JP2006233325A - Mg含有酸化膜被覆鉄粉末 - Google Patents

Mg含有酸化膜被覆鉄粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】高比抵抗を必要とする各種電磁気回路部品を製造するための複合酸化物被覆Fe粉末を提供する。
【解決手段】金属Fe微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系複合酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されているMg含有酸化膜被覆鉄粉末であって、前記Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、MgおよびOが表面から内部に向って減少しておりかつFeが内部に向って増加している濃度勾配を有すること、MgO固溶ウスタイト相を有すること、鉄粉末との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有すること、結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有すること、その最表面が実質的にMgOで構成されているMg含有酸化膜被覆鉄粉末およびそれを用いた複合軟磁性材。
【選択図】 図1

Description

この発明は、金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に形成されたMg含有酸化膜被覆鉄粉末に関するものであり、このMg含有酸化膜被覆鉄粉末で作製した複合軟磁性材は低鉄損を必要とする各種電磁気回路部品、例えば、モータ、アクチュエータ、ヨーク、コア、リアクトルなどの各種電磁気部品の素材として使用される。
一般に、各種電磁気回路部品に使用される軟磁性材は、鉄損が小さいことが要求されるため、電気抵抗を高くして渦電流損を低減させ、保磁力を小さくしてヒステリシス損を低減させることは一般に知られていることである。さらに、近年、電磁気回路の小型化、高応答化が求められているところから、磁束密度がより高いことも重要視されている。
かかる高比抵抗を有する軟磁性材料を製造するための原料粉末の一例として鉄粉末の表面にMg含有フェライト膜を被覆したMg含有酸化膜被覆鉄粉末が知られている(特許文献1参照)。
特開平11−1702号公報
しかし、従来のMg含有フェライト膜を被覆したMg含有酸化膜被覆鉄粉末は、鉄粉末の表面にMg含有フェライト膜を化学的方法により被覆するために、プレス成形した圧粉体に高温歪取り焼成を行って得られた複合軟磁性材はフェライト膜が不安定となり変化して絶縁性が低下すると共に、鉄粉末の表面に対するMg含有フェライト膜の密着性が十分でなく、従来のMg含有フェライト膜を被覆したMg含有酸化膜被覆鉄粉末をプレス成形し焼成することにより作製した複合軟磁性材はプレス成形中にMg含有フェライト膜が剥離したり破れるなどして十分な絶縁効果が発揮できず、したがって、十分な高比抵抗が得られないという欠点があった。
そこで、本発明者らは、プレス成形しても、プレス成形時に鉄粉表面の高抵抗酸化膜が破れることが無く表面に酸化膜が強固に密着した鉄粉末であり、プレス成形後に高温歪取り焼成を行っても表面の絶縁性が低下することなく高抵抗で渦電流損失が低くなり、また歪取り焼鈍の焼成を行った場合に、より保磁力が低減できてヒステリシス損失が低くなるMg含有酸化膜被覆鉄粉末を作製すべく研究を行った。
その結果、鉄粉末を予め酸化雰囲気中で加熱する酸化処理を施すことにより鉄粉末の表面に酸化鉄膜を形成した鉄粉末(以下、酸化処理鉄粉末という)を作製し、この酸化処理鉄粉末にMg粉末を添加し混合して得られた混合粉末を不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で転動しながら加熱処理を施すと、
(イ)鉄粉末の表面に金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が形成され、この金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は金属Fe極微粒子が素地中に分散していることから高度の靭性を有し、従来のMg含有フェライト膜に比べて変形性に優れ、また金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が被覆されているMg含有酸化膜被覆鉄粉末は、従来の鉄粉末の表面にMg含有フェライト膜を形成したMg含有酸化膜被覆鉄粉末に比べて金属Fe極微粒子がMg含有酸化膜素地中に分散していることから高度の靭性を有し鉄粉末の変形に充分に追従し、さらに酸化膜の鉄粉末に対する密着性が格段に優れることから、プレス成形中に絶縁皮膜である酸化膜が破壊されて鉄粉末同士が接触することが少なく、プレス成形後に高温歪取り焼成を行っても酸化膜の絶縁性が低下することなく高抵抗を維持できて渦電流損失が低くなり、さらに歪取り焼成を行った場合に一層保磁力が低減できてヒステリシス損失が低くなり、したがって、低鉄損を有する複合軟磁性材料が得られること、
(ロ)前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、MgおよびOが表面から内部に向って減少しておりかつFeが内部に向って増加している濃度勾配を有すること、
(ハ)前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、MgO固溶ウスタイト相(MgOがウスタイト(FeO)に固溶している物質)を含有していること、
