JP2006241272A - フッ素化アルキル基含有ジオ−ル、その製造方法、ポリウレタン樹脂及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フッ素化アルキル基をペンダント状に有し、一級の水酸基を2つ有する高純度のフッ素化アルキル鎖含有ジオール、その製造方法を提供すること、更に、ポリイソシアネートと重付加反応することによってフッ素化アルキル鎖を側鎖にペンダント状に一本ずつ均一に導入した新規なウレタン樹脂を提供することである。
【解決手段】 一般式(1)
【化1】
(式中、R1は炭素原子数が1〜36のフッ素化アルキル基を示し、R2は炭素原子数が2〜9のアルキレン基、ジアルキレンエーテル基から選ばれた基を示す。R3は、−CO−NH−R4−NH−CO−であり、R4は、炭素原子数が4〜18のジイソシアネート残基である。)
等で示されるフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ル、その製造方法、ポリウレタン樹脂及びその製造方法に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 一般式(1)
【化1】
(式中、R1は炭素原子数が1〜36のフッ素化アルキル基を示し、R2は炭素原子数が2〜9のアルキレン基、ジアルキレンエーテル基から選ばれた基を示す。R3は、−CO−NH−R4−NH−CO−であり、R4は、炭素原子数が4〜18のジイソシアネート残基である。)
等で示されるフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ル、その製造方法、ポリウレタン樹脂及びその製造方法に関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フッ素化アルキル基をペンダント状に有し、一級の水酸基を2つ有する新規なフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオール、その製造方法、ポリウレタン樹脂及びその製造方法に関するものである。
ポリウレタン樹脂は、通常ポリオールとポリイソシアネートをウレタン結合で連結し高分子量化した樹脂であり、ポリオールとポリイソシアネートの種類を変えることにより各種の性能をウレタン樹脂に付与できる汎用性の高い優れた樹脂であるため、更に機能性を付与した、高機能性ウレタン樹脂の開発が検討されている。
例えば、ウレタン樹脂の表面の粘着性を減らしたり、ウレタン樹脂の表面に滑り性、撥水性、撥油性、防汚性等を付与する目的で、側鎖にフッ素化アルキル基を導入した高機能性ウレタン樹脂が提案されている。
この高機能性ウレタン樹脂は、側鎖にフッ素化アルキル基を有するアクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーを、連鎖移動剤としてチオグリセリンのような、水酸基を2個有するメルカプタン(チオール)化合物を用いて、ラジカル重合し、片末端ジオールを有する含フッ素化アルキルオリゴマーを合成し、これをポリオール成分として、ウレタン樹脂に導入するものである(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、このオリゴマーは、1)一級と二級の水酸基を有し、二級の水酸基がイソシアネートとの反応が遅いため、ウレタン化に時間がかかる。2)チオグリセリンと反応していない、すなわち水酸基を有していないオリゴマーが副生する。この水酸基を有していないオリゴマーはイソシアネートと反応できないためウレタン樹脂に組み込まれず、ウレタン樹脂にブレンドされた状態となり、製品から徐々にブリードアウトしたり、水や溶剤によって抽出されたり、塗布した際の、ハジキの原因になったりする等の問題点を有している。
また側鎖に含フッ素化アルキルオリゴマーがぶら下がる構造となり、フッ素がウレタン分子の一ヶ所にかたまった状態で局在化し、側鎖に広く均一に分布されないため、フッ素化アルキル基が、ウレタン樹脂の表界面に均一に配向しにくいという問題があり、例えば、塗料として用いた場合、ハジキの原因になったり、濁りの原因になったりする。
例えば、ウレタン樹脂の表面の粘着性を減らしたり、ウレタン樹脂の表面に滑り性、撥水性、撥油性、防汚性等を付与する目的で、側鎖にフッ素化アルキル基を導入した高機能性ウレタン樹脂が提案されている。
この高機能性ウレタン樹脂は、側鎖にフッ素化アルキル基を有するアクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーを、連鎖移動剤としてチオグリセリンのような、水酸基を2個有するメルカプタン(チオール)化合物を用いて、ラジカル重合し、片末端ジオールを有する含フッ素化アルキルオリゴマーを合成し、これをポリオール成分として、ウレタン樹脂に導入するものである(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、このオリゴマーは、1)一級と二級の水酸基を有し、二級の水酸基がイソシアネートとの反応が遅いため、ウレタン化に時間がかかる。2)チオグリセリンと反応していない、すなわち水酸基を有していないオリゴマーが副生する。この水酸基を有していないオリゴマーはイソシアネートと反応できないためウレタン樹脂に組み込まれず、ウレタン樹脂にブレンドされた状態となり、製品から徐々にブリードアウトしたり、水や溶剤によって抽出されたり、塗布した際の、ハジキの原因になったりする等の問題点を有している。
また側鎖に含フッ素化アルキルオリゴマーがぶら下がる構造となり、フッ素がウレタン分子の一ヶ所にかたまった状態で局在化し、側鎖に広く均一に分布されないため、フッ素化アルキル基が、ウレタン樹脂の表界面に均一に配向しにくいという問題があり、例えば、塗料として用いた場合、ハジキの原因になったり、濁りの原因になったりする。
