JP2006238624A - ステータコアへの巻線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 太い導線であっても、導線ガイド筒を通してノズルの基端部にスムーズに挿入することができ、導線の損傷を効果的に防止できるようにした巻線装置を提供する。
【解決手段】 この巻線装置は、ステータコアの中心に同軸的に配設され、所定角度で揺動すると共に、軸方向に往復動作する導線ガイド筒12と、該導線ガイド筒の先端に装着されたノズルヘッド15と、このノズルヘッドを介して、前記導線ガイド筒に対してほぼ直交する方向に延出されると共に、前記導線ガイド筒に対して半径方向外方に出没可能に装着され、導線Wを前記導線ガイド筒に対してほぼ直交する方向へ繰り出すノズル30とを備えている。前記ノズルヘッドには、前記導線ガイド筒の挿通孔に対して、前記ノズルの基端部と対向する位置にリール46が装着されており、前記挿通孔を通して導入された導線が、前記リールを周回された後、前記ノズルの基端部に挿入されるように構成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ステータコアの内歯に導線を直接巻き付けてコイルを形成するための巻線装置に関する。
ステータコアの内歯に直接巻線してコイルを形成する巻線装置は、一般に、ステータコアの中心に同軸的に配置され、所定角度で揺動すると共に、軸方向に往復移動する導線ガイド筒と、この導線ガイド筒の先端に装着され、導線を前記導線ガイド筒に対してほぼ直交する方向に繰り出すノズルとを備えている。そして、上記導線ガイド筒の動きによってノズル先端を巻線すべきステータコアの内歯の回りに周回させ、ノズルから繰り出される導線を内歯に直接巻付けてコイルを形成するようになっている(下記特許文献1参照)。
また、ステータコアの内歯に導線を整列させて複数層に巻き付けるため、ステータコアの内歯の回りにノズルを周回させると共に、ノズルを半径方向に向けて往復動作させるようにしている。これによって、ステータコアのスロット内に占める導線の占積率(スペースファクタ)を高めて、ステータコアを利用したモータの性能を向上させることが可能となる(下記特許文献2参照)。
一方、ステータコアに巻き付けられる導線は、その外周に絶縁被膜が形成され、導線どうしや導線とステータコアとの接触部で電気的な短絡が生じないようにされている。しかしながら、導線ガイド筒を通して導線をノズルに導く過程で、導線の絶縁被膜が損傷すると、上記短絡が生じて製品不良となることがあった。このため、ノズルの基端側の開口部をテーパ状にして、導線が損傷することなくスムーズに挿入されるようにすることが知られている(下記特許文献3参照)。
特許第2813556号公報 特開2000−245121号公報 特開2002−325409号公報
近年、例えば自動車に搭載するパワーステアリングや、電気自動車用のモータとして、より太い導線が用いられるようになり、そのような太い導線を上記のような巻線装置でステータコアの内歯に巻き付けようとすると、導線が柔軟でないため、導線ガイド筒の先端部で、導線が略直角方向に進路を変えてノズルの基端部に挿入される部分で、導線とノズル基端部とが強く当り、導線の絶縁被膜が損傷することがあった。
したがって、本発明の目的は、例えば自動車用のモータ等に適用される太い導線であっても、導線ガイド筒を通してノズルの基端部にスムーズに挿入することができ、導線の損傷を効果的に防止できるようにした巻線装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によるステータコアへの巻線装置は、ステータコアの中心に同軸的に配設され、所定角度で揺動すると共に、軸方向に往復動作する導線ガイド筒と、該導線ガイド筒の先端に装着されたノズルヘッドと、このノズルヘッドを介して、前記導線ガイド筒に対してほぼ直交する方向に延出されると共に、前記導線ガイド筒に対して半径方向外方に出没可能に装着され、導線を前記導線ガイド筒に対してほぼ直交する方向へ繰り出すノズルとを備えたステータコアへの巻線装置において、前記ノズルヘッドには、前記導