JP2006241118A - 血圧降下剤及び飲食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全性が高く、血圧降下作用を有する剤および飲食品を提供する。
【解決手段】アロエの葉肉の抽出物であって、乾燥物中におけるアロインおよびアロエエモジンの含有量の合計が5ppm以下である抽出物を有効成分として含有する血圧降下剤、および該血圧降下剤を含有する飲食品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アロエの葉肉の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする血圧降下剤及び飲食品に関する。
生活習慣病とは、一般的には高血圧や肥満に関連する高脂血症、及びその合併症に関連する症状をいう。なかでも、インスリン抵抗性を基盤とし、肥満、高血圧、糖尿病(耐糖能異常)、脂質代謝異常、高脂血症等の複数の危険因子(疾患)の重積により、動脈硬化や冠動脈疾患(最終イベントとして、心筋梗塞や脳梗塞)の発症リスク(発症率)が増加した病態は、メタボリックシンドロームとして定義されており、現代の生活習慣病と密接な関係にあるとされている。
これら危険因子のなかでも、高血圧は、その症状が要注意の領域から病的な治療が必要な領域まで、幅広く分布していることが知られている。高血圧の治療には、神経因子による調節系に作用する各種神経遮断薬、液性因子に関わる調節系に作用するACE阻害薬、AT受容体拮抗薬、血管内皮由来物質による調節系に関わるCa拮抗薬、腎臓での体液調節系に関わる降圧利尿薬などの医薬品が挙げられ、これらは主として医療機関において、重症の高血圧患者に使用される。しかし、医薬品は、有効性に関しては満足できる反面、少なからず存在する副作用のため、患者にかかる負担は大きい。
一方で、食餌療法、運動療法、飲酒・喫煙の制限などの生活改善による一般療法が、軽症を含む正常高値高血圧者から重症な高血圧者に広く適用されている。一般療法の重要性の認識の高まりに伴い、特に食生活の改善が重要であるといわれ続けている。
血圧降下作用を有する食品に関しては、従来から食品由来の血圧降下素材の探索がさかんに行われ、その有効成分の分離・同定が数多く行われている。このような状況において、上述の医薬品をできるだけ使わない予防・改善・治療方法は益々高い要求となってきている。このうち食餌療法は特に重要であるため、血圧降下作用や血圧上昇抑制作用を有する食品の探索は盛んに行われている。
アロエは、「医者いらず」「万病に効く」等といわれ、古来より外用薬(例えば、火傷、切り傷等)や内用薬(例えば、胃腸病、便秘等)としての効用が知られているだけでなく、直接食したり、加工食品の原料としても幅広く利用されている。
アロエを利用した技術としては、肥満の予防改善剤(特許文献1)、アロエジュースの製造方法(特許文献2)、アロエ製品の製造方法、該方法によって得られた製品およびその組成物(特許文献3)、アロエエキスの苦味成分を分離する方法(特許文献4)、アロエベラゲルの製造方法(特許文献5)、健康飲料及びその製造方法(特許文献6)、冷却加工し、黄色液汁及びアロインを除去したアロエ・ヴェラ抽出物を含有する皮膚治療用混合物(特許文献7)、アロエゲル製品の製造方法(特許文献8)、アロエ発酵飲料(特許文献9)、アロエ製品の製造方法(特許文献10)、アロエベラ原液とその濃縮液(特許文献11)、アロエベラ圧搾液(特許文献12)、無色透明、無添加、アロイン除去の100%アロエベラ圧搾液(特許文献13)等が開示されている。
また、下記非特許文献1には、アロインおよびアロエエモジンが血圧低下作用を有する成分であることが知られている。これらの成分はアロエの葉の表皮部分に多く含まれているが、表皮部分の抽出物は苦みが強いため、剤や飲食物への適用は難しい。
特開2000−319190号公報 特許第2844520号公報 特開平3−246226号公報 特開平4−149134号公報 特開平9−9904号公報 特開平5−184339号公報 特表平7−505133号公報 特公平7−91198号公報 特開平9−23858号公報 特許第2832551号公報 特開2002−68997号公報 特許2002−284661号公報 特開2002−205955号公報 プランタ・メディスン(Planta Med)、第67巻、2001年、第757−760頁
