JP2006239436A - 医療用複室容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性と柔軟性とを改善した医療用複室容器を提供。
【解決手段】本発明は、相対する内壁面が、剥離可能な接着部4によって仕切られ、複数の収容室5に区画されている医療用複室容器1であって、前記内壁面がポリプロピレン系ポリマーとスチレン系熱可塑性エラストマーポリエチレンとの重合体組成物からなる医療用複室容器1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、2種類以上の医薬液を接着部により隔離された別々の収容室で保存し、使用時には接着部を剥離することによって該複数の医薬液を密封状態で混合するに適した医療用複室容器に関する。
医療分野では、複数の薬剤成分を混合した状態で生体内に投与することはごく一般的であるが、混合する薬剤成分の組合せによっては、次のような方法が採られる。例えば輸液の場合、アミノ酸とブドウ糖とを含む液は、メイラード反応による変質が起こりやすいので、各成分を別々の閉鎖系に保存しておき、患者への投与の直前に混合することが多いが、この際、混合操作を無菌的に(クローズドシステムで)行うために、また容易に操作するために、複数の収容室に区画された容器を用いて、該収容室の各々に異なる輸液成分を保存しておき、使用直前に区画された収容室を何らかの手段でクローズドシステム内で連通させ混合する方法が実用化されるようになった。
収容室の区画手段としては、使用直前までは安定に成分輸液を隔離でき、使用時(混合時)には容易に連通させ得ることが大切であり、このために種々の形態が工夫され提案されている。代表的なものは、[1]収容室間を外側からクランプで挟窄するもの(特開昭53−38189号、特開昭61−103823号、特開平1−160558号など)、[2]収容室間を容器外に露出したチューブで連結し、該チューブをクランプで挟窄するもの(実開昭57−76636号など)、[3]収容室間に用時連通可能な連通具をもつもの(特開昭57−52455号など)、[4]収容室間を仕切る接着部を、比較的安定でかつ混合時には容易に剥離できる程度のシール強度のシールにしたもの(特公平6−26563号、特開昭63−309263号、特開平1−240469号、特開平2−4671号、特開平2−57584号、特開平2−241457号、特開平2−255418号、特開平4−242647号、特開平5−31153号、特開平5−68702号など)である。このうちで、操作性に富み実用性のあるものは、[4]のいわゆる容易剥離性の複室容器であり、最も注目されている。このタイプの技術的ポイントは、製造時あるいは輸送時においては収容室間の剥離可能な接着部が比較的安定で剥離しにくく、使用時(混合時)には手または器具などで容易に剥離され得る程度のシール強度を持ち、かつ外界(大気)とつながる周縁部のシール強度は十分であることである。従って、容器の内壁を形成する(すなわち該接着部を形成する)材質の選定が最重要となるのであるが、一般にはミクロ層分離構造を形成する材質、例えばポリエチレンとポリプロピレンとの混合物、ポリエチレンと架橋ポリエチレンとの混合物など(これらは、剥離可能な接着部が、剥離時にいわゆる凝集剥離を起こすタイプである)が使われる。しかしながら、問題なのは、これらの材質が輸液容器としての材料の要件すなわち安全性、柔軟性、透明性、耐熱性(耐高圧蒸気滅菌性)などを満たすか否か、また生産に支障がないかである。例えばポリエチレンとポリプロピレンとの混合物は透明性が十分でなく、ポリエチレンと架橋ポリエチレンとの混合物はゲル状物・フイッシュアイが発生しやすく、生産性に劣る。
特開昭53−38189号公報 特開昭61−103823号公報 特開平1−160558号公報 実開昭57−76636号公報 特開昭57−52455号公報 特公平6−26563号公報 特開昭63−309263号公報 特開平1−240469号公報 特開平2−4671号公報 特開平2−57584号公報 特開平2−241457号公報 特開平2−255418号公報 特開平4−242647号公報 特開平5−31153号公報 特開平5−68702号公報
本発明は、容易剥離性の医療用複室容器につきものの材質の安全性、柔軟性、透明性、耐熱性(耐高圧蒸気滅菌性)といった問題の解消を課題としてなされたものである。
