JP2006233860A - 油分離装置及び圧縮機、並びに空気調和装置 - Google Patents

油分離装置及び圧縮機、並びに空気調和装置 Download PDF

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康弘 和田
Takayuki Kuwabara
孝幸 桑原
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勝博 藤田
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Abstract

【課題】製造が容易、かつ吐出孔の反対側へ向かう流れを作り出すこと。
【解決手段】このオイルセパレータ20は、胴部20tと、胴部20tの吐出口側Oに設けられ、かつ胴部20tの軸Zを含む平面に直交する方向に設置される第1冷媒導入孔23と、胴部20tの油溜め部側Sに設けられ、かつ胴部20tの軸Zを含む平面に直交する方向に設置される第2冷媒導入孔24とを含む。そして、第2冷媒導入孔24の断面積は、前記第1冷媒導入孔23の断面積よりも小さい。
【選択図】 図3−1

Description

本発明は、空気調和装置に用いられる圧縮機から吐出される冷媒中の油を分離する技術に関する。
空気調和装置に用いられる圧縮機は、圧縮機構の摺動部を潤滑する潤滑油の一部が、圧縮された冷媒とともに圧縮機から吐出され、冷媒回路内を循環する。冷媒回路中を循環する潤滑油の量はできるだけ少なくする必要があるので、油分離手段によって、圧縮された冷媒から潤滑油を分離した後、冷媒回路中に冷媒を吐出する。特許文献1には、冷媒に含まれる潤滑油を分離する分離室に設けられた冷媒の吐出孔の開口部から遠ざかる方向に向かって、圧縮された冷媒が前記分離室へ導入される技術が開示されている。
特開2003−336588号公報
特許文献1に開示された技術は、冷媒から潤滑油を分離するにあたり、分離管と称される管を分離室内に設けないものである。このため、冷媒の吐出孔の開口部から遠ざかる方向に向かって、圧縮された冷媒を分離室へ導入して、潤滑油の分離効率を向上させる。これを実現するため、特許文献1に開示されている技術では、分離室へ圧縮された冷媒を導入する細長通路部を、分離室中心軸に対して傾斜させて設ける。
しかし、前記細長通路部を、分離室中心軸に対して傾斜させて設ける場合、加工が難しい。また、分離室を圧縮機に組み込む際には、他の構成機器との関係で配置上の制約が多いので、実際に製造することは難しいという問題がある。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造が容易、かつ吐出孔の反対側へ向かう流れを作り出すことのできる油分離装置及び圧縮機、並びに空気調和装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究した結果、筒状の油分離装置内へ冷媒を導入する冷媒導入孔を、油分離装置の軸を含む平面に直交する方向に沿って設ければ、油分離装置を容易に製造できることに着目した。しかし、単にこの構成とした場合、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することはできない。そこで、油溜め側に設けられる冷媒導入孔から油分離装置内に流入する冷媒の流れの静圧を、吐出口側に設けられる冷媒導入孔から油分離装置内に流入する冷媒の流れの静圧よりも低くなるようにすれば、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る油分離装置は、筒状の構造体であって、圧縮された冷媒を吐出する吐出口と、前記冷媒から分離した油を溜める油溜め部とを備える胴部と、前記胴部の吐出口側に設けられ、かつ前記胴部の軸を含む平面に直交する方向に沿って設けられる第1冷媒導入孔と、前記胴部の油溜め側に設けられ、かつ前記胴部の軸を含む平面に直交する方向に沿って設けられる第2冷媒導入孔と、を含み、前記第2冷媒導入孔から前記胴部の内部に流入する冷媒の流れの静圧が、前記第1冷媒導入孔から前記胴部の内部に流入する冷媒の流れの静圧よりも低くなるように、前記第1冷媒導入孔と前記第2冷媒導入孔とが形成されることを特徴とする。
この油分離装置は、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔及び油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔を、ともに油分離装置の軸を含む平面に対して直交する方向に沿って設置する。さらに、第2冷媒導入孔から前記胴部の内部に流入する冷媒の流れの静圧は、前記第1冷媒導入孔から前記胴部の内部に流入する冷媒の流れの静圧よりも低くする。これによって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができるとともに、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができる。
次の本発明に係る油分離装置は、前記油分離装置において、前記第2冷媒導入孔は、前記第1冷媒導入孔よりも圧力損失が大きいことを特徴とする。
この油分離装置は、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔及び油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔を、ともに油分離装置の軸を含む平面に対して直交する方向に沿って設置する。さらに、第2冷媒導入孔の圧力損失を第1冷媒導入孔の圧力損失よりも大きくして、第1冷媒導入孔からの流れと第2冷媒導入孔からの流れと間に静圧差を発生させる。これによって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができるとともに、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができる。
