JP2006237979A - アンテナ装置の取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 GPSアンテナの指向性歪みや軸比を改善する。
【解決手段】 金属製ブラケット3は、GPSアンテナ1を挿入するための貫通穴3cを有し、パッチアンテナ11が搭載されたガラスエポキシ基板10と金属製ブラケット3とが同一平面となるように、GPSアンテナ1が金属製ブラケット3の貫通穴3cに挿入固定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 金属製ブラケット3は、GPSアンテナ1を挿入するための貫通穴3cを有し、パッチアンテナ11が搭載されたガラスエポキシ基板10と金属製ブラケット3とが同一平面となるように、GPSアンテナ1が金属製ブラケット3の貫通穴3cに挿入固定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ブラケット等の取り付け部材へのアンテナ装置の取り付け構造に関する。
従来、GPSアンテナなど各種アンテナ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
カーナビゲーション装置等で用いられるGPSアンテナは、金属製ブラケット等の取り付け部材を用いて車両等に取り付けられる。
図5に、GPSアンテナが金属製ブラケットに取り付けられた状態を示す。(a)は、GPSアンテナを金属製ブラケットの表面(GPSアンテナの電波受信面)側から見た図、(b)は、GPSアンテナを金属製ブラケットの裏面側から見た図、(c)は、(b)のA−A線に沿った概略断面図である。
図5に示すように、GPSアンテナ1は、金属製ブラケット3の表面に取り付け付けられている。
GPSアンテナ1は、ガラスエポキシ基板10、GPS信号を受信するための小型のパッチアンテナ11、パッチアンテナ11によって受信された信号を低雑音、高利得で増幅するLNA(低雑音増幅器)13等の回路部品および同軸ケーブル2を備えている。
ガラスエポキシ基板10は、表面(図中Z方向の面)に銅箔パターンによってグランド面10aが形成され、このグランド面10a上にパッチアンテナ11が搭載されている。
パッチアンテナ11は、セラミック等によって構成される誘電体11bと、この誘電体11bの表面に形成された放射器11aを有している。この放射器11aの水平方向(図面Y方向)の長さd(後述する図6に示す)は、受信電波の半波長(波長の1/2)となるように構成されている。
パッチアンテナ11とガラスエポキシ基板10には、パッチアンテナ11の入力インピーダンスが50Ωとなる位置に貫通穴(図示せず)が設けられ、この貫通穴を貫通するように給電ピン12が設けられている。この給電ピンを介してパッチアンテナ11によって受信された信号がLNA13に伝達される。
また、ガラスエポキシ基板10の裏面には、LNA13等の回路部品が搭載され、これらの回路部品は、LNA13の発振を防止するため金属製のシールドケース14によって覆われている。なお、このシールドケース14とガラスエポキシ基板10の接触部は半田15によって隙間なくシールドされている。また、LNA13の出力端子(図示せず)には同軸ケーブル2が接続され、LNA13によって増幅された信号は、この同軸ケーブル2を介してGPS受信機へ出力される。また、この同軸ケーブルを介してLNA13に一定電圧(例えば、4.5V)が供給される。
上記したガラスエポキシ基板10、パッチアンテナ11、給電ピン12、LNA13等の回路部品、シールドケース14等は、アンテナパッチ11やLNA13を衝撃から保護するため、あるいは、見栄えを保つため、樹脂製の樹脂ケース16および樹脂ベース17から成る筐体内に収容されている。
樹脂ベース17の底面には、GPSアンテナ1をネジ固定するためのネジ穴17aが形成されている。
GPSアンテナ1は、筐体の底面、すなわち樹脂ベース17の底面に形成されたネジ穴17aを利用して、金属製ブラケット3の裏面側から複数のネジ4を用いて金属製ブラケット3に取り付けられる。
このような取り付け構造では、導電性の金属製ブラケット3の上部にガラスエポキシ基板10の表面に形成されたグランド面10aが位置するため、金属製ブラケット3を1階のグランド面、グランド面10aを2階のグランド面としたような2階建て構造となっている。また、GPSアンテナ1の同軸ケーブル2は、金属製ブラケット3の表面側に位置する構造となっている。
特許第3508352号公報