本発明者の検討で明らかになったのは、前記内壁面がポリプロピレン系ポリマーとスチレン系熱可塑性エラストマーとの重合体組成物からなる医療用複室容器が、上記課題の解決をもたらすことである。すなわち、下記(1)〜(3)の医療用複室容器である。
(1) 相対する内壁面が、剥離可能な接着部によって仕切られ、複数の収容室に区画されている医療用複室容器であって、前記内壁面がポリプロピレン系ポリマーとスチレン系熱可塑性エラストマーとの重合体組成物からなる医療用複室容器。
(2) 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリスチレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレンプロピレンコポリマー−ポリスチレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリエチレン)およびブロック(ポリスチレン−エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)の群より選ばれた少なくとも一つのブロックコポリマーである上記(1)に記載の医療用複室容器。
(3) 前記ポリプロピレン系ポリマーと前記スチレン系熱可塑性エラストマーとの重合体組成物中の該スチレン系熱可塑性エラストマーの含量が10〜50重量%である上記(1)または(2)に記載の医療用複室容器。
本発明の医療用複室容器は、ポリプロピレン系ポリマー(PP)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)との適度な相溶性が最大限発現される重合体組成物を内壁面として含むため、良好な透明性と柔軟性とを有する。また、接着部は、剥離可能であるが適度のシール強度を持つため、複数の収容室に隔離されていた医薬液が、運搬時には混合しないが、使用時には容易に混合できる。さらに、成形性、生産性および耐熱性がよく、重金属および溶出物に関しても日本薬局方の規格を満たしているので、医療用複室容器として有用である。SBCがSEBS、SEPS、SEBE、SEPEのいずれかである場合、さらにPPとSBCとの重合体組成物中のSBCの含量が10〜50重量%である場合に、以上の特性は際立って発揮される。
本発明の医療用複室容器の形態は、特に限定されないが、形態の一実施例として、図1、図2を参照して説明する。図1は医療用複室容器の正面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。医療用複室容器1は、一方に排出口2が設けられ、二つの収容室を有する容器である。周縁部3はインフレシートの両端解放を熱シールしてあり、接着部4は剥離可能な程度にシールしてある。使用時(混合時)には、手または器具などで収容室5を押圧することにより、接着部4が剥離し、二つの収容室5が連通することにより、隔離されていた医薬液を容易に混合できる。本発明の医療用複室容器1は、適度のシール強度を持ち、安全性、柔軟性、透明性、耐熱性などの性質にすぐれ、かつ生産も容易である。
本発明におけるポリプロピレンとポリスチレン系熱可塑性エラストマーとの重合体組成物がミクロ層分離構造を形成するのか、完全相溶系であるのかなどについては解明の余地があるが、ポリプロピレンとポリスチレン系熱可塑性エラストマーとの適度な分十間相互作用がシール強度の程度と密接に結びついていると考えられる。
本発明においてポリプロピレン系ポリマー(以下PPと称す)は、通常の立体規則性構造のポリプロピレンすなわちアイソタクチックもしくはシンジオタクチックタイプの結晶性ホモポリマー、もしくはこれらを主成分とする結晶性コポリマーを意味するが、透明性や柔軟性(低曲げ弾性率)という点で、コポリマー特にランダムコポリマーが有利である。コモノマーとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチルペンテン−1などの炭素原子数2〜12のα−オレフィン類がよく、コモノマー量は、2〜30モル%程度が好ましく、より好ましくは3〜25モル%程度である。ここでPPの曲げ弾性率(JIS K7203)は、12000Kg/cm以下であるのが好ましく、より好ましくは10000Kg/cmである。曲げ弾性率が12000Kg/cmを超えると、スチレン系熱可塑性エラストマーとの重合体組成物の剛性が必然的に高くなり(スチレン系熱可塑性エラストマーはPPの柔軟剤としての働きも示すが、多量の添加が必要となる。)、プラスチック輸液容器の利点である自己排液性(点滴時に通気針がなくても排液され得る性質)が損なわれやすいからである。また、耐熱性の点からPPは、そのビカット軟化点(JIS K7206)が100℃以上であるのが好ましい。そして、成形性、成形物(容器シート)の力学的性質を考慮すると、温度230℃、荷重2160gにおけるMFR(メルトフローレイト、JIS K7210)が0.3〜15が好ましく、より好ましくは0.5〜10であるのがよい。