線ガイド筒の挿通孔に対して、前記ノズルの基端部と対向する位置にリールが装着されており、前記挿通孔を通して導入された導線が、前記リールを周回された後、前記ノズルの基端部に挿入されるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、導線ガイド筒の挿通孔を通して導入された導線が、挿通孔に対してノズルの基端部と対向する位置に配置されたリールに周回された後、ノズルの基端部に挿入されるので、導線が導線ガイド筒に対して直角方向に進路を変えてノズルに挿入される部分で、小さな曲率で曲げられることがなくなり、例えば自動車用のモータ等に適用される太い導線であっても、スムーズにノズルに導入させることができ、導線の絶縁被膜が損傷することを防止することができる。
本発明の実施に際して、前記リールは、前記導線ガイド筒及び前記ノズルに対して直角に交差する支軸を介して回転可能に支持されていることが好ましい。これによれば、リールを周回させた導線を、リールの接線方向に引出してノズルの基部に導入することができ、リールに無理な応力がかかることがなく、導線のガイドをスムーズに行わせることができる。
また、前記導線は、前記リールの前記導線ガイド筒の先端方向に位置する外周に巻き付けられた後、前記導線ガイド筒の基端方向に位置する外周から引出されて、前記ノズルの基端部に挿入されるように構成されていることが好ましい。これによれば、導線が導線ガイド筒の挿通孔から直接リールに巻き付けられて、リールを周回した後にノズルの基端部に挿入できるので、導線を無理なく曲げてノズルに導入することができ、導線をスムーズにガイドできると共に、絶縁被膜の損傷をより確実に防止できる。
また、前記ノズルは、前記ノズルヘッドに、前記導線ガイド筒に対して放射状をなして、複数本装着されており、各ノズルに対応してそれぞれ前記リールが装着されており、各リールの支軸の位置がそれぞれ前記導線ガイド筒の軸方向にずれていて、各リールを周回されて前記ノズルの基端部に挿入される導線どうしが接触しないように設定されていることが好ましい。これによれば、ステータコアの複数の内歯に同時に巻線を施すことができ、かつ、導線どうしが接触して絶縁被膜が損傷することを防止できる。
更に、前記ノズルの基端部には、前記導線ガイド筒の軸方向に沿った断面形状において、開口部に向かうほど広がる挿入口が設けられていることが好ましい。これによれば、リールを周回した導線を、ノズルの基端部からスムーズに導入することができる。
更に、前記リールの導線巻き付け面の直径が、線径の10倍以上とされていることが好ましく、10〜20倍とされていることがより好ましい。これによれば、導線の曲率を比較的大きくとれるので、曲げによる無理な応力や摩擦力がかからず、導線のガイドがスムーズになると共に、絶縁被膜の損傷を防止できる。
本発明によれば、導線ガイド筒の挿通孔を通して導入された導線が、挿通孔に対してノズルの基端部と対向する位置に配置されたリールに周回された後、ノズルの基端部に挿入されるので、例えば自動車用のモータ等に適用される太い導線であっても、スムーズにノズルに導入させることができ、導線の絶縁被膜の損傷を効果的に防止できる。それによって、例えば自動車用のモータ等に適用される太い導線であっても、ステータコアの内歯に容易にかつ生産性よく巻き付けることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。図10に示すように、本実施例で採用するステータコア1は、その内周に複数の内歯2が一定間隔置きに形成されており、この各内歯2間にスロット3が形成されている。そして、巻線装置のノズル30は、この内歯2を周回して、内歯2に対して導線Wを巻付けてコイルBを形成する。
図8に示すように、巻線装置10は、周囲がフレーム11で覆われており、導線ガイド筒12が図の上下方向に貫通されている。この導線ガイド筒12は、上記フレーム11の底面と上面に固設した軸受け13,14を介して上下方向及び回転方向へ摺動自在に支持されている。この導線ガイド筒12の下端に上記導線Wを取入れる導入口12aが開口され、また上端にノズルヘッド15が装着されている。このノズルヘッド15の周側面にノズル30が放射状に取付けられ、上記導入口12aから導入され、導線ガイド筒12内に導かれた上記導線Wは、上記ノズル30から供出されて、上記ステータコア1の内歯2に巻付けられる。