次の本発明に係る油分離装置は、前記油分離装置において、前記第2冷媒導入孔の断面積は、前記前記第1冷媒導入孔の断面積よりも小さいことを特徴とする。
この油分離装置は、第2冷媒導入孔の断面積を、前記第1冷媒導入孔の断面積よりも小さくしている。これによって、第2冷媒導入孔の圧力損失を第1冷媒導入孔の圧力損失よりも大きくして、第1冷媒導入孔からの流れと第2冷媒導入孔からの流れと間に静圧差を発生させる。かかる構成によって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができるとともに、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができる。
次の本発明に係る油分離装置は、前記油分離装置において、前記第2冷媒導入孔は複数設けられるとともに、1個あたりの前記第2冷媒導入孔の断面積は、1個あたりの前記前記第1冷媒導入孔の断面積よりも小さいことを特徴とする。
この油分離装置は、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔を複数備え、1個あたりの第2冷媒導入孔の断面積は、1個あたりの前記第1冷媒導入孔の断面積よりも小さくする。これによって、第2冷媒導入孔の圧力損失を第1冷媒導入孔の圧力損失よりも大きくして、第1冷媒導入孔からの流れと第2冷媒導入孔からの流れと間に静圧差を発生させる。かかる構成によって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができるとともに、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができる。また、すべての第2冷媒導入孔から流入する冷媒の総流量を多くすることができるので、冷媒を油溜め側に偏向させる効果が大きくなる。
次の本発明に係る油分離装置は、前記油分離装置において、前記第2冷媒導入孔の流路長は、前記第1冷媒導入孔の流路長よりも長いことを特徴とする。
この油分離装置は、第2冷媒導入孔の流路長を、前記第1冷媒導入孔の流路長よりも長くしている。これによって、第2冷媒導入孔の圧力損失を第1冷媒導入孔の圧力損失よりも大きくして、第1冷媒導入孔からの流れと第2冷媒導入孔からの流れと間に静圧差を発生させる。かかる構成によって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができるとともに、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができる。
次の本発明に係る油分離装置は、前記油分離装置において、前記第2冷媒導入孔の内面における粗さは、前記第1冷媒導入孔の内面における粗さよりも粗いことを特徴とする。
この油分離装置は、第2冷媒導入孔の内面における粗さを、前記第1冷媒導入孔の内面における粗さよりも粗くしている。これによって、第2冷媒導入孔の圧力損失を第1冷媒導入孔の圧力損失よりも大きくして、第1冷媒導入孔からの流れと第2冷媒導入孔からの流れと間に静圧差を発生させる。かかる構成によって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができるとともに、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができる。
次の本発明に係る油分離装置は、前記油分離装置において、前記第1冷媒導入孔は、前記第1冷媒導入孔から前記油分離装置の内部に流入する冷媒の流れが、前記油分離装置の内面に衝突するように設けられ、前記第2冷媒導入孔は、前記胴部の軸方向に垂直な断面内において、前記油分離装置の内面の接線方向と略平行であって、前記第2冷媒導入孔から前記油分離装置の内部に流入する冷媒の流れが、前記油分離装置の内面に沿って流れるように設けられることを特徴とする。
この油分離装置は、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔及び油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔が、ともに油分離装置の軸を含む平面に対して直交する方向に沿って設置される。さらに、第1冷媒導入孔から油分離装置の内部に流入する冷媒を油分離装置の内面に衝突させて、第1冷媒導入孔から油分離装置の内部に流入する冷媒と、第2冷媒導入孔から油分離装置の内部に流入する冷媒との間に静圧差を形成する。これによって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができる。また、油分離装置内において、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができる。
次の本発明に係る油分離装置は、前記油分離装置において、前記胴部の軸を含む平面から前記第1冷媒導入孔までの距離は、当該平面から前記第2冷媒導入孔までの距離よりも小さいことを特徴とする。
この油分離装置は、第1冷媒導入孔から油分離装置の内部に流入する冷媒を油分離装置の内面に衝突させるにあたって、油分離装置の胴部の軸を含む平面から第1冷媒導入孔までの距離を、その平面から第2冷媒導入孔までの距離よりも小さくする。これによって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができる。また、油分離装置内において、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができる。
