JP2006239842A - アクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータ - Google Patents

アクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】所定(一定)の共振周波数を有するアクチュエータを容易に得ることができるアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータを提供する。
【解決手段】本発明のアクチュエータ100の共振周波数の調整方法は、交流電圧を印加することによって、第1の質量部1、11が駆動し、それに伴い第2の質量部2が回動するアクチュエータ100の共振周波数の調整方法であって、前記第1の質量部1、11と前記第2の質量部2との少なくとも一方の質量部本体14の所定箇所に、質量調整用の物質を必要に応じて所定量付加することにより、共振周波数を調整することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータに関するものである。
例えば、レーザープリンタ等に用いられるアクチュエータとしてポリゴンミラー(回転多面体)が知られている。
しかし、このようなポリゴンミラーにおいて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷を達成するには、ポリゴンミラーの回転をさらに高速にしなければならない。
現在のポリゴンミラーには高速安定回転を維持するためにエアーベアリングが使用されているが、今以上の高速回転を得るのは困難となっている。また、高速にするためには、大型のモーターが必要であり、機器の小型化の面で不利であるという問題がある。
このようなポリゴンミラーを用いると、構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題も生じる。
また、図16に示すような、平行平板状に電極を配置した1自由度のねじり振動子は、その構造が簡単なことから、アクチュエータの研究初期から提案されている(例えば、非特許文献1参照)。また、前記ねじり振動子をカンチレバー方式とした1自由度静電駆動型振動子も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
図16の1自由度静電駆動型ねじり振動子は、ガラス基板1000上の両端部にスぺーサ1200を介してシリコンの単結晶板からなる可動電極板1300の両端固定部1300aを固定し、この可動電極板1300の両端固定部1300a間に、細巾のトーションバー1300bを介して可動電極部1300cを支持させ、また、その可動電極部1300cに電極間隔を置いて対向させる固定電極1400を、ガラス基板1000上において前記可動電極部1300cに対し平行配置している。可動電極板1300と固定電極1400との間にはスイッチ1600を介して電源1500が接続される。
前記構成を有するねじり振動子は、可動電極部1300cと固定電極1400との間に電圧を印加すると、静電引力によりトーションバー1300bを軸として可動電極部1300cが回転するものである。
このねじり振動子等のアクチュエータは、その共振周波数とほぼ等しい周波数で駆動されるのが好ましい。このアクチュエータの共振周波数は、可動電極部1300cの形状や寸法、トーションバー1300bのばね定数(ねじりばね定数)等により決まるので、アクチュエータの製造時の加工精度に大きく依存する。
しかしながら、従来のアクチュエータ(アクチュエータの製造方法)では、その共振周波数を所定値(一定値)に設定することが困難である。すなわち、従来のアクチュエータでは、その共振周波数を所定値に設定するためには、加工精度を格段に向上させる必要があり、歩留まりも低くなり、コストも高くなってしまう。
K.E.Petersen:"Silicon Torsional Scanning Mirror",IBMJ.Res.Develop.,vol.24(1980)、P.631 河村他:"Siを用いたマイクロメカニクスの研究"、昭和61年度精密工学会秋季大会学術講演会論文集、P.753
本発明の目的は、所定(一定)の共振周波数を有するアクチュエータを容易に得ることができるアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法は、質量部本体を有する第1の質量部と、質量部本体を有する第2の質量部と、支持部と、前記第1の質量部と前記支持部とを、前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを有し、
交流電圧を印加することによって、前記第1の質量部が駆動し、それに伴い前記第2の質量部が回動するアクチュエータの共振周波数の調整方法であって、
前記第1の質量部と前記第2の質量部との少なくとも一方の前記質量部本体の所定箇所に、質量調整用の物質を必要に応じて所定量付加することにより、共振周波数を調整することを特徴とする。
これにより、所定(一定)の共振周波数を有するアクチュエータを容易に得ることができる。この場合、アクチュエータの共振周波数は、第1の質量部、第2の質量部の慣性モーメントに依存し、その慣性モーメントが小さいほど、大きい(高い)。このため、例えば、質量部本体に質量調整用の物質を付加することにより、前記慣性モーメントが増大し、前記共振周波数を小さくすることができる。
また、アクチュエータの加工精度を特別に高くする必要がないので、歩留まりも高く、コストを低減することもできる。
また、このアクチュエータは、第1の質量部と第2の質量部とを有しているので、低電圧で大きい回転角度(振れ角)での駆動が可能である。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記第2の質量部は、光反射部を有することが好ましい。
本発明のアクチュエータは、各種のものに適用可能であるが、例えば光スキャナへの適用が好適であり、この場合、光の光路を容易に変更することができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記アクチュエータは、前記第1の質量部を一対備え、
前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられていることが好ましい。
これにより、より確実に、低電圧で駆動が可能で、かつ、回転角度(振れ角)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記質量部本体に、前記質量調整用の物質を付加する付加領域が予め設定されており、その付加領域内の所定箇所に前記質量調整用の物質を付加することが好ましい。
これにより、共振周波数の調整を容易に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域は、前記質量部本体の、対応する前記質量部の回動中心軸から遠位の端部に設定されることが好ましい。
これにより、慣性モーメントへの影響が大きい位置に付加領域を位置させることができ、これによって、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域は、前記質量部本体の、対応する前記質量部の回動中心軸と、該回動中心軸からの遠位端との中間点より前記遠位端側に設定されることが好ましい。
これにより、慣性モーメントへの影響が大きい位置に付加領域を位置させることができ、これによって、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域は、前記質量部本体の、対応する前記質量部の回動中心軸を介して両側にそれぞれ設定されることが好ましい。
これにより、質量調整用の物質をバランス良く付加することができ、安定的に第2の質量部を回動させることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記回動中心軸を中心にほぼ対称となるように、前記付加領域内の所定箇所に前記質量調整用の物質を付加することが好ましい。
これにより、質量調整用の物質がバランス良く付加され、安定的に第2の質量部を回動させることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記アクチュエータが、前記第1の質量部を一対備え、前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられている構成において、前記一方の第1の質量部の回動中心軸と、該一方の第1の質量部の質量部本体の前記回動中心軸からの遠位端(前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の先端)との間の距離をLとし、前記他方の第1の質量部の回動中心軸と、該他方の第1の質量部の質量部本体の前記回動中心軸からの遠位端(前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の先端)との間の距離をLとし、前記第2の質量部の回動中心軸と、該第2の質量部の質量部本体の前記回動中心軸からの遠位端(前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の先端)との間の距離をLとしたとき、LとLとが、L<Lなる関係を満足し、かつ、LとLとが、L<Lなる関係を満足することが好ましい。
これにより、より容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、回転角度(振れ角)が大きいものとすることができる。
また、この場合、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記距離Lと、前記距離Lとがほぼ等しいことが好ましい。
これにより、アクチュエータを駆動する際、その制御が容易となり、さらに容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、回転角度(振れ角)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記交流電圧の周波数が、前記第1の質量部と前記第2の質量部とが共振する振動系(2自由度振動系)の共振周波数のうち低いものとほぼ等しくなるように設定されていることが好ましい。
これにより、低電圧で高速動作が可能で、かつ、回転角度(振れ角)が大きいものとすることができる。また、このような構成とすることにより、第1の質量部の回転角度(振れ角)を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記第1の弾性連結部のばね定数をkとし、前記第2の弾性連結部のばね定数をkとしたとき、kとkとが、k>kなる関係を満足することが好ましい。
これにより、第1の質量部の回転角度(振れ角)を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記第1の質量部の慣性モーメントをJとし、前記第2の質量部の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとがJ≦Jなる関係を満足することが好ましい。
