JP2006237259A - レーザ処理システム及び処理工場 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レーザ装置が停止した場合でも、送光路の高精度な調整なしに処理装置にほぼ一定強度のレーザ光を供給して、処理装置の運転を継続させる。
【解決手段】 クリーンルームR1の床FL1上には複数の露光装置EX1〜EX3がX方向に沿って配設されている。また、床下ユーティリティ・ルームR2の床FL2上には複数のレーザ装置LA1〜LA3がX方向に沿って配設されており、床FL3上にはガイド軌道GRに沿ってX方向に移動可能な可動載置台TB上に載置されたスペアレーザ装置LA0が設けられている。スペアレーザ装置LA0をレーザ装置LA1〜LA3の何れかに対して所定の位置関係で位置決めし、ダクトD1〜D3の何れかとスペアレーザ装置LA0とを接続することによりレーザ装置を切り替える。
【選択図】 図1
【解決手段】 クリーンルームR1の床FL1上には複数の露光装置EX1〜EX3がX方向に沿って配設されている。また、床下ユーティリティ・ルームR2の床FL2上には複数のレーザ装置LA1〜LA3がX方向に沿って配設されており、床FL3上にはガイド軌道GRに沿ってX方向に移動可能な可動載置台TB上に載置されたスペアレーザ装置LA0が設けられている。スペアレーザ装置LA0をレーザ装置LA1〜LA3の何れかに対して所定の位置関係で位置決めし、ダクトD1〜D3の何れかとスペアレーザ装置LA0とを接続することによりレーザ装置を切り替える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザ光を用いて物体に所定の処理を施すレーザ処理システム、及び当該レーザ処理システムを備える処理工場に関する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のデバイスは、処理装置を用いて基板等の物体に対して各種の処理を施すことにより製造される。処理装置が基板に対して施す処理は、例えば薄膜形成処理、フォトリソグラフィ処理、及び不純物の拡散処理等の処理があり、またこれらの処理を経た基板に形成された回路を検査・評価・修復(リペア)する処理がある。上記のフォトリソグラフィ処理では、処理装置の一種である露光装置を用いて、レーザ装置からのレーザ光をマスクに照射し、マスクのパターンを投影光学系を介して感光剤が塗布された基板上のショット領域に転写する露光処理が行われる。
デバイスの製造効率を向上させるために、フォトリソグラフィ処理を行うラインにおいては複数台の露光装置が設置されており、露光装置にレーザ光を供給するレーザ装置も複数台設置されている。近年においては、スループット(単位時間に露光処理することができる基板の枚数)を向上させるためにレーザ装置の大出力化が図られており、これに伴ってレーザ装置が大型化する傾向にある。このため、処理システムが設置される処理工場は、クリーンルームの床下にユーティリティ・ルームを設け、露光装置本体をクリーンルームに設置するとともにレーザ装置をユーティリティ・ルームに設置して、レーザ装置で発生したレーザ光をダクト等で遮蔽して露光装置本体まで導く構成にされることが多く、このような構成とすることにより、クリーンルーム内に設置する露光装置の台数を増加させるとともに、クリーンルーム内での露光装置の配置自由度を増すことができる。
ところで、レーザ装置が故障した場合、又はレーザ装置の保守が必要な場合には、そのレーザ装置に接続されている露光装置は、レーザ光の供給を受けることができないので、露光処理も必然的に中断されることになり、スループットが低下する。この点を改善するための技術として、以下の特許文献1には、n(nは正の整数)台の露光装置に対してm(m>n)台のレーザ装置を設けて(m−n)台のレーザ装置をスペアのレーザ装置としておき、切り替えミラーによって(m−n)台のスペアのレーザ装置で発生するレーザ光をn台の露光装置の何れにも供給可能としたものが開示されている。
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術は、装置構成を大掛かりにすることなく露光装置の運転を継続できるという利点を有しているものの、スペアのレーザ装置から各露光装置までのレーザ光の送光路長が異なる場合があり、送光路長の差によって露光装置毎に到達するレーザ光の強度が異なってしまうという問題があった。また、切り替えミラー等を用いてレーザ光を反射させてレーザ光を送光する場合には、スペアのレーザ装置から各露光装置までの距離が大きく異なると、切り替えミラーは最も送光路長が長くなる光路を想定して精度設定をしなければならないため、切り替えミラーの取り付け調整が厳しくなり、また精度の維持も困難になるという問題が生じ得る。
よって本発明の目的は、一部のレーザ装置が停止した場合であっても、送光路の高精度な調整を必要とすることなく、処理装置に対してほぼ一定強度のレーザ光を継続して供給できるようにすることである。
特公平07−066903号公報
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す部材符号に対応付けて説明するが、本発明の各構成要件は、これら部材符号を付した図面に示す部材に限定されるものではない。
本発明の第1の観点によると、レーザ光を発生する複数のレーザ装置(LA0〜LA3)と、当該レーザ装置で発生したレーザ光を用いて物体に所定の処理を施す処理装置(EX1〜EX3)とを備えるレーザ処理システムにおいて、前記複数のレーザ装置のうちの少なくとも1つのレーザ装置(LA0)を載置して移動可能な可動載置台(TB)と、前記可動載置台を駆動して、前記少なくとも1つのレーザ装置を他のレーザ装置(LA1〜LA3)に対して所定の位置関係に配置する駆動装置(22、GR)とを備えるレーザ処理システムが提供される。
本発明の第2の観点によると、物体に所定の処理を施す処理工場であって、前記本発明の第1の観点に係るレーザ処理システムが備える前記処理装置を配設した第1の部屋(R1)と、前記第1の部屋に対して隔離され、前記レーザ装置を配設した第2の部屋(R2)とを備える処理工場が提供される。