(ニ)前記(ハ)記載のMgO固溶ウスタイトは結晶質であることが一層好ましいこと、
(ホ)前記鉄粉末と金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜との界面領域には、鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層が形成されること、
(ヘ)前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有すること、
(ト)前記鉄粉末の表面に形成されている金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の最表面が実質的にMgOで構成されていることが一層好ましいこと、などの知見が得られたのである。
この発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、
(1)金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されているMg含有酸化膜被覆鉄粉末、
(2)前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、MgおよびOが表面から内部に向って減少しておりかつFeが内部に向って増加している濃度勾配を有する前記(1)記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末、
(3)前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、素地中にMgO固溶ウスタイト相を有する前記(1)または(2)記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末、
(4)前記MgO固溶ウスタイト相は結晶質のMgO固溶ウスタイト相である前記(3)記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末、
(5)前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に、鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有する前記(1)、(2)、(3)または(4)記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末、
(6)前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有する前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末、
(7)前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の最表面は、実質的にMgOで構成されている前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末、に特徴を有するものである。
この発明の前記(1)〜(6)記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末は、鉄粉末を予め酸化雰囲気中で加熱することにより酸化処理鉄粉末を作製し、この酸化処理鉄粉末にMg粉末を添加し混合して得られた混合粉末を不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で転動しながら加熱することにより作製する。
一層具体的には、鉄粉末を予め酸化雰囲気中、温度:50〜500℃に加熱して酸化処理することにより鉄粉末の表面に酸化鉄膜を形成した酸化処理鉄粉末を作製し、この酸化処理鉄粉末にMg粉末を添加し混合して得られた混合粉末を温度:150〜1100℃、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で転動しながら加熱することにより作製する。
この発明の前記(7)記載の最表面が実質的にMgOで構成されている金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、鉄粉末を予め酸化雰囲気中、温度:50〜500℃に一層長時間加熱して酸化処理することにより鉄粉末の表面に比較的厚い酸化鉄膜を形成した酸化処理鉄粉末を作製し、この比較的厚い酸化鉄膜を形成した酸化処理鉄粉末にMg粉末を一層多く添加し混合して得られた混合粉末を温度:150〜1100℃、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で転動しながら加熱することにより得られる。
一般に、「堆積膜」という用語は、通常、真空蒸発やスパッタされた皮膜構成原子が例えば基板上に堆積した皮膜を示すが、この発明において、この発明の鉄粉末の表面に形成されている金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、酸化処理鉄粉末表面の酸化鉄(Fe−O)とMgが反応を伴って当該鉄粉末表面に堆積した皮膜を示す。そして、この発明の金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は金属Fe極微粒子がMg−Fe−O三元系酸化物のMg含有酸化膜素地中に分散していることから高度の靭性を有する。このためプレス成形時の鉄粉末の変形に充分に追従すると共に酸化膜の鉄粉末に対する密着性が格段に優れたものとなっている。さらに、この発明の金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜はMgO固溶ウスタイトを含むことが好ましく、このMgO固溶ウスタイトは結晶質であることが一層好ましい。