これにより、第1の質量部の回転角度(振れ角)を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記第1の弾性連結部および前記第2の弾性連結部のうちの少なくとも一方は、その内部にピエゾ抵抗素子を備えていることが好ましい。
これにより、例えば、回転角度(振れ角)および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部の姿勢の制御に利用することができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法は、質量部本体を有する質量部と、支持部と、前記質量部と前記支持部とを、前記質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の弾性連結部とを有し、
交流電圧を印加することによって、前記質量部が回動するアクチュエータの共振周波数の調整方法であって、
前記質量部の前記質量部本体の所定箇所に、質量調整用の物質を必要に応じて所定量付加することにより、共振周波数を調整することを特徴とする。
これにより、所定(一定)の共振周波数を有するアクチュエータを容易に得ることができる。この場合、アクチュエータの共振周波数は、質量部の慣性モーメントに依存し、その慣性モーメントが小さいほど、大きい(高い)。このため、例えば、質量部本体に質量調整用の物質を付加することにより、前記慣性モーメントが増大し、前記共振周波数を大きくすることができる。
また、アクチュエータの加工精度を特別に高くする必要がないので、歩留まりも高く、コストを低減することもできる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記質量部は、光反射部を有することが好ましい。
本発明のアクチュエータは、各種のものに適用可能であるが、例えば光スキャナへの適用が好適であり、この場合、光の光路を容易に変更することができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記質量部本体に、前記質量調整用の物質を付加する付加領域が予め設定されており、その付加領域内の所定箇所に前記質量調整用の物質を付加することが好ましい。
これにより、共振周波数の調整を容易に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域は、前記質量部本体の、前記質量部の回動中心軸から遠位の端部に設定されることが好ましい。
これにより、慣性モーメントへの影響が大きい位置に付加領域を位置させることができ、これによって、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域は、前記質量部本体の、前記質量部の回動中心軸と、該回動中心軸からの遠位端との中間点より前記遠位端側に設定されることが好ましい。
これにより、慣性モーメントへの影響が大きい位置に付加領域を位置させることができ、これによって、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域は、前記質量部本体の、前記質量部の回動中心軸を介して両側にそれぞれ設定されることが好ましい。
これにより、質量調整用の物質をバランス良く付加することができ、安定的に質量部を回動させることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記質量部の回動中心軸を中心にほぼ対称となるように、前記付加領域内の所定箇所に前記質量調整用の物質を付加することが好ましい。
これにより、質量調整用の物質がバランス良く付加され、安定的に質量部を回動させることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記質量調整用の物質は、粒子であることが好ましい。
粒子の質量は、微小であり、その付加する粒子の個数を調整することにより、共振周波数の調整を、より容易かつ正確に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記粒子の平均粒径は、10μm以下であることが好ましい。
このような寸法の粒子(ナノ粒子等の微粒子)は、特に、その寸法に依存する効果(ナノサイズ効果)により、自己帯電し、クーロン力(静電気力)により、付加領域(質量部本体)に付着(吸着)し、その付着状態を維持する。すなわち、付加領域からの粒子の離脱や移動を防止することができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域の表面の表面粗さRaは、1〜100μmであることが好ましい。
これにより、粒子は、付加領域に強固に付着し、これによって、付加領域からの粒子の離脱や移動を防止することができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記質量部本体に凹部が設けられており、その凹部内が前記付加領域であることが好ましい。
これにより、粒子を、より確実に、付加領域内に付着させることができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域内の所定箇所に前記粒子を付加する処理は、前記粒子を含む液状材料をノズルから液滴として吐出して前記付加領域内の所定箇所に付与し、該付与された液状材料を乾燥させることにより行なわれることが好ましい。
これにより、粒子を付加する位置(液滴の着弾位置)および付加する粒子の数(粒子全体の質量)をそれぞれ正確に制御することができ、これによって、慣性モーメントを、より容易かつ正確に調整することができる。従って、共振周波数の調整を、より容易かつ正確に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域内の所定箇所に前記粒子を付加する処理は、帯電した前記粒子をクーロン力により前記付加領域内の所定箇所に吸着させることにより行なわれることが好ましい。
これにより、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
また、アクチュエータを駆動しつつ、粒子を付加することもできる。これにより、アクチュエータを駆動して共振周波数の測定を行ないつつ、粒子を付加して、共振周波数を調整することができる。これによって、共振周波数の調整を、より迅速かつ正確に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域内の所定箇所は、導電性を有しており、
前記付加領域内の所定箇所に前記粒子を付加する処理は、帯電した前記粒子を含む雰囲気を形成し、該雰囲気中に当該アクチュエータを配置し、前記付加領域内の所定箇所を前記粒子と逆極性に帯電させ、前記粒子をクーロン力により前記付加領域内の所定箇所に吸着させることにより行なわれることが好ましい。
これにより、粒子を付加する位置および付加する粒子の質量をそれぞれ正確に制御することができ、これによって、慣性モーメントを、より容易かつ正確に調整することができる。従って、共振周波数の調整を、より容易かつ正確に行なうことができる。
また、アクチュエータを駆動しつつ、粒子を付加することもできる。これにより、アクチュエータを駆動して共振周波数の測定を行ないつつ、粒子を付加して、共振周波数を調整することができる。これによって、共振周波数の調整を、より迅速かつ正確に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記質量調整用の物質は、繊維状炭素系物質であることが好ましい。
繊維状炭素系物質は、付加領域に直接生成することができるので、繊維状炭素系物質を、容易に、付加領域に付加することができ、これにより、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域内の所定箇所に前記繊維状炭素系物質を付加する処理は、前記付加領域内の所定箇所に前記繊維状炭素系物質を生成することにより行なわれることが好ましい。
これにより、繊維状炭素系物質を、容易に、付加領域に付加することができ、これによって、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
また、アクチュエータを駆動しつつ、繊維状炭素系物質を付加することもできる。これにより、アクチュエータを駆動して共振周波数の測定を行ないつつ、繊維状炭素系物質を付加して、共振周波数を調整することができる。これによって、共振周波数の調整を、より迅速かつ正確に行なうことができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記付加領域内の所定箇所は、触媒機能を有しており、
CVD法を用いて、前記付加領域内の所定箇所に前記繊維状炭素系物質を成長させて集積することが好ましい。
これにより、繊維状炭素系物質を付加する位置および付加する繊維状炭素系物質の質量をそれぞれ正確に制御することができ、これによって、慣性モーメントを、より容易かつ正確に調整することができる。従って、共振周波数の調整を、より容易かつ正確に行なうことができる。
また、アクチュエータを駆動しつつ、繊維状炭素系物質を付加することもできる。これにより、アクチュエータを駆動して共振周波数の測定を行ないつつ、繊維状炭素系物質を付加して、共振周波数を調整することができる。これによって、共振周波数の調整を、より迅速かつ正確に行なうことができる。
また、CVD法を用いることにより、良好な品質の繊維状炭素系物質(例えば、カーボンナノチューブ)を容易に生成することができる。
本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法では、前記繊維状炭素系物質は、カーボンナノチューブであることが好ましい。
これにより、付加された質量調整用の物質の部分の機械的強度(形状の安定性)をより高くすることができる。
本発明のアクチュエータは、第1の質量部と、第2の質量部と、支持部と、前記第1の質量部と前記支持部とを、前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを有し、
交流電圧を印加することによって、前記第1の質量部が駆動し、それに伴い前記第2の質量部が回動するアクチュエータであって、
前記第1の質量部と前記第2の質量部との少なくとも一方の所定箇所に質量調整用の物質が必要量付加されて、その質量が調整されることにより、共振周波数が調整されたものであることを特徴とする。
これにより、アクチュエータの共振周波数を所定値(一定値)にすることができる。
また、このアクチュエータは、第1の質量部と第2の質量部とを有しているので、低電圧で大きい回転角度(振れ角)での駆動が可能である。
本発明のアクチュエータは、質量部と、支持部と、前記質量部と前記支持部とを、前記質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の弾性連結部とを有し、
交流電圧を印加することによって、前記質量部が回動するアクチュエータであって、
前記質量部の所定箇所に質量調整用の物質が必要量付加されて、その質量が調整されることにより、共振周波数が調整されたものであることを特徴とする。
これにより、アクチュエータの共振周波数を所定値(一定値)にすることができる。