前記第1又は前記第2の観点に係る発明では、可動載置台上に載置された少なくとも1つのレーザ装置を、他のレーザ装置に対して所定の位置関係に配置することができるので、他のレーザ装置の何れかが故障し、又は保守のために他のレーザ装置の何れかを停止させた場合に、可動載置台上のレーザ装置を当該故障等に係る他のレーザ装置に対して所定の位置関係に配置することにより、送光路の高精度な調整を行うこと無しに対応する処理装置へのレーザ光の供給を継続することができるようになる。
本発明によれば、複数のレーザ装置のうちの一部が故障又は停止した場合であっても、当該故障等に係るレーザ装置に対して所定の位置関係に配置された健全なレーザ装置により対応する処置装置に対するレーザ光の供給を送光路の高精度な調整を行うこと無しに継続することができるので、処理装置の稼働率の低下を最小限に抑えることができ、物体に施す所定の処理を高効率的に行うことができるようになるという効果がある。また、他のレーザ装置から処理装置までの光路長と、他のレーザ装置に対して所定の位置関係に配置された少なくとも1つのレーザ装置から処理装置までの光路の光路長とが殆ど変化しないため、処理装置に供給されるレーザ光の強度が殆ど変化しないという効果もある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、以下の説明においては、図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。以下の各図に示すXYZ直交座標系は、XY平面を水平面に平行な面に設定し、Z軸を鉛直上方向に設定している。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザ処理システム(露光処理システム)及び処理工場(半導体製造工場)の要部構成を示す正面図である。この処理工場は、少なくとも環境清浄度(クリーン度)と温度とが制御された第1の部屋としてのクリーンルームR1と、クリーンルームR1の床FL1の下方(−Z方向)に隣接して設置された第2の部屋としての床下ユーティリティ・ルームR2とを備えている。この床下ユーティリティ・ルームR2のクリーン度は、クリーンルームR1程は高く維持されていないことが多い。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザ処理システム(露光処理システム)及び処理工場(半導体製造工場)の要部構成を示す正面図である。この処理工場は、少なくとも環境清浄度(クリーン度)と温度とが制御された第1の部屋としてのクリーンルームR1と、クリーンルームR1の床FL1の下方(−Z方向)に隣接して設置された第2の部屋としての床下ユーティリティ・ルームR2とを備えている。この床下ユーティリティ・ルームR2のクリーン度は、クリーンルームR1程は高く維持されていないことが多い。
クリーンルームR1の床FL1上には処理装置としての複数の露光装置EX(図1においては露光装置EX1〜EX3のみを図示している)がX方向に沿って配設されている。また、床下ユーティリティ・ルームR2の床FL2上には複数のレーザ装置LA(図1においてはレーザ装置LA1〜LA3のみを図示している)がX方向に沿って配設されているとともに、床FL2の下方に段差をもって形成された床FL3上にはX方向に沿って移動可能なスペアレーザ装置LA0が設けられている。尚、以下では、説明の簡単のために、3つの露光装置EX1〜EX3と3つのレーザ装置LA1〜LA4及び1つのスペアレーザ装置LA0とが処理工場に設けられているものとして説明する。
レーザ装置LA1〜LA3は、露光装置EX1〜EX3に対応して設けられており、レーザ装置LA1はダクトD1を介して露光装置EX1と接続され、レーザ装置LA2はダクトD2を介して露光装置EX2と接続され、レーザ装置LA3はダクトD3を介して露光装置EX3と接続されている。尚、ダクトD1〜D3内には、各レーザ装置LA1〜LA3から供給されるレーザ光の吸収を防止するため、例えば窒素ガスが充填されている。
レーザ装置LA1〜LA3は、ArFエキシマレーザ光源(波長193nm)を備えており、各レーザ装置LA1〜LA3で発生したレーザ光は、折り曲げミラーを含むダクトD1〜D3の各々を介して露光装置EX1〜EX3に供給される。尚、本実施形態では、レーザ装置LA1〜LA3がArFエキシマレーザ光源を備える場合を例に挙げて説明するが、これ以外にKrFエキシマレーザ(波長248nm)、F2レーザ(波長157nm)、Kr2レーザ(波長146nm)、YAGレーザの高周波発生装置、若しくは半導体レーザの高周波発生装置を備える構成であっても良い。
露光装置EX1〜EX3は、レーザ装置LA1〜LA3からダクトD1〜D3を介してそれぞれ供給されるレーザ光を用いてマスクに形成されたパターンを基板上に露光転写する。露光装置EX1〜EX3には制御用のコンピュータC1〜C3がそれぞれ設けられており、このコンピュータC1〜C3は、レーザ装置LA1〜LA3にそれぞれ制御信号を出力してレーザ光の射出・停止を制御するとともに射出されるレーザ光の強度を制御する。また、コンピュータC1〜C3は、露光装置EX1〜EX3のそれぞれを構成する各部を制御して露光時の動作を制御する。また、露光装置EX1〜EX3には装置状態を表示する表示装置P1〜P3がそれぞれ設けられている。これらの表示装置P1〜P3は、例えば露光装置EX1〜EX3が正常状態で稼働している場合には青色発光し、警報状態の場合には黄色発光し、異常状態の場合には赤色発光してオペレータに装置状態を表示する。
なお、露光装置EX1〜EX3としては、周知のステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を使用するものとして説明を進める。露光装置の構成としては、周知の構成のものを使用するので、ここでの説明は省略する。
スペアレーザ装置LA0は、他のレーザ装置LA1〜LA3と同様にArFエキシマレーザ光源を備えており、可動載置台TB上に載置されている。可動載置台TBは、床FL3上にX方向に沿って敷設された案内軌道としてのガイド軌道GRに沿って移動可能に構成されている。可動載置台TBをガイド軌道GRに沿って移動させることにより、スペアレーザ装置LA0を他のレーザ装置LA1〜LA3の何れかの近傍に移動させて所定の精度で位置決めさせることが可能となる。
