JP2006239598A - 活性炭を用いる有害ガス処理方法及び処理装置 - Google Patents

活性炭を用いる有害ガス処理方法及び処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】酸性若しくはアルカリ性有害ガスを、粒状性活性炭を単独で用いて、従来の活性炭方式と同程度の高い有害成分除去率を得ながらも、活性炭のライフサイクルを大幅に向上させ、その維持管理コストを大幅に低減できる有害ガスの処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】酸性若しくはアルカリ性有害ガスを粒状性活性炭層に通過させることによって、有害ガス中の酸性若しくはアルカリ性成分を除去するための処理方法において、前記酸性若しくはアルカリ性成分と中和反応する薬液を前記活性炭層に間歇的に散布する。これによって、中和反応により生成した塩を付着した不純物と共に洗い流し、前記活性炭層に前記酸性若しくはアルカリ性薬液を付着させることができることから、活性炭の再生と再利用が可能となった。
【選択図】
図1

Description

本発明は、化学工業、金属工業、半導体製造、廃棄物処理、汚水処理などの各設備、各施設などから発生する酸性若しくはアルカリ性有害ガスの処理方法及びその処理装置に関する。
化学工業、金属工業、半導体製造、廃棄物処理、汚水処理などの各設備、各施設などから発生する酸性若しくはアルカリ性有害ガスは、付近住民の健康被害や悪臭などをもたらし、環境汚染や地球温暖化などの弊害が生じるので、これを極力除去した後に大気中へ排出する必要性が強く求められている。
そのための有害ガスを除去する処理方法として、これまでは主として、多孔性に富んだ活性炭などの吸着を利用する乾式の除去方法や、アルカリ性や酸性あるいは中性の薬液による湿式の除去方法などが行われていた。
しかしながら、前者の処理方法では、処理材が処理開始後すぐに効力を失うために、短期の再処理或いは交換の必要があるため、処理コストが高くなるほか、有機系ガスの処理はできるが無機系ガスの処理は困難であるといった欠点があった。また後者の方法では、処理コストは低くなるものの、十分な除去が出来ず、かなりの量の有害ガスが排出されてしまうという欠点があった。
例えば、特開2000−15045号公報には、活性炭による有害ガスの除去装置が開示されている。これを同公報の図5を用いて説明する。
処理容器1内には、活性炭2が、活性炭ホッパー3からコンベア4、活性炭投入口5を経て運ばれ、上段メッシュフロア6上に供給される。
各設備や施設から発生した有害ガスは、ガス供給管7、集塵装置8を経て、供給口9から処理容器1内へ入り、下段メッシュフロア10と上段メッシュフロア6上の活性炭2の間を通過する間にガスの有害成分が活性炭に吸着されて、排出口11から出て、煙突12より大気中へ排出される。
処理を経た段階で、活性炭2は上段メッシュフロア6から下段メッシュフロア10へ移動され、上段メッシュフロア6へは、次の新しい活性炭が活性炭ホッパー3より供給される。そして、下段メッシュフロア10上の活性炭2は、活性炭排出口13より、ブロア14によって輸送管15から燃焼路へ排出されて処分される。
このような活性炭吸着による有害ガス処理装置では、有害成分の除去率は、100%に近い。しかし、この技術分野では、活性炭層の上部が目詰まりなどにより早期に吸着能力を失なうので、この発明では、活性炭を入れ替え式の2層にすることによって、上部活性炭層ダウンによる早期の交換の必要を無くして活性炭の使用時間を延長させようとしている。
しかし、このような工夫を行ったとしても、基本的に活性炭を用いる処理方法は、吸着保持量に限界があるため早い段階で寿命となり(「破過」という)、処理材の交換に膨大なコストがかかる。また、活性炭は、処理ガスの成分、温度、湿度などによってその吸着量が大きく左右され、また処理ガスが無機性である場合はあまり効果が無い。無機系ガスの処理を行う場合は、活性炭に薬剤を添着したり、二次加工を施したりするが、しかし使用経過と共にその薬剤添着効果が無くなるので、やはり早期の活性炭の交換が必要なだけでなく、交換した活性炭は産業廃棄物処理または再生処理を必要とする。結局そのために膨大な費用と労力がかかる。
