JP2006232158A - 自動車のドア構造 - Google Patents

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直久 上杉
Hiroshi Uchida
博志 内田
Masayuki Nakamura
誠之 中村
Katsuhisa Yamada
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Abstract

【課題】 ドアモジュールのインナパネルへの取付けの強度を、コスト、重量及び作業性に悪影響を与えないような簡単な構造で向上させると共に乗員が重厚さを感じることができる低周波音を増大させることが出来る自動車のドア構造を提供する。
【解決手段】 本発明は、自動車のドア構造であって、ドアアウタパネル2と、ドアラッチ16を備えるドアインナパネル6と、樹脂製のドアモジュール8とを有し、ドアモジュールは、特定の低周波数の振動の音響変換効率を増大させる増大手段を備え、ドアモジュールは、ドアインナパネルに固定されたグロメット80と、ドアモジュールの挿通孔8kを介してグロメットに固定されるスクリューグロメット82と、によりドアインナパネルに取り付けられ、ドアモジュールには、挿通孔の周囲でグロメットの頭部の高さより大きな高さで一体的に形成されドアインナパネルに当接する台座部84が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車のドア構造に係り、特に、ドアラッチにより車体に開閉自在に支持される自動車のドア構造に関する。
従来、ドアの振動騒音を抑制する技術として、例えば、特許文献1には、ドア内に設ける吸音材に関する技術が開示され、この吸音材により、車外から車内、或いは、車内から車外への振動伝搬を遮断するようにしている。また、ドア閉時の異音発生を防止する技術として、特許文献2には、ドア閉時に車体側に設けたドアスイッチに当接するドアインナパネルの所定位置に、当たり部を設けたドア構造が開示され、このドア構造により、ドア閉時にインナパネルの振動を抑制するようにしている。
特開2003−118364号公報 特開平10−138759号公報
ここで、ドア閉時に発生するドア閉め音は、周波数の高い高周波音よりも周波数の低い低周波音の方が、乗員等はその音から重厚さを感じることができる。従って、自動車としての商品性を高めるために、ドアから放射されるドア閉め音のうち、低周波音を増大させることが望まれている。また、近年、車体はもちろん、ドア構造に関しても、コスト低減、軽量化及び製造時の作業性の向上が望まれているため、コスト、重量及び作業性に悪影響を与えないような簡単な構造で低周波音を増大させることが出来るドア構造が望まれている。
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2のドア構造では、低周波音を増大させることが出来ない。
ここで、近年、主にコスト低減を目的として、ウインドウレギュレータやスピーカ等のドア機能部品を予めモジュール化してドアのインナパネルに設けることが行われている。本出願人は、上述した問題に対し、このようなドアモジュールで低周波音を増大させるように、例えば、ドアモジュール全体にわたって形成したリブやビード等により、ドアモジュール全体で1×1モードのような低次モードの振動を発生し易くして、乗員が重厚さを感じることができる特定の低周波数の振動の音響変換効率を増大させるようなドア構造を提案している(特願2004−280372)。
このようなドア構造により、低周波音を増大させて乗員に重厚さを感じさせることが出来る。しかしながら、ドアモジュールが低周波数で大きく振動することによりインナパネルへの取付部に負荷がかかるので、ドアモジュールのインナパネルへの取付けの強度を、コスト、重量及び作業性に悪影響を与えないような簡単な構造で向上させたいという要求があった。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ドアモジュールのインナパネルへの取付けの強度を、コスト、重量及び作業性に悪影響を与えないような簡単な構造で向上させると共に乗員が重厚さを感じることができる低周波音を増大させることが出来る自動車のドア構造を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、ドアラッチにより車体に開閉自在に支持される自動車のドア構造であって、ドアアウタパネルと、このドアアウタパネルの車室側に配置され開口部が形成されたドアインナパネルと、このドアインナパネルの開口部を覆うようにドアインナパネルに配置された樹脂製のドアモジュールと、を有し、ドアモジュールは、ドア閉時に生じる振動のうちの特定の低周波数の振動の音響変換効率を増大させる増大手段を備え、ドアモジュールは、ドアインナパネルの開口部の周縁部に複数設けられた取付孔に固定されたグロメットと、ドアモジュールの周縁部に複数設けられた挿通孔を介してグロメットに固定されるスクリューグロメットと、によりドアインナパネルに取り付けられ、ドアモジュールには、挿通孔の周囲でグロメットの頭部の高さより大きな高さで一体的に形成されドアインナパネルに当接する台座部が形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、ドアモジュールは、ドア閉時に生じる振動のうちの特定の低周波数の振動の音響変換効率を増大させる増大手段を備えているので、乗員が重厚さを感じることができる特定の低周波数の振動エネルギが、増大した音響放射エネルギに変換される。その結果、ドアモジュールから放射される低周波音を増大させることが出来、乗員は、ドア閉め音を重厚と感じることが出来る。また、この増大した低周波音は、ドアアウタパネルとドアインナパネルとの間の空間に放射され、さらに、ドアアウタパネルを透過して、車外側に放射される。ドアアウタパネルを透過したドア閉め音は、高周波成分が減衰されるので、車外にいる乗員に、より確実に、重厚さを感じさせることが出来る。
また、ドアモジュールは、ドアインナパネルの取付孔に固定されたグロメットと、ドアモジュールの挿通孔を介してグロメットに固定されるスクリューグロメットと、によりドアインナパネルに取り付けられているので、簡易な構造及び簡単な工程で、ドアモジュールをドアインナパネルに取り付けることが出来る。また、ドアモジュールには、挿通孔の周囲でグロメットの頭部の高さより大きな高さで一体的に形成されドアインナパネルに当接する台座部が形成されているので、ドアモジュールは、グロメット及びスクリューグロメットの他、台座部によっても支持されることになり、増大手段によりドアモジュールで低周波音を増大させて大きな振動が生じても、スクリューグロメットにかかる負荷が非常に小さくなる。この結果、スクリューグロメットの破損や折れ曲がりを防止することが出来る。さらに、台座部により取付強度が高まるので、ドアモジュールでより確実に低周波数の振動を増大させることが出来、ドア閉め音をより確実に重厚さを感じるように向上させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、ドアモジュールの台座部は、挿通孔を取り囲むように形成されている。