このスペアレーザ装置LA0は、露光装置EX1〜EX3に対応して設けられたレーザ装置LA1〜LA3の何れかが故障した場合、またはこれらのレーザ装置LA1〜LA3の何れかが保守のために動作を停止させなければならない場合に、当該故障等に係るレーザ装置に対応する露光装置にレーザ光を供給するためのものである。これにより、故障したレーザ装置の交換作業又はレーザ装置の保守が終了するまでの間もそのレーザ装置に対応する露光装置にレーザ光を供給することができるため、デバイスの製造効率の低下を防止することができる。
図2は、本発明の第1実施形態に係るレーザ処理システム及び処理工場の要部構成を示す側面図である。尚、図2においては、レーザ装置LA1の保守を行うために、スペアレーザ装置LA0をレーザ装置LA1の近傍に配置した状態を図示している。図2に示す通り、床下ユーティリティ・ルームR2には段差をもって床FL2,FL3が形成されており、相対的に上方に位置する床FL2上にはレーザ装置LA1等が配設されており、相対的に下方に位置する床FL3上にはガイド軌道GRが敷設されている。
可動載置台TBの底面には車輪20が設けられており、この車輪20がガイド軌道GRに形成された凹部21に沿ってX方向に移動することにより、スペアレーザ装置LA0がX方向に移動する。また、可動載置台TBの底面とガイド軌道GRとの間には、可動載置台TBをX方向に駆動する駆動装置22が設けられている。この駆動装置22は、例えばモータ、アクチュエータ等を含んで構成され、駆動装置22で発生した推力により可動載置台TBがX方向に移動する。尚、駆動装置22は、モータ等を可動載置台TBに備えて可動載置台TBを自走させる構成でもよく、モータ等をガイド軌道GR側に設けてチェーン又はベルトを用いたベルトコンベア方式、ガイド軌道GR上にラックを固設し、可動載置台TB下部にピニオンギアを設け、ピニオンギアをモータドライブするラック・アンド・ピニオン方式等により可動載置台TBを移動させる構成でも良い。
駆動装置22によるスペアレーザ装置LA0の位置決め精度は、可動載置台TBの移動停止精度に依存するが、スペアレーザ装置LA0が大型で重量があるためにミリメートル単位以下の位置決め精度を望むことは一般には困難である。このため、本実施形態では、可動載置台TB上に微動機構23を備えており、この微動機構23上に設けられた微動テーブル24上にスペアレーザ装置LA0が搭載されている。微動機構23は、例えば油圧ピストンを含んで構成され、数センチメートルのストロークに亘って微動テーブル24上のスペアレーザ装置LA0をミリメートル単位以下の位置決め精度で位置決めする。
また、スペアレーザ装置LA0及びレーザ装置LA1(LA2,LA3)には、装置状態を表示する表示装置P10,P11〜P13(レーザ装置LA2,LA3に設けられる表示装置P12,P13の図示は省略)が設けられている。表示装置P10は、例えばスペアレーザ装置LA0の電源が投入されている場合には緑色発光し、レーザ光を発生している場合(発振中である場合)には黄色発光し、異常状態の場合には赤色発光してオペレータに装置状態を表示する。尚、表示装置P11〜P13も表示装置P10の表示と同様の表示を行う。また、レーザ装置LA1には、レーザ装置LA1の装置状態(発振状態)を制御し、装置状態を確認するための端末装置C11が設けられている。この端末装置C11と同様のものがレーザ装置LA2,LA3及びスペアレーザ装置LA0にも設けられている。
図2に示す通り、レーザ装置LA1とダクトD1とは光路切替機構25を介して接続されている。尚、レーザ装置LA2及びダクトD2、レーザ装置LA3及びダクトD3も同様の光路切替機構25を介して接続されている(図1参照)。この光路切替機構25は、レーザ装置LA1の射出端T1から射出されるレーザ光をダクトD1へ導くか、又はスペアレーザ装置LA0の射出端T0から射出されるレーザ光をダクトD1へ導くかを選択的に切り替えるものである。尚、レーザ装置LA1が射出端T1からレーザ光を射出する方向と、スペアレーザ装置LA0が射出端T0からレーザ光を射出する方向とは逆向きに設定されている。同様に、レーザ装置LA2,LA3がレーザ光を射出する方向とスペアレーザ装置LA0がレーザ光を射出する方向も逆向きに設定されている。
光路切替機構25はYZ平面内で回動可能に支持部材26に取り付けられており、光路切替機構25をYZ平面内で回転させて光路を切り替えることにより、レーザ装置LA1から射出されるレーザ光及びスペアレーザ装置LA0から射出されるレーザ光の何れか一方がダクトD1(ひいては露光装置EX1)に導かれる。図3は、光路切替機構25の内部構成を示す断面図であって、(a)はレーザ装置LA1の射出端T1とダクトD1とが接続されている状態を示す図であり、(b)はスペアレーザ装置LA0の射出端T0とダクトD1とを接続する状態を示す図である。
図3(a)に示す通り、光路切替機構25は光入出部T10,T11を備えている。この光入出部T10,T11は、レーザ装置LA1の射出端T1、スペアレーザ装置LA0の射出端T0、及びダクトD1よりも僅かに径が大に形成されている。また、光入出部T10,T11の断面形状は、レーザ装置LA1の射出端T1、スペアレーザ装置LA0の射出端T0、及びダクトD1の断面形状に応じて形成されており、例えば射出端T0,T1及びダクトD1の断面形状が円環形状であれば光入出部T10,T11も円環形状である。
光入出部T10の外周には光入出部T10の軸方向に摺動可能に構成されたカバー部材28が設けられている。同様に、光入出部T11の外周には光入出部T11の軸方向に摺動可能に構成されたカバー部材29が設けられている。前述した通り、ダクトD1の内部には、レーザ装置LA1から供給されるレーザ光の吸収を防止するため窒素ガスが充填される。この窒素ガスは、光路切替機構25内にも充填されるため、レーザ装置LA1の射出端T1と光路切替機構25の光入出部T10との間の隙間、及び光路切替機構25の光入出部T11とダクトD1との間の隙間からのガス漏れを抑えるためにカバー部材29が設けられている。
