JP2006240579A - 歩行者衝突判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 衝突対象物が歩行者である際にはその対象物を確実に歩行者と判定する歩行者衝突判定装置を提供することにある。
【解決手段】 車体前部に加わる荷重の衝突開始からの時間積分値を自車速で除算することにより、衝突対象物の有効質量を演算する。そして、その演算有効質量が、予め歩行者であると設定した所定荷重範囲内にある場合、その衝突対象物が歩行者であると判定する。一方、車両に搭載したカメラを用いて衝突した対象物の形状(幅や高さ)を検出する。そして、その検出形状が予め歩行者であると設定した所定形状範囲内にあるか否かに応じて、上記した歩行者衝突判定の閾値としての所定荷重範囲を変更する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、歩行者衝突判定装置に係り、特に、例えば車両等に搭載され、何らかの物体が衝突した際にその衝突対象物が歩行者であるか否かを判定するうえで好適な歩行者衝突判定装置に関する。
従来から、車両に搭載したカメラを用いてそのカメラ画像から対象物の幅や高さ等の形状を抽出して、その形状に基づいて対象物が歩行者であるか否かを判定する歩行者判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この判定装置において、歩行者判定は、カメラ画像から抽出された形状が予め歩行者として設定した所定範囲内にあるか否かに基づいて行われるものであり、抽出形状がその所定範囲内にある場合に対象物が歩行者であると判定される。
また、車体前部のフロントバンパ等に配置された荷重センサを用いて車体前部に加わる荷重を検出し、その検出荷重に基づいて車両の衝突した対象物が歩行者であるか歩行者以外であるかを区別して判定する歩行者衝突判定装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この判定装置において、歩行者衝突判定は、荷重センサの出力に基づく車体前部に加わる対象物の衝突による荷重が歩行者相当の所定範囲内にありかつその状態の継続時間が所定時間範囲内にあるか否かに基づいて行われるものであり、その継続時間が所定時間範囲内にある場合に対象物が歩行者であると判定される。
特開2003−284057号公報 特開平11−28994号公報
しかしながら、上記した特許文献1記載の判定装置では、路上に設置された立て看板や人形などの、歩行者の身体形状と同等の形状を有する物体が、歩行者であると誤判定される可能性が高く、更には、カメラ画像の処理による歩行者判定には高い精度を得るうえで限界がある。また、上記した特許文献2記載の判定装置でも、歩行者でないにもかかわらず歩行者による衝突の荷重と同等の衝突荷重を有する物体が、歩行者であると誤判定される可能性が高い。従って、これら2つの判定装置の各々の構成だけでは、高精度な歩行者判定を実現することは困難である。
また、歩行者と判断できる対象物の荷重の範囲は、荷重センサの個体差や温度変化による感度バラツキ,対象物と車両との衝突具合い等に起因して変動する。更に、歩行者と判断できる対象物の形状の範囲は、カメラの個体差や温度変化による感度バラツキ等に起因して変動する。従って、上記した各特許文献の判定装置の如く、歩行者判定や歩行者衝突判定をその閾値範囲を固定して行うものとすると、対象物が現実には歩行者であるにもかかわらず歩行者でないと誤判定される事態が生じ易くなってしまう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、衝突対象物が歩行者であるか否かの判定精度を向上させた歩行者衝突判定装置を提供することを第1の目的とし、また、衝突対象物が歩行者である際にはその対象物を確実に歩行者と判定する歩行者衝突判定装置を提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的は、対象物の形状を検出する形状検出手段と、対象物の衝突による荷重パラメータを検出する荷重パラメータ検出手段と、前記形状検出手段により検出された前記形状と前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータとに基づいて、対象物が歩行者であるか否かを判定する歩行者判定手段と、を備える歩行者衝突判定装置により達成される。
この態様の発明において、対象物が歩行者であるか否かの判定は、対象物の検出形状と検出荷重パラメータとに基づいて行われる。かかる構成においては、対象物の検出形状及び検出荷重パラメータのうち少なくとも何れか一方が歩行者と設定される範囲から外れているときは、対象物が歩行者でないと判定できるので、従って、衝突対象物が歩行者であるか否かの判定精度を向上させることができる。
この場合、上記した歩行者衝突判定装置において、前記歩行者判定手段は、前記形状検出手段により検出された前記形状が、歩行者であると設定した所定形状範囲内にあり、かつ、前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータが、歩行者であると設定した所定荷重範囲内にある場合に、対象物が歩行者であると判定することとすればよい。
上記第2の目的は、対象物の衝突による荷重パラメータを検出する荷重パラメータ検出手段と、前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータが、歩行者であると設定した所定荷重範囲内にある場合に、対象物が歩行者であると判定する歩行者判定手段と、を備える歩行者衝突判定装置であって、対象物の形状を検出する形状検出手段と、前記形状検出手段により検出された前記形状が、歩行者であると設定した所定形状範囲内にあるか否かに応じて、前記所定荷重範囲を変更する歩行者判定閾値変更手段と、を備える歩行者衝突判定装置により達成される。