このように構成された本発明においては、ドアモジュールの台座部は、挿通孔を取り囲むように形成されているので、長いスパン(距離)でスクリューグロメットを支持することが出来、その結果、スクリューグロメットにかかる負荷をより確実に小さくすることが出来る。特に、ドアモジュールとドアインナパネルとの相対的な振動が複合的、即ち、面外方向及び面内方向のあらゆる振動が組み合わされた者である場合に、ドアモジュールがドアインナパネルに対して台座部により主に支持され、効果的にスクリューグロメットの破損等を防止することが出来る。
また、本発明は、好ましくは、ドアモジュールの台座部は、挿通孔を環状に囲むように形成されている。
このように構成された本発明においては、ドアモジュールの台座部は、挿通孔を環状に囲むように形成されているので、長いスパン(距離)でスクリューグロメットを支持することが出来、その結果、スクリューグロメットにかかる負荷をより確実に小さくすることが出来る。特に、ドアモジュールとドアインナパネルとの相対的な振動が複合的、即ち、面外方向及び面内方向のあらゆる振動が組み合わされた者である場合に、ドアモジュールがドアインナパネルに対して台座部により主に支持され、効果的にスクリューグロメットの破損等を防止することが出来る。
また、本発明は、好ましくは、ドアモジュールの台座部は、挿通孔に対して相対するように2箇所で延び、それらの2箇所で延びる台座部は、それらを結んだ線がドアモジュールの中心部を通るように配置されている。
このように構成された本発明においては、ドアモジュールの2箇所で延びる台座部は、それらを結んだ線がドアモジュールの内方に向かうように配置されているので、ドアモジュールの振動を台座部が有効に受け止めることが出来る。
本発明による自動車のドア構造によれば、ドアモジュールのインナパネルへの取付けの強度を、コスト、重量及び作業性に悪影響を与えないような簡単な構造で向上させると共に乗員が重厚さを感じることができる低周波音を増大させることが出来る自動車のドア構造を提供することを目的としている。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、図1は、本発明の実施形態による自動車のドア構造を適用したフロントドアの基本構造を示す分解斜視図、図2は、本実施形態のドアインナパネル及びドアモジュールの構造を示す車室側から見た平面図である。
先ず、図1に示すように、フロントドア1は、鋼板製のドアアウタパネル2を備え、このドアアウタパネル2で、フロントドア1のアウタ部を構成している。このドアアウタパネル2には、鋼板製のウインドウサッシュ4が溶接により固定されている。
また、フロントドア1は、ドアアウタパネル2の車室側に設けられドアアウタパネル2と互いに溶接により固定されている鋼板製のドアインナパネル6と、このドアインナパネル6の開口部6aを覆うように車室側からドアインナパネル6に取り付けられるドアモジュール8とを備え、これらのドアインナパネル6及びドアモジュール8でフロントドア1のインナ部を構成している。インナ部の車室側には、ファスナクリップ等(図示せず)でドアトリム10が取り付けられる。
ドアインナパネル6は、開口部6aの周りに形成され車室側に面するパネル面に、前方領域6b、後方領域6c、上方領域6d及び下方領域6eを有する。また、ドアインナパネル6は、ドアインナパネル6の車体前後方向の前方の端部でドアアウタパネル2から車室側に向けてほぼ垂直に延びる前端面6fを有している。この前端面6fには、一対のドアヒンジ14が固定されている。これらのドアヒンジ14は、車体(図示せず)に固定され、フロントドア1が車体に開閉自在に支持されるようになっている。
また、ドアインナパネル6は、ドアインナパネル6の車体前後方向の後方の端部でドアアウタパネル2から車室側へほぼ垂直に延びる後端面6gを有する。この後端面6g及び後方領域6cには、その内方に、ドアラッチ部16が設けられている。このドアラッチ部16は、ドアインナパネル6に固定されたドアラッチブラケット18と、このドアラッチブラケット18に固定されたドアラッチ機構20とを有する。このドアラッチ機構20は、ドア閉時に、ドアインナパネル6に形成されたラッチ開口部6hを通して、車体のピラー(図示せず)に固定されたストライカ(図示せず)と係合してフロントドア1がその閉じ位置で車体に保持されるようになっている。
次に、図1及び図2に示すように、ドアモジュール8は、その車体前後方向の長さが車体上下方向の長さより長いほぼ四角形状の外形に形成され、一方、ドアインナパネル6の開口部6aも、このドアモジュール8の外形とほぼ同一の形状に形成されている。ドアモジュール8は、開口部6aより一回り大きい寸法に形成され、その周縁部が、ドアインナパネル6の開口部6aの周縁部に連結される。図1に示すように、ドアインナパネル6の各領域6b〜eには、開口部6aの周縁部に、開口部6aに沿って、ドアモジュール8を取り付けるための複数の取付孔6kが形成され、ドアモジュール8の周縁部には、これらの孔6kに対応する位置に複数の取付孔(挿通孔)8kが形成されている。図2に示し、詳細には後述するように、ドアモジュール8は、これらの取付孔6k、8kを介した複数の第1の連結部22及び複数の第2の連結部24により、ドアインナパネル6に取り付けられるようになっている。
また、図1に示すように、このドアモジュール8には、ウインドウレギュレータ26、スピーカ28、側突用バッド部材(衝撃吸収部材)30、各ドア機能部品に電気を供給するハーネス類(図示せず)、ドアラッチ機構20に連結されるケーブル類(図示せず)などが取り付けられている。また、図2に示すように、ドアモジュールには、バッド部材用凹部32が形成され、この凹部32に側突用バッド部材(衝撃吸収部材)30(図1参照)が固定されるようになっている。さらに、ドアモジュール8には、ドアアウタパネル2に取り付けられているドアハンドル(図示せず)とケーブル類とを連結したり、その他の作業を行うための作業用孔部34や、上述したハーネス類やケーブル類を通すハーネス用孔部36が形成されている。