以下、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態であって、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータを示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すアクチュエータの電極の配置を示す平面図、図4は、印加する交流電圧の一例を示す図、図5は、印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の回転角度(振れ角)との関係(第1の質量部および第2の質量部の共振曲線)を示すグラフ、図6は、図1に示すアクチュエータの第2の質量部を示す平面図である。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1、図3および図6中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
また、図1では、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5と、対向基板6とを区別し易いように、対向基板6を2点鎖線で示し、また、開口部61は、図示されていない。
図1および図2に示すアクチュエータ100は、質量部本体14を有する一対の第1の質量部(駆動部)1、11と、質量部本体14を有する第2の質量部(可動部)2と、一対の支持部3、3とを備えている。
このアクチュエータ100は、第2の質量部2が中心に位置し、第2の質量部2を介し、第1の質量部1が一端側(図1および図2中、右側)に設けられ、第1の質量部11が他端側(図1および図2中、左側)に設けられている。
第1の質量部1、11および第2の質量部2は、いずれも、ほぼ平板状をなしている。
また、第1の質量部1の図中右側に一方の支持部3が配置され、第1の質量部11の図中左側に他方の支持部3が配置されている。
また、本実施形態では、第1の質量部1、11は、互いにほぼ同一形状かつほぼ同一寸法で、第2の質量部2を介して、ほぼ対称に設けられている。
第2の質量部2の下面(後述する対向基板6側の面)には、光反射部21が設けられている。
また、アクチュエータ100は、図1に示すように、第1の質量部1、11が対応する支持部3、3に対して回動可能となるように、第1の質量部1、11と支持部3、3とを連結する一対の第1の弾性連結部4、4を有している。また、第2の質量部2が第1の質量部1、11に対して回動可能となるように、第1の質量部1、11と、第2の質量部2とを連結する一対の第2の弾性連結部5、5を有している。
すなわち、第2の質量部2は第2の弾性連結部5、5を介して、第1の質量部1、11にそれぞれ接続され、第1の質量部1、11は、第1の弾性連結部4、4を介して支持部3、3にそれぞれ接続されている。また、第1の弾性連結部4と、第2の弾性連結部5とは同軸的に設けられており、これらの中心軸(中心線)が、第1の質量部1、11および第2の質量部2の回動中心軸(回動中心線)(回転軸)41となる。
これらの第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5は、後述するように、例えば、シリコン等を主材料として、好ましくは一体的に形成されている。
また、図2に示すように、本実施形態のアクチュエータ100は、第1の質量部1、11および第2の質量部2に対向するように設けられた対向基板6を有している。
この対向基板6は、各種ガラスやシリコン等を主材料として構成され、支持部3、3に接合されている。
対向基板6は、図2および図3に示すように、第2の質量部2に対応する位置に開口部61が形成されている。この開口部61は、第2の質量部2が回動(振動)する際に、対向基板6に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)61を設けることにより、アクチュエータ100全体の大型化を防止しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)(振幅)をより大きく設定することができる。
なお、光反射部21は、第2の質量部2の上面(対向基板6と反対側の面)に設けられていてもよい。この場合、逃げ部は、前記効果を十分に発揮し得る構成であれば、必ずしも対向基板6の下面(第2の質量部2と反対側の面)で開放(開口)していなくてもよい。すなわち、逃げ部は、対向基板6の上面(第2の質量部2側の面)に形成された凹部で構成することもできる。
また、図2および図3に示すように、対向基板6の上面(第1の質量部1、11側の面)には、第1の質量部1に対応する位置に、一対の電極7が、回動中心軸41を中心にほぼ対称となるように設けられ、また、第1の質量部11に対応する位置に、一対の電極7が、回動中心軸41を中心にほぼ対称となるように設けられている。すなわち、本実施形態では、一対の電極7が2組(合計4個)、設けられている。
第1の質量部1、11と各電極7とは、図示しない電源に接続されており、第1の質量部1、11と各電極7との間に交流電圧(駆動電圧)を印加できるよう構成されている。
なお、第1の質量部1、11の各電極7と対向する面には、それぞれ、絶縁膜(図示せず)が設けられている。これにより、第1の質量部1、11と各電極7との間での短絡が発生するのが好適に防止される。
上述したようなアクチュエータ100は、第1の質量部1、11と第1の弾性連結部4、4とからなる第1の振動系と、第2の質量部2と第2の弾性連結部5、5とからなる第2の振動系とを有する2自由度振動系を構成する。
このようなアクチュエータ100は、次のようにして駆動する。
すなわち、第1の質量部1、11と各電極7との間に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加する。具体的には、例えば、第1の質量部1、11をアースしておき、図3中上側の2つの電極7に、図4(a)に示すような波形の電圧を印加し、下側の2つの電極7に、図4(b)に示すような、図4(a)に示す波形の電圧に対して位相が180°ずれた波形の電圧を印加すると、第1の質量部1、11と各電極7との間に、印加された電圧の大きさと、第1の質量部1、11と対応する電極7との間の距離とに応じた大きさのクーロン力(静電気力)が生じる。
このクーロン力により、第1の質量部1、11の図3中上側の各電極7に対応する部位が、対応する電極7の方へ引きつけられ、この次に、第1の質量部1、11の図3中下側の各電極7に対応する部位が、対応する電極7の方へ引きつけられ、この動作が交互に繰り返されることによって、第1の質量部1、11は、回動中心軸41を中心に(第1の弾性連結部4を軸に)振動(回転)(回動)する。すなわち、第1の質量部1、11は、回動中心軸41を中心に正転(回転角度は180°以下)と反転(回転角度は180°以下)とを交互に繰り返す。
そして、この第1の質量部1、11の振動(駆動)に伴って、第2の弾性連結部5を介して連結されている第2の質量部2も、回動中心軸41を中心に(第2の弾性連結部5を軸に)振動(回転)(回動)する。すなわち、第2の質量部2も、回動中心軸41を中心に正転(回転角度は180°以下)と反転(回転角度は180°以下)とを交互に繰り返す。
ここで、回動中心軸41と、第1の質量部1の質量部本体14の、回動中心軸41からの遠位端(回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の先端)12との間の距離(長さ)をLとし、回動中心軸41と、第1の質量部11の質量部本体14の、回動中心軸41からの遠位端(回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の先端)12との間の距離(長さ)をLとし、回動中心軸41と、第2の質量部2の質量部本体14の、回動中心軸41からの遠位端(回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の先端)13との間の距離(長さ)をLとしたとき、本実施形態では、第1の質量部1、11が、それぞれ独立して設けられているため、第1の質量部1、11と、第2の質量部2とが干渉せず、第2の質量部2の大きさ(長さL)にかかわらず、LおよびLを小さくすることができる。これにより、第1の質量部1、11の回転角度(振れ角)を大きくすることができ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
また、LおよびLを小さくすることにより、第1の質量部1、11と各電極7との間の距離を小さくすることができ、これにより、クーロン力が大きくなり、第1の質量部1、11と各電極7に印加する交流電圧を小さくすることができる。
ここで、第1の質量部1、11および第2の質量部2の寸法、すなわち、第1の質量部1、11および第2の質量部2の各質量部本体14の寸法は、それぞれ、L<LかつL<Lなる関係を満足するよう設定されるのが好ましい。
前記関係を満たすことにより、LおよびLをより小さくすることができ、第1の質量部1、11の回転角度(振れ角)をより大きくすることができ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をさらに大きくすることができる。
この場合、第2の質量部2の最大回転角度が、20°以上となるように構成されるのが好ましい。
また、このように、LおよびLを小さくすることにより、第1の質量部1、11と各電極7との間の距離をより小さくすることができ、第1の質量部1、11と各電極7に印加する交流電圧をさらに小さくすることができる。
これらによって、第1の質量部1、11の低電圧駆動と、第2の質量部2の大回転角度での振動(回動)とを実現することができる。
このため、このようなアクチュエータ100を、例えばレーザープリンタや、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナに適用した場合、より容易に装置を小型化することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、LとLとはほぼ等しく設定されているが、LとLとが異なっていてもよいことは言うまでもない。
ところで、このような2自由度振動系のアクチュエータ100では、第1の質量部1、11および第2の質量部2の回転角度(振れ角)と、印加する交流電圧の周波数との間に、図5に示すような周波数特性が存在している。
すなわち、第1の質量部1、11と、第2の質量部2の回転角度とが大きくなる2つの共振周波数fm[kHz]、fm[kHz](ただし、fm<fm)と、第1の質量部1、11の回転角度がほぼ0となる、1つの反共振周波数fm[kHz]とを有している。
このアクチュエータ100では、第1の質量部1、11と電極7との間に印加する交流電圧の周波数Fが、2つの共振周波数のうち低いもの、すなわち、fmとほぼ等しくなるように設定するのが好ましい。これにより、第1の質量部1、11の回転角度(振れ角)を抑制しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm−1)≦F≦(fm+1)の条件を満足することを意味する。
第1の質量部1、11の平均厚さは、それぞれ、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第2の質量部2の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1の弾性連結部4のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