カバー部材28,29は、内径が光入出部T10,T11の外径とほぼ同一に形成された金属製の円環部材、又は可撓性を有する蛇腹を用いることができる。カバー部材28,29として金属製の円環部材を用いる場合には、外力が加わらない定常状態のときには、例えばバネ等を用いて、図3(a)に示す通り、カバー部材28,29が光入出部T10,T11の端部よりも外側に配置されるようにし、オペレータの操作により図中符号d1,d2を付した方向にカバー部材28,29をそれぞれ摺動可能な構成にすることが望ましい。かかる構成とすることで、オペレータが光路切替機構25を操作する場合には、カバー部材28,29をそれぞれ符号d1,d2を付した方向に摺動させ、切り替え操作を終えたときにカバー部材28,29から手を離せばバネ等の復元力により自動的にカバー部材28,29が定常状態に戻る。これにより、カバー部材28,29を操作する手間を簡略化することができる。
また、光路切替機構25内には、これら光入出部T10,T11の軸が交差する位置に、各々の軸に対して45°の角度をなして反射部材としての反射ミラー27が設けられている。図3(a)に示す通り、ダクトD1はその軸がZ方向に沿うように配置されている一方で、レーザ装置LA1及びスペアレーザ装置LA0のレーザ光の射出方向はY方向に沿う方向である。この反射ミラー27により、レーザ装置LA1又はスペアレーザ装置LA0からY方向に沿う方向に射出されたレーザ光を+Z方向に偏向させて床FL1上に設けられた露光装置EX1に向けて送光することができる。尚、光路切替機構25は、反射ミラー27上において光入出部T10,T11の軸が交差する点を中心としてYZ平面内において回動可能に構成されている。
図2に示す通り、駆動機構22によりスペアレーザ装置LA0がレーザ装置LA1の近傍に配置され、微動機構23によってX方向の位置が微調整された状態では、光路切替機構25の両側(±Y方向)にレーザ装置LA1の射出端T1とスペアレーザ装置LA0の射出端T0とが向き合った状態で配置されることになる。この状態では、レーザ装置LA1の射出端T1から射出されるレーザ光の光軸とスペアレーザ装置LA0の射出端T0から射出されるレーザ光の光軸とがほぼ同一直線上に配置される。
ダクトD1に接続されるレーザ装置をレーザ装置LA1からスペアレーザ装置LA0に切り替えるには、まずオペレータがレーザ装置LA1に設けられた表示装置P11によってレーザ装置LA1の装置状態を確認する。また、図示は省略しているが、レーザ装置LA1には射出端T1を遮蔽するシャッタが設けられているため、オペレータは端末装置C11を操作してシャッタを閉状態にする。更に、スペアレーザ装置LA0に設けられた表示装置P10によってスペアレーザ装置LA0の装置状態も確認する。
以上の作業を終了すると、オペレータは光路切替機構25のカバー部材28,29を図3(a)中の符号d1,d2を付した方向にそれぞれ摺動させ、カバー部材28,29がレーザ装置LA1の射出端T1及びダクトD1を覆っていない状態とする。次に、オペレータは光路切替機構25を図3(b)中の符号d3を付した方向に回転させることにより、光入出部28をダクトD1に向き合わせるとともに光入出部29をスペアレーザ装置LA0の射出端T0に向き合わせる。これにより内部の反射ミラー27も自ずと90°回転させられる。
その後、オペレータがカバー部材28,29から手を離すと、バネ等の復元力により自動的にカバー部材28,29が定常状態に戻り、カバー部材28がダクトD1の先端部を覆い、カバー部材29が射出端T0の先端部を覆う状態となる。これにより、ダクトD1にスペアレーザ装置LA0が接続された状態になる。この状態で、レーザ装置LA0の射出端T0を遮蔽するシャッタをレーザ装置LA0の端末装置を操作して開状態にした後に、スペアレーザ装置LA0を動作させて発振状態にすると、スペアレーザ装置LA0の射出端T0からレーザ光が射出され、このレーザ光は光路切替機構25に設けられた反射ミラー27で+Z方向に偏向され、ダクトD1を介して露光装置EX1に供給される。
尚、レーザ装置LA2をスペアレーザ装置LA0に切り替える場合、及びレーザ装置LA3をスペアレーザ装置LA0に切り替える場合の何れの場合も同様の作業により切り替えることができる。つまり、スペアレーザ装置LA0をレーザ装置LA2,LA3の近傍にそれぞれ配置し、レーザ装置LA2,LA3に対応して設けられた光路切替機構25に対して同様の操作を行えば、スペアレーザ装置LA0から射出されるレーザ光を露光装置EX2,EX3にそれぞれ供給することができる。
スペアレーザ装置LA0は、他の複数のレーザ装置LA1〜LA3が正常に稼働している間、省電力モードで自己発振(通常よりも相当に低い周波数)するスタンバイ状態で動作しているが、交換要求がホストコンピュータからくると、交換すべきレーザ装置(LA1〜LA3)のいずれか1つのビーム特性を引き継ぐように、各種のパラメータが設定される。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、床下ユーティリティ・ルームR2にスペアレーザ装置LA0を可動載置台TB上に搭載し、スペアレーザ装置LA0を他のレーザ装置LA1〜LA3に対して所定の位置関係に配置可能としている。このため、露光装置EX1〜EX3に対応して設けられたレーザ装置LA1〜LA3の何れかが故障し、又は保守のためにレーザ装置LA1〜LA3の何れかを停止させた場合であっても、送光路の高精度な調整無しにそのレーザ装置に対応する露光装置にレーザ光を供給することができる。これにより、露光装置の稼働率を大幅に低下させることがないため、デバイスを高効率的に製造することができる。また、光路切替機構25によって、例えばレーザ装置LA1をスペアレーザ装置LA0に切り替えてもレーザ光の光路長は殆ど変化しないため、露光装置に供給されるレーザ光の強度が大幅に変化することはない。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係るレーザ処理システム及び処理工場の要部構成を示す平面図である。尚、図4は、床下ユーティリティ・ルームR2の平面図であって、上記の第1実施形態で説明した構成に対応する構成については同一の符号を付してある。また、図4においては、レーザ装置LA1〜LA3及びスペアレーザ装置LA0を制御する制御系も図示している。本実施形態では、可動載置台TB上におけるスペアレーザ装置LA0の向きを90°回転させた配置とし、可動載置台TB及びガイド軌道GRのY方向に占める設置スペースを削減している。