次に、図2乃至図4により、本実施形態のドアモジュール8の構造を具体的に説明する。図3は、図2のIII-III線に沿って見たドアモジュールの車体前後方向の断面形状を示す断面図であり、図4は、マイクロセル成形技術によるドアモジュールの成型方法を説明するための金型及び樹脂注入装置の断面図である。
先ず、図2及び図3に示すように、本実施形態のドアモジュールは、ドア閉め音増大領域8aと、特定ドア機能部品支持領域8bと、に分かれるように形成されている。
ドア閉め音増大領域8aは、ドアラッチ部16に近い後方側に形成され、特定ドア機能部品支持領域8bは、ドアモジュール8の前方側に形成されている。また、図3に示すように、ドア機能部品支持領域8bの厚さt2が、ドア閉め音増大領域8aの厚さt1より大きくなるように成型されている。
ドア閉め音増大領域8aは、ドアモジュール8に伝達されるドア閉時に主にドアラッチ部16の側で生じる振動のうち、乗員が重厚さを感じることができる特定の低周波数の振動エネルギを、増大した音響放射エネルギに変換させて、ドアモジュール8から放射される低周波音を増大させるようにしたエリアである。即ち、この領域8aは、そのような低周波音の音響変換効率が高められている。
一方、特定ドア機能部品支持領域8bは、この領域から音響が放射されにくいように形成された領域である。そして、この支持領域8bには、スピーカ28や、ウインドウレギュレータ26のモータ40等の音や振動を発生するドア機能部品が取り付けられるようになっている。この支持領域8bでは、スピーカ28の発する音はスピーカ28からのみ良好に放射されるように、或いは、モータ40の振動音がこの領域から放射されにくくなるようにしたエリアである。即ち、この領域8bは、振動の音響変換効率が低くなっている。
また、ドア閉め音増大領域8aと特定ドア機能部品支持領域8bとの境界領域8cには、ウインドウレギュレータ26を取り付けるための補強リブ42が形成されている。この補強リブ42は、ドア閉め音増大領域8aと特定ドア機能部品支持領域8bとを分断するように上下方向に延びており、ドア閉め音増大領域8aの縦横比がほぼ1:1となるようにドア閉め音増大領域8aを区画する役割を果たすと共に、ドア閉め音増大領域8aの振動が、特定ドア機能部品支持領域8bに伝達されないように振動を遮断する役割も果たしている。
本実施形態では、ドアモジュール8を、微細発泡成形技術(マイクロセル工法)及びコアバック成形により成形し、上述した各領域8a〜cが形成されるようにしている。
ここで、微細発泡(マイクロセル)成形技術について説明する。この微細発泡成形技術とは、溶融樹脂に超臨界ガスを含浸させて単一相の溶流体を形成した後、この溶流体を型内に射出し、降圧により発泡させて微細且つ均一な発泡構造を形成するものである。超臨界ガスとして、CO2或いはN2が用いられ、これらのガスが含浸した溶流体は、所定の温度(臨界温度)以上の温度及び所定の圧力(臨界圧力)以上の圧力において、その密度が液体に近く、流動性は気体の状態にあるものである。つまり、このような溶流体では、溶融樹脂の中をガスが活発に移動することが出来、分子の奥深くまで均一に拡散するため、微細な発泡の種を生成させることが出来る。このような溶融樹脂は、コアバック、即ち、雄型を後退させて降圧させることにより発泡し、一方、コアバックしなければ発泡しない状態となる。その後、冷却することで、発泡した状態或いは発泡しない状態のいずれかで硬化させることが出来る。
本実施形態では、樹脂として、ガラス長繊維ポリプロピレン(GFPP)を用いている。このような微細発泡成形技術及びコアバック成形による、本実施形態のドアモジュールの成型手法を説明する。
先ず、図4(a)に示すように、注入装置44のシリンダ46内にガラス長繊維ポリプロピレンが投入されると共に超臨界ガスが含浸される。この超臨界ガスが含浸されたポリプロピレンの溶流体50はヒータ48で加熱されて臨界温度以上にされ、シリンダ内は、臨界圧力以上にされている。
次に、このような超臨界状態の超臨界ガス含有の溶融樹脂50が、雌型52及び雄型54、56の隙間に充填される。雄型56は、可動部となっている。
次に、図4(b)に示すように、溶流体50の雌型52及び雄型54、56の隙間への充填が終了した後、雄型56をコアバックさせる。即ち、この可動式の雄型56は、平面視でドアモジュール8のドア機能部品支持領域8bの形状に形成され、その雌型52との隙間が、ドア機能部品支持領域8bの厚さt2となるまで、雄型56が、ドアモジュール8の面外方向に後退される。このようなコアバックにより、超臨界状態のガスが樹脂50内で発泡し、その後冷却することにより、微細且つ均一な発泡セルが生成した状態で、硬化する。
一方、雌型52及び雄型54の隙間の大きさは、ドアモジュール8のドア閉め音増大領域8aの厚さと同一になっており、この部分は、コアバックされず、そのまま冷却されて、発泡しないまま硬化する。
このような微細発泡成形技術及びコアバック成型により、図3に示すように、ドア機能部品支持領域8bの板厚t2が高められ、且つ、発泡される。このような大きな板厚及び発泡により、ドア機能部品支持領域8bの剛性が高められ、且つ、その領域の振動が発泡空気層により、吸音或いは減衰され、その領域から音響が放射されにくくなっている。一方、ドア閉め音増大領域8aは、発泡しておらず且つ板厚が小さいので、振動が減衰しにくく且つ振動し易くいなっており、その結果、音響が放射し易くなっている。このようにして、ドア機能部品支持領域8bでは、剛性及び振動減衰能の両方とも大きく、一方、ドア閉め音増大領域8aでは、剛性及び振動減衰能の両方ともが小さくなるようにされている。
次に、図2、図3及び図5により、ドア機能部品支持領域8bの構造について具体的に説明する。図5は、図2のV-V線に沿って見たモータ収容用凹部の断面図である。
先ず、図2に示すように、ドアモジュール8のドア機能部品支持エリアには、その下方部分にスピーカ用孔部60が形成され、このスピーカ用孔部60にスピーカ28が取り付けられている。
次に、そのスピーカ28の上方には、モータ収容用凹部62が形成されている。図5に示すように、モータ収容用凹部62は車室側に突出し、その内部に、ウインドウレギュレータ26のモータ40が収容され且つ固定されている。図2及び図3に示すように、ウインドウレギュレータ26は、上述した境界領域8cの補強リブ42にそのレール部26aの上端部及び下端部がそれぞれ連結され、モータ40は、このレール部26aを介してウインドウガラス64(図1参照)を昇降するようになっている。
次に、図2、図3及び図6により、ドア閉め音増大領域8aの構造について具体的に説明する。図6は、図2のVI-VI線に沿って見た作業用孔部に設けた第4補強構造を示す断面図である。
このドア閉め音増大領域8aは低周波音響増大手段を備えている。先ず、この低周波音響増大手段について説明する。