一方、第2の弾性連結部5のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第1の質量部1、11の回転角度(振れ角)を抑制しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
また、第1の弾性連結部4のばね定数kと第2の弾性連結部5のばね定数kとは、k>kなる関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部1、11の回転角度(振れ角)を抑制しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
さらに、第1の質量部1、11の慣性モーメントをJとし、前記第2の質量部2の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとは、J≦Jなる関係を満足することが好ましく、J<Jなる関係を満足することがより好ましい。これにより、第1の質量部1、11の回転角度(振れ角)を抑制しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
ところで、第1の質量部1、11と第1の弾性連結部4、4とからなる第1の振動系の固有振動数ωは、第1の質量部1、11の慣性モーメントJと、第1の弾性連結部4のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。一方、第2の質量部2と第2の弾性連結部5、5とからなる第2の振動系の固有振動数ωは、第2の質量部2の慣性モーメントJと、第2の弾性連結部5のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。
このようにして求められる第1の振動系の固有振動数ωと第2の振動系の固有振動数ωとは、ω>ωの関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部1、11の回転角度(振れ角)を抑制しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
なお、本実施形態のアクチュエータ100は、一対の第1の弾性連結部4および一対の第2の弾性連結部5のうち少なくとも1つが、その内部にピエゾ抵抗素子を備えたものであるのが好ましい。これにより、例えば、回転角度(振れ角)および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部2の姿勢の制御に利用することができる。
さて、本発明では、第1の質量部1、11と、第2の質量部2との少なくとも一方の質量部本体14の所定箇所に、質量調整用の物質(質量調整用物質)を必要に応じて所定量付加することにより、第1の質量部1、11と、第1の弾性連結部4、4と、第2の質量部2と、第2の弾性連結部5、5とで構成される振動系全体の共振周波数(以下、単に「共振周波数」と言う)を調整することを特徴とする。
すなわち、第1の質量部1、11と、第2の質量部2との少なくとも一方の質量部本体14に、質量調整用の物質を付加する付加領域が予め設定されており、その付加領域内の所定箇所(一部または全体)に、質量調整用の物質を必要に応じて所定量付加することにより、共振周波数を調整する。
本実施形態では、図1および図6に示すように、第2の質量部2の質量部本体14に付加領域8が4つ設定されている。すなわち、第2の質量部2の質量部本体14に、その上面(対向基板6と反対側の面)から下方に向って凹没する凹部(有底穴)81が4つ形成されており、各凹部81内がそれぞれ付加領域8に設定されている。このように第2の質量部2の質量部本体14に付加領域8を設定することにより、第1の質量部1、11の質量部本体14に付加領域8を設定する場合に比べ、共振周波数の調整をより容易かつ確実に行なうことができる。
また、質量調整用の物質として、粒子(微粒子)が用いられる。粒子の質量は、微小であり、その付加する粒子の個数を調整することにより、共振周波数の調整を、より容易かつ正確に行なうことができる。
この粒子は、例えば、銀等の各種金属材料、各種樹脂材料、シリコン等を主材料として構成される。
ここで、金属材料を主材料とする粒子(金属製の粒子)を用いる場合は、熱処理等による変形を防止することができ、シリコンを主材料とする粒子(シリコン製の粒子)を用いる場合は、その効果がさらに大きい。
また、樹脂材料を主材料とする粒子(樹脂製の粒子)を用いる場合は、質量部本体14に付加された(付着した)粒子に対し、例えば、レーザー光を照射することにより、その粒子を容易に除去することができる。
また、粒子の平均粒径(直径)は、10μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましく、10nm〜1μm程度であるのがさらに好ましい。
このような寸法の粒子(ナノ粒子等の微粒子)は、特に、その寸法に依存する効果(ナノサイズ効果)により、自己帯電し、クーロン力(静電気力)により、付加領域8(質量部本体14)に付着(吸着)し、その付着状態を維持する。すなわち、付加領域8からの粒子の離脱や移動を防止することができる。
また、質量部本体14に凹部81を設け、その凹部81内を付加領域8とすることにより、粒子を、より確実に、付加領域8内に付着させることができる。すなわち、付加領域8内の所定箇所に粒子を付加する処理において、後述するように、粒子を含む液状材料をノズルから液滴として吐出して付加領域8内の所定箇所に付与し、その付与された液状材料を乾燥させる方法を用いる場合、付与された液状材料が付加領域8内から付加領域8の外側に流出してしまうのを防止することができる。
また、凹部81の内面、すなわち、付加領域8の表面の表面粗さRa(JIS B 0601に規定)は、1〜100μm程度であるのが好ましく、1〜10μm程度であるのがより好ましい。
これにより、粒子は、付加領域8に強固に付着し、これによって、付加領域8からの粒子の離脱や移動を防止することができる。
また、各凹部81(付加領域8)の形状、寸法は、互いに同一であり、凹部81の平面視での形状は、ほぼ長方形をなしている。
また、各凹部81は、それぞれ、質量部本体14の、回動中心軸41から遠位の端部(回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の端部)に設けられる。すなわち、各付加領域8は、それぞれ、質量部本体14の、回動中心軸41から遠位の端部に設定される。
アクチュエータ100の共振周波数は、第1の質量部1、11、第2の質量部2の慣性モーメントに依存し、その慣性モーメントが小さいほど、大きい(高い)。従って、付加領域8を質量部本体14の回動中心軸41から遠位の端部に設定することにより、その慣性モーメントへの影響が大きい位置に付加領域8を位置させることができ、これによって、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
各凹部81(付加領域8)の位置は、それぞれ、前記質量部本体14の回動中心軸41から遠位の端部には限定されないが、各凹部81(付加領域8)は、それぞれ、質量部本体14の、回動中心軸41と、回動中心軸41からの遠位端(回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の先端)13との中間点15より遠位端13側に設けられる(設定される)のが好ましい。これにより、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
また、凹部81(付加領域8)は、回動中心軸41を中心にほぼ対称となるように、質量部本体14の、回動中心軸41を介して両側にそれぞれ設けられる(設定される)。これにより、粒子をバランス良く付加することができ、安定的に第2の質量部2を回動させることができる。
また、凹部81(付加領域8)は、回動中心軸41に対して略垂直であり、質量部本体14(第2の質量部2)の中心(重心)16を通る中心線42を中心にほぼ対称となるように設けられる(設定される)。これにより、粒子をバランス良く付加することができ、安定的に第2の質量部2を回動させることができる。
なお、凹部81(付加領域8)の形状や配置は、前記のものに限定されないことは、言うまでもない。また、凹部8を省略してもよい。
また、質量調整用の物質として、粒子以外の物質を用いてもよい。
前記共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータ100は、例えば、次のようにして製造することができる。この場合、アクチュエータ100は、その共振周波数が目標値(目標共振周波数)よりも高い値になるように製造される。
図7〜図9は、それぞれ、図1に示すアクチュエータの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図7〜図9中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[A1] まず、図7(a)に示すように、シリコン基板(共通の基材)30を用意する。
そして、図7(b)に示すように、シリコン基板30の一方の面に、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5の形状に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク31を形成する。
次に、シリコン基板30の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行う。これにより、図7(c)に示すように、支持部3、3の形状に対応するように、レジストマスク32を形成する。
そして、このレジストマスク32を介して、シリコン基板30の他方の面側をエッチングした後、レジストマスク32を除去する。これにより、図7(d)に示すように、支持部3、3に対応する部分以外の領域に凹部300が形成される。
エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、以下の各工程のエッチングにおいて、同様の方法を用いることができる。
次に、再度、シリコン基板30の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行う。これにより、図8(e)に示すように、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5を下面側から見た形状に対応するように、レジストマスク33を形成する。
そして、このレジストマスク33を介して、シリコン基板30の他方の面側をエッチングした後、レジストマスク33を除去する。これにより、図8(f)に示すように、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5に対応する部分以外の領域に凹部が形成される。
次に、金属マスク31を介して、シリコン基板30の一方の面側を、前記凹部300に貫通するまでエッチングした後、金属マスク31を除去する。なお、図8(g)に示すように、この工程により、第2の質量部2の質量部本体14に凹部81が形成される。この後、必要に応じて、凹部81の内面の表面粗さRaが所定値になるように、質量部本体14に対して処理を行なう。この処理には、例えば、酸素プラズマによるアッシングや、レーザーアブレーションなどを用いて行うことが出来る。
