JP2006230489A - 電子機器保護部材の製造方法、及び当該製造方法により得られた電子機器保護部材 - Google Patents

電子機器保護部材の製造方法、及び当該製造方法により得られた電子機器保護部材 Download PDF

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雅之 谷口
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Abstract

【課題】表示窓を備え、当該表示窓を通じて表示部が視認される電子機器を保護する保護部材について、表面平滑性が良好で透明性に優れた透明窓部、及び三次元的な複雑形状の装飾部を一体的に備えており、熱可塑性樹脂により簡便かつ低コストで成形することができる電子機器保護部材の製造方法、及び当該製造方法により得られた電子機器保護部材を提供することにある。
【解決手段】本発明の電子機器保護部材の製造方法は、透明窓部、及び三次元的形状からなる装飾部を含む電子機器保護部材1を製造するに際し、溶融状態の熱可塑性樹脂35を金型31,32内のキャビティ空間33に射出充填した後、キャビティ空間33を圧縮賦形する射出圧縮成形方法により、装飾部の平均厚さが、透明窓部の平均厚さより薄くなるようにして、熱可塑性樹脂35により透明窓部と装飾部を一体的に成形して電子機器保護部材1を得る。
【選択図】図7

Description

本発明は、表示窓を備え、当該表示窓を通じて表示部が視認される電子機器の前記表示窓の前方に前記電子機器を臨むように配置される電子機器保護部材の製造方法、及び当該製造方法により得られた電子機器保護部材に関する。
パチンコ、パチスロや各種アーケードゲームなどに代表されるいわゆる遊技機は、近年にあっては、遊技内容の面白さに加えて、遊技者を魅了するような装飾性を持たせることも商品性能を上げる重要な要素の一つとなっている。また、近年にあっては、自動販売機についても、購買意欲を増すためにゲーム性、アトラクション性を備える要望が多く、その際にあっては、装飾性は需要者を魅了する要素の欠かせない一つとなっている。
一方、前記したパチンコ、パチスロ、各アーケードゲーム等の遊技機や自動販売機等の電子機器は、遊技、ゲーム、商品を需要者に示すための表示部(遊技機にあっては遊技盤など)、及びこの表示部を視認可能とする透明な表示窓を有することが必須となり、この表示窓の透明感が商品の魅力を向上させる要因の一つとなっていた。
また、この表示窓は一般に透明ガラスが使われることが多かったが、このように透明窓部をガラス板で製造した場合にあっては、遊技者と接触して破壊、破損の危険性があり、防犯や不正防止の観点から、表示窓の透明ガラスによる仕切りを残しつつも、このガラス製の表示窓を合成樹脂で保護して欲しいとの要請があった。
このような背景から、表示窓を含めた電子機器の保護を前提にしつつ、趣向性や装飾性等を高めるため、遊技機や自動販売機等の電子機器の表示部となる表示窓の前方に対して、表示部を臨むように配置される透明窓部と、この透明窓部の周囲に形成される、複数の凹凸、曲面形状、波形状などの三次元的な形状からなる複雑な装飾的形状を備えた装飾部を有する保護枠(保護部材)を配設することが広く行われている。この保護部材としては、透明性に優れたポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂で構成された透明窓部の保護部材が流通されるようになっている。また、透明窓部の周囲に形成される装飾部についても、熱可塑性樹脂により構成されることにより、より多様かつ複雑な形状とすることが可能となり、装飾性の向上に繋がっていた。
これら透明窓部と装飾部は、あらかじめ別々に成形した後、両者を組み合わせて遊技機用保護枠としていた一方(例えば、特許文献1)、透明窓部と装飾部を一体化して一工程で製造することができれば、成形工程数の低減や流通性等の点から好ましかった。一方、このような異なる形状を一体化して製造するには、射出成形方法により行われることが一般的であり、当該成形方法を採用して両者を一体化成形する検討がなされていた(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
特開平10−216320号公報 特開平11−19307号公報 特開2000−176122号公報
ここで、一体化された保護部材においては、透明窓部の表面平滑性が重要である。すなわち、表面平滑性を良好にすることにより透明性が増すとともに、光沢性も優れたものとなり、機能面に加えて装飾面も向上して商品価値が高まる。また、装飾部についても、凹凸や曲面形状、波形状といった三次元的な複雑な形状を形成させるべく、樹脂を成形金型内で良好に流動させる成形方法を採用する必要があった。
一方、前記した特許文献に開示されるように、射出成形方法により透明窓部と装飾部を備えた保護部材を一体成形した場合にあっては、例えば金型を鏡面加工しても保圧が不十分なために、金型からの転写性が不十分となり、透明窓部の表面平滑性を十分なものとすることができず、また、装飾部にあっても、形状が複雑であるため白濁部が生じる等、成形される一体化された保護部材の製品品質に問題があった。
更には、一体化された保護部材は成形品としては比較的大型な部類に属するため、熱可塑性樹脂を使用した場合にあっては非常に大きな樹脂充填圧力が必要とされ、射出成形を採用すると生産性が悪く、かつ、コスト高にもなるため、改善が求められていた。
従って、本発明の目的は、表示窓を備え、当該表示窓を通じて表示部が視認される電子機器を保護する保護部材について、表面平滑性が良好で透明性に優れた透明窓部、及び三次元的な複雑形状の装飾部を一体的に備えており、熱可塑性樹脂により簡便かつ低コストで成形することができる電子機器保護部材の製造方法、及び当該製造方法により得られた電子機器保護部材を提供することにある。