ドア閉時には、主にドアインナパネル6のドアラッチ部16の側において振動が生じる。この振動は、ドアインナパネル6に伝達され、さらに、ドアモジュール8に伝達される。このドアモジュール8には、その機能上、様々なドア機能部品(26、28)を取り付けたり、凹部(32)等や孔部(34、36)等を形成する必要があり、その形状及び構造は複雑になる。低周波音響増大手段は、このような複雑な形状及び構造をしているドアモジュール8の剛性を調整して、ドアモジュール8に伝達された振動のうち、乗員が重厚さを感じることができる特定の低周波数の振動の振動音響変換効率を増大させるものである。即ち、ドアモジュール8の特定の低周波数の振動エネルギが、増大した音響放射エネルギに変換され、その結果、ドアモジュール8から放射される低周波音を増大させることが出来るのである。
先ず、本実施形態では、ドア閉め音増大領域8aは、上述したように、低周波音響増大手段である、ウインドウレギュレータ取り付け用補強リブ42により区画されて、縦横比がほぼ1:1にされており、低周波の振動である1×1モードの振動が生じ易くされている。さらに、低周波音響増大手段である補強構造により、ドア閉め音増大領域8aの剛性を調整して、そのドア閉め音増大領域8aがより確実に1×1モードで振動し易くされている。そして、そのような補強構造によって剛性を調整することにより、特定の低周波数の振動として、乗員がより確実に重厚さを感じることができるような200Hz以下の低周波数の振動、特に、10−100Hzの周波数の振動の音響変換効率を増大させるようにしている。即ち、本実施形態では、低周波音響増大手段によりドア閉め音増大領域8aの剛性を調整して、200Hz以下の周波数で、1×1モードの振動が発生するようにしている。
次に、図2、図3及び図6により、低周波音響増大手段を構成する補強構造を説明する。
先ず、図2及び図3に示すように、ドアモジュール8には、ドアモジュール8と一体的に成形された第1補強構造70が形成されている。この第1補強構造70は、ドア閉め音増大領域8aの中央領域の剛性を調整するものであり、ドア閉め音増大領域8aのほぼ中心部に位置し環状に且つ同心円状に延びる複数の環状肉厚部70a〜dで構成されている。ここで、中央領域とは、ドア閉め音増大領域8aの車体前後方向のほぼ中間且つ車体上下方向のほぼ中間の部分を指す。
また、図2に示すように、ドアモジュール8には、ドアモジュール8と一体的に成型された第2補強構造72が形成されている。この第2補強構造72は、ドア閉め音増大領域8aの車体前後方向の剛性を調整するものであり、ドア閉め音増大領域8aのドアラッチ部16の側からドア閉め音増大領域8aのほぼ中心部を通ってウインドウレギュレータ取付用補強リブ42の側まで車体前後方向に直線状に延びる直線状リブ72からなる。この直線状リブ72は、第1補強構造である複数の肉厚部70a〜dと一体的に成型されている。
さらに、ドアモジュール8には、ドアモジュール8と一体的に成型された第3補強構造74が形成されている。この第3補強構造74は、ドア閉め音増大領域8aの外周領域の剛性を調整するものであり、その外周領域のほぼ全周にわたって、ドアモジュール8のほぼ中心部に向かって放射状に延びるように形成された複数の放射状リブ74からなる。ここで、外周領域とは、上述した中央領域の周囲の部分であり、ドアインナパネル6に取り付けられる周縁部を含む。
さらに、ドアモジュール8には、ドアモジュール8と一体的に成型された第4補強構造76が形成されている。図2及び図6に示すように、この第4補強構造76は、作業用孔部34の開口34aの周縁の全周にわたって形成された開口補強リブ76aと、開口部34aから外方に向かって直線状に延びる孔部補強リブ76bとで構成され、いずれもドアモジュール8と一体的に形成されている。
この第4補強構造76は、この孔部34からその周囲の部分にかけて均一な剛性が得られるように、ドアモジュール8の剛性を調整するものである。即ち、ドアモジュール8に孔部を形成すると、それらの部分の剛性が低くなり、それらの周囲の部分との剛性差が生じて、剛性が不均一になってしまい、例えば、その部分に振動の節が発生したり、その部分で折れ曲がるような振動が発生してしまい、1×1モードの振動の発生を妨げる要因となる。また、高周波の振動の発生要因にもなる。そこで、本実施形態では、第4補強構造76として、孔部34の周囲の部分に補強部を形成することにより、孔部34からその周囲の部分にかけての剛性が均一に分布するようにしている。なお、ハーネス用孔部36にも、開口補強リブ76aと同様のリブが形成されている(図2参照)。また、バッド部材用凹部32等の凹部に、この第4補強構造と同様の補強構造を設けても同様の効果が得られる。
ここで、上述した第1乃至第4補強構造を構成する肉厚部70や補強リブ72、74、76は、本実施形態では、コアバックによらず、金型形状によって成型するようにしている。従って、これらの環状肉厚部70では、樹脂が発泡しておらず、ドア閉め音増大領域8aの低周波音を減衰させないようにすることが出来る。なお、これらの肉厚部70や補強リブ72、74、76をもコアバックにより成型することで、ドアモジュール8をさらに軽量化することが出来る。
次に、図2、図7及び図8により、ドアモジュール8のドアインナパネル6への取り付け構造を説明する。図7は、図2のドアモジュールとドアインナパネルとの第1の連結部を拡大して示す一部拡大平面図(a)及び第1の連結部の変形例を示す拡大平面図(b、c)であり、図8は、図2のVIII-VIII線に沿って見たドアモジュールとドアインナパネルとの第1の連結部及びドアインナパネルに設けた振動遮断用補強部を示す断面図であり、図9は、図2のIX-IX線に沿って見たドアラッチ部の構造及びドアモジュールとドアインナパネルとドアラッチブラケットとの連結構造を示す断面図である。
先ず、図2に示すように、ドアモジュール8は、上述したようにその周縁部に沿って第1の連結部22及び第2の連結部24によりドアインナパネル6に取り付けられている。
第1の連結部22は、ドアインナパネルの前方領域6b、上方領域6d及び下方領域6eに沿って設けられた12箇所の連結部であり、第2の連結部24は、ドアインナパネルの後方領域6cに沿った6箇所の連結部である。
先ず、図7及び図8により、第1の連結部22について説明する。
図7(a)及び図8に示すように、第1の連結部22は、樹脂製のグロメット80及び樹脂製のスクリューグロメット82を有している。グロメット80は、その頭部80aがドアモジュール側に配置されるようにドアインナパネルの取付孔6kにそれぞれ嵌め込まれて固定され、スクリューグロメット82は、ドアモジュール8の挿通孔8kに上方から挿入されると共にグロメット80の頭部80aに差し込まれて、グロメット80に固定されている。