次に、図8(g)に示すように、第2の質量部2の質量部本体14の下面に、金属膜を成膜して光反射部21を形成する。
金属膜の成膜方法としては、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等が挙げられる。
なお、以下の各工程の金属膜の成膜において、同様の方法を用いることができる。
以上の工程により、図8(g)に示すように、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5が一体的に形成された構造体50が得られる。
[A2] 次に、図9(h)に示すように、対向基板6を形成するためのシリコン基板60を用意する。
そして、シリコン基板60の一方の面に、開口部61を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスクを形成する。
次に、この金属マスクを介して、シリコン基板60の一方の面側を、他方の面側に貫通するまでエッチングした後、金属マスクを除去する。これにより、図9(i)に示すように、開口部61が形成された対向基板6が得られる。
次に、対向基板6上に、図9(j)に示すように、電極7を形成する。
電極7は、対向基板6の開口部61が形成された面に金属膜を成膜し、電極7の形状に対応するマスクを介して金属膜をエッチングした後、マスクを除去することにより形成することができる。
なお、電極7は、開口部61を形成するのに先立って、形成するようにしてもよい。
[A3] 次に、図9(k)に示すように、前記工程[A1]で得られた構造体50の支持部3、3と、前記工程[A2]で得られた対向基板6とを、例えば、直接接合、Naイオンを含有するガラス材料を介した陽極接合等により接合して接合体を得る。
なお、対向基板6を形成するための基板としてガラス基板を用いる場合には、開口部61の形成には、前述したようなエッチング法の他、例えば、ショットブラスト、サンドブラスト、レーザー加工等の方法を用いることができる。
また、この場合、前記構造体50との接合には、例えば陽極接合等を用いることができる。
以上のようにして、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータ100が製造される。
次に、得られたアクチュエータ100の共振周波数を調整する。
図10は、アクチュエータの共振周波数の測定に用いられる装置を示すブロック図、図11は、図1に示すアクチュエータの共振周波数の調整方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図11中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本実施形態では、付加領域8内の所定箇所に粒子を付加する処理は、粒子を含む液状材料(有機溶媒または無機溶媒中に粒子が分散している液状材料)をノズルから液滴として吐出して付加領域8内の所定箇所に付与し、その付与された液状材料を乾燥させる(溶媒を除去する)ことにより行なわれる。
これにより、粒子を付加する位置(液滴の着弾位置)および付加する粒子の数(粒子全体の質量)をそれぞれ正確に制御することができ、これによって、慣性モーメントを、容易かつ正確に調整することができる。従って、共振周波数の調整を、容易かつ正確に行なうことができる。
ここで、本明細書において「液状材料」とは、ノズルから吐出可能な粘度を有する材料を言う。すなわち、ノズルから吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、粒子(固体物質)が混入していても全体として流動体であればよい。以下、粒子を含む液状材料を、単に、「液状材料」とも言う。
この液状材料を付加領域8内の所定箇所に付与する処理(工程)には、図11(a)に示すように、ノズル92を有する液滴吐出ヘッド91を備え、液状材料をそのノズル92から液滴として吐出する液滴吐出装置9を用いる。
また、図10に示すように、アクチュエータ100の第1の質量部1、11や第2の質量部2の振幅、すなわち、回転角度(振れ角)を測定する装置として、レーザードップラーベロシティ(LDV)200、アクチュエータ100に印加する交流電圧の周波数を変更(設定)する装置として、FFTアナライザー400をそれぞれ用いる。
まず、アクチュエータ100の共振周波数を求める。
この場合、まずは、FFTアナライザー400により、アクチュエータ100に印加する交流電圧の周波数を所定値(例えば、1Hz)に設定し、その交流電圧をアクチュエータ100に印加してアクチュエータ100を駆動する。そして、レーザードップラーベロシティ200により、アクチュエータ100の第2の質量部2の光反射部21にレーザー光を照射し、その反射光を受光して、第2の質量部2の回転角度(振れ角)を測定する。この場合、実際は、レーザードップラーベロシティ200により、第2の質量部2の振幅が測定される。なお、この場合、レーザードップラーベロシティ200で計測したデータ(情報)は、FFTアナライザー400へ入力され、FFTアナライザー400の中で、所定の周波数における振幅データが蓄積される。
次に、FFTアナライザー400により、アクチュエータ100に印加する交流電圧の周波数を所定数高い値に変更し、アクチュエータ100を駆動させて、レーザードップラーベロシティ200により、第2の質量部2の回転角度を測定する。
そして、アクチュエータ100に印加する交流電圧の周波数が所定値(例えば、100kHz)になるまで、前記第2の質量部2の回転角度の測定を繰り返し行なう。この測定結果から、共振周波数が求まる。
なお、前記共振周波数の測定においては、アクチュエータ100に印加する交流電圧の周波数を増大させていったが、逆に、その交流電圧の周波数を減少させていってもよい。
次に、求めた共振周波数と、目標値とを比較し、粒子を付加する箇所(位置)およびその箇所に付加する粒子の数(粒子全体の質量)、すなわち、液状材料の液滴を着弾させる箇所(位置)およびその箇所における液滴の吐出回数を決定する。
この場合、液滴の吐出回数と、ノズルから吐出する液状材料の量とは比例し、また、ノズルから吐出する液状材料の量と、付加される粒子の数(粒子全体の質量)とは比例する。そして、予め、アクチュエータ100の共振周波数と目標値との差と、液滴を着弾させる箇所およびその箇所における液滴の吐出回数との関係を示す検量線が作成されており、この検量線に基づいて、液滴を着弾させる箇所およびその箇所における液滴の吐出回数を求める。また、例えば、液滴を着弾させる箇所を固定し(一定にし)、アクチュエータ100の共振周波数と目標値との差と、液滴の吐出回数との関係を示す検量線を作成しておき、この検量線に基づいて、液滴の吐出回数を求めるようにしてもよい。
なお、粒子を付加する必要があるか否かも、前記検量線から判別することができるようになっており、粒子を付加する必要がない場合は、共振周波数の調整を終了する。すなわち、現在のアクチュエータ100の共振周波数が目標値よりも高い場合(このケースは、僅かに高いだけである)でも、液滴の吐出回数を1回(最低回数)に設定してもアクチュエータ100の共振周波数と目標値との差が広がってしまうときは、共振周波数の調整を終了する。
次に、第2の質量部2の質量部本体14の目標箇所(目標位置)に、目標質量分の粒子を付加する。
この場合、下記(1)または(2)の条件を満足するように粒子を付加するのが好ましく、(1)および(2)の条件を満足するように粒子を付加するのがより好ましい。
(1) 回動中心軸41を介して一端側と他端側とで、回動中心軸41を中心とする慣性モーメントがほぼ等しくなるようにする。
(2) 回動中心軸41を介して一端側と他端側とが、ほぼ釣り合う(一端側と他端側とのバランスがとれる)ようにする。
すなわち、回動中心軸41を中心にほぼ対称となるように、粒子を付加するのが好ましい。これにより、粒子がバランス良く付加され、安定的に第2の質量部2を回動させることができる。
また、下記(3)の条件を満足するように粒子を付加するのが好ましい。
(3) 中心線42を介して一端側と他端側とが、ほぼ釣り合う(一端側と他端側とのバランスがとれる)ようにする。
すなわち、中心線42を中心にほぼ対称となるように、粒子を付加するのが好ましい。これにより、粒子がバランス良く付加され、安定的に第2の質量部2を回動させることができる。
第2の質量部2の質量部本体14の目標箇所に、目標質量分の粒子を付加する処理においては、具体的には、まず、図11(a)に示すように、図示しないステージ上に載置されたアクチュエータ100と、液滴吐出ヘッド91とを相対的に移動させ、ノズル92を付加領域8上の目標位置に位置させる。
次に、液状材料の液滴をノズル92から目標回数吐出する。これにより、図11(b)に示すように、目標量の液状材料86が目標箇所に付与される。なお、図示例では、凹部81内の底面全体に液状材料86が付与された例が示されている。
次に、図示しない乾燥装置(加熱装置)により、液状材料86を加熱して、その液状材料86を乾燥させる(溶媒を除去する)。
これにより、図11(c)に示すように、第2の質量部2の質量部本体14の付加領域8内の目標箇所(図示例では、凹部81内の底面全体)に、目標質量分の粒子87が付加される。この場合、前述したように、粒子87は、自己帯電しており、クーロン力により、付加領域8に付着し、その付着状態を維持する。すなわち、付加領域8からの粒子の離脱や移動が阻止される。
このように粒子を付加することにより、第2の質量部2の質量、慣性モーメントが増大し、これにより、共振周波数が減少する。
ここで、液状材料中の粒子または溶媒、または、液状材料全体(粒子および溶媒)を帯電させ、第2の質量部2の質量部本体14の付加領域8内のうちの粒子を付加する領域を、前記液状材料と逆極性に帯電させてもよい。これにより、ノズル92から吐出した液滴は、クーロン力により付加領域8内の粒子を付加する領域に向って吸引され、着弾する。これによって、より確実に、粒子を目標箇所に付加することができる。
前記粒子を付加する領域を帯電させるには、例えば、その部位に、絶縁膜を介して、電極を設けておき、その電極に通電する。
次に、前記のようにして、アクチュエータ100の共振周波数を求める。
この場合、アクチュエータ100の共振周波数が目標値よりも低いときは、質量部本体14に付加された(付着した)粒子のうちの一部を除去して、アクチュエータ100の共振周波数を目標値よりも高くし、再び、前記のようにして、アクチュエータ100の共振周波数を求める。粒子を除去する方法としては、例えば、レーザー光を照射する方法等を用いることができる。
そして、前記のようにして、求めた共振周波数と、目標値とを比較し、粒子を付加する箇所(位置)およびその箇所に付加する粒子の数(粒子全体の質量)、すなわち、液状材料の液滴を着弾させる箇所(位置)およびその箇所における液滴の吐出回数を決定し、粒子を付加し、また、粒子を付加する必要がない場合は、共振周波数の調整を終了する。
粒子を付加する必要がなくなるまで、前記共振周波数の測定、粒子の付加を繰り返し行ない、粒子を付加する必要がなくなると、共振周波数の調整を終了する。
このようにして、付加領域8内の所定箇所に粒子が必要に応じて所定量付加されることにより、第2の質量部2の質量、慣性モーメントが調整され、共振周波数が目標値に設定(調整)される。