この態様の発明において、対象物が歩行者であるか否かの判定は、検出荷重パラメータが歩行者であると設定した所定荷重範囲内にあるか否かに基づいて行われる。そして、この所定荷重範囲は、検出形状が歩行者であると設定した所定形状範囲内にあるか否かに応じて変更される。検出形状が歩行者であると設定した所定形状範囲内にあるときは、対象物が歩行者である可能性は高くなる。従って、この場合には、歩行者判定の閾値に用いる所定荷重範囲を広めに設定することとすれば、荷重検出を行うセンサ素子の個体差や感度バラツキ等が生じていても、その差を吸収した歩行者判定を行うことができる。このため、衝突対象物が歩行者である際にはその対象物を確実に歩行者と判定することができる。
この場合、上記した歩行者衝突判定装置において、前記歩行者判定閾値変更手段は、前記形状検出手段により検出された前記形状が前記所定形状範囲内にある場合に、前記所定荷重範囲を、前記形状検出手段により検出される前記形状が前記所定形状範囲内にない場合に比して拡大することとすればよい。
また、上記第2の目的は、対象物の形状を検出する形状検出手段と、前記形状検出手段により検出された前記形状が、歩行者であると設定した所定形状範囲内にある場合に、対象物が歩行者であると判定する歩行者判定手段と、を備える歩行者衝突判定装置であって、対象物の衝突による荷重パラメータを検出する荷重パラメータ検出手段と、前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータが、歩行者であると設定した所定荷重範囲内にあるか否かに応じて、前記所定形状範囲を変更する歩行者判定閾値変更手段と、を備える歩行者衝突判定装置により達成される。
この態様の発明において、対象物が歩行者であるか否かの判定は、検出形状が歩行者であると設定した所定形状範囲内にあるか否かに基づいて行われる。そして、この所定形状範囲は、検出荷重パラメータが歩行者であると設定した所定荷重範囲内にあるか否かに応じて変更される。検出荷重パラメータが歩行者であると設定して所定荷重範囲内にあるときは、対象物が歩行者である可能性は高くなる。従って、この場合には、歩行者判定の閾値に用いる所定形状範囲を広めに設定することとすれば、形状検出を行うセンサ素子の個体差や感度バラツキ等が生じていても、その差を吸収した歩行者判定を行うことができる。このため、衝突対象物が歩行者である際にはその対象物を確実に歩行者と判定することができる。
この場合、上記した歩行者衝突判定装置において、前記歩行者判定閾値変更手段は、前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータが前記所定荷重範囲内にある場合に、前記所定形状範囲を、前記荷重パラメータ検出手段により検出される前記荷重パラメータが前記所定荷重範囲内にない場合に比して拡大することとすればよい。
尚、上記した歩行者衝突判定装置において、前記荷重パラメータは、対象物の衝突による荷重自体、対象物の衝突による荷重の時間積分値、又は、対象物の衝突による荷重若しくは該荷重の時間積分値を車両車速で除算した値であることとすればよい。
本発明によれば、衝突対象物が歩行者であるか否かの判定精度を向上させることができる。また、本発明によれば、衝突対象物が歩行者である際にはその対象物を確実に歩行者と判定することができる。
以下、図面を用いて本発明の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施例である車両に搭載されるシステムの構成図を示す。図1に示す如く、本実施例のシステムは、車両が何らかの対象物と衝突した際にその衝突対象物が歩行者であるか否かを判定する歩行者衝突判定装置10を備えている。歩行者衝突判定装置10は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)12を備えている。ECU12は、入出力回路(I/O)14、中央処理装置(以下、CPUと称す)16、処理プログラムや演算に必要なデーブルが予め格納されているリード・オンリ・メモリ(以下、ROMと称す)18、作業領域として使用されるランダム・アクセス・メモリ(以下、RAMと称す)20、及び、それらの各要素を接続する双方向のバス22により構成されている。
ECU12の入出力回路14には、荷重センサ24が接続されている。荷重センサ24は、車体前部のフロントバンパやバンパリインフォースメントの前面又は左右のフロントサイドメンバの前端に一つ或いは複数配設されている。荷重センサ24は、車両前方から車体前部の配設部位に加わる荷重の大きさに応じた信号を出力する。荷重センサ24の出力信号は、入出力回路14に供給され、CPU16の指示に従って適宜RAM20に格納される。ECU12のCPU16は、荷重センサ24の出力信号に基づいて車両前方から車体前部に加わる荷重(すなわち、車両に衝突した対象物による衝突荷重)の大きさを検出する。尚、車体前部に作用する荷重の大きさは、複数の荷重センサ24が車両に搭載されている場合には、各荷重センサ24の出力に基づく荷重の合計値となる。
入出力回路14には、また、車速センサ26が接続されている。車速センサ26は、例えば車体中央部や車輪に配設されており、車両の速度に応じた信号を出力する。車速センサ26の出力信号は、入出力回路14に供給され、CPU16の指示に従って適宜RAM20に格納される。ECU12のCPU16は、車速センサ26の出力信号に基づいて車速を検出する。
入出力回路14には、更に、カメラ28が接続されている。カメラ28は、車体前部のフロントバンパ又は車室内のインナリアビューミラーのステイ等に配設されており、車両前方に広がる所定領域を撮像する。カメラ28の撮影した画像情報は、入出力回路14に供給され、CPU16の指示に従って適宜RAM20に格納される。CPU16は、入出力回路14に供給されたカメラ画像情報から所定の画像処理を施し、画像に映し出されている対象物を抽出する。
本実施例のシステムは、また、車両が歩行者に衝突した際にその衝突歩行者を保護するように作動する歩行者保護装置30を備えている。歩行者保護装置30は、例えば、車体前部に設けられたエンジンを覆うエンジンフードをその後端側だけ持ち上げる機構を有する装置、又は、かかるエンジンフードから車両前方外側へ向けて衝突歩行者に加わる衝撃を吸収するエアバッグなどを展開する装置である。
