JP2006241009A - 美白用皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
(1)下記の(A)〜(E)を含有することを特徴とする美白用皮膚外用剤。
(A)チロシナーゼ活性阻害作用を有するソウハクヒ抽出物
(B)メラニン合成抑制剤
(C)活性酸素消去剤
(D)エストロゲン様作用を有するカッコン抽出物
(E)ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するアセチルチロシン
(2)前記(B)のメラニン合成抑制剤として、特にサンザシ抽出物、セイヨウボダイジュ抽出物、クロレラ抽出物から選ばれる1種以上を用い、(C)の活性酸素消去剤として、特にワレモコウ抽出物、ボタンピ抽出物、オリーブ葉抽出物、茶抽出物から選ばれる1種以上を用いる美白用皮膚外用剤。
【選択図】 なし
Description
請求項1: 下記の(A)〜(E)を含有することを特徴とする美白用皮膚外用剤。
(A)チロシナーゼ活性阻害作用を有するソウハクヒ抽出物、
(B)メラニン合成抑制剤
(C)活性酸素消去剤
(D)エストロゲン様作用を有するカッコン抽出物
(E)ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するアセチルチロシン
請求項2: メラニン合成抑制剤が、サンザシ抽出物、セイヨウボダイジュ抽出物、クロレラ抽出物、から選ばれる1種以上の植物抽出物である請求項1の美白用皮膚外用剤。
請求項3: 活性酸素消去剤が、ワレモコウ抽出物、ボタンピ抽出物、オリーブ葉抽出物、茶抽出物から選ばれる1種以上の植物抽出物である請求項1の美白用皮膚外用剤。
日局ソウハクヒ300gに30vol%エタノール溶液3000gを加え、50℃にて8時間抽出した後、ろ過し、ろ液を減圧下約500gまで濃縮する。濃縮液を合成吸着体ダイヤイオンHP−20を充填したカラムに通液する。30vol%エタノール溶液にて洗浄後、50vol%エタノール溶液にて溶出し、溶出液を減圧乾固した後、50%1,3−ブチレングリコール300gを加え溶解した後、ろ過して、ソウハクヒ抽出物を製する。製品の蒸発残留物は、3.12%であった。
サンザシ100gに30vol%エタノール溶液2000gを加え、室温にて3日間抽出する。これをろ過し、ろ液を200gまで濃縮した後、濃縮液を合成吸着体ダイヤイオンHP−20を充填したカラムに通液する。10vol%エタノール溶液にて洗浄後、50vol%エタノール溶液にて溶出し、溶出液を濃縮乾固する。乾固物に50%1,3−ブチレングリコール500gを加え溶解した後、ろ過して、サンザシ抽出物を製する。製品の蒸発残留物は、1.54%であった。
セイヨウボイジュ100gに50vol%エタノール溶液2000gを加え、室温にて3日間抽出する。これをろ過し、ろ液を200gまで濃縮した後、濃縮液を合成吸着体ダイヤイオンHP−20を充填したカラムに通液する。10vol%エタノール溶液にて洗浄後、50vol%エタノール溶液にて溶出し、溶出液を濃縮乾固する。乾固物に50%1,3−ブチレングリコール500gを加え溶解した後、ろ過して、セイヨウボダイジュ抽出物を製する。製品の蒸発残留物は、1.74%であった。
クロレラ100gに精製水3000gを加え、70℃にて5時間抽出し、冷後、ろ過する。ろ液を減圧下、1000gまで濃縮する。濃縮液に活性炭を加え、50℃にて、脱色脱臭する。ろ過後、ろ液に30%1,3−ブチレングリコール1000gを加え、更にろ過し、クロレラ抽出物を製する。製品の蒸発残留物は、2.8%であった。
ワレモコウ100gに50vol%エタノール溶液1000gを加え、室温にて3日間抽出する。これをろ過し、ろ液を減圧下、濃縮乾固する。乾固物を30%1,3−ブチレングリコール1000gに溶解した後、ろ過してワレモコウ抽出物を製する。製品の蒸発残留物は、1.74%であった。
ボタンピ100gに50%エタノール溶液2000gを加え、室温にて3日間抽出する。これをろ過し、ろ液を減圧下、濃縮乾固する。乾固物を30%1,3−ブチレングリコール1000gに溶解した後、ろ過してボタンピ抽出物を製する。製品の蒸発残留物は、1.13%であった。
オリーブ葉100gに50vol%エタノール溶液2000gを加え、50℃にて8時間抽出する。これをろ過し、ろ液を減圧下、濃縮乾固する。乾固物を30%1,3−ブチレングリコール1000gに溶解した後、ろ過してオリーブ葉抽出物を製する。製品の蒸発残留物は、1.52%であった。