また、本実施形態では、ドアモジュール8のスクリューグロメット82の周囲に、台座部84を一体的に形成している。図8に示すように、台座部84は、その高さがグロメット80の頭部の高さより大きくなるように形成され、これらの台座部84がドアインナパネル6に当接するようになっている。そして、グロメット80の頭部80aとドアモジュール8とが接触しないようにすると共に、台座部84により、ドアインナパネル6とドアモジュール8との接触面積が大きくなるようにしている。このようにして、スクリューグロメット82が破損しないようにしている。
また、図7(a)に示すように、台座部84は、挿通孔8k、即ち、スクリューグロメット82を囲むように、挿通孔8kに対し対称的に2箇所で円弧状に延びるように設けられている。図2及び図7に示すように、このような台座部84は、その2箇所で延びる各台座部84を結んだ線aが、ドアモジュール8の内方に向くように、本実施形態では、ドアモジュール8のほぼ中心部を通るように配置されている。このように配置することで、ドアモジュール8の振動を台座部が有効に受け止めることが出来るようにしている。なお、図7(b)に示すように、台座部84を円環状に形成しても良く、或いは、図7(c)に示すように、挿通孔8kに対し対照的に2箇所で直線状に延びるように配置しても良い。
次に、図2及び図9により、ドアラッチ部16の構造を具体的に説明すると共に第2の連結部24について説明する。
本実施形態によるドア構造では、ドア閉時に主にドアラッチ部16の側で生じた振動がドアモジュール8に伝達され、その振動のうち特定の低周波数の振動を低周波音響増大手段により増大させるようにしている。そのため、本実施形態では、ドア閉時に主にドアラッチ部16の側で生じた振動が、よりドアモジュール8に効率よく伝達されるようなドアラッチ部16の構造、及び、ドアモジュール8とドアインナパネル6とドアラッチ部16との連結構造としている。
先ず、図9に示すように、ドアラッチブラケット18は、ドアインナパネル6の後端面6g及び後方領域6cに、図9中dで示すような複数の箇所で溶接により固定されている。ここで、このドアラッチブラケット18には、図2で示すような位置でドアラッチ機構20が固定されている。ドアラッチブラケット18は、そのドアラッチ機構20の上方及び下方の、ドアラッチ機構20が設けられていない部分で、ドアインナパネル6との間に三角形状の閉断面(図9中eで示す)が構成されるように折り曲げられた形状となっている。
図2及び図9に示すように、ドアラッチブラケット18は、車体前後方向の前方に向けて、ドアモジュール8と重なり合う位置まで延びている。このドアラッチ部16における6つの第2の連結部24では、ドアモジュール8と、ドアインナパネル6と、ドアラッチブラケット18とが、ボルト90及びナット92により共締めされて連結剛性(ドアモジュール8のドアインナパネル6への取り付け剛性)が高められている。図2に示すように、これらの第2の連結部24は、ドアラッチ部16からドアモジュール8に向かう方向、即ち、振動が伝達される方向(本実施形態では、車体前後方向)に対し直交する方向にドアモジュール8のドアラッチ側の端縁部に沿って2列に延びるように配置されている。
また、図2に示すように、第2の連結部24が設けられている領域、即ち、ドアモジュール8とドアインナパネル6とドアラッチブラケット18とが重なり合う領域には、ドアラッチ部16からドアモジュール8に向かう方向に直線状に延びる補強リブ(補強部)94がドアモジュール8と一体的に形成されている。
次に、図2及び図8により、ドアモジュール8から低周波音の振動をより確実に放射させるためにドアインナパネル6に設けた振動遮断用の補強構造を説明する。
本実施形態では、振動遮断用の補強構造をドアインナパネル6に設けることにより、主にドアラッチ部16の側で生じた振動がドアモジュール8に効率よく伝達される一方、主にドアラッチ部16の側で生じた振動及びドアモジュール8に伝達された振動が、ドアインナパネル6に伝達されにくいようにしている。
具体的には、先ず、図2に示すように、ドアインナパネル6には、連続的に線状に延びる振動遮断用補強部100が形成されている。図8に示すように、この振動遮断用補強部100は、図8中f、gの2箇所で折り曲げられて剛性が高められた段差部100で構成されている。
次に、図2に示すように、この段差部100は、前方領域6b、上方領域6d及び下方領域6eで、ドアモジュール8を囲むように連続して延びる第1振動遮断部100aと、後方領域6cに形成された第2振動遮断部100bとを有する。この第2振動遮断部100bは、ドアラッチ部16の上方及び下方で、それぞれ、上方領域6d及び下方領域6eがドアラッチ部16から分断されるように、第1振動遮断部100aから連続して延びると共にドアインナパネル6の後端面6gとの境界縁まで延びている。
次に、図8に示すように、この段差部100は、ドアモジュール8よりその面外方向に突出する高さに形成されている。このように形成することにより、振動をより遮断すると共にドアモジュール8から放射される音が四方に逃げず、音響放射エネルギがより高まるようになっている。
次に、本発明の実施形態の作用効果を説明する。
先ず、本実施形態のドア構造では、ドア閉め音増大領域8aの低周波音響増大手段により、ドアモジュール8に伝達される、主にドアラッチ部16の側即ちドアインナパネル6の後方領域6cの側でドア閉時に生じる振動のうち、乗員が重厚さを感じることができる特定の低周波数の振動エネルギが、増大した音響放射エネルギに変換され、その結果、ドアモジュール8から放射される低周波音を増大させることが出来る。つまり、ドア閉時には、ドアインナパネル6のドアラッチ部16の側が車体側に当接して振動が発生し、或いは、ドアラッチ機構20がストライカ(図示せず)に当接して振動が発生すると考えられ、これらの振動のうちの低周波数の振動を増大させることが出来る。このような増大した低周波音のうち、車室側に放射された低周波音により、車内にいる乗員は、ドア閉め音を重厚と感じることが出来る。また、車室側に放射された低周波音は、ドアトリム10で高周波成分が減衰されて、車内にいる乗員に、より確実に重厚さを感じさせることが出来る。
増大した低周波音のうち、車外側に放射された低周波音は、ドアアウタパネル2(アウタ部)とドアインナパネル6及びドアモジュール8(インナ部)との間の空間に放射され、さらに、ドアアウタパネル2を透過して、車外側に放射される。その結果、車外にいる乗員はドア閉め音を重厚と感じることが出来る。また、ドアアウタパネル2を透過したドア閉め音は、高周波成分が減衰されるので、車外にいる乗員に、より確実に重厚さを感じさせることが出来る。
