JP2006233503A - 歩行者誘導方法及び路面標示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LED(発光ダイオード)を発光させて光線を発するランプユニットを具備する路面標示装置を既設の支柱2に設置し、該路面標示装置より歩行者の進行方向に沿って配列した複数のスポット光10を路面に投光し、スポット光10にて形成された誘導ラインに沿って歩行者を歩行させることによって、特に歩行者の夜間の歩行を誘導する。
【選択図】図1
Description
多くのロービジョン者は、聴覚や触覚だけでなく残された視覚を使い、上記のような誘導手段が整備されない道路を歩行している。しかし、明るい昼間と比較して、暗い夜間の方が視覚による道路状態の認知度が劣ることから、昼間と比較して夜間の外出が困難となっている。
しかし、実情では、道路に隣接する家屋への影響や、照明の維持管理費などを考慮せねばならず、上記のように夜間照明の照度を高くすることは困難である。
そこで、近年では、歩行者、特にロービジョン者の夜間歩行を補助する手段として、夜間の視認性に配慮したLED(発光ダイオード)内蔵誘導用ブロックが道路や道路脇に埋設され、全国でその施工工事例が増えつつある。LED内蔵誘導用ブロックは、歩行環境を焦点的に他より明るくするものであり、歩行者はこの明るさを手がかりとして、進行方向や警告を認知することができる。
例えば、特許文献1では、積雪路面では路面上のライン標示が視認できないので、LEDの光をレンズで平行光に変えて雪面に停止線・路側線・中央線等を描出する路面標示装置が提案されている。
さらに、路面表示装置は、既設の柱状物に取り付けることができるので、道路工事や配線工事等の大がかりな工事や設置場所の確保を必要とせず、また、維持管理も容易である。
図1は本発明の路面標示装置の通常時(夜間)における一実施例の説明図、図2は路面標示装置の概略ブロック図、図3は本発明の路面標示装置の非常時における一実施例の説明図、図4は駅のプラットホーム上での路面標示装置の一実施例の説明図、図5は駐車場における路面標示装置の一実施例の説明図である。
本発明の実施例に係る路面標示装置1は、箱形の筐体内部に光源としてのランプユニット45を備えて、主に路面4にスポット状の光(以下、スポット光と記載する)を照射するものである。
図2にも示すように、路面標示装置1には、制御手段40と、通信手段41と、人感センサー42や照度センサー43の検出センサーと、電源ユニット44と、ランプユニット45等が備えられる。これらは路面標示装置1の筐体内にまとめて内装されている。これにより、路面標示装置1を取り付け施工が容易で維持管理しやすい構造とするとともに、既設の支柱2へ設置された際に美観を損ねることのないようにすっきりとした外観としている。
後述するが、路面標示装置1は、非常時において避難する人々を誘導する誘導灯として、また、街灯の代替になる照明灯として、機能することができる。
照度センサー43にて、路面標示装置1の周囲が所定の明るさになったことが検出されると、この情報が信号として制御手段40に送信される。そして、路面標示装置1の周囲が所定の明るさより暗くなった時点で、路面標示装置1が起動(ON)され照射待機状態、また、路面標示装置1の周囲が所定の明るさより明るくなった時点で、路面標示装置1が停止(OFF)される。これにより、路面標示装置1は、夜間や曇天時等の周囲が暗いときにのみ作動可能な状態となる。
人感センサー42にて、光照射領域に人が来たことが検出されると、この情報が信号として制御手段40に送信される。この人感センサー42を備えることで、路面標示装置1を、人感センサー42が歩行者を感知し続ける限りスポット光を照射させ、他は照射待機状態とさせることができ、電力の無駄を省きランプユニット45を長持ちさせることができる。
人感センサー42として、例えば、赤外線検出方式や超音波検出方式等の慣用されている人感センサーが採用され、該人感センサー42の検出部から所定の検出範囲内において移動するものが存在することを検出することにて、人を検知する。
なお、検出部からの検出範囲は、隣接して配置される路面標示装置1・1間の距離の半分以上を半径とすることが好ましく、この検出範囲に基づいて人感センサー42の感度が定められる。