活性炭処理に代わるのが、前述した薬液を用いる湿式の有害ガス処理であるが、これはスクラバー方式とも称されており、例えば、特開2003−1057号公報(特記文献1)に開示されている。次に、これを同公報の図6を用いて説明する。
スクラバー洗浄塔17内には、充填層18が設けられ、充填層18内には、例えば、ラヒシリングのようなプラスチック製の充填材が充填されている。スクラバー洗浄塔17の下部には、苛性ソーダ、重炭酸ソーダなどを含むアルカリ洗浄液を貯留した貯液槽19が設けられ、貯液槽19内のアルカリ洗浄液はポンプ20によって管21を通って運ばれ、スクラバー洗浄塔17の上部に設けられた散水ノズル22からスクラバー洗浄塔内に撒かれ、充填層18内の充填材を潤す。例えば硫化水素のような有害成分を多量に含む悪臭ガスは、スクラバー洗浄塔17の下方の側部に設けられたガス流入口23から導かれてスクラバー洗浄塔17内へ入り、上昇しながら充填材層18を通過してスクラバー洗浄塔17の上部に設けられたガス流出口24より大気中へ排出される。
ガス流入口23より入った悪臭ガス中の有害成分は、充填層22内の充填材の表面を潤しているアルカリ洗浄液と化学反応して除去されるため、ガス流出口24からは、有害成分が除去された気体が排出される。この発明においては、有害成分を除去する材料として、充填材の他に、充填材層18の上流側(充填材層18の下部)に設けられた多孔性炭素材層25中の多孔性炭素材も用いられる。多孔性炭素材の表面は、充填材と同様に、アルカリ性洗浄液で覆われるが、多孔性炭素材によって有害成分の除去率を向上させている。
充填材にアルカリ洗浄液を散布する従来のスクラバー方式の場合は、ガス中の有害成分の除去率は85〜90%程度であるから、ガス中の10〜15%の有害成分が排出されていた。ただ、上記発明の場合は、従来の充填材に加えて、多孔性炭素材も加えられているため、除去率が向上している。しかし、当該発明における多孔性炭素材は、連続して薬剤散布され(常時シャワーリング)、その表面が常時薬剤で覆われているため、多孔性炭素材の比表面積が著しく低下し、そのため多孔性炭素材の処理能力が大幅に低下する。
また、常時シャワーリングを行うと、炭素材の表面に水膜が出来、これが多孔性炭素材とガスとの境界膜となって多孔性炭素材とガスの接触を妨げるため、多孔性炭素材の処理能力を低下させる。常時シャワーリングはまた、通気抵抗を増大させるため、これによって更に多孔性炭素材の処理能力を低下させる。また、常時シャワーリングにおいては、薬剤の飛沫の一部が排出ガスと共に大気中へ放出されるので、それが大気汚染をもたらすという弊害も生じる。いずれにしても、当該発明において用いられる多孔性炭素材は、従来のスクラバー方式を補助する役割でしかなく、本来、除去率が85〜90%でしかないスクラバー方式に、同じように薬剤散布した多孔性炭素材を加えることによって、有害成分の除去率を少しでも向上させようとするものであっても、多孔性炭素材そのものの有害成分の除去効果は十分とはいえない。
また、この従来発明は従来のスクラバー方式と同様に、大掛かりな設備と設置スペースを必要とする。
以上述べたように、有害ガスの処理において、従来の活性炭を単に用いるものは維持管理に多大な費用を要し、一方、従来のスクラバー方式は維持管理の費用は低いものの、大掛かりな設備や設置スペースを必要とし、かつ有害成分の除去率が十分でなく、またスクラバー方式に多孔性炭素材を組み合わせたものに於いても、多孔性炭素材の処理能力が十分発揮される構成にはなっていなかった。
特開2003−1057号公報
本発明は、酸性若しくはアルカリ性有害ガスを、粒状性活性炭を単独で用いて、従来の活性炭方式と同程度の高い有害成分除去率を得ながらも、活性炭のライフサイクルを大幅に向上させ、その維持管理コストを大幅に低減できる有害ガスの処理方法及び処理装置を提供することを、その目的とする。