本発明の目的は、フッ素化アルキル基をペンダント状に有し、一級の水酸基を2つ有する高純度のフッ素化アルキル鎖含有ジオール、その製造方法を提供すること、更に、ポリイソシアネートと重付加反応することによってフッ素化アルキル鎖を側鎖にペンダント状に一本ずつ均一に導入した新規なウレタン樹脂を提供することである。
本発明者等は、フッ素化アルキル基を有するアクリル化合物とヒドロキシアミンとをマイケル型付加反応させ、アミノアルコールとし、これにジイソシアネートと反応させたジオール等を用いると、ウレタン樹脂の側鎖にフッ素化アルキル基を一本ずつペンダント状(くしの歯状)に導入できることを発見するに及んで、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
すなわち本発明は、一般式(1)
で示されるフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルを提供するものである。
また本発明は、一般式(2)
で示されるフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルを提供するものである。
また本発明は、一般式(3)
CH2=CHCOOCH2CH2−R1 (3)
(式中、R1は前記と同様である。)
で示されるアクリル化合物と
一般式(4)
HO−R2−NH2 (4)
(式中、R2は前記と同様である。)で示されるヒドロキシアミン化合物とのマイケル付加反応により、一般式(5)
HO−R2−NH−CH2CH2−COOCH2CH2−R1 (5)
(式中、R1及びR2は前記と同様である。)
で示されるアミノアルコールとし、次いでこのアミノアルコール2モルと、ジイソシアネート1モルとを反応させることを特徴とする、一般式(1)
CH2=CHCOOCH2CH2−R1 (3)
(式中、R1は前記と同様である。)
で示されるアクリル化合物と
一般式(4)
HO−R2−NH2 (4)
(式中、R2は前記と同様である。)で示されるヒドロキシアミン化合物とのマイケル付加反応により、一般式(5)
HO−R2−NH−CH2CH2−COOCH2CH2−R1 (5)
(式中、R1及びR2は前記と同様である。)
で示されるアミノアルコールとし、次いでこのアミノアルコール2モルと、ジイソシアネート1モルとを反応させることを特徴とする、一般式(1)
また本発明は、一般式(6)
CH2=CHCOO−R5−OH (6)
(式中、R5は前記と同様である。)で示される水酸基を有するアクリル化合物と一般式(7)
R6−CH2CH2−NH2 (7)
(式中、R6は前記と同様である。)
で示されるアミン化合物1モルとをマイケル付加反応させて、一般式(8)
R6−CH2CH2−NH−CH2CH2−COO−R5−OH (8)
(式中、R5及びR6は前記と同様である。)
で示されるアミノアルコールとし、次いでこのアミノアルコール2モルとジイソシアネート1モルとを反応させることを特徴とする一般式(2)
CH2=CHCOO−R5−OH (6)
(式中、R5は前記と同様である。)で示される水酸基を有するアクリル化合物と一般式(7)
R6−CH2CH2−NH2 (7)
(式中、R6は前記と同様である。)
で示されるアミン化合物1モルとをマイケル付加反応させて、一般式(8)
R6−CH2CH2−NH−CH2CH2−COO−R5−OH (8)
(式中、R5及びR6は前記と同様である。)
で示されるアミノアルコールとし、次いでこのアミノアルコール2モルとジイソシアネート1モルとを反応させることを特徴とする一般式(2)
本発明の、フッ素化アルキル鎖をペンダント状に有し、一級の水酸基を2つ有する高純度のフッ素化アルキル鎖含有ジオールは、ポリイソシアネートとの反応性に優れ、かつ該ポリオールを原料とした、フッ素化アルキル鎖を側鎖にペンダント状にグラフト導入した新規なウレタン樹脂は、耐久性や表面機能に優れる。
次に、本発明のフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ル及びその製造方法を詳細に説明する。
本発明のフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルは、一般式(1)及び一般式(2)で示される。
本発明のフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルは、一般式(1)及び一般式(2)で示される。
これらのうち、R1が炭素数4〜14であるのが好ましい。またR3中のR4が炭素数が4〜8のアルキレン基であるのが好ましい。
これらのうち、R6が炭素数4〜14であるのが好ましい。またR3中のR4が炭素数4〜8のアルキレン基であるのが好ましい。
本発明のフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルは、次の方法により製造することができる。
すなわち、第一の方法として、一般式(3)で示されるフッ素化アルキル基を有するアクリル化合物(化合物IIという)と一般式(4)で示されるヒドロキシアミン化合物(化合物Iという)とのマイケル付加反応により一般式(5)で示される末端に一級水酸基を有するアミノアルコール(化合物IIIという)を調製し、このアミノアルコール2モルとジイソシアネート1モルとを、水酸基を残してNH基とジイソシアネートのNCO基とを反応させる方法である。
この方法を模式的に表すと、次のとおりである。
この方法を模式的に表すと、次のとおりである。
CH2=CHCOOCH2CH2−R1 (3)
一般式(3)中、R1は炭素原子数が1〜36のフッ素化アルキル基を示すものである。このフッ素化アルキル基のうち、R1が炭素数4〜14であるものが好ましい。又、全ての水素原子がフッ素化されたパーフルオロアルキル基が好ましい。
一般式(3)で示されるフッ素化アルキル基を有するアクリリ化合物(II)としては、例えばパーフルオロブチルエチルアクリレート、パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート、パーフルオロアルキル(C4,C6,C8,C10,C12の混合)エチルアクリレート等が挙げられる。
