JP2006240795A - 輸送計画作成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】
時間帯ごとに拠点間の移動時間が変化するケースであっても、最適な輸送スケジュールを作成することができるような輸送計画作成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
両に集荷・配送する荷物(拠点)を割り当てていくスケジュール作成時に、拠点間の移動時間を、時間帯ごとの平均走行速度を利用して計算する。例えば、時間帯の開始終了時刻とその時間帯での車両の平均走行速度を含む時間帯情報と、その時間帯情報を元に各時間帯ごとの拠点間の移動時間を登録した時間帯別距離テーブルを用意しておき、拠点間の移動時間を求めるときには、その時間帯別距離テーブルを参照して、各時間帯の交通事情に基づく移動時間を算出する。そのように、時間帯を考慮して求めた移動時間から車両の拠点到着時刻を決定することで、輸送スケジュールを作成する。時間帯ごとの平均走行速度は、実績値に応じて修正していく。
【選択図】 図1
時間帯ごとに拠点間の移動時間が変化するケースであっても、最適な輸送スケジュールを作成することができるような輸送計画作成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
両に集荷・配送する荷物(拠点)を割り当てていくスケジュール作成時に、拠点間の移動時間を、時間帯ごとの平均走行速度を利用して計算する。例えば、時間帯の開始終了時刻とその時間帯での車両の平均走行速度を含む時間帯情報と、その時間帯情報を元に各時間帯ごとの拠点間の移動時間を登録した時間帯別距離テーブルを用意しておき、拠点間の移動時間を求めるときには、その時間帯別距離テーブルを参照して、各時間帯の交通事情に基づく移動時間を算出する。そのように、時間帯を考慮して求めた移動時間から車両の拠点到着時刻を決定することで、輸送スケジュールを作成する。時間帯ごとの平均走行速度は、実績値に応じて修正していく。
【選択図】 図1
Description
本発明は、物流分野における輸送スケジューリング作成を計算機で行う輸送計画作成システムに関するものである。
物流分野におけるトラック輸送等のスケジュールを計算機で作成する方式としては、例えば非特許文献1に記載のように線形計画法などの数理的な計算に基づくものや、スィープ法やNI法と言ったヒューリスティクスに基づくもの、また、タブーサーチ、SA法(Simulated Annealing:焼きなまし法)、あるいはGA(Genetic Algorithm: 遺伝的アルゴリズム)などメタヒューリスティクスと呼ばれる確率的手法を適用したものなど、多数の方式が用いられている。
これらの中で代表的なものとしては、例えば、下記特許文献1や特許文献2に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術は、複数の配送先への荷物輸送のスケジュール作成を効率化する方式であり、多数の配送先をクラスタリングして、各クラスター内で輸送ルートを作成するものである。特許文献2に記載の技術は、工場や物流センター、配送先などの拠点間の物流網の作成に、線形計画法や整数計画法などの数理的技法を適用したものである。特に、拠点間の輸送計画に大幅な変更をもたらさずに、輸送効率およびサービス性の向上を実現する技術が開示されている。
久保幹雄著「ロジスティクス工学」朝倉書店、2001年6月 特開平8-115495号公報
特開2000-182179号公報
久保幹雄著「ロジスティクス工学」朝倉書店、2001年6月
ところで、輸送計画を作成する場合、朝の通勤時間帯での渋滞による移動時間の増加といった時間帯ごとの拠点間移動時間の変化を考慮する必要がある。しかし、特許文献1と特許文献2に記載の技術は、時間帯ごとの移動時間変化を想定していない。このような拠点間移動時間が変化するようなケースに対して、従来技術では対応することができなかった。