緑茶100gに50vol%エタノール2000gを加え、室温にて3日間抽出後、これをろ過する。ろ液を減圧下、濃縮乾固する。乾固物を30%1,3−ブチレングリコール1000gに溶解した後ろ過して茶葉抽出物を得る。製品の蒸発残留物は、1.95%であった。
カッコン100gに無水エタノール2000mLを加え、室温で5日間抽出する。これをろ過し、ろ液を減圧下濃縮乾固し、50%1,3−ブチレングリコール溶液200gを加え溶解した後、ろ過してカッコン抽出物を製する。製品の蒸発残留物は、1.53%であった。
試験試料は、製造例1で50%1,3−ブチレングリコール溶液に溶解前の乾固物を用い、精製水にて希釈し、0.01mg/mLの濃度とした。10%FBS(牛胎児血清;日冷より購入)及びテオフィリン(0.09mg/mL)含有MEM(Gibco社)を用い、マウス由来B16メラノーマ培養細胞を96穴プレートに5×104cells/wellの密度で播種し、37℃、5%CO2にて24時間培養した後、試験試料の各濃度を添加し、37℃、5%CO2にてさらに3日間培養した。チロシナーゼ活性の測定前にウエル中の培地は除去し、PBS100μLで2回洗浄した。各ウエル中に45μLk1%トラインX(ローム・アンド・ハウス社)を含むPBSを加え、1分間プレートを振動させ、細胞膜を破壊し、マイクロプレートリーダーで、波長475nmの吸光度を測定し、これを0分時の吸光度とした。その後、すばやく5μLの10mMのL-DOPA溶液を加えて、37℃にて60分間インキュベートした。1分間プレートを振動させた後、同様に吸光度を測定し、60分時の吸光度とした。試験試料を添加していない(コントロール)場合の0分時と60分時の吸光度差に対する試験試料の吸光度差の割合をチロシナーゼ活性阻害率とした。チロシナーゼ活性阻害率は、78.6%であった。
なお、前記製造例1のカラム処理を行わないソウハクヒ抽出物とカラム処理したソウハクヒ抽出物では、約10倍の阻害活性の差が現われた。
製造例2〜4の各抽出物をPBS(−)にて希釈して固形分換算で、0.05mg/mLとしたものを試験試料とした。マウス由来B16メラノーマ細胞を5%FBSを含むDMEM培地を用いて、35mMのシャーレに5×104cellずつ播種し、5%CO2にて37℃24時間培養した。24時間後、シャーレの培地を除去し、5%FBSを含むDMEM培地2mLと試験試料20μL加え、さらに37℃にて3日間培養した。培地を除去し、PBS(−)で2回洗浄後、トリプシン−EDTAを用いて細胞を剥離し、1.5mLチュウブに入れ、25℃、12000回転、10分間遠心操作し、細胞ペレットを作成した。コントロールには、20μLのPBS(−)を用いた。評価は、下記の評価基準にて行なった。
細胞ペレットの色調
0−コントロールと同様な黒色
1−コントロールに比べわずかに薄い黒色
2−コントロールに比べて明瞭に薄い黒色
3−灰色に近い黒色
4−灰色
5−白色
細胞ペレットの量
1−コントロールに比べ明瞭に少ない。
2−コントロールに比べわずかに少ない。
3−コントロールと同量
試験結果を表1に示す。
活性酸素消去能の測定は、製造例5〜8の抽出物を用いて、SOD様活性及びDPPHラジカル消去能を測定した。SOD様活性は、NBT法(XOD系と組み合わせたBeauchampsらの方法 Anal.Bioche.,44、279〜287、1971)に従った。DPPHラジカル(ジフェニルピクリルヒドラジルラジカル)消去能の測定は、DPPHラジカル(Sigma社)をエタノールに溶解し0.1mM溶液とし、0.1mMDPPHラジカル溶液3mLを試験管にとり、各濃度に精製水にて希釈した試験溶液0.5mLを加え、室温で10分間放置後、波長517nmで吸光度を測定する方法で行った。試験結果を表2に示す。
エストロゲン様作用の測定は、製造例9のカッコン抽出物についてエストロゲン様作用活性をエストロゲン依存性細胞の増殖に対する影響を調べる方法(In vitro cell.Dev.Biol.28A,595−602,1992)で測定した。ヒト乳がん細胞由来のMCF−7細胞を5%FBS(チャコール・デキストラン処理)、1mMピルビン酸ナトリウムを含有するEagles MEM(フェノールレッド除去)を用いて、5×104 cell/mLの密度で浮遊させた細胞懸濁液0.1mLを96穴マイクロカルチャープレートに播種し、37℃、5%CO2下で24時間培養した。その後各濃度の試料をカルチャープレートに添加し、6日間培養を行なった。培養後MTT還元法にて細胞濃度の測定を行い、エストロゲン様作用とした。本発明で使用するカッコン抽出物を0.5%添加した結果は、増殖率142.3%であった。