歩行者保護装置30は、ECU12の入出力回路14に接続する駆動回路32を有している。ECU12のCPU16は、歩行者衝突判定装置10として車両の衝突した衝突対象物が歩行者であるか否かに基づいて、入出力回路14から歩行者保護装置30の駆動回路32への駆動信号の供給を制御する。具体的には、衝突対象物が歩行者である場合には、駆動回路32に対して歩行者保護装置30を作動させるための指令を供給する。駆動回路32は、ECU12から供給される作動指令に従って、エンジンフードの後端側を持ち上げ或いは歩行者保護用のエアバッグを膨張展開させる。
以下、本実施例の歩行者衝突判定装置10においてCPU16が実行する衝突対象物が歩行者であるか否かを判定する手法の具体的内容について説明する。以下、この判定を歩行者衝突判定と称す。
図2は、人である歩行者に車両が衝突した際に車両において荷重センサ24を用いて検出される対象物の有効質量の時間変化の一例を表した図を示す。また、図3は、人である歩行者に車両が衝突した際に車両においてカメラ28を用いて検出される対象物の形状の一例を表した図を示す。更に、図4は、本実施例の歩行者衝突判定装置10においてCPU16が歩行者衝突判定を行うべく実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
車両が対象物に衝突した場合には、その対象物に応じた荷重が車両に加わる。車両の衝突する対象物には、他車両や壁,電柱,立ち木,ガードレールなどの衝突時に車両に大きな荷重が作用するものから、ダンボールや紙などの衝突時に車両にあまり大きな荷重が作用しないものまで様々ある。歩行者の質量は歩行者ごとに異なるものであるが、その質量はおおよそ所定の上限値と下限値との間の値をとる(図2参照)。一方、車両に加わる荷重を演算処理すること、具体的には、車両に加わる荷重を衝突開始から時間積分して力積を求めかつその力積を自車速(厳密には、衝突対象物と自車両との相対速度であるが、車両走行中における歩行者との衝突を想定すると、その相対速度は車両の速度にほぼ等しいと判断できるため。)で除算することで、衝突対象物のおおよその有効質量を推定することができる。従って、対象物との衝突後に車両に加わる荷重を上記の如く演算処理することにより、その衝突対象物が歩行者であるか否かをある程度判定することが可能である。
また、車両が対象物に衝突する場合には、その対象物はカメラ28に撮像されるものである。車両の衝突する対象物には、他車両や壁,電柱などの形状の大きなものから、木片やダンボールなどの形状の小さなものまで様々ある。歩行者の形状(体格)は歩行者ごとに異なるものであるが、その形状はおおよそ所定の上限値と下限値との間の値をとる(図3参照)。従って、対象物との衝突時におけるカメラ画像からその対象物の高さや幅などの形状を特定することにより、その衝突対象物が歩行者であるか否かをある程度判定することが可能である。
そこで、本実施例の歩行者衝突判定装置10において、ECU12のROM18には、荷重から歩行者衝突判定を実現するための荷重判定マップと画像から歩行者衝突判定を行うための画像判定マップとが予め記憶されている。荷重判定マップは、歩行者のものであると設定した有効質量に関する所定質量範囲(すなわち、所定上限質量閾値と所定下限質量閾値との双方)を有している。また、画像判定マップは、歩行者のものであると設定した高さ及び幅それぞれの形状に関する所定形状範囲(すなわち、所定上限形状閾値と所定下限形状閾値との双方)を有している。
本実施例において、CPU16は、ROM18に格納されている処理プログラムに従って、以下に示す如く車両が衝突した衝突対象物が歩行者であるか否かの判定を行う。すなわち、まず、車両が対象物に衝突する前から所定時間ごとに、カメラ28を用いて車両前方の画像検出を行う(ステップ100)。そして、その検出された画像を処理してその画像中に含まれる自車両の走行に支障をきたす対象物の形状として横幅及び高さを検出する(ステップ102)。その後、CPU16は、自車両が車体前部で対象物と衝突したか否かを判別する(ステップ104)。この判別は、カメラ28の撮像画像を用いて或いは荷重センサ24による検出衝突荷重を用いて行うこととすればよい。その結果、衝突が生じていないと判別した場合は、再び上記ステップ100以降の処理を実行する。一方、衝突が生じたと判別した場合は、上記したステップ102で検出していた形状を衝突対象物の幅及び高さとして設定する(ステップ106)。
CPU16は、衝突開始後、荷重センサ24を用いて車両前方から車体前部に作用する衝突荷重の大きさを検出する(ステップ108)。そして、以後、検出衝突荷重を時間積分することにより荷重の衝突開始からの時間積分値(力積)を算出し(ステップ110)、その算出した衝突荷重の時間積分値をその際に車速センサ26を用いて検出される自車速で除算して衝突対象物の有効質量を演算する(ステップ112)。そして、CPU16は、衝突開始後、歩行者衝突判定を行うべきタイミングに至ったか否かを判別する(ステップ114)。この判断タイミングは、衝突対象物が歩行者である場合にその歩行者を保護する歩行者保護装置の機能を十分に確保できるタイミングに設定されている。その結果、未だその判断タイミングに至らないと判別した場合は、再び上記ステップ108以降の処理を実行する。
一方、CPU16は、上記した判断タイミングに至ったと判別した場合は、次に、上記ステップ106で設定した衝突対象物の幅が所定横幅範囲内すなわち所定上限横幅閾値aと所定下限横幅閾値bとの間にあるか否かを判別する(ステップ116)。尚、この所定横幅範囲は、予めROM18に格納されており、歩行者である人がとり得る横幅の範囲に設定されている。その結果、衝突対象物の幅が所定横幅範囲内にあると判別した場合は、次に、上記ステップ106で設定した衝突対象物の高さが所定高さ範囲内すなわち所定上限高さ閾値cと所定下限高さ閾値dとの間にあるか否かを判別する(ステップ118)。尚、この所定高さ範囲は、予めROM18に格納されており、歩行者である人がとり得る高さの範囲に設定されている。その結果、衝突対象物の高さが所定高さ範囲内にあると判別した場合は、次に、上記ステップ112で演算した衝突対象物の有効質量が所定質量範囲内すなわち所定上限質量閾値eと所定下限質量閾値fとの間にあるか否かを判別する(ステップ120)。尚、この所定質量範囲は、予めROM18に格納されており、歩行者である人がとり得る質量の範囲に設定されている。