高血圧症が現代人全般にとって問題となっている今日、安全性が高い血圧降下剤が強く望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、安全性が高く、血圧降下作用を有する剤および飲食品を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アロエの葉肉の抽出物に血圧降下作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、アロエの葉肉の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする血圧降下剤を提供する。
また本発明は、本発明の血圧降下剤を含有する飲食品を提供する。
また本発明は、アロエの葉肉の抽出物を含有し、血圧降下のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品を提供する。
本発明のアロエの葉肉の抽出物を有効成分として含有する血圧降下剤は、安全性が高く、長期間投与又は摂取しても副作用が無く、生活習慣病の原因の一つとして考えられている高血圧を効果的に改善させるという効果を有する。
また、本発明の血圧降下剤を食品に添加することによって、血圧降下を目的とする用途に好適なサプリメント等、健康食品や特定保健用食品等の特別用途食品などを簡便に製造することが可能である。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本発明で用いるアロエとしては、アロエベラ(学名:Aloe barbadensis Miller)、キダチアロエ(学名:Aloe arborescens Miller)、ケープアロエ(学名:Aloe ferox Miller)、アロエアンドンゲンシス(学名:Aloe andongensis Miller)などが挙げられる。中でも、アロエベラ、キダチアロエがより好ましい。
本発明における「アロエの葉肉の抽出物」の抽出原料として用いるアロエ葉肉(ゲル)は、アロエの葉の表皮を取り除き、内側の葉肉部(半透明の部分)のみを取り出した後、洗浄したゲル状物を使用することが好ましい。このようにして得られる葉肉部のゲル状物には、アロイン及びアロエエモジンはほとんど含まれておらず、含まれていてもわずかである。
該ゲル状物は、そのまま抽出原料として使用してもよいが、乾燥、粉砕等の前処理を施したものを抽出原料として使用してもよい。
特にアロエベラを用いる場合には、アロエの葉肉(ゲルまたはゲルの乾燥物)として、『健康補助食品規格基準集(その3)、発行人:若川千之、発行所:財団法人日本健康・栄養食品協会、平成13年4月1日発行、孔文社、49−57頁』に規定されている製品規格を満たすものを使用する。すなわち、アロエ属特有の成分であるβ-sitosterol-3-o-6-palmitoyl-β-D-glucopyranoside(略語:SPG)及びβ-sitosterol-3-o-β-D-glucopyranoside(略語:SG)が検出され、アロエニンは検出されないものを用いる。
通常、アロエベラの葉の表皮を取り除き、内側の葉肉部のみを取り出した後、洗浄したゲル状物は、上記の製品規格を満たす。
また、キダチアロエは海外でほとんど見当たらず日本の特産種であって、葉の表皮を含んでいても副作用がなく丸ごと全部食用に用いることが可能であるが、本発明においては、葉の表皮(外皮)を取り除いた葉肉(ゲル)のみを使用することが好ましい。
本発明におけるアロエの葉肉の抽出物を得るために使用する抽出溶媒の種類は、特に限定されるものではないが、極性溶媒を用いた抽出物、すなわち極性溶媒抽出物が好ましい。極性溶媒としては、特に水、有機溶媒又はこれらの混合物を使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水には、水に各種処理(例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等)を施したものも含まれる。具体的には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も使用できる。
抽出溶媒として使用し得る水以外の極性溶媒(有機溶媒)としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の低級脂肪族アルコール;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;又はこれらの混合物等の親水性有機溶媒が挙げられ、この中でも特にエタノールを使用することが好ましい。
2種以上の溶媒の混合物を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整できる。