図5に示したGPSアンテナ1のように、放射器11aの水平方向(図面Y方向)の長さd(後述する図6に示す)が受信電波の半波長となるように構成されたパッチアンテナ11の放射器11aは、受信電波を受信すると基本モードで励振する。なお、パッチアンテナとは、有限地板と平行に長さdが1/2波長の導電体の放射器を備えた誘電体を置き、その放射器を励振することで電波を効率良く放射するものである。
図6に、パッチアンテナ11の放射器11aが基本モードで励振した場合の電界分布の様子を示す。(a)は、パッチアンテナ11の電界分布を上から見た図、(b)は、(a)のB方向から見たパッチアンテナ11の電界分布を示す図である。
放射器11aが基本モードで励振すると、図6(a)、(b)に示すような電界Eが発生する。すなわち、放射器11aが基本モードで励振すると、図6(a)、(b)に示すような電界Eが発生し、この電界Eの発生により、放射器11aの図面左端の電位が最小(負の電位)、放射器11aの図面右端の電位が最大(正の電位)となり、図6(b)に示すように、放射器11aの図面左端ではガラスエポキシ基板10から放射器11aに向かう電界Eが発生し、放射器11aの図面右端では放射器11aからガラスエポキシ基板10に向かう電界Eが発生する。また、このような電界Eはパッチアンテナ11の端部において、図6(b)に示すように、パッチアンテナ11の誘電体11bの外側に広がるように発生する。
しかし、図5に示したように金属製ブラケット3とガラスエポキシ基板10のグランド面10aとが2階建て構造となるようにGPSアンテナが金属製ブラケット3に取り付けられると、図7に示すように、ガラスエポキシ基板10のグランド面10aと金属製ブラケット3との間に電界E1が発生し、この電界E1によってパッチアンテナ11から放射される電界Eを乱してしまい、GPSアンテナの指向性歪みや軸比を悪化させてしまう。
また、図5に示したように、金属製ブラケット3の表面側に同軸ケーブル2が位置するようなGPSアンテナの取り付け構造では、図7に示すように、パッチアンテナ11の誘電体11bの外側に広がるように発生する電界Eがガラスエポキシ基板10の外側に漏れると、漏れた電界E2が同軸アンテナ2に反射して、パッチアンテナ11から放射される電界Eを乱してしまい、GPSアンテナの指向性歪みや軸比を悪化させてしまう。
本発明は上記問題に鑑みたもので、アンテナ装置の指向性歪みや軸比を改善することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、導電性ブラケットへのアンテナ装置の取り付け構造であって、アンテナ装置は、アンテナ素子が搭載された基板を有し、導電性ブラケットは、アンテナ装置を挿入するための貫通穴を有し、アンテナ素子が搭載された基板と導電性ブラケットとが同一平面となるように、アンテナ装置がブラケットの貫通穴に挿入固定されていることを特徴としている。
このように、アンテナ素子が搭載された基板と導電性ブラケットとが同一平面となるように、アンテナ装置がブラケットの貫通穴に挿入固定されているので、導電性ブラケットによるアンテナ素子から放射される電界の乱れを低減することができ、アンテナ装置の指向性歪みや軸比を改善することができる。
なお、ここでいう「同一平面」は、厳密に「同一平面」になっている必要はなく、導電性ブラケットによるアンテナ素子から放射される電界の乱れを低減することができる範囲でおよそ「同一平面」となっていればよい。
また、請求項2に記載の発明のように、ケーブルは、同一平面に対してアンテナ素子が搭載された側と反対側に位置するので、ケーブルによってアンテナ素子から放射される電界が乱されることがなく、GPSアンテナの指向性歪みや軸比を改善することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、筐体の外面のうち基板とアンテナ素子との積層方向に対して垂直な面にネジが螺合されているので、アンテナ装置を導電性ブラケットに取り付けても、ネジの頭部によって全体の積層方向の高さが高くなるといったことがなく、薄型化が可能である。
本発明の一実施形態に係るアンテナ装置としてのGPSアンテナ装置が金属製ブラケットに取り付けられた状態を図1に示す。(a)は、GPSアンテナを金属製ブラケットの表面(GPSアンテナの電波受信面)側から見た図、(b)は、GPSアンテナを金属製ブラケットの裏面側から見た図、(c)は、(b)のA−A線に沿った概略断面図である。本実施形態に係るGPSアンテナ1については、図5に示した従来技術のGPSアンテナ1と比較して、樹脂ベース17に形成されたネジ穴17aの位置が異なるが、その他の部分は同じであるため、同一符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態におけるGPSアンテナ1の樹脂ベース17は、側面に2つのネジ穴17aが形成されている。