次に、本実施形態のドア構造では、ドアモジュール8を、低周波音の音響変換効率が高められたドア閉め音増大領域8aと、振動の音響変換効率が低くされた特定ドア機能部品支持領域8bとに分かれるように形成しているので、乗員が重厚さを感じることができる特定の低周波数の振動を増大させることが出来る一方、特定ドア機能部品の発する振動や音、即ち、スピーカ28の発する音やモータ40の振動が、ドアモジュールから室内に放射されにくくすることが出来る。即ち、ドア閉め音増大領域8aと特定ドア機能部品支持領域8bとを分けることにより、ドア閉め音の低周波音を増大させるようにしても、スピーカ28やモータ40の音や振動は放射しないようにすることが出来る。その結果、乗員は、ドア閉め音を重厚と感じさせることが出来、さらに、スピーカ28の音がほぼスピーカ28のみから放射されてスピーカ28の音を良好と感じ、或いは、また、モータ40の振動が音として室内に放射されずに不快なモータノイズが聞こえないようにすることが出来る。
特に、ドア閉め音増大領域8aは、ドアモジュール8の全領域のうち、ドアラッチ部16が設けられた後方側に設けられているので、主にドアラッチ部16の側で生じるドア閉時の振動を減衰させることなく直接的にドア閉め音増大領域8aに伝達させることが出来る。その結果、上述したように、低周波振動をより確実に増幅させて、乗員にドア閉め音を重厚であると感じさせることが出来る。一方、特定ドア機能部品支持領域8bは、ドアラッチ部16から離れた前方側に設けられているので、主にドアラッチ部16の側でドア閉時に生じる振動を減衰させないようにすることが出来る。
次に、ドアモジュール8は、樹脂製であるので、その成形性が高い。従って、この樹脂製のドアモジュール8に、低周波音響増大手段である、補強リブ42や、肉厚部70や補強リブ72、74、76を容易に形成することが出来る。その結果、低コストで低周波音響増大手段を設けることが出来る。また、製造時及び取り付け時の作業性を低下させることもない。
特に、本実施形態では、ドアモジュール8をマイクロセル成形により形成し、コアバック成形によりドアモジュール8の一部のみを発泡させるようにしている。この発泡により、軽量且つ剛性の高いドアモジュール8を形成することが出来る。即ち、従来、ドアモジュール全体の剛性を高めるためにリブやビード等の補強部を多数形成し、それらのリブ等の分樹脂の体積が増えて重量の増大につながるという問題が生じていたが、本実施形態では発泡により剛性を高めているので、重量の増大なくドアモジュール8の剛性を高められ、車体の軽量化に貢献することが出来る。
ここで、従来の化学発泡では、発泡セルサイズが大きく、さらに、コアバック成型によって板厚中心部に粗大な空隙が生じていたが、本実施形態では、マイクロセル成型及びコアバックにより、セルが微細且つ均一な発泡を実現することが出来る。その結果、ドアモジュールの剛性が高まり、且つ、微細且つ均一な発泡セルにより、スピーカ28やモータの音や振動を効果的に減衰させることが出来る。特に、本実施形態では、ドア閉め音増大領域8aを非発泡の領域としているので、乗員が重厚さを感じることができる低周波のドア閉め音は吸音或いは減衰させないようにして大きく放射させることが出来、一方、特定ドア機能部品支持領域8bを発泡領域としているので、スピーカ28やモータ40の音や振動など、ドアモジュール8からは放射させたくない音や振動は、吸音或いは減衰させることが出来る。
次に、本実施形態では、特定ドア機能部品支持領域8bが発泡されて形成されているので、その均一且つ微細な発泡により、特定ドア機能部品支持領域8bの剛性を大きく高めることが出来、その結果、スピーカ28やモータ40等のドア機能部品を確実に保持することが出来る。また、特定ドア機能部品支持領域8bの剛性が大きく高まることにより、ドアモジュール8自体の剛性を容易に高めることが出来、その結果、ドアモジュール8の板厚を従来より薄くしても剛性を確保することが出来る。また、発泡により、軽量且つ剛性の高い構造を形成することが出来る。一方、ドア閉め音増大領域8aの剛性は、特定ドア機能部品支持領域8bの剛性よりも小さく、ドア閉め音増大領域8aが振動し易くなっている。従って、上述したように低周波音を確実に増大させて放射させることが出来る。
また、本実施形態では、ドア閉め音増大領域8aが、低周波音響増大手段であるウインドウレギュレータ取り付け用補強リブ42により区画されて、縦横比がほぼ1:1にされているので、低周波の振動である1×1モードの振動を生じ易くすることが出来る。また、補強リブ42は、その板厚が高められて剛性が高くなっているので、ドア閉め音増大領域8aの振動が、特定ドア機能部品支持領域8bに伝達されないように振動を遮断することも出来る。さらに、ドアモジュール8に形成された第1乃至第4補強構造(補強部)によりドアモジュール8の剛性を調整しているので、200Hz以下の低周波数で、ドアモジュール8に1×1の振動モードの振動を発生させて、ドアモジュール8から放射される低周波音を増大させることが出来る。
即ち、第1補強構造である環状肉厚部70により、ドア閉め音増大領域8aの中央領域が環状に補強される。その結果、1×1モードの振動を発生させ易くなる。即ち、この環状肉厚部70により、ドア閉め音増大領域8aのほぼ中心部が最も振幅が大きくなるような振動の腹を発生させることが出来る。
また、第2補強構造である直線状リブ72により、ドア閉め音増大領域8aの車体前後方向の剛性が均一化するように調整される。その結果、ドア閉め音増大領域8aの周縁部を除くほぼ全域に振動の節が発生することを防止して、1×1モードの振動が発生し易くすることが出来る。さらに、その振動が、ドアモジュール8のほぼ全体になめらかな振動分布(振動振幅分布)の振動の腹を有するようにして、より確実に低周波音の音響放射効率を向上させることが出来る。特に、直線状リブ56は、主にドアラッチ部16の側で生じた振動、或いは、ドアラッチ部16が設けられたドアインナパネル6の後方領域6cの側で生じる振動が伝達される方向、即ち、ドアラッチ部16の側からドアモジュール8のほぼ中心部を通って反対のドアヒンジ14の側に向かう方向に延びているので、効果的に1×1モードの振動を発生させることが出来る。
さらに、直線状リブ56は、環状肉厚部50(第1補強構造)と一体で形成されているので、複数の環状肉厚部50が形成された領域が一体的に振動の腹として振動し易くなり、さらに、最も外側に位置する環状肉厚部50dとその外側の部分との境界部で折れ曲がるようにして振動の節が生じることを防止することが出来る。その結果、1×1モードの振動が確実に発生するようにすることが出来る。また、高周波振動も発生しにくくなる。