図4は、本発明の第2実施形態に係るレーザ処理システム及び処理工場の要部構成を示す平面図である。尚、図4は、床下ユーティリティ・ルームR2の平面図であって、上記の第1実施形態で説明した構成に対応する構成については同一の符号を付してある。また、図4においては、レーザ装置LA1〜LA3及びスペアレーザ装置LA0を制御する制御系も図示している。本実施形態では、可動載置台TB上におけるスペアレーザ装置LA0の向きを90°回転させた配置とし、可動載置台TB及びガイド軌道GRのY方向に占める設置スペースを削減している。
この実施形態では、スペアレーザ装置LA0を90°回転させた配置としたことから、スペアレーザ装置LA0から+X方向にレーザ光が射出されてしまうため、可動載置台TB上にスペアレーザ装置LA0からのレーザ光を+Y方向に偏向するとともに、射出端T0におけるレーザ光の射出位置(ZX平面内の射出位置)を数センチメートル程度のストロークで微調整する微調整機構としての反射機構30を備えている。
図5は、反射機構30の構成を示す斜視図である。反射機構30は、入射部材41、第1固定反射部材42、接続部材43、第2固定反射部材44、第1可動反射部材45、第2可動反射部材46、第3固定反射部材47、射出部材48、及び駆動部材49を含んで構成される。入射部材41は、その軸がX方向に沿うようにスペアレーザ装置LA0と接続されており、スペアレーザ装置LA0から+X方向に射出されたレーザ光を反射機構30内に導くものである。第1固定反射部材42は、入射部材41と接続されており、内部に設けられた反射ミラーM1により+X方向に進むレーザ光を反射して+Y方向に偏向する。接続部材43は、その軸を入射部材41の軸と直交させて第1固定反射部材42に接続されており、反射ミラーM1によって+Y方向に進むレーザ光を第2固定反射部材44に導くものである。
第2固定反射部材44は、略L字形状の部材であって、その一端に接続部材43が接続される。また、第2固定反射部材44の上部には、第1可動反射部材45、第2可動反射部材46、第3固定反射部材47、及び駆動部材49が配置される。この第2固定部材44の内部には反射ミラーM2が設けられており、接続部材43を介して内部に入射したレーザ光を反射して+Z方向に偏向させる。
第1可動反射部材45は、内部に反射ミラーM3が設けられており、第2固定反射部材44の反射ミラーM2で+Z方向に偏向されたレーザ光を反射して+Y方向に偏向させる。第2可動反射部材46は、内部に反射ミラーM4が設けられており、第1可動反射部材45の反射ミラーM3で+Y方向に偏向されたレーザ光を反射して+X方向に偏向させる。第1可動反射部材45及び第2可動反射部材46は一体的にY方向に移動可能に構成されているとともに、第2可動反射部材46のみが独立してY方向に移動可能に構成されている。
第3固定反射部材47は、内部に反射ミラーM5が設けられており、第2可動反射部材46で+X方向に偏向されたレーザ光を反射して+Y方向に偏向させる。尚、第2可動反射部材46と第3固定反射部材47とは可撓性を有する蛇腹等により接続されており、この蛇腹内にレーザ光の光路が配置されている。これにより、第2可動反射部材46をY方向に自在に移動させることができ、第2可動反射部材46を移動させても第3固定反射部材47(ミラーM5)の位置変化が生ずることはない。
射出部材48は、その軸がY方向に沿うように第3固定反射部材47と接続されているとともに射出端T0(図4参照)と接続されており、反射ミラーM5で+Y方向に偏向されたレーザ光を射出端T0に導くものである。図5を参照すると、入射部材41の中を通るレーザ光の光軸と、射出部材48の中を通るレーザ光の光軸とは90°の角度をなしていることが分かる。駆動部材49は、第1可動反射部材45及び第2可動反射部材46を一体的にY方向に移動させて、又は第2可動反射部材46のみを独立してY方向に移動させて射出端T0におけるレーザ光の射出位置を微調整するものである。
図6は、第1可動反射部材45及び第2可動反射部材46を一体的に移動させてレーザ光の射出位置を調整する方法を説明するための側面図である。図6に示す通り、+Y方向に進むレーザ光は、第2固定反射部材44に設けられた反射ミラーM2によって反射されて+Z方向に偏向される。このレーザ光が第1可動反射部材45に入射すると、反射ミラーM3によって反射されて+Y方向に偏向される。反射ミラーM3によって+Y方向に偏向されたレーザ光は、第2可動反射部材46に設けられた反射ミラーM4によって+X方向に偏向され、次いで、第3固定反射部材47に設けられたM5で反射されて+Y方向に偏向される。
図6に示す通り、第1可動反射部材45及び第2可動反射部材46を一体的に+Y方向にΔ1だけ移動させると、反射ミラーM3,M4のY方向の位置が+Y方向にΔ1だけずれる。これによって、反射ミラーM2によって+Z方向に偏向されたレーザ光の反射ミラーM3への入射位置が下方(−Z方向)にΔ1だけずれる。このため、反射ミラーM3で+Y方向に偏向されたレーザ光の光路は移動前の光路(図中一点鎖線で示す光路)よりもΔ1だけ下方にずれ、反射ミラーM4への入射位置も下方にΔ1だけずれる。
その後、反射ミラーM4で+X方向に偏向されたレーザ光は、第3固定反射部材47に設けられた反射ミラーM5に入射するが、その入射位置は+Y方向及び−Z方向にΔ1だけずれる。この結果、射出部材48を通過するレーザ光の光路は移動前の光路に対して+X方向及び−Z方向にΔ1だけずれる。このように、第1可動反射部材45及び第2可動反射部材46を一体的に+Y方向にΔ1だけ移動させることにより、射出端T0におけるレーザ光の射出位置を+X方向及び−Z方向にΔ1だけずらすことができる。
図7は、第2可動反射部材46を独立して移動させてレーザ光の射出位置を調整する方法を説明するための平面図である。反射ミラーM2によって反射されて+Z方向に偏向されたレーザ光は、図7に示す通り、第1可動反射部材45に設けられた反射ミラーM3によって反射されて+Y方向に偏向される。反射ミラーM3によって+Y方向に偏向されたレーザ光は、第2可動反射部材46に設けられた反射ミラーM4によって+X方向に偏向される。その後、レーザ光は第3固定反射部材47に設けられた反射ミラーM5で反射されて+Y方向に偏向される。
図7に示す通り、第2可動反射部材46のみを独立して+Y方向にΔ2だけ移動させると、反射ミラーM4のY方向の位置が+Y方向にΔ2だけずれる。反射ミラーM4のY方向の位置がずれても反射ミラーM4に入射するレーザ光の入射位置は変化しないが、反射ミラーM4によって+X方向に偏向されたレーザ光の光路は、移動前の光路(図中一点鎖線で示す光路)よりもΔ2だけ+Y方向にずれて反射ミラーM5への入射位置も+Y方向にΔ2だけずれる。
