JP2006233918A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】組付け公差によるパルスプレートの偏芯が発生していても、エンジン回転数変動の誤認識を抑止する。
【解決手段】エンジンを所定回転数のモータリングで運転している状態のときに、Neセンサから出力されるNeパルスの間隔を計測し(ステップS1)、そのNeパルス間隔の計測値が所定の判定値以上でNeパルス間隔に大きな不整があるときに(ステップS2)、そのNeパルス間隔の不整を縮小するための補正係数を求めて記憶する(ステップS3〜S4)。そして、このようにして算出・記憶した補正係数を用いてNeセンサの出力Neパルスを補正し、エンジンの運転を制御することにより、エンジン回転数変動の誤認識を抑止することが可能となり、アイドル運転時においてアイドル振動が悪化することを防止することができる。
【選択図】図4
【解決手段】エンジンを所定回転数のモータリングで運転している状態のときに、Neセンサから出力されるNeパルスの間隔を計測し(ステップS1)、そのNeパルス間隔の計測値が所定の判定値以上でNeパルス間隔に大きな不整があるときに(ステップS2)、そのNeパルス間隔の不整を縮小するための補正係数を求めて記憶する(ステップS3〜S4)。そして、このようにして算出・記憶した補正係数を用いてNeセンサの出力Neパルスを補正し、エンジンの運転を制御することにより、エンジン回転数変動の誤認識を抑止することが可能となり、アイドル運転時においてアイドル振動が悪化することを防止することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、さらに詳しくは、パルスプレートとセンサを用いて内燃機関の回転数を検出し、その検出した回転数に基づいて内燃機関の運転を制御する制御装置に関する。
車両等に搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)の各種制御を実行する際に用いられる信号として、エンジン回転数、クランクシャフトの回転角度(以下、クランク角CAという)及び各気筒のTDC(上死点)等がある。これらクランク角CA、エンジン回転数及び各気筒のTDCを検出する方法としては、例えば、円周方向に複数の歯が設けられたパルスプレートをエンジンのクランクシャフトに設けるとともに、そのパルスプレートの歯を検出してパルスを出力するNeセンサ(例えば電磁ピックアップ)をパルスプレートの近傍に配置し、このNeセンサの出力パルスをECU(電子制御ユニット)等で計数・認識するという方法が採られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開平11−062681号公報
特開平11−013528号公報
ところで、エンジン回転数の検出に用いるパルスプレートは、加工の容易化をはかるために、エンジンのクランクシャフトとは個別に製作しておき、図3に示すように、クランクシャフト15のジャーナル151にパルスプレート4を嵌め込み、ピン61にてパルスプレート4をクランクシャフト15のカウンタウエイト152に対して位置決めした状態で、パルスプレート4をカウンタウエイト152にボルト62を用いて固定する、という組付け構造が採用されている。
しかしながら、このような構造では、パルスプレート及びクランクシャフト等の各部品に公差があるため、組付け状態でクランクシャフトに対するパルスプレートの位置ずれが生じてパルスプレートが偏芯することがある。ここで、パルスプレートの偏芯が小さい場合(図5(B))は誤認識等の問題は発生しないが、偏芯が大きい場合(図5(A))、Neセンサの出力パルスの振幅と間隔が大きく変化し(図6参照)、パルス間隔の不整が大きくなる。このようにパルス間隔の不整が大きくなると、ECU等が「エンジンに回転変動が生じている」と誤認識するため、燃料噴射補正が間違って実行されてしまい、アイドル運転時においてアイドル振動が悪化するおそれがある。なお、パルスプレートが偏芯している場合、Neセンサに対しパルスプレートの歯が接近・離反することによってパルス間隔の不整が生じる。
ここで、組付け状態でのパルスプレートの偏芯を小さくするには、パルスプレート及びクランクシャフト等の各単品の加工精度を高くすればよいが、加工精度を高めるには時間とコストがかかる上、加工精度の向上には限界がある。
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、組付け公差によるパルスプレートの偏芯が発生していても、エンジン回転数変動の誤認識を抑止することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関の回転体または内燃機関に接続される回転体に取り付けられ、外周