また、第3補強構造である複数の放射状リブ74により、ドアモジュール8の外周領域からほぼ中心部に向かって振動振幅が徐々に大きくなるように、振動の腹の分布を整えることが出来る。ここで、ドアインナパネル6に連結されたドアモジュール8の周縁部は、振動の節となり易く、外周領域は、振動の腹の分布の裾の部分となる。その外周領域に、ドア閉め音増大領域8aのほぼ中心部に向かう放射状リブ74を形成することにより、その外周領域で、折れ曲がるようにして振動の節が生じることを防止して、ドアモジュールのほぼ全体に1×1モードの振動がなめらかな振動分布で生じるようにすることが出来る。従って、より確実に低周波音の音響放射効率を向上させることが出来る。また、高周波振動も発生しにくくなる。
また、第4補強構造である開口補強リブ76により、孔部や凹部からその周囲の部分にかけて均一な剛性を得ることが出来る。従って、そのような孔部や凹部に振動の節が発生したり、それらの孔部や凹部とその周囲の部分との境界部で折れ曲がるような振動が発生することを防止することが出来る。即ち、孔部34や凹部32とその周囲の部分とが一体で(同相で)振動し易くなるので、ドアモジュールに1×1モードの振動が発生し易くなると共にその振動の腹の振幅分布をなめらかにすることが出来る。これらの結果、特定の低周波数の振動の音響放射効率を増大させることが出来る。また、高周波振動の発生も防止することが出来る。
次に、本実施形態のドア構造によるドアモジュール8のドアインナパネル6への取り付け構造の作用効果を説明する。
本実施形態では、ドアモジュール8は、第1の連結部22である樹脂製のグロメット80及びスクリューグロメット82によりドアインナパネル6に取り付けられているので、簡易な構造及び簡単な工程で、ドアモジュール8をドアインナパネル6に取り付けることが出来る。
ここで、ドアモジュール8には、ドアインナパネル6から振動が伝達されるが、ドアモジュール8が振動すると、その周縁部の各連結部において、ドアモジュール6とドアインナパネル8とが近づいたり離れたりするような、或いは、横方向(面内方向)に互いにずれるような相対的な振動が生じ易くなる。このような場合、グロメット80の頭部とドアモジュール8とが接触するように連結すると、ドアモジュール8を、グロメット80及びスクリューグロメット82のみで支持することになり、ドアモジュール8の振動に起因して、インナーパネル6のグロメット80に対しスクリューグロメット82が相対的に動き易くなる。その結果、スクリューグロメット82に大きな負荷がかかり、スクリューグロメット82が破損したり折れ曲がることになる。
しかし、本実施形態では、ドアモジュール8のスクリューグロメット82の周囲に、その高さがグロメット80の頭部の高さより大きくなるように形成された台座部84を一体的に形成し、これらの台座部84がドアインナパネル6に当接するようになっている。従って、ドアモジュール8は、グロメット80及びスクリューグロメット82の他、台座部84によっても支持されることになり、上述した相対的な振動が生じても、スクリューグロメット82にかかる負荷が非常に小さくなる。この結果、スクリューグロメット82の破損や折れ曲がりを防止することが出来る。さらに、取付強度を高めることが出来るので、ドアモジュール8にビビリ振動などが生じることなくより確実に低周波数の振動を増大させることが出来、ドア閉め音をより確実に重厚さを感じるように向上させることが出来る。
また、台座部84は、挿通孔8k即ちスクリューグロメット82を取り囲むように形成されているので、長いスパン(距離)でスクリューグロメット82を支持することが出来、その結果、スクリューグロメット82にかかる負荷を小さくすることが出来る。特に、ドアモジュール8とドアインナパネル6との相対的な振動が複合的、即ち、面外方向及び面内方向のあらゆる振動が組み合わされたようなものである場合に、ドアモジュール8がドアインナパネル6に対して台座部84により主に支持され、効果的にスクリューグロメット82の破損等を防止することが出来る。
さらに、2箇所で延びる各台座部84を結んだ線aが、ドアモジュール8の内方に向くように、特に、ドアモジュール8のほぼ中心部を通るように配置されているので、ドアモジュール8の振動を台座部が有効に受け止めることが出来るようにしている。また、各台座部84を結んだ線aが、ドア閉め音増大領域8aの中央領域に向いても同様の効果が得られる。
次に、本実施形態のドア構造におけるドアラッチ部16の構造、及び、第2の連結部24の作用効果を説明する。
本実施形態では、第2の連結部24において、ドアモジュール8と、ドアインナパネル6と、ドアラッチブラケット18とがボルト90及びナット92により共締めされているので、主にドアラッチ部16の側で生じた振動をドアモジュール8に効率よく伝達させることが出来る。ここで、ドアモジュール8に伝達される振動が大きい程、低周波音響増大手段により増大される低周波数の振動も大きくなる。従って、乗員が重厚さを感じることができる低周波音をより効果的に増大させることができる。また、これらの連結部24はドアラッチ部16からドアモジュール8に向かう方向、即ち、振動が伝達される方向に直交する方向に沿って2列に配置されているので、より効率よく振動を伝達させることが出来る。
さらに、ドアラッチブラケット18とドアインナパネル6との間に三角形状の閉断面が構成されているので、ドアラッチ機構20或いはドアラッチ部16が設けられた側において生じる振動をドアモジュール8に効率よく伝達させることが出来る。即ち、三角形状の閉断面により、ドア閉時にドアインナパネル6は変形しにくくなり、主にドアラッチ部16の側でドア閉時に生じる振動の振動エネルギは、ドアインナパネル6を変形させるエネルギとしてではなく、そのほとんどが、ドアモジュール8をその面外方向に振動させる振動エネルギとして、ドアモジュール8に効率よく伝達させることが出来る。さらに、ドアモジュール8の共締めされている領域には、ドアラッチ部16からドアモジュール8に向かう方向に延びる補強リブ86が形成されているので、主にドアラッチ部16の側でドア閉時に生じる振動の振動エネルギをドアモジュール8に有効に伝達することが出来る。
次に、本実施形態のドア構造における、ドアモジュール8から低周波音の振動をより確実に放射させるためにドアインナパネル6に設けた振動遮断用補強部100の作用効果を説明する。
本実施形態では、ドアインナパネル6の領域6b、6d、6eに、ドアモジュール8を囲むように振動遮断用補強部100(第1振動遮断部100a)が形成されているので、ドアモジュール8に伝達された振動が、さらに各領域6b、6d、6eに大きく伝達されにくくなり、その結果、ドアインナパネル6で高周波音の音響放射が生じることを防止することが出来る。即ち、ドアインナパネル6は、鋼板製であり、また、各領域6b、6d、6eの面積が比較的小さく、また、その外形が、特に開口部6aのように複雑であるので、高周波音が発生しやすいが、ドアモジュール8から伝達される振動が少ないので、そのような高周波音の発生を防止することが出来るのである。
