JP2006239569A - ガス中水銀測定用の還元触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 還元触媒の母材の融点を高めることにより、還元触媒の使用温度を上げ、表面に排ガス中のセレンや未分解の有機物などが付着するのを阻止して、2価水銀に対する還元能を高めることができる還元触媒を提供する。
【解決手段】 ガスG中の2価水銀を0価水銀に還元する粒状の触媒30であって、純すず30aに金属不純物30bが混合された母材30cの表面に塩化すず30dを生成させて形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】 ガスG中の2価水銀を0価水銀に還元する粒状の触媒30であって、純すず30aに金属不純物30bが混合された母材30cの表面に塩化すず30dを生成させて形成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、化石燃料施設、廃棄物焼却施設、化学プラントなどから排出される各種排ガス中に含まれる水銀を測定するときに用いられる還元触媒に関するものである。
従来、化学プラントなどから排出される各種排ガス中に含まれる水銀は、主に金属水銀である0価水銀(Hg0)と2価水銀(Hg2+)の2つの化学形態で存在する。このうち、0価水銀は、水などに溶けにくく大気中に拡散するので、大気汚染の原因となる。一方、2価水銀は、水などに溶けやすいので、水質や土壌汚染の原因となる。このように、排ガス中に含まれる各種水銀は、いずれも環境に与える影響が大きいので、化学プラントなどにおける排ガスの煙道にガス中水銀の測定装置が設けられて、常時排ガス中の水銀量の測定が行われている。
前記測定装置は、化学プラントなどの煙道に接続されたガス導入通路に、煙道側から下流にかけて順に、ガス中の2価水銀を0価水銀である金属水銀に還元する還元管、前記還元管を通過した金属水銀の濃度を測定する水銀測定器などが接続されている。前記還元管には還元触媒が充填されており、この還元触媒としては、純すずを塩酸溶液中に浸漬することにより表面に塩化すずを生成させたものが使用される。この測定装置によれば、そのままでは測定できなかった排ガス中の2価水銀(Hg2+)を測定可能な金属水銀 (Hg0)に還元することで、排ガス中に含まれる金属水銀とともに総水銀量として測定できる(特許文献1)
特開2004―354067号公報
ところで、前記還元触媒はその活性を維持するために200℃程度の雰囲気下で使用されるが、この使用温度では排ガス中に混じるセレンや未分解の有機物などが付着するので、2価水銀に対する還元能を損ない易い。これを防止するためには使用温度を上げればよいが、純すずの融点は230℃程度であるので、使用温度を余り高めることはできず、還元能の向上は期待できない。
そこで、本発明は、前記還元触媒の使用温度を上げるために鋭意研究を行った結果、純すずに金属不純物を加えて合金とすれば融点が上昇することに着目した。そして、かかる合金を還元触媒の母材として用いることにより、還元触媒の使用温度を上げて表面に排ガス中のセレンや未分解の有機物などが付着するのを阻止し、2価水銀に対する還元能を高めることができる還元触媒を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ガス中の2価水銀を0価水銀に還元する粒状の触媒であって、純すずに金属からなる不純物が混合された母材の表面に塩化すずを生成させてなる。ここで、粒状の触媒とは、球状、または不定形の破砕された状態の物を言う。球状物の場合、直径2mm程度の大きさが好ましい。
この還元触媒によれば、その母材として純すずに金属不純物を混合した合金が用いることにより、母材の融点が上昇する。したがって、還元触媒の使用温度を高めることが可能となる。これにより、排ガス中のセレンや未分解有機物などの還元触媒への付着が阻止されて、2価水銀に対する還元能が高められる。
本発明の好ましい実施形態では、前記金属不純物として、アンチモン、銅、カドミウムおよびニッケルからなるグループから選ばれた1種以上の物質が用いられる。このような物質を用いることにより、高温で使用可能な融点の高い母材が容易に得られる。
本発明にかかる還元触媒によれば、使用温度を上げて2価水銀に対する還元能を高めることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかる還元触媒を用いるガス中水銀の測定装置を示す系統図である。この測定装置は、例えば化学プラントにおける排ガスGの煙道20を形成する側壁20aに取り付けて使用される。つまり、煙道20の側壁20aにガス導入通路1が接続され、このガス導入通路1に、前記煙道20側から下流にかけて順に、排ガスG中に含まれる塵埃を取り除くダストフィルタ2、排ガスG中の2価水銀(Hg2+)を金属水銀 (Hg0)に還元する還元触媒30が充填された還元管3、この還元管3を通った排ガスGから液体成分(ドレイン)を除去する気液分離管4が接続されている。前記気液分離管4には、液体成分を外部に排出する排出ポンプ (例えばペリスタポンプ) P1が接続されている。