アロエの葉肉からの抽出は、例えば、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて行なうことができる。具体的には、抽出溶媒を満たした抽出槽に抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、数時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去することにより抽出液を得ることができる。また、単に抽出溶媒を満たした抽出槽にアロエの葉肉を投入し、アロエの葉肉を粉砕してアロエの葉肉の果汁液を調製し、ろ過して固形物を除去することにより抽出液を得ることもできる。
抽出溶媒量は抽出原料の通常0.5〜20倍量(質量比)であり、特に1〜10倍量(質量比)が好ましい。また、抽出温度は通常10〜80℃であり、特に60〜80℃が好ましい。
得られた抽出液は、抽出した溶液のままでも本発明の血圧降下剤の有効成分として使用できるが、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等の精製処理を施してもよく、必要に応じて濃縮、希釈、濾過などの処理をしてもよい。また、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を行い、乾燥物として用いてもよい。
すなわち、本発明における「アロエの葉肉の抽出物」には、アロエの葉肉(ゲル)を抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
後述の試験例に示されるように、本発明者等は、アロエの葉肉の抽出物により血圧降下作用が得られること、しかも該血圧降下作用には、該アロエ葉肉抽出物中のアロインおよびアロエエモジン以外の成分が寄与していることを知見した。
従来、アロエの葉の表皮部分に多く含まれるアロインおよびアロエエモジンが血圧低下作用を有することは知られていたが、本発明はアロイン及びアロエエモジンをほとんど含まない、あるいは全く含まないアロエ葉肉の抽出物に血圧降下作用があることを初めて見出したものであり、驚くべき知見である。
具体的に、本発明における「アロエ葉肉の抽出物」は、その乾燥物中におけるアロイン及びアロエエモジンの含有量の合計が5.0ppm以下であることが好ましく、2.5ppm以下であることがより好ましい。
アロエ葉肉の抽出物の乾燥物中におけるアロイン及びアロエエモジンのそれぞれの含有量については、アロインは5ppm未満であることが好ましく、2.5ppm未満であることがより好ましい。アロインの含有量の下限値はゼロでもよいが、実質的には1.3ppm程度である。アロエエモジンは100ppb以下であることが好ましく、10ppb以下であることがより好ましく、アロエエモジンの含有量の下限値はゼロでもよいが、実質的には5ppb以下である。
本発明におけるアロエの葉肉の抽出物は、血圧降下剤の有効成分として使用できる。ここで、「有効成分」とは、血圧降下剤においては血圧降下作用を有する成分を意味する。
本発明の血圧降下剤は、有効成分として本発明におけるアロエの葉肉の抽出物を含むものであるが、血圧降下剤の有効成分が該抽出物のみであってもよく、該抽出物とそれ以外の血圧降下作用を有する公知の成分を含有してもよい。
本発明の血圧降下剤は、アロエの葉肉の抽出物それ自体であってもよいし、アロエの葉肉の抽出物以外の成分を含有していてもよい。有効成分以外の成分は、血圧降下剤の形態に応じて適宜選択できる。
血圧降下剤の形態としては、例えば、アロエの葉肉の抽出物を、薬学的に許容され得る賦形剤その他任意の添加剤を用いて製剤化した剤とすることができる。このようにして製剤化された剤は血圧降下剤として使用できる。製剤化する場合、剤に含まれるアロエの葉肉の抽出物の含有量は、乾燥質量基準で(抽出物の乾燥物として)0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
製剤化にあたっては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、注射剤用溶剤等の添加剤を使用できる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マグロゴール等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸類塩;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
注射剤用溶剤としては、例えば、水、エタノール、グリセリン等が挙げられる。