本発明の目的は、時間帯ごとに拠点間の移動時間が変化するケースであっても、最適な輸送スケジュールを作成することができるような輸送計画作成システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、車両に集荷・配送する荷物(拠点)を割り当てていくスケジュール作成時に、拠点間の移動時間を、時間帯ごとの平均走行速度を利用して計算する。例えば、時間帯の開始終了時刻とその時間帯での車両の平均走行速度を含む時間帯情報と、その時間帯情報を元に各時間帯ごとの拠点間の移動時間を登録した時間帯別距離テーブルを用意しておき、拠点間の移動時間を求めるときには、その時間帯別距離テーブルを参照して、各時間帯の交通事情に基づく移動時間を算出する。そのように、時間帯を考慮して求めた移動時間から車両の拠点到着時刻を決定することで、輸送スケジュールを作成する。なお、時間帯ごとの平均走行速度は、実績値に応じて修正していくとよい。
本発明によれば、時間帯ごとに交通事情が変化し拠点間の移動時間が変化するケースであっても、そのような時間帯ごとの移動時間の変化を考慮に入れた最適な輸送スケジュールを作成することがができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のシステムを示す全体構成図である。本システムは、入力装置(101)、プリンタなどの出力装置(102)、ディスプレイなどの表示装置(103)、処理装置(104)、および記憶装置(109)を備える。処理装置(104)は、入力処理部(106)、輸送スケジュール作成部(107)、および結果出力部(108)を含む一連のプログラム(105)を実行する。また、記憶装置(109)には、拠点情報(110)、荷物情報(111)、輸送車両情報(112)、時間帯情報(113)、時間帯別距離テーブル(114)、道路地図(115)、および、これらの情報から輸送スケジュール作成部(107)で作成される輸送スケジュール情報(116)が格納される。上記の時間帯情報(113)には、複数の時間帯の終了時刻とその時間帯での車両平均速度を含むデータが格納される。時間帯別距離テーブル(114)には、拠点間の距離と、当該拠点間を移動するとき、時間帯情報(113)に格納されている各時間帯でそれぞれどのくらいの所要時間がかかるかを平均速度から算出した所要時間が格納される。
図2は、記憶装置(109)に格納される情報の具体的なデータ構造の例を示したものである。
拠点情報(110)には、物流センターや荷物の配送先拠点の位置情報を格納する。具体的には、配送先や物流センターなどの拠点を一意に識別する拠点ID(201)、その拠点が物流センターか配送先かを表す拠点種別(202)、その拠点の名称(203)、拠点の住所(204)、および拠点の位置を示す緯度(205)と経度(206)が格納される。
荷物情報(111)には、輸送の対象となる各荷物に関する情報を格納する。具体的には、荷物を一意に識別する荷物ID(207)、その荷物の配送先拠点ID(208)、その荷物の荷物量(209)、その荷物を配送先拠点へ配送すべき時間枠の開始時刻(210)、および配送先拠点への到着の締め切り時刻を示す時間枠終了時刻(211)からなる。
輸送車両情報(112)には、物流センターの保有する車両の情報を格納する。具体的には、物流センターの保有車両数(212)、およびその各保有車両の最大積載荷物量(213)が格納される。
時間帯情報(113)には、拠点間の移動時間を管理するための各時間帯の終了時刻(214,216,…,218)と、それらの時間帯での車両平均速度(215,217,…,219)を格納する。具体的には、時間帯1は開始時刻0時(固定)から時間帯1終了時刻(214)までとし、その他の時間帯は、時間帯2が時間帯1終了時刻から時間帯2終了時刻まで、時間帯3が時間帯2終了時刻から時間帯3終了時刻まで、…というように、1つ前の時間帯の終了時刻からその時間帯で設定された終了時刻までとする。最後の時間帯n終了時刻(218)には、このシステムで扱える最大の時刻を設定する。各時間帯の終了時刻の次の平均速度の欄(215,217,…,219)に、その時間帯での車両の平均速度が格納される。なお、時間帯1、時間帯2、…、時間帯nと呼ぶときの1,2,…,nの値を時間帯インデクスと呼ぶ。
時間帯別距離テーブル(114)には、各拠点間の時間帯別の所要時間が格納される。具体的には、車両の出発拠点を表す拠点ID1(220)、到着拠点を表す拠点ID2(221)、拠点ID1から拠点ID2までの道路距離(222)、および拠点ID1から拠点ID2までの上記時間帯情報(113)で設定された各時間帯での所要時間(223,224,…,225)を格納する。各時間帯での所要時間(223,224,…,225)は、拠点ID1から拠点ID2までの距離を、上記時間帯情報(113)の各時間帯の平均速度で割って求めるものである。