図1は本発明にかかる還元触媒を用いるガス中水銀の測定装置を示す系統図である。この測定装置は、例えば化学プラントにおける排ガスGの煙道20を形成する側壁20aに取り付けて使用される。つまり、煙道20の側壁20aにガス導入通路1が接続され、このガス導入通路1に、前記煙道20側から下流にかけて順に、排ガスG中に含まれる塵埃を取り除くダストフィルタ2、排ガスG中の2価水銀(Hg2+)を金属水銀 (Hg0)に還元する還元触媒30が充填された還元管3、この還元管3を通った排ガスGから液体成分(ドレイン)を除去する気液分離管4が接続されている。前記気液分離管4には、液体成分を外部に排出する排出ポンプ (例えばペリスタポンプ) P1が接続されている。
前記気液分離管4の下流側には、ドレインを外部に排出する排出ポンプP2を備えた冷却ユニット5が接続され、このユニット5の下流側にはさらに排ガスG中の総水銀量を測定する水銀測定装置6、前記煙道20からガス導入通路1内に排ガスGを導入させるための吸引ポンプP3、この吸引ポンプP3による排ガスGの流量を設定するコントローラ7、前記水銀測定装置6による測定値を表示するモニタ8が順に接続されている。
前記ダストフィルタ2および還元管3は、加熱器9の内部に収納され、図示しない制御装置により所定温度となるようにコントロールされており、これにより還元触媒30の活性を維持するようにしている。
図2は前記還元管3を拡大して示す断面図である。この還元管3は、筒状の還元管本体31と、前記ダストフィルタ2の出口側に接続されてダストフィルタ2からの排ガスGを還元管3内に導入させる本体31よりも径小の導入部32と、気液分離管4に接続されて還元管3を通過した排ガスGを気液分離管4内へと導く本体31よりも径小の導出部33とを備え、この導出部33の中間に前記気液分離管4内に洗浄水を供給して内部を洗浄するための水供給部34が設けられている。
図3は前記還元管3内に充填される還元触媒30を拡大して示す断面図である。還元触媒30は、純すず(Sn) 30aに特定金属の不純物30bを混合させてなる粒状の母材30cの表面に、2価水銀(Hg2+)に対する還元能に優れた塩化すず(SnCl2 )30dを層状に生成させて形成される。塩化すず層30dを形成するにあたっては、前記母材30cを塩酸溶液中に浸漬することによって全表面に形成する。
前記純すず30aに混合する不純物30bとしては、例えばアンチモン(Sb)、銅(Cu)、カドミウム(Cd)およびニッケル(Ni)のグループから選ばれた一種以上の金属が好適に用いられる。本発明では、このグループの1つの金属だけを選択して純すず30aに混合させることで還元触媒30の母材30cを形成しても良く、このようにする場合でも母材30cの融点が上昇するので、還元触媒30の使用温度を上げて2価水銀に対する還元能を向上させることができる。
次に、本発明で最適に用いられる還元触媒の母材30cの実施例を配合比を挙げて説明 する。実施例1
母材の構成:Sb10〜12%、Cu5.5〜6.5%、Sn85〜83%
この母材の融点は、320℃であった。
母材の構成:Sb10〜12%、Cu5.5〜6.5%、Sn85〜83%
この母材の融点は、320℃であった。
実施例2
母材の構成:Sb7.3〜7.8%、Cu2.5〜3.5%、Cd0.8〜1.2%、Ni0.15〜0.25%、Sn86〜83%
この母材の融点は、370℃であった。
母材の構成:Sb7.3〜7.8%、Cu2.5〜3.5%、Cd0.8〜1.2%、Ni0.15〜0.25%、Sn86〜83%
この母材の融点は、370℃であった。
次に、以上の測定装置により水銀を測定するときの手順について説明する。
先ず、図1のコントローラ7により吸引ポンプP3を駆動させると、煙道20からガス導入通路1内に排ガスGが所定流量導入されてサンプリングされる。ガス導入通路1内に導入された排ガスGは、ダストフィルタ2を通過することにより塵埃が除去されて還元管3内に導入されて通過する。このとき、排ガスG中の2価水銀(Hg2+)は還元管3内に充填された還元触媒30により金属水銀 (Hg0)に還元され、この還元された金属水銀と元々排ガスG中に存在する金属水銀とがともに排ガスGによって気液分離管4に導入される。ここでは、排ガスG中に含まれる液体成分(ドレイン)が除去されるとともに、液体成分に溶け込んでいる少量の2価水銀(Hg2+)が気化され、前記還元管3内に送られて金属水銀に還元される。気液分離管4で除去された液体成分は、排出ポンプP1により外部に排出される。