前記した目的を達するために、本発明の電子機器保護部材の製造方法は、透明な表示窓を前面に備え、当該表示窓を通して表示部が視認される電子機器における前記表示窓の前方に対して前記表示部を臨むように配置される電子機器保護部材の製造方法であって、前記電子機器保護部材は、前記表示窓の前面側に対向して配設される透明窓部と、三次元的形状を有し、前記透明窓部の周囲の少なくとも一部に連続して形成される装飾部を含み、溶融状態の熱可塑性樹脂を金型内のキャビティ空間に射出充填した後、前記キャビティ空間を圧縮賦形する射出圧縮成形方法により、前記装飾部の平均厚さが、前記透明窓部の平均厚さより薄くなるようにして、熱可塑性樹脂により前記透明窓部と前記装飾部を一体的に成形することを特徴とする。
この本発明の製造方法は、透明窓部及び三次元的形状を有する装飾部を含む電子機器保護部材を、射出圧縮成形方法を採用して熱可塑性樹脂により一体化して成形するようにしているので、透明窓部を効率よく圧縮賦形させることができるため、透明窓部の平滑性が良好となり、透明性、光沢性に優れた透明窓部を備えた電子機器保護部材となる。また、成形方法として射出圧縮成形方法を適用することにより、射出成形方法と比較して透明窓部における残留歪みを低減させることができる。
更には、電子機器保護部材を構成する三次元形状を有する装飾部の平均厚さを、透明窓部の平均厚さより薄くなるように射出圧縮成形を実施することにより、透明窓部の透明性、表面平滑性及び表面光沢性を優れた状態で維持したまま、複雑な形状の装飾部に対する空気の巻き込みを防止することができる。
よって、当該装飾部の白濁化をなくすことができ、装飾性も良好で、製品品質の高い電子機器保護部材を好適に提供することができる。
なお、本発明の製造方法で得ることができる電子機器保護部材を適用する保護対象の電子機器としては、例えば、表示部として遊技盤を備えたパチンコ、パチスロ、アーケードゲーム等の遊技機や、自動販売機等が挙げられる。特に、電子機器として、表示部として遊技盤を備えた遊技機に採用することが好ましい。
また、装飾部は、三次元的形状を有するものであれば特に制限はなく、例えば、波形状、曲面形状、凹凸形状等の三次元的形状を有するものであればその具体的な形状は任意である。なお、形状は客観的に複雑な形状であればあるほど、その装飾性は高められることになる。
本発明の電子機器保護部材の製造方法は、前記装飾部の平均厚さが、前記透明窓部の平均厚さの50〜95%となるように成形することが好ましい。
この本発明によれば、電子機器保護部材の装飾部の平均厚さが、電子機器保護部材の透明窓部の平均厚さの50〜95%となるように成形するようにしているので、装飾部における空気の巻き込みを効率よく防止することができ、前記した効果をより確実に発揮することができる。
本発明の電子機器保護部材の製造方法は、前記圧縮賦形が前記金型内部に配設された圧縮コアをキャビティ空間の方向に移動して行われることが好ましい。
この本発明によれば、圧縮賦形が、金型内部に配設された圧縮コアをキャビティ空間の方向に移動して行われるので、圧縮コアにより、電子機器保護部材を構成する透明窓部を部分的に圧縮賦形することができるので、透明窓部をより一層効率よく圧縮賦形させることができる。
本発明の電子機器保護部材は、前記した本発明の製造方法により得られたことを特徴とする。
この本発明の電子機器保護部材は、前記した製造方法により得られるため、透明窓部の平滑性が良好であり、透明性、光沢性に優れた透明窓部を備え、かつ、装飾部の白濁化もなく、装飾性も良好で、製品品質の高い電子機器保護部材を提供することができる。
本発明の電子機器保護部材は、前記透明窓部表面の平均平面粗さが5μm以下であることが好ましい。
この本発明によれば、透明窓部表面の平均平面粗さが5μm以下であるので、透明窓部の表面平滑性が良好となり、透明性、表面光沢性に優れた透明窓部を備えた電子機器保護部材を提供可能とする。
本発明の電子機器保護部材は、前記電子機器の表示部と対向する面における前記透明窓部の周縁に凸リブを形成することが好ましい。
この本発明によれば、電子機器保護部材における電子機器の表示部と対向する面における透明窓部の周縁に凸リブを形成するようにしているので、電子機器保護部材が配設される電子機器の表示面の対向面に対して不意に物体が擦れたり接触したりした場合であっても、この凸リブの存在により当該物体と電子機器の表示部と対向する面の透明窓部が直接接触することを抑制することができるため、当該電子機器の表示部と対向する面の透明窓部に傷が付いたり、破損したりすることを好適に防止することができる。
本発明の電子機器保護部材は、前記電子機器の表示部と対向する面における前記透明窓部と前記装飾部の境界付近から前記装飾部にわたって複数の凸凹が形成されていることが好ましい。
この本発明によれば、電子機器保護部材において、電子機器の表示部と対向する面における透明窓部と装飾部の境界付近から装飾部にわたって複数の凸凹(いわゆるシボ)が形成されているので、例えば、表示部が発光状態にあるような場合には、かかる凸凹により光が散乱され、遊技機の使用者(遊技者)に強い印象を植え付けるとともに、表示部とこの保護部材とが一体化されているような雰囲気となる等、装飾効果が一段と高められることになる。
[第1実施形態]
図1〜図7を用いて、本発明の電子機器保護部材の一態様である遊技機保護枠の構成を説明する。
(I)遊技機保護枠1の構成:
図1は、この遊技機保護枠1と、保護対象とある電子機器である遊技機4との位置関係を示した模式図である。
遊技機保護枠1は、例えば、その前面にガラス製の表示窓41を備え、当該表示窓41を通じて表示部となる遊技盤42が視認方向を図1の矢印方向として視認される遊技機4の前方に配置されるものであり、この遊技盤42を臨むように配置される透明窓部2と、この透明窓部2の周囲に形成され、三次元形状からなる装飾部5が一体的になって形成されている。