この発明の鉄粉末の表面に形成されている金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の膜厚は、圧粉成形した複合軟磁性材の高磁束密度と高比抵抗を得るために5〜500nmの範囲内にあるのが好ましい。膜厚が5nmより薄いと圧粉成形した複合軟磁性材の比抵抗が充分でなく渦電流損が増加するので好ましくなく、一方、膜厚が500nmより厚いと圧粉成形した複合軟磁性材の磁束密度が低下し好ましくないからである。さらに好ましい膜厚は5〜200nmである。
この発明のMg含有酸化物被覆鉄粉末を構成する前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、MgおよびOが表面から内部に向って減少しておりかつFeが内部に向って増加している濃度勾配を有しており、この様な濃度勾配を有することにより酸化膜の鉄粒子に対する密着性がより一層優れることからプレス成形中に絶縁皮膜である酸化膜が破壊されて鉄粒子同士が接触することが少なくなり、プレス成形後に高温歪取り焼成を行っても酸化膜の絶縁性が低下することなく高抵抗を維持することができ、したがって、渦電流損失が低くなる。
また、前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に、鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有する。界面領域にこの様な硫黄濃化層を有することにより、酸化膜の鉄粒子に対する密着性がより一層優れるようになって、圧粉成形時の粉末の変形に堆積膜が追従して被覆の破れを防止することができ、焼成時にも鉄粉末同士の接触結合を防止することができて高抵抗を維持することができ、したがって、渦電流損失が低くなる。硫黄濃化層の硫黄は鉄粉末の不可避不純分から供給されるものと考えられる。
この発明のMg含有酸化物被覆鉄粉末を構成する前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、結晶粒が微細であるほど好ましく、結晶粒径:200nm以下の極微細結晶組織を有することが好ましい。この様な極微細結晶組織を有することにより、圧粉成形時の粉末の変形に極微結晶堆積膜が追従して被覆の破れを防止することができ、さらに焼成時にも鉄粉末同士の接触結合を防止することができ、また、高温歪取り焼成を行っても酸化物が安定で絶縁性低下が防止できて高抵抗を維持することができ、そのため渦電流損失が低くなる。結晶粒径が200nmより大きいと、堆積膜の膜厚が500nmよりも厚くなり圧粉成形した複合軟磁性材の磁束密度が低下するので好ましくない。
また、前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その最表面におけるMgOの含有量が多くなるほど好ましく、最表面が実質的にMgOで構成されていることが最も好ましい。この様な最表面が実質的にMgOであると、プレス成形した圧粉体の焼成時にもFeの拡散が防止され鉄粉末同士の接触結合を防止することができ絶縁性低下が防止でき高抵抗で渦電流損失が低くなるからである。
この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末を構成する前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、Mgの一部をMgに対して10原子%以下のAl,Si,Ni,Mn,Zn,Cu,Coのうち1種以上で置換した疑三元系酸化物堆積膜でも良い。
この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末は、平均粒径:5〜500μmの範囲内にある粉末を使用することが好ましい。その理由は、平均粒径が5μmより小さすぎると、粉末の圧縮性が低下し、粉末の体積割合が低くなるために磁束密度の値が低下するので好ましくなく、一方、平均粒径が500μmより大きすぎると、粉末内部の渦電流が増大して高周波における透磁率が低下することによるものである。
この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末を通常の方法で圧粉成形し焼成することにより従来よりも特に高比抵抗を有するこの発明の複合軟磁性材を作製することができる。このようにして作製したこの発明の複合軟磁性材の組織は、鉄粉末から生成した鉄粒子相とこの鉄粒子相を包囲する粒界相からなり、前記粒界相にはMgO固溶ウスタイト相を含有するMg−Fe−O三元系酸化物が含まれており、このMgO固溶ウスタイト相は結晶質であることが一層好ましい。
この他に、平均粒径:0.5μm以下の酸化ケイ素,酸化アルミニウムのうち1種または2種を0.05〜1質量%含有し、残部をこの発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末からなるように配合し混合して混合粉末を作製し、この混合粉末を通常の方法で圧粉成形し、焼成することにより作製することができる。この製造方法によると、この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末を構成する金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は酸化ケイ素や酸化アルミニウムと反応して複合酸化物が形成され、鉄粉末の粒界に高抵抗を有する複合酸化物が介在した高比抵抗を有する複合軟磁性材が得られるとともに酸化ケイ素や酸化アルミニウムを介して焼成されるために機械的強度の優れた複合軟磁性材を製造することができる。この場合、酸化ケイ素や酸化アルミニウムが主体となって焼成されるところから保磁力を小さく保つことができ、したがって、ヒステリシス損の少ない複合軟磁性材を製造することができる、前記焼成は、不活性ガス雰囲気または酸化性ガス雰囲気中、温度:400〜1300℃で行われることが好ましい。