その後、反射ミラーM5に入射したレーザ光は+Y方向に偏向されて射出部材48を通過することになるが、射出部材48を通過するレーザ光の光路は移動前の光路に対して+X方向にΔ2だけずれる。このように、第2可動反射部材46のみを独立して+Y方向にΔ2だけ移動させることにより、射出端T0におけるレーザ光の射出位置を+X方向にΔ2だけずらすことができる。
このように、駆動部材49によって第1可動反射部材45及び第2可動反射部材46の移動方向及び移動量を調整することにより、射出端T0におけるレーザの射出位置(XZ面内での位置)を微調整することができる。
図4に戻り、スペアレーザ装置LA0は内部に設けられたArFエキシマレーザ光源の発振状態(発振波長、強度)を制御する制御部C20を備えており、同様にレーザ装置LA1〜LA3は内部に設けられたArFエキシマレーザ光源の発振状態を制御する制御部C21〜C23を備えている。これら制御部C20〜C23は、処理工場内に敷設されたLAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワークNを介してホストコンピュータHCに接続されている。また、制御部C21〜C23は、専用線L1〜L3を介して対応する露光装置EX1〜EX3の制御用のコンピュータC1〜C3(図1参照)にそれぞれ接続されている。
更に、スペアレーザ装置LA0に設けられた制御部C20は、レーザ装置LA1〜LA3に設けられた制御部C21〜C23の何れかとケーブルL0によって接続可能に構成されている。例えば、図4に示す通り、オペレータが手動でスペアレーザ装置LA0の制御部C20とレーザ装置LA3に設けられた制御部C23とをケーブルL0により接続すれば、制御部20は制御部C23とカスケード接続(縦続接続)されてホストコンピュータHC及びレーザ装置LA3に対応する露光装置EX3に設けられた制御用のコンピュータC3との間で通信可能な状態となる。このようにカスケード接続を可能とすることにより、例えば露光装置EX3に設けられた制御用のコンピュータC3とレーザ装置LA3の制御部C23との接続を切り離すことなく、コンピュータC3とスペアレーザ装置LAの制御部C20との接続を行うことができる。
ホストコンピュータHCは、例えばクリーンルームR1内に配設されており、ネットワークNを介してレーザ装置LA1〜LA3の制御部C21〜C23と通信を行い、各レーザ装置LA1〜LA3の発振状態に関する情報を収集するとともに、収集した情報に基づいて各レーザ装置LA1〜LA3を制御する情報を送信する。また、ネットワークNを介してレーザ装置LA1〜LA3の制御部C21〜C23から収集した情報に基づいてスペアレーザ装置LA0のX方向の位置決めを制御する制御信号を制御装置CDに送信する。更に、図示は省略しているが、ホストコンピュータHCは露光装置EX1〜EX3に設けられた制御用のコンピュータC1〜C3と接続されており、ネットワークNを介してこれらと通信して各露光装置EX1〜EX3を統括的に制御するとともに、これらの稼働状態を把握し、又は予測する。
制御装置CDは、床下ユーティリティ・ルームR2に設けられており、ネットワークNを介してホストコンピュータHCから送られる制御信号に基づいて、可動載置台TBを駆動する駆動機構22及び微動機構23を駆動してスペアレーザ装置LA0の位置決めを制御するとともに、反射機構30に設けられた駆動部材49を駆動して射出端T0におけるレーザ光の射出位置を調整する。尚、駆動機構22、微動機構23、及び反射機構30には、可動載置台TB、微動テーブル24(図2参照)、並びに第1可動反射部材45及び第2可動反射部材46の位置を検出するエンコーダ等の検出装置がそれぞれ設けられており、制御装置CDは各検出装置の検出結果を参照しつつ駆動機構22、微動機構23、及び反射機構30の各々を制御する。
以上の構成において、ホストコンピュータHCは、ネットワークNを介した通信により、露光装置EX1〜EX3の稼働状況及びレーザ装置LA1〜LA3の発振状況を常時把握している。ここで、ホストコンピュータHCが、レーザ装置LA3に設けられた制御部C23から収集した情報に基づいて、レーザ装置LA3に対応する露光装置EX3を停止させなければならないと予測した場合には、ネットワークNを介してレーザ装置LA3の号機番号を制御装置CDに送信する。
この号機番号を受信すると、制御装置CDは、駆動機構22を駆動して可動載置台TBをレーザ装置LA3の近傍まで移動させ、その後に微動機構23を駆動してスペアレーザ装置LA0のX方向の位置を微調整し、スペアレーザ装置LA0をレーザ装置LA3に対して所定の位置関係に自動的に配置する。また、必要であれば、反射機構30に設けられた駆動部材49を駆動して射出端T0におけるレーザ光の射出位置を微調整する。
そして、ホストコンピュータHCはレーザ装置LA3を停止させるとともに、例えばホストコンピュータHCが備える表示装置にレーザ装置LA3の異常を示す内容を表示する。以上の動作が自動的に行われることにより、オペレータがホストコンピュータHCに設けられた表示装置の表示内容を参照して床下ユーティリティ・ルームR2に入ったときに、スペアレーザ装置LA0が配置されている位置によって交換すべきレーザ装置を容易に認識することができて直ちに異常が生じたレーザ装置の交換作業を行うことができる。
尚、以上の実施形態では、制御装置CDが、可動載置台TB(図4参照)、微動テーブル24(図2参照)、並びに第1可動反射部材45及び第2可動反射部材46の位置を検出するエンコーダ等の検出装置を参照しつつ駆動機構22、微動機構23、駆動部材49の各々を制御してスペアレーザ装置LA0を位置決めする場合を例に挙げて説明したが、スペアレーザ装置LA0の位置決め精度を高める場合には、図8に示すセンサの検出結果をフィードバックして制御することが望ましい。
図8は、スペアレーザ装置LA0の位置決め精度を高めるためのセンサの構成を示す平面図である。このセンサは、図8に示す通り、スペアレーザ装置LA0の射出端T0の周囲に設けられた複数の光センサ50と、光路切替機構25の光入出部T11の周囲に設けられたカバー部材29の周囲に取り付けられた複数の指標ミラー51とを含んで構成される。尚、光センサ50は、例えば発光素子と受光素子とを備える光カプラ、又は発光素子とCCD(電荷結合素子)等の撮像装置とを備える撮像装置、又はレーザ干渉計を用いることができる。この光センサ50の検出結果を用いて駆動機構22、微動機構23、駆動部材49の各々を制御することにより、より高い精度でスペアレーザ装置LA0を位置決めすることができる。