そして、この遊技機保護枠1により、表示窓41を含めた遊技機4が好適に保護されることになる。
また、図2は、第1実施形態に係る遊技機保護枠1の正面図、図3は遊技機保護枠1を前方から見た斜視図、図4は遊技機保護枠1を後方から見た斜視図、図5(A)(B)は図2のV−V断面図(図5(C)はV’−V’断面図)、また、図6(A)(B)は図2のVI−VI断面図である。
このような遊技機用保護枠1を構成する熱可塑性樹脂としては、透明性に優れた樹脂材料を選択することが好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、COP(シクロ・オレフィン・ポリマー)等が挙げられる。
遊技盤42の前方に遊技盤42を臨むように配置される透明窓部2は、本実施形態にあっては、上部が半円形状を呈する盾形状である態様を示している。透明窓部2は、断面を図5及び図6に示すように平坦状であり、また、周囲を三次元形状からなる装飾部5(後記)に囲まれる。
透明窓部2の平均平面粗さは、5μm以下となるようにすることが好ましい。透明窓部2の平均平面粗さを5μm以下とすることにより、透明窓部の平滑性が優れたものとなり、透明性、光沢性をより一層向上させた透明窓部2を備えた遊技機保護枠1となる。
ここで、平均平面粗さは、走査型電子顕微鏡等を用いて、JIS B0601に準拠して測定すればよい。
ここで、透明窓部2の平均平面粗さを5μm以下とするためには、例えば、表面を鏡面加工した金型を用いて、透明窓部2に当該鏡面を転写するようにして成形したり、また、金型温度を使用する熱可塑性樹脂のTg(ガラス転移温度)付近まで昇温させた状態で溶融状態の熱可塑性樹脂をキャビティ空間に射出充填させ、射出充填、圧縮賦形後、金型を冷却するような手段を採用してもよい。後記するように、本発明は射出圧縮成形方法を用いて遊技機保護枠1を成形するようにしているので、射出成形方法を適用した場合と比較して、表面を鏡面加工した金型を用いた場合等には、その効果を効率よく発揮させることができる。
また、遊技機保護枠1にあっては、遊技機4の遊技盤42と対向する面(図4に示されるような遊技機保護枠1の後面。この場合、図1に示される遊技機4の外部に現れる面が、遊技機保護枠1の前面となる)における透明窓部2の周縁(図4に示されるA)に、凸リブ21が形成されているようにしてもよい。
ここで、図5(A)は、図2のV−V断面図において、遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブが形成されていない状態を示しており、図5(B)は、図2のV−V断面図において凸リブ21を形成した状態を示している。
同様に、図6(A)は図2のVI−VI断面図において、遊技機4の遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブが形成されていない状態を示しており、図6(B)は、図2のVI−VI断面図において、凸リブ21を形成した状態を示している。
図5(B)及び図6(B)に示したように、遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブ21を設ければ、遊技機保護枠1の当該遊技盤42と対向する面に対して不意に物体が接触した場合であっても、この凸リブ21の存在により当該物体と遊技盤42と対向する面の透明窓部2が直接接触したり、擦れたりすることを抑制することができ、透明窓部2に傷が付いたり、破損することを防止することができる。
なお、凸リブ21の高さは、遊技機保護枠1の大きさにより適宜決定すればよいが、概ね2〜10mm程度とすればよい。
また、遊技盤42と対向する面における透明窓部2と装飾部5の境界付近(先述の透明窓部2の周縁A付近)から装飾部5にわたる部分には、複数の凸凹9(シボ9)を形成するようにしてもよい。
図7は、図5(A)の部分拡大図であって、透明窓部2と装飾部5の境界付近から装飾部5にわたる部分に対して、シボ9を形成した態様を示している。このようにしてシボ9を形成することにより、例えば、遊技機4の遊技盤42が発光状態にあるような場合には、かかるシボ9により光が散乱され、遊技機の使用者(遊技者)に印象を強く植え付け、また、遊技盤と遊技機保護枠とが一体化されているような雰囲気となる等、装飾効果が一段と高められることになる。
なお、シボ9については、図7では、遊技盤42と対向する面における透明窓部2と装飾部5の境界付近から装飾部5にわたる部分一帯に形成されている例を示しているが、形成位置は、必要とする装飾効果に応じて、当該境界付近から装飾部5にわたる部分の任意の位置に形成するようにすればよい。
一方、透明窓部2の周囲の少なくとも一部に形成される装飾部5は、三次元的形状を有し、本実施形態にあっては、図2〜図6に示すように、透明窓部2の外縁に、凸部51と、透明窓部2の左斜め上方から右斜め上方の位置に、断面が波形状となる波形状部52が透明窓部2の周縁に沿って連続的に形成されて装飾部5を形成し、装飾性を備えるようにしている。
また、透明窓部2の上方には、装飾部5として、遊技機の外部に現れる面に向かって突出する突出部53が形成されている。かかる突出部53に対しては、別途文字等を記入することにより、装飾性を高めるようにしてもよい。
なお、本実施形態の遊技機保護枠1には、前記した透明窓部2及び装飾部5のほか、図2〜図4に示すように、透明窓部2の下方向に位置するように、上部が開口部61とされた玉投入部6と、当該玉投入部6の下方に、これも上部が開口部71とされた払い出し玉受け部7が一体的に形成されている。なお、図5(C)は、図2のV’−V’断面図であり、玉投入部6の横方向の断面を示している。