に複数の歯が設けられたパルスプレートと、前記パルスプレートの歯を検出してパルスを出力するセンサとを備え、前記センサの出力パルスから前記内燃機関の回転数を検出し、その検出した回転数に基づいて前記内燃機関の運転を制御する内燃機関の制御装置において、前記内燃機関を所定回転数のモータリングで運転している状態のときに、前記センサから出力されるパルスの間隔を計測し、そのパルス間隔の計測値が、所定の判定値以上、または、前記判定値よりも小さい別の所定判定値以下であるときに、前記センサから出力されるパルスの間隔を補正する補正係数を求めて記憶する補正処理手段を備えていることを特徴としている。
に複数の歯が設けられたパルスプレートと、前記パルスプレートの歯を検出してパルスを出力するセンサとを備え、前記センサの出力パルスから前記内燃機関の回転数を検出し、その検出した回転数に基づいて前記内燃機関の運転を制御する内燃機関の制御装置において、前記内燃機関を所定回転数のモータリングで運転している状態のときに、前記センサから出力されるパルスの間隔を計測し、そのパルス間隔の計測値が、所定の判定値以上、または、前記判定値よりも小さい別の所定判定値以下であるときに、前記センサから出力されるパルスの間隔を補正する補正係数を求めて記憶する補正処理手段を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、パルスプレートの偏芯によって発生するパルス間隔の不整が大きいときには、そのパルス間隔の不整を縮小するための補正係数をECU等に記憶することができるので、その補正係数を用いてセンサの出力パルスを補正し、内燃機関(以下、エンジンという)の運転を制御することにより、エンジン回転数の変動を誤認識することを抑止することができる。これによって、エンジン回転変動の誤認識による間違った燃料噴射補正を抑制することができ、アイドル振動が悪化することを防止することができる。
なお、本発明において、所定の判定値(例えば目標パルス間隔よりも大きな判定値)以上、または、別の所定判定値(例えば目標パルス間隔よりも小さな判定値)以下のいずれか一方の条件のみを、補正係数算出の要否を判定するための条件としてもよいし、それら所定の判定値(例えば目標パルス間隔よりも大きな判定値)以上、及び、別の所定判定値(例えば目標パルス間隔よりも小さな判定値)以下の双方の条件を、補正係数算出の要否を判定するための条件としてもよい。
本発明において、パルス間隔の計測値を互いに異なる複数種の判定値と比較して、その各判定値に対応してパルス間隔の補正係数を求めて記憶するようにしてもよい。このように複数種の判定値を用いて補正係数を求めることにより、パルス間隔の不整を更に縮小することができる。
本発明において、エンジンを互いに異なる複数種の回転数でモータリング運転し、その各回転数毎にパルス間隔の補正係数を求めて記憶するようにしてもよい。このように、補正係数を求める際のモータリングの回転数を複数種としておくと、エンジン回転数に応じた適正な補正係数を求めることが可能となり、パルス間隔の補正をより精度良く行うことができる。また、この場合、モータリングを行った各回転数毎のパルス間隔の補正係数に基づいて、モータリングを実施していない回転数の補正係数を補間処理等により求めて、パルス間隔補正用の補正係数マップを作成しておけば、エンジンの回転数に応じたより厳密なパルス間隔補正を行うことができる。
本発明によれば、エンジン回転数の変動を誤認識することを抑止することが可能であるので、誤認識による間違った燃料噴射補正を抑制することができ、アイドル振動が悪化することを防止することができる。さらに、パルスプレートやクランクシャフト等の各部品の加工精度を緩くすることが可能となるので、製作の時間とコストの低減をはかることができる。しかも、これらの効果を、特別な装置・部品等を付加することなく簡単な構成のもとに達成することができる。
また、本発明によれば、パルスプレート及びクランクシャフト等の部品の公差により、組付け後において、パルスプレートの偏芯が大きなエンジンや、偏芯が小さなエンジンができる等、エンジン間のばらつきがあっても、上述したパルス間隔の補正処理を行うことによって、そのようなエンジン間のばらつき(パルス間隔不整のばらつき)も縮小することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用するエンジンについて説明する。
−エンジン−
本発明を適用するディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」という)の概略構成を図1を参照して説明する。なお、図1にはエンジンの1気筒の構成のみを示している。
本発明を適用するディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」という)の概略構成を図1を参照して説明する。なお、図1にはエンジンの1気筒の構成のみを示している。