道路地図(115)は、上記距離テーブル(114)の作成に必要な拠点間距離の計算や結果の出力に用いるための輸送区域の道路情報を示す。
図3は、輸送スケジュール作成部(107)で作成される輸送スケジュール情報(116)の一例を示している。輸送スケジュール情報(116)は、本発明に係る方法によって作成される輸送計画中で輸送車両が巡回する拠点や、その順序を示す情報を格納する。具体的には、車両No(301)、その車両が物流センターから出発する時刻(302)、その車両が巡回拠点を回って物流センターに到着する時刻(303)、その車両に積載する荷物の数(304)、それら各荷物の配送先拠点ID(305,…,308)と拠点到着時刻(306,…,309)と荷物ID(307,…,310)、合計荷物量(311)、及び車両の総走行距離(312)からなる。
図4は、図1中の処理装置(104)が実行するプログラム(105)の概要を示すフローチャートである。まず入力処理ステップ(401)で、拠点情報(110)、荷物情報(111)、輸送車両情報(112)、および時間帯情報(113)等の輸送スケジュールを作成するために必要な情報をユーザが入力する。この処理の詳細は、図5で後述する。次の輸送スケジュール作成ステップ(402)では、入力処理ステップ(401)で与えられた条件に合致する輸送スケジュールを作成する。ここで輸送スケジュールの作成とは、荷物情報(111)に入力された全ての荷物を、それぞれの配送先拠点に届ける車両(トラック)が従うスケジュールを決定することを指す。この処理の詳細は、図6で後述する。次に、結果出力処理ステップ(403)では、作成したルートを出力する。この処理の詳細は、図11で後述する。
図5は、図4中の入力処理ステップ(401)の詳細を示すフローチャートである。まず、拠点情報登録ステップ(501)で、拠点情報(110)の登録を行う。次に荷物情報登録ステップ(502)で、荷物情報(111)の登録を行う。次に輸送車両情報登録ステップ(503)で、輸送車両情報(112)の登録を行う。次に時間帯情報登録ステップ(504)で、時間帯情報(113)の登録を行う。なお、各時間帯の平均速度は、初めは配送を行う地域内での大体の平均速度を設定しておけばよい。次に時間帯別距離テーブル生成処理(505)で、各拠点間の距離と車両による走行所要時間を道路地図(115)と時間帯情報(113)を参照して生成し、必要があればユーザが指定する拠点と時間帯での所要時間を入力する。なお、道路地図(116)は予め用意されているものとする。
図6は、図4中の輸送スケジュール作成処理(402)の詳細を示すフローチャートである。一般的に輸送スケジュールの作成は組み合わせ問題であり、非特許文献1に説明されているような、ヒューリスティクスを用いた技法や、GA、タブーサーチ、SA法などのメタヒューリスティクスに分類される技法が適用されている。本実施形態では、メタヒューリスティクスの中のランダムリスタート法を適用している。つまり、ランダムな条件下で初期解(スケジュール)を作成し、それを改良処理でより良いスケジュールに改良する。この初期解の作成と改良を複数回繰り返し、その中で最良のスケジュールを選択するものである。
まず、変数Iに1を設定し、E_MinにMax_Valueを設定する(601)。ここで、Max_Valueは使用する計算機で表現可能な最大の数値を表す。次に、IがLoop_Number以下の場合(602)、次の処理を繰り返す。Loop_Numberは、ランダムリスタート法で、初期解の作成とその初期解の改良を行う回数であり、予め定められている定数である。
まず初期解としてスケジュール案作成処理を行う(603)。この処理の詳細は、図7で説明する。次に、作成した初期解の改良を行う(604)。この処理の詳細は、図10で説明する。
次に、作成したスケジュール案の評価を行う(605)。この評価とは、スケジュール結果に基づいて、使用する車両台数やそれらの車両の走行距離から輸送に要する概算のコストを求める処理である。この計算方法としては、車両台数だけで評価する方法や、輸送車両の総走行距離で評価する方法、また、車両台数と予め定めた輸送車両一台あたりの固定費の積と、総走行距離と予め定めた単位距離あたりの変動費の積との和で評価する方法などが適用される。算出した評価値は変数Eに代入する。コストを示すので、Eの値が小さい方が評価が高いスケジュール案である。