本発明の血圧降下剤の投与形態としては、例えば、経口投与、経腸投与等の非経口投与が挙げられる。剤形としては、例えば、噴霧剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟膏、テープ剤等が挙げられる。
投与量及び投与回数は、目的とする作用効果、投与方法、治療期間、年齢、体重、性別、患者の症状の程度、その他の条件等により異なるが、血圧降下剤に含まれる前記抽出物およびその他の有効成分の乾燥質量の合計が成人1日当たり2〜100mg/kg体重/日、好ましくは20〜60mg/kg体重/日を目安とするのが好ましい。
いずれの場合であっても、1日1回又は複数回に分けて投与することができる。
また、本発明はかかる血圧降下剤を含有する飲食品を提供する。
本発明の血圧降下剤を含有する飲食品は、前記アロエの葉肉の抽出物以外に、他の成分を含む。該他の成分は、食品衛生法などの食品規定で飲食品への使用が認められているものであれば、本発明の血圧降下剤の効果を損なわない限り特に制限なく用いることができる。例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等を含有させることができる。
また本発明の血圧降下剤を、既存の飲食品に添加したものも本発明の飲食品に含まれる。
飲食品の形態は特に制限されないが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物、パン;経腸栄養食;機能性食品(特定保健用食品、病者用食品などの特別用途食品や、健康食品)等が挙げられる。
特に、タブレット状のサプリメント、又はドリンク剤(清涼飲料水)等の形態が、有効成分の摂取量を正確に把握でき、一日当りの食事量及び摂取カロリーのコントロールが容易であることから好ましい。
飲食品中のアロエの葉肉の抽出物の含有量は、乾燥質量基準で(抽出物の乾燥物として)0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
また、本発明の飲食品の好ましい摂取量は、前記血圧降下剤の好ましい投与量と同じである。
本発明の飲食品は、血圧降下剤を含有させること以外は、該飲食品に通常用いられる原料を用いて、通常の方法によって製造することができる。
アロエは、天然に存在する植物であり、古くから内用薬等として利用されており、安全性が高くて長期間投与又は摂取しても副作用が無い。また他の薬剤との併用や、栄養補助食品等の他の飲食品と併用しても害を生じない。
特に本発明の血圧降下剤および飲食品は、アロインおよびアロエエモジンの含有量が低いので、アロインおよびアロエエモジン等のアンスロキノン類の長期摂取による瀉下作用や大腸黒皮症(Neth.J.Med.,2003,vol.61(1):pp.22〜24)等の副作用のおそれがほとんどなく、また本発明にかかるアロエ葉肉抽出物による穏やかな血圧降下作用が期待される。また、本発明の血圧降下剤又は飲食品の、投与若しくは摂取時、又は投与終了後若しくは摂取終了後においても血圧降下作用が維持されるという本発明の特有の効果も享受されるのである。
さらに、高血圧に付随して生じる成人病、特にインスリン抵抗性に起因する糖尿病や動脈硬化症等の種々の疾患・合併症に対して治療・改善又は予防する効果を有する。
本発明の血圧降下剤および飲食品は、高血圧の治療はもとより、血圧を高める要因を抑えて、高血圧、脳卒中等の生活習慣病の危険要因(リスク)を低減・除去する効果を有する。
すなわち、本発明の血圧降下剤および飲食品は、高血圧及び正常血圧高値の治療又は予防に有用である。特に正常血圧高値から高血圧の発症を予防するために用いることもできる。なお、本発明の血圧降下剤および飲食品は、症状として要注意の領域から病的な治療が必要な領域における高血圧状態の血圧値を正常値程度まで下げる効果を有するものであって、正常値の血圧を必要以上に低下させる作用は含まれない。
本発明において、高血圧状態とは、正常領域以外の状態であり、正常領域とは、一般的には収縮期血圧130mmHg以下、拡張期血圧85mmHg以下と定義している状態である(ベッドサイドデータブック、とっさに使える日常診療の指針、株式会社羊土社発行、2001年1月1日発刊、第110−112頁)。
また、本発明の飲食品は、高血圧状態により引き起こされる疾患、例えば脳卒中、脳梗塞、脳出血、心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞、腎硬化症、又は腎不全等の治療又は予防に有用である。特に、高血圧状態から、高血圧症、脳卒中等の発症を予防するために用いることもできる。さらに、本発明の飲食品は、高血圧状態に起因する種々の疾病・合併症等の治療又は予防、並びにこれら疾病・合併症等のリスクを低減することが可能である。