次に本発明におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(以下SBCと称す)の代表例を以下に挙げる。これらは、通常公知の方法で製造され得るものである。なお、MFRは、JIS規格K7210に準じ、温度230℃、荷重2160gにおける測定値である。
[1] SEBS:ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリスチレン)
SEBSは、ポリスチレン−ポリブタジエン(1,2−結合体と1,4−結合体のとのブロックコポリマー)−ポリスチレンの構造を持つトリブロック型コポリマー(SBS)への水素添加によって得られるブロックコポリマーである。圧縮永久歪率、成形性、他の力学的性質などを考慮すると、両端のポリスチレン部(S部)の合計がSEBS中の5〜40重量%を占めるものが好ましく、さらに好ましくは7〜30重量%を占めるものがよい。また、エチレンブチレンコポリマー部(EB部)はブチレン部の割合が20〜90重量%を占めるものが好ましく、さらに好ましくは30〜80重量%を占めるものがよい。また、SEBSはMFRが0.5〜20のものが好ましく、さらに好ましくは1〜15のものがよい。
[2] SEPS:ブロック(ポリスチレン−エチレンプロピレンコポリマー−ポリスチレン)
SEBSの場合とほぼ同様、SEPSは、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン型のトリブロックコポリマー(SIS)の水素添加で得られる。SEBSと同様の事柄を考慮すると、両端のポリスチレン部(S部)の合計がSEPS中の5〜40重量%を占めるものが好ましく、さらに好ましくは7〜30重量%を占めるものがよく、MFRが0.5〜20のものが好ましく、さらに好ましくは1〜15のものがよい。
[3] SEBE:ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリエチレン)
SEBEは、ポリエチレン−ポリブタジエン(1,2−結合体と1,4−結合体とのコポリマー)−ポリ−1,4−ブタジエンの構造を持つトリブロック型コポリマーに水素添加して得られる。SEBSの場合と同様の事柄を考慮すると、ポリスチレン部(S部)、エチレンブチレンコポリマー部(EB部)およびポリエチレン部(E部)の重量割合は、好ましくは3〜30重量%:40〜80重量%:10〜40重量%のものであり、さらに好ましくは5〜25重量%:45〜75重量%:12〜35重量%のものである。EB部中のブチレンの量は、30〜90重量%であるのがよい。また、MFRは、SEBSと同程度のものがよい。
[4] SEPE:ブロック(ポリスチレン−エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)
SEPEは、ポリスチレン−ポリ−1,4−イソプレン−ポリ−1,4−ブタジエンの構造を持つトリブロック型コポリマーに水素添加して得られる。SEBSの場合と同様の事柄を考慮すると、ポリスチレン部(S部)、エチレンプロピレンコポリマー部(EP部)およびポリエチレン部(E部)の重量割合は、好ましくは3〜30重量%:40〜80重量%:10〜40重量%のものであり、さらに好ましくは5〜25重量%:45〜75重量%:12〜35重量%のものであって、MFRは、SEBSと同程度のものがよい。
上記[1]〜[4]の他、ブロック(ポリスチレン−ポリ−1,2−イソプレン−ポリスチレン)もしくはその水素添加物も好ましく用いられるSBCの一つである。
本発明の医療用複室容器の内壁面を形成するのは、PPとSBCとの重合体組成物であるのは冒頭に示した通りであり、一般には該重合体組成物は、熱シール性、柔軟性、透明性、耐熱性などを考慮すると、PPとSBCとの重量比が、好ましくは90:10〜50:50であり、さらに好ましくは85:15〜60〜40であるのがよい。PPが多すぎると剛性が高くなり容器の柔軟性が低下しやすく、SBCが多すぎるとシート形成能が低くなる傾向にあることに注意する必要がある。