CPU16は、上記処理の結果、ステップ120で衝突対象物の有効質量が所定質量範囲内にあると判別した場合は、自車両の衝突した衝突対象物が歩行者であると判定する(ステップ122)。一方、ステップ116、118、又は120で衝突対象物の幅、高さ、又は有効質量が所定横幅範囲、所定高さ範囲、又は所定質量範囲内にないと判別した場合は、自車両の衝突した衝突対象物が歩行者でないと判定する(ステップ124)。
このような処理によれば、対象物との衝突による衝突荷重に関するパラメータ(具体的には、有効質量)と衝突対象物の形状(具体的には、幅及び高さの双方)とに基づいて、衝突対象物が歩行者であるか否かを判別することができる。検出された衝突対象物の形状(幅及び高さの双方)が歩行者であると設定した所定形状範囲内にあり、かつ、検出された衝突荷重パラメータが歩行者であると設定した所定荷重範囲内にある場合には、対象物が歩行者であると判定することができる。
一般に人ではないが人に近似した形状を有する対象物や人に近似した質量を有する対象物が存在することを考慮すれば、衝突対象物の形状だけ又は衝突対象物の荷重パラメータだけでは、衝突対象物が歩行者であるか否かを判定することは極めて困難である。しかし、本実施例の如くそれら形状及び荷重パラメータの双方を用いることとすれば、形状又は質量の少なくとも何れか一方が人に近似しない対象物を歩行者から排除することが可能となる。従って、本実施例の歩行者衝突判定装置10によれば、車両が衝突した衝突対象物が歩行者であるか否かの歩行者衝突判定の精度を向上させることができ、より高精度な歩行者衝突判定を実現することが可能となっており、これにより、歩行者との衝突時に歩行者保護装置30を適正に作動させて、その歩行者を適切に保護することができる。
尚、衝突対象物の形状だけ又は衝突対象物の荷重パラメータだけを用いて歩行者衝突判定を行おうとすると、衝突対象物の正確な形状を得るためにカメラ28から得られる画像の処理が膨大になったり、或いは、衝突対象物の正確な荷重パラメータを得るために荷重センサ26による荷重の検出精度を向上させることが必要となるが、これに対して、本実施例においては、上述の如く歩行者衝突判定をそれらのパラメータの双方を用いているので、膨大な画像処理や荷重検出精度の向上はあまり必要なく、従って、ある程度簡易なシステムで歩行者衝突判定を精度良く実施することが可能となっている。
ところで、上記の第1実施例においては、衝突対象物の荷重を用いて演算される有効質量が特許請求の範囲に記載した「荷重パラメータ」に、衝突対象物の横幅及び高さが特許請求の範囲に記載した「形状」に、それぞれ相当していると共に、ECU12のCPU16が、図4に示すルーチン中ステップ102の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「形状検出手段」が、ステップ112の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「荷重パラメータ検出手段」が、ステップ122,124の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「歩行者判定手段」が、それぞれ実現されている。
上記した第1実施例では、歩行者衝突判定を行ううえで対象物の形状及び荷重パラメータの双方を判定パラメータとして用いることとした。これに対して、本発明の第2実施例においては、歩行者衝突判定を行ううえで対象物の荷重パラメータのみを判定パラメータとして用いる一方で、その判定パラメータの閾値を対象物の形状に応じて変更することとしている。本実施例のシステムは、上記図1に示す構成において、ECU12に図4に示すルーチンに代えて図5及び図6に示すルーチンを実行させることにより実現される。
以下、本実施例の歩行者衝突判定装置10においてCPU16が実行する衝突対象物が歩行者であるか否かを判定する手法の具体的内容について説明する。図5は、本実施例の歩行者衝突判定装置10においてCPU16が歩行者衝突判定に用いられる閾値を変更すべく実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。また、図6は、本実施例の歩行者衝突判定装置10においてCPU16が歩行者衝突判定を行うべく実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
上記の第1実施例に記載する如く、対象物との衝突後に車両に加わる荷重を演算処理することにより、その衝突対象物が歩行者であるか否かを判定することが可能である。また、対象物との衝突時におけるカメラ画像からその対象物の高さや幅などの形状を特定することにより、その衝突対象物が歩行者であるか否かを判定することが可能である。一方、歩行者と判断できる対象物の荷重の範囲は、荷重センサ24の個体差や温度変化による感度バラツキ,対象物と車両との衝突具合い等に起因して変動する。従って、衝突荷重に基づく歩行者衝突判定をその荷重判定マップの閾値範囲を固定して行うものとすると、対象物が現実には歩行者であるにもかかわらず歩行者でないと誤判定される事態が生じ易くなってしまう。
本実施例の歩行者衝突判定装置10において、ECU12のROM18には、上記した第1実施例と同様に、荷重から歩行者衝突判定を実現するための荷重判定マップと画像から歩行者衝突判定を行うための画像判定マップとが予め記憶されている。荷重判定マップは、歩行者のものであると設定した有効質量に関する所定質量範囲(すなわち、所定上限質量閾値と所定下限質量閾値との双方)を有している。また、画像判定マップは、歩行者のものであると設定した高さ及び幅それぞれの形状に関する所定形状範囲(すなわち、所定上限形状閾値と所定下限形状閾値との双方)を有している。