一般式(3)中、R1は炭素原子数が1〜36のフッ素化アルキル基を示すものである。このフッ素化アルキル基のうち、R1が炭素数4〜14であるものが好ましい。又、全ての水素原子がフッ素化されたパーフルオロアルキル基が好ましい。
一般式(3)で示されるフッ素化アルキル基を有するアクリリ化合物(II)としては、例えばパーフルオロブチルエチルアクリレート、パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート、パーフルオロアルキル(C4,C6,C8,C10,C12の混合)エチルアクリレート等が挙げられる。
HO−R2−NH2 (4)
一般式(4)中、R2は炭素原子数が2〜9のアルキレン基、ジアルキレンエーテル基から選ばれた基を示すものである。このうち、R2がエチレン基又は、ジエチレンエーテル基であるものが好ましい。
一般式(4)中、R2は炭素原子数が2〜9のアルキレン基、ジアルキレンエーテル基から選ばれた基を示すものである。このうち、R2がエチレン基又は、ジエチレンエーテル基であるものが好ましい。
一般式(4)で示される化合物(I)の水酸基を有する一級アミンとしては、例えば2−アミノエタノール(モノエタノールアミン)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール等の一級水酸基及び一級アミノ基を有する化合物が挙げられる。
HO−R2−NH−CH2CH2−COOCH2CH2−R1 (5)
一般式(5)中、R1及びR2は前記と同様である。
HO−R2−NH−CH2CH2−COOCH2CH2−R1 (5)
一般式(5)中、R1及びR2は前記と同様である。
二級アミン化合物(III)の二級アミノ基をイソシアネート基と反応させ、二級アミン化合物(III)を尿素結合で2量化する目的で、ジイソシアネートが使用される。
ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂肪族或は脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。これらのうち、反応性の小さい脂肪族、脂環族ジイソシアネートが好ましい。このなかでも、特にヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)が好ましく用いられる。
ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂肪族或は脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。これらのうち、反応性の小さい脂肪族、脂環族ジイソシアネートが好ましい。このなかでも、特にヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)が好ましく用いられる。
また第二の方法として、一般式(6)で示される水酸基を有するアクリル化合物と一般式(7)で示されるフッ素化アルキル基を有するアミン化合物とをマイケル付加反応させて、一般式(8)で示されるアミノアルコールとし、このアミノアルコール2モルとジイソシアネート1モルとを反応させる方法である。
CH2=CHCOO−R5−OH (6)
一般式(6)中、R5は炭素原子数が2〜36のアルキレン基又はポリアルキレンエーテルを示すものである。このうち、R5が炭素数2〜4のアルキレン基であるものが好ましい。
R6−CH2CH2−NH2 (7)
一般式(7)中、R6は炭素原子数が1〜36のフッ素化アルキル基を示すものである。このうち、R6が炭素数4〜14であるものが好ましい。又、全ての水素原子がフッ素化されたパーフルオロアルキル基が好ましい。
R6−CH2CH2−NH−CH2CH2−COO−R5−OH (8)
一般式(8)中、R5及びR6は前記と同様のものを表すものである。
CH2=CHCOO−R5−OH (6)
一般式(6)中、R5は炭素原子数が2〜36のアルキレン基又はポリアルキレンエーテルを示すものである。このうち、R5が炭素数2〜4のアルキレン基であるものが好ましい。
R6−CH2CH2−NH2 (7)
一般式(7)中、R6は炭素原子数が1〜36のフッ素化アルキル基を示すものである。このうち、R6が炭素数4〜14であるものが好ましい。又、全ての水素原子がフッ素化されたパーフルオロアルキル基が好ましい。
R6−CH2CH2−NH−CH2CH2−COO−R5−OH (8)
一般式(8)中、R5及びR6は前記と同様のものを表すものである。
分子中に一般式(1)又は(2)で示されるフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルの成分単位とポリイソシアネートの成分単位を有する、数平均分子量が5,000〜500,000のポリウレタン樹脂について説明する。
かかるポリウレタン樹脂は、一般式(1)又は(2)で示されるフッ素化アルキル鎖含有ジオール化合物をポリイソシアネートと重付加反応することによって得られる、フッ素化アルキル鎖をウレタン樹脂の側鎖にペンダント状にグラフト導入したものである。
かかるポリウレタン樹脂は、一般式(1)又は(2)で示されるフッ素化アルキル鎖含有ジオール化合物をポリイソシアネートと重付加反応することによって得られる、フッ素化アルキル鎖をウレタン樹脂の側鎖にペンダント状にグラフト導入したものである。
このポリウレタン樹脂の原料としては、本発明の一般式(1)又は(2)のフッ素化アルキル鎖含有ジオールと、通常のポリウレタン樹脂の原料として使用されるポリオール、ポリイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネートと反応するポリオールとしては、本発明の一般式(1)又は(2)のフッ素化アルキル鎖含有ジオール以外に、通常ポリウレタン樹脂の原料として使用されるポリオ−ル、低分子ポリオ−ル等を併用することができる。