図1に示すエンジン1は、例えば4気筒エンジンであって、燃焼室1aを形成するピストン10及び出力軸であるクランクシャフト15を備えている。ピストン10はコネクティングロッド16を介してクランクシャフト15に連結されており、ピストン10の往復運動がコネクティングロッド16によってクランクシャフト15の回転へと変換される。
エンジン1には、各気筒#1〜#4の燃焼室1a内に直接燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)2が設けられている。インジェクタ2にはコモンレール(蓄圧室)3が接続されており、このコモンレール3に高圧燃料ポンプ(図示せず)から燃料を供給し、各インジェクタ2を所定のタイミングで開弁することにより、エンジン1の各気筒#1〜#4の燃焼室1a内に燃料が噴射される。この噴射された燃料は燃焼室1a内で燃焼され排気ガスとなって排気される。また、エンジン1には、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ22が配置されている。なお、インジェクタ2の開弁タイミング(燃料噴射タイミング)は後述するECU5によって制御される。
エンジン1の燃焼室1aには吸気通路11と排気通路12が接続されている。吸気通路11と燃焼室1aとの間に吸気弁13が設けられており、この吸気弁13を開閉駆動することにより、吸気通路11と燃焼室1aとが連通または遮断される。また、排気通路12と燃焼室1aとの間に排気弁14が設けられており、この排気弁14を開閉駆動することにより、排気通路12と燃焼室1aとが連通または遮断される。これら吸気弁13及び排気弁14の開閉駆動は、クランクシャフト15の回転が伝達される吸気カムシャフト及び排気カムシャフト(いずれも図示せず)の各回転によって行われる。
吸気通路11には、エアフローメータ(吸気温センサ内蔵)23が配置されている。なお、吸気通路11には、図示はしないが、エアクリーナ、吸気温センサ、エンジン1の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブなどが配置されている。また、エンジン1の排気通路12には、DPF(Diesel Particulate Filter)等の触媒を有する排気浄化装置などが配置されている。
そして、エンジン1のクランクシャフト15には、図1及び図2に示すように、パルスプレート4が設けられている。パルスプレート4は、図3に示すように、クランクシャフト15のジャーナル151にパルスプレート4を嵌め込み、ピン61にてパルスプレート4をクランクシャフト15のカウンタウエイト152に対して位置決めした状態で、パルスプレート4をカウンタウエイト152にボルト62を用いて固定する、という組付け構造でクランクシャフト15に取り付けられている。
パルスプレート4の外周には、多数(35歯)の歯41・・41が一定のピッチ(クランク角CA10°毎)で設けられている。また、パルスプレート4の外周の1箇所に切歯部40が設けられている。パルスプレート4の側方近傍には、パルスプレート4の歯41・・41を検出してNeパルスを出力するNeセンサ(例えば電磁ピックアップ)21が配置されている。そして、このような構造において、エンジン1のクランクシャフト15
の回転に伴ってパルスプレート4が回転すると、Neセンサ21からは、図5に示すように、パルスプレート4の各歯41・・41に対応したNeパルスが出力されるとともに、切歯部40に対応した基準となる信号(この例ではゼロ信号)が出力される。このNeセンサ21が出力するNeパルス(ゼロ信号も含む)はECU5に入力される。
の回転に伴ってパルスプレート4が回転すると、Neセンサ21からは、図5に示すように、パルスプレート4の各歯41・・41に対応したNeパルスが出力されるとともに、切歯部40に対応した基準となる信号(この例ではゼロ信号)が出力される。このNeセンサ21が出力するNeパルス(ゼロ信号も含む)はECU5に入力される。
−ECU−
ECU5は、図示はしないが、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。そして、ECU5は、Neセンサ21、水温センサ22、エアフローメータ23、図示しない、スロットルポジションセンサ、アクセルポジションセンサなどの各種センサの出力に基づいて、燃料噴射制御などのエンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU5は、下記のNeパルス間隔の補正処理を実行する。