CPU16は、車両が対象物に衝突する前から所定時間ごとに、カメラ28を用いて車両前方の画像検出を行い(ステップ200)、その検出された画像を処理してその画像中に含まれる自車両の走行に支障をきたす対象物の形状として横幅及び高さを検出する(ステップ202)。そして、自車両が車体前部で対象物と衝突したか否かを判別する(ステップ204)。この判別は、カメラ28の撮像画像を用いて或いは荷重センサ24による検出衝突荷重を用いて行うこととすればよい。その結果、衝突が生じていないと判別した場合は、再び上記ステップ200以降の処理を実行する。一方、衝突が生じたと判別した場合は、上記したステップ202で検出していた形状を衝突対象物の幅及び高さとして設定する(ステップ206)。
CPU16は、上記ステップ206で設定した衝突対象物の幅が所定横幅範囲内すなわち所定上限横幅閾値aと所定下限横幅閾値bとの間にあるか否かを判別する(ステップ208)。尚、この所定横幅範囲は、予めROM18に格納されており、歩行者である人がとり得る横幅の範囲に設定されている。その結果、衝突対象物の幅が所定横幅範囲内にあると判別した場合は、次に、上記ステップ206で設定した衝突対象物の高さが所定高さ範囲内すなわち所定上限高さ閾値cと所定下限高さ閾値dとの間にあるか否かを判別する(ステップ210)。尚、この所定高さ範囲は、予めROM18に格納されており、歩行者である人がとり得る高さの範囲に設定されている。
CPU16は、上記処理の結果、ステップ210で衝突対象物の高さが所定高さ範囲内にあると判別した場合は、衝突対象物の形状が歩行者に近似しておりその対象物が歩行者である可能性がより高いと判断できるので、歩行者衝突判定のための荷重判定マップの有効質量に関する所定質量範囲を広めのものに、具体的には、所定上限質量閾値を高くし若しくは所定下限質量閾値を低くし又はそれらの双方を行ったものに設定する(ステップ212)。尚、この広めの所定質量範囲は、荷重センサ24の個体差等のバラツキを考慮しても、衝突対象物が歩行者である場合にほとんどすべての荷重センサ24を用いた検出有効質量がとり得る範囲に設定されており、後述する狭めの所定質量範囲と共に、予めROM18に格納されている。
一方、上記処理の結果、ステップ208又は210で衝突対象物の幅又は高さが所定横幅範囲又は所定高さ範囲内にないと判別した場合は、衝突対象物の形状が歩行者に近似しておらずその対象物が歩行者である可能性は低いと判断できるので、歩行者衝突判定のための荷重判定マップの有効質量に関する所定質量範囲を狭めのものに、具体的には、所定上限質量閾値を低くし若しくは所定下限質量閾値を高くし又はそれらの双方を行ったものに設定する(ステップ214)。
かかる処理によれば、衝突対象物の形状(具体的には、横幅と高さとの双方)に応じて、歩行者衝突判定のための荷重判定マップの有効質量に関する所定質量範囲を変更することができる。検出された衝突対象物の幅及び高さの双方が歩行者であると設定した所定形状範囲内にある場合には、その所定質量範囲を歩行者と判定され易くなるようにより広範なものに設定し、一方、検出された衝突対象物の幅及び高さの少なくとも一方が歩行者であると設定した所定形状範囲内にない場合には、その所定質量範囲を歩行者と判定され難くなるようにより狭いものに設定すること、すなわち、検出された衝突対象物の幅及び高さの双方が歩行者であると設定した所定形状範囲内にある場合には、その所定形状範囲内にない場合に比して、歩行者衝突判定の閾値としての所定質量範囲を拡大することができる。
また、CPU16は、自車両が車体前部で対象物と衝突したと判別する(ステップ250における肯定判定)と、荷重センサ24を用いて車両前方から車体前部に作用する衝突荷重の大きさを検出する(ステップ252)。そして、以後、検出衝突荷重を時間積分することにより荷重の衝突開始からの時間積分値(力積)を算出し(ステップ254)、その算出した衝突荷重の時間積分値をその際に車速センサ26を用いて検出される自車速で除算して衝突対象物の有効質量を演算する(ステップ256)。そして、CPU16は、衝突開始後、歩行者衝突判定を行うべきタイミングに至ったか否かを判別する(ステップ258)。この判断タイミングは、衝突対象物が歩行者である場合にその歩行者を保護する歩行者保護装置の機能を十分に確保できるタイミングに設定されている。その結果、未だその判断タイミングに至らないと判別した場合は、再び上記ステップ252以降の処理を実行する。
一方、CPU16は、上記した判断タイミングに至ったと判別した場合は、次に、上記ステップ256で演算した衝突対象物の有効質量が、上記図5に示すルーチンを実行することにより設定した所定質量範囲内すなわち所定上限質量閾値eと所定下限質量閾値fとの間にあるか否かを判別する(ステップ260)。その結果、衝突対象物の有効質量が所定質量範囲内にあると判別した場合は、自車両の衝突した衝突対象物が歩行者であると判定する(ステップ262)。一方、衝突対象物の有効質量が所定質量範囲内にないと判別した場合は、自車両の衝突した衝突対象物が歩行者でないと判定する(ステップ264)。
このような処理によれば、対象物との衝突による衝突荷重に関するパラメータ(具体的には、有効質量)を、その対象物の形状に応じて変更される所定質量範囲と比較することにより、衝突対象物が歩行者であるか否かを判別することができる。
上記の如く、本実施例において、検出された衝突対象物の幅及び高さの双方が歩行者であると設定した所定形状範囲内にある場合には、歩行者衝突判定の閾値としての所定質量範囲が歩行者と判定され易くなるようにより広範なものとなり、一方、検出された衝突対象物の幅及び高さの少なくとも一方がその所定形状範囲内にない場合には、その所定質量範囲が歩行者と判定され難くなるようにより狭いものとなる。