玉投入部6は、遊技機に使用される玉(パチンコ玉)を開口部61から投入するためのものであり、また、払い出し玉受け部7は、払い出された玉(パチンコ玉)が送り込まれ、開口部71から玉を取り出し可能とする。
また、遊技機保護枠1の下端には、開口されたハンドル挿入部8が形成されており、ここから、遊技機4に玉を発射する操作を行うための図示しない発射ハンドルが挿入されることになる。
(II)遊技機保護枠1の製造方法:
このような透明窓部2と装飾部5等を備えた遊技機保護枠1は、本発明にあっては、溶融状態の熱可塑性樹脂を金型内のキャビティ空間に射出充填した後、キャビティ空間を圧縮賦形する射出圧縮成形方法により、透明窓部2と装飾部5を熱可塑性樹脂により一体的に成形する。
このように、本発明の遊技機保護部材の製造方法は、熱可塑性樹脂により透明窓部2と装飾部5等を射出圧縮成形方法により一体化して成形するようにするので、透明窓部2を効率よく圧縮賦形させることができるとともに、射出成形方法と比較して、透明窓部2における残留歪みを低減させることができる。
図8は、本発明の遊技機保護部材の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」とする場合もある)を実施する射出圧縮成形ユニット3の一態様を示した図であって、(A)は金型31,32を開いた状態、(B)は熱可塑性樹脂35を射出充填している状態、(C)は、金型31,32を閉じて、熱可塑性樹脂35を圧縮賦形している状態、を示した模式図である。
図8に示した射出圧縮成形ユニット3を用いて本発明の製造方法を実施するにあっては、図8(A)に示すように、まず、金型32を後退させた状態として、金型31,32の合わせ面を開いた状態としてキャビティ空間33を形成し、図8(B)に示すように、このキャビティ空間33に対して、図示しない射出ユニットから、ゲート37を介して熱可塑性樹脂35を射出充填する(射出充填工程)。
そして、所定量の熱可塑性樹脂35の射出充填が完了したら、図8(C)に示すように、金型32を進行させた状態として、金型31,32を閉じて型締め力をかけて、充填された熱可塑性樹脂35を圧縮、賦形するようにして(圧縮賦形工程)、所定形状の遊技機保護枠1を得るようにするようにすればよい。
また、図9は、本発明の製造方法を実施する射出圧縮成形ユニットのもう一つの態様(射出圧縮成形ユニット3a)を示した図であり、(A)は圧縮コア36を開いた状態、(B)は熱可塑性樹脂35を射出充填している状態、(C)は圧縮ユニット34を進行させることにより圧縮コア36をキャビティ空間33方向に移動させ、熱可塑性樹脂35を圧縮賦形している状態、を示した模式図である。
図9に示した射出圧縮成形ユニット3aを用いて本発明の製造方法を実施するにあっては、図9(A)に示すように、まず、圧縮ユニット34を後退させ、圧縮コア36を開いた状態として、金型31,32の合わせ面を開いた状態としてキャビティ空間33を形成し、図9(B)に示すように、このキャビティ空間33に対して、図示しない射出ユニットから、ゲート37を介して熱可塑性樹脂35を射出充填する(射出充填工程)。
次に、所定量の熱可塑性樹脂35の射出充填が完了したら、図9(C)に示すように、圧縮ユニット34を進行させて、圧縮コア36をキャビティ空間33方向に移動させることにより圧縮コア36を閉じて型締め力をかけて、充填された熱可塑性樹脂35を圧縮、賦形するようにして、所定形状の遊技機保護枠1を得るようにする(圧縮賦形工程)。
図9に示した射出圧縮成形ユニット3aによれば、圧縮賦形が金型31,32内部に配設された圧縮コア36をキャビティ空間33の方向に移動させることにより行われるが、これによれば、圧縮コア36により、遊技機保護枠1を構成する透明窓部2を部分的に圧縮賦形することができる。このように、透明窓部2のみを部分的に圧縮賦形することにより、透明窓部2をより一層効率よく圧縮賦形することができる。
そして、図8や図9に示した射出圧縮成形ブロック3,3aを一例として実施される本発明の製造方法にあっては、成形される遊技機保護枠1の装飾部5の平均厚さが、遊技機保護枠1の透明窓部2の平均厚さより薄くなるようにして実施される。
このように、装飾部5の平均厚さが、透明窓部2の平均厚さより薄くなるようにして射出圧縮成形を実施することにより、透明窓部2の透明性、表面平滑性及び表面光沢性を優れた状態で維持したまま、三次元的な複雑な形状の装飾部5に対する空気の巻き込みを防止することができ、当該装飾部5の白濁化をなくし、製品品質が優れた遊技機保護枠1を提供することができる。
ここで、成形された遊技機保護枠1は、装飾部5の平均厚さが透明窓部2の平均厚さより薄くなるが、これは、例えば任意の数箇所の厚さの平均(平均厚さ)について、装飾部5が透明窓部2より薄くなればよく、部分的に装飾部5の厚さが透明窓部2の厚さより厚くなることも含む概念である。また、金型は、基本的に装飾部5の厚さと透明窓部2の厚さのそれぞれが一定になるようなものを使用することが望ましい。
更には、本発明にあっては、前記したようにシボ9や凸リブ21といった部位を設ける場合もあるが、これらの部位の形成はあくまでも装飾性等を向上させるための目的であり、
平均厚さの測定についてこれらの部位が形成された部分を含んで測定すると、本発明で想定している平均厚さの概念と外れてしまうことになる。従って、平均厚さの測定は、これらの部位が形成された位置を含まないで実施すればよい。
なお、装飾部5の平均厚さが、透明窓部2の平均厚さより薄くなるようにするためには、例えば、キャビティについて、透明窓部2よりも装飾部5が薄くなるような金型を使用する等により、両者の厚さ関係を調整すればよい。