また、上記フレーム11の内部には、上記導線ガイド筒12を図の上下方向へ往復動作させる往復動作部16を内装する往復動作室11aと、この往復動作室11aの上部に設けられて上記導線ガイド筒12を軸周方向へ揺動させる揺動部17を内装する揺動室11bとが形成されている。
上記往復動作部16の回転軸18が、図1の紙面の奥の方へ延出されて、図示しない駆動装置に、同じく図示しないタイミングベルトを介して連設されており、また、この回転軸18の先端にクランク19が軸着されている。一方、上記往復動作室11aには、上記導線ガイド筒12を挟む両側にガイドレール20が併設され、このガイドレール20に両側をスライド自在に支持するスライダ21の中央に上記導線ガイド筒12が貫通固定され、更に、このスライダ21と上記クランク19とがクランクアーム22を介して連設されている。
また、上記揺動室11bには、ブラケット11cが立設され、このブラケット11cに、上記揺動部17の揺動スリーブ23が回転自在に支持されていると共に、揺動スリーブ23の内周には上記導線ガイド筒12がスプライン係合されている。更に、上記揺動室11bには、上記導線ガイド筒12に直交する方向(図1では、紙面の手前から奥の方向)へカム軸24が延出され、このカム軸24が図示しないタイミングベルトを介して上記回転軸18に連設されて同期回転される。
図9に示すように、上記カム軸24にはカムスリーブ25が軸着され、このカムスリーブ25にカム26が形成されている。このカム26は、上記カムスリーブ25の外周に周回状に形成されており、カム曲線部26aとカム直線部26bとが交互に連続されている。このカム26に、上記揺動スリーブ23に二股に取付けられている一対のカムフォロワ27が摺接されている。この一対のカムフォロワ27は上記カム26のテーパリブ26cを常に当接した状態、すなわちバックラッシ0の状態で挟持しており、上記カム26に対して常に拘束された状態にある。この場合、カム軸24を、図9中の矢印A方向に移動させることにより、カム26とカムフォロワ27とのバックラッシを取ることができる。なお、バックラッシ0でも、カム26とカムフォロワ27との回転方向が一方向なので回転することができる。
したがって、駆動装置によりタイミングベルト(いずれも図示せず)を介して、往復動作部16の回転軸18を回転させると、この回転軸18に固設されたクランク19が回転し、このクランク19にクランクアーム22を介して連設されたスライダ21が、その両側をガイドレール20に支持されて、図の上下方向へ往復動作する。
一方、上記回転軸18の回転は、図示しないタイミングベルトを介して揺動部17のカム軸24に伝達される。したがって、このカム軸24は上記回転軸18と同期回転する。このカム軸24が回転すると、このカム軸24に軸着するカムスリーブ25の外周に形成したカム26が、上記導線ガイド筒12に軸着されている揺動スリーブ23に取付けられているカムフォロワ27を介して上記導線ガイド筒12を揺動させる。
そして、導線ガイド筒12の上下方向への往復動作と揺動動作とによって、導線ガイド筒12のノズル30が、ステータコア1の内歯2を周回してコイルBを形成するようになっている。なお、上記往復動作部16が本発明におけるクランク機構を構成し、上記揺動部17が本発明におけるカム機構を構成している。
この場合、ノズル30は、例えば前記特開2000−245121号公報に示されるような機構によって、ノズル30が一周する毎に、ほぼ線幅に相当する距離だけ半径方向に移動して、導線を内歯2に整列させて巻き付け、更に内歯2に対して半径方向に往復移動させることにより、図10に示されるように、複数層に重ねて巻き付けるようになっている。上記往復移動機構については、上記公報に示されるように既に公知であるため、その説明を省略することにする。