また、第2振動遮断部100bは、主にドアラッチ部16の側で生じた振動がドアインナパネル6の上方領域6d及び下方領域6eに伝達されにくように、ドアラッチ部16の上方及び下方のそれぞれにおいて第1振動遮断部100aから連続して延びている。従って、ドアインナパネル6の上方領域6d及び下方領域6e、さらに、それらの領域6d、6eと連続している前方領域6bにおいて、高周波音の音響放射が生じることを防止することが出来る。一方、後方領域6cには、ドアモジュール8を囲むような振動遮断用補強部100が形成されていないので、主にドアラッチ部16の側で生じた振動をドアモジュール8に効率よく伝達させることが出来る。
また、振動遮断用補強部100は、剛性が高い段差部100であるので、ドアモジュール8からドアインナパネル6に伝達される振動、或いは、ドアラッチ部16の側から直接にドアインナパネル6に伝達される振動を有効に遮断することが出来る。さらに、この段差部100は、ドアモジュール8よりその面外方向に突出するように形成されているので、段差部100が、ドアモジュール8の周縁に対して面内方向に対向する壁として形成される。従って、ドアモジュール8から放射される低周波音が、ドアモジュール8とドアインナパネル6との隙間から逃げないようにして、ドアモジュール8から放射される音響放射エネルギが低減しないようにすることが出来る。特に、本実施形態では、ドアモジュール8の周縁部に沿って離間した複数の連結部22が設けられ、さらに、連結部22dでは、変位を許容するようにしているので、ドアモジュール8が振動すると、ドアモジュール8とドアインナパネル6との間に隙間が生じやすくなっているので有効である。なお、振動遮断用補強部100をビード部94で同様に構成しても、同様の作用効果を奏する。
次に、図10により、実験により得られた本実施形態によるドアモジュール8による低周波増幅の作用を説明する。図10は、本実施形態によるドアモジュール及び従来技術によるドアモジュールのドア閉時における音圧と周波数との関係の実験結果を示す線図である。
この実験では、上述した図1乃至図9に示すような本実施形態によるドアモジュールと、従来技術によるドアモジュールとをそれぞれ作製し、図1に示すようなドアインナパネルに取り付けて、ドア閉時に生じる振動により、ドアモジュールから放射される音響の音圧を測定した。
図10に示すように、本実施形態によるドアモジュールの音圧は、およそ200Hz以下の領域で従来技術によるドアモジュールよりも上回っており、乗員に重厚さを与えることが出来る低周波音が増大されていることが分かる。このように、本実施形態によるドアモジュールによる低周波振動増幅の効果が確認された。
本発明の実施形態による自動車のドア構造を適用したフロントドアの基本構造を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態によるドアインナパネル及びドアモジュールの構造を示す車室側から見た平面図である。 図2のIII-III線に沿って見たドアモジュールの車体前後方向の断面形状を示す断面図である。 マイクロセル成形技術によるドアモジュールの成型方法を説明するための金型及び樹脂注入装置の断面図である。 図2のV-V線に沿って見たモータ収容用凹部の断面図である。 図2のVI-VI線に沿って見た作業用孔部に設けた第4補強構造を示す断面図である。 図2のドアモジュールとドアインナパネルとの第1の連結部を拡大して示す一部拡大平面図(a)及び第1の連結部の変形例を示す拡大平面図(b、c)である。 図2のVIII-VIII線に沿って見たドアモジュールとドアインナパネルとの第1の連結部及びドアインナパネルに設けた振動遮断用補強部を示す断面図である。 図2のIX-IX線に沿って見たドアラッチ部の構造及びドアモジュールとドアインナパネルとドアラッチブラケットとの連結構造を示す断面図である。 本実施形態によるドアモジュール及び従来技術によるドアモジュールのドア閉時における音圧と周波数との関係の実験結果を示す線図である。
符号の説明
2 ドアアウタパネル
6 ドアインナパネル
6a 開口部
6b〜e ドアインナパネルの前方領域、後方領域、上方領域、下方領域
8 ドアモジュール
8a ドア閉め音増大領域
8b 特定ドア機能部品支持領域
8c 境界領域
16 ドアラッチ部
18 ドアラッチブラケット
20 ドアラッチ機構
22 ドアモジュールとドアインナパネルとの第1の連結部
24 ドアモジュールとドアインナパネルとの第2の連結部
26 ウインドウレギュレータ
28 スピーカ
40 モータ
42 ウインドウレギュレータ取付用の補強リブ
70 環状肉厚部(第1補強部)
72 直線状リブ(第2補強部)
74 放射状リブ(第3補強部)
76 第4補強部
80 グロメット
82 スクリューグロメット
84 台座部
100 振動遮断用補強部(段差部)

Claims (4)

  1. ドアラッチにより車体に開閉自在に支持される自動車のドア構造であって、
    ドアアウタパネルと、
    このドアアウタパネルの車室側に配置され開口部が形成されたドアインナパネルと、
    このドアインナパネルの開口部を覆うように上記ドアインナパネルに配置された樹脂製のドアモジュールと、を有し、
    上記ドアモジュールは、ドア閉時に生じる振動のうちの特定の低周波数の振動の音響変換効率を増大させる増大手段を備え、
    上記ドアモジュールは、上記ドアインナパネルの開口部の周縁部に複数設けられた取付孔に固定されたグロメットと、上記ドアモジュールの周縁部に複数設けられた挿通孔を介して上記グロメットに固定されるスクリューグロメットと、により上記ドアインナパネルに取り付けられ、上記ドアモジュールには、上記挿通孔の周囲で上記グロメットの頭部の高さより大きな高さで一体的に形成され上記ドアインナパネルに当接する台座部が形成されていることを特徴とする自動車のドア構造。
  2. 上記ドアモジュールの台座部は、上記挿通孔を取り囲むように形成されている請求項1記載の自動車のドア構造。
  3. 上記ドアモジュールの台座部は、上記挿通孔を環状に囲むように形成されている請求項1記載の自動車のドア構造。
  4. 上記ドアモジュールの台座部は、上記挿通孔に対して相対するように2箇所で延び、それらの2箇所で延びる台座部は、それらを結んだ線が上記ドアモジュールの内方に向かうように配置されている請求項1記載の自動車のドア構造。
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