また、本発明の医療用複室容器は、内壁面がPPとSBCとの重合体組成物であり、(1)PPとSBCとの重合体組成物のシート単独からなる場合と、(2)PPとSBCとの重合体組成物を内層(容器の内壁面)とし、他のポリマー(または重合体組成物)を外層あるいは中間層とする多層シートの場合がある。(2)では容器のガス(水蒸気、酸素など)バリアー性、透明性、柔軟性、耐熱性、強度などの要求性能に応じて、他のポリマー(または他の重合体組成物)と組合わされるが、具体的に好ましい他のポリマー(または他の重合体組成物)の代表例を次に示す。
(イ) ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィン類を共重合成分とする密度0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)。
(ロ) 結晶性ポリプロピレンまたはこれを主成分とする結晶性ポリプロピレン系コポリマー。ただし剛性が高いので薄層として用いるのがよい。
(ハ) (ロ)とアモルファスポリプロピレン(アタクチックポリプロピレン)との重合体組成物。
(ニ) エチレンビニルアルコールコポリマー。容器にガスバリアー性を付与する目的で用いられる。
また、本発明の医療用複室容器を形成するシートの厚さは、全体で0.2〜0.6mmが好ましく、より好ましくは0.25〜0.45mmであるのが適当であり、複層の場合(前記(2)の場合)には、PPとSBCとの重合体組成物層は0.01mm以上が好ましく、より好ましくは0.02mm以上であるのがよい。
本発明の医療用複室容器は、通常公知の方法で製造できる。すなわち、単層用あるいは多層用のTダイまたはサーキュラーダイを介して押出し(溶融温度は160〜230℃が好ましく、さらに好ましくは170〜200℃)、得られたフラット状のシート、チューブ状のシート、パリソンなどについてサーモフォーミング、ブロー、延伸(熱シール性を考慮すると無延伸の方がよい)、裁断、融着などの手法を適宜活用して所定の形状・形態に加工すればよい。医療用複室容器の作製で最も重要なポイントは、熱シールの工程である。すなわち、[1]複数の収容空間に仕切っている剥離可能な接着部は、製造時あるいは輸送時に剥離が起こりにくく、使用時(混合時)には手・器具などで収容室を押圧することにより、容易に剥離できる程度のシール強度(一般には180゜剥離強度が0.3〜1.2Kg/15mm程度)を示し、[2]外界と接する部分である周縁部は容易には剥離できない程度のシール強度(180゜剥離強度が1.5Kg/15mm以上が好ましく、より好ましくは2Kg/15mm以上)であることが要求されるため、接着部と周縁部のそれぞれのシールの条件のコントロールが大切である。本発明の医療用複室容器の場合、接着部のシールは、温度110〜150℃、圧力1〜4Kg/cm、時間0.2〜5秒、シール幅2〜10mmで、周縁部のシールは、温度130〜200℃、圧力2〜5Kg/cm、時間0.2〜10秒、シール幅5mm以上で行うのが通常である。収容室の数は2〜4個が一般的である。
また、PPとSBCとの重合体組成物の調整は、通常公知の単軸もしくは2軸の溶融混合押出機や静的溶融混合機を利用して行うことができる。混合時の溶融温度は160〜220℃の範囲が好ましい。
なお、本発明の趣旨を損なわない範囲で、PPとSBCとの重合体組成物に、さらに他のオレフィン系エラストマー(例えばエチレンプロピレンコポリマー、エチレンブテンコポリマー)を5〜20重量%程度添加してもさしつかえない。また、シート間のブロッキングを防ぐために、容器の内面や外面を粗面化すること、アンチブロッキング剤やスリップ剤を添加することもあり得る。
本発明の医療用複室容器は、アミノ酸液とブドウ糖液の組合せの如く、混合時に変質の起こりやすい薬剤の組合せに有効であり、輸液のみならず血液分野にも適用され得る。
以下、本発明の医療用複室容器について、具体的な実施例によってさらに詳細に説明する。
[実験の材料と方法]
実施例1〜6、比較例1
(1)原料ポリマーの準備:使用した原料ポリマー(ペレット状)を表1に示す。
Figure 2006239436

(2)重合体組成物の調整:表1のPP(A1、A2)、SBC(B1〜B4)、アモルファスポリプロピレン(C)および低密度ポリエチレン(D)を原料とし、φ45mmの2軸溶融混練押出機を用いて、所定の割合で180〜200℃の温度範囲で混練し、押出されたストランドを水冷、カッティング、乾燥して表2に示すペレット状の重合体組成物を得た。
Figure 2006239436