ヒアルロニダーゼは、結合組織に分布するヒアルロン酸の加水分解酵素であり、炎症時において活性化され、結合組織のマトリックスを破壊し、炎症系の細胞及び血管の透過性を高める役割を演じると考えられている。また起炎酵素として知られており、抗炎症剤や抗アレルギー剤により阻害されることも知られている。従って、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用は、抗アレルギー活性の一つとされている。
アセチルチロシンを0.1M酢酸緩衝液(pH3.5に調製)にて各濃度に希釈した溶液0.2mLにヒアルロニダーゼ(Sigma社製,TypeIV-S,最終酵素活性を400NFunit/mL)0.1mLを加え、37℃にて20分間で放置後、活性化剤としてcompound48/80(Sigma社製)の酢酸緩衝液溶液(0.1mg/mL)0.2mLを加え、更に37℃にて20分間放置する。これにヒアルロン酸カリウム(和光純薬工業製)溶液(最終濃度0.4mg/mL)0.5mLを加え、37℃にて40分間放置する。次に、氷上にて0.4N水酸化ナトリウム溶液0.2mLを加えて反応を停止させた後、ホウ酸溶液(ホウ酸4.95gに水50mLを加え、1N水酸化ナトリウム溶液にてpH9.1に調製した後、水を加えて100mLとする)0.2mLを加え、混和後沸騰水浴中にて3分間加熱し酵素を失活させる。次に氷上にて室温まで冷却し、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬(和光純薬工業製、10gに10N塩酸溶液12.5mL、酢酸87.5mLを混合溶解し、使用直前に酢酸にて10倍に希釈する)6mLを加え、37℃にて20分間放置した後、585nmにて吸光度を測定する。なお、試料溶液の代わりに酢酸緩衝液を入れたものを対照とし、各資料溶液、対照について酵素を入れないものブランクとし、阻害活性率を求め、各濃度より50%阻害活性濃度(IC50)を求めた。IC50は、3.62mg/mLであった。
夏期の太陽光に4時間(1日2時間2日間)晒された20〜25歳の健常な女性20名を被験者とし、左右上腕内側部皮膚を対象として太陽光に晒された日の5日後より、各皮膚外用剤を朝夕1回ずつ2週間塗布した。皮膚外用剤の処方は下記に示す。
下記成分(1)〜(10)、別に下記成分(11)〜(16)を75℃に加温溶解しそれぞれA液及びB液とする。A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら冷却し、クリームを調製した。薬剤で示した抽出物は、製造例で製造したものを使用し、コントロールには、50%1,3−ブチレングリコール溶液を使用した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ油 3.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)メチルポリシロキサン 0.5%
(4)ステアリルアルコール 0.5%
(5)セチルアルコール 0.5%
(6)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 12.5%
(7)モノステアリン酸グリセリル 5.0%
(8)モノステアリン酸ジグリセリル 1.5%
(9)モノステアリン酸デカグリセリル 3.0%
(10)防腐剤 適量
(11)キサンタンガム 0.1%
(12)グリセリン 1.0%
(13)1,3−ブチレングリコール 3.0%
(14)防腐剤 適量
(15)薬剤(表3記載) 5.0%
(16)精製水 残余
有効 :コントロールに比較して明らかな淡色化効果が認められた。
やや有効:コントロールに比較して淡色化効果が認められた。
効果なし:コントロールとほぼ同程度であった。
有効 :コントロールに比較して明らかな肌質の改善効果が認められた。
やや有効:コントロールに比較して明らかな肌質の改善効果が認められた。
効果なし:コントロールとほぼ同程度であった。
25歳〜39歳のしみに悩む女性60名を被験者とし、各10名ずつ実施例1,2及び比較例1〜4のクリームを朝夕2回、洗顔後に顔面皮膚に連日塗布し、3ケ月間使用後及び6ケ月間使用した後、しみに対する改善効果について調べた。使用期間中に皮膚の異常を訴えた者はいなかった。効果は、顔面のしみの状態を視覚評価した。結果を表5に示す。
有効 :しみが目立たなくなった。
やや有効:しみが以前より目立たなくなった。
効果なし:変化なし。
下記成分(9)〜(12)を混合溶解させA液とし、これとは別に下記成分(1)〜(8)及び(13)を混合溶解させてB液とし、A液とB液を均等に混合し、化粧水を調製した。
(成分) (重量%)