通常、検出された衝突対象物の形状が歩行者であると設定した所定形状範囲内にないときは、その衝突対象物が歩行者である可能性は低くなるが、その形状がその所定形状範囲内にあるときは、その衝突対象物が歩行者である可能性は高くなる。従って、後者の条件が成立する場合には、歩行者衝突判定の閾値として用いる所定質量範囲を広めに設定すれば、荷重センサ24の個体差や感度バラツキ等が生じていても、その差を吸収した歩行者衝突判定を行うことが可能である。このため、本実施例の歩行者衝突判定装置10によれば、車両の衝突した衝突対象物が歩行者である際に、荷重センサ24の個体差等に起因してその衝突対象物を歩行者でないと誤判定するのを低減することができ、歩行者と判定する可能性を高めることが可能となっており、これにより、歩行者との衝突時に歩行者保護装置30を適正に作動させて、その歩行者を適切に保護することができる。
尚、このような本実施例においては、車両の衝突した衝突対象物が歩行者である際に確実に歩行者と判定することができる歩行者衝突判定が行われるので、荷重センサ24の個体差等をある程度許容することができ、また、画像判定マップを直接判定パラメータとして用いて歩行者衝突判定を行っている訳ではないので、衝突対象物の正確かつ細かな形状を抽出するための膨大なカメラ画像処理を行うことは不要である。従って、本実施例においても、ある程度簡易なシステムで歩行者衝突判定を精度良く実施することが可能となっている。
ところで、上記の第2実施例においては、ECU12のCPU16が、図6に示すルーチン中ステップ256の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「荷重パラメータ検出手段」が、ステップ262の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「歩行者判定手段」が、図5に示すルーチン中ステップ202の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「形状検出手段」が、ステップ212,214の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「歩行者判定閾値変更手段」が、それぞれ実現されている。
上記した第2実施例では、歩行者衝突判定を行ううえで対象物の荷重パラメータのみを判定パラメータとして用いる一方で、その判定パラメータの閾値を対象物の形状に応じて変更することとした。これに対して、本発明の第3実施例においては、逆に、歩行者衝突判定を行ううえで対象物の形状のみを判定パラメータとして用いる一方で、その判定パラメータの閾値を対象物の荷重パラメータに応じて変更することとしている。本実施例のシステムは、上記図1に示す構成において、ECU12に図4に示すルーチンに代えて図7及び図8に示すルーチンを実行させることにより実現される。
以下、本実施例の歩行者衝突判定装置10においてCPU16が実行する衝突対象物が歩行者であるか否かを判定する手法の具体的内容について説明する。図7は、本実施例の歩行者衝突判定装置10においてCPU16が歩行者衝突判定に用いられる閾値を変更すべく実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。また、図8は、本実施例の歩行者衝突判定装置10においてCPU16が歩行者衝突判定を行うべく実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
歩行者と判断できる対象物の形状の範囲は、カメラ28の個体差や温度変化による感度バラツキ等に起因して変動する。従って、衝突対象物の形状に基づく歩行者衝突判定をその画像判定マップの閾値範囲を固定して行うものとすると、対象物が現実には歩行者であるにもかかわらず歩行者でないと誤判定される事態が生じ易くなってしまう。
本実施例の歩行者衝突判定装置10において、ECU12のROM18には、上記した第1及び第2実施例と同様に、荷重から歩行者衝突判定を実現するための荷重判定マップと画像から歩行者衝突判定を行うための画像判定マップとが予め記憶されている。荷重判定マップは、歩行者のものであると設定した有効質量に関する所定質量範囲(すなわち、所定上限質量閾値と所定下限質量閾値との双方)を有している。また、画像判定マップは、歩行者のものであると設定した高さ及び幅それぞれの形状に関する所定形状範囲(すなわち、所定上限形状閾値と所定下限形状閾値との双方)を有している。
CPU16は、自車両が車体前部で対象物と衝突したか否かを判別する(ステップ300)。この判別は、カメラ28の撮像画像を用いて或いは荷重センサ24による検出衝突荷重を用いて行うこととすればよい。その結果、衝突が生じたと判別すると、荷重センサ24を用いて車両前方から車体前部に作用する衝突荷重の大きさを検出する(ステップ302)。そして、以後、検出衝突荷重を時間積分することにより荷重の衝突開始からの時間積分値(力積)を算出し(ステップ304)、その算出した衝突荷重の時間積分値をその際に車速センサ26を用いて検出される自車速で除算して衝突対象物の有効質量を演算する(ステップ306)。そして、CPU16は、衝突開始後、歩行者衝突判定を行うべきタイミングに至ったか否かを判別する(ステップ308)。この判断タイミングは、衝突対象物が歩行者である場合にその歩行者を保護する歩行者保護装置の機能を十分に確保できるタイミングに設定されている。その結果、未だその判断タイミングに至らないと判別した場合は、再び上記ステップ302以降の処理を実行する。
CPU16は、一方、上記した判断タイミングに至ったと判別した場合は、次に、上記ステップ306で演算した衝突対象物の有効質量が所定質量範囲内すなわち所定上限質量閾値eと所定下限質量閾値fとの間にあるか否かを判別する(ステップ310)。尚、この所定質量範囲は、予めROM18に格納されており、歩行者である人がとり得る質量の範囲に設定されている。その結果、衝突対象物の有効質量が所定質量範囲内にあると判別した場合は、衝突対象物の質量が歩行者に近似しておりその対象物が歩行者である可能性がより高いと判断できるので、歩行者衝突判定のための画像判定マップの形状(横幅及び高さそれぞれ)に関する所定形状範囲を広めのものに、具体的には、所定上限形状閾値を高くし若しくは所定下限形状閾値を低くし又はそれらの双方を行ったものに設定する(ステップ312)。尚、この広めの所定形状範囲は、カメラ28の個体差等のバラツキを考慮しても、衝突対象物が歩行者である場合にほとんどすべてのカメラ28を用いた検出形状がとり得る範囲に設定されており、後述する狭めの所定形状範囲と共に、予めROM18に格納されている。