金属製ブラケット3には、GPSアンテナ1を挿入する貫通穴3cが形成され、この貫通穴3cの一辺にはGPSアンテナ1をネジ固定するための2つネジ穴が形成されたL字形状の取り付け部3aが形成されている。なお、このL字形状の取り付け部3aには、同軸ケーブル2が当接しないように切り欠き部(図示せず)が形成されている。
GPSアンテナ1は、パッチアンテナ11が搭載されたガラスエポキシ基板10と導電性の金属製ブラケット3とが同一平面となるように、金属製ブラケット3に形成された貫通穴3cに挿入固定されている。
また、同軸ケーブル2は、金属製ブラケット3の裏面(パッチアンテナ11の電波受信面と反対側の面)に位置している。すなわち、同軸ケーブル2は、上記同一平面に対してパッチアンテナ11が搭載された面と反対側に位置している。
また、GPSアンテナ1は、同軸ケーブル2が金属製ブラケット3の裏面(パッチアンテナ11の電波受信面と反対側の面)に位置するように取り付けられている。すなわち、GPSアンテナ1は、金属製ブラケット3のガラスエポキシ基板10におけるパッチアンテナ11の搭載面と同一面の反対側に同軸ケーブル2が位置するように取り付けられている。
GPSアンテナ1を金属製ブラケット3への取り付ける場合、図2に示すように、金属製ブラケット3の裏面側から金属製ブラケット3の貫通穴3cにGPSアンテナ1を挿入し、樹脂ベース17の側面に形成されたネジ穴17aとL字形状の取り付け部3aに形成されたネジ穴を一致させ、これらのネジ穴にネジ4を挿入してネジ固定する。
上記したように、金属製ブラケット3は、GPSアンテナ1を挿入するための貫通穴3cを有し、パッチアンテナ11が搭載されたガラスエポキシ基板10と金属製ブラケット3とが同一平面となるように、GPSアンテナ1が金属製ブラケット3の貫通穴3cに挿入固定される。このように、パッチアンテナ11が搭載されたガラスエポキシ基板10と金属製ブラケット3とが同一平面となるようにGPSアンテナ1が金属製ブラケット3に挿入固定されるので、金属製ブラケット3によるパッチアンテナ11から放射される電界の乱れを低減することができ、GPSアンテナの指向性歪みや軸比を改善することができる。
また、GPSアンテナ1が金属製ブラケット3の貫通穴3cに挿入固定されるので、GPSアンテナ1を金属製ブラケット3に取り付けても、金属製ブラケット3の厚みによって全体の高さ(Z方向の長さ)が高くなるといったことがなく、図5に示したような取り付け構造と比較して薄型化が可能である。
また、GPSアンテナ1は、金属製ブラケット3のガラスエポキシ基板10におけるパッチアンテナ11の搭載面と同一面の反対側に同軸ケーブル2が位置するように取り付けられているので、同軸アンテナ2によってパッチアンテナ11から放射される電界が乱されることがなく、GPSアンテナの指向性歪みや軸比を改善することができる。
また、GPSアンテナ1は、パッチアンテナ11とガラスエポキシ基板10を収納する筐体を有し、この筐体の外面のうちガラスエポキシ基板10とパッチアンテナ11との積層方向に対して垂直な面にネジ4が螺合されているので、GPSアンテナ1を金属製ブラケット3に取り付けても、ネジ4の頭部によって全体の積層方向の高さが高くなるといったことがなく、図5に示したような取り付け構造と比較して薄型化が可能である。
図3に、従来構造と新機構造の指向性の測定結果を示す。なお、従来構造は図5に示したGPSアンテナの取り付け構造で、新機構造は図1に示したGPSアンテナの取り付け構造である。また、図3の縦軸(利得)は、パッチアンテナ11aの利得とLNA13の利得の合計から同軸ケーブル2の損失を引いた総合の利得で、図3の横軸(角度)は、放射器の鉛直方向(Z方向)と受信電波の方向とのなす角である。
図3に示すように、従来構造の利得特性は、20〜70deg付近で凹凸が見られ、また、−90deg付近で大きく落ち込んでいるのに対し、新規構造の利得特性は、従来構造の利得特性のような20〜70deg付近における凹凸や−90deg付近の落ち込みが解消されていることが確認できる。このように、新規構造では利得特性が改善され、指向性歪みが改善される。
図4に、従来構造と新機構造の軸比の測定結果を示す。なお、図4の縦軸(軸比)は、楕円偏波のどの程度円偏波に近いかを表す指標で、図4の横軸(角度)は、放射器の鉛直方向(Z方向)と受信電波の方向とのなす角である。