かかるポリオールの例としては、末端にヒドロキシル基を有する、ポリエステル、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステルカ−ボネ−ト、ポリエ−テル、ポリエ−テルカ−ボネ−トおよびポリエステルアミド等があるが、これらのうちポリエステル、ポリカ−ボネ−ト及びポリエ−テルが好適である。
前記した末端にヒドロキシル基を有するポリエステルとしては、二価アルコ−ルと二塩基性カルボン酸との反応生成物が挙げられる。遊離ジカルボン酸の代わりに、対応の無水物又は低級アルコ−ルのジエステル或いはその混合物もポリエステルの製造に使用することができる。
二価アルコ−ルとしては、特に限定はしないが、エチレングリコ−ル、1,3−及び1,2−プロピレングリコ−ル、1,4−及び1,3−及び2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサングリコ−ル、1,8−オクタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、ジブチレングリコ−ル等が挙げられる。
二塩基性カルボン酸としては、脂肪族、脂環族、芳香族及び/又は複素環式とすることができ、不飽和であっても或いは例えばハロゲン原子で置換されても良い。これらカルボン酸としては、限定はしないが、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメチン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロイソフタル酸、無水ヘキサヒドロイソフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマ−脂肪酸、例えばオレイン酸、ジメチルテレフタレ−ト及び混合テレフタレ−トが挙げられる。
これらの末端にヒドロキシル基を有するポリエステルは、カルボキシ末端基の一部を有することもできる。例えば、ε−カプロラクトンの様なラクトン、又はε−ヒドロキシカプロン酸の様なヒドロキシカルボン酸のポリエステルも使用することができる。
一方、末端にヒドロキシル基を有するポリカ−ボネ−トとしては、例えば、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル及び/又はポリテトラメチレングリコ−ルの様なジオ−ルと、ジアルキルカーボネート(例えば、ジエチルカーボネート)、ジアリルカ−ボネ−ト(例えばジフェニルカ−ボネ−ト)もしくは環式カ−ボネ−ト(例えばプロピレンカ−ボネ−ト)との反応生成物が挙げられる。
一方、末端にヒドロキシル基を有するポリエ−テルとしては、反応性水素原子を有する出発化合物と、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチレン、テトラヒドロフラン、エピクロルヒドリンの様な酸化アルキレン又はこれら酸化アルキレンの混合物との反応生成物が挙げられる。
かかる反応性水素原子を有する出発化合物としては、水、ビスフェノ−ルA並びにポリエステルポリオ−ルを製造するべく上記した二価アルコ−ルが挙げられる。
前記した低分子ポリオ−ルとしては、例えば前述した二価アルコ−ルが挙げられる。
次に、本発明において用いられるポリイソシアネートとしては、
R(NCO)2(式中、Rは任意の二価の有機基)によって示されるジイソシアネ−トが挙げられる。
R(NCO)2(式中、Rは任意の二価の有機基)によって示されるジイソシアネ−トが挙げられる。
かかるポリイソシアネートの例としては、特に限定はしないが、テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ドデカメチレンジイソシアネ−ト、シクロヘキサン−1,3−及び1,4−ジイソシアネ−ト、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネ−ト)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(=ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)、2−及び4−イソシアナトシクロヘキシル−2´−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−及び1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−及び1,4−テトラメチルキシリデンジイソシアネ−ト、2,4−及び/または2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2´−、2,4´−及び/または4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、p−及びm−フェニレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ジフェニル−4,4´−ジイソシネ−ト等が挙げられ、好ましくは4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、4,4’−MDIと略す)が用いられる。
前記ポリウレタン樹脂は、分子中に一般式(1)又は(2)で示されるフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルをジオール成分として、ポリイソシアネートと重付加反応させることにより得ることができる。
かかるポリウレタン樹脂の製造条件としては、特に限定はないが、通常は0〜120℃、好ましくは40〜100℃で適当な有機溶媒又は水の存在下で、これらのウレタン化原料を、触媒なしで或いは公知のウレタン化触媒を用いるか或いは反応遅延剤を添加して、撹拌混合させるものである。更に、ポリマー化の場合、反応の終点或いは終点近くで、一官能性の活性水素を有する化合物を加えて未反応のイソシアネート基を実質的に無くすこともできる。それらのうちでも、両末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量の樹脂、すなわちウレタンプレポリマーも製造することができる。
