発電時の差圧と上昇の有無
(4)100%定格発電時のDPF出入口におけるPM濃度
(5)100%定格発電時のDPF出口におけるNO濃度(NO酸化率)
Figure 2006241983

得られた結果を表1に示したが、本発明の酸化触媒付DPFは、比較例1と比べて極めて少ないPt担持量で効率よく煤を燃焼することが可能であり、差圧を低く抑えることができる。
表1から、本発明の実施例1、2の起動時のみ黒煙を除去する方法では、NO酸化率(NO2濃度と相関)の経時低下を極めて少なくすることができ、酸化触媒付DPFの寿命を向上できることが分かった。また実施例2のDPFでは、酸化触媒が流路b(排ガスの排出経路)に担持されていないため、NO酸化率が低く抑えられており、環境面でも優れていることがわかる。一方、実施例1、3、4、5、6の酸化触媒付DPFでは、酸化触媒が排ガス流路全体に担持されているため、NO2 濃度が増大したが、この場合には、DPFの後流に脱硝触媒を設置することによりNO2 の系外への排出を防止することができる。
実施例3の、起動時に加え、100%定格運転時もろ過モードとする方法でも、PMの効率燃焼と、灰のパージが確実に行われ、DPFの寿命を向上させていることが分かる。
実施例4では、さらに中間負荷時(350℃以上)もろ過モードとするため、若干NO酸化率が低くなる傾向はあったものの、差圧の上昇は見られず、十分な長寿命が得られている。
これに対し、比較例1で得られた従来のセラミックス製DPFでは、差圧が高くなり、DPF出口のNO2 濃度も増大した。その上、経時的に差圧が上昇、NO2濃度が低下する傾向が見られ、燃焼灰、未燃PMの除去が行えないことが影響していると考えられる。
比較例2では、本発明のDPFを使用しているが、灰のパージを行わなかったため、触媒機能が徐々に低下し、起動時、低負荷時のPMが経時的に堆積し、NO酸化率の低下が起こっている。
実施例5、6は、高負荷で運転しており、定期的に灰パージを行って灰を除去しているため、実施例1、2よりろ過モードでの運転時間が長いにも関わらず、実施例4に見られたNO酸化率の低下が起きないことが分かった。灰パージモードの運転時間は例えば1分よりも5分、10分の方が燃焼灰を排除する量が多くなり、より望ましいとは考えられるが、実施例5、6の結果から5分でも十分であることが確認された。
図4bに示すように、DPF7の上流からガス出口煙道10に接続するバイパス煙道20、弁19を設けた。
起動時から30秒は、弁19を閉じておき、バイパス弁9を閉じ、DPF7をろ過モードで運転して黒煙を捕集した。起動時以外は、弁19を部分的に開放し排ガスの10%〜30%をバイパスしてDPF7への排ガス量を90%〜70%とした。
さらにDPF7の運転は、実施例5と同じく、ろ過モード、灰パージモードの運転時間をそれぞれ、55分、5分と設定し、定期的に灰パージを繰り返し運転する様プログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO酸化率、SO酸化率の経時変化を観察した。
〔比較例3〕
実施例7において弁19を常時閉めたまま、実ガスを処理し、実施例5と同じく、ろ過モード、灰パージモードの運転時間をそれぞれ、55分、5分と設定し、定期的に灰パージを繰り返し運転する様プログラムを設定して実ガスを処理し、差圧、及びNO酸化率、SO酸化率の経時変化を観察した。
Figure 2006241983