図1、2に示すように、ノズルヘッド15は、円筒部材31と、この円筒部材31の外周に組付けられる3つの扇形部材32と、円筒部材31の上面に設置されるリールホルダ33とを有している。
図4を併せて参照すると、導線ガイド筒12の外周には、外筒41が装着されており、この外筒41の上端に拡径部41aが形成され、円筒部材31の下部がこの拡径部41a内に回転可能に挿入されている。また、円筒部材31は、止めネジ42によって導線ガイド筒12の上端に固着されている。更に、拡径部41aの下面から挿通された複数本のボルト34によって、扇形部材32が外筒41の上端に固着されている。なお、扇形部材32の下面から突出するピン43が、拡径部41aの図示しないガイド孔に挿入されて位置決めされるようになっている。
円筒部材31は、扇形部材32の内周が嵌合する環状の凹部35を有し、その上部には円盤状のノズルガイド36が一体に形成されている。ノズルガイド36は、放射状に伸びるガイド溝37を複数、この実施形態の場合3つ有している。各ガイド溝37に対して、径方向反対側には、後述するリールを挿入するための逃げ溝38が形成されている。円筒部材31の中心には、導線Wが挿通される挿通孔39が形成されている。
ノズル30は、ほぼ直方体状の基端部30aと、この基端部30aから半径方向外方に伸びる先端部30bと、基端部30aから先端部30b内を通る導線Wの挿通孔30cとを有している。更に、基端部30aの下面には、図4に示されるように、ローラ状のカムフォロア30eが装着されたピン30dが突設されている。ノズル30は、その基端部30aを上記ガイド溝37に挿入されて、半径方向外方に出没可能に装着されている。ノズル30の先端部30bは、導線ガイド筒12の軸方向に長い扁平な形状をなしている。なお、ノズル30の挿通孔30cは、その基部側の挿入口の内周が緩やかな角度で広がるテーパ状をなし、先端側の吐出口の内周も断面R形に広がっている。
扇形部材32の上面には、円弧状のカム溝40が形成されている。このカム溝40は、その一端が中心寄りに位置し、他端が外周寄りに位置している。そして、上記ノズル30のピン30dのカムフォロア30eが上記カム溝40に挿入されている。その結果、円筒部材31に対して、3つの扇形部材32が連結して構成される環状体が相対回転すると、カム溝40に挿入されたピン30dのカムフォロア30eを介して、図3に示すように、ノズル30が半径方向に往復移動するようになっている。3つの扇形部材32が連結して構成される環状体の相対回転は、外筒41を介して、前記特開2000−245121号公報に示されるような構造によって行わせることができる。
リールホルダ33は、中心に孔44を有する円筒形状をなし、その下部には、半径方向に等間隔で放射状に形成された複数、この実施形態の場合3つの保持溝45が形成されている。図4を併せて参照すると、各保持溝45には、支軸51を介してリール46が装着されている。この場合、リール46は、円筒部材31の挿通孔39を間に置いて、対応するノズル30とは半径方向に対して反対側に配置される。また、図6に示すように、3つのリール46は、支軸51の位置がそれぞれ高さ方向にずらされており、少しずつ異なる高さで支持されている。
なお、リール46の導線巻き付け面の直径は、線径の10倍以上が好ましく、10〜20倍であることがより好ましい。上記直径が線径の10倍未満では、導線Wの損傷を効果的に防止できず、上記直径が20倍を超えると、ノズルヘッド15が大型化し、ステータコアに挿入しにくくなるので好ましくない。
リールホルダ33の上部には、上記保持溝45と対向する位置に、導線Wの挿通作業をし易くするための補助溝47が形成されている。更に、リールホルダ33には、上下面を貫通する複数のボルト挿通孔48が形成され、これに対応して円筒部材31のノズルガイド36上面にはネジ孔49が形成されている。そして、取付けボルト50が上記ボルト挿通孔48を通して、上記ネジ孔49に螺着されることにより、リールホルダ33が円筒部材31に装着されている。なお、このとき、各リール46の下方突出部は、円筒部材31のノズルガイド36の逃げ溝38に挿入されるようになっている。
次に、この巻線装置10の作用について説明する。
