JP2006232573A - 光学素子徐冷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガラス製光学素子の成形歪みを、短時間に、一個ずつ、光学的に影響無いレベルに低減する。
【解決手段】 光学素子を徐冷して、成形工程などの影響による複屈折や屈折率分布を取り除いて所望の光学性能を得る工程において、光学素子1を、光学素子の体積の500%以下の空間を有する容器3内に配置して徐冷を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】 光学素子を徐冷して、成形工程などの影響による複屈折や屈折率分布を取り除いて所望の光学性能を得る工程において、光学素子1を、光学素子の体積の500%以下の空間を有する容器3内に配置して徐冷を行う。
【選択図】 図2
Description
本発明は、光学素子の製造方法に関し、特に成形されたガラス製光学素子の、成形工程などの影響による複屈折や屈折率分布を取り除いて所望の光学性能を得るための光学素子徐冷(アニール)方法に関する。
従来、光学ガラスの製造において、プレス成形によって製造されたガラス製光学素子は、急冷されているため、熱応力に起因する複屈折や屈折率分布が、研削研磨で製造された光学素子より悪いため、徐冷により、所望の複屈折や屈折率分布になるように調整して製品化されていた。
徐冷方法に関しては、非特許文献1等では、転移領域の比較的高温度のところで短時間一定温度保持した後、非常にゆっくりした一定の冷却速度でガラスの徐冷温度範囲だけ冷却し、その後は速く冷却することが記載されている。更に、屈折率の均質性は一般に冷却速度を小さくすればするほどよくなり、一般には数日から1か月程度の徐冷時間を設けているが、高い均質性を要求されるガラスにおいてはそれ以上の時間をかけていると記載されている。
徐冷時間の短縮方法として、特許文献1では、冷却速度を毎時20℃から100℃とすることが提案されている。
徐冷炉内の温度分布を均一化する方法としては、特許文献2では、ガラス基板の間に金属板を挿入することが提案されている。
特開2003−040634号公報
特開平1−93431号公報
ガラス光学ハンドブック(朝倉書店)
しかしながら、前述の例では、成形によって製造された光学素子の場合、徐冷炉でバッチ処理する場合、ある程度、光学素子が貯まらないと徐冷処理できず、多くの仕掛品を持つ必要があるなどの問題点があった。また、除冷工程のタクト(冷却速度:毎時20℃以上)が成形工程のタクト(冷却速度:毎分20℃程度)に比べて極端に長いため、大量の仕掛品が生じるという問題点があった。
また、徐冷工程を行うと、光学有効面が炉内で接触するため、反射防止膜等の光学薄膜を成膜する前に、洗浄する必要があった。
本発明では、前述した問題点を解決することによって、成形できた光学素子を直接徐冷工程に流し、徐冷工程終了後、洗浄工程無しで、光学薄膜成膜工程へ流せるよう一貫生産を可能とする製造方法に係る光学素子徐冷方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1は、光学素子を、光学素子の体積の500%以下の空間を有する容器内に配置して徐冷を行うことを特徴とする。
請求項2は、光学素子を配置する空間が、光学素子の近似形状であることを特徴とする。
請求項3は、光学素子の非有効光学面の一部のみを容器に接触させ、光学素子の有効光学面には容器に接触しないように配置して徐冷を行うことを特徴とする。
請求項4は、光学素子の有効光学面以外の部分を、光学素子の熱伝導率以下の材料で構成されている保持台を介して、光学素子の熱伝導率より高い材料で構成された容器内に配置して徐冷を行うことを特徴とする。
請求項5は、光学素子を配置する容器が、ヒーターで温度制御できるよう構成されている装置を用いて徐冷を行うことを特徴とする。
請求項6は、光学素子を配置する容器を、加熱炉内で温度制御することを特徴とする。
請求項7は、光学素子を配置する容器を、徐冷温度の高温炉に一定時間放置後、歪温度より低い温度域で自然冷却することを特徴とする。
本発明では、除冷時間が大幅に短縮でき、成形サイクルに対応して除冷できるため、成形できた光学素子を直接徐冷工程に流し、徐冷工程終了後、洗浄無しで、光学薄膜成膜工程へ流せるよう一貫生産を可能とする製造方法に係る光学素子徐冷方法が達成できた。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[従来例]
本実施の形態に先立ち、従来の徐冷方法について説明する。図1に示す、一般の成形装置で成形された多面体プリズム(硝材、オハラ製L−PHL2、歪み点温度310℃、徐冷温度360℃)を得た。このときの成形サイクルは10分であった。一般のマッフルを備えたプログラム温度調節器を備えた電気炉に入れ、室温から徐冷温度360℃まで加熱する。この温度で6時間保持し、室温まで24時間(冷却速度=約12℃/H)かけて冷却した。この光学素子の屈折率分布は最大2×10−5/mm、複屈折率3nm/cm以下であった。
本実施の形態に先立ち、従来の徐冷方法について説明する。図1に示す、一般の成形装置で成形された多面体プリズム(硝材、オハラ製L−PHL2、歪み点温度310℃、徐冷温度360℃)を得た。このときの成形サイクルは10分であった。一般のマッフルを備えたプログラム温度調節器を備えた電気炉に入れ、室温から徐冷温度360℃まで加熱する。この温度で6時間保持し、室温まで24時間(冷却速度=約12℃/H)かけて冷却した。この光学素子の屈折率分布は最大2×10−5/mm、複屈折率3nm/cm以下であった。