次の本発明に係る圧縮機は、前記油分離装置を備えることを特徴とする。
次の本発明に係る油分離装置は、前記圧縮機によって冷媒を圧縮することを特徴とする。
この発明に係る油分離装置及び圧縮機、並びに空気調和装置は、製造が容易、かつ吐出孔の反対側へ向かう流れを作り出すことができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下においては、圧縮機の一例としてスクロール圧縮機を取り上げるが、本発明は圧縮機の種類を問わず適用できる。また、以下においては、油分離装置が圧縮機に組み込まれるが、圧縮機と油分離装置とは別個であってもよい。
実施例1は、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔から油分離装置内に流入する冷媒の流れを、第1冷媒導入孔から油分離装置内に流入する冷媒の流れよりも静圧が低くなるように構成される点に特徴がある。図1は、実施例1に係る圧縮機の内部構造を示す断面図である。この圧縮機1は、例えば、空気調和機の冷媒の圧縮に用いられ、冷媒Fを圧縮して空気調和機の冷媒回路に供給する。図1に示すように、この圧縮機1は、ハウジング2と、固定スクロール8sと、旋回スクロール8mと、駆動系とを含んで構成される。
ハウジング2は、密閉された容器形状の部材で構成され、その内部に吸入室3及びオイルセパレータ(油分離装置)20を有するとともに、側面端部に吸入口14及び吐出口15を有する。そして、吸入室3には吸入口14が形成されており、また、オイルセパレータ20には吐出口15が形成されている。
固定スクロール8sは、端版8spと、この端版8sp上に形成された渦巻き状の固定側ラップ部8stとを含み構成される。この固定スクロール8sは、固定側ラップ部8stを吸入室3側に向けつつハウジング2に収容され、その端版8spにてハウジング2の内面に固定設置されている。
旋回スクロール8mは、ベース部8mpと、このベース部8mp上に形成された渦巻き状の旋回側ラップ部8mtとを含んで構成される。旋回スクロール8mは、その旋回側ラップ部8mtが固定スクロール8sの固定側ラップ部8stに対して偏心しつつ噛み合うように、ハウジング2内に設置される。かかる配置構成により、旋回スクロール8mの旋回側ラップ部8mt及び固定スクロール8sの固定側ラップ部8st間には複数の密閉空間Dが形成される。そして、旋回スクロール8mが固定スクロール8sに対して公転旋回運動することにより、固定側ラップ部8st、8mt間に形成された密閉空間の容積が縮小されて、内部の冷媒が圧縮される。
駆動系は、電動モータ4と、駆動軸4sと、中間機構6と、バランスウェイト7とを含み構成される。電動モータ4は、ハウジング2の吸入室3内に配置されており、駆動軸4s及び中間機構6を介して旋回スクロール8mに連結されている。駆動軸4sは、ハウジング2に取り付けられる軸受支持体5に保持されるボールベアリング5Bによって支持される。
中間機構6は、駆動軸4sの回転運動を公転旋回運動に変換して旋回スクロール8mに伝達する機能を有する。バランスウェイト7は、旋回スクロール8mの公転旋回運動にかかるアンバランスを補正する機能を有する。このバランスウェイト7は、旋回スクロール8mの偏心がバランスするように配置されており、中間機構6によって保持されている。なお、旋回スクロール8mは、オルダムリンク9によって自転を阻止されながら公転旋回半径の円軌道上を公転旋回運動する。
この圧縮機1では、駆動系の電動モータ4が回転すると駆動軸4s及び中間機構6を介して旋回スクロール8mに動力が伝達され、旋回スクロール8mが固定スクロール8sに対して偏心しつつ公転旋回運動する。すると、吸入室3内の冷媒が固定スクロール8s及び旋回スクロール8m間の密閉空間D内に周囲から取り込まれ、この密閉空間Dの容積が次第に縮小されることにより内部の冷媒が圧縮される。また、圧縮された冷媒が固定スクロール8sの中心穴12から排出される。そして、冷媒が吐出口15からシステム(空気調和機)の冷媒回路に供給され、冷媒回路内を循環して吸入口14から吸入室3内に戻る。これにより、圧縮された冷媒が空気調和装置の冷媒回路内を循環する。
空気調和装置に用いられる圧縮機1は、冷媒にミスト状の潤滑油が混合しており、この潤滑油により圧縮機1の内部機構(固定スクロール8sと旋回スクロール8mとの摺動部10や旋回スクロール8mの駆動系)が潤滑される。潤滑油は、圧縮された冷媒Fとともに、オイルセパレータ20に設けられる第1及び第2冷媒導入孔23、24からオイルセパレータ20の内部に導入される。そして、冷媒Fが、オイルセパレータ20内を旋回しながら吐出口15とは反対方向に流れる過程で潤滑油が分離され、潤滑油の自重により落下してオイルセパレータ20内の油溜め部21に溜まる(図1参照)。
油溜め部21には連通孔22が設けられており、固定スクロール8sの端板8sp側に、オイルセパレータ20で分離した潤滑油を戻す。固定スクロール8sの端板8sp側に戻された潤滑油は、吸入室3とオイルセパレータ20との仕切部材の役割を果たす固定スクロール8sに設けられる潤滑油流路11によって、吸入室3側に戻される。