かかるポリウレタン樹脂の製造条件としては、特に限定はないが、通常は0〜120℃、好ましくは40〜100℃で適当な有機溶媒又は水の存在下で、これらのウレタン化原料を、触媒なしで或いは公知のウレタン化触媒を用いるか或いは反応遅延剤を添加して、撹拌混合させるものである。更に、ポリマー化の場合、反応の終点或いは終点近くで、一官能性の活性水素を有する化合物を加えて未反応のイソシアネート基を実質的に無くすこともできる。それらのうちでも、両末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量の樹脂、すなわちウレタンプレポリマーも製造することができる。
かかる有機溶媒の例としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの有機溶媒は、ウレタン化反応の最初に全量用いても、その一部を分割して反応の途中に用いても良い。
また、ウレタン化触媒としてはジブチルスズジイソシアネート、オクチル酸第一スズのようなスズ化合物、ジアザビシクロウンデセンような3級アミン、あるいは、そのカルボン酸塩等が使用でき、使用量はウレタン樹脂の固形分に対して10ppm〜1000ppmが適当である。
反応遅延剤としては通常リン酸等の酸が使用される。使用量はウレタン樹脂の固形分に対して10ppm〜1000ppmが適当である。
一官能性の活性水素を有する化合物とは、メタノール、ブタノールなどのモノアルコールが使用される。
また、本発明のフッ素化アルキル鎖含有ジオールを用いたポリウレタン樹脂におけるNCO/OH当量比は、ポリマー化の場合は、通常0.95〜1.05、好ましくは0.98〜1.03、プレポリマー化の場合は、通常1.05〜2.5、好ましくは1.5〜2.0が用いられる。
前記ポリウレタン樹脂の製法によれば、得られるポリウレタン樹脂の数平均分子量は限定されないが、好ましくは5,000〜500,000であり、より好ましくは3,0000〜150,000のものである。またウレタンプレポリマーとしては、数平均分子量1,000〜10,000のものが好ましい。
一方、本発明においては、上記ウレタンプレポリマーに対して、場合により鎖伸長剤として、有機ジアミンが使用される。
かかる有機ジアミンは、特に限定はないが、例えばジアミノエタン、1,2−又は1,3−ジアミノプロパン、1,2−又は1,3−又は1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N´−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−及び1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノプロパン、ノルボルネンジイソシアネート等があり、ヒドラジン、アミノ酸ヒドラジド、セミ−カルバジドカルボン酸のヒドラジド、ビス(ヒドラジド)及びビス(セミカルバジド)等も使用することができる。有機ジアミンを用いた鎖伸長反応条件としては、特に限定はしないが、通常80℃以下、好ましくは0〜70℃の温度で良好な撹拌条件下で実施される。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法には、必要に応じて反応の任意の時点で、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、非溶剤、顔料、充填剤、帯電防止剤その他の添加剤を加えることができる。
本発明により、フッ素化アルキル鎖をウレタン樹脂の側鎖にペンダント状にグラフト導入したいわゆるクシ型ウレタン、すなわちフッ素化アルキル鎖がクシの歯状にウレタン樹脂の側鎖に導入されたウレタン樹脂を製造することができる。このような構造のウレタン樹脂は、側鎖にペンダント状に導入されたフッ素化アルキル鎖はウレタン樹脂の表面、又は界面の機能を改良する効果がある。例えばフッ素化アルキル鎖を側鎖に有するウレタン樹脂は、フッ素化アルキル鎖をウレタン樹脂粒子の表面に配向させやすく、撥水性、撥油性、防汚性、発泡性、低表面張力、レベリング性、分散性、等が改良される。
次に、本発明のポリウレタン樹脂の用途について説明する。フッ素化アルキル鎖を側鎖に有するポリウレタン樹脂は、撥水性、撥油性、防汚性、発泡性、低表面張力、レベリング性、分散性、等が改良される。従って、合成皮革、人工皮革、工業用部品、フィルム、塗料、発泡体、レベリング剤などの用途が期待できる。
次に、本発明のフッ素化アルキル鎖ペンダント型ジオールの合成例、及びそれを使用した側鎖フッ素化アルキル鎖含有ウレタンの製造法を更に具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部及び%は断りのない限り重量に関するものである。又、分子量とは水酸基価から計算した数平均分子量を指すものとする。
[実施例1]パーフルオロオクチル基をペンダント状に有するジオールの合成例
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、モノエタノールアミン,30.5g(0.5モル)及び、トルエン331.5gを入れ攪拌した。ついで、パーフルオロオクチルエチルアクリレート259g(0.5モル)を、内温を45〜50℃に保ちながら約30分で滴下ロートを使用して、滴下投入した。その後内温を45〜55℃に保ちながら5時間攪拌した。赤外分光光度計で二重結合のピーク(1620cm−1)が消滅していることを確認して、次に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)42g(0.25モル)を内温を30〜40℃に保ちながら約30分かけて激しく攪拌しながら滴下した。滴下終了後後、内温を30〜40℃に保ちながら更に1時間攪拌した。ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈する事、すなわち、未反応のモノエタノールアミンが、残っていない事を確認した。更に、赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取りだした。得られたジオール化合物は常温でほとんど無色の粘稠液体であった。固形分の水酸基価の計算値84.6に対して水酸基価の実測値は84.1でほぼ一致した。