また、本発明の血圧降下剤および飲食品は、高血圧に付随して起こる成人病、特にインスリン抵抗性に起因する種々の疾患・合併症等の治療、並びにこれらの疾病・合併症のリスクを低減する効果を有する。かかるインスリン抵抗性状態における高血圧に起因する種々の疾病・合併症としては、高血圧網膜症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症、大動脈瘤、冠状動脈疾患等を例示することができる。
また、高血圧に付随して起こるメタボリック症候群の予防、改善、治療にも有効である。前記メタボリック症候群(シンドローム)とは、過食、運動不足などの生活習慣要因と遺伝的要因が重なる事により、内臓肥満やインスリン抵抗性を基盤とした糖尿病、高血圧、高脂血症などが複合的に起こっている状態をいう(島野仁著、日本臨床、第62巻、第6号、2004年、p.1029−1035)。これらは動脈硬化症因子となり、重積する事により心筋梗塞、脳梗塞などの重篤な動脈硬化性疾患を発症させる。これらの動脈硬化因子は単独では程度が軽くても複数重積した場合、動脈硬化疾患に罹患する確率が高いとされている。
本発明の血圧降下剤及び飲食品の用途としては、血圧降下作用を利用するような種々の用途に適用することが可能である。例えば、血圧が気になり始めた方に適した飲食品、血圧を高める要因を抑えて、高血圧・脳卒中などの生活習慣病の危険要因(リスク)の低減・除去に役立つ飲食品等の用途を例示することができる。
尚、本発明の飲食品において、「血圧降下作用」、「血圧を下げる効果」とは、高血圧に起因して導かれる種々の健康への害を改善又は予防する事を意味しており、他の関連する作用効果として、「高血圧予防」、「高血圧改善」、「血圧上昇抑制」、「血圧上昇改善」、「血圧上昇予防」等も、前記「血圧降下作用」、「血圧を下げる効果」と同様の意味として、本発明において例示することができる。
特に本発明の飲食品は、上記の効果を有する食品としての機能を十分に生かすべく、特定保健用食品、病者用食品などの特別用途食品や、健康食品などが好ましい。
本発明の飲食品は、血圧降下のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品であることが好ましい。具体的には「血圧降下作用」、又は「血圧を下げる効果」を有するとの用途が表示された飲食品、例えば「血圧降下作用を有すると表示された、血圧降下剤を含有する飲食品」、あるいは「血圧降下作用を有すると表示された、植物抽出物を含有する飲食品」、等として販売することが好ましい。
尚、本発明の抽出物(化合物又は組成物等)は、血圧降下作用を有することから、血圧を下げる効果を有するとの表示には、血圧上昇を抑制する意味も有すると考えられる。したがって、本発明の飲食品は、「血圧上昇抑制用」と表示することができる。すなわち、前記血圧降下作用を有するとの表示とは、このような「血圧上昇抑制用」の表示であってもよい。
なお、以上のような表示を行うために使用する文言は、「高血圧改善用」、又は「血圧上昇抑制用」という文言のみに限られるわけではなく、それ以外の文言であっても、高血圧を改善、又は血圧の上昇を抑制、する効果を表す文言であれば、本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。そのような文言としては、例えば、需要者に対して、高血圧改善又は血圧上昇抑制の効果を認識させるような種々の用途に基づく表示も可能である。例えば、「血圧が気になり始めた方に適した」、「血圧が高めの方に適した」、「血圧を高める要因を抑えて、高血圧・脳卒中等の生活習慣病の危険要因(リスク)の低減・除去に役立つ」等の表示を例示することができる。
前記「表示」とは、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為を意味し、上記用途を想起・類推させうるような表示であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、すべて本発明の「表示」に該当する。しかしながら、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により表示することが好ましい。具体的には、本発明の飲食品に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為、商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為、等が例示できる。