ECU5は、図示はしないが、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。そして、ECU5は、Neセンサ21、水温センサ22、エアフローメータ23、図示しない、スロットルポジションセンサ、アクセルポジションセンサなどの各種センサの出力に基づいて、燃料噴射制御などのエンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU5は、下記のNeパルス間隔の補正処理を実行する。
−Neパルス間隔の補正処理−
まず、エンジン1を所定回転数(例えば600rpm)のモータリングで運転する。ここで、本発明でいう「モータリング」とは、車両等の出荷前においてエンジン1を電動機の駆動力で回転駆動することである。電動機としては、エンジン回転数を一定に制御できるものが好ましい。また、「モータリング」には、スタータモータとは別の電動機を用いることが好ましいが、スタータモータを使用してもよい。
まず、エンジン1を所定回転数(例えば600rpm)のモータリングで運転する。ここで、本発明でいう「モータリング」とは、車両等の出荷前においてエンジン1を電動機の駆動力で回転駆動することである。電動機としては、エンジン回転数を一定に制御できるものが好ましい。また、「モータリング」には、スタータモータとは別の電動機を用いることが好ましいが、スタータモータを使用してもよい。
そして、モータリング運転開始後、所定のタイミング(例えばエンジン回転数が安定したタイミング)で、ECU5は、図4に示す補正処理ルーチンを開始する。
この補正処理ルーチンのステップS1において、ECU5は、Neセンサ21が出力するNeパルスを読み込み、そのNeパルスの間隔(図6参照)を計測する。
ステップS2において、ECU5は、計測したNeパルスの間隔が所定の判定値以上であるか否かを判定し、その判定結果が肯定(YES)である場合つまりNeパルスの間隔が判定値以上である場合、Neパルス間隔の不整が大きいと判断し、ステップS3において、Neパルス間隔の不整を縮小するための補正係数を求める。その具体的な数値例を以下に説明する。
例えば、パルスプレート4の歯41・・41のピッチをクランク角CAで10°とし、モータリング時のエンジン回転数を600rpmに設定すると、Neパルスの間隔は2.78msとなる。このNeパルス間隔(目標Neパルス間隔)を考慮し、ステップS2での判定値を目標Neパルス間隔よりも大きい値(判定値T1)、例えば2.8msとすると、補正係数は2.78/2.8=0.9928となり、この補正係数を、Neセンサ21が出力するNeパルスの全てに乗じる、或いは判定値より大きいNeパルスに乗じることにより、Neパルス間隔の不整を縮小することができる。
そして、ステップS4において、ECU5は、以上の処理によって求めた補正係数を記憶した後、この補正処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS2の判定結果が否定(NO)である場合つまりNeパルス間隔の計測値が判定値未満である場合、ECU5はNeパルス間隔の不整が許容範囲内であると判断して、補正係数を求める処理は行わずに、この補正処理ルーチンを終了する。
以上の実施形態によれば、パルスプレート4の偏芯によって発生するNeパルス間隔の不整が大きいときには、ECU5がNeパルス間隔の不整を縮小するするための補正係数を求めて記憶しているので、その補正係数を、Neセンサ21の出力Neパルスの全てに乗じることによりNeパルス間隔の不整を縮小することができる。従って、ECU5が補正係数を用いてエンジン1の運転を制御することにより、エンジン回転数の変動を誤認識することを抑止することができ、これによって、エンジン回転変動の誤認識による間違った燃料噴射補正を抑制することができる結果、アイドル振動が悪化することを防止することができる。
なお、ECU5に記憶した補正係数を用いて、実際のエンジン1の制御において、アイドル運転等の低回転域に加えて、中回転域及び高回転域においてもNeセンサ21が出力するNeパルスに補正係数を乗じて補正を行うようにしてもよい。
ここで、以上の実施形態では、判定値T1を目標Neパルス間隔よりも大きな値とし、Neパルス間隔の計測値がその判定値T1以上であるときに補正係数を求めるようにしているが、本発明はこれに限られることなく、目標Neパルス間隔よりも小さい値を判定値T2とし、Neパルス間隔の計測値がその判定値T2以下であるときに補正係数を求めるようにしてもよい。さらに、Neパルス間隔の計測値が、目標Neパルス間隔よりも高い値に設定された判定値T1以上となる条件、及び、目標Neパルス間隔よりも低い値に設定された判定値T2以下となる条件の双方を補正係数算出の要否を判定する条件としてもよい。なお、目標Neパルス間隔よりも大きな判定値T1、及び、目標Neパルス間隔よりも小さな設定値T2は、例えば、Neパルス間隔の不整が許容範囲内でNeパルスの誤認識が発生しないような値(目標Neパルス間隔に対する上限値と下限値)を予め実験・計算等により求めておき、その結果を基に決定するようにすればよい。