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、モノエタノールアミン,30.5g(0.5モル)及び、トルエン331.5gを入れ攪拌した。ついで、パーフルオロオクチルエチルアクリレート259g(0.5モル)を、内温を45〜50℃に保ちながら約30分で滴下ロートを使用して、滴下投入した。その後内温を45〜55℃に保ちながら5時間攪拌した。赤外分光光度計で二重結合のピーク(1620cm−1)が消滅していることを確認して、次に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)42g(0.25モル)を内温を30〜40℃に保ちながら約30分かけて激しく攪拌しながら滴下した。滴下終了後後、内温を30〜40℃に保ちながら更に1時間攪拌した。ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈する事、すなわち、未反応のモノエタノールアミンが、残っていない事を確認した。更に、赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取りだした。得られたジオール化合物は常温でほとんど無色の粘稠液体であった。固形分の水酸基価の計算値84.6に対して水酸基価の実測値は84.1でほぼ一致した。
[実施例2]パーフルオロヘキシル基をペンダント状に有するジオールの合成例
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、2−(2−アミノエトキシ)エタノール,52.5g(0.5モル)及びトルエン314gを入れ攪拌した。ついで、パーフルオロヘキシルエチルアクリレート209g(0.5モル)を滴下ロートを使用して、内温を45〜50℃に保ちながら約30分で少しずつ投入した。その後内温を45〜55℃に保ちながら約5時間攪拌した。赤外分光光度計で二重結合のピーク(1620cm-1)が消滅していることを確認して、次に、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)53.3g(0.25モル)を内温を30〜40℃に保ちながら約30分かけて滴下ロートを使用して、投入した。投入後内温を30〜40℃に保ちながら1時間攪拌した。
ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈する事、すなわち、未反応の2−(2−アミノエトキシ)エタノールが、残っていない事を確認した。赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取り出した。得られたジオールは粘稠液体であった。固形分の水酸基価を測定したところ、計算値89.3に対して実測値は89.0で、ほぼ一致していた。H−NMRではアクリル性2重結合及びウレタン結合は検出されなかった。
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、2−(2−アミノエトキシ)エタノール,52.5g(0.5モル)及びトルエン314gを入れ攪拌した。ついで、パーフルオロヘキシルエチルアクリレート209g(0.5モル)を滴下ロートを使用して、内温を45〜50℃に保ちながら約30分で少しずつ投入した。その後内温を45〜55℃に保ちながら約5時間攪拌した。赤外分光光度計で二重結合のピーク(1620cm-1)が消滅していることを確認して、次に、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)53.3g(0.25モル)を内温を30〜40℃に保ちながら約30分かけて滴下ロートを使用して、投入した。投入後内温を30〜40℃に保ちながら1時間攪拌した。
ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈する事、すなわち、未反応の2−(2−アミノエトキシ)エタノールが、残っていない事を確認した。赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取り出した。得られたジオールは粘稠液体であった。固形分の水酸基価を測定したところ、計算値89.3に対して実測値は89.0で、ほぼ一致していた。H−NMRではアクリル性2重結合及びウレタン結合は検出されなかった。
[実施例3]パーフルオロオクチル基とラウリル基をペンダント状に有するジオールの合成例
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた2リットル4つ口丸底フラスコに、2−(2−アミノエトキシ)エタノール,52.5g(0.5モル)を入れ攪拌した。ついで、パーフルオロオクチルエチルアクリレート77.7g(0.15モル)とラウリルアクリレート84.0g(0.35モル)の混合物を、内温を45〜50℃に保ちながら約30分で滴下ロートを使用して投入した。その後内温を30〜40℃に保ちながら約5時間攪拌した。次に、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)55.5g(0.25モル)を内温を30〜40℃に保ちながら滴下ロートを使用して約30分かけて投入した。投入後内温を30〜40℃に保ちながら1時間攪拌した。ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈する事、すなわち、未反応の2−(2−アミノエトキシ)エタノールが、残っていない事を確認した。赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取り出した。得られたジオールは透明淡黄色粘稠液体であった。固形分の水酸基価を測定したところ、計算値104.0に対して実測値は103.7で、ほぼ一致した。