一方、上記処理の結果、衝突対象物の有効質量が所定質量範囲内にないと判別した場合は、衝突対象物の質量が歩行者に近似しておらずその対象物が歩行者である可能性は低いと判断できるので、歩行者衝突判定のための画像判定マップの形状(横幅及び高さそれぞれ)に関する所定形状範囲を狭めのもの、具体的には、所定上限形状閾値を低くし若しくは所定下限形状閾値を高くし又はそれらの双方を行ったものに設定する(ステップ314)。
かかる処理によれば、衝突対象物の有効質量に応じて、歩行者衝突判定のための画像判定マップの形状に関する所定形状範囲を変更することができる。検出された衝突対象物の有効質量が歩行者であると設定した所定質量範囲内にある場合には、その所定形状範囲を歩行者と判定され易くなるようにより広範なものに設定し、一方、検出された衝突対象物の有効質量が歩行者であると設定した所定形状範囲内にない場合には、その所定形状範囲を歩行者と判定され難くなるようにより狭いものに設定すること、すなわち、検出された衝突対象物の有効質量が歩行者であると設定した所定質量範囲内にある場合には、その所定質量範囲内にない場合に比して、歩行者衝突判定の閾値としての所定形状範囲を拡大することができる。
また、CPU16は、車両が対象物に衝突する前から所定時間ごとに、カメラ28を用いて車両前方の画像検出を行い(ステップ350)、その検出された画像を処理してその画像中に含まれる自車両の走行に支障をきたす対象物の形状として横幅及び高さを検出する(ステップ352)。そして、自車両が車体前部で対象物と衝突したか否かを判別する(ステップ354)。この判別は、カメラ28の撮像画像を用いて或いは荷重センサ24による検出衝突荷重を用いて行うこととすればよい。その結果、衝突が生じていないと判別した場合は、再び上記ステップ350以降の処理を実行する。一方、衝突が生じたと判別した場合は、上記したステップ352で検出していた形状を衝突対象物の幅及び高さとして設定する(ステップ356)。
CPU16は、上記ステップ356で設定した衝突対象物の幅が、上記図7に示すルーチンを実行することにより設定した所定横幅範囲内すなわち所定上限横幅閾値aと所定下限横幅閾値bとの間にあるか否かを判別する(ステップ358)。その結果、衝突対象物の幅が所定横幅範囲内にあると判別した場合は、次に、上記ステップ356で設定した衝突対象物の高さが、上記図7に示すルーチンを実行することにより設定した所定高さ範囲内すなわち所定上限高さ閾値cと所定下限高さ閾値dとの間にあるか否かを判別する(ステップ360)。
CPU16は、上記処理の結果、ステップ360で衝突対象物の高さが所定高さ範囲内にあると判別した場合は、自車両の衝突した衝突対象物が歩行者であると判定する(ステップ362)。一方、ステップ358又は360で衝突対象物の幅又は高さが所定横幅範囲又は所定高さ範囲内にないと判別した場合は、自車両の衝突した衝突対象物が歩行者でないと判定する(ステップ364)。
このような処理によれば、車両の衝突する対象物の形状(具体的には、幅及び高さの双方)を、その対象物の有効質量に応じて変更される所定形状範囲と比較することにより、衝突対象物が歩行者であるか否かを判別することができる。
上記の如く、本実施例において、検出された衝突対象物の有効質量が歩行者であると設定した所定質量範囲内にある場合には、歩行者衝突判定の閾値としての所定形状範囲が歩行者と判定され易くなるようにより広範なものとなり、一方、検出された衝突対象物の有効質量が歩行者であると設定した所定形状範囲内にない場合には、その所定形状範囲が歩行者と判定され難くなるようにより狭いものとなる。
通常、検出された衝突対象物の有効質量が歩行者であると設定した所定質量範囲内にないときは、その衝突対象物が歩行者である可能性は低くなるが、その有効質量がその所定質量範囲内にあるときは、その衝突対象物が歩行者である可能性は高くなる。従って、後者の条件が成立する場合には、歩行者衝突判定の閾値として用いる所定形状範囲を広めに設定すれば、カメラ28の個体差や感度バラツキ等が生じていても、その差を吸収した歩行者衝突判定を行うことが可能である。このため、本実施例の歩行者衝突判定装置10によれば、車両の衝突した衝突対象物が歩行者である際に、カメラ28の個体差等に起因してその衝突対象物を歩行者でないと誤判定するのを低減することができ、歩行者と判定する可能性を高めることが可能となっており、これにより、歩行者との衝突時に歩行者保護装置30を適正に作動させて、その歩行者を適切に保護することができる。
尚、このような本実施例においては、車両の衝突した衝突対象物が歩行者である際に確実に歩行者と判定することができる歩行者衝突判定が行われるので、カメラ28の個体差等をある程度許容することができ、また、荷重判定マップを直接判定パラメータとして用いて歩行者衝突判定を行っている訳ではないので、衝突対象物の正確な有効質量を得るための膨大な演算処理を行うことは不要である。従って、本実施例においても、ある程度簡易なシステムで歩行者衝突判定を精度良く実施することが可能となっている。
ところで、上記の第3実施例においては、ECU12のCPU16が、図8に示すルーチン中ステップ352の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「形状検出手段」が、ステップ362の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「歩行者判定手段」が、図7に示すルーチン中ステップ306の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「荷重パラメータ検出手段」が、ステップ312,314の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「歩行者判定閾値変更手段」が、それぞれ実現されている。