また、この場合にあっては、遊技機保護枠1の装飾部5の平均厚さが、遊技機保護枠1の透明窓部2の平均厚さの50〜95%となるように成形することが好ましく、65〜90%となるように成形することが更に好ましい。このように、装飾部5の平均厚さが、透明窓部2の平均厚さの50〜95%となるように成形するようにすれば、装飾部5における空気の巻き込みを効率よく防止することができ、前記した効果をより確実に発揮することができる。
なお、本発明の製造方法の射出充填工程及び圧縮賦形工程における成形条件は、遊技機保護枠1の形状や使用する熱可塑性樹脂の種類により適宜決定することができる。
例えば、射出充填工程における金型の合わせ面により形成されるキャビティ空間33の間隔は、3〜5mmとすることが好ましい。当該間隔をかかる範囲とすることにより、溶融状態の熱可塑性樹脂を好適に射出充填することができるほか、後工程である圧縮賦形工程における圧縮しろとしても適当となり、後工程の圧縮賦形処理が良好に行われることになる。
成形温度(図示しない射出シリンダーの温度)は、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて決定すればよいが、220〜260℃程度とすればよく、また、金型温度も、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて決定すればよいが、30〜80℃程度とすればよい。
そして、射出充填にあっては、射出充填時間は、4〜8秒程度としておけばよい。
また、圧縮賦形工程における圧縮速度は、4〜6mm/秒程度としておけばよい。圧縮速度をかかる範囲にすることにより、射出充填された熱可塑性樹脂の圧縮賦形を好適に行うことができる。
圧縮賦形工程における圧縮圧力は、600〜800トン程度として、また、その際の型締圧力は、前記した圧縮圧力より高い圧力とすればよい。圧縮圧力が600〜800トンであれば、圧縮、賦形が十分に行われ、良好な外観の遊技機保護枠1を簡便に得ることができる。
圧縮しろは、0.5〜2.0mm程度とすればよく、圧縮しろをかかる範囲にすれば、圧縮賦形が効率よく行われることになる。また、冷却時間は、50〜60秒程度とすればよい。
なお、圧縮賦形工程の開始は、熱可塑性樹脂の充填完了時であるが、これは、充填が完全に完了した場合のほか、充填が完了する直前ないし直後(例えば、充填完了の0.1〜0.5秒前や完了の0.1〜0.5秒後)に開始するようにしてもよい。
このような本発明の遊技機保護枠の製造方法によれば、熱可塑性樹脂35により、透明窓部2と、三次元的形状を有する複雑な形状の装飾部5を含む遊技機保護枠1を、射出圧縮成形方法を採用して一体化して成形するようにしているので、透明窓部2を効率よく圧縮賦形させることができ、平滑性が良好となり、透明性、光沢性に優れた透明窓部2を備えた遊技機保護枠1となる。
また、遊技機保護枠1を構成する装飾部5の平均厚さが、透明窓部2の平均厚さより薄くなるようにして射出圧縮成形を実施することにより、透明窓部2の透明性、表面平滑性及び表面光沢性を優れた状態で維持したまま、三次元的な複雑な形状の装飾部5に対する空気の巻き込みを防止することができ、その結果、当該装飾部5の白濁化をなくし、装飾性を備え、製品品質が優れた遊技機保護枠1を簡便かつ低コストで提供することができることとなる。
そして、得られた遊技機保護枠1も、透明窓部2の平滑性が良好であり、透明性、光沢性に優れた透明窓部2を備え、かつ、三次元的形状を有する装飾部5の白濁化もなく、製品品質が非常に優れるため、遊技場(ホール)に配設されるパチンコ、パチスロ、アーケードゲーム等の遊技機に適用される遊技機保護枠1として有利に使用することができる。
[実施形態の変形]
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。
前記した実施形態では、図8に示した射出圧縮成形ユニット3にあっては、金型31,32を開いた状態としてあらかじめキャビティ空間33を形成してから溶融状態の熱可塑性樹脂35を射出充填するようにした態様を示したが(図8(A),図(B))、これには限定されず、例えば、金型31,32を閉じた状態として溶融状態の熱可塑性樹脂35を充填し、樹脂の充填圧力により金型31,32を開くようにして、キャビティ空間33が形成されるようにしてもよい。
また、遊技機保護枠1の形状は、図2〜図7に示したものには限定されず、図10〜図13に示す遊技機保護枠1aの形状や、図14〜図17に示す遊技機保護枠1bの形状を採用し、これらを、本発明の製造方法を用いて、熱可塑性樹脂により一体的に成形するようにしてもよい。
なお、以下の説明では、前記した第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図10は、遊技機保護部材の他の態様(遊技機保護枠1a)を示した平面図であり、図11は、図10の遊技機保護枠1aを前方から見た斜視図である。図10及び図11に示した遊技機保護枠1aは、平面から見て略中央に、前記した第1実施形態と同様に、上部が半円形状を呈する盾形状の透明窓部2が形成されている。
透明窓部2の左斜め上方及び右斜め上方には、段部54を介して、断面が波形状となる波形状部521が連続的に形成され、また、透明窓部2の上方にも、断面が波形状となる波形状部522が、段部54を介して、透明窓部2の周縁に沿って連続的に形成され、装飾部5を構成する。透明窓部2におけるそれ以外の部分には、段部54を介して、フランジ状の外枠部56が形成されている。
なお、図10及び図11にあっては、図2に示した第1実施形態の遊技機保護枠1とは異なり、透明窓部2の下方向には、玉投入部及び払い出し玉受け部、及びハンドル挿入部は形成されていない。
図12は図10のXII−XII断面図、図13は図10のXIII−XIII断面図である。図12に示す図10のXII−XII断面図のうち、図12(A)は遊技盤42(図1参照。以下同)と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブが形成されていない状態を、また、図12(B)は、遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブ21を形成した状態を示している。