図2は、実施例1に係る圧縮機を備える空気調和装置を示す概略図である。空気調和装置50が備える圧縮機1は冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として凝縮器51へ送り出す。凝縮器51は、圧縮機1から供給された高温高圧のガス冷媒を外気に放熱することで冷却し、ガス冷媒を凝縮液化させる。凝縮器51で液化された冷媒は、膨張弁52で減圧及び膨張させられることによって低温低圧の液冷媒とされ、蒸発器53へ送られる。蒸発器53は、この低温低圧の液冷媒と空気とを熱交換させ、空気を冷却する。蒸発器53の上流側にはファン54が備えられており、蒸発器53に空気を送って、蒸発器53内に送られる低温低圧の液冷媒と熱交換させて冷却し、室内に送る。なお、上記説明は、室内を冷房する場合であるが、冷媒の流れを逆にすれば、室内を暖房することもできる。次に、実施例1に係る圧縮機が備える油分離装置であるオイルセパレータ20について説明する。
図3−1は、実施例1に係るオイルセパレータを示す一部断面図である。図3−2は、図3−1のA−A断面図である。図3−3は、図3−1のB−B断面図である。図4は、実施例1に係るオイルセパレータを示す一部側面図である。図中のOは、オイルセパレータ20の吐出口15側を示し(図1参照)、Sはオイルセパレータ20の油溜め部21側を示す(以下同様)。
図3−1〜図3−3、図4に示すように、実施例1に係るオイルセパレータ20は円筒形状の中空構造体の胴部20tを有し、軸Z方向(中空部の貫通方向、すなわち油溜め部21から吐出口15へ向かう方向)に垂直な断面内形状は略円形である。オイルセパレータ20の胴部20tの側面20sには、旋回及び固定スクロール8s、8mで圧縮された、潤滑油を含む冷媒をオイルセパレータ20内に導入するための第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24が設置されている。
第1冷媒導入孔23は、オイルセパレータ20の吐出口側Oに、第2の冷媒導入口24はオイルセパレータ20の油溜め部側Sに設けられる。第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24は、ともにオイルセパレータ20の軸Zを含む平面に対して直交する方向に設けられる。このため、ドリル等の穿孔手段により、簡単に第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24をオイルセパレータ20に設けることができる。また、第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24を配置する自由度も向上する。ここで、実施例1においては、第1冷媒導入孔23と第2冷媒導入孔24とは平行に配置される。なお、オイルセパレータ20の吐出口側Oあるいは油溜め部側Sから見た場合、第1冷媒導入孔23から流入する冷媒の流れと、第2冷媒導入孔24から流入する冷媒の流れとに、角度がついていてもよい。
図3−2、図3−3に示すように、第1冷媒導入孔23と第2冷媒導入孔24とは、オイルセパレータ20の内面20iwの接線方向に対して略平行に設けられる。これによって、図3−2、図3−3に示すように、第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24からオイルセパレータ20内へ流入する冷媒Fは、オイルセパレータ20の内面20iwに沿って流れ、図3−1〜図3−3に示すように、オイルセパレータ20内で旋回流を形成する。
実施例1に係るオイルセパレータ20には、できるだけ多くの潤滑油を冷媒から分離させて、冷媒回路中に流出する潤滑油の量をできる限り低減する機能が求められる。このため、上述したように、オイルセパレータ20内で冷媒Fの旋回流を形成するとともに、冷媒Fを油溜め部側Sに向かって流す。これを実現するため、実施例1では、第1冷媒導入孔23と第2冷媒導入孔24とを、第2冷媒導入孔24からオイルセパレータ20内に流出する冷媒Fの流れの静圧が、第1冷媒導入孔23からオイルセパレータ20内に流出する冷媒Fの流れの静圧よりも低くなるように構成する。実施例1においては、第2冷媒導入孔24の圧力損失を、第1冷媒導入孔23の圧力損失よりも大きくしてある。
ここで、オイルセパレータ20の外部における冷媒の圧力をHPとし、オイルセパレータ20の内部における冷媒の圧力をMPとする(HP>MP)。このとき、第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24における圧力バランスは、それぞれ式(1)、式(2)のようになる。
HP=MP+ρV1 2/2+ΔP1・・・(1)
HP=MP+ρV2 2/2+ΔP2・・・(2)
ここで、ρは冷媒の密度であり、V1、V2は、それぞれ第1冷媒導入孔23、第2冷媒導入孔24からオイルセパレータ20内へ流入する冷媒の流速であり、ΔP1、ΔP2は、それぞれ第1冷媒導入孔23、第2冷媒導入孔24の圧力損失である。
ΔP1<ΔP2とすると、式(1)、式(2)から、V1>V2となる。オイルセパレータ20内には、すでに冷媒Fの旋回流が存在する(図3−2)。この旋回流の流速(旋回流速度)をV0とする。第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24から新しくオイルセパレータ20内へ流入する冷媒Fは、前記旋回流速度V0と略等しくなる。第1冷媒導入孔23からオイルセパレータ20内へ流入する冷媒の流速(以下、第1の速度という)V1は、第2冷媒導入孔24からオイルセパレータ20内へ流入する冷媒の流速(以下、第2の速度という)V2よりも大きい。このため、第1の速度V1及び第2の速度V2が、旋回流速度V0になったときには、第1冷媒導入孔23からオイルセパレータ20内へ流入する冷媒の流れ(以下、第1流れという)の静圧Ps1は、第2冷媒導入孔24からオイルセパレータ20内へ流入する冷媒の流れ(以下、第2流れという)の静圧Ps2よりも大きくなる。その結果、吐出口側Oから油溜め部側Sに向かう冷媒Fの流れを形成することができ、オイルセパレータ内に筒等の分離手段がある場合と同等の油分離効果が得られる。