また、この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末にシリカのゾルゲル(シリケート)溶液やアルミナのゾルゲル溶液などの湿式溶液を添加し混合したのち乾燥し、この乾燥した混合物を圧縮成形後、不活性ガス雰囲気または酸化性ガス雰囲気中、温度:400〜1300℃で焼成することにより複合軟磁性材を製造することができる。これらこの発明の複合軟磁性材の組織は、鉄粉末から生成した鉄粒子相とこの鉄粒子相を包囲する粒界相からなり、前記粒界相にはMgO固溶ウスタイト相を含有するMg−Fe−O三元系酸化物が含まれており、このMgO固溶ウスタイト相は結晶質であることが一層好ましい。
さらに、この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末に有機絶縁材料や無機絶縁材料、あるいは有機絶縁材料と無機絶縁材料との混合材料を混合して比抵抗および強度のさらに向上した複合軟磁性材を作製することができる。この場合、有機絶縁材料では、エポキシ樹脂やフッ素樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂,等を用いることができる。また無機絶縁材料では、リン酸鉄などのリン酸塩、各種ガラス状絶縁物、珪酸ソーダを主成分とする水ガラス、絶縁性酸化物、等を用いることができる。
また、この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末に、酸化硼素、酸化バナジウム、酸化ビスマス、酸化アンチモンおよび酸化モリブデンの内の1種または2種以上をB、V、Bi、Sb、MoO換算で0.05〜1質量%を配合し混合したのち圧粉成形し、得られた圧粉成形体を温度:500〜1000℃で焼成することにより複合軟磁性材を作製することができる。このようにして作製した複合軟磁性材は、酸化硼素、酸化バナジウム、酸化ビスマス、酸化アンチモンおよび酸化モリブデンの内の1種または2種以上をB、V、Bi、Sb、MoO換算で0.05〜1質量%を含有し、残部がこの発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末からなる組成を有し、金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と、酸化硼素、酸化バナジウム、酸化ビスマス、酸化アンチモンおよび酸化モリブデンの内の1種または2種以上とが反応した皮膜が形成される。
また、この複合軟磁性材は、酸化硼素のゾル溶液または粉末、酸化バナジウムのゾル溶液または粉末、酸化ビスマスのゾル溶液または粉末、酸化アンチモンのゾル溶液または粉末および酸化モリブデンのゾル溶液または粉末の内の1種または2種以上をB、V、Bi、Sb、MoO換算で0.05〜1質量%、残部が前記この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末からなる組成となるように配合し、混合し、乾燥して前記この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末を酸化物乾燥ゲルまたは粉末からなる混合酸化物で被覆してなる混合酸化物被覆鉄粉末を作製し、この混合酸化物被覆鉄粉末を圧粉し、成形したのち、温度:500〜1000℃で焼成することにより得ることができる。
この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末を使用し、前述の方法で作製したこの発明の複合軟磁性材は、いずれもMg含有酸化膜被覆鉄粉末における鉄粉末から生成した鉄粒子相とこの鉄粒子相を包囲する粒界相からなり、前記粒界相にはMgO固溶ウスタイト相を含有するMg−Fe−O三元系酸化物が含まれている。前記MgO固溶ウスタイト相は結晶質であることが一層好ましい。
この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末を用いて作製した複合軟磁性材は高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有し、この複合軟磁性材は,高磁束密度で高周波低鉄損の特徴を有する事からこの特徴を生かした各種電磁気回路部品の材料として使用できる。前記電磁気回路部品は、磁心、電動機コア,発電機コア、ソレノイドコア、イグニッションコア、リアクトル、トランス、チョークコイルコアまたは磁気センサコアなどがある。そして、この発明のMg含有酸化膜被覆鉄粉末を用いた高抵抗を有する複合軟磁性材からなる電磁気回路部品を組み込んだ電気機器には、電動機、発電機、ソレノイド、インジェクタ、電磁駆動弁、インバータ、コンバータ、変圧器、継電器、磁気センサシステム等があり、電気機器の高効率高性能化や小型軽量化を行うことができる。