尚、H−NMRではアクリル性2重結合及びウレタン結合は検出されなかった。
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた2リットル4つ口丸底フラスコに、2−(2−アミノエトキシ)エタノール,52.5g(0.5モル)を入れ攪拌した。ついで、パーフルオロオクチルエチルアクリレート77.7g(0.15モル)とラウリルアクリレート84.0g(0.35モル)の混合物を、内温を45〜50℃に保ちながら約30分で滴下ロートを使用して投入した。その後内温を30〜40℃に保ちながら約5時間攪拌した。次に、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)55.5g(0.25モル)を内温を30〜40℃に保ちながら滴下ロートを使用して約30分かけて投入した。投入後内温を30〜40℃に保ちながら1時間攪拌した。ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈する事、すなわち、未反応の2−(2−アミノエトキシ)エタノールが、残っていない事を確認した。赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取り出した。得られたジオールは透明淡黄色粘稠液体であった。固形分の水酸基価を測定したところ、計算値104.0に対して実測値は103.7で、ほぼ一致した。
尚、H−NMRではアクリル性2重結合及びウレタン結合は検出されなかった。
[実施例4]C6,C8,C10,C12混合パーフルオロアルキル基をペンダント状に有するジオール化合物の合成例
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、モノエタノールアミン,30.5g(0.5モル)を入れ攪拌した。ついで、あらかじめ50℃に加温して融解しておいたC6,C8,C10,C12混合パーフルオロアルキルエチルアクリレート(ユニマテック社 FAAC−N)266g(0.5モル)を、内温を45〜50℃に保ちながら約30分で投入した。その後内温を30〜40℃に保ちながら5時間攪拌した。次に、水添MDI65.5g(0.25モル)を内温を30〜40℃に保ちながら滴下ロートを使用して、約30分かけて投入した。投入後内温を30〜40℃に保ちながら1時間攪拌した。ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈する事、すなわち、未反応のモノエタノールアミンが、残っていない事を確認した。赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取りだした。得られたジオール化合物は常温でほとんど無色で、室温でワックス状に固化した。固形分の水酸基価の計算値77.5に対して水酸基価の実測値は77.1でほぼ一致していた。水添MDIでの2量化の際、水酸基と水添MDIは反応していないことが確認された。
尚、H−NMRではアクリル性2重結合及びウレタン結合は検出されなかった。
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、モノエタノールアミン,30.5g(0.5モル)を入れ攪拌した。ついで、あらかじめ50℃に加温して融解しておいたC6,C8,C10,C12混合パーフルオロアルキルエチルアクリレート(ユニマテック社 FAAC−N)266g(0.5モル)を、内温を45〜50℃に保ちながら約30分で投入した。その後内温を30〜40℃に保ちながら5時間攪拌した。次に、水添MDI65.5g(0.25モル)を内温を30〜40℃に保ちながら滴下ロートを使用して、約30分かけて投入した。投入後内温を30〜40℃に保ちながら1時間攪拌した。ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈する事、すなわち、未反応のモノエタノールアミンが、残っていない事を確認した。赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取りだした。得られたジオール化合物は常温でほとんど無色で、室温でワックス状に固化した。固形分の水酸基価の計算値77.5に対して水酸基価の実測値は77.1でほぼ一致していた。水添MDIでの2量化の際、水酸基と水添MDIは反応していないことが確認された。
尚、H−NMRではアクリル性2重結合及びウレタン結合は検出されなかった。
[実施例5]パーフルオロブチル基をペンダント状に有するジオールの合成例
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、パーフルオロブチルエチルアミン188g(0.72モル)を仕込み均一に混合した。次いで、滴下ロートを使用して、2−ヒドロキシエチルアクリレート83.5g(0.72モル)を、内温を35〜45℃に保ちながら、約60分で投入した。その後内温を40〜45℃に保ちながら5時間攪拌した。赤外分光光度計でアクリル2重結合の吸収が消滅していることを確認した。次に、氷水で冷却しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)60.5g(0.36モル)を内温を30〜40℃に保ちながら、約30分かけて滴下ロートで滴下した。滴下終了後、内温を30〜40℃に保ちながら、1時間攪拌した。ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈すること、すなわち、未反応のパーフルオロブチルエチルアミンが残っていないことを確認した。更に、赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取り出した。水酸基価を測定したところ、理論値の121.7に対して、実測値は、