(1)クインスシードエキス 5.0%
(2)グリセリン 3.0%
(3)1,3−ブチレングリコール 2.0%
(4)ソウハクヒ抽出物(製造例1) 1.0%
(5)サンザシ抽出物(製造例2) 1.0%
(6)ボタンピ抽出物(製造例6) 1.0%
(7)カッコン抽出物(製造例9) 1.0%
(8)アセチルチロシン 0.01%
(9)ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル 1.2%
(10)エチルアルコール 5.0%
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
(13)精製水 残余
下記成分(1)〜(10)、別に(11)〜(15)及び(17)を75℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(16)を加え、乳液を調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ油 1.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)ベヘニルアルコール 1.0%
(4)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 2.0%
(5)テトラグリセリン縮合リシノレイン酸 0.1%
(6)モノオレイン酸プロピレングリコール 0.5%
(7)モノステアリン酸グリセリン 1.0%
(8)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 1.0%
(9)モノミリスチン酸デカグリセリル 0.5%
(10)防腐剤 適量
(11)ソウハクヒ抽出物(製造例1) 1.0%
(12)セイヨウボダイジュ抽出物(製造例3) 1.0%
(13)オリーブ葉抽出物(製造例7) 1.0%
(14)カッコン抽出物(製造例9) 1.0%
(15)アセチルチロシン 0.05%
(16)香料 適量
(17)精製水 残余
石けん製造の定法により下記成分を混合し製した。
(成分) (重量%)
(1)石けん素地 53.2%
(2)スクロール 19.4%
(3)ホホバ油 0.25%
(4)ソウハクヒ.抽出物(製造例1) 1.5%
(5)クロレラ抽出物(製造例4) 0.5%
(6)ボタンピ抽出物(製造例6) 0.5%
(7)カッコン抽出物(製造例9) 0.5%
(8)アセチルチロシン 0.1%
(9)濃グリセリン 6.5%
(10)ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.15%
(11)常水 残余
下記成分(1)〜(3)、別に(4)〜(11)及び(13)を70℃に加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて均一になるまで攪拌する。攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(12)を加えてクレンジングジェルを製した。
(成分) (重量%)
(1)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 20.0%
(2)流動パラフィン 58.8%
(3)防腐剤 適量
(4)ソウハクヒ抽出物(製造例1) 1.5%
(5)セイヨウボダイジュ抽出物(製造例3) 0.5%
(6)ワレモコウ抽出物(製造例5) 0.5%
(7)カッコン抽出物(製造例9) 0.5%
(8)アセチルチロシン 0.1%
(9)濃グリセリン 5.9%
(10)アスコルビン酸 0.5%
(11)ソルビトール 5.0%
(12)香料 適量
(13)精製水 残余
Claims (3)
- 下記の(A)〜(E)を含有することを特徴とする美白用皮膚外用剤。
(A)チロシナーゼ活性阻害作用を有するソウハクヒ抽出物
(B)メラニン合成抑制剤
(C)活性酸素消去剤
(D)エストロゲン様作用を有するカッコン抽出物
(E)ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するアセチルチロシン - メラニン合成抑制剤が、サンザシ抽出物、セイヨウボダイジュ抽出物、クロレラ抽出物、から選ばれる1種以上の植物抽出物である請求項1の美白用皮膚外用剤。
- 活性酸素消去剤が、ワレモコウ抽出物、ボタンピ抽出物、オリーブ葉抽出物、茶抽出物から選ばれる1種以上の植物抽出物である請求項1の美白用皮膚外用剤。
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