同様に、図13に示す図10のXIII−XIII断面図のうち、図13(A)は遊技盤42の対向面における透明窓部2の周縁に凸リブが形成されていない状態を、また、図13(B)は、遊技盤42の対向面における透明窓部2の周縁に凸リブ21を形成した状態を示している。
なお、遊技機保護枠1aにおいて、遊技盤42の対向面における透明窓部2の周縁に凸リブ21が形成した場合の効果については、前記した第1実施形態の遊技機保護枠1と同様であるから、説明を省略する。
また、図14は、遊技機保護枠のもう一つの態様(遊技機保護枠1b)を示した平面図であり、図15は、図14の遊技機保護枠を前方から見た斜視図である。図14及び図15に示した遊技機保護枠1bは、前記した態様と同様に、上部が半円形状を呈する盾形状の透明窓部2が形成されている。この透明窓部2の下方向には、玉投入部6が形成されている。
透明窓部2の下方向以外の周囲には、段部541を介して、断面が波形状となる波形状部523が連続的に透明窓部2の周縁に沿って連続的に形成され、装飾部5を構成している。また、透明窓部2の上方向の周囲には、前面方向に延びる略円筒形状の凸状部として上方向の左右隅角に配設される第1凸状部524aと、第1凸状部524aの下方向及び2つの第1凸状部524aの間に形成される第2凸状部524bが計7つ形成され、装飾部5を構成している。
図16(A)(B)は図14のXVI−XVI断面図(図16(C)は、XVI’−XVI’断面図)、図17(A)(B)は図14のXVII−XVII断面図である。
図16に示す図14のXVI−XVI断面図のうち、図16(A)は遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブが形成されていない状態を、また、図16(B)は、遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブ21を形成した状態を示している。なお、図16(C)は、図14のXVI’−XVI’断面図であり、玉投入部6及びその周囲(波形状部523からなる装飾部5含む)の断面を示している。
同様に、図17に示す図14のXVII−XVII断面図のうち、図17(A)は遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブが形成されていない状態を、また、図17(B)は、遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブ21を形成した状態を示している。なお、遊技機保護枠1bにおいて、遊技盤42と対向する面における透明窓部2の周縁に凸リブ21が形成した場合の効果については、前記した第1実施形態等の遊技機保護枠1,1aと同様であるから、説明を省略する。
そして、遊技機保護枠は、前記した図10〜図13、または図14〜図17の態様にも限定されず、透明窓部2と、当該透明窓部2の周囲の少なくとも一部に形成され、三次元的な形状を有する装飾部5を含む形状が一体的に成形されているものであれば、その形状は任意に選定することができる。
なお、前記した実施形態では、電子機器の例として遊技機4を挙げ、この遊技機4の遊技盤42を臨むように配置される遊技機保護枠について説明したが、電子機器を、例えば自動販売機として、この自動販売機の表示部を臨むようにて配置される自動販売機保護枠を、本発明の製造方法を用いて、熱可塑性樹脂により一体的に成形するようにしてもよい。
なお、以下の説明では、前記した第1実施形態等と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図18は、自動販売機保護枠1dの一態様を示した斜視図である。
自動販売機保護枠1dについて、自動販売機10の図示しない表示部を臨むように配置される略矩形状の透明窓部2は、断面を平坦状として、また、周囲を後記する装飾部5に囲まれている。
透明窓部2と連続して形成される装飾部5は、三次元的形状を有し、本実施形態にあっては、透明窓部2の左右に形成され、平面視で複数の波状の段をもつ第1装飾部571と、透明窓部2の上方に張り出して形成される第2装飾部572を備える。また、図2〜図6の遊技機保護枠1と同様に、透明窓部2の上方には、装飾部5として、自動販売機10の外部に現れる面に向かって突出する突出部53が形成されている。
これら装飾部5の周縁には、枠部58が形成され、この枠部58に形成された嵌合孔581と、自動販売機10に形成された図示しない嵌合リブとが嵌合されることにより、自動販売機10に自動販売機保護枠1dが固定される。
図19は、当該自動販売機保護枠1dを備えた自動販売機10を前方から見た斜視図である。
図19に示した自動販売機10は、自動販売機保護枠1dの内側に、透明なガラス製の図示しない表示窓を備え、この表示窓を通して内部に存在する図示しない表示部が視認可能とされるものである。
なお、この自動販売機10の前面には、コイン(硬貨)を投入するためのコイン投入口11と、コインが返却されるコイン返却口12と、コインを返却するためのコイン返却レバー13が取り付けられている。そして、需要者は、コイン投入口11からコインを投入し、購入希望の商品を選択し、商品受取口14から商品を受け取ることになる。
なお、自動販売機10の図示しない表示部では、購買意欲を高めるべく、アトラクション的な表示が常時なされており、かかる表示は、図示しない表示窓、及び自動販売機保護枠1dの透明窓部2を介して需要者に視認されることになる。