なお、上述のように、路面標示装置1は非常時にも動作可能とするためや施工の簡易化を図るために、自ら発電する電源ユニット44を備えることが好ましいが、積雪、降雪、吹雪や地吹雪、降雨、濃霧等の悪条件又は悪天候状態のため、無照日による発電効果が得られない場合や、路面標示装置1の配置される周囲の環境が太陽光発電をするために十分でない場合には、適宜商用電源を利用して給電したり、街灯に電気を供給する電線から給電したりするように構成することもできる。
LEDへの電力の供給は前記電源ユニット44によって行われ、LEDの発光のON/OFFの切換は電源ユニット44のスイッチング手段46にて動作される。ランプユニット45には、複数のLEDが備えられ、路面4にスポット光を照射するために十分な程度に発光可能とする。なお、LEDは、高輝度発光ダイオードを採用することが好ましく、街灯で照らされる路面4においても際だって明るい高輝度のスポット光が路面標示装置1より照射されるようにする。
前記集光器は、反射板やレンズから構成されるものであり、該集光器にてLEDの発光が、複数の光線となって出射され、路面4にスポット光が投光される。なお、集光器が制御手段40の信号を受けて動作することにて、スポット光の照射範囲の拡大縮小が可能である。
また、ランプユニット45に具備される非常灯5は、非常時に避難する人々を誘導する誘導灯として機能する部分であり、制御手段40で非常時用制御が行われるときに、路面標示装置1の前面等の視認が容易な位置に避難誘導の案内文字あるいは矢印を、LEDの発光により表示する。非常灯5の光の色は、スポット光の色と異なる構成にしてもよい(例えば、非常灯5は赤色のLEDで構成して、非常時に注意を引きやすい光の色とする)。
また、本実施例では、一つの路面標示装置1からの照射にて形成されるスポット光10は三つで、それらは等間隔(例えば5m間隔)に一列に配置される。このように、一つの路面標示装置1にて複数のスポット光10・10・・・を形成するために、上記ランプユニット45では、LEDが複数個角度を変えて併設される。
前記路面標示装置1を既設の支柱2に取り付け固定する手段として、該路面標示装置1の背面と既設の支柱2との両方に係止部を設けて着脱可能にお互いに係止させるか、若しくはボルト等の締結部材と固定具で固定させる。また、溶接固定させてもよい。
具体的には、図1に示されているように、路面標示装置1から発せられるLED光3は路面4上に投射され、これにより高い輝度の複数のスポット光10(照射領域)が形成される。複数のスポット光10は、道路の進行方向に沿って略等間隔に配列される。道路に沿って設置された各支柱2に路面標示装置1を設置することにより、道路に沿って略等間隔に配列されたスポット光10・10・・・より成る鎖線状のライン標示(誘導マーク)が形成される。
また、スポット光10の明るさについては、JIS照度基準では、歩道は1〜10ルクスとなっているが、ロービジョン者にとって、10ルクス以下では夜間の道路は歩きづらい環境となっており、ロービジョン者が歩きやすいようにするためには、スポット光10の照度を20ルクス程度確保することが望ましい。
なお、上記では通信手段41が非常信号を受けることにて、制御手段40が非常時用制御を開始する構成としているが、路面標示装置1に地震の揺れを感知する地震センサーを備えて、地震の揺れがある程度に達すると、制御手段40が非常時用制御を開始する構成することも可能である。
スポット光10による広域照明は、ランプユニット45の集光器を操作し、路面4に投光されるスポット光10の照射範囲を拡大して、人感センサー42での人の検出の有無を問わず断続的に照射する。このように、路面標示装置1にて広域な照明を行うことで、災害等で生じた落下物等の障害物を避難者に視認させ、障害物にぶつかる危険を回避することができる。また、避難所等で広域な照明を行うことで、避難者に安心感を与える等の心理的効果をもたらすことができる。
駅のプラットホーム30からの視覚障害者の転落事故の主な原因として、視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)の誤認識や踏み越え、周囲の地面と区別がつかなかったことが挙げられる。また、点字ブロックにつまずく可能性もある。
そこで、本発明の路面標示装置1にてプラットホーム30に誘導マークを描出することにより、プラットホーム30の利用者、特にロービジョン者を安全に誘導し、プラットホーム30からの転落を未然に防止することを図る。
誘導マークは、駅のプラットホーム30の縁端(線路側)から内側(例えば縁端より内側に80cm)上に断続的に若しくは連続的に複数のスポット光10照射して形成する。誘導マークは、周囲と比較して際立って明るいラインであり、利用者にプラットホーム30の縁端を強く認識させ、利用者、ロービジョン者の転落防止を促すことが期待できる。