この発明の金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜を有するMg含有酸化膜被覆鉄粉末をプレス成形して複合軟磁性材を製造すると、Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は金属Fe極微粒子が素地中に分散していることから高度の靭性を有し、このMg含有酸化膜被覆鉄粉末をプレス成形しても成形中に膜が破壊することが少なく、したがって、得られた複合軟磁性材は高比抵抗を有することから低渦電流損失を有し、さらに保磁力が低いことから低ヒステリシス損失を有する複合軟磁性材を低コスト安定して作製することができ、電気・電子産業上優れた効果をもたらすものである。
実施例1
原料粉末として、平均粒径:70μmを有し不可避不純物として硫黄を含む純鉄粉末を用意し、さらに、平均粒径:50μmのMg粉末を用意した。前記純鉄粉末を大気中、温度:220℃、2時間保持の条件で酸化処理することにより表面に酸化鉄膜を有する酸化処理鉄粉末を作製した。この酸化処理鉄粉末に対し先に用意したMg粉末を、酸化処理鉄粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%の割合で添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:1×10−4MPa、1時間保持の条件で転動しながら加熱することにより鉄粉末の表面に堆積膜が被覆されている本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1を作製した。本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1に形成されている堆積膜の断面組織を電子顕微鏡で観察し、その堆積膜の厚さと最大結晶粒径を求め、その結果を表1に示した。前記堆積膜の断面組織を透過電子顕微鏡で観察した際に撮影した組織写真を図3に示す。図3から、鉄粉末(右上部)の表面に本発明の堆積膜が被覆し、その膜厚は40nm、最大結晶粒径は20nmであることがわかる。また、図3の本発明の堆積膜から得られた電子線回折図形から、結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含有することが解った。
この本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1の表面に形成された堆積膜をX線光電子分光装置により分析を行ない、結合エネルギーを解析したところ、金属Fe微粒子が素地中に分散していることが解った。また、金属Fe微粒子が素地中に分散している堆積膜の最表面はMgOで構成されていることが解った。さらに、堆積膜の深さ方向のMg、OおよびFeの濃度分布をオージェ電子分光装置を用いて調べた。その結果を図1に示す。図1のグラフは堆積膜の深さ方向の分析結果を示しており、図1のグラフにおいて、縦軸はオージェ電子のピーク強度を示しており、一方、横軸は堆積膜のエッチング時間を示しており、エッチング時間が長いほど堆積膜の深い位置を示している。図1から、MgおよびOは表面から内部に向って減少しておりかつFeは内部に向って増加している濃度勾配を有することが解る。従って、本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1は、その堆積膜が金属Fe微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜であること、このMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜はMgおよびOが表面から内部に向って減少しておりかつFeが内部に向って増加している濃度勾配を有すること、結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含むこと、並びにその最表面はMgOで構成されている堆積膜であることが分かる。
さらに、鉄粉末とMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜との界面領域をオージェ電子分光装置を用いて硫黄の分布を調べた。その結果を図2のグラフに示す。図2のグラフにおいて縦軸はオージェ電子のピーク強度を示しており、一方、横軸は被覆堆積膜のエッチング時間を示しており、エッチング時間が長いほど被覆堆積膜の深い位置を示している。図2のオージェ電子分光法で検出した硫黄濃度のグラフには硫黄濃度ピークが示されており、このグラフを見ると、エッチング時間10〜15分程度の堆積膜と鉄粉末との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる不純物硫黄(バックグラウンド)よりも、明らかにオージェ電子分光法でピークをもって硫黄が検出されていることから鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有することが解る。
実施例2
実施例1で用意した純鉄粉末を大気中、温度:215℃、3時間保持の条件で酸化処理することにより表面に酸化鉄膜を有する酸化処理鉄粉末を作製した。この酸化処理鉄粉末に先に用意したMg粉末を実施例1よりも多くなるように酸化処理鉄粉末:Mg粉末=99.5質量%:0.5質量%の割合で添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:660℃、圧力:1×10−4MPa、1時間保持の条件で転動しながら加熱することにより鉄粉末の表面に堆積膜が被覆されている本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末2を作製した。