一方、表示としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましく、特に包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等への表示が好ましい。
また、例えば、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示を例示することができ、その他厚生労働省によって認可される表示、例えば、特定保健用食品、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を例示することができ、詳細にいえば、健康増進法施行規則(平成15年4月30日、日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示が、典型的な例として列挙することが可能である。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アロエベラの外皮を取り除き、内側の葉肉部のみを取り出した後、水で洗浄し、選別したゲル状の葉肉(アロエベラゲル)50kgを、水50Lを満たした抽出槽に投入し、室温でアロエの葉肉を粉砕し、アロエの葉肉の果汁液を調製した。次いで、果汁液をろ過し、アロエベラの葉肉の抽出液95リットルを製造した。
実施例1の方法で得られた抽出液5g(抽出乾燥物としては0.03g)を6ロット用意した。各ロットの抽出液を遠心管にとり、0.2質量%の濃度で蟻酸をメタノールに溶解させた溶液を加えて20mlにメスアップした。5分間攪拌した後、3000回転にて10分間遠心分離を行った。上澄み液を液体クロマトグラフィー用ディスクフィルターにてろ過したものを検液とした。
液体クロマトグラフ質量分析計(Agilent Technologise社製、製品名:Agilent 1100シリーズ)を用い、分離カラムとして、Mightysil RP−18 150−3.0(5μm)(関東化学社製)、溶媒として0.1質量%の濃度で蟻酸をアセトニトリルに溶解させた溶液を用いて、大気イオン化法(AP ESI)にて質量分析を行った。アロイン、アロエエモジンの標準品はシグマ社製のものを用いた。
その結果を下記表1に示す。表に示されるように、6ロットの抽出液に含まれていたアロインの含有量の平均値は、抽出乾燥物(0.03g)中の濃度に換算して1.3±0.3ppmであった。また6ロットの抽出液中におけるアロエエモジンの含有量は、いずれのロットも抽出乾燥物(0.03g)中の濃度に換算して5ppb以下であった。
Figure 2006241118
(実施例2)
実施例1で製造したアロエベラの葉肉の抽出液50リットルについて凍結乾燥処理を行い、アロエベラの葉肉の抽出乾燥物300gを製造した。
(実施例3)
次の組成からなる錠剤の血圧降下剤を以下の方法により製造した。
実施例2で製造したアロエベラ葉肉抽出乾燥物40.0質量%、乳糖(森永乳業社製)18.5質量%、トウモロコシ澱粉(日清製粉社製)30.7質量%、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業社製)1.4質量%、カルボキシメチルセルロ−スカルシウム(五徳薬品社製)9.4質量%。
まず、アロエベラ葉肉抽出乾燥物、乳糖、トウモロコシ澱粉及びカルボキシメチルセルロ−スカルシウムの混合物に、滅菌精製水を適宜添加しながら均一に混練した。これを、50℃で3時間乾燥させ、得られた乾燥物にステアリン酸マグネシウムを添加して混合し、常法により打錠し、錠剤を得た。
(実施例4)
まず、ホエー蛋白酵素分解物(森永乳業社製)10.8kg、デキストリン(昭和産業社製)36kg、及び少量の水溶性ビタミンとミネラルを水200kgに溶解し、水相をタンク内に調製した。
これとは別に、大豆サラダ油(太陽油脂社製)3kg、パーム油(太陽油脂社製)8.5kg、サフラワー油(太陽油脂社製)2.5kg、レシチン(味の素社製)0.2kg、脂肪酸モノグリセリド(花王社製)0.2kg、及び少量の脂溶性ビタミンを混合溶解し、油相を調製した。
前記タンク内の水相に油相を添加し、攪拌して混合した後、70℃に加温し、更にホモゲナイザーにより14.7MPaの圧力で均質化した。次いで、90℃で10分間殺菌した後に、濃縮し、噴霧乾燥して、中間製品粉末約59kgを調製した。
この中間製品粉末50kgに、蔗糖(ホクレン社製)6.8kg、アミノ酸混合粉末(味の素社製)167g、及び実施例2で製造したアロエベラ葉肉抽出乾燥物60gを添加し、均一に混合して、アロエベラ葉肉抽出乾燥物を約0.1質量%含有する経腸栄養食粉末約57kgを製造した。
(実施例5)