以上説明したように、本実施形態によれば、所定(一定)の共振周波数を有するアクチュエータ100を容易に製造することができる。
また、アクチュエータ100を製造する際、最後に、アクチュエータ100の共振周波数の調整を行なうので、アクチュエータ100の加工精度を特別に高くする必要がなく、これにより、歩留まりも高く、コストを低減することもできる。
また、アクチュエータ100は、第1の質量部1、11と、第2の質量部2とを有しているので、低電圧で大きい回転角度(振れ角)での駆動が可能である。
なお、本発明では、付加領域8内の所定箇所に粒子(質量調整用の物質)を付加する処理は、前述した方法以外の方法を用いて行なってもよい。
また、本実施形態では、付加領域8は、第2の質量部2の質量部本体14の上面側に設定するが、本発明では、これに限らず、例えば、第2の質量部2の質量部本体14の下面側に設定してもよく、また、第2の質量部2の質量部本体14の上面側および下面側に設定してもよい。
また、本実施形態では、第2の質量部2の質量部本体14に付加領域8を設定するが、本発明では、これに限らず、例えば、第1の質量部1、11のいずれか一方または両方の質量部本体14に、付加領域8を設定してもよい。また、第1の質量部1、11のいずれか一方または両方の質量部本体14と、第2の質量部2の質量部本体14とに、付加領域8を設定してもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図12は、本発明のアクチュエータの第2実施形態であって、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータを示す平面図、図13は、図12中のB−B線断面図である。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、図12中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図13中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
また、図12では、質量部17、支持部3、3および弾性連結部18、18と、対向基板6とを区別し易いように、対向基板6を2点鎖線で示す。
以下、第2実施形態について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図12および図13に示すように、第2実施形態のアクチュエータ100は、質量部本体14を有する質量部17と、一対の支持部3、3と、質量部17が支持部3、3に対して回動可能となるように、質量部17と支持部3、3とを連結する一対の弾性連結部18、18とを備えている。
そして、前記第1実施形態と同様に、質量部17の質量部本体14の所定箇所に、質量調整用の物質を必要に応じて所定量付加することにより、共振周波数を調整する。すなわち、質量部17の質量部本体14に、質量調整用の物質を付加する付加領域8が予め設定されており、その付加領域8内の所定箇所(一部または全体)に、質量調整用の物質を必要に応じて所定量付加することにより、共振周波数を調整する。
具体的には、前記第1実施形態と同様に、付加領域8は、質量部17の質量部本体14に4つ設定されている。すなわち、質量部17の質量部本体14に、その上面(対向基板6と反対側の面)から下方に向って凹没する凹部(有底穴)81が4つ形成されており、各凹部81内がそれぞれ付加領域8に設定されている。
また、光反射部21は、質量部17の上面に設けられている。
また、対向基板6には、開口部61が形成されておらず、対向基板6の上面(質量部17側の面)には、質量部17に対応する位置に、一対の電極7が、回動中心軸41を中心にほぼ対称となるように設けられている。
質量部17と各電極7とは、図示しない電源に接続されており、質量部17と各電極7との間に交流電圧(駆動電圧)を印加できるよう構成されている。
なお、質量部17の各電極7と対向する面には、絶縁膜(図示せず)が設けられている。これにより、質量部17と各電極7との間での短絡が発生するのが好適に防止される。
このアクチュエータ100は、質量部17と弾性連結部18、18とからなる振動系を有し、1自由度振動系を構成する。
このアクチュエータ100は、次のようにして駆動する。
すなわち、質量部17と各電極7との間に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加する。具体的には、例えば、質量部17をアースしておき、一方の電極7に、図4(a)に示すような波形の電圧を印加し、他方の電極7に、図4(b)に示すような、図4(a)に示す波形の電圧に対して位相が180°ずれた波形の電圧を印加すると、質量部17と各電極7との間に、印加された電圧の大きさと、質量部17と対応する電極7との間の距離とに応じた大きさのクーロン力(静電気力)が生じる。
このクーロン力により、質量部17の一方の電極7に対応する部位が、対応する電極7の方へ引きつけられ、この次に、質量部17の他方の電極7に対応する部位が、対応する電極7の方へ引きつけられ、この動作が交互に繰り返されることによって、質量部17は、回動中心軸41を中心に(弾性連結部18を軸に)振動(回転、回動)する。すなわち、質量部17は、回動中心軸41を中心に正転(回転角度は180°以下)と反転(回転角度は180°以下)とを交互に繰り返す。
上記以外は、前記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
以上説明したように、この第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、後述する第3実施形態および第4実施形態は、それぞれ、この第2実施形態にも適用することができる。
なお、本実施形態では、付加領域8は、質量部17の質量部本体14の上面側に設定するが、本発明では、これに限らず、例えば、質量部17の質量部本体14の下面側に設定してもよく、また、質量部17の質量部本体14の上面側および下面側に設定してもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図14は、本発明のアクチュエータの第3実施形態であって、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータの第2の質量部を示す平面図である。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、図14中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図14に示すように、第3実施形態では、第2の質量部2の質量部本体14に付加領域8が2つ設定されている。各付加領域8は、それぞれ、第2の質量部2の質量部本体14の、回動中心軸41から遠位の端部(回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の端部)に設定される。
そして、各付加領域8全体に、それぞれ、触媒101が設けられており、各付加領域8全体が、それぞれ、触媒機能を有している。各触媒101は、それぞれ、例えば、鉄等の各種金属材料等を主材料として形成(例えば、金属膜で構成)することができる。なお、各触媒101の表面が、それぞれ、付加領域8の表面である。
また、質量調整用の物質として、繊維状炭素系物質が用いられる。そして、共振周波数の調整において、付加領域8内の所定箇所(本実施形態では、付加領域8全体)に繊維状炭素系物質を付加する処理は、付加領域8内の所定箇所(本実施形態では、付加領域8全体)に繊維状炭素系物質を生成すること(成長させて集積すること)により行なわれる。これにより、繊維状炭素系物質を、容易に、付加領域8に付加することができ、これによって、共振周波数の調整をより容易に行なうことができる。
また、繊維状炭素系物質としては、例えば、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ等のカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、CNナノチューブ、CNナノファイバー、BCNナノチューブ、BCNナノファイバー、炭素繊維(例えば、気相成長により調製されたもの)等が挙げられるが、特に、カーボンナノチューブが好ましい(カーボンナノチューブを主成分とするものが好ましい)。
これにより、付加された質量調整用の物質の部分の機械的強度(形状の安定性)をより高くすることができる。
なお、繊維状炭素系物質は、1本鎖構造(分岐鎖を有さない直鎖状構造)を有するものであってもよいし、分岐鎖構造を有するものであってもよい。
また、本実施形態では、前記繊維状炭素系物質を付加する処理において、付加領域8全体に、繊維状炭素系物質を生成するが、これに限らず、付加領域8の一部に、繊維状炭素系物質を生成してもよい。付加領域8の一部に繊維状炭素系物質を生成する場合は、例えば、繊維状炭素系物質を生成する箇所(付加領域8の一部)に、触媒101を設け、その箇所(付加領域8の一部)に触媒機能を付与すればよい。
繊維状炭素系物質のうち、例えば、カーボンナノチューブを用いる場合、そのカーボンナノチューブは、例えば、CVD法(化学蒸着法)(化学気相成長法)、アーク放電法、レーザーアブレーション法、HiPCO法等により、付加領域8に生成(成長させて集積)することができる。
これらの中でも、カーボンナノチューブの生成方法としては、CVD法を用いるのが好ましい。
また、CVD法としては、例えば、CCVD法(触媒CVD法)を用いることができ、特に、ACCVD法(アルコール触媒CVD法)を用いるのが好ましい。
ここで、CCVD法(CVD法)は、ガス状の含炭素材料(炭素を含む材料)を熱分解し、生成した炭素からカーボンナノチューブを合成する(生成させる)方法である。このCCVD法(CVD法)、特に、ACCVD法によれば、カーボンナノチューブを緻密に(高密度で)配列させることができる。すなわち、良好な品質のカーボンナノチューブを容易に生成することができる。
具体的には、アクチュエータ100をガス状の含炭素材料を含有する雰囲気中(雰囲気下)に配置し、この含炭素材料を熱分解し、炭素を生じさせる。この熱分解により生じた炭素雰囲気中で、触媒101が機能し、カーボンナノチューブの生成が促進されて、この触媒101(付加領域8)上に、カーボンナノチューブが集積される。
含炭素材料としては、加熱により炭素化されるものであればよく、特に限定されないが、例えば、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の飽和炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン等の不飽和炭化水素、アセチレン等のアセチレン系化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素、および、これらの混合物(例えば、ナフサや軽油等)等が挙げられる。
また、ACCVD法の場合は、含炭素材料として、各種アルコールが用いられる。
含炭素材料を熱分解する方法としては、電気炉等の高温による加熱方法、マイクロ波による加熱方法、レーザーによる加熱方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