図4に示すように、導線ガイド筒12内を挿通された導線Wは、円筒部材31の挿通孔39を通り、リールホルダ33に保持された対応するリール46の、導線ガイド筒12の先端方向に位置する外周に巻き付けられ、一周して、導線ガイド筒12の基端方向に位置する外周から引出されて、ノズル30の基端部30aから挿通孔30cに挿入される。
なお、この実施形態の場合、導線Wは、3本、導線ガイド筒12内に挿入されて、対応するリール46に巻き付けられた後、一周して、対応するノズル30に挿入されており、3本のノズル30からそれぞれ導線Wが引出されるようになっている。この場合、各リール46の支軸51の高さが少しずつずれているため、挿通孔39で交差する部分で、導線W同士が接触することを防止できる。
そして、前記図8,9に示した構造によって、ノズルヘッド15が揺動しつつ、軸方向に往復移動することにより、ノズル30の先端部30bが、ステータコア1の内歯2を周回することにより、導線Wが内歯2の外周に巻き付けられる。
このとき、前記外筒41を介して、扇形部材32が連結して構成される環状体が、円筒部材31に対して相対回転し、カム溝40に挿入されたピン30dのカムフォロア30eを介して、ノズル30が半径方向に往復移動する。この半径方向への移動は、ノズル30が内歯2を一周すると、導線Wの幅分だけ半径方向にずれるようになされ、その結果、導線Wは、図10に示したように、半径方向に整列して、しかも複数層に巻き付けられる。
図4は、3本のノズル30のうち、中間の高さに位置するノズル30が半径方向外方に最大限に突出した状態を示しており、図5は、同ノズル30が半径方向内方に最大限に没した状態を示している。このように、本発明の巻線装置によれば、導線Wをリール46に周回させて、ノズル30の基端部から挿通孔30cに挿入されるので、どちらの場合も、導線Wは、主としてリール46を周回する部分だけで屈曲する。このため、導線Wに無理な曲げ応力や摩擦力がかからず、例えば自動車用のモータ等に適用される太い導線であっても、導線の絶縁被膜の損傷を効果的に防止できると共に、巻線操作を高速でスムーズに行うことが可能となる。
図6、7は3つのノズル30に対応する各リール46の支持位置を重ね合わせて示す模式図であり、最も低い位置にあるリール46と、そのリール46に巻き付けられてノズル30に導入された導線Wを実線で示し、他の高さのリール46及び導線Wは想像線で示している。実線で示される最も低い位置にあるリール46の場合、導線Wは、リール46の下部外周から接線方向に引出され、ノズル30の挿通孔30cにやや斜め下方から挿入されるのであるが、ノズル30の挿通孔30cの挿入口の内周が緩やかな角度で広がるテーパ状をなしているため、ノズル30の挿入口に強く当ることはなく、ノズル30の挿通孔30cにほとんど直線状態で挿入することができる。
図6はノズル30が半径方向外方に最大限に突出した状態を示しており、図7はノズル30が半径方向内方に最大限に没した状態を示しているが、いずれの場合も、導線Wは、主としてリール46を周回する部分だけで屈曲するので、導線Wに無理な曲げ応力や摩擦力がかからず、前述した作用、効果が得られる。なお、リール46が最も高い位置に支持された場合においても同様な作用、効果が得られる。
図1〜10に示した本発明による巻線装置(実施例)と、巻線ヘッドを図11,12に示した構造とした巻線装置(比較例1)と、巻線ヘッドを図13に示した構造とした巻線装置(比較例2)とを用いて、線径1.45mmの導線Wを巻線するときのテンション(kg)をそれぞれ測定した。テンションの測定は、バックテンション装置の目盛を0にした状態で、ノズル出口から直角方向に引いたときの値を測定することによって行った。
比較例1の巻線装置は、図11、12に示すように、円筒部材31の挿通孔39の上端開口部に、断面が円弧状をなして広がる面取りがなされており、ノズル30の挿通孔30cの基端開口部も、断面が円弧状をなして広がった形状をなしている。図11は、ノズル30が半径方向外方に最大限に突出した状態を示しており、導線Wは、主としてA点とB点で屈曲してノズル30の挿通孔39に導入されている。図12は、ノズル30が半径方向内方に最大限に没した状態を示しているが、導線Wは、ノズル30の基端部内周に当接するB点で略直角方向に進路を変えて、挿通孔30cに挿入されている。このため、ノズル30の基端開口部内周で比較的小さい半径で屈曲されることになる。