前述の従来例と同じ硝材を同様に成形加工して、図1の多面体プリズムを得た。この多面体プリズム1を、図2に示す、多面体プリズム1の体積の500%以下で、光学素子の近似形状の空間を有するヒーター2による温度制御可能な容器3内に、ガラスよりなる保持台4を介して配置して、室温から徐冷温度360℃まで加熱する。この温度で10分間保持し、310℃まで20分間(冷却速度=約150℃/H)かけて冷却した。
この光学素子の屈折率分布は最大4×10−5/mm、複屈折率30nm/cm以下であった、従来例に比べて、光学特性の劣化はあるが、実用上問題無い値であり、除冷時間は大幅に短縮された。大幅に短縮できた理由としては、多面体プリズムが、従来例のような、電気炉に設置すると、炉内の温度分布が均一になるのに、時間がかかり、また、冷却時も温度分布がつきやすいため、ゆっくり冷却する必要があったが、本発明では、多面体プリズムを設置してある空間が、多面体プリズムの容積に近いため、容器の温度と多面体プリズムの温度差を小さくできたためと考えられる。
更に、光学素子を配置する空間が、光学素子の近似形状である方が温度分布を均一化する上で望ましい。
しかし、光学素子の体積の500%以上の空間では、容器の温度と多面体プリズムの温度差を小さくできなうため、光学素子の温度分布が不均一となり、屈折率分布、複屈折率が緩和できず、所望の光学特性が得られなかった。また、容器の空間の体積としては、光学素子体積に近い程、光学性能上は好ましいが、容器の加工に手間がかかるため、実用上は200%程度が好ましい。
更に、光学素子を配置する容器が光学素子の熱伝導率より高い材料で構成されることが、温度分布均一性の面で望ましい。具体的には、SUS、アルミ、銅等の金属、WC、SiC等のセラミックスがあるが、加工性の面で、金属が望ましい。接触部分の保持台は、光学素子の熱伝導率以下の材料で構成されている装置を用いて、徐冷を行うことが温度分布を均一化する上で望ましい。具体的材料としては、ガラス、石綿、石膏、耐火レンガ等があるが、ゴミの問題でガラスが望ましい。
また、光学素子を配置する容器を、加熱炉内で温度制御することも可能である。また、容器を、温度勾配が付いた加熱炉内を動かすことも可能である。
更に、光学素子を配置する容器を、徐冷温度の高温炉に一定時間放置後、歪温度より低い温度域で自然冷却することも可能である。但し、この場合、光学素子の形状及び体積から、容器の熱伝導率及び熱容量を最適化する必要性がある。
図3に示す、一般の成形装置で成形された軸対称非球面レンズ5(硝材、(株)オハラ製L−BAL42、Tg504℃)を得た。このときの成形サイクルは7分であった。
この軸対称非球面レンズ5を、図4に示す、軸対称非球面レンズ5の体積の200%以下で、光学素子の有効光学面9には接触しない形状の空間を有するヒーター6による温度制御可能な容器7内に、ガラスよりなる保持台8を介して配置して、室温から徐冷温度460℃まで加熱する。この温度で10分間保持し、410℃まで20分間(冷却速度=約150℃/H)かけて冷却した。この光学素子の屈折率分布は最大5×10−5/mm、複屈折率45nm/cm以下であった、研削研磨品に比べて、光学特性の劣化はあるが、実用上問題無い値であり、除冷時間は大幅に短縮された。また、容器と光学有効面が接触していないため、次工程で成膜する際、洗浄を省くことができた。
1 多面体プリズム
2、6 ヒーター
3、7 容器
4、8 保持台
5 軸対称非球面レンズ
9 光学有効面
2、6 ヒーター
3、7 容器
4、8 保持台
5 軸対称非球面レンズ
9 光学有効面
Claims (7)
- 光学素子を徐冷して、成形工程などの影響による複屈折や屈折率分布を取り除いて所望の光学性能を得る工程において、光学素子を、光学素子の体積の500%以下の空間を有する容器内に配置して徐冷を行うことを特徴とする光学素子徐冷方法。
- 光学素子を配置する空間が、光学素子の近似形状であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子徐冷方法。
- 光学素子を徐冷して、成形工程などの影響による複屈折や屈折率分布を取り除いて所望の光学性能を得る工程において、光学素子の非有効光学面の一部のみを容器に接触させ、光学素子の有効光学面には容器に接触しないように配置して徐冷を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学素子徐冷方法。
- 光学素子の有効光学面以外の部分を、光学素子の熱伝導率以下の材料で構成されている保持台を介して、光学素子の熱伝導率より高い材料で構成された容器内に配置して徐冷を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学素子徐冷方法。
- 光学素子を配置する容器が、ヒーターで温度制御できるよう構成されている装置を用いて徐冷を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学素子徐冷方法。
- 光学素子を配置する容器を、加熱炉内で温度制御することを特徴とする請求項1に記載の光学素子徐冷方法。
- 光学素子を配置する容器を、徐冷温度の高温炉に一定時間放置後、歪温度より低い温度域で自然冷却することを特徴とする請求項1に記載の光学素子徐冷方法。
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2005
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