この本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末2の表面に形成された堆積膜の断面組織を電子顕微鏡で観察し、その堆積膜の厚さと最大結晶粒径を求め、その結果を表1に示した。また、その堆積膜から得られた電子線回折図形から、結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含有することが解った
この本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末2の表面に形成された堆積膜をX線光電子分光装置により分析を行い、X線電子分光法にて、結合エネルギーを解析したところ、金属Fe微粒子が堆積膜素地中に分散していること、MgO固溶ウスタイト相を含有することおよび堆積膜の最表面はMgOで構成されていることが解った。従って、本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末2は、その堆積膜が金属Fe微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜であること、結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含むこと、並びにその最表面はMgOで構成されている堆積膜であることが分かる。
さらに、この本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末2の表面に形成された堆積膜のMg、OおよびFeの濃度分布を実施例1と同様にしてオージェ電子分光装置を用いた方法により調べたところ、MgおよびOは表面から内部に向って減少しておりかつFeが内部に向って増加している濃度勾配を有するMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜であること、さらに、鉄粉末とMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有することが分かった。
実施例3
実施例1で用意した純鉄粉末を大気中、温度:220℃、2時間保持の条件で酸化処理することにより表面に酸化鉄膜を有する酸化処理鉄粉末を作製した。この酸化処理鉄粉末に先に用意したMg粉末を実施例1よりも多くなるように酸化処理鉄粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.3質量%の割合で添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:640℃、圧力:1×10−5MPa、1時間保持の条件で転動しながら加熱することにより鉄粉末の表面に堆積膜が被覆されている本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末3を作製した。この堆積膜の組織を電子顕微鏡で観察し、その厚みおよび最大結晶粒径を表1に示した。また、その堆積膜から得られた電子線回折図形から、結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含有することが解った。
この本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末3の表面に形成された堆積膜をX線光電子分光装置により分析を行ったところ、結合エネルギースペクトルから少なくとも金属Fe極微粒子が堆積膜素地中に分散していること、MgO固溶ウスタイト相を含有すること、さらに、このMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の最表面はMgOで構成されていることが解った。従って、本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末3は、その堆積膜が金属Fe微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜であること、結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含むこと、並びにその最表面はMgOで構成されている堆積膜であることが分かる。
さらに、この堆積膜をオージェ電子分光装置を用いて実施例1と同じ方法により調べたところ、Mg、OおよびFeの濃度分布MgおよびOは表面から内部に向って減少しておりかつFeが内部に向って増加している濃度勾配を有するMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜であること、さらに、鉄粒子とMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有することなどが分かった。
実施例1〜3で得られた本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1〜3を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:500℃、30分保持の条件で焼成を行い、板状およびリング状焼成体からなる複合軟磁性材を作製し、この板状焼成体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表1に示し、さらにリング状焼成体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表1に示した。また実施例1〜3で得られた本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1〜3を用いた複合軟磁性材を透過電子顕微鏡で観察したところ、いずれも鉄粉末から生成された鉄粒子相とこの鉄粒子相を包囲する粒界相が観察され、前記粒界相から得られた電子線回折図形から、粒界相には結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含有するMg−Fe−O三元系酸化物を含むことが解った。