含炭素材料を熱分解する方法として、高温による加熱方法を用いる場合、その温度は、600〜1000℃程度であるのが好ましく、700〜900℃程度であるのがより好ましい。
ガス状の含炭素材料を導入する際には、水素ガスをキャリアーガスとして使用するのが好ましい。また、含炭素材料には、硫化水素やメルカプタン等のイオウ化合物を添加するのが好ましい。これにより、カーボンナノチューブを、触媒101(付加領域8)の表面に対してほぼ垂直に成長させることができる。
この第3実施形態では、処理時間等の処理条件を調整することによって、付加領域8に、繊維状炭素系物質(例えば、カーボンナノチューブ等)を所定量だけ正確に付加することができる。すなわち、繊維状炭素系物質を付加する位置および付加する繊維状炭素系物質の質量をそれぞれ正確に制御することができ、これによって、慣性モーメントを、より容易かつ正確に調整することができる。従って、共振周波数の調整を、より容易かつ正確に行なうことができる。
共振周波数の調整においては、例えば、予め、アクチュエータ100の共振周波数と目標値との差と、処理時間との関係を示す検量線を作成しておき、この検量線に基づいて、処理時間を求める。
また、この第3実施形態では、アクチュエータ100を駆動しつつ、繊維状炭素系物質を付加領域8に付加することもできる。
この方法を採用する場合は、共振周波数の調整において、アクチュエータ100を駆動して共振周波数の測定を行ないつつ、繊維状炭素系物質を付加領域8に付加してゆき、測定した共振周波数と目標値とが一致したときに、繊維状炭素系物質を付加する処理を中止する。これにより、共振周波数の調整を、より迅速かつ正確に行なうことができる。
以上説明したように、この第3実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、付加領域8は、第2の質量部2の質量部本体14の上面側に設定するが、本発明では、これに限らず、例えば、第2の質量部2の質量部本体14の下面側に設定してもよく、また、第2の質量部2の質量部本体14の上面側および下面側に設定してもよい。
また、本実施形態では、第2の質量部2の質量部本体14に付加領域8を設定するが、本発明では、これに限らず、例えば、第1の質量部1、11のいずれか一方または両方の質量部本体14に、付加領域8を設定してもよい。また、第1の質量部1、11のいずれか一方または両方の質量部本体14と、第2の質量部2の質量部本体14とに、付加領域8を設定してもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図15は、本発明のアクチュエータの第4実施形態であって、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータの第2の質量部を示す平面図である。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、図14中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第4実施形態について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図15に示すように、第4実施形態では、第2の質量部2の質量部本体14に付加領域8が2つ設定されている。各付加領域8は、それぞれ、第2の質量部2の質量部本体14の、回動中心軸41から遠位の端部(回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の端部)に設定される。
そして、各付加領域8全体に、それぞれ、図示しない絶縁膜を介して電極102が設けられており、各付加領域8全体が、それぞれ、導電性を有している。各電極102は、それぞれ、例えば、各種金属等の導電性材料で形成(例えば、金属膜で構成)することができる。なお、各電極102の表面が、それぞれ、付加領域8の表面である。
各電極102は、それぞれ、図示しない電源に接続されており、各電極102に通電して、各電極102を所定の極性に帯電させることができるように構成されている。
共振周波数の調整において、付加領域8内の所定箇所(本実施形態では、付加領域8全体)に粒子を付加する処理は、所定の極性に帯電した粒子を含む雰囲気を形成し、アクチュエータ100をその雰囲気中(雰囲気下)に配置し、各電極102(付加領域8)を前記粒子と逆極性に帯電させることにより行なわれる。これにより、粒子は、クーロン力により、各電極102に向って吸引され、各電極102に吸着される。
各電極102への通電を中止しても、第1実施形態で述べたように、電極102に付着した粒子の付着状態は維持される。
なお、本実施形態では、前記粒子を付加する処理において、付加領域8全体に、粒子を付加するが、これに限らず、付加領域8の一部に、粒子を付加してもよい。付加領域8の一部に粒子付加する場合は、例えば、粒子を付加する箇所(付加領域8の一部)に、電極102を設ければよい。
この第4実施形態では、処理時間(電極102への通電時間)等の処理条件を調整することによって、付加領域8に、粒子を所定量だけ正確に付加することができる。すなわち、粒子を付加する位置および付加する粒子の質量をそれぞれ正確に制御することができ、これによって、慣性モーメントを、より容易かつ正確に調整することができる。従って、共振周波数の調整を、より容易かつ正確に行なうことができる。
共振周波数の調整においては、例えば、予め、アクチュエータ100の共振周波数と目標値との差と、処理時間との関係を示す検量線を作成しておき、この検量線に基づいて、処理時間を求める。
また、この第4実施形態では、アクチュエータ100を駆動しつつ、粒子を付加領域8に付加することもできる。
この方法を採用する場合は、共振周波数の調整において、アクチュエータ100を駆動して共振周波数の測定を行ないつつ、粒子を付加領域8に付加してゆき、測定した共振周波数と目標値とが一致したときに、粒子を付加する処理を中止する。これにより、共振周波数の調整を、より迅速かつ正確に行なうことができる。
以上説明したように、この第4実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、付加領域8は、第2の質量部2の質量部本体14の上面側に設定するが、本発明では、これに限らず、例えば、第2の質量部2の質量部本体14の下面側に設定してもよく、また、第2の質量部2の質量部本体14の上面側および下面側に設定してもよい。
また、本実施形態では、第2の質量部2の質量部本体14に付加領域8を設定するが、本発明では、これに限らず、例えば、第1の質量部1、11のいずれか一方または両方の質量部本体14に、付加領域8を設定してもよい。また、第1の質量部1、11のいずれか一方または両方の質量部本体14と、第2の質量部2の質量部本体14とに、付加領域8を設定してもよい。
以上説明したようなアクチュエータ100は、例えば、レーザープリンタ、バーコードリーダー、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の光スキャナ、イメージング用ディスプレイ、光通信用デバイス(例えば、光スイッチ、アッテネータ)、機械的な共振を電気的な共振に変換する共振器等に好適に適用することができる。
以上、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータについて、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータは、前記各実施形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせるようにしてもよい。
また、本発明のアクチュエータの共振周波数の調整方法およびアクチュエータでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成(構成物)や、工程を付加することもできる。
以下に、第1の質量部と第2の質量部とを有するアクチュエータ(第1実施形態、第3および第4実施形態等)についての変形例(1)〜(9)を簡単に説明する。
(1)前述した実施形態では、第1の弾性連結部を一対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、二対以上であってもよい。
(2)前述した実施形態では、第2の弾性連結部を一対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、二対以上であってもよい。
(3)前述した実施形態では、光反射部21が第2の質量部2の一方の面に設けられている構成について説明したが、例えば、両方の面に設けられている構成であってもよい。
(4)前述した実施形態では、対向基板6上に電極7が設けられている構成について説明したが、対向基板6と第1の質量部1、11の両方に設けられていてもよい。
(5)前述した実施形態では、第1の質量部1、11に対応する位置に、それぞれ一対の電極7を設けたが、これに限らず、それぞれ、電極7を1つ、もしくは3つ以上設けてもよい。
なお、第1の質量部1、11に対応する位置に、それぞれ1つの電極7を設けた場合は、例えば、オフセット電圧を加えた、最小電位がグランド電位である正弦波(交流電圧)等を印加するのが好ましい。
(6)前述した実施形態では、第1の弾性連結部および第2の弾性連結部の形状として図示の構成のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、その形状が、クランク形状等であってもよいし、分岐した構造を有するものであってもよい。
(7)前述した実施形態では、第1の質量部1、11の電極7と対向する面に、短絡防止用の絶縁膜が設けられている構成について説明したが、例えば、このような絶縁膜は、電極7の表面に設けられていてもよいし、両方に設けられていてもよい。
(8)前述した実施形態では、第1の質量部が、一対設けられる構成のものであったが、単一の第1の質量部が第2の質量部を囲むように設けられる構成のものであってもよい。
(9)前述した実施形態では、交流電圧を印加することにより生じるクーロン力により、第1の質量部を駆動するように構成されているが、駆動方式は、これに限らず、例えば、電磁力(ローレンツ力)により駆動する駆動方式、ピエゾアクチュエータ(圧電素子を備えたアクチュエータ)により駆動する駆動方式等、各種の駆動方式を採用することができる。
また、前述した変形例(2)〜(7)、(9)は、それぞれ、単一の質量部を有するアクチュエータ(第2実施形態等)にも適用することができる。