比較例2の巻線装置は、図13に示すように、円筒部材31の挿通孔39の上端開口部内周に、比較的小さなリール52が回転可能に装着されている。導線Wは、円筒部材31の挿通孔39を通り、上記リール52に当接した後、ノズル30の挿通孔30cに導入されている。しかし、この巻線装置においても、図示を省略したが、ノズル30が、半径方向内方に最大限に没した状態になると、小さなリール52に当接する部分で、かなり小さな半径で屈曲されてノズル30の挿通孔30cに導入されることになる。
実施例、比較例1及び比較例2のそれぞれの巻線装置によって、導線Wのテンションを測定した結果を下記に示す。
(1)実施例の巻線装置の場合
ノズル30が半径方向外方に最大限に突出されたとき(図4参照)…8kg
ノズル30が半径方向内方に最大限に没したとき(図5参照)…8kg
(2)比較例1の巻線装置の場合
ノズル30が半径方向外方に最大限に突出されたとき(図11参照)…12.5kg
ノズル30が半径方向内方に最大限に没したとき(図12参照)…14.5kg
(3)比較例2の巻線装置の場合
ノズル30が半径方向外方に最大限に突出されたとき(図13参照)…11.0kg
ノズル30が半径方向内方に最大限に没したとき(図省略)…12.0kg
上記実施例の巻線装置においては、リールの径が大きくなることにより、曲率半径が大きくなるので、導線を曲げる力が小さくなる。また、比較例1のような滑り摩擦では、摩擦係数μ=0.1〜0.2であるが、実施例及び比較例2のような転がり摩擦では、摩擦係数μ=0.01〜0.05である。このため、実施例の巻線装置は、導線のテンションが比較例1,2に比べて顕著に小さくなっている。また、ノズル30の位置によってテンションは全く変わらない。
これに対して、比較例1の巻線装置では、滑り摩擦が働くため、導線のテンションが最も大きくなり、ノズルが引っ込んだときには導線がほぼ直角に曲げられるため、更にテンションが大きくなり、ノズルの位置によってテンションが大きく変化する。このようにテンションが変化すると、ステータコアの内歯の外径側を巻線するときと、内径側を巻線するときとで、導線にかかるテンションが変化することなり、導線の伸びやたるみによってその整列が乱れてしまう可能性がある。
また、比較例2の巻線装置では、転がり摩擦ではあるものの、リールの取付位置の関係からリール径を大きくすることができないので、曲率半径が小さくなり、導線を曲げる力が必要になるため、実施例の巻線装置に比べて、テンションはかなり大きくなっている。
このように、本発明の巻線装置によれば、巻線操作に伴って導線Wをノズルから引出すために導線Wにかかるテンションを、顕著に減少させることができ、しかもノズル位置によるテンションの変化がほとんど生じないので、導線Wの絶縁被膜の損傷を防止し、導線Wの伸びによる線径減少等も最小限に抑制することができ、導線をステータコアの内歯に整列して巻き付けることが可能となる。
本発明は、ステータコアの内歯に導線を直接巻き付けてコイルを形成するための巻線方法及び巻線装置を提供するものであり、特に自動車のパワーステアリング、電気自動車のモータ等のコンパクトで高性能であることが要求されるモータ用のステータコアの巻線に好適である。
本発明による巻線装置の一実施形態を示すノズルヘッドの分解斜視図である。 同巻線装置のノズルヘッドの斜視図である。 同巻線装置のノズルヘッドのノズルの中間高さ位置で切って見た断面図である。 同巻線装置のノズルが半径方向外方に最大限に突出した状態と、その状態にて中間高さのリールを介して供給される導線の経路を示すノズルヘッドの縦断面図である。 同巻線装置のノズルが半径方向内方に最大限に没した状態と、その状態にて中間高さのリールを介して供給される導線の経路を示すノズルヘッドの縦断面図である。 同巻線装置のノズルが半径方向外方に最大限に突出した状態と、その状態にて低い位置のリールを介して供給される導線の経路を示すノズルヘッドの縦断面図である。 