その他、本発明の実施における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、実施例、比較例及び参考例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例等の内容に何ら限定されるものではない。
[試験例1]
図2〜図6(第1実施形態)の形状の遊技機保護枠1を、構成材料の熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(IRS204:三菱レイヨン(株)製)を用いて、透明窓部2の平均厚さを3.0mm、装飾部5の平均厚さを2.5mm(実施例1)、2.7mm(実施例2)、3.0mm(比較例1)、及び3.2mm(比較例2)となるように、図8に示した形式の射出圧縮成形ユニット3を用いて、下記の条件で射出圧縮成形した場合の不良率を確認し、成形安定性を比較・評価した。結果を表1に示す。
なお、透明窓部2と装飾部5の平均厚さについては、図2の遊技機保護枠1の横方向におけるX−Y間(図2の一点破線)について、図20に示すように、当該X−Y間の断面における位置イ(透明窓部2の略中央部)付近(3箇所)における厚さの平均を透明窓部2の平均厚さAとし、また、位置ロ(装飾部5の透明窓部2側の凸部51)付近(3箇所)における厚さの平均を装飾部5の平均厚さBとした。
(射出圧縮成形条件)
成形機: 850t MGW(三菱重工業(株)製)
成形温度(射出シリンダ温度): 260℃
金型温度: 70℃
樹脂充填時間: 6〜8秒
冷却時間: 90秒
圧縮しろ: 2mm
ここで、不良率とは、成形品(遊技機保護枠1)を100個成形した場合における、成形時に装飾部5に相当する部分に空気泡を巻き込み、白濁した成形品の割合を示すものである。
(結果)
Figure 2006230489
表1の結果からわかるように、遊技機保護枠1の透明窓部2の平均厚さに対して装飾部5の平均厚さを薄くするようにして射出圧縮成形した実施例1及び実施例2については、透明窓部2と装飾部5を一体にして成形することができるとともに、不良率も低く、成形安定性が良好であった。
一方、透明窓部2の平均厚さに対して装飾部5の平均厚さを同等にするようにして射出圧縮成形した比較例1、及び装飾部5の平均厚さを厚くするようにして射出圧縮成形した比較例2については、前記した実施例と比較して不良率が高く、特に、装飾部5の平均厚さを厚くするにつれて不良率が高くなった。
また、前記した実施例1と同様に、図2〜図6(第1実施形態)に示される形状の遊技機保護部材を、透明窓部2の平均厚さを3.0mm、装飾部5の平均厚さを2.5mmとなるように、図8に示した形式の射出圧縮成形ユニット3を用いて本発明の製造方法により射出圧縮成形したところ、得られた遊技機保護枠1の反り変形量は1.0mmと良好であった。
一方、参考例1として、図2〜図6に示される形状の遊技機保護枠1を、透明窓部2の平均厚さを3.0mm、装飾部5の平均厚さを2.5mmとなるように、下記の条件で射出成形したところ、得られた遊技機保護枠1の反り変形量は1.6mmと、本発明の製造方法で製造した遊技機保護枠1の反り変形量より大きかった。
なお、反り変形量は、図2の遊技機保護枠1の横方向におけるX−Y間について確認し、図21に示すように、X側の装飾部5及び透明窓部2を略中央まで地面に固定した状態における、Y側の装飾部5の端部が浮き上がった量h(mm)を指標とした。
(射出成形条件)
成形機: 1300t MG(三菱重工業(株)製)
成形温度(射出シリンダ温度): 260℃
金型温度: 80℃
樹脂充填時間: 8〜10秒
冷却時間: 50〜60秒
更に、前記した実施例1で得た遊技機保護枠1における平均平面粗さを、測定機器として、走査型レーザー顕微鏡(SLM700:Lasertec社製)を用いて、透明窓部2の略中央部1cm(1cm×1cm)について測定したところ、前者は0.959μmと小さく、表面平滑度が良好であった。なお、参照として、参考例1で得た遊技機保護枠1についても同様に測定したところ、平均平面粗さは13.399μmであり、実施例1のものより著しく大きかった。
[実施例3]
図2〜図6(第1実施形態)の形状の遊技機保護枠1を、構成材料の熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂(タフロン(登録商標)IV2200:出光興産(株)製)を用いて、透明窓部2の平均厚さを4.0mm、装飾部5の平均厚さを3.5mmとなるように、図8に示した形式の射出圧縮成形ユニット3を用いて、本発明の製造方法により、下記の条件で射出圧縮成形して、本発明の遊技機保護枠1を得た。
(射出圧縮成形条件)
成形機: 850t MGW(三菱重工業(株)製)
成形温度(射出シリンダ温度): 300℃
金型温度: 80℃
樹脂充填時間: 6〜8秒
冷却時間: 45秒
圧縮しろ: 6mm
[参考例2]
図2〜図6の形状の遊技機保護枠1を、構成材料の熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂(タフロン(登録商標)IV2200:出光興産(株)製)を用いて、透明窓部2の平均厚さを4.0mm、装飾部5の平均厚さを3.5mmとなるように、下記の条件で射出成形して、遊技機保護枠を得た。
(射出成形条件)
成形機: 1300t MG(三菱重工業(株)製)
成形温度(射出シリンダ温度): 300℃
金型温度: 80℃
樹脂充填時間: 10〜12秒
冷却時間: 50秒
前記した実施例3及び参照として参考例2で得られた遊技機保護枠の透明窓部の略中央部を、光の偏光を利用した歪み検査器(HEIDON 25W/新東科学(株)製)を用いて観察した。
歪み検査器による観察結果は、成形体の残留歪みによる光の散乱状態を示すものであり、灰色部が一様に分散される場合には残留歪みが少なく、光の散乱が小さい。