次に、評価値が格納されている変数EとE_Minとを比較する(606)。EがE_Minよりも小さい場合には、Eの値をE_Minに代入し(607)、作成したスケジュール案をBest_Scheduleに記録する(608)。次に、変数Iに1を加え、ステップ602に戻る(609)。ステップ602でIがLoop_NUmberより大きくなれば、処理を終える。
図7は、図6中のスケジュール案作成処理(603)の詳細を示すフローチャートである。まず、荷物情報(111)の全ての荷物IDを配列Lに格納する(701)。次に、配列Lに格納されている荷物IDをランダムな順序に並べ換える(702)。
配列Lの荷物数をチェックし(703)、Lが空なら処理を終了する。Lが空でない間は、次の一連の処理を行う。まず、変数aにLの先頭荷物IDを格納し、配列Lから削除する(704)。なお、この変数aに格納された荷物IDの荷物を荷物aと呼ぶ。次に、変数Tに-1を格納し、DにMax_Valueを格納し、tに0を格納する(705)。変数tは、割り当て済み車両(既に輸送スケジュール情報がある車両)を、0番目、1番目、…と順番で特定する場合のその順番値(0番から数える)を入れる変数である。変数Tは、荷物aを割り当てることが可能な車両が、割り当て済み車両中の何番目かを示す順番値を設定する変数である。変数Dは、荷物aを割り当て済みT番目車両のr番目の荷物として割り当てたときの走行距離の増分を設定する変数である。なお、tやTに対しては、それらの順番値で特定される割り当て済み車両を車両tや車両Tと呼ぶものとする。
次に、tと既に荷物を割り当ててある車両の台数を比較する(706)。tが割り当て済み車両台数未満の場合、以下の処理を行う。まず、rに0を代入する(707)。変数rは、いま注目している荷物aを、割り当て済み車両tの輸送スケジュールの何番目の荷物として挿入するかを示す順番値(0から数える)を設定する変数である。次に、rと車両tの割り当て荷物数(現在、その車両に割り当てられている荷物の数)を比較する(708)。rが割り当て荷物数以下の場合、荷物aを車両tの輸送スケジュールのr番目に挿入することが可能かチェックする(709)。これは、その荷物aを車両tの輸送スケジュールのr番目に仮に挿入したとして、(1)車両の積載量上限を超えないかのチェック、(2)荷物aをその配送時間枠内で配送できるかのチェック、(3)荷物aを輸送スケジュールのr番目に挿入することで後ろにずれ込むr番目以降の荷物についてそれぞれの配送時間枠内で配送できるかのチェック、を行うものである。これらすべてのチェックで挿入可能である場合、荷物aを車両tのr番目に挿入可能と判断する。なお、上記(2)や(3)のチェックでは、後述する図8や図9の処理を利用する。荷物aを車両tのr番目に挿入可能である場合、以下の処理を行う。まず、挿入したきの走行距離増分をdに格納し(710)、dがD未満なら(711)、Dにdを代入し、Tにtを代入し、Rにrを代入する(712)。D,T,Rにd,t,rを代入するのは、荷物aを割り当てるのに、ここまでで一番距離増分が小さいのが、車両TのR番目に荷物aを挿入した場合の距離増分Dであることを一時記憶しておくためである。次にrに1を加えてステップ708に戻る(713)。ステップ711でdがD以上なら、ステップ713に進む。またステップ709で挿入不可能な場合も、ステップ713に進む。
ステップ708で、rが割り当て荷物数を超えた場合、tに1を加えてステップ706に戻る(714)。rが割り当て荷物数を超えた場合、車両tの輸送スケジュール中の0番目、1番目、…、割り当て荷物数番目の全位置について当該荷物aを挿入可能かをチェックし終えたということであるから、次に車両について同様のチェックを行うためにステップ714でtを歩進してステップ706に戻るものである。なお、輸送スケジュール中の0番目の位置とは既に割り当てられている荷物の先頭を意味し、割り当て荷物数番目の位置とは既に割り当てられている荷物の最後尾を意味する。
ステップ706で、tが車両台数以上の場合、全割り当て済み車両に対してチェックが終わったということであるから、次の処理を行う。まず、Tの値をチェックする(715)。Tが初期値である-1のままなら、荷物aを割り当て可能な車両が無かったということである。一方、Tが0以上なら、全割り当て済み車両の全挿入位置に対して荷物aが挿入可能かをチェックした結果、当該車両TのR番目に挿入するのが距離増分が一番少なかったということである。そこで、Tが0以上なら、荷物aを車両Tの輸送スケジュールのR番目に挿入する(716)。Tが0未満なら、新規に車両を作成(すなわち、新規車両の輸送スケジュール(図3)を作成)し、荷物aを先頭の荷物として割り当てる(717)。ステップ716,717の後、荷物aを割り当てた車両の、挿入位置から後方の荷物に対して到着時刻更新処理を行い、ステップ703に戻る(718)。到着時刻更新処理の詳細は、図8で説明する。