尚、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上記実施形態では露光装置EX(EX1〜EX3)が配設されたクリーンルームR1の床FL1の下方にレーザ装置LA(LA0〜LA4)が配設された床下ユーティリティ・ルームR2を備える構成について説明したが、ユーティリティ・ルームは必ずしもクリーンルームの床下に設ける必要はなく、クリーンルームの上方又は側方に隣接して設けた構成であっても良い。
また、上記実施形態では処理装置として露光装置EX1〜EX2を備える場合を例に挙げて説明したが、処理装置は露光装置(ステッパー、スキャナー、マスクレス等)に限られるものではない。例えば、ウエハ上に回路を形成するときに本来の素子部分に対して並列させて冗長部分を形成しておき、本来の素子部分に欠陥がある場合には、その素子部分をレーザ光により焼き切るレーザリペア装置、レーザ光を用いてウエハをエッチングするエッチング装置等の物体の少なくとも一部の形状を変えるレーザ加工機を処理装置として用いることができる。
また、上記の実施形態では、クリーンルームR1に3台の露光装置EX1〜EX3が配設され、床下ユーティリティ・ルームR2に3台のレーザ装置LA1〜LA3及び1台のスペアレーザ装置LA0が配設された構成を例に挙げて説明したが、本発明はクリーンルームR1にn(nは2以上の整数)台の稼働状態にある露光装置が配設されており、床下ユーティリティ・ルームR2にm(mはnより大きな整数)台のレーザ装置が配設されている場合に適用可能である。この場合には露光装置とレーザ装置との台数の差分(m−n)以下のレーザ装置をスペアレーザ装置として用いることになる。
また、上記実施形態では床下ユーティリティ・ルームR2の床R2上にガイド軌道GRを敷設した構成を例に挙げたが、ガイド軌道GRを床FL2と床FL3との間の段差部分又は床下ユーティリティ・ルームの壁面に設けても良い。更に、ガイド軌道GR及び駆動機構22を設けずに、可動載置台TBを完全に自立走行させるようにしても良い。可動載置台TBを自立走行させるには、床下ユーティリティ・ルームR2内における位置を高精度で検出する位置検出装置を可動載置台TBに備える必要がある。
また、上記実施形態では、オペレータが手動で光路切替機構25を操作してレーザ装置LA1〜LA3の何れかをスペアレーザ装置LA0に切り替える例を説明したが、例えば光路切替機構25を電動で回転させる機構を設けるとともにカバー部材28,29を電動で摺動させる機構を設けた構成にしても良い。かかる構成とすることで、オペレータの操作なしにレーザ装置LA1〜LA3の何れかをスペアレーザ装置LA0に切り替え、又はスペアレーザ装置LA0をレーザ装置LA1〜LA3の何れかに切り替えることができる。
また、上記実施形態では、ArFエキシマレーザ光源を備えるレーザ装置を床下ユーティリティ・ルームR2に配設し、このレーザ装置から供給される露光装置を例に挙げて説明したが、更なる微細化の要求に応えるためにEUVL(Extreme UltraViolet Lithography)露光装置が検討されている。このEUVL露光装置は、光源としてエキシマレーザの励起によるX線発生装置を用いるため、例えばX線発生装置を床下ユーティリティ・ルームR2のダクトD1〜D3の途中に取り付けた構成とすれば、励起用のエキシマレーザが故障した場合、又は保守のために停止させた場合の何れの場合であってもスペアレーザ装置LA0を用いることでEUVL露光装置を長時間に亘って停止させることなく稼働させることができる。
更に、レーザ装置LA1〜LA3から射出されるレーザ光とスペアレーザ装置LA0から射出されるレーザ光との間に僅かながら強度の差が生ずることがある。このため、光路切替機構25に設けられる反射ミラー27を高い反射率(例えば、99%)を有するビームスプリッタに代えるとともに、ビームスプリッタを透過したレーザ光の光量をモニタする光量センサを設けた構成とし、光量センサのモニタ結果に基づいてスペアレーザ装置LA0から射出されるレーザ光の強度を調整することが望ましい。或いは、レーザ装置LA1〜LA3及びスペアレーザ装置LA0から射出されるレーザ光の強度の差を予め求めてテーブルに記憶しておき、レーザ装置の切り替えを行ったときにテーブルを参照して強度調整を行うようにしても良い。
尚、床下ユーティリティ・ルームR2には、レーザ装置及びスペアレーザ装置以外に、コンプレッサ又は加熱器等を含む露光装置のチャンバー動力ユニット、露光装置で用いられる温調用のクーラント(冷却液)の供給回収装置も設けられる。更に、国際公開第99/49504号公報に開示されているような液浸式の露光装置の場合には、液体の供給回収装置も設けられる。これらチャンバー動力ユニットや供給回収装置にも、スペアとなる装置を用意しておいて、通常使用している方に異常等が生じた場合には、スペア装置から供給されるようにシステムを構築しておけば良い。例えば、供給回収装置の場合には、三方弁を介して露光装置と2つの供給回収装置(1つはスペアの装置)を接続しておき、該三方弁を制御して使用するようにすれば良い。
液浸法を用いる露光装置は、投影光学系とウエハとの間を局所的に液体で満たす液浸露光装置、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する液浸露光装置の何れの露光装置であっても良い。また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報等に開示されているように、ウエハ等の被処理基板を別々に載置してXY方向に独立に移動可能な2つのステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、上記実施形態においては、露光装置としてステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を例に挙げて説明したが、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置を用いた場合にも本発明を適用することが可能である。また、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、及び撮像素子(CCD等)の製造にも用いられる露光装置、及びレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板、又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