先ず、図1のコントローラ7により吸引ポンプP3を駆動させると、煙道20からガス導入通路1内に排ガスGが所定流量導入されてサンプリングされる。ガス導入通路1内に導入された排ガスGは、ダストフィルタ2を通過することにより塵埃が除去されて還元管3内に導入されて通過する。このとき、排ガスG中の2価水銀(Hg2+)は還元管3内に充填された還元触媒30により金属水銀 (Hg0)に還元され、この還元された金属水銀と元々排ガスG中に存在する金属水銀とがともに排ガスGによって気液分離管4に導入される。ここでは、排ガスG中に含まれる液体成分(ドレイン)が除去されるとともに、液体成分に溶け込んでいる少量の2価水銀(Hg2+)が気化され、前記還元管3内に送られて金属水銀に還元される。気液分離管4で除去された液体成分は、排出ポンプP1により外部に排出される。
この後、気液分離管4を通過した排ガスGは冷却ユニット5に送られ、ここで冷却および除湿によって生じたドレインが排出ポンプP2により外部に排出される。このようにして冷却除湿されて水銀測定に適した温度にまで降温された排ガスGが水銀測定器6に送られて、排ガスG中の総水銀の濃度、すなわち、還元触媒30により2価水銀から還元された金属水銀と元々排ガスG中に存在する金属水銀の両者を合わせた濃度が測定され、その測定値がモニタ8によりリアルタイムで表示される。
前記還元管3内に充填される還元触媒30は、図3に示す母材30cが純すず(Sn)にアンチモン(Sb)、銅(Cu)、カドミウム(Cd)およびニッケル(Ni)のグループから選ばれた金属を混合して形成され、かかる母材30cは上記実施例で示したように融点が高いので、前記還元触媒30の使用温度を高められる。このため、母材30cの表面に生成される塩化すず(SnCl2 )層30dに、排ガスG中に含まれるセレンや未分解の有機物などが付着するのが阻止されて、塩化すず層30dの2価水銀に対する還元能が高められる。
4 還元管
30 還元触媒
30a 純すず
30b 不純物
30c 母材
30d 塩化すず
G ガス
30 還元触媒
30a 純すず
30b 不純物
30c 母材
30d 塩化すず
G ガス
Claims (2)
- ガス中の2価水銀を0価水銀に還元する粒状の触媒であって、
純すずに金属不純物が混合された母材の表面に塩化すずを生成させてなる還元触媒。 - 請求項1において、前記金属不純物は、アンチモン、銅、カドミウムおよびニッケルからなるグループから選ばれた一種以上の物質である還元触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005058717A JP2006239569A (ja) | 2005-03-03 | 2005-03-03 | ガス中水銀測定用の還元触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005058717A JP2006239569A (ja) | 2005-03-03 | 2005-03-03 | ガス中水銀測定用の還元触媒 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005058717A Pending JP2006239569A (ja) | 2005-03-03 | 2005-03-03 | ガス中水銀測定用の還元触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006239569A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008064667A3 (de) * | 2006-12-01 | 2008-07-17 | Univ Halle Wittenberg | Verfahren zur erzeugung von elementarem quecksilber aus quecksilberverbindungen |
KR101188555B1 (ko) * | 2011-10-31 | 2012-10-08 | 경일대학교산학협력단 | 산화수은 환원용 촉매 및 이를 이용한 산화수은의 환원 방법 |
-
2005
- 2005-03-03 JP JP2005058717A patent/JP2006239569A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008064667A3 (de) * | 2006-12-01 | 2008-07-17 | Univ Halle Wittenberg | Verfahren zur erzeugung von elementarem quecksilber aus quecksilberverbindungen |
KR101188555B1 (ko) * | 2011-10-31 | 2012-10-08 | 경일대학교산학협력단 | 산화수은 환원용 촉매 및 이를 이용한 산화수은의 환원 방법 |
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