実施例1で製造したアロエベラの葉肉の抽出液5000mlに、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を150mg、香料(長谷川香料株式会社製)を0.5g、無水クエン酸(和光純薬工業社製)を6.0gをそれぞれ添加し、さらに水を5000ml加えて混合して、ドリンク剤約10000mlを製造した。
尚、当該ドリンク剤100ml中にはアロエベラの葉肉(アロエベラの外皮を取り除いた内側の葉肉部として換算)20〜25gを含有している。
(実施例6)
凍結アロエベラゲル1,200kgを解凍し、これに水800リットルを添加して、ホモジナイザーにより均質化を行った。その後、均質化したアロエベラゲル溶液約2,000kgをメッシュサイズ20のフィルターにて濾過して、アロエベラゲル葉肉抽出物を調製した。なお、当該アロエベラゲル葉肉抽出物の乾燥物中に含まれるアロインは1.7ppm、アロエエモジンは5ppb以下であった。
調製したアロエベラゲル葉肉抽出物に無水クエン酸(和光純薬工業社製)1.6kg、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)60g、人工甘味料としてサネット(登録商標:ニュートリノヴァ社製)10gを混合して溶解した。次いで、香料(長谷川香料株式会社製)120gを添加して調合液を調製した。
その後、前記調合液をメッシュサイズ20のフィルターにて濾過した後、96±1℃で、30秒間殺菌し、125mlのカート缶容器に充填して、アロエベラゲル飲料約15,000本を製造した。なお、当該アロエベラゲル飲料を毎朝若しくは毎就寝前に各1本ずつ8週間続けて摂取したところ、収縮期血圧および拡張期血圧のいずれも減少する傾向が確認された。
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
[試験例1]
本試験は、アロエの葉肉の抽出物による血圧降下作用、並びにインスリン抵抗性、及び耐糖能障害への効果を検討するために行った。
(1)試料の調製
前記実施例6で製造したアロエベラゲル飲料を試験試料として使用した。
(2)試験方法
年齢が40歳以上、65歳未満の日本人男性であり、試験の目的、内容について十分説明を受け、かつよく理解した上で本人の自由意志により書面での試験参加に同意した者であって、1)インスリン抵抗性を示し、2)空腹時血糖値が正常と糖尿病の境界域であり、3)血圧が正常血圧高値から軽度高血圧である、1)〜3)の全ての条件を満たした症例6例を被験者として選択した。
被験者に、試験試料を朝と就寝前に、各1本、8週間継続摂取させ、試験試料の摂取前後の収縮期血圧及び拡張期血圧、並びにインスリン抵抗性指数〔[HOMA−IR]=[空腹時インスリン値(mU/dl)]×[空腹時血糖値(mg/dl)÷405〕、及び空腹時血糖値をそれぞれ測定した。
(3)試験結果
本試験の結果は、図1〜図4に示すとおりである。それぞれ、図1は、アロエベラゲル飲料摂取前後の収縮期血圧の測定結果を表し、図2は、アロエベラゲル飲料摂取前後の拡張期血圧の測定結果を表し、図3は、アロエベラゲル飲料摂取前後のインスリン抵抗性指数[HOMA−IR]の差を表し、図4は、アロエベラゲル飲料摂取前後の空腹時血糖値の差を表す。
図1及び図2(それぞれ、●:症例1、◆:症例2、◇:症例3、○:症例4、□:症例5、△:症例6)から明らかなとおり、試験試料である本発明のアロエベラゲル飲料を摂取することによって、収縮期血圧、拡張期血圧のいずれも減少する傾向が確認された。また、図3から明らかなとおり、試験試料を摂取することによって、インスリン抵抗性指数[HOMA−IR]は平均で約1.2ポイント減少し、本発明のアロエベラゲル飲料がインスリン抵抗性を著しく改善することが確認された。さらに、図4から明らかなとおり、試験試料を摂取することによって、空腹時血糖値は平均7.2mg/dl減少し、本発明のアロエベラゲル飲料が耐糖能障害を著しく改善することが確認された。
したがって、本発明により、高血圧、インスリン抵抗性、及び耐糖能障害を効果的に改善することから、インスリン抵抗性を基盤としたメタボリック症候群の改善にも有用であることが判明した。
[参考試験例1]
アロエの葉肉抽出物中の微量のアロイン、アロエエモジンが血圧降下作用に寄与しているか否かを確認するために、以下の試験を行った。