上記課題を解決するため本発明者等は、鋭意研究の結果、適度の大きさの粒状性活性炭を処理材として用い、この活性炭に、酸性若しくはアルカリ性有害ガスと中和反応する薬剤を一定の時間をおいて間歇的に散布することにより、前記中和反応により生成した塩を洗い流すと共に、前記活性炭層に前記酸性若しくはアルカリ性薬液を付着させることによって、活性炭を単独で用いる従来の活性炭方式と同程度の高い有害ガス除去効果を奏すると共に、活性炭を単独で用いながらも、活性炭の交換時期を大幅に延長し、その結果維持管理のコストが極めて低く抑えられることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、酸性若しくはアルカリ性ガスを粒状性活性炭層に通過させることによって、前記ガス中の酸性若しくはアルカリ性成分を除去するための処理方法において、前記酸性若しくはアルカリ性成分と中和反応する酸性若しくはアルカリ性薬液を前記活性炭層に間歇的に散布することにより、前記中和反応により生成した塩を洗い流すと共に、前記活性炭層に前記酸性若しくはアルカリ性薬液を付着させることを特徴とする。
前記薬液の間歇的散布は、前記活性炭層が酸性若しくはアルカリ性ガスを所定濃度以下に捕捉し得ないことを検知した時間毎に行うか、予め測定した所定濃度以下に補足し得なくなる所定の時間毎に行えば良い(請求項2)。
前記活性炭層へ間歇的に散布する前記薬液の量は、酸若しくはアルカリ濃度1〜10重量%の薬液を、重量比で、活性炭1に対し薬液1〜10とするのが好ましく(請求項3)、活性炭1に対し薬液1.5〜5とするのが特に好ましい(請求項4)。
本発明の処理材として用いる粒状性活性炭としては、粒状炭、造粒炭などの粒状活性炭や破砕活性炭が挙げられる。そしてその大きさは、好ましくは0.5〜20mmであり、更に好ましくは、3〜10mmである。粒状性活性炭の大きさが20mmより大きいと、活性炭全体の比表面積が小さくなるため、処理能力が低下し、また粒状性活性炭の大きさが0.5mmより小さいと、処理時の活性炭の通気抵抗が大きくなって同じように処理能力が低下する。
造粒炭としては、円柱状(ペレット)や球状のものを使用するのが望ましく、また破砕活性炭としては、ヤシガラ活性炭などを使用するのが望ましい。
また本発明の処理装置は、処理すべき酸性若しくはアルカリ性ガスを通過させる粒状性活性炭層と、前記酸性若しくはアルカリ性成分と中和反応する薬液を前記活性炭層に間歇的に散布する散布ノズルとを具備し、該間歇的に散布により前記中和反応により生成した塩を洗い流すと共に、前記活性炭層に前記酸性若しくはアルカリ性薬液を付着させることを特徴とする。
本発明に使用するガス中の有害成分と中和反応する薬剤は、ガスが酸性の場合は、アルカリ性溶液であり、ガスがアルカリ性である場合は酸性溶液である。酸性溶液としては、硫酸、リン酸、ホウ酸などの水溶液が挙げられ、アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ)、炭酸ソーダなどの水溶液が挙げられる。
上記の他、塩酸も使用可能であるが、これらはガス発生による二次公害の恐れがあるため、必ずしも好ましくはない。
前記酸性若しくはアルカリ性薬剤の濃度は、仮に高濃度過ぎると活性炭そのものが侵食破壊されるので、酸性溶液、アルカリ性溶液のいずれの場合も、1〜10重量%程度が望ましい。
本発明の除去処理の対象となるガス中の有害成分としては、有機系成分として、ギ酸、酢酸、ピリジン、酪酸、リンゴ酸などが挙げられ、無機性成分としては、フッ化水素、硝酸、ヨウ化水素、臭化水素、塩化水素、シアン化水素、アンモニアなどが挙げられる。
即ち、活性炭が吸着しやすい有機系のガスと、薬剤が反応しやすい無機系の双方のガスを処理の対象とすることができる。
無機系のガスの処理を行う際の薬剤と有害成分との化学反応式のいくつかの例を以下に示す。