(3)シートの作製:表1および/または表2のポリマーまたは重合体組成物を単層用または多層用のサーキュラーダイ(インフレダイ)に供給し、180〜200℃でチューブ状のシートを押出し、水冷リングで冷却後、厚さ0.33mm、折径200mmのシートを5m/分の速度で巻き取った。
(4)医療用複室容器の作製:(3)で得られたシートを300mm長に裁断し、中央部の幅7mmを温度120℃、圧力2Kg/cm、時間5秒の条件で熱シールし、接着部を形成した後、片方の室にアミノ酸3wt/v%水溶液、もう一方の室にブドウ糖15wt/v%水溶液を各400ml入れ、周縁部(両端)を幅10mm、温度160℃、圧力4Kg/cm、時間5秒の条件で熱シールし、図1に示す収容室5が2個の薬液入り医療用複室容器1を作製した。
(5)高圧蒸気滅菌:(4)の容器を高圧蒸気滅菌機に入れ、窒素雰囲気中で、温度110℃、ゲージ圧1.8Kg/cm、時間30分の条件において滅菌し、室温まで冷却した。
(6)容器の透明性の評価:(5)の容器を窒素雰囲気中で48時間放置した後、容器のシートの一部を切り取って、波長450mmにおける水中透過率を島津ダブルビーム型自記分光光度計UV−300にて測定し、透明性の尺度とした。
(7)容器の柔軟性の評価:(5)の容器のシートをダンベル状に裁断し、JIS K7113に準じて引張弾性率を測定し、柔軟性の尺度とした。
(8)シール強度の測定:(5)の容器の接着部および周縁部の部分を切り取り、300mm/分の速度で180゜剥離強度を測定した(表3の剥離強度は幅15mmに換算した値である)。
(9)容器の接着部の剥離性(連通性)の評価:(5)の容器を机の上に寝かせて置き、一方の収容室側を手で押さえる程度で、接着部が剥離するか否かを確認した(各例につき5回テストした)。
(10)重金属および溶出物試験:日本薬局方一般試験法「輸液用プラスチック試験法」に準じ、(3)で得られたシートについて試験を行った。
[実験結果]
[1] 重合体組成物の調整およびシートの押出し成形は順調で、異物、発泡などは観察されず、均一性に富む重合体組成物ペレットおよびシートがいずれの場合も得られた。
[2] いずれの組成においても重金属および溶出物は日本薬局方に適合することが確認された。
[3] 表3にシートの構成と高圧蒸気滅菌後の透明性(水中透過率)、柔軟性(引張弾性率)およびシール強度を示す。本発明における重合体組成物を使用した容器(実施例1〜6)は、いずれも透明性と柔軟性に優れていることがわかる。一方、ポリエチレンとポリエチレンとを組み合わせたもの(比較例1)は、透明性、柔軟性が劣るのは明らかである。
[4] 容器の接着部の剥離性(連通性)はいずれも(比較例を含めて)良好であり、容易に連通させることができた(表3のシール強度もこれを裏付けている)。
Figure 2006239436
本発明の医療用複室容器の一実施例を示す正面図である。 同実施例のA−A線断面図である。
符号の説明
1 医療用複室容器
2 排出口
3 周縁部
4 接着部
5 収容室

Claims (3)

  1. 相対する内壁面が、剥離可能な接着部によって仕切られ、複数の収容室に区画されている医療用複室容器であって、前記内壁面がポリプロピレン系ポリマーとスチレン系熱可塑性エラストマーとの重合体組成物からなることを特徴とする医療用複室容器。
  2. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリスチレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレンプロピレンコポリマー−ポリスチレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリエチレン)およびブロック(ポリスチレン−エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)の群より選ばれた少なくとも一つのブロックコポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の医療用複室容器。
  3. 前記ポリプロピレン系ポリマーと前記スチレン系熱可塑性エラストマーとの重合体組成物中の該スチレン系熱可塑性エラストマーの含量が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用複室容器。
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