同巻線装置のノズルが半径方向内方に最大限に没した状態と、その状態にて低い位置のリールを介して供給される導線の経路を示すノズルヘッドの縦断面図である。 同巻線装置の駆動機構の概略構成を示す模式断面図である。 同巻線装置の揺動機構に用いられるカムを示す説明図である。 同巻線装置によりステータコアの内歯に巻線する状態を示す説明図である。 導線にかかるテンションの比較に用いた比較例1のノズルヘッドであって、ノズルが半径方向外方に最大限に突出した状態を示す説明図である。 導線にかかるテンションの比較に用いた比較例1のノズルヘッドであって、ノズルが半径方向内方に最大限に没した状態を示す説明図である。 導線にかかるテンションの比較に用いた比較例2のノズルヘッドであって、ノズルが半径方向外方に最大限に突出した状態を示す説明図である。
符号の説明
1 ステータコア
2 内歯
3 スロット
10 巻線装置
11 フレーム
11a 往復動作室
11b 揺動室
12 導線ガイド筒
15 ノズルヘッド
16 往復動作部
17 揺動部
18 回転軸
19 クランク
20 ガイドレール
21 スライダ
22 クランクアーム
23 揺動スリーブ
24 カム軸
25 カムスリーブ
26 カム
26a カム曲線部
26b カム直線部
26c テーパリブ
27 カムフォロワ
30e カムフォロア
30 ノズル
30d ピン
30a 基端部
30b 先端部
30c 挿通孔
31 円筒部材
32 扇形部材
33 リールホルダ
34 ボルト
35 凹部
36 ノズルガイド
37 ガイド溝
38 溝
39 挿通孔
40 カム溝
41 外筒
41a 拡径部
42 ネジ
43 ピン
44 孔
45 保持溝
46 リール
47 補助溝
48 ボルト挿通孔
49 ネジ孔
50 ボルト
51 支軸
52 リール
W 導線

Claims (6)

  1. ステータコアの中心に同軸的に配設され、所定角度で揺動すると共に、軸方向に往復動作する導線ガイド筒と、該導線ガイド筒の先端に装着されたノズルヘッドと、このノズルヘッドを介して、前記導線ガイド筒に対してほぼ直交する方向に延出されると共に、前記導線ガイド筒に対して半径方向外方に出没可能に装着され、導線を前記導線ガイド筒に対してほぼ直交する方向へ繰り出すノズルとを備えたステータコアへの巻線装置において、
    前記ノズルヘッドには、前記導線ガイド筒の挿通孔に対して、前記ノズルの基端部と対向する位置にリールが装着されており、前記挿通孔を通して導入された導線が、前記リールを周回された後、前記ノズルの基端部に挿入されるように構成されていることを特徴とするステータコアへの巻線装置。
  2. 前記リールは、前記導線ガイド筒及び前記ノズルに対して直角に交差する支軸を介して回転可能に支持されている請求項1記載のステータコアへの巻線装置。
  3. 前記導線は、前記リールの前記導線ガイド筒の先端方向に位置する外周に巻き付けられた後、前記導線ガイド筒の基端方向に位置する外周から引出されて、前記ノズルの基端部に挿入されるように構成されている請求項1又は2記載のステータコアへの巻線装置。
  4. 前記ノズルは、前記ノズルヘッドに、前記導線ガイド筒に対して放射状をなして、複数本装着されており、各ノズルに対応してそれぞれ前記リールが装着されており、各リールの支軸の位置がそれぞれ前記導線ガイド筒の軸方向にずれていて、各リールを周回されて前記ノズルの基端部に挿入される導線どうしが接触しないように設定されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のステータコアへの巻線装置。
  5. 前記ノズルの基端部には、前記導線ガイド筒の軸方向に沿った断面形状において、開口部に向かうほど広がる挿入口が設けられている請求項1〜4のいずれか1つに記載のステータコアへの巻線装置。
  6. 前記リールの導線巻き付け面の直径が、導線の線径の10倍以上とされている請求項1〜5のいずれか1つに記載のステータコアへの巻線装置。
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