本発明によれば、活性炭の処理能力が落ち始めて有害成分が漏れ始めた時、或るいはその前に、酸性若しくはアルカリ性薬剤を再び活性炭に散布すると、活性炭に付着している塩と付着した不純物が一緒に除去され、活性炭は再びその処理能力、吸着能力を取り戻し、有害成分の除去効果を、最初の時と同じ様に、100時間以上に渡って維持することができる。
このように活性炭の維持効果が大幅に延長される理由は、粒状性活性炭の表面に付着した破過を引き起こす成分が塩と共に除去されることによって、活性炭の破過が抑えられることによるものと推測される。
活性炭への薬剤の間歇的な散布の時期は、運転中の一定時間毎(流入ガス濃度が平均している場合)、もしくはガス出口において一定濃度以上の有害成分が検出された時のどちらでも良い。また、その時期は、通風時であっても停止時であってもどちらでも良い。
このように活性炭への薬剤の間歇的な散布によって、活性炭の交換または再生処理を行う時期を大幅に延長させ、その維持管理に要するコストを極めて低く抑えることができる。
本発明は、化学工業、金属工業、半導体製造、廃棄物処理、汚水処理などの各設備、各施設などにおいて、大掛かりな設備を要することなく、簡易な設備により、酸性若しくはアルカリ性ガスを、粒状性活性炭を単独で用いて、従来の活性炭方式と同程度の高い有害成分除去率を得ながらも、活性炭のライフサイクルを大幅に向上させ、その交換または再生処理を行う時期を大幅に延長させることにより、その維持管理コストを大幅に低減できるという絶大な効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜3を用いて説明する。
本発明の有害ガス処理方法及び装置の基本的な方式としては、(1)アップフロー型、(2)ダウンフロー型、(3)サイドフロー型の3つがある。これらの各方式に沿って説明をする。
図1は、一般的なアップフロー型を示す。101はガス処理塔であり、その中には、活性炭層102と散布ノズル103が設けられている。最初に、酸性若しくはアルカリ性薬液を、薬液槽104から散布用ポンプ105によって薬液散布ノズル103へ汲み上げ、そこから薬液を活性炭層102へ向けて散布(散水)する。薬液の散布量は、活性炭層の活性炭との重量比で、好ましくは約1〜10倍、より好ましくは1.5〜5倍である。これにより、活性炭層102内の活性炭の表面は、わずかに湿る程度に薬液によって覆われる。
活性炭層102よりフローした薬液は回収槽106で回収される。薬液散布が終わった後、或いは散布中に、各設備或いは各施設より排出された酸性若しくはアルカリ性処理ガスが、ダクト107を通って送風機108により運ばれ、ガス処理塔のガス流入口109からガス処理塔101へ入る。ガス処理塔101内へ入った処理ガスは、薬液によって湿らされた活性炭層102を通って上昇し、散布ノズル103の間を通ってガス排出口110より大気中へ排出される。
処理ガス中の酸性若しくはアルカリ性成分は、活性炭層102を通る間に、表面の薬液と活性炭との相乗作用によってほぼ完全に除去される。ガスの処理がこのまま継続され、約100時間位経つと、薬液で湿らした活性炭の効果が失われ始めるので、その時またはその前に、酸性若しくはアルカリ性薬液の再散布を行う。これによって、活性炭は再び活性化され、処理作用を継続する。このように、間歇的な薬液の散布を行うことにより、活性炭を繰り返し使用することができる。
再散布を行うタイミングは、ガス排出口の酸性若しくはアルカリ性成分濃度を適時検知測定して、それに対応して散布するか、流入処理ガスの濃度が平均している場合には、排出ガス中の酸性若しくはアルカリ性成分が所定濃度になる運転時間をあらかじめ算定して一定時間間隔で散布する、などである。
図2は、ダウンフロー型の方式を示す。この方式が図1と異なるのは、ガス流入口109が、ガス処理塔101の活性炭層102の上側に設けられ、ガス排出口110が活性炭層102より下の方に設けられていることである。これによってダクト107、送風機108によって導かれた処理ガスは、ガス処理塔101内の上の方から活性炭層102を通ってその下の方のガス排出口110から大気中へ排出される。