実施例7で弁19による排ガスバイパス量の違いによる比較を実施し、その結果を表2に示した。排ガスバイパス量を上げれば、当然差圧を低く抑えることができる。また、NO酸化率、SO2酸化率も低く抑えることができる。
本発明によれば、特にディーゼルエンジンから排出されるガス中に含まれる粒状物質(PM)を低通風損失かつ高効率で除去でき、かつ灰や煤を大掛かりな装置を用いることなく除去できるため、灰や煤が堆積しにくい運転制御を行い易く、さらに長寿命で、環境汚染防止に有用な安価なDPFを提供でき、社会的、経済的効果が大きい。
本発明の排ガス浄化装置本体でのろ過モードでのばいじん捕集原理を示した説明図。 本発明に用いる多孔質波板の説明図。 本発明に用いる多孔質波板の説明図。 本発明の排ガス浄化装置の灰パージモードでのばいじんの除去原理を示す説明図。 本発明の排ガス浄化装置に用いるDPFブロックの流路構成を示す説明図。 本発明の排ガス浄化装置の説明図。 本発明の排ガス浄化装置の説明図。 本発明の排ガス浄化装置の説明図。 本発明の排ガス浄化装置の説明図。 本発明の排ガス浄化装置の説明図。 本発明の排ガス浄化装置の説明図。 本発明のディーゼルエンジン排ガス処理系統を示す装置系統図。 ディーゼルエンジンの運転負荷とPM濃度の関係を示す図。 本発明の実施例1、2の運転制御方法の説明図。 本発明の実施例3の運転制御方法の説明図。 本発明の実施例4の運転制御方法の説明図。 本発明のDPFのろ過モードにおける燃焼灰堆積量と、灰パージモードにおける燃焼灰除去量についての比較説明図。 ろ過モードおよび灰パージモードの時間比率に対する差圧上昇速度の関係を示す説明図。 従来技術の説明図。 従来技術の説明図。 従来技術の説明図。 従来技術の説明図。
符号の説明
1:波板、2:波板、3:平板、4:閉止物、6:ばいじん、7:DPFブロック、8:煙道、9:バイパス弁、10:排ガス出口煙道、11:灰パージ煙道、12:弁、13:3方弁、14:ディーゼルエンジン、15:発電機、16:差圧計、17:制御装置、18:燃焼灰処理装置または灰サイロ、19:弁、20:バイパス煙道、21:セラミックスDPFセル壁、22:ばいじん、23:通気性のない閉止物、24:酸化触媒、25:フィルタ(DPF)。

Claims (12)

  1. 多孔質波板と多孔質平板の対を基本単位とし、該多孔質波板の波板稜線が少なくとも1対以上ごとに交互に交差するように積層された成形体の前記波板稜線と交差する側面がシールされ、前記波板の稜線の方向からディーゼル排ガスが流入し、前記多孔質平板を介して前記多孔質波板との間にそれぞれ排ガスの流入経路と流出経路が形成される排ガス浄化装置であって、該排ガスが流入する面と反対側の面、または該面および排ガスが流入する方向と交差する側面の一つの面に連通する流路に設けられた、排ガスの通過と遮断を切り替えることができる流路切り替え手段と、前記排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り、前記排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させるか、または前記排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮るように、前記流路切り替え手段を制御する排ガス流路制御装置とを有することを特徴とするディーゼル排ガス浄化装置。
  2. 前記多孔質波板および平板に排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する機能を有する触媒が担持されている請求項1記載の装置。
  3. 請求項1または2に記載の装置の後流側に排ガス脱硝装置が設けられていることを特徴とするディーゼル排ガス浄化装置。
  4. ディーゼルエンジン起動時、または該起動時から所定時間、前記排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、また前記排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮るように、前記流路切り替え手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の装置の運転制御方法。
  5. 流入する排ガス温度を測定し、該温度が設定温度以上の場合に、前記排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り、前記排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させるように、また排ガス流入温度が設定温度未満の場合に、前記排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮るように、前記流路切り替え手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の装置の運転制御方法。
  6. 前記設定温度は、排ガス浄化装置の差圧の経時変化を測定記録し、該差圧が上昇しない温度をそのデータから検知することによって求められることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 排ガス浄化装置の差圧、または該浄化装置の入口圧力を測定し、該差圧、または入口圧力が一定値を超えた場合、または該差圧、または入口圧力が上昇し始めた場合、少なくとも排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮ることを特徴とする請求項1または2記載の装置の運転制御方法。
  8. ディーゼルエンジンに連結された発電機の発電量を測定し、該発電量が下限値以上の場合に、排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り、排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させ、前記発電量が下限値未満の場合に、少なくとも排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮ることを特徴とする請求項1または2に記載の装置の運転制御方法。
  9. 前記下限発電量が、請求項5に記載の設定温度以上となる発電量であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記下限発電量が定格発電量であることを特徴とするる請求項8に記載の方法。
  11. 排ガスの流入面と反対側の面への排ガスの通過を遮り,排ガスが流入する方向と交差する側面へ排ガスを通過させる操作と、排ガスの流入面と反対側の面へ排ガスを通過させ、排ガスが流入する方向と交差する側面への排ガスの流通を遮る操作を、一定期間ごとに交互に行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の装置の運転制御方法。
  12. 前記操作におけるろ過モード運転時間とパージモード運転時間比率をろ過モード運転時間時間/パージモード運転時間が300以下となるようにすることを特徴とする請求項11記載の運転制御方法。






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