従来例1
実施例1で用意した純鉄粉末の表面にMg含有フェライト層を化学的に形成した従来酸化物被覆鉄粉末1を作製し、この従来酸化物被覆鉄粉末1を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:500℃、30分保持の条件で焼成を行い、板状およびリング状焼成体からなる複合軟磁性材を作製し、板状焼成体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表1に示し、さらにリング状焼成体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表1に示した。
Figure 2006233325
表1に示される結果から、本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1〜3を使用して作製した複合軟磁性材は、従来酸化物被覆鉄粉末1を使用して作製した複合軟磁性材従来複合軟磁性材と比べて、密度については大差は無いが、本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1〜3を使用して作製した複合軟磁性材は、従来酸化物被覆鉄粉末1を使用して作製した複合軟磁性材に比べて、磁束密度が高く、保磁力が小さく、さらに比抵抗が格段に高く、そのため鉄損が格段に小さく、特に周波数が大きくなるほど鉄損が小さくなるなどの特性を有することから、本発明Mg含有酸化膜被覆鉄粉末1〜3は従来酸化物被覆鉄粉末1と比べて一層優れた特性を有する複合軟磁性材を提供することができる軟磁性原料粉末であることが分かる。
金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の深さ方向のMg、OおよびFeの濃度分布をオージェ電子分光装置を用いて測定した結果を示すグラフである。 金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の深さ方向の硫黄濃度分布をオージェ電子分光装置を用いて測定した結果を示すグラフである。 金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の断面の組織を示す電子顕微鏡組織写真である。

Claims (13)

  1. 金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されていることを特徴とするMg含有酸化膜被覆鉄粉末。
  2. 前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、MgおよびOが表面から内部に向って減少しておりかつFeが内部に向って増加している濃度勾配を有することを特徴とする請求項1記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末。
  3. 前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、素地中にMgO固溶ウスタイト相を有することを特徴とする請求項1または2記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末。
  4. 前記MgO固溶ウスタイト相は結晶質のMgO固溶ウスタイト相であることを特徴とする請求項3記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末。
  5. 前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に、鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有することを特徴とする請求項1、2、3または4記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末。
  6. 前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末。
  7. 前記金属Fe極微粒子が素地中に分散しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の最表面は、実質的にMgOで構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のMg含有酸化膜被覆鉄粉末。
  8. 請求項1〜7記載の内のいずれかのMg含有酸化膜被覆鉄粉末を用いて作製した複合軟磁性材。
  9. 鉄粒子相とこの鉄粒子相を包囲する粒界相からなり、前記粒界相にはMgO固溶ウスタイト相を含有するMg−Fe−O三元系酸化物が含まれていることを特徴とする請求項8記載の複合軟磁性材。
  10. 前記MgO固溶ウスタイト相は結晶質であることを特徴とする請求項9記載の複合軟磁性材。
  11. 請求項8、9または10記載の複合軟磁性材からなる電磁気回路部品。
  12. 前記電磁気回路部品は、磁心、電動機コア,発電機コア,ソレノイドコア,イグニッションコア,リアクトル,トランス,チョークコイルコアまたは磁気センサコアであることを特徴とする請求項11記載の電磁気回路部品。
  13. 請求項11または12記載の電磁気回路部品を組み込んだ電気機器。
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