第2冷媒導入孔24の圧力損失ΔP2を、第1冷媒導入孔23のΔP1よりも大きくするため、実施例1においては、第1冷媒導入孔23の断面積A1を、第2冷媒導入孔24の断面積A2よりも大きくしている。図4に示すように、実施例1においては、第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24は円形であるため、第1冷媒導入孔23の直径D1を、第2冷媒導入孔24の直径D2よりも大きくしている。また、第1冷媒導入孔23及び第2冷媒導入孔24によって冷媒を油溜め部側Sに偏向させる効果を十分に発揮させるため、第1冷媒導入孔23と第2冷媒導入孔24との距離は近づける方が好ましい。かかる観点から、第1冷媒導入孔23と第2冷媒導入孔24との中心間距離Lは、(D1×D2)/2<L<D1が好ましい。
(変形例1)
図5は、実施例1の第1変形例に係るオイルセパレータを示す側面図である。この変形例は、実施例1と略同様の構成であるが、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔の個数を複数とした点が異なる。他の構成は実施例1と同様なので、説明を省略する。実施例1の第1変形例に係るオイルセパレータ20aは、油溜め部側Sにおける胴部20atに、第2冷媒導入孔24aが複数設けられる。第2冷媒導入孔24aは、この変形例において、第1冷媒導入孔23aの円弧に沿って配置されるが、第2冷媒導入孔24aの配置はこれに限られるものではない。
冷媒を油溜め部側Sに偏向させる効果は、第1冷媒導入孔23aと第2冷媒導入孔24aとの静圧差及び流量に比例して大きくなる。この変形例に係るオイルセパレータ20aは、1個あたりの第2冷媒導入孔24aによって生み出される前記静圧差は、実施例1に係るオイルセパレータ20と同等である。しかし、この変形例に係るオイルセパレータ20aは、第2冷媒導入孔24aを複数備えるので、すべての第2冷媒導入孔24aから流出する冷媒の総流量は、実施例1に係るオイルセパレータ20よりも大きくなる。これによって、この変形例に係るオイルセパレータ20aは、実施例1に係るオイルセパレータ20よりも、冷媒を油溜め部側Sに偏向させる効果が大きくなる。
(変形例2)
図6、図7は、実施例1の第2変形例に係るオイルセパレータを示す一部断面図である。この変形例は、実施例1と略同様の構成であるが、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔の流路長を、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔の流路長よりも大きくした点が異なる。他の構成は実施例1と同様なので、説明を省略する。
図6、図7に示すように、この変形例に係るオイルセパレータ20b、20cは、油溜め部側Sにおける胴部20bt、20ctに設けられる第2冷媒導入孔24b、24cの流路長l2を、吐出口側Oにおける胴部20bt、20ctに設けられる第1冷媒導入孔23b、23cの流路長l1よりも大きくしてある。これによって、第2冷媒導入孔24b、24cの圧力損失ΔP2は、第1冷媒導入孔23b、23cの圧力損失ΔP1よりも大きくなる。その結果、第2の速度V2を第1の速度V1よりも小さくして、オイルセパレータ20b、20c内における冷媒Fの流れを、油溜め部側Sに向かって偏向させることができる。
ここで、第1冷媒導入孔23b、23cの直径D1と、第2冷媒導入孔24b、24cの直径D2とは同じ大きさでもよい。また、第2冷媒導入孔24b、24c直径D2を、第1冷媒導入孔23b、23c直径D1よりも小さくしてもよい。これによって、冷媒Fの流れを油溜め部側Sに向かって偏向させる効果をより大きくできる。また、上記第1変形例のように、第2冷媒導入孔24b、24cを複数設けてもよい。このようにしても、冷媒Fの流れを油溜め部側Sに向かって偏向させる効果をより大きくできる。
なお、図6に示すオイルセパレータ20bは、第2冷媒導入孔24bが設けられる部分の肉厚を大きくすることによって、第2冷媒導入孔24bの流路長l2を第1冷媒導入孔23bの流路長l1よりも大きくしてある。一方、図7に示すオイルセパレータ20cは、第2冷媒導入孔24bが設けられる部分にパイプ等を接続することによって、第2冷媒導入孔24cの流路長l2を第1冷媒導入孔23cの流路長l1よりも大きくしてある。後者は、パイプ等を後付けすることにより構成できるので、既存のオイルセパレータを改造する場合等に好適である。また、他の変形例として、第2冷媒導入孔24b、24cの流路内表面の表面粗さを、第1冷媒導入孔23d、23cの流路内表面の表面粗さよりも粗くして、圧力損失に差を設ける構成を採用してもよい。
(変形例3)
図8は、実施例1の第3変形例に係るオイルセパレータを示す側面図である。この変形例は、実施例1と略同様の構成であるが、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔の内面における粗さを、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔の形状を異ならせ、等価水力直径を変化させた点が異なる。他の構成は実施例1と同様なので、説明を省略する。
この変形例に係るオイルセパレータ20dは、胴部20dtに設けられる第2冷媒導入孔24dの形状を星型とし、胴部20dtに設けられる第1冷媒導入孔23dの形状を円形とすることで、断面積が減少する一方で開口部周長が増加する。その結果、水力直径が減少する。これによって、第2冷媒導入孔24dの圧力損失ΔP2は、第1冷媒導入孔23dの圧力損失ΔP1よりも大きくなる。その結果、第2の速度V2を第1の速度V1よりも小さくして、オイルセパレータ20d内における冷媒Fの流れを、油溜め部側Sに向かって偏向させることができる。