まず、正常ウイスターラット(10週齢、日本チャールスリバー株式会社)を3匹ずつ6群に分け、アロインおよびアロエエモジン(いずれもシグマ社製)をそれぞれ生理食塩水に溶解させた溶液を1回/日で経口投与した。投与量は、1日当たりのアロインの投与量が、体重1kg当たり1μg、10μg、100μgの3通りとなるように設定した。なお、これらの投与量を、アロインを5ppm含有するアロエ葉肉抽出物の乾燥物の投与量に換算すると、それぞれ1日当たり、200mg/体重1kg、2g/体重1kg、20g/体重1kgに相当する。またアロエエモジンの1日当たりの投与量は、体重1kg当たり1μg、10μgの2通りとした。
また対照として生理食塩水を同じ投与量で経口投与した。
投与直前、投与後30分、投与後60分に、マウス・ラット用無加温型非観血式血圧計(室町機械社製)を用いて平均血圧(単位:mmHg)を測定した。
アロイン溶液を投与したときの結果を表2に示し、アロエエモジン溶液を投与したときの結果を表3に示す。
Figure 2006241118
Figure 2006241118
[参考試験例2]
アロエの葉肉抽出物中の微量のアロインが血圧降下作用に寄与しているか否かを確認するために、以下の長期投与試験を行った。
まず、正常ウイスターラット(10週齢、日本チャールスリバー株式会社)を3匹ずつ4群に分け、アロイン(シグマ社製)を生理食塩水に溶解させた溶液を1回/日で経口投与した。投与量は、1日当たりのアロインの投与量が、体重1kg当たり1μg、10μg、100μgの3通りとなるように設定した。
また対照として生理食塩水を同じ投与量で経口投与した。
28日間連続投与し、投与開始後7日毎に、投与後60分にマウス・ラット用無加温型非観血式血圧計(室町機械社製)を用いて平均血圧(単位:mmHg)を測定した。
その結果を表4に示す。
Figure 2006241118
表2〜4の結果より、いずれの条件においても、アロインまたはアロエエモジンを投与すると、生理食塩水を投与したときに比べて血圧が降下したという結果は得られなかった。すなわち、アロインまたはアロエエモジンを1日当たり100μg/kg体重以下の投与量で投与したときには血圧降下作用は認められない。
このことから、本発明においてアロエ葉肉抽出物により得られる血圧降下作用は、アロエ葉肉抽出物に5ppm以下含まれているアロインおよびアロエエモジンによって得られているのではないことがわかる。
本発明のアロエの葉肉の抽出物を有効成分として含有する血圧降下剤は、以下の1)〜3)の効果を有する。
1)簡便に摂取が可能である。
2)長期間投与又は摂取しても副作用が無い。
3)生活習慣病の原因の一つとして考えられている高血圧を効果的に改善させる。
したがって、本発明の血圧降下剤を食品に添加することによって、サプリメント等の健康食品や特定保健用食品等の特別用途食品などを簡便に製造することが可能である。さらに、本発明はインスリン抵抗性を基盤としたメタボリックシンドロームの改善剤として利用することも可能である。
アロエベラの葉肉の抽出物を含有する飲料を摂取した場合における、摂取前後の収縮期血圧を示す図である。 アロエベラの葉肉の抽出物を含有する飲料を摂取した場合における、摂取前後の拡張期血圧を示す図である。 アロエベラの葉肉の抽出物を含有する飲料を摂取した場合における、摂取前後のインスリン抵抗性指数の差を示す図である。 アロエベラの葉肉の抽出物を含有する飲料を摂取した場合における、摂取前後の空腹時血糖値の差を示す図である。

Claims (9)

  1. アロエの葉肉の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする血圧降下剤。
  2. 前記アロエの葉肉の抽出物の乾燥物中におけるアロインおよびアロエエモジンの含有量の合計が5ppm以下である請求項1に記載の血圧降下剤。
  3. アロエがアロエベラ及び/又はキダチアロエである請求項1又は請求項2に記載の血圧降下剤。
  4. 抽出物が極性溶媒抽出物である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の血圧降下剤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の血圧降下剤を含有する飲食品。
  6. アロエの葉肉の抽出物を含有し、血圧降下のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品。
  7. 前記アロエの葉肉の抽出物の乾燥物中におけるアロインおよびアロエエモジンの含有量の合計が5ppm以下である請求項6に記載の飲食品。
  8. アロエがアロエベラ及び/又はキダチアロエである請求項6又は請求項7に記載の飲食品。
  9. 抽出物が極性溶媒抽出物である請求項6〜請求項8のいずれかに記載の飲食品。


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