この方式について述べると、前述のアップフロー方式が、薬液が散布される方向とガスが流れる方向とが逆であるためガスの通気抵抗が大きいのに対して、このダウンフロー方式の場合は、薬液が散布される方向とガスが流れる方向とが同一であるためガスの通気抵抗が小さい、という特徴がある。また、前述のアップフロー方式が、薬液が散布される方向とガスが流れる方向とが逆であるため活性炭が流動し、このために活性炭が早く磨耗するのに対して、このダウンフロー方式の場合は、薬液が散布される方向とガスが流れる方向とが同一であるため活性炭の磨耗が少ない、という特徴もある。本発明の場合は、このダウンフロー方式が最適であり、後述する「実施例」はこの方式である。
図3は、サイドフロー方式を示す。この方式においては、散布ノズル103が上部に設けられた状態で、活性炭層102がその下に垂直方向に設けられ、処理ガスがガス処理塔101の横方向から流入し、活性炭層102を通って反対の横方向から排出する。薬液が散布される方向とガスが流れる方向とが直角であるため、ダウンフロー方式と同様に、ガスの通気抵抗が小さい。また、ガス処理塔101の高さを低くできるので、保守管理を行い易いという特徴がある。ただ、装置の底面積が大きくなるので設置スペースに余裕が必要となる。
以下、本発明の実施例について、図4を参照して説明する。
活性炭層102に用いる活性炭としては、大きさが7〜10mmの円柱状造粒炭を用い、この活性炭をガス処理塔101の中央部の高さに充填した。なお、活性炭層102の積層高は200mmとし、平均通風量を5.5m3/minに設定し、活性炭充填層での見かけ通風速度(Liner Velocity)を0.5m/secとなるように設定した。この際、充填した活性炭の重量はおよそ18Kgである。
本実施例では、有害ガスの通気方向を上方向から下方向へ通気するダウンフロー方式を採用した。本実施例での除去対象となるガスは塩化水素を含むものとし、活性炭には、薬液槽104から、散布用ポンプ105(定量吐出ポンプ)を用いて汲み上げ、散布ノズル103から4%苛性ソーダ水溶液を散布した。吐出量は3.2ℓ/min、吐出時間は10分間である。薬液の吐出量の総計は、3.2×10=32ℓであり、吐出した薬液の活性炭に対する重量比は、薬液の比重を約1とすると、約32/18=1.78である。余剰の薬液は回収槽106で回収した。
10分後に散布用ポンプを停止し、送風機108により、5.5m3/minの通風量で5〜80ppmの塩化水素を含むガスをガス処理塔101へ送り込み、活性炭層102を通過させた。その後定期的にガス検知器111及び112を用いて、活性炭層102の前と後のガス中の塩化水素濃度を測定した。活性炭層102の後のガス検知器112にて塩化水素のリークが確認された場合、送風機108を停止させ、再び散布用ポンプ105にて4%苛性ソーダ水溶液の再散布を3.2ℓ/minで10分間行い、これによって活性炭に付着している塩と付着した不純物を洗い流し、活性炭に苛性ソーダ水溶液を付着させて活性炭を再生し、これを繰返し行った。
この実施例の結果得られたデータが以下に示す表1および表2である。表1は最初に薬液を散布した場合のデータであり、表2は薬液を再散布した場合のデータである。
上記表1及び表2いずれの場合も活性炭重量比にしておよそ40〜50%の4%苛性ソーダ溶液が活性炭に付着している。薬液を最初に散布した表1の場合は、運転時間にして100時間以上、ガス排出口側に塩化水素のリークは認められなかった上、数ppmの低濃度から数十ppmの高濃度まで広い範囲で有害ガスを清浄化することが可能であることが分かる。また、塩化水素リーク後、薬液を再散布し再び活性炭に前記有害ガスを通過させた表2の場合も、やはり100時間以上、ガス排出口側に塩化水素のリークは認められなかった上、数ppmの低濃度から数十ppmの高濃度まで広い範囲で有害ガスを清浄化することが可能であることが分った。