図8は、図7中の到着時刻更新処理(718)の詳細を示すフローチャートである。上位の処理から、到着時刻を更新する対象の車両を特定する情報、およびその車両の輸送スケジュール情報の何番目の位置の荷物から到着時刻の更新を行うかを示す順番値が与えられるものとする。まず、変数rに、当該車両の輸送スケジュール情報中の到着時刻の更新を開始する位置を代入し、変数Nには、当該車両の輸送スケジュール情報に割り当てられている荷物数を代入する(801)。
次に、到着時刻更新開始位置が先頭の荷物か(r=0か)をチェックする(802)。もしr=0なら、arrive[0]に、当該車両の物流センター出発時刻と、物流センターから先頭荷物の配送先拠点までの所要時間とを加えた時刻を代入する(803)。ここで、arriveはr番目の荷物の配送先拠点への到着時刻を表す配列である。すなわち、arrive[0]は図3の輸送スケジュール情報の先頭荷物の到着時刻1(306)、arrive[1]は図3の輸送スケジュール情報の次の荷物の到着時刻2、…を示すものとする。ステップ803で利用する拠点間の移動時間算出処理の詳細は、図9で説明する。次に、arrive[0]がその荷物の配送時間枠を超えているかチェックする(804)。もし時間枠を超えている場合は荷物の時間枠制約違反として処理を終了する(この場合、本処理を呼び出した上位の処理に対しては、当該荷物の挿入が不可能である旨を返すものとする)。そうでない場合は、先頭荷物の到着時刻arrive[0]と先頭荷物の配送時間枠の開始時刻のうち時刻の遅いほうをsに代入し(805)、rに1を代入する(806)。ステップ802でr>0の場合は、sにr-1番目の荷物の到着時刻arrive[r-1]とr-1番目の荷物の配送時間枠開始時刻のうち時刻の遅いほうをsに代入する(807)。配送先の顧客に荷物を渡す時間はほとんど考慮しなくてよいから、ステップ806,807の後、変数sには、r-1番目の荷物の配送先拠点からr番目の荷物の配送先拠点に向かって出発する時刻が設定されたことになる。
次に、iにrを代入する(808)。iがN未満である場合(809)、以下の処理を行う。まず、sに、i-1番目荷物とi番目の荷物の配送先拠点間の移動時間を加えてarrive[i]に代入する(810)。次に、i番目荷物の到着時刻arrive[i]がi番目荷物の配送時間枠を超えたかチェックする(811)。時間枠を超えたら、時間枠制約違反として処理を終了する(この場合、本処理を呼び出した上位の処理に対しては、当該荷物の挿入が不可能である旨を返すものとする)。そうでない場合は、sにi番目荷物の到着時刻arrive[i]とi番目荷物の配送時間枠開始時刻の遅いほうを代入し(812)、iに1を加えてステップ809に戻る(813)。
ステップ809でiがN以上なら、sにN-1番目荷物(最後の荷物)の配送拠点から物流センターまでの移動時間を加えた値を、輸送スケジュールのセンター到着時刻(303)に設定し、処理を終了する(814)。この場合、本処理を呼び出した上位の処理に対しては、当該荷物の挿入が可能である旨を返す。なお、ステップ814では、輸送スケジュールの合計荷物量(311)と走行距離(312)についても更新するものとする。
図9は、図8中の拠点間移動時間算出処理(803,810,814)の詳細を示すフローチャートである。本処理が起動されるときには、上位から、出発拠点と到着拠点の拠点ID、および出発時刻が与えられる。本処理は、上述したステップ803,810,814で拠点間の所要時間を求めるときに利用されるほか、図7のステップ709で荷物aを車両tの輸送スケジュールのr番目に挿入することが可能かどうかをチェックする際にも利用される。特に、本処理では、時間帯を考慮して所要時間を計算している点が特徴である。