22…駆動装置
25…光路切替機構
27…反射ミラー
EX1〜EX3…露光装置
GR…ガイド軌道
LA0…スペアレーザ装置
LA1〜LA3…レーザ装置
R1…クリーンルーム
R2…床下ユーティリティ・ルーム
TB…可動載置台
25…光路切替機構
27…反射ミラー
EX1〜EX3…露光装置
GR…ガイド軌道
LA0…スペアレーザ装置
LA1〜LA3…レーザ装置
R1…クリーンルーム
R2…床下ユーティリティ・ルーム
TB…可動載置台
Claims (12)
- レーザ光を発生する複数のレーザ装置と、当該レーザ装置で発生したレーザ光を用いて物体に所定の処理を施す処理装置とを備えるレーザ処理システムにおいて、
前記複数のレーザ装置のうちの少なくとも1つのレーザ装置を載置して移動可能な可動載置台と、
前記可動載置台を駆動して、前記少なくとも1つのレーザ装置を他のレーザ装置に対して所定の位置関係に配置する駆動装置と
を備えることを特徴とするレーザ処理システム。 - 前記レーザ装置は、稼働状態にある前記処理装置よりも多く設けられており、
前記可動載置台上には、前記レーザ装置と前記稼働状態にある処理装置との台数の差分以下のレーザ装置が載置されることを特徴とする請求項1に記載のレーザ処理システム。 - 前記駆動装置は、前記可動載置台を所定の軌道に沿って案内する案内軌道を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ処理システム。
- 前記可動載置台上に載置される前記少なくとも1つのレーザ装置のレーザ光の射出方向は、前記他のレーザ装置のレーザ光の射出方向と逆向きに設定されており、
前記駆動装置は、前記少なくとも1つのレーザ装置及び前記他のレーザ装置からそれぞれ射出されるレーザ光の光軸がほぼ同一直線上に配置されるように前記少なくとも1つのレーザ装置を前記他のレーザ装置に対して配置する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のレーザ処理システム。 - 前記他のレーザ装置から前記処理装置に至るレーザ光の光路と、前記駆動装置によって前記他の装置に対して所定の位置関係に配置された前記少なくとも1つのレーザ装置から前記処理装置に至るレーザ光の光路とを切り替える光路切替機構を備えることを特徴とする請求項4に記載のレーザ処理システム。
- 前記他のレーザ装置から射出されるレーザ光の光軸に沿う第1方向と交差する第2方向には、レーザ光を前記処理装置に導くガイド部材の入射端が配置されており、
前記光路切替機構は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向の周りで回転可能に構成され、前記駆動装置によって前記所定の位置関係に配置されたレーザ装置から射出されるレーザ光及び前記他のレーザ装置から射出されるレーザ光の何れか一方を前記第2方向に反射する反射部材を備えることを特徴とする請求項5に記載のレーザ処理システム。 - 前記可動載置台上に載置される前記少なくとも1つのレーザ装置から射出されるレーザ光の射出位置を微調整する微調整機構を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のレーザ処理システム。
- 前記処理装置は、前記レーザ装置からのレーザ光をマスクに照射して当該マスクを介して前記物体を露光する露光装置、及び前記物体の少なくとも一部の形状を変える加工装置の少なくとも一方であることを特徴とする請求項7に記載のレーザ処理システム。
- 物体に所定の処理を施す処理工場であって、
請求項1〜8の何れか一項に記載のレーザ処理システムが備える前記処理装置を配設した第1の部屋と、
前記第1の部屋に対して隔離され、前記レーザ装置を配設した第2の部屋と
を備えることを特徴とする処理工場。 - 前記第2の部屋は、前記第1の部屋に隣接して設置されていることを特徴とする請求項9に記載の処理工場。
- 前記第2の部屋は、前記処理装置が配設された前記第1の部屋の床面の下方に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の処理工場。
- 前記第1の部屋は、少なくとも環境清浄度と温度とが制御されたクリーンルームであることを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の処理工場。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005049542A JP2006237259A (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | レーザ処理システム及び処理工場 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010062461A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Tokyo Electron Ltd | 基板載置機構、基板処理装置、基板載置機構の制御方法及び記憶媒体 |
JP2010080941A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-04-08 | Komatsu Ltd | 極端紫外光源装置 |
CN101829847A (zh) * | 2010-05-28 | 2010-09-15 | 北京工业大学 | 一种准分子激光微加工系统的光路调节架 |
-
2005
- 2005-02-24 JP JP2005049542A patent/JP2006237259A/ja active Pending
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