以上の実施形態では、1つの判定値を用いて補正係数算出の要否を判定しているが、本発明はこれに限られることなく、互いに値が異なる複数種の補正値を用いて補正係数算出の要否を判定するようにしてもよい。例えば、上述の実施形態では、目標Neパルス間隔2.78msに対し1つの判定値2.8msを設定しているが、これに加えて、目標Neパルス間隔2.78msと判定値2.8msとの間に、1つもしくは複数の判定値を設定して判定値を複数種とすれば、Neパルス間隔の不整を更に縮小することが可能になる。
さらに、補正処理を行う際のモータリングの回転数についても、複数種の回転数(例えば、600rpm、650rpm、700rpm等)を設定するようにしてもよく、その各回転数毎にNeパルス間隔の補正係数を求めて記憶するようにすれば、エンジン回転数に応じた適正な補正係数を求めることが可能となり、Neパルス間隔の補正をより精度良く行うことができる。また、この場合、モータリングを行った各回転数毎のNeパルス間隔の補正係数に基づいて、モータリングを実施していない回転数の補正係数を補間処理等により求めてパルス間隔補正用の補正係数マップを作成し、その補正用の補正係数マップをECU5に記憶しておけば、エンジン1の回転数に応じたより厳密なNeパルス間隔の補正を行うことが可能になる。
なお、以上の例では、パルスプレート4をエンジン1のクランクシャフト15に取り付けた例を示したが、本発明はこれに限られることなく、エンジンに接続される回転体、例えばエンジンに連結される自動変速機のタービン回転軸などの他の回転体にパルスプレートを取り付けてエンジン回転数を検出する場合にも適用可能である。
また、以上の例では、本発明をディーゼルエンジンに適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、ガソリンエンジンにも適用可能である。また、ガソリンエンジ
ンのほか、例えばLPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)などを燃料とする他の点火方式のエンジンにも本発明を適用することは可能である。
ンのほか、例えばLPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)などを燃料とする他の点火方式のエンジンにも本発明を適用することは可能である。
1 エンジン
1a 燃焼室
10 ピストン
15 クランクシャフト
151 ジャーナル
152 カウンタウエイト
2 インジェクタ
3 コモンレール
4 パルスプレート
40 切歯部
41 歯
5 ECU
21 Neセンサ
1a 燃焼室
10 ピストン
15 クランクシャフト
151 ジャーナル
152 カウンタウエイト
2 インジェクタ
3 コモンレール
4 パルスプレート
40 切歯部
41 歯
5 ECU
21 Neセンサ
Claims (4)
- 内燃機関の回転体または内燃機関に接続される回転体に取り付けられ、外周に複数の歯が設けられたパルスプレートと、前記パルスプレートの歯を検出してパルスを出力するセンサとを備え、前記センサの出力パルスから前記内燃機関の回転数を検出し、その検出した回転数に基づいて前記内燃機関の運転を制御する内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関を所定回転数のモータリングで運転している状態のときに、前記センサから出力されるパルスの間隔を計測し、そのパルス間隔の計測値が、所定の判定値以上、または、前記判定値よりも小さい別の所定判定値以下であるときに、前記センサから出力されるパルスの間隔を補正する補正係数を求めて記憶する補正処理手段を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記パルス間隔の計測値を互いに異なる複数種の判定値と比較して、その各判定値に対応して前記パルス間隔の補正係数を求めることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関を互いに異なる複数種の回転数でモータリング運転し、その各回転数毎に前記パルス間隔の補正係数を求めて記憶することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
- 前記各回転数毎のパルス間隔の補正係数に基づいてパルス間隔補正用の補正係数マップを求めて記憶することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
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