122.1で、ほぼ一致していた。
尚、H−NMRではアクリル性2重結合及びウレタン結合は検出されなかった。
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、パーフルオロブチルエチルアミン188g(0.72モル)を仕込み均一に混合した。次いで、滴下ロートを使用して、2−ヒドロキシエチルアクリレート83.5g(0.72モル)を、内温を35〜45℃に保ちながら、約60分で投入した。その後内温を40〜45℃に保ちながら5時間攪拌した。赤外分光光度計でアクリル2重結合の吸収が消滅していることを確認した。次に、氷水で冷却しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)60.5g(0.36モル)を内温を30〜40℃に保ちながら、約30分かけて滴下ロートで滴下した。滴下終了後、内温を30〜40℃に保ちながら、1時間攪拌した。ブロムチモールブルー(BTB)の1%エタノール溶液で、黄色ないし黄緑色を呈すること、すなわち、未反応のパーフルオロブチルエチルアミンが残っていないことを確認した。更に、赤外分光光度計でイソシアネート基のピークが無いことを確認して、取り出した。水酸基価を測定したところ、理論値の121.7に対して、実測値は、
122.1で、ほぼ一致していた。
尚、H−NMRではアクリル性2重結合及びウレタン結合は検出されなかった。
[実施例6]パーフルオロオクチル基をペンダント状に有するウレタン樹脂の合成例
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、分子量2,000のポリヘキシレンアジペートジオール100部、実施例1で得られたジオール化合物50部(固形分25部 トルエン25部)、エチレングリコール10部、溶剤としてジメチルホルムアミド(DMF)120部、4,4’−MDI57.6部、を混合して70℃において2時間反応した後、DMF304部を加えて更に5時間反応し、樹脂濃度30%、粘度 300dP.s、のポリウレタン樹脂溶液を得た。
赤外分光光度計でイソシアネート基のピークは検出されなかった。
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、分子量2,000のポリヘキシレンアジペートジオール100部、実施例1で得られたジオール化合物50部(固形分25部 トルエン25部)、エチレングリコール10部、溶剤としてジメチルホルムアミド(DMF)120部、4,4’−MDI57.6部、を混合して70℃において2時間反応した後、DMF304部を加えて更に5時間反応し、樹脂濃度30%、粘度 300dP.s、のポリウレタン樹脂溶液を得た。
赤外分光光度計でイソシアネート基のピークは検出されなかった。
[比較例1]チオグリセリンを連鎖移動剤としたオリゴマー法でパーフルオロオクチル基をペンダントに導入したウレタン樹脂の合成
実施例5において実施例1で得られたジオールの代わりにチオグリセリンを連鎖移動剤としてパーフルオロオクチルエチルメタクリレートとメチルメタクリレートを5/5重量比で、ラジカル共重合して分子量約2000としたジヒドロキシ末端オリゴマーを使用して、樹脂濃度30%、粘度 300dP.sのポリウレタン樹脂溶液を得た。反応時間は実施例5の約2倍要した。
実施例5において実施例1で得られたジオールの代わりにチオグリセリンを連鎖移動剤としてパーフルオロオクチルエチルメタクリレートとメチルメタクリレートを5/5重量比で、ラジカル共重合して分子量約2000としたジヒドロキシ末端オリゴマーを使用して、樹脂濃度30%、粘度 300dP.sのポリウレタン樹脂溶液を得た。反応時間は実施例5の約2倍要した。
Claims (6)
- 一般式(3)
CH2=CHCOOCH2CH2−R1 (3)
(式中、R1は前記と同様である。)
で示されるアクリル化合物と
一般式(4)
HO−R2−NH2 (4)
(式中、R2は前記と同様である。)
で示されるヒドロキシアミン化合物とのマイケル付加反応により、一般式(5)
HO−R2−NH−CH2CH2−COOCH2CH2−R1 (5)
(式中、R1及びR2は前記と同様である。)
で示されるアミノアルコールとし、次いでこのアミノアルコール2モルと、ジイソシアネート1モルとを反応させることを特徴とする、一般式(1)
で示されるフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルの製造方法。 - 一般式(5)
CH2=CHCOO−R5−OH (6)
(式中、R5は前記と同様である。)
で示される水酸基を有するアクリル化合物と一般式(7)
R6−CH2CH2−NH2 (7)
(式中、R6は前記と同様である。)
で示されるアミン化合物とをマイケル付加反応させて、一般式(8)
R6−CH2CH2−NH−CH2CH2−COO−R5−OH (8)
(式中、R5及びR6は前記と同様である。)
で示されるアミノアルコールとし、次いでこのアミノアルコール2モルとジイソシアネート1モルとを反応させることを特徴とする一般式(2)
で示されるフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルの製造方法。 - 分子中に請求項1又は2に記載のフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルの成分単位とポリイソシアネートの成分単位を有する、数平均分子量が5,000〜500,000のポリウレタン樹脂。
- 請求項1又は2に記載のフッ素化アルキル基含有ペンダント型ジオ−ルをジオール成分として、ポリイソシアネートと重付加反応させることを特徴とする、ポリウレタン樹脂の製造方法。
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-
2005
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