なお、第2冷媒導入孔24dの形状は星形に限られず、また、第1冷媒導入孔23dの形状は円形に限られない。どのような形状であっても、第2冷媒導入孔24dの水力直径が、第1冷媒導入孔23dの水力直径よりも小さくなればよい。また、圧力損失の格差が開くように調整すべく、第2冷媒導入孔24dの内面における粗さを、第1冷媒導入孔23dの内面における粗さよりも粗くするため、第2冷媒導入孔24dの内面における表面粗さを、第1冷媒導入孔23dの内面における表面粗さよりも大きくしてもよい。さらに、上記実施例1やその第1変形例、第2変形例のうち少なくとも一つと、第3変形例とを組み合わせてもよい。
実施例1及びその第1変形例〜第3変形例を説明したが、この実施例においては、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔の圧力損失ΔP2を、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔の圧力損失ΔP1よりも大きくすればよい。したがって、これを達成できれば、その手段は上記例に限定されるものではない。例えば、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔にオリフィスや絞りを設けて、第2冷媒導入孔の圧力損失ΔP2を、第1冷媒導入孔の圧力損失ΔP1よりも大きくしてもよい。また、上記実施例1及びその第1変形例〜第3変形例における第2冷媒導入孔に、さらにオリフィスや絞りを設けて、第2冷媒導入孔の圧力損失ΔP2を、第1冷媒導入孔の圧力損失ΔP1よりも大きくする効果を増大させてもよい。
以上、実施例1及びその変形例では、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔及び油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔を、ともに油分離装置の軸に対して直交する方向と平行に貫通させ、さらに、第2冷媒導入孔の圧力損失を第1冷媒導入孔の圧力損失よりも大きくする。これによって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができる。また、第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を配置する自由度が向上するので、圧縮機内に油分離装置を設ける場合には、設計の自由度が向上する。さらに、油分離装置内において、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができるので、油分離装置内に筒等の分離手段がある場合と同等の油分離効果が得られる。なお、実施例1及びその変形例で開示した構成は、以下の実施例においても適宜適用できる。
実施例2は、油分離装置の吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔が、油分離装置の内面に冷媒が衝突するように形成され、油溜め部側に設けられる第2冷媒導入孔が、油分離装置の内面に沿って冷媒が流れるように形成される点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、説明を省略する。図9−1は、実施例2に係るオイルセパレータを示す一部断面図である。図9−2は、図9−1のA−A断面図である。図9−3は、図9−1のB−B断面図である。図9−4は、実施例2に係るオイルセパレータを示す側面図である。
第1冷媒導入孔23eはオイルセパレータ20eが備える胴部20etの吐出口側Oに、第2の冷媒導入口24eはオイルセパレータ20eが備える胴部20etの油溜め部部側Sに設けられる。第1冷媒導入孔23e及び第2冷媒導入孔24eは、ともにオイルセパレータ20eの軸Zを含む平面に対して直交する方向に沿って設置される。このため、ドリル等の穿孔手段により、簡単に第1冷媒導入孔23e及び第2冷媒導入孔24eをオイルセパレータ20eに設けることができる。また、第1冷媒導入孔23e及び第2冷媒導入孔24eを配置する自由度も向上する。
実施例2に係るオイルセパレータ20eは、冷媒Fを油溜め部側Sに向かって流すため、第2冷媒導入孔24eからオイルセパレータ20e内に流入する冷媒Fの流れの静圧が、第1冷媒導入孔23eからオイルセパレータ20e内に流入する冷媒Fの流れの静圧よりも低くなるように構成される。このため、第1冷媒導入孔23eからオイルセパレータ20eの内部に流入する冷媒Fの流れが、オイルセパレータ20eの内面20eiwに衝突するように第1冷媒導入孔23eが設けられる。そして、第2冷媒導入孔24eからオイルセパレータ20eの内部に流入する冷媒Fの流れが、オイルセパレータ20eの内面20eiwに沿って流れるように第2冷媒導入孔24eが設けられる。
これを実現するため、第2冷媒導入孔24eは、オイルセパレータ20eの軸方向に垂直な断面内において、オイルセパレータ20eの内面20eiwの接線方向と略平行に設けられる。これによって、第2冷媒導入孔24eからの冷媒Fの流れは、オイルセパレータ20eの内面20eiwに沿って流れる。一方、オイルセパレータ20eの軸Zを含む平面Pzと第1冷媒導入孔23eの中心軸Y1との距離r1は、前記平面Pzと第2冷媒導入孔24eの中心軸Y2との距離r2よりも小さい。これによって、第1冷媒導入孔23eからの冷媒Fの流れは、オイルセパレータ20eの内面20eiwに衝突する。