まず、biに出発拠点IDを、bjに到着拠点IDを、sに拠点biの出発時刻を代入する(901)。また、時間帯情報(113)を参照して出発時刻sが属する時間帯インデクスを求めてtzに代入し、さらに時間帯別距離テーブル(114)を参照して拠点bi,bj間の時間帯tzでの移動時間を求めてdに代入する(901)。次に、時刻s+dが時間帯tzの終了時刻end[tz]を超える場合(902)、以下の処理を行う。まず、時間帯tzの終了時刻end[tz]から拠点bi出発時刻sを引いた数をdpに代入し、dからdpを引いた数をdnに代入し、tzに1を加える(903)。次に、時間帯別距離テーブル(114)を参照して拠点bi,bj間の時間帯tzでの移動時間を求め、その移動時間に、dに対するdnの比率を掛けてdnに代入し(904)、dp+dnをdに代入して(905)、ステップ902に戻る。要するに、時間帯をまたがった場合でも、各時間帯の平均速度を用いて移動時間を計算すると言うことである。
もし、ステップ902でs+dが時間帯tzの終了時刻以内なら、dを、拠点biを時刻sで出発して拠点bjに到着するまでの移動時間として上位に返し、処理を終了する。
図10は、図6中の改良処理(604)の詳細を示すフローチャートである。まず、変数Iに1を代入する(1001)。次に、Iが10に満たない場合(1002)に、以下の処理を行う。まず、荷物が割り当てられている全車両のそれぞれの積載率を算出する(1003)。変数Rに1から5までの整数をランダムに一つ選択して設定する(1004)。次に、積載率がR番目に悪い車両に積載されている荷物を削除し、配列Lに追加する(1005)。次に、配列Lに登録されている荷物の配送拠点を巡回している車両全てを削除し、それらの車両に積載されていた荷物を配列Mに格納する(1007)。次に、配列Lに配列Mの内容を加える(1007)。次に、この配列Lに格納されている荷物の再割り当てを行う(1008)。つまり、配列Lに格納されている荷物情報に対して、図7の詳細フローチャートで示した方法により車両に割り当てる。次に、変数Iに1を加え(1009)、ステップ1002に戻る。
図11は、図4中の結果出力処理(403)の詳細を示すフローチャートである。まず、各車両の通過拠点とルートを表示装置(103)に表示された地図上に重ねて表示し(1101)、作成した輸送スケジュールに対して、必要な車両台数、総走行距離などの評価値を算出して表示する(1102)。次に、印刷の指示があれば、上記の情報を出力装置(102)により印刷する(1103)。
なお、上記図2(d)で説明した時間帯情報(113)の各時間帯の平均速度は、実績値に応じて修正していくとよい。平均速度の修正に応じて、図2(e)の時間帯別距離テーブル(114)の各時間帯での所要時間も、より正確な値になっていくので、より適正なスケジュール作成が可能となる。また、各車両が担当する地域ごとの交通事情の差違に応じて、地域別に時間帯情報や時間帯別距離テーブルを作成して利用するようにしてもよい。
上記実施の形態では、物流センターで積んだ荷物を配送先拠点に配送する例で説明したが、荷物の集荷に適用することもできるし、集荷と配送を同時に行う場合にも適用できる。
101…入力装置、102…出力装置、103…表示装置、104…処理装置、109…記憶装置、106…入力処理部、107…輸送スケジュール作成部、108…結果出力部、105…プログラム、110…拠点情報、111…荷物情報、112…輸送車両情報、113…時間帯情報、114…時間帯別距離テーブル、115…道路地図、116…輸送スケジュール情報。
Claims (1)
- 物流センターから荷物の集配送先拠点への移動のスケジュール作成を行う輸送計画作成システムであって、
物流センターや集荷・配送先などの拠点の位置情報を含む拠点情報を登録する拠点情報登録手段と、
各荷物の荷物量、集配先拠点、および集荷・配送の時間制約を含む荷物情報を登録する荷物情報登録手段と、
物流センターが有するトラックなどの輸送車両数、およびそれらの輸送車両の積載量上限の情報を含む輸送車両情報を登録する輸送車両情報登録手段と、
時間帯の開始終了時刻とその時間帯での車両の平均走行速度を含む時間帯情報を登録する時間帯情報登録手段と、
前記各登録手段により登録された情報に基づいて前記輸送車両の輸送スケジュールを作成する輸送スケジュール作成手段と、
作成した輸送スケジュールを出力するスケジュール出力手段と
を備えるとともに、
前記輸送スケジュール作成手段は、各種の手法を用いて輸送スケジュールを作成する際、各拠点間の移動時間を算出するときには、前記時間帯情報を参照して、各時間帯の平均走行速度を利用して移動時間を算出する
ことを特徴とする輸送計画作成システム。
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