また、プラットホーム30に停車する電車の車両を認識させるために、プラットホーム30に入ってくる電車の車両番号あるいはドア番号等の案内標示を予めプラットホーム30上の所定の位置に印刷等で施して表示しておき、それらに路面標示装置1のスポット光10を照射することにより、前記案内標示を利用者に視覚的に訴えることができる。
夜間での駐車場35若しくは駐輪場における問題点として、車上荒らしや違法駐車、若しくは駐車スペースからのはみ出し等が挙げられる。これらの打開策として、本実施例では、駐車場35若しくは駐輪場に本発明の路面標示装置1を備える。
また、同様の警告の効果として、夜間における不法駐車若しくは不法駐輪への整列喚起にもなる。
また、夜間において、運転手は自動車を駐車させてから暗がりで下車しなければならなかったが、路面標示装置1を備えることで、下車する際の足下が照らされるので、水たまりや溝等を予め明確に認識して避けることができ、安全に下車することができる。
2 既設の支柱
3 LED光
5 非常灯
10 スポット光
Claims (12)
- 上方から路面に照射した、歩行者の進行方向に沿って配列した複数のスポット光にて、歩行者の歩行を誘導することを特徴とする歩行者誘導方法。
- 断続的又は連続的に整列した複数のスポット光を路面に照射するランプユニットを備えることを特徴とする路面標示装置。
- 前記ランプユニットは、複数のLED(発光ダイオード)を備えて成ることを特徴とする請求項2に記載の路面標示装置。
- 前記複数のLEDを相互に角度を変化させて併設し、ランプユニットより複数且つ異なる角度をもった光線を発することを特徴とする請求項3に記載の路面標示装置。
- 前記ランプユニットに、スポット光の照射面積を可変とする集光器を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の路面標示装置。
- 前記路面標示装置に、太陽光を利用して発電及び蓄電するとともに電力を供給する電源ユニットを備えることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の路面表示装置。
- 前記路面標示装置に、周囲の明るさを検知する照度センサーと、ランプユニットの光照射領域における人の存否を検出する人感センサーと、ランプユニットへの電力の供給のON・OFFを切り換えるスイッチング手段と、各センサーの検知に基づいてスイッチング手段を操作し前記ランプユニットの点消灯を制御する制御手段とを備え、
前記照度センサーにて検出した夜間に相当する所定の明るさの範囲内において路面表示装置を起動し、人感センサーにて光照射領域での人の存在を検出したときに、ランプユニットにて複数のスポット光を路面に投光するように制御することを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の路面標示装置。 - 前記路面標示装置に、非常時において避難誘導の案内文字あるいは矢印を表示させる非常灯を設けることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の路面標示装置。
- 前記非常灯に前記電源ユニット若しくは外部電源を用いて電力を供給し該非常灯を点灯させることを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の路面標示装置。
- 前記路面標示装置が街灯や電柱等の既設の支柱に設置され、複数のスポット光にて歩行者の進行方向に沿うラインを形成することを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の路面標示装置。
- 前記路面標示装置が駅プラットホームに設置され、複数のスポット光にてプラットホームの縁端に沿うラインを形成することを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の路面表示装置。
- 前記路面標示装置が駐車場若しくは駐輪場に配置され、複数のスポット光にて車若しくは自転車の駐車スペースの周縁に沿うラインを形成することを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の路面表示装置。
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