本発明のアクチュエータの第1実施形態であって、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータを示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1に示すアクチュエータの電極の配置を示す平面図である。 印加する交流電圧の一例を示す図である。 印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の回転角度との関係(第1の質量部および第2の質量部の共振曲線)を示すグラフである。 図1に示すアクチュエータの第2の質量部を示す平面図である。 図1に示すアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 図1に示すアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 図1に示すアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 アクチュエータの共振周波数の測定に用いられる装置を示すブロック図である。 図1に示すアクチュエータの共振周波数の調整方法を説明するための図である。 本発明のアクチュエータの第2実施形態であって、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータを示す平面図である。 図12中のB−B線断面図である。 本発明のアクチュエータの第3実施形態であって、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータの第2の質量部を示す平面図である。 本発明のアクチュエータの第4実施形態であって、共振周波数の調整を行なう前の状態のアクチュエータの第2の質量部を示す平面図である。 従来のアクチュエータを説明するための図である。
符号の説明
100……アクチュエータ 1、11……第1の質量部 2……第2の質量部 12、13……遠位端 14……質量部本体 15……中間点 16……中心 17……質量部 18……弾性連結部 21……光反射部 3……支持部 4……第1の弾性連結部 5……第2の弾性連結部 6……対向基板 60……シリコン基板 61……開口部 7……電極 8……付加領域 81……凹部 86……液状材料 87……粒子 9……液滴吐出装置 91……液滴吐出ヘッド 92……ノズル 101……触媒 102……電極 30……シリコン基板 300……凹部 31……金属マスク 32、33……レジストマスク 41……回動中心軸 42……中心線 50……構造体 L、L、L……距離 200……レーザードップラーベロシティ 400……FFTアナライザー 1200……スペーサ 1300……可動電極板 1300a……両端固定部 1300b……トーションバー 1300c……可動電極部 1400……固定電極 1500……電源 1600……スイッチ 1000……ガラス基板

Claims (28)

  1. 質量部本体を有する第1の質量部と、質量部本体を有する第2の質量部と、支持部と、前記第1の質量部と前記支持部とを、前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを有し、
    交流電圧を印加することによって、前記第1の質量部が駆動し、それに伴い前記第2の質量部が回動するアクチュエータの共振周波数の調整方法であって、
    前記第1の質量部と前記第2の質量部との少なくとも一方の前記質量部本体の所定箇所に、質量調整用の物質を必要に応じて所定量付加することにより、共振周波数を調整することを特徴とするアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  2. 前記第2の質量部は、光反射部を有する請求項1に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  3. 前記アクチュエータは、前記第1の質量部を一対備え、
    前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられている請求項1または2に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  4. 前記質量部本体に、前記質量調整用の物質を付加する付加領域が予め設定されており、その付加領域内の所定箇所に前記質量調整用の物質を付加する請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  5. 前記付加領域は、前記質量部本体の、対応する前記質量部の回動中心軸から遠位の端部に設定される請求項4に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  6. 前記付加領域は、前記質量部本体の、対応する前記質量部の回動中心軸と、該回動中心軸からの遠位端との中間点より前記遠位端側に設定される請求項4に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  7. 前記付加領域は、前記質量部本体の、対応する前記質量部の回動中心軸を介して両側にそれぞれ設定される請求項4ないし6のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  8. 前記回動中心軸を中心にほぼ対称となるように、前記付加領域内の所定箇所に前記質量調整用の物質を付加する請求項7に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  9. 質量部本体を有する質量部と、支持部と、前記質量部と前記支持部とを、前記質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の弾性連結部とを有し、
    交流電圧を印加することによって、前記質量部が回動するアクチュエータの共振周波数の調整方法であって、
    前記質量部の前記質量部本体の所定箇所に、質量調整用の物質を必要に応じて所定量付加することにより、共振周波数を調整することを特徴とするアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  10. 前記質量部は、光反射部を有する請求項9に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  11. 前記質量部本体に、前記質量調整用の物質を付加する付加領域が予め設定されており、その付加領域内の所定箇所に前記質量調整用の物質を付加する請求項9または10に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  12. 前記付加領域は、前記質量部本体の、前記質量部の回動中心軸から遠位の端部に設定される請求項11に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  13. 前記付加領域は、前記質量部本体の、前記質量部の回動中心軸と、該回動中心軸からの遠位端との中間点より前記遠位端側に設定される請求項11に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  14. 前記付加領域は、前記質量部本体の、前記質量部の回動中心軸を介して両側にそれぞれ設定される請求項11ないし13のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  15. 前記質量部の回動中心軸を中心にほぼ対称となるように、前記付加領域内の所定箇所に前記質量調整用の物質を付加する請求項14に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  16. 前記質量調整用の物質は、粒子である請求項4ないし8、11ないし15のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  17. 前記粒子の平均粒径は、10μm以下である請求項16に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  18. 前記付加領域の表面の表面粗さRaは、1〜100μmである請求項16または17に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  19. 前記質量部本体に凹部が設けられており、その凹部内が前記付加領域である請求項16ないし18のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  20. 前記付加領域内の所定箇所に前記粒子を付加する処理は、前記粒子を含む液状材料をノズルから液滴として吐出して前記付加領域内の所定箇所に付与し、該付与された液状材料を乾燥させることにより行なわれる請求項16ないし19のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  21. 前記付加領域内の所定箇所に前記粒子を付加する処理は、帯電した前記粒子をクーロン力により前記付加領域内の所定箇所に吸着させることにより行なわれる請求項16ないし18のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  22. 前記付加領域内の所定箇所は、導電性を有しており、
    前記付加領域内の所定箇所に前記粒子を付加する処理は、帯電した前記粒子を含む雰囲気を形成し、該雰囲気中に当該アクチュエータを配置し、前記付加領域内の所定箇所を前記粒子と逆極性に帯電させ、前記粒子をクーロン力により前記付加領域内の所定箇所に吸着させることにより行なわれる請求項16ないし18のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  23. 前記質量調整用の物質は、繊維状炭素系物質である請求項4ないし8、11ないし15のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  24. 前記付加領域内の所定箇所に前記繊維状炭素系物質を付加する処理は、前記付加領域内の所定箇所に前記繊維状炭素系物質を生成することにより行なわれる請求項23に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  25. 前記付加領域内の所定箇所は、触媒機能を有しており、
    CVD法を用いて、前記付加領域内の所定箇所に前記繊維状炭素系物質を成長させて集積する請求項24に記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  26. 前記繊維状炭素系物質は、カーボンナノチューブである請求項23ないし25のいずれかに記載のアクチュエータの共振周波数の調整方法。
  27. 第1の質量部と、第2の質量部と、支持部と、前記第1の質量部と前記支持部とを、前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを有し、
    交流電圧を印加することによって、前記第1の質量部が駆動し、それに伴い前記第2の質量部が回動するアクチュエータであって、
    前記第1の質量部と前記第2の質量部との少なくとも一方の所定箇所に質量調整用の物質が必要量付加されて、その質量が調整されることにより、共振周波数が調整されたものであることを特徴とするアクチュエータ。
  28. 質量部と、支持部と、前記質量部と前記支持部とを、前記質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の弾性連結部とを有し、
    交流電圧を印加することによって、前記質量部が回動するアクチュエータであって、
    前記質量部の所定箇所に質量調整用の物質が必要量付加されて、その質量が調整されることにより、共振周波数が調整されたものであることを特徴とするアクチュエータ。
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