次に示す表3は本実施例の比較例として実施したものである。
上記表3に示す比較例は、活性炭に苛性ソーダ溶液からなる薬液を全く散布せずに前記と同じ5〜80ppmの塩化水素を含む有害ガスを通過させたデータである。このデータで分かるとおり、活性炭に薬液を散布しない場合、活性炭はすぐに吸着力を失い、わずか19時間で塩化水素がリークし始めた。
以上の結果から明らかなように、薬液を活性炭が僅かに湿る程度に散布することによって、有害ガス中の塩化水素の除去率と使用可能時間(吸着力維持時間)が大幅に伸びるほか、活性炭の吸着力に限界が来ても、薬液を再散布することにより、活性炭が再生し、これを繰返し使用できる。これにより、これまでの活性炭方式のように活性炭の頻繁な交換の必要を無くしてその維持管理コストを低減できると共に、従来のスクラバー方式より設置サイズを小さくした上、除去率が大幅に向上するという絶大な効果を奏する。
本発明は、化学工業、金属工業、半導体製造、廃棄物処理、汚水・し尿処理などの各設備、各施設などから発生する酸性若しくはアルカリ性有害ガスの除去・処理に適している。
本発明のアップフロー型の処理方式を示す構成図である。 本発明のダウンフロー型の処理方式を示す構成図である。 本発明のサイドフロー型の処理方式を示す構成図である。 本発明の実施例を示す構成図である。 従来の活性炭による有害ガス処理方式の一例を示す構成図である。 従来のスクラバーと多孔性炭素材を組み合わせた有害ガス処理方式の一例を示す構成図である。
符号の説明
101
ガス処理塔
102
活性炭層
103
散布ノズル
104
薬液槽
105
散布用ポンプ
106
回収槽
107
ダクト
108
送風機
109
ガス流入口
110
ガス排出口
111
ガス検知器(ガス流入口側)
112
ガス検知器(ガス排出口側)

Claims (9)

  1. 酸性若しくはアルカリ性ガスを粒状性活性炭層に通過させることによって、前記ガス中の酸性若しくはアルカリ性成分を除去するための処理方法において、前記酸性若しくはアルカリ性成分と中和反応する酸性若しくはアルカリ性薬液を前記活性炭層に間歇的に散布することにより、前記中和反応により生成した塩を洗い流すと共に、前記活性炭層に前記酸性若しくはアルカリ性薬液を付着させることを特徴とする有害ガス処理方法。
  2. 前記薬液の間歇的散布は、前記活性炭層が前記酸性若しくはアルカリ性有害ガスを所定濃度以下に捕捉し得ないことを検知した時間毎に行うか、予め測定した所定濃度以下に補足し得なくなる所定の時間毎に行う請求項1記載の処理方法。
  3. 前記活性炭層へ間歇的に散布する前記薬液の量は、酸若しくはアルカリ濃度1〜10重量%の薬液を、重量比で、活性炭1に対し薬液1〜10である請求項2に記載の処理方法。
  4. 前記薬液の量は、重量比で、活性炭1に対し薬液1.5〜5である請求項3に記載の処理方法。
  5. 前記活性炭層中の粒状性活性炭は、大きさが0.5〜20mmの粒状若しくは破砕活性炭である請求項1〜4のいずれかに記載の処理方法。
  6. 前記活性炭層中の粒状性活性炭は、大きさが3〜10mmである請求項5記載の処理方法。
  7. 前記粒状活性炭は、粒状炭または造粒炭である請求項5又は6記載の処理方法。
  8. 処理すべき酸性若しくはアルカリ性ガスを通過させる粒状性活性炭層と、前記酸性若しくはアルカリ性有害成分と中和反応する酸性若しくはアルカリ性薬液を前記活性炭層に間歇的に散布する散布ノズルとを具備し、該間歇的散布により前記中和反応により生成した塩を洗い流すと共に、前記活性炭層に前記酸性若しくはアルカリ性薬液を付着させることを特徴とする有害ガス処理装置。
  9. 前記薬液の間歇的散布は、前記活性炭層が酸性若しくはアルカリ性ガスを所定濃度以下に捕捉し得ないことを検知した時間毎に行うか、予め測定した所定濃度以下に補足し得なくなる所定の時間毎に行う請求項8記載の処理装置。
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