ところで、上記の第1乃至第3実施例においては、対象物との衝突による荷重に関するパラメータとして、車体前部に加わる衝突荷重の時間積分値を車両車速で除算することにより得られる有効質量を用いることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、荷重自体、荷重の時間積分値、又は、荷重を車両車速で除算して得られる値などを用いることとしてもよい(図9参照)。尚、この場合には、これらの値が特許請求の範囲に記載した「荷重パラメータ」に相当することとなる。また、上記の第1乃至第3実施例を含め荷重や荷重の時間積分値を車両車速で除算することとすれば、検出値における衝突速度の影響を排除することができ、より高精度の歩行者衝突判定に関わる処理を実行ことが可能となる。
また、上記の第1乃至第3実施例においては、対象物の形状として検出されるパラメータとして横幅及び高さの双方を用いることとしたが、簡易的に何れか一方のみを用いることとしてもよいし、また、可能であれば対象物の奥行きを用いたり、或いは、曲線などを含む対象物の具体的な形状を用いることとしてもよい。
本発明の第1実施例である車両に搭載されるシステムの構成図である。 人である歩行者に車両が衝突した際に車両において荷重センサを用いて検出される対象物の有効質量の時間変化の一例を表した図である。 人である歩行者に車両が衝突した際に車両においてカメラを用いて検出される対象物の形状の一例を表した図である。 本実施例の歩行者衝突判定装置において歩行者衝突判定を行うべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。 本発明の第2実施例である歩行者衝突判定装置において歩行者衝突判定に用いられる閾値を変更すべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。 本実施例の歩行者衝突判定装置において歩行者衝突判定を行うべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。 本発明の第3実施例である歩行者衝突判定装置において歩行者衝突判定に用いられる閾値を変更すべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。 本実施例の歩行者衝突判定装置において歩行者衝突判定を行うべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。 人である歩行者に車両が衝突した際に車両において荷重センサを用いて検出される衝突荷重、衝突荷重の時間積分値、及び衝突荷重を車両車速で除算して得られる値それぞれの時間変化の一例を表した図である。
符号の説明
10 歩行者衝突判定装置
12 ECU
16 CPU
24 荷重センサ
26 車速センサ
28 カメラ

Claims (7)

  1. 対象物の形状を検出する形状検出手段と、
    対象物の衝突による荷重パラメータを検出する荷重パラメータ検出手段と、
    前記形状検出手段により検出された前記形状と前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータとに基づいて、対象物が歩行者であるか否かを判定する歩行者判定手段と、
    を備えることを特徴とする歩行者衝突判定装置。
  2. 前記歩行者判定手段は、前記形状検出手段により検出された前記形状が、歩行者であると設定した所定形状範囲内にあり、かつ、前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータが、歩行者であると設定した所定荷重範囲内にある場合に、対象物が歩行者であると判定することを特徴とする請求項1記載の歩行者衝突判定装置。
  3. 対象物の衝突による荷重パラメータを検出する荷重パラメータ検出手段と、前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータが、歩行者であると設定した所定荷重範囲内にある場合に、対象物が歩行者であると判定する歩行者判定手段と、を備える歩行者衝突判定装置であって、
    対象物の形状を検出する形状検出手段と、
    前記形状検出手段により検出された前記形状が、歩行者であると設定した所定形状範囲内にあるか否かに応じて、前記所定荷重範囲を変更する歩行者判定閾値変更手段と、
    を備えることを特徴とする歩行者衝突判定装置。
  4. 前記歩行者判定閾値変更手段は、前記形状検出手段により検出された前記形状が前記所定形状範囲内にある場合に、前記所定荷重範囲を、前記形状検出手段により検出される前記形状が前記所定形状範囲内にない場合に比して拡大することを特徴とする請求項3記載の歩行者衝突判定装置。
  5. 対象物の形状を検出する形状検出手段と、前記形状検出手段により検出された前記形状が、歩行者であると設定した所定形状範囲内にある場合に、対象物が歩行者であると判定する歩行者判定手段と、を備える歩行者衝突判定装置であって、
    対象物の衝突による荷重パラメータを検出する荷重パラメータ検出手段と、
    前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータが、歩行者であると設定した所定荷重範囲内にあるか否かに応じて、前記所定形状範囲を変更する歩行者判定閾値変更手段と、
    を備えることを特徴とする歩行者衝突判定装置。
  6. 前記歩行者判定閾値変更手段は、前記荷重パラメータ検出手段により検出された前記荷重パラメータが前記所定荷重範囲内にある場合に、前記所定形状範囲を、前記荷重パラメータ検出手段により検出される前記荷重パラメータが前記所定荷重範囲内にない場合に比して拡大することを特徴とする請求項5記載の歩行者衝突判定装置。
  7. 前記荷重パラメータは、対象物の衝突による荷重自体、対象物の衝突による荷重の時間積分値、又は、対象物の衝突による荷重若しくは該荷重の時間積分値を車両車速で除算した値であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載の歩行者衝突判定装置。
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