図22(A)は実施例3の、図22(B)は参考例2の観察結果を示した写真である。射出成形により得られた参考例2の観察結果は、図22(B)に示すように縞模様が明確に現れており、残留歪みによる光の散乱が大きいものであるが、射出圧縮成形により得られた実施例3の観察結果は、図21(A)に示すように、縞模様がほとんどなく、灰色部が略一様に分散されていることがわかる。
よって、成形方法として射出圧縮成形方法を適用することにより、射出成形方法と比較して透明窓部における残留歪みを低減することができることが確認できた。
本発明は、遊技場(ホール)に配設されるパチンコ、パチスロ、アーケードゲーム、及び自動販売機等の遊技機に適用される遊技機保護枠の製造方法として有利に使用することができる。
遊技機保護枠と遊技機の位置関係を示した模式図である。 本発明の第1実施形態に係る遊技機保護枠の正面図である。 図2の遊技機保護枠を前方から見た斜視図である。 図2の遊技機保護枠を後方から見た斜視図である。 図2のV−V断面図、及びV’−V’断面図である。 図2のVI−VI断面図である。 図5(A)の部分断面図である。 本発明の遊技機保護枠の製造方法を実施する射出圧縮成形ユニットの一態様を示した模式図である。 本発明の遊技機保護枠の製造方法を実施する射出圧縮成形ユニットの他の態様を示した模式図である。 本発明の遊技機保護枠の他の態様を示した正面図である。 図10の遊技機保護枠を前方から見た斜視図である。 図10のXII−XII断面図である。 図10のXIII−XIII断面図である。 本発明の遊技機保護枠のもう一つの態様を示した正面図である。 図13の遊技機保護枠を前方から見た斜視図である。 図14のXVI−XVI断面図、及びXVI’−XVI’断面図である。 図14のXVII−XVII断面図である。 自動販売機保護枠の一態様を示した斜視図である。 図18の自動販売機保護枠を備えた自動販売機の一態様を前方から見た斜視図である。 試験例1について、透明窓部及び装飾部の厚さの測定方法を示した模式図である。 反り変形量の測定方法を示した模式図である。 実施例3及び参考例2の遊技機保護部材における、偏光レンズによる観察結果を示した写真である。
符号の説明
1,1a,1b… 遊技機保護部材(電子機器保護部材)
1d… 自動販売機保護部材(電子機器保護部材)
2… 透明窓部
3,3a… 射出圧縮成形ユニット
10… 自動販売機
11… コイン投入口
12… コイン返却口
13… コイン返却レバー
14… 商品受取部
21… 凸リブ
31,32… 金型
33… キャビティ空間部
34… 圧縮ユニット
35… 熱可塑性樹脂
36… 圧縮コア
37… ゲート
4… 遊技機(電子機器)
41… 表示窓
42… 遊技盤(表示部)
5… 装飾部
51… 凸部(装飾部)
52,521,522,523… 波形状部(装飾部)
524a… 第1凸状部(装飾部)
524b… 第2凸状部(装飾部)
53… 突出部(装飾部)
54,541… 段部
56… 外枠部
571… 第1装飾部
572… 第2装飾部
58… 枠部
6… 玉投入部
61… 開口部
7… 払い出し玉受け部
71… 開口部
8… ハンドル挿入部
9… 凸凹(シボ)

Claims (8)

  1. 透明な表示窓を前面に備え、当該表示窓を通して表示部が視認される電子機器における前記表示窓の前方に対して前記表示部を臨むように配置される電子機器保護部材の製造方法であって、
    前記電子機器保護部材は、前記表示窓の前面側に対向して配設される透明窓部と、三次元的形状を有し、前記透明窓部の周囲の少なくとも一部に連続して形成される装飾部を含み、
    溶融状態の熱可塑性樹脂を金型内のキャビティ空間に射出充填した後、前記キャビティ空間を圧縮賦形する射出圧縮成形方法により、
    前記装飾部の平均厚さが、前記透明窓部の平均厚さより薄くなるようにして、熱可塑性樹脂により前記透明窓部と前記装飾部を一体的に成形することを特徴とする電子機器保護部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電子機器保護部材の製造方法において、
    前記電子機器が、表示部として遊技盤を備えた遊技機であることを特徴とする電子機器保護部材の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子機器保護部材の製造方法において、
    前記装飾部の平均厚さが、前記透明窓部の平均厚さの50〜95%となるように成形することを特徴とする電子機器保護部材の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子機器保護部材の製造方法において、
    前記圧縮賦形が前記金型内部に配設された圧縮コアをキャビティ空間の方向に移動して行われることを特徴とする電子機器保護部材の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする電子機器保護部材。
  6. 請求項5に記載の電子機器保護部材において、
    前記透明窓部表面の平均平面粗さが5μm以下であることを特徴とする電子機器保護部材。
  7. 請求項5または請求項6に記載の電子機器保護部材において、
    前記電子機器の表示部と対向する面における前記透明窓部の周縁に凸リブを形成することを特徴とする電子機器保護部材。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の電子機器保護部材において、
    前記電子機器の表示部と対向する面における前記透明窓部と前記装飾部の境界付近から前記装飾部にわたって複数の凸凹が形成されていることを特徴とする電子機器保護部材。
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