図4に示すように、従来構造の軸比特性は、−80〜−90deg付近および80deg〜90deg付近で上昇(悪化)しているのに対し、新機構造の軸比特性は、従来構造の軸比特性のような−80〜−90deg付近および80deg〜90deg付近の上昇が解消されている。このように、軸比特性も改善されていることが確認できる。
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、パッチアンテナ11がアンテナ素子に相当し、金属製ブラケット3が導電性ブラケットに相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、アンテナ装置としてGPSアンテナを例に示したが、GPSアンテナに限定されることなく、例えば、放送用の電波を受信するアンテナ装置に適用してもよい。
また、上記実施形態では、GPSアンテナ1が同軸ケーブル2を有する例を示したが、同軸ケーブル以外のケーブルであってもよい。
また、上記実施形態では、金属製ブラケット3にGPSアンテナ1を取り付ける例を示したが、例えば、表面に導電性のグランド面が形成された樹脂製のブラケットにGPSアンテナ1を取り付ける場合に適用してもよい。
また、上記実施形態では、GPSアンテナ1を金属製ブラケット3にネジ4を用いて固定する例を示したが、例えば、接着剤、溶接などにより、固定してもよい。
1…GPSアンテナ、2…同軸ケーブル、3…金属製ブラケット、3a…取り付け部、
3c…貫通穴、4…ネジ、11…パッチアンテナ、11a…放射器、11b…誘電体、
12…給電ピン、13…LNA、14…シールドケース、15…半田、
16…樹脂ケース、17…樹脂ベース、17a…ネジ穴。
3c…貫通穴、4…ネジ、11…パッチアンテナ、11a…放射器、11b…誘電体、
12…給電ピン、13…LNA、14…シールドケース、15…半田、
16…樹脂ケース、17…樹脂ベース、17a…ネジ穴。
Claims (3)
- 導電性ブラケットへのアンテナ装置の取り付け構造であって、
前記アンテナ装置は、アンテナ素子が搭載された基板を有し、
前記導電性ブラケットは、前記アンテナ装置を挿入するための貫通穴を有し、
前記アンテナ素子が搭載された基板と前記導電性ブラケットとが同一平面となるように、前記アンテナ装置が前記ブラケットの前記貫通穴に挿入固定されていることを特徴とするアンテナ装置の取り付け構造。 - 前記アンテナ装置は、前記アンテナ素子が受信した信号を出力するケーブルを有し、
前記ケーブルは、前記同一平面に対して前記アンテナ素子が搭載された側と反対側に位置することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置の取り付け構造。 - 前記アンテナ装置は、前記アンテナ素子と前記基板を収納する筐体を有し、
前記筐体は、ネジによって前記導電性ブラケットに固定されており、
前記筐体の外面のうち前記基板と前記アンテナ素子との積層方向に対して垂直な面に前記ネジが螺合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置の取り付け構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005048832A JP2006237979A (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | アンテナ装置の取り付け構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010261867A (ja) * | 2009-05-08 | 2010-11-18 | Furuno Electric Co Ltd | レールふく進計測用gnss電波観測装置及びレールふく進計測システム |
-
2005
- 2005-02-24 JP JP2005048832A patent/JP2006237979A/ja not_active Withdrawn
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JP2010261867A (ja) * | 2009-05-08 | 2010-11-18 | Furuno Electric Co Ltd | レールふく進計測用gnss電波観測装置及びレールふく進計測システム |
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