第1冷媒導入孔23eからオイルセパレータ20eの内部に流入する冷媒Fが、オイルセパレータ20eの内面20eiwに衝突することにより、衝突部Hには高い静圧が発生する。一方、第2冷媒導入孔24eからオイルセパレータ20eの内部に流入する冷媒Fは、オイルセパレータ20eの内面20eiwに沿って流れる。これによって、両者の間には静圧差が発生するため、衝突部Hにおいて、冷媒Fは静圧が高い方から低い方へ向かって流れる。その結果、実施例2に係るオイルセパレータ20eでは、吐出口側Oから油溜め部部側Sへ向かう冷媒Fの流れを形成することができ、オイルセパレータ内に筒等の分離手段がある場合と同等の油分離効果が得られる。
(変形例1)
図10−1、図10−2は、実施例2の第1変形例に係るオイルセパレータを示す断面図である。この変形例は、実施例2と略同様の構成であるが、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔を、オイルセパレータの内部に向かって傾斜させた点が異なる。他の構成は実施例2と同様なので、説明を省略する。図10−1に示すように、この変形例に係るオイルセパレータ20fは、オイルセパレータ20fの軸方向に垂直な断面内において、吐出口側Oにおける胴部20ftに設けられる第1冷媒導入孔23fが、オイルセパレータ20fの内部に向かって傾斜している。また、図10−2に示すように、油溜め部側Sにおける胴部20ftに設けられる第2冷媒導入孔24fは、オイルセパレータ20fの軸方向に垂直な断面内において、オイルセパレータ20fの内面20eiwの接線方向と略平行に設けられる。第1冷媒導入孔23fの中心軸をY1、第2冷媒導入孔24fの中心軸をY2とすると、図10−1に示すように、Y1はY2に対して角度θだけ傾斜している。
このような構成により、第1冷媒導入孔23fからオイルセパレータ20fの内部に流入する冷媒Fが、オイルセパレータ20fの内面20fiwに衝突する。これによって、実施例2に係るオイルセパレータ20eと同様に、吐出口側Oから油溜め部側Sへ向かう冷媒Fの流れを形成することができ、オイルセパレータ内に筒等の分離手段がある場合と同等の油分離効果が得られる。
(変形例2)
図11は、実施例2の第2変形例に係るオイルセパレータを示す側面図である。この変形例は、実施例2と略同様の構成であるが、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔の断面積を、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔の断面積よりも大きくした点が異なる。他の構成は実施例2と同様なので、説明を省略する。
この変形例に係るオイルセパレータ20gは、上述した冷媒の衝突による静圧差によって冷媒Fの流れを偏向させることに加え、油溜め部側Sにおける胴部20gtへ設けられる第2冷媒導入孔24gの圧力損失ΔP2を、吐出口側Oにおける胴部20gtへ設けられる第1冷媒導入孔23gの圧力損失ΔP1よりも大きくすることによって冷媒Fの流れを偏向させる。このため、第2冷媒導入孔24gは、オイルセパレータ20gの軸Z方向に垂直な断面内において、オイルセパレータ20fの内面の接線方向と略平行に設けられる。一方、オイルセパレータ20gの軸Zを含む平面と第1冷媒導入孔23gの中心軸Y1との距離r1は、前記平面と第2冷媒導入孔24gの中心軸Y2との距離r2よりも小さい。さらに、第1冷媒導入孔23gの断面積A1(=π×D1 2/4)を、第2冷媒導入孔24gの断面積A2(=π×D2 2/4)よりも大きくしてある。
これによって、第2冷媒導入孔24gの圧力損失ΔP2を、吐出口側Oに設けられる第1冷媒導入孔23gの圧力損失ΔP1よりも大きくして、冷媒Fの流れを吐出口側Oから油溜め部側Sに向けて偏向させる。このように、この変形例に係るオイルセパレータ20gは、冷媒の衝突による静圧差、及び第2冷媒導入孔24gと第1冷媒導入孔23gとの圧力損失差を用いて冷媒Fの流れを偏向させるので、吐出口側Oから油溜め部側Sに向かうより強い冷媒の流れを生成できる。
(変形例3)
図12は、実施例2の第3変形例に係るオイルセパレータを示す側面図である。この変形例は、実施例2の第2変形例と略同様の構成であるが、油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔を複数とした点が異なる。他の構成は実施例2と同様なので、説明を省略する。この変形例に係るオイルセパレータ20hは、油溜め部側Sにおける胴部20htへ設けられる第2冷媒導入孔24hを複数備える。第2冷媒導入孔24h一個あたりの断面積A2(=π×D2 2/4)は、第1冷媒導入孔23h一個あたりの断面積A1(=π×D1 2/4)よりも小さい。また、オイルセパレータ20gの軸Zを含む平面と第1冷媒導入孔23hの中心軸Y1との距離r1は、前記平面と第2冷媒導入孔24gの中心軸Y2、Y3との距離r2、r3よりも小さい。
これによって、すべての第2冷媒導入孔24hから流出する冷媒の総流量は、実施例2の第2変形例に係るオイルセパレータ20gよりも大きくなる。そして、実施例2の第3変形例に係るオイルセパレータ20hは、第2冷媒導入孔24hと第1冷媒導入孔23hとの圧力損失差による冷媒Fの流れを偏向させる効果は、実施例2の第2変形例に係るオイルセパレータ20gよりも大きくなる。その結果、この変形例に係るオイルセパレータ20hは、実施例2の第2変形例に係るオイルセパレータ20gよりも、冷媒を油溜め部側Sに偏向させる効果が大きくなる。
以上、実施例2及びその変形例では、吐出口側に設けられる第1冷媒導入孔及び油溜め側に設けられる第2冷媒導入孔が、ともに油分離装置の軸を含む平面に対して直交する方向に沿って設置される。さらに、第1冷媒導入孔から油分離装置の内部に流入する冷媒を油分離装置の内面に衝突させて、第1冷媒導入孔から油分離装置の内部に流入する冷媒と、第2冷媒導入孔から油分離装置の内部に流入する冷媒との間に静圧差を形成する。これによって、簡単に第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を油分離装置に設けることができる。また、第1冷媒導入孔及び第2冷媒導入孔を配置する自由度が向上するので、圧縮機内に油分離装置を設ける場合には、設計の自由度が向上する。さらに、油分離装置内において、吐出口側から油溜め側に向かう冷媒の流れを形成することができるので、オイルセパレータ内に筒等の分離手段がある場合と同等の油分離効果が得られる。
以上のように、本発明に係る油分離装置及び圧縮機、並びに空気調和装置は、冷媒中の油を分離することに有用であり、特に、油分離装置の内部に分離管を設けないで冷媒の吐出孔の反対側へ向かう流れを作り出すことに適している。
実施例1に係る圧縮機の内部構造を示す断面図である。 実施例1に係る圧縮機を備える空気調和装置を示す概略図である。 実施例1に係るオイルセパレータを示す一部断面図である。 図3−1のA−A断面図である。 図3−1のB−B断面図である。 実施例1に係るオイルセパレータを示す一部側面図である。 実施例1の第1変形例に係るオイルセパレータを示す側面図である。 実施例1の第2変形例に係るオイルセパレータを示す一部断面図である。 実施例1の第2変形例に係るオイルセパレータを示す一部断面図である。 実施例1の第3変形例に係るオイルセパレータを示す側面図である。 実施例2に係るオイルセパレータを示す一部断面図である。 図9−1のA−A断面図である。 図9−1のB−B断面図である。 実施例2に係るオイルセパレータを示す側面図である。 実施例2に係るオイルセパレータを示す断面図である。 実施例2に係るオイルセパレータを示す断面図である。 実施例2の第2変形例に係るオイルセパレータを示す側面図である。 実施例2の第3変形例に係るオイルセパレータを示す側面図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 ハウジング
3 吸入室
4 電動モータ
8m 旋回スクロール
8s 固定スクロール
14 吸入口
15 吐出口
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h オイルセパレータ
20s 側面
20iw、20eiw、20fiw 内面
20t、20at、20bt、20ct、20dt、20et、20ft、20gt、20ht 胴部
21 油溜め部
22 連通孔
23、23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h 第1冷媒導入孔
24、24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h 冷媒導入口

Claims (10)

  1. 筒状の構造体であって、圧縮された冷媒を吐出する吐出口と、前記冷媒から分離した油を溜める油溜め部とを備える胴部と、
    前記胴部の吐出口側に設けられ、かつ前記胴部の軸を含む平面に直交する方向に沿って設けられる第1冷媒導入孔と、
    前記胴部の油溜め側に設けられ、かつ前記胴部の軸を含む平面に直交する方向に沿って設けられる第2冷媒導入孔と、を含み、
    前記第2冷媒導入孔から前記胴部の内部に流入する冷媒の流れの静圧が、前記第1冷媒導入孔から前記胴部の内部に流入する冷媒の流れの静圧よりも低くなるように、前記第1冷媒導入孔と前記第2冷媒導入孔とが形成されることを特徴とする油分離装置。
  2. 前記第2冷媒導入孔は、前記第1冷媒導入孔よりも圧力損失が大きいことを特徴とする請求項1に記載の油分離装置。
  3. 前記第2冷媒導入孔の断面積は、前記前記第1冷媒導入孔の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の油分離装置。
  4. 前記第2冷媒導入孔は複数設けられるとともに、1個あたりの前記第2冷媒導入孔の断面積は、1個あたりの前記前記第1冷媒導入孔の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の油分離装置。
  5. 前記第2冷媒導入孔の流路長は、前記第1冷媒導入孔の流路長よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の油分離装置。
  6. 前記第2冷媒導入孔の内面における粗さは、前記第1冷媒導入孔の内面における粗さよりも粗いことを特徴とする請求項1に記載の油分離装置。
  7. 前記第1冷媒導入孔は、前記第1冷媒導入孔から前記油分離装置の内部に流入する冷媒の流れが、前記油分離装置の内面に衝突するように設けられ、
    前記第2冷媒導入孔は、前記胴部の軸方向に垂直な断面内において、前記油分離装置の内面の接線方向と略平行であって、前記第2冷媒導入孔から前記油分離装置の内部に流入する冷媒の流れが、前記油分離装置の内面に沿って流れるように設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の油分離装置。
  8. 前記胴部の軸を含む平面から前記第1冷媒導入孔までの距離は、当該平面から前記第2冷媒導入孔までの距離よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の油分離装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の油分離装置を備えることを特徴とする圧縮機。
  10. 請求項9に記載の圧縮機によって冷媒を